JPH09313946A - NOx含有排ガスの浄化用触媒及びその浄化方法 - Google Patents

NOx含有排ガスの浄化用触媒及びその浄化方法

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JPH09313946A
JPH09313946A JP8154979A JP15497996A JPH09313946A JP H09313946 A JPH09313946 A JP H09313946A JP 8154979 A JP8154979 A JP 8154979A JP 15497996 A JP15497996 A JP 15497996A JP H09313946 A JPH09313946 A JP H09313946A
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JP
Japan
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mordenite
nox
exhaust gas
catalyst
iron
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JP8154979A
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Inventor
Shigeo Satokawa
重夫 里川
Fumiyuki Hoshi
文之 星
Kenichi Yamazeki
憲一 山関
Hiroshi Uchida
洋 内田
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Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鉄を含有するモルデナイトからなるNOx含有
排ガス浄化用触媒について、モルデナイトに鉄をイオン
交換担持させるか又はモルデナイトの構造中に鉄を含有
させた触媒と同等或いはそれ以上の触媒活性を有する触
媒を得る。 【解決手段】モルデナイトに対して鉄を含浸担持させて
なることを特徴とするNOx含有排ガスの浄化用触媒、
NOx含有排ガスを還元剤の存在下モルデナイトに鉄を
含浸担持させてなる触媒に接触させることを特徴とする
NOx含有排ガスの浄化方法、及び、希薄燃焼方式の燃
焼により発生する燃焼排ガスをモルデナイトに鉄を含浸
担持させてなる触媒に接触させることを特徴とするNO
x含有排ガスの浄化方法。SiO2/Al23 比が低
く、結晶性が良好なモルデナイト、さらに酸性度の強い
点が多く存在するモルデナイトを用いればより有効であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄を含有するモル
デナイトからなるNOx含有排ガス浄化用触媒に関し、
より詳しくはモルデナイトに対して鉄を含浸担持させて
なることを特徴とするNOx含有排ガスの浄化用触媒及
びNOx含有排ガスを、還元剤の存在下、該触媒に接触
させることを特徴とするNOx含有排ガスの浄化方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、航空機、火力発電、各種工場等
から排出される排ガス中には燃料の燃焼により生成する
炭酸ガス及び水蒸気に加え、NOxやSOxやCO、さ
らには臭気物質、ばいじん等のほか、メタン等の未燃焼
の炭化水素が含有されており、また産業廃棄物や都市ゴ
ミなどの焼却時においてはそれら廃棄物の由来、種類、
組成等にもよるが、それらの物質に加えて塩化水素など
も発生する。
【0003】また、ガスエンジンやガスタービン、或い
はボイラーや加熱炉などにおいては都市ガスその他、メ
タン、エタン、プロパンなどを含む燃料ガスが使用され
ているが、その生成排ガスによる環境負荷を低減させ、
また燃焼効率や熱効率を高めるために、空気比すなわち
燃料ガスに対する空気の比率を燃料ガスリーン(lea
n)側、すなわち空気量を燃料ガスに対して燃料ガスの
完全燃焼に必要な理論空気量の1.0〜5.0倍、特に
1.0〜3.0とするいわゆる希薄燃焼方式が適用され
てきている。
【0004】そしてこれらの点は、コージェネレーショ
ンシステムやGHP(Gas Heat Pump)シ
ステムなどにおける希薄燃焼ガスエンジンについても同
様である。しかし何れにしても、希薄燃焼方式からの燃
焼排ガス中には多量の酸素、二酸化炭素及び水蒸気、少
量の未燃焼低級炭化水素(特にメタン)、微量の窒素酸
化物(NO、NO2 等のNOx)や一酸化炭素が含ま
れ、そのうち特にNOxについては、他の燃焼条件如何
にもよるが、通常300ppm程度以下、場合によって
は200ppm程度以下、或いは100ppm程度以下
というような極微量で含まれている。
【0005】それら有害成分のうちでも特にNOxを含
む排ガスの処理については、いわゆる排煙脱硝技術とし
て例えば無触媒還元法、接触分解法、非選択又は選択の
接触還元法、吸着法、電子線照射法、溶融塩吸収法、還
元吸収法その他各種方法が知られている。これらのうち
その処理に当たり触媒を使用して浄化する接触還元法
は、通常、NOxを最終的にN2 に変え無害とするもの
であるため特に注目されるが、この触媒としてはPt、
Rh、Pd等の貴金属、TiO2、V25、Cr23
の金属酸化物、希土類酸化物、硫化物等各種のものがあ
り、さらにその一種としてゼオライト系のものが知られ
ている。
【0006】ゼオライトはその組成上はアルミノケイ酸
塩からなり、それを構成するアルミナ(Al23)成分
とシリカ(SiO2 )成分の組成割合、その結晶構造等
の如何により数多くの種類があり、それぞれ異なった特
性を有するが、その幾つかは触媒自体としては勿論、各
種触媒用の担体としても使用される。ゼオライトにはそ
の種類如何にもよるが 天然のものだけではなく、水熱
合成等による合成ゼオライトも製造され市販されてお
り、その用途、使用反応等に応じてその変成、改質等の
改良も逐次なされてきている。この一つの系統としてN
Ox含有排ガスの浄化用触媒に関して、ゼオライトに銅
や鉄などの金属を担持させることによりその浄化効率等
の改善をする提案がなされている。
【0007】例えば特開平2ー4453号には、遷移金
属を担持したゼオライトを使用し、排煙中の窒素酸化物
をアンモニアの存在下で接触還元する脱硝触媒の製造方
法が開示されている。この技術ではその触媒を水熱処理
により製造するとし、遷移金属としては具体的にはC
u、Fe、Ni、Co及びVが示され、またゼオライト
としてはモルデナイトとペンタシル型ゼオライトが示さ
れているが、その具体例はその大部分がCuを担持させ
たもので、Feの例はただ1例(実施例23)が示され
ているだけである。しかもNOxに対するアンモニアの
量的割合は1.2倍(NOx=200ppm、NH3
240ppm)もが使用され、またその脱硝率は96%
としているが、温度条件等の記載は見当たらない。
【0008】ところで、NOx含有排ガス中のNOxを
触媒を用いて浄化する接触還元脱硝法では、その触媒の
ほか、別途還元剤が必要である。この還元剤としては一
般的にはアンモニア、水素、プロパン等の炭化水素、一
酸化炭素等が使用可能ではあるが、有効な還元剤の種類
は被処理排ガスの組成や触媒の種類、また反応温度等の
条件毎に個々に異なる。このうち特にアンモニアはNO
に対する選択反応性に優れていること等から、実用脱硝
法として現に採用されてきており、上掲特開平2ー44
53号においても、その還元剤としてアンモニアを用い
ることを必要不可欠としている。
【0009】この点特開平2ー203923号によれ
ば、アンモニアはそれ自体有害で危険であり、低温では
硫安等の塩が触媒表面に生成して脱硝率の低下を招くな
どの不都合があると指摘し、これに代わるものとしてア
ンモニウム塩又はアミン化合物を使用することが提案さ
れている。そのアンモニウム塩としては炭酸アンモニウ
ム、炭酸水素アンモニウム、蟻酸アンモニウム、酢酸ア
ンモニウムが示され、また上記アミノ化合物としては尿
素が例示されている。一方その触媒としては、とりわけ
アナターゼ型のチタニアにV25のような金属酸化物を
担持させたものが優れた脱硝性能を示すとしているが、
そこにゼオライト系触媒に関する記載はなく、具体的に
は上記V25担持のチタニア触媒が記載されているだけ
である。
【0010】本発明者等は、NOx含有排ガスの接触還
元脱硝法について、ここで使用する触媒自体、その触媒
と還元剤との組合せ、また触媒と還元剤との相互作用等
について各種多方面から実験、研究を進めており、その
触媒又はその担体としてゼオライトのうちでも特にモル
デナイトに着目してこれを改良、改善し、また還元剤と
して特に酢酸アンモニウムを使用する場合につき一連の
優れた成果を得ている(特開平8ー38907号、特願
平6ー276009号、特願平7ー161495号、
等)。
【0011】このうち特開平8ー38907号では、触
媒として鉄をイオン交換担持させたモルデナイト触媒又
は強酸中で鉄塩で変成処理したモルデナイト触媒を使用
することにより、排ガス中のNOxをきわめて有効に除
去することができる。また特願平6ー276009号に
おいては、そのNOx含有排ガス用触媒として「モルデ
ナイトの合成時に鉄を含有する原料を用いてその構造中
に鉄を含有させた合成モルデナイト触媒」を使用するこ
とにより、例えば空間速度(SV)220,000h-1
にも及ぶ苛酷な浄化処理条件下において、しかも処理温
度300〜325℃という比較的低い温度で当量又はそ
れ以上のNOx除去率が得られる。
【0012】これらの発明では、その還元剤として何れ
も酢酸アンモニウムを使用するが、特願平7ー1614
95号においては、それら触媒のうち特に「モルデナイ
トの合成時に鉄を含有する原料を用いてその構造中に鉄
を含有させた合成モルデナイト触媒」を使用する場合の
特異なNOx浄化特性を利用し、該触媒の存在下、NO
x含有排ガスをアンモニア水、アンモニウム塩(酢酸ア
ンモニウムを除く)の水溶液又はアミン化合物の水溶液
からなる還元剤を使用して処理することによりNOx含
有排ガスを有効に浄化するものである。
【0013】以上一連の発明における鉄含有モルデナイ
ト触媒は、モルデナイトに対して鉄をイオン交換担持さ
せるか、或いは鉄をモルデナイトの構造中に含有させた
ものである。ところが同じくモルデナイトと鉄との組み
合せであるにも拘わらず、モルデナイトに対して鉄を含
浸法により担持させた場合にNOx除去性能上どのよう
な効果が得られるか、また特にこれが希薄燃焼方式から
の排ガスの場合のようにNOx含量300ppm以下、
或いは200ppm以下、さらには100ppm以下と
いうような極微量のNOxに対してどのように作用する
かについては、これまで何も報告されていない。
【0014】なお、この点、特開平2ー194819号
には、窒素酸化物含有排ガスをCu及び/又はFe、さ
らにはCeやMoをも含有させた耐酸性ゼオライト触媒
上に導くことにより該窒素酸化物を還元する方法が紹介
されている。そしてそこにはゼオライトに対してCu及
び/又はFe、さらにはCeやMoをイオン交換法や含
浸法、或いは沈澱法により含有させ得る旨の記載はある
が、具体的にはただイオン交換法による場合が記載され
ているだけであり、しかも還元剤としてはアンモニアの
みが使用し得るだけである。
【0015】さらに上記技術においては、その耐酸性ゼ
オライトの例としてモルデン沸石型のものも使用し得る
としているが、当該モルデン沸石型についてはただSi
2/Al23モル比が8以上であればよいとしている
だけで、モルデン沸石型ゼオライト自体の結晶性等の内
容による触媒特性等の如何についてはそれ以上の解明は
なく、また窒素酸化物濃度についても、NOxを800
ppmも含む排ガスについて試験されているだけであ
り、被処理排ガス中の極微量のNOxに対してどのよう
な触媒作用をするかについては何も明らかにされていな
い。
【0016】本発明者は、以上のような諸事情の下に、
内外各社から同じくモルデナイトとして市販されている
数種類のモルデナイトに鉄を含浸担持させた場合につい
てさらに追求したところ、この特定のモルデナイトを用
いて調製した触媒が希薄燃焼方式からの燃焼排ガスの場
合のようにNOx含量300ppm以下、さらには10
0ppm以下というような極微量のNOxに対して有効
に作用し、しかもそのNOx浄化性能が原料モルデナイ
ト自体のSiO2/Al23 比、結晶性及び酸性質に大
きく左右され、そのSiO2/Al23 比が低く且つ結
晶性が良好であり、さらに強い酸性質を有する場合によ
り優れた浄化効果が得られることを突き止め、本発明に
到達するに至ったものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明はモ
ルデナイトに鉄を含浸担持させてなるNOx含有排ガス
浄化用触媒であって、NOx含量300ppm以下、或
いは200ppm以下、さらには100ppm以下とい
うような極微量のNOxに対して有効に作用するNOx
含有排ガス浄化用触媒及びこの触媒によるNOx含有排
ガスの浄化方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、鉄を含有する
モルデナイトからなるNOx含有排ガス浄化用触媒であ
って、モルデナイトに対して鉄を含浸担持させてなるこ
とを特徴とするNOx含有排ガスの浄化用触媒を提供
し、また本発明は、NOx含有排ガスを、還元剤の存在
下、モルデナイトに対して鉄を含浸担持させてなる触媒
に接触させることを特徴とするNOx含有排ガスの浄化
方法を提供し、さらに本発明は、希薄燃焼方式の燃焼に
より発生する燃焼排ガスをモルデナイトに鉄を含浸担持
させてなる触媒に接触させることを特徴とするNOx含
有排ガスの浄化方法を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明触媒におけるモルデナイト
はH型又はNH4 型として使用される。モルデナイトは
アルミノケイ酸塩の一種であり、斜方晶形でその中にト
ンネル構造を有するが、本発明触媒のモルデナイトとし
ては、その組成についてSiO2 /Al23比が低く、
モル比で10〜30、好ましくは10〜21の範囲のも
ので、且つモルデナイトの結晶構造を明確に有し、また
アンモニア昇温脱離試験(アンモニアTPD)に関して
より高温側にピークがあり、酸性度の強い点が多く存在
するモルデナイトが使用される。このうち結晶構造につ
いては、好ましくはXRDパターンにおけるピークの分
解能の良好なモルデナイトを使用する。
【0020】図1は、市販の各種モルデナイトのうちの
3例についてのXRDパターンを示すものである。図1
のとおり同じモルデナイト粉末であるにも拘わらずXR
Dパターンにかなりの差異があり、図1中特に※印(3
箇所)として示す部分の強度及びピーク分解能に顕著な
差異があることが分かる。B社製/HSZ600HOA
(商品名、SiO2/Al23 モル比=10.2)では
これら3箇所の強度は弱く、ピーク分解能も悪いのに対
して、A社製/CP511ー13(商品名、SiO2
Al23モル比=12.8)やA社製/CBV20A
(商品名、SiO2 /Al23モル比=20.0)の場
合では、これら3箇所ともシャープなピークを示してお
り、後述のとおり、本発明によればこのようにピーク分
解能の良好なモルデナイトを用いることにより、より有
効なNOx浄化効果が得られる。
【0021】また、図2は同じく市販の各種モルデナイ
トについて実施したアンモニア昇温脱離試験(アンモニ
アTPD)の測定結果のうち3例を示すものである。こ
こで本脱離試験は、それら各サンプルをヘリウム気流
下、温度500℃で前処理した後、温度100℃でアン
モニアを吸着させ、真空下で物理吸着したアンモニアを
除去し、次いで温度100℃から10℃/minの速度
で昇温させながら、離脱物を質量分析計(Mass S
pectroscopy)により定量することにより測
定した。
【0022】図2のとおり、アンモニア脱離量は、A社
製/CP511ー13及びA社製/CBV20Aでは高
温側に鋭いピークがあるのに対して、B社製/HSZ6
00HOAの場合にはブロードであり、また同じA社製
のCP511ー13とCBV20Aとでは、CBV20
Aの方がより高温側にシフトしていることが分かる。ア
ンモニアTPDでそのピークが高温になるのは酸性度の
強い点が多く存在することを意味するが、後述のとお
り、本発明によれば、上記のようにアンモニアTPDに
関してより高温側にシフトしたモルデナイトを用いるこ
とにより、より有効なNOx浄化効果が得られる。
【0023】本発明触媒は含浸法により製造するが、そ
れらモルデナイトに対して鉄を均一に担持させ得る含浸
法であれば特に限定はなく、例えばモルデナイトに対し
て鉄塩等の水溶液を含浸させた後、焼成することにより
製造することができる。この場合、その鉄塩の例として
は鉄の硝酸塩、酢酸塩、塩化鉄、臭化鉄等のハロゲン化
物を挙げることができ、このほか有機鉄化合物等も使用
できるが、これら鉄塩等をモルデナイトに対して均一に
含浸させる必要があるため、好ましくは硝酸塩や酢酸塩
などの水可溶性の塩が使用される。その製造の一態様を
述べると、モルデナイト粉末をそれら鉄塩の水溶液中に
均一に攪拌、分散させ、次いで例えばロータリーエバポ
レーターを用いて溶媒を蒸発乾固した後、乾燥し焼成す
る。
【0024】また、本触媒の使用形態としては粉末状、
粒状、顆粒状(含:球状)、ペレット状(錠剤状)、或
いはハニカム状(モノリス体)等の適宜形態として用い
ることができる。ただこれらに被処理排ガスを通す必要
があるため、触媒の形状が粉末状の場合には、その逸散
を防止するため、例えば粒状等に造粒するか、或いはペ
レット状等に成形して使用する。図3(a)〜(b)は
ハニカム状(モノリス体)として使用する場合の一、二
の例であり、これら図3(a)〜(b)は拡大断面図す
なわちその断面を拡大して模式的に示している。
【0025】上記ハニカム状(モノリス体)とする場合
の製造態様としては(1)粉末状の本触媒を必要に応じ
てアルミナゾル等のバインダーとともに押し出し成形し
てハニカム状とし、乾燥、焼成する、(2)粉末状の本
触媒を例えばアルミナゾル等のバインダーとともに水性
懸濁液とし、この水性懸濁液中に予め形成したモノリス
担体を含浸させた後(すなわちウォッシュコートした
後)、エアーガンその他の適宜の手段により過剰付着物
スラリーを除去し、次いで乾燥し焼成する、等の手法で
製造される。このうち(2)の態様の場合にはその焼成
後、必要に応じてさらにエアーガン等により過剰付着物
を除去してもよく、また予めモノリス体とする担体の材
料としては、コージェライト等のセラミック製材料やス
テンレス等の金属製材料が用いられる。
【0026】本発明における還元剤としてはアンモニア
水、尿素水、酢酸アンモニウム、蟻酸アンモニウム、蓚
酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウ
ム等のアンモニウム塩の水溶液を使用することができ、
このほかシアヌル酸等の水溶液も使用可能である。この
点前掲特開平2ー194819号で使用し得る還元剤は
唯一アンモニアだけであり、しかも水溶液としてではな
く、アンモニアそのものとして使用されるが、本発明に
おいては、上記のように尿素等のアミン化合物や炭酸ア
ンモニウム等のアンモニウム塩を水溶液として使用して
有効な浄化効果を得ることができる。またもちろんアン
モニアを使用するのも可能である。
【0027】また、本発明の浄化方法では、例えば反応
管等に配置された触媒層に排ガスを通すことにより実施
するが、還元剤の添加法としては、それら水溶液を
(a)触媒層又はその上流で排ガス流中に噴霧その他の
手法で注入する、(b)触媒自体に予め含浸担持させ
る、(c)これら(a)及び(b)を併用する等各種態
様を採り得るが、長期間にわたり安定して操作する上で
は、これらのうち(a)の態様を採るのが望ましい。ま
たNOx含有排ガス中のNOx量に対する還元剤の添加
量は当量以下で十分である。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
がこの実施例に限定されるものではないことは勿論であ
る。本実施例としては各種モルデナイトに対して鉄を含
浸担持させたモルデナイト触媒の製造例、この合成モル
デナイト触媒をモノリス担体に担持させたモノリス担持
触媒の調製例及びこれら触媒を用いて実施したNOx含
有排ガスの浄化試験例を記載している。
【0029】〈鉄を含浸担持させたモルデナイト触媒粉
末の製造例〉市販の各種H型モルデナイト粉末に鉄を含
浸担持させた。含浸処理用水溶液としては硝酸鉄0.3
〜6.0gを含む硝酸鉄水溶液500mlを使用した。
この水溶液に各H型モルデナイト粉末20gを添加し、
温度50℃の湯浴上ロータリーエバポレーターを使用し
て2時間攪拌後、減圧下、約2時間かけて水分を蒸発さ
せ鉄を含浸担持した。引続き温度120℃で1晩乾燥さ
せた後、温度500℃で2時間焼成して触媒粉末を得
た。この場合その含浸担持は、各H型モルデナイト粉末
20g毎に、これに対する上記硝酸鉄水溶液の濃度を変
え、Fe23として0.5〜10wt%の範囲で異なる
鉄担持量となるように含浸担持させた。
【0030】〈モノリス担持触媒の調製例〉上記〈製造
例〉で得た鉄を含浸担持させた各モルデナイト触媒粉末
をモノリス担体に対して次のとおりにして担持させた。
この担体は図3(a)に示す断面形状を有するものを円
柱形に切り出したコージェライト製ハニカム型担体で、
直径20mmφ、長さ=16mm、セル数200個/イ
ンチ角のものを使用した。このハニカム型担体は体積
5.0mlである。
【0031】一方、上記触媒粉末20gを蒸留水30g
及びアルミナゾル(アルミナゾルー200、日産化学社
製、商品名)20gと混合、攪拌して水性懸濁液を得
た。この水性懸濁液中に上記コージェライト製ハニカム
型担体を含浸させてウォッシュコートし、その後エアー
ガンにより過剰の付着物スラリーを除去し、温度115
℃に1時間保持して乾燥させた。担持量が150g/l
以上になるまで同操作を繰り返し行った。次いでこの乾
燥物を温度110℃で6時間保持し、引続き温度500
℃で2時間焼成し、さらにエアーガンにより過剰付着物
を除去した。こうして鉄の含浸担持量が異なる各モルデ
ナイト触媒粉末毎にハニカム担持の触媒を製造し、これ
らを供試触媒とした。これらハニカム担持触媒の触媒担
持量は150〜200g/lであった。
【0032】《浄化試験》以上で得た各供試触媒を使用
し、NOx含有排ガスの浄化試験を行った。被処理排ガ
スとしてはNO=73ppm、CO=910ppm、C
2 =6.8%、O2 =9.1%、水蒸気(スチーム)
=9.1%、N2 =バランス量を含むガスを使用し、空
間速度(SV)を66,000h-1、反応温度は250
〜500℃の範囲で実施した。また還元剤として尿素水
を用い、これを触媒床の直前で反応管内に噴霧し、その
量が被処理排ガス中で73ppm(Nベース:すなわち
「H2N−CO−NH2」の1/2)となるように注入し
ながら実施した。
【0033】図4は、以上の結果のうち、図1〜図2に
示す3種のモルデナイトを用いた触媒についてFe含有
率(=Fe23担持量:wt%)の如何によるNOx除
去率を示したものである(反応温度=375℃)。ここ
でNOx除去率とは、処理前のNOx濃度をX、処理後
のNOx濃度をYとし、下記式(1)によって算出した
ものである。
【数 1】
【0034】図4中、○印はH型モルデナイトとしてA
社製/CP511ー13(商品名、SiO2 /Al23
モル比=12.8)、□印はH型モルデナイトとしてA
社製/CBV20A(商品名、SiO2 /Al23モル
比=20.0)、△印はH型モルデナイトとしてB社製
/HSZ600HOA(商品名、SiO2 /Al23
ル比=10.2)を使用した場合をプロットしている。
【0035】図4のとおり、A社製/CP511ー13
(○印)及びA社製/CBV20A(□印)の場合に
は、B社製/HSZ600HOA(△印)の場合に比べ
て格段に高いNOx除去率が得られる。A社製/CP5
11ー13ではFe23担持量0.5wt%で既にNO
x除去率57%強を示し、その担持量の増加に伴いNO
x除去能を増し、Fe23担持量3.5wt%でNOx
除去率85%の高水準となり、Fe23担持量8.5w
t%程度まではNOx除去率に変化はなく、以降Fe2
3担持量の増加に伴い徐々に低下はするが、Fe23
担持量10wt%でもなおNOx除去率73%の高水準
を維持している。
【0036】本浄化試験における被処理排ガス中のNO
濃度は前記のとおり73ppmという極微量であるが、
それでも上記のとおりNOx除去率85%、すなわち浄
化処理後のNO濃度を11ppm弱にまで低下させると
いうきわめて優れた浄化効果を得ることができる。また
図示のとおり、A社製/CBV20Aの場合にも、モル
デナイトとして上記A社製/CP511ー13を用いた
場合に比べればある程度下回るが、良好なNOx除去率
を示している。
【0037】これに対して、B社製/HSZ600HO
A(△印)のモルデナイトの場合には、上記2例と全く
同じ条件で鉄を含浸担持させたものであるにも拘わら
ず、NOx除去率は、(それなりに有効ではあるが)上
記2例に比べてかなり下回り、Fe23担持量7.0w
t%でもNOx除去率50%程度を示すに過ぎない。図
1のとおり、A社製/CP511ー13及びA社製/C
BV20Aは結晶性が良好なモルデナイトであるのに対
し、B社製/HSZ600HOAの場合は、同じモルデ
ナイト構造を有するものではあるが、結晶性がやや低
い。
【0038】また図2のとおり、アンモニアTPDに関
し、A社製/CP511ー13及びA社製/CBV20
Aでは高温側に鋭いピークがあるのに対して、同じモル
デナイト構造を有するものではあるが、B社製/HSZ
600HOAの場合にはブロードであり、また同じA社
製のCP511ー13とCBV20Aとでは、CBV2
0Aの方がより高温側にシフトし、酸性度の強い点が多
く存在している。このように以上の事実は担体モルデナ
イトの結晶性の良否、またアンモニアTPDに関して、
より高温側にピークがあり、酸性度の強い点が多く存在
する点がNOx除去性能を大きく左右し、その結晶性が
良いこと、また酸性度の強い点が多く存在することが優
れたNOx除去性能を得る上で有効であることを示して
いる。
【0039】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によればモルデナ
イトに鉄を含浸担持させてなるNOx含有排ガス浄化用
触媒により、NOx含量300ppm以下、或いは20
0ppm以下、さらには100ppm以下というような
極微量のNOxに対して有効に作用し、モルデナイトに
鉄をイオン交換担持させるか又は鉄をその構造中に含有
させた触媒と同等の触媒活性を得ることができる。モル
デナイトとして結晶性の良好なモルデナイトを用い、ま
た酸性度の強い点が多く存在するモルデナイトを用いれ
ばさらに有効であり、より優れたNOx除去性能を得る
ことができる。
【0040】また本発明触媒によれば、多量の酸素や水
蒸気が存在し、排ガス中のNOx濃度が例えば73pp
mというきわめて低い場合にもNOx除去率70%以上
というきわめて優れた浄化効果を得ることができる。こ
のためガスエンジン等からの希薄燃焼排ガス中の極微量
NOxをも有効に還元し、浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種モルデナイトのXRDパターンを示す図。
【図2】各種モルデナイトのアンモニアTPD(アンモ
ニア昇温脱離試験)の測定結果を示す図。
【図3】本発明で適用し得るモノリス触媒の例を示す図
(断面模式図)。
【図4】各種モルデナイト中のFe含有量とNOx除去
率の関係を示す図。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄を含有するモルデナイトからなるNOx
    含有排ガス浄化用触媒であって、モルデナイトに対して
    鉄を含浸担持させてなることを特徴とするNOx含有排
    ガスの浄化用触媒。
  2. 【請求項2】上記モルデナイトが、XRDパターンにお
    けるピークの分解能の良好なモルデナイトである請求項
    1記載のNOx含有排ガスの浄化用触媒。
  3. 【請求項3】上記モルデナイトが、アンモニアTPD測
    定における高温で離脱するアンモニア量の多い、すなわ
    ち強い酸性質を示す活性点を多く有するモルデナイトで
    ある請求項1又は2記載のNOx含有排ガスの浄化用触
    媒。
  4. 【請求項4】NOx含有排ガスを、アンモニア、アンモ
    ニウム塩の水溶液又はアミン化合物の水溶液からなる還
    元剤の存在下、モルデナイトに鉄を含浸担持させてなる
    触媒に接触させることを特徴とするNOx含有排ガスの
    浄化方法。
  5. 【請求項5】上記アンモニアがアンモニア水であり、上
    記アンモニウム塩の水溶液が酢酸アンモニウム、蟻酸ア
    ンモニウム、蓚酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭
    酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムの水溶液であ
    り、上記アミン化合物の水溶液が尿素水である請求項4
    記載のNOx含有排ガスの浄化方法。
  6. 【請求項6】希薄燃焼方式の燃焼により発生する燃焼排
    ガスをモルデナイトに鉄を含浸担持させてなる触媒に接
    触させることを特徴とするNOx含有排ガスの浄化方
    法。
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