JPH0931374A - インクジェットインキおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェットインキおよびその製造方法

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JPH0931374A
JPH0931374A JP17831495A JP17831495A JPH0931374A JP H0931374 A JPH0931374 A JP H0931374A JP 17831495 A JP17831495 A JP 17831495A JP 17831495 A JP17831495 A JP 17831495A JP H0931374 A JPH0931374 A JP H0931374A
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宗徳 安藤
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慎也 藤松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紙面での耐水性を充分有しながら,ヘッドでの
インキの再溶解性に優れ,ノズルでの吐出安定性が良好
なインクジェットインキの提供。 【解決手段】水性の液体中にカーボンブラックを分散し
てなるインクジェットインキにおいて,アクリル酸,ス
チレン,αメチルスチレンよりなる3元共重合体を用い
ることを特徴とするインクジェットインキ,およびカー
ボンブラックおよびアクリル酸,スチレン,αメチルス
チレンよりなる3元共重合体を含む濃縮状態の水分散液
をあらかじめ分散させたのち,水および添加剤を加えて
希釈し,60〜80℃の温度にて5〜48時間保持する
ことを特徴とするインクジェットインキの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,耐水性の優れたイ
ンクジェットインキ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりインクジェット用記録液として
は,特開昭53ー61412号公報,特開昭54ー89
811号公報,特開昭55ー65269号公報に開示さ
れるように,酸性染料,直接染料,塩基性染料等の水溶
性染料をグリコール系溶剤と水に溶解したものがよく用
いられている。しかし,水溶性染料としては,記録液の
安定性を得るために,水に対する溶解性の高いものが一
般的に用いられており,インクジェット記録物の耐水性
が悪く,水をこぼしたりすると容易に記録部分の染料の
にじみを生じるという問題があった。
【0003】このような耐水性の不良を改良するため,
特開昭56−57862号公報に開示されるように,染
料の構造を変えたり,塩基性の強い記録液を調製するこ
とが試みられている。また,特開昭50ー49004号
公報,特開昭57ー36692号公報,特開昭59ー2
0696号公報,特開昭59ー146889号公報に開
示されるように,記録紙と記録液との反応をうまく利用
して耐水性の向上を図ることも行われている。これらの
方法は,ある種の記録紙については著しい効果をあげて
いるが,インクジェット方式においては種々の記録紙を
用いるため,水溶性染料を使用する記録液では記録物の
充分な耐水性が得られないことが多い。
【0004】また,耐水性の良好な記録液としては,油
溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解したもの,油溶
性染料を揮発性の溶剤に溶解したものがあるが,溶剤の
臭気や溶剤の排出に対して環境上嫌われることがあり,
大量の記録を行う場合や装置の設置場所によっては,溶
剤回収等の必要性が問題となることがある。したがっ
て,記録物の耐水性をよくするために,水系媒体に顔料
を分散した記録液の開発が行われている。しかし,顔料
は,染料と異なり記録媒体中にて不溶解であり,微小粒
子として分散させることおよび分散状態を安定に保つこ
とが非常に困難である。そして,耐水性,耐光性に優れ
る顔料の特長を発揮させながら,記録液の吐出条件への
調整,長期保存安定性,紙等の被記録体への定着,画像
の色,にじみ等の品質につき,染料並みないしそれ以上
の特性をえるためには,さらなる改良を必要としている
のが現状である。
【0005】また,インクジェット用記録液において
は,プリンターの高解像度化からノズル径が小さくなっ
たのに伴い,着色剤の粒子径を微細化する必要が生じて
いる。さらに,顔料を分散させた記録液には,記録液に
対する再溶解性と紙面での耐水性という相反した特性を
要求されるが,水溶解性の樹脂を用いると再溶解性では
優位であるが,紙面での耐水性では充分な特性が得られ
にくかった。また,耐水性から水分散性の樹脂を用いる
と,紙面での耐水性は良好であるが,ヘッド部等にイン
キが付着すると再溶解性がなくなり使用にあたっての制
約があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は,紙面
での耐水性を充分有しながら,ヘッドでのインキの再溶
解性に優れ,ノズルでの吐出安定性が良好なインクジェ
ットインキを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち,本発明は,水
性の液体中にカーボンブラックを分散してなるインクジ
ェットインキにおいて,アクリル酸,スチレン,αメチ
ルスチレンよりなる3元共重合体を用いることを特徴と
するインクジェットインキを提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェットインキ
は,一般には,カーボンブラック1〜5重量%,染料0
〜1重量%,防黴剤0.03〜0.5重量%,アクリル
酸,スチレン,αメチルスチレンよりなる3元共重合体
0.5〜10重量%,水性溶剤0〜25重量%,水50
〜95重量%を含む。
【0009】アクリル酸,スチレン,αメチルスチレン
よりなる3元共重合体は,カーボンブラックの極めて安
定した分散に寄与するものであり,インキ中に0.5〜
10重量%用いることが好ましい。これよりも少ない
と,カーボンブラックによる導電性が高くなり,コンテ
ィニュアスタイプのマルチヘッドにおいて偏向電極等で
ショートの恐れが増加する。また,これよりも多いとイ
ンキの粘度を低く設定することが困難となり,液滴の生
成が充分できなくなる。アクリル酸,スチレン,αメチ
ルスチレンよりなる3元共重合体の分子量は,2000
〜8000,さらには2000〜5000であること
が,顔料の分散性およびインキの吐出安定性の面,イン
キベタ印字面の抵抗値等から好ましい。また,該3元共
重合体の酸価は,90〜130であることが紙面での耐
水性とヘッド部でのインキの再溶解性,インキベタ印字
面の抵抗値等から好ましい。
【0010】アクリル酸,スチレン,αメチルスチレン
よりなる3元共重合体は,アクリル酸,スチレン,αメ
チルスチレンを公知の方法で共重合して得られるが,ア
クリル酸1モルに対してスチレンおよびαメチルスチレ
ンの合計3〜5モルの共重合体であることが好ましい。
さらには,アクリル酸1モルに対して,スチレン2.0
〜4.0モル,好ましくは2.2 〜3.5モル,αメ
チルスチレン0.3〜1.5モル,好ましくは0.5〜
1.2モルの共重合体であることが好ましい。この共重
合割合により,分散の安定性,耐水性,再溶解性,ベタ
画像形成面での高抵抗値のバランスが良い共重合体が得
られる。
【0011】本発明のインクジェットインキには,上記
3元共重合体をインキの液体成分に安定に溶解させてお
くために,アルカリ金属であるナトリウム,カリウムの
水酸化物,脂肪族アミン,エタノールアミン,プロパノ
ールアミン,メチルエタノールアミン等のアルコールア
ミン,モルホリン,N−メチルモルホリン,ジメチルア
ミノエタノール,ジエチルアミノエタノール等が中和剤
として用いられる。中和剤を上記3元共重合体と等モル
ないし過剰量用いることにより,溶解性の維持,耐水性
の維持,再溶解性の維持が良好に行われる。
【0012】カーボンブラックとしては,中性,塩基
性,酸性カーボンブラックのいずれも使用できる。具体
的には,三菱化成社製のMA7,MA100,MA8,
MA11,NO50,NO2300,No950.No
850,MCF88,デグサ社製のPrintex9
5,90,85,75,55,45,40,Color
Black FW18,S160,Special B
lack 550,350,コロンビアカーボン社製の
RAVEN1030,850,760,780,50
0,1255,1250,1500,キャボット社製の
Black PEAR,VULCAN XC,P,RE
GAL 550R,330I,ELFEX8,東海カー
ボン社製のシースト5H,3H等が挙げられ,あらかじ
め分散された市販の分散体を用いてもよい。
【0013】カーボンブラックは,水性媒体中でバイン
ダー樹脂とともに分散し,あるいは,予めバインダー樹
脂と分散したのち水性媒体にて希釈し,インクジェット
インキを製造する。分散後の好ましいカーボンブラック
の粒子径は,レーザー散乱法による平均粒径において
0.2μ以下,さらに好ましくは,0.1μ以下であ
る。このような粒径であると,記録時のインキの吐出が
安定するほか,インキの製造における濾過操作が容易で
あり,インキの経時での沈降も起こりにくくなる。カー
ボンブラックは,インキの1〜5重量%の範囲で用いる
ことが好ましい。これよりも少ないと画像の濃度,色の
再現が不充分になる。また,これよりも多いと,吐出の
安定性が著く低下し,ノズルでのめずまりが頻発しやす
くなる。また,インキの粘度調整が困難になったりす
る。
【0014】本発明のインクジェットインキには,色相
の調整,濃度の付与およびインキの特性の調整を目的と
して,耐水性,耐光性に問題の無いような形で,染料を
併用することもできる。ただし,染料の使用によってカ
ーボンブラックの分散の安定性を悪くすることもあるの
で,その使用量は顔料の40重量%以下,好ましくは2
5重量%以下に止める必要がある。染料としては,酸性
染料,塩基性染料,直接染料,反応性染料,分散染料,
含金属染料等が用いられる。染料は,無機塩の除去され
た精製染料が好ましい。
【0015】染料としては,C.I.ダイレクトブラック1
7,19,32,51,71,108,146,15
4,166,C.I.アシッドブラック2,7,24,2
6,31,52,63,112,118,C.I.ベーシッ
クブラック2,C.I.ダイレクトブルー6,22,25,
71,90,106,フードブラック1,2およびこれ
らのリチウムないしカリウム置換物,C.I.アシッドブル
ー9,22,40,59,93,102,104,11
3,117,120,167,229,234,C.I.ベ
イシックブルー1,3,5,7,9,24,25,2
6,28,29等を例示できる。
【0016】本発明のインクジェットインキにおいて液
体成分としては,水および水性溶剤が挙げられる。イン
キの媒体である水としては,金属イオン等を除去したイ
オン交換水ないし蒸留水を,インキの50〜95重量%
の範囲で用いることが好ましい。水性溶剤は,インキの
ノズル部分での乾燥,固化を防止し,安定なインキの噴
射およびノズルの経時での乾燥を防止し,保湿剤として
も働くものであり,単独ないし混合してインキの0〜2
5重量%の範囲で用いる。
【0017】水性溶剤としては,エチレングリコール,
ジエチレングリコール,プロピレングリコール,トリエ
チレングリコール,ポリエチレンリコール,グリセリ
ン,テトラエチレングリコール,ジプロピレングリコー
ル,ケトンアルコール,ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル,
エチレングリコールモノエチルエーテル,1,2ーヘキ
サンジオール ,N−メチルー2ーピロリドン,置換ピ
ロリドン,2,4,6ーキサントリオール,テトラフル
フリルアルコール,4−メトキシー4メチルペタノン等
を例示できる。また,インキの紙での乾燥を速めること
を目的として,メタノール,エタノール,イソプロピル
アルコール等のアルコール類も用いることができる。
【0018】インキの被印刷体が紙のような浸透性のあ
る材料のときには,紙へのインキの浸透をはやめ見掛け
の乾燥性を早くするため,浸透剤を加えることができ
る。このような浸透剤としては,水性溶剤として例示し
たジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコ
ールエーテル,アルキレングリコール,ポリエチレング
リコールモノラウリルエーテル,ラウリル硫酸ナトリウ
ム,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,オレイン
酸ナトリウム,ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等
を用いることができる。これらは,インキの5重量%以
下の使用量で十分な効果があり,これよりも多いと印字
の滲み,紙抜け(プリントスルー)を起こし好ましくな
くなる。
【0019】防黴剤は,インキへの黴の発生を防止する
ものであり,デヒドロ酢酸ナトリウム,安息香酸ナトリ
ウム,ソジウムピリジンチオンー1ーオキサイド,ジン
クピリジンチオンー1ーオキサイド,1,2ーベンズイ
ソチアゾリンー3ーオン,1ーベンズイソチアゾリンー
3ーオンのアミン塩等が用いられる。これらは,インキ
の0.03〜0.5重量%程度の範囲で用いる。キレー
ト剤は,インキ中の金属イオンを封鎖し,ノズル部での
金属の析出やインキ中での不溶解性物の析出等を防止す
るものであり,エチレンジアミンテトラアセティックア
シド,エチレンジアミンテトラアセティックアシドのナ
トリウム塩,エチレンジアミンテトラアセティックアシ
ドのジアンモニウム塩,エチレンジアミンテトラアセテ
ィックアシドのテトラアンモニウム塩等が用いられる。
これらは,インキの0〜0.5重量%の範囲で用いる。
【0020】また,インキのpHを調整し,インキの安
定ないし記録装置中のインキ配管との安定性を得るた
め,アミン,無機塩,アンモニア等のpH調整剤,リン
酸等の緩衝液を用いることができる。また,インキの循
環,移動,あるいはインキ製造時の泡の発生を防止する
ため,消泡剤を添加することもできる。さらに,カーボ
ンブラックの分散および画像の品質向上を目的として,
アニオン性,非イオン性,カチオン性,両イオン性活性
剤等の界面活性剤や分散剤を用いることができる。
【0021】アニオン性活性剤としては,脂肪酸塩,ア
ルキル硫酸エステル塩,アルキルアリールスルホン酸
塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,ジアルキルスル
ホン酸塩,ジアルキルスルホコハク酸塩,アルキルジア
リールエーテルジスルホン酸塩,アルキルリン酸塩,ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩,ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩,ナフタレン
スルホン酸フォルマリン縮合物,ポリオキシエチレンア
ルキルリン酸エステル塩,グリセロールボレイト脂肪酸
エステル,ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エス
テル等を例示できる。
【0022】非イオン性活性剤としては,ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキル
アリールエーテル,ポリオキシエチレンオキシプロピレ
ンブロックコポリマー,ソルビタン脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキ
シエチレンソルビトール脂肪酸エステル,グリセリン脂
肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレンアルキルアミン,フッ素系,シリコン
系等の非イオン性活性剤が例示できる。カチオン性活性
剤としては,アルキルアミン塩,第4級アンモニウム
塩,アルキルピリジニウム塩,アルキルイミダゾリウム
塩等を例示できる。両イオン性活性剤としては,アルキ
ルベタイン,アルキルアミンオキサイド,ホスファジル
コリン等が例示できる。
【0023】その他の添加剤として,尿素,ジメチル尿
素等を加えることもできる。また,その他従来公知の各
種溶剤,添加剤,塩類,合成および天然樹脂等を併用す
ることもできる。インキの製造については,カーボンブ
ラック,水,必要に応じて分散剤,水性溶剤を混合し,
サンドミル,ホモジナイザー,ボールミル,ペイントシ
ェーカー,超音波分散機等で分散した後,3元共重合体
の溶解液を加えて混合する。あるいは,カーボンブラッ
ク,3元共重合体,水,必要に応じ分散剤,水性溶剤を
混合し,サンドミル,ホモジナイザー,ボールミル,ペ
イントシェーカー,超音波分散機等で分散する。あるい
は,二本ロールミルでカーボンブラック,3元共重合体
をあらかじめ良く混練したち,上記サンドミル等でさら
に分散し,適宜水にて希釈,他の添加剤を混合する。
【0024】3元共重合体は,予め中和剤にて充分溶解
した状態で用いても良く,溶解のため加温することも有
効である。また,分散後,加熱処理を加えてインキの安
定性を向上させることも有効である。混合攪拌は,通常
の羽を用いた攪拌機による攪拌のほか,高速の分散機,
乳化機等により行うことができる。混合されたインキ
は,希釈の前あるいは後に,孔径3μ以下のフィルタ
ー,好ましくは1.0μ以下のフィルター,さらに好ま
しくは0.45μ以下のフィルターにて十分濾過する。
フィルター濾過に先立って,遠心分離による濾過を行う
こともでき,これによりフィルター濾過における目詰ま
りを少なくし,フィルター交換を少なくする。
【0025】インキは,記録装置の方式にもよるが,粘
度0.8〜15cps(25℃)の液体として調整す
る。表面張力は,25〜60dyn/cmである。pH
は,特に制約されないが7〜12の範囲であり,7〜1
0の弱アルカリ性が好ましい。本発明のインキは,コン
ティニュアスタイプのプリンターおよびオンデマンドタ
イプのプリンターのいずれにも使用できる。コンティニ
ュアスタイプのプリンターにおいては,液滴が適度に帯
電するようにインキの電導度を調整する。
【0026】
【実施例】以下,実施例に基づいて本発明を説明する。
実施例中,部および%は,重量部および重量%をそれぞ
れ表す。アクリル樹脂の合成法に従い,下記のモノマー
組成(モル比)の3元共重合体を合成した。 アクリル酸 スチレン αメチルスチレン 酸価 分子量 合成例1 1 2.5 0.7 105 3500 2 1 2.5 0.9 100 5000 3 1 2.3 0.7 102 2500 4 1 3.0 1.0 95 4500 5 1 3.4 0.7 90 4000 6 1 2.1 1.2 120 3000
【0027】〔実施例1〕サンドミルに下記の原料を入
れて分散し、分散物を作製した。 カーボンブラック(三菱化成社製「MA7」) 30部 合成例1の3元共重合体 3.0部 ジメチルアミノエタノール 0.4部 界面活性剤(花王社製「エマルゲン420」) 1.0部 精製水 50.0部 グリセリン 6.0部
【0028】分散後,下記のものと混合した。混合後,
0.45μのメンブランフィルターにて濾過し,インキ
を製造した。得られたインキの粒度分布をレーザー回折
方式の粒度分布計(大塚電子社製「DSL−700」)
で測定したところ、平均粒径は80nmであった。 上記分散物 13.5部 界面活性剤(花王社製「エマルゲン420」) 0.2部 合成例1の3元共重合体 3.8部 エチレングリコール 10.0部 防黴剤(オーリン社製「ソジウムオマジン」) 0.15部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドナトリウム塩 0.02部 精製水 63.53部
【0029】〔実施例2〕サンドミルに下記の原料を入
れ分散し、分散物を作製した。 カーボンブラック(デグサ社製「Printex40」) 4.0部 青色顔料分散剤(P−〔CH2 NH(CH 2 4N(CH 32 3) Pは銅フタロシアニン残基 0.6部 合成例2の3元共重合体 3.0部 ジエチルアミノエタノール 0.3部 界面活性剤(花王社製「エマルゲン420」) 0.5部 分散剤(ゼネカ社製「ソルスパース27000」) 0.5部 精製水 50.0部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部
【0030】分散後,下記のものと混合した。混合後,
0.45μのメンブランフィルターにて濾過し,インキ
を製造した。得られたインキの平均粒径は85nmであ
った。 上記分散物 13.5部 界面活性剤(花王社製「エマルゲン420」) 0.2部 合成例1の3元共重合体 4.3部 エチレングリコール 10.0部 防黴剤(オーリン社製「ソジウムオマジン」) 0.15部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドナトリウム塩 0.02部 精製水 63.53部
【0031】〔実施例3〕サンドミルに下記の原料を入
れ分散後,1μのメンブランフィルターにて濾過し,さ
らに0.45μのメンブランフィルターにて濾過してイ
ンキを製造した。得られたインキの平均粒径は94nm
であった。 カーボンブラック分散体 9.5部 (ヘキスト社製「ホスタファインTS」,固形分33%) 青色顔料分散剤(P−〔CH2 NH(CH 2 4N(CH 32 3 Pは銅フタロシアニン残基 0.1部 染料(C.Iダイレクトブラック154) 0.5部 合成例2の3元共重合体 3.9部 ジエチルアミノエタノール 0.6部 界面活性剤(花王社製「エマルゲン420」) 0.4部 分散剤(ゼネカ社製「ソルスパース27000」) 0.5部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部 エチレングリコール 1.0部 防黴剤(オーリン社製「ソジウムオマジン」) 0.15部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドナトリウム塩 0.02部 精製水 83.53部
【0032】〔比較例1〜10および実施例4〜10〕
合成例2の3元共重合体のかわりに下記の樹脂を用い,
実施例3と同様にしてインキを製造した。
【0033】 樹脂 酸価 分子量 量(固形分) 比較例1 A−St 150 6800 4部 2 A−St 195 10000 5部 3 A−St 200 5000 5部 4 A−St 200 7000 4部 5 A−St 200 7500 5部 6 A−St 235 1600 5部 7 A−エマルション1 4部 8 A−エマルション2 5部 9 ポリエステル 5部 実施例4 合成例3 102 2500 5部 5 4 95 4000 5部 6 5 90 4000 5部 7 3 102 2500 4部 8 4 95 4000 4部 9 5 90 4000 4部 10 6 120 3000 4部
【0034】なお,A−Stはスチレンアクリル樹脂
を,A−エマルション1はアクリル系樹脂エマルション
(日本ポリマー工業社製「リオクリルPFX030
2」)を,A−エマルション2はアクリル系樹脂エマル
ション(日本ポリマー工業社製「トークリルS74
0」)を,ポリエステルは水溶解性ポリエステル樹脂
(互応化学工業社製「Z−446」)を表す。
【0035】実施例および比較例で得られたインキにつ
いて,耐水性,再溶解性,濾過性,粘度,噴射特性,抵
抗値および分散性を評価した。結果を表1に示す。ま
た,実施例で得られたインキについては,−40℃で一
週間保存後に自然解凍したところ,初期の粘度を維持し
ており,安定な噴射特性を示した。また,60℃の恒温
槽で1月保存したところ,初期の粘度を維持しており,
安定な噴射特性を示した。さらに,−40℃7時間,室
温7時間,50℃7時間のサイクルを3回繰り返して行
ったところ,初期の印字特性およびインキの物性値を維
持していた。
【0036】なお,評価は下記のようにして行った。 (1) 耐水性 インキをインクジェットプリンター(日立製作所社製
「GXII」)のカートリッジに入れて普通紙(ゼロック
ス社製「K」)に印字したものを乾燥後,1分間水に浸
漬した時のにじみの有無を目視で評価した(良:にじみ
無し,不良:にじみ有り)。また,アート紙にベタ印字
したものを湿った綿棒で3回こすったときの印字部の変
化を目視で評価した(良:変化無し,不良:変化有
り)。
【0037】(2) 再溶解性 ニッケル板上にインキを滴下,乾燥2日後に,同じイン
キに浸漬したときの溶解性を目視で評価した(良:溶
解,不良:不溶解)。 (3) 濾過性 90mm直径のメンブランフィルターでの濾過量を調べ
た。 (4) 粘度 振動式粘度計(山一電機社製「VM−1A」)で25℃
における粘度を測定した。
【0038】(5) 噴射特性 連続印字中のノズルの噴射不良を印字物の欠陥の有無で
評価した(良:欠陥無し,不良:欠陥有り)。 (6) 抵抗値 コート紙(日本製紙社製「NPIコート紙」)に,イン
キをNo.6のバーコーターで塗工し,乾燥後の塗工面
の抵抗値を抵抗率計(三菱油化社製「MCP−T40
0〕)で測定した。同様の抵抗値の測定を,70℃12
時間の加熱処理を施したインキについても行った。 (7) 分散性 インキを50℃で7日間保存前後の粒子径の変化から分
散性を評価した(良:15nm未満,不良:15nm以
上)。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明のインクジェットインキは,水を
媒体しながら,被記録体の種類に係わらず耐水性の良好
な記録物を与えるため,オフィスにおける書類の作成,
ダンボールのマーキング,ナンバリング等の分野で利用
することができる。また,本発明のインキは再溶解性に
優れるため,偏向電極にインキが付着した際もインキの
付着,堆積によるトラブルが少なくなる。さらに,特に
カーボンブラックを使用したインキの場合は,偏向電極
でのインキに基づく電流のショート等も問題となる恐れ
があるが,本発明のインキは乾燥後の抵抗値が高いた
め,このようなトラブルの低減がはかれる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性の液体中にカーボンブラックを分散し
    てなるインクジェットインキにおいて,アクリル酸,ス
    チレン,αメチルスチレンよりなる3元共重合体を用い
    ることを特徴とするインクジェットインキ。
  2. 【請求項2】アクリル酸,スチレン,αメチルスチレン
    よりなる3元共重合体の分子量が2000〜8000で
    あることを特徴とする請求項1記載のインクジェットイ
    ンキ。
  3. 【請求項3】アクリル酸,スチレン,αメチルスチレン
    よりなる3元共重合体の酸価が90〜130であること
    を特徴とする請求項1記載のインクジェットインキ。
  4. 【請求項4】アクリル酸,スチレン,αメチルスチレン
    よりなる3元共重合体がアクリル酸1モルに対してスチ
    レンおよびαメチルスチレンの合計3〜5モルの共重合
    体であることを特徴とする請求項1記載のインクジェッ
    トインキ。
  5. 【請求項5】アクリル酸,スチレン,αメチルスチレン
    よりなる3元共重合体がアクリル酸1モルに対してスチ
    レン2.0〜4.0モル,αメチルスチレン0.3〜
    1.5モルの共重合体であることを特徴とする請求項1
    記載のインクジェットインキ。
  6. 【請求項6】アクリル酸,スチレン,αメチルスチレン
    よりなる3元共重合体を0.5〜10重量%含むことを
    特徴とする請求項1記載のインクジェットインキ。
  7. 【請求項7】カーボンブラック1〜5重量%,防黴剤
    0.03〜0.5重量%,アクリル酸,スチレン,αメ
    チルスチレンよりなる3元共重合体0.5〜10重量
    %,水50〜95重量%を含むことを特徴とする請求項
    1記載のインクジェットインキ。
  8. 【請求項8】アクリル酸,スチレン,αメチルスチレン
    よりなる3元共重合体の中和剤を含むことを特徴とする
    請求項1記載のインクジェットインキ。
  9. 【請求項9】孔径0.45μm以下のフィルターにて濾
    過したことを特徴とする請求項1記載のインクジェット
    インキ。
  10. 【請求項10】粘度が0.8〜15cps(25℃)で
    あることを特徴とする請求項1記載のインクジェットイ
    ンキ。
  11. 【請求項11】コート紙上でのベタ印字面の抵抗値が1
    6 Ω(5mmの電極間)以上であることを特徴とする
    請求項1記載のインクジェットインキ。
  12. 【請求項12】カーボンブラックおよびアクリル酸,ス
    チレン,αメチルスチレンよりなる3元共重合体を含む
    濃縮状態の水分散液をあらかじめ分散させたのち,水お
    よび添加剤を加えて希釈し,60〜80℃の温度にて5
    〜48時間保持することを特徴とするインクジェットイ
    ンキの製造法。
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