JPH0931173A - ポリエステル系の可塑剤 - Google Patents
ポリエステル系の可塑剤Info
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- JPH0931173A JPH0931173A JP20786095A JP20786095A JPH0931173A JP H0931173 A JPH0931173 A JP H0931173A JP 20786095 A JP20786095 A JP 20786095A JP 20786095 A JP20786095 A JP 20786095A JP H0931173 A JPH0931173 A JP H0931173A
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- plasticizer
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 分子内に下記式
−CO−CH2−CH(CH3)−CH2−CO−
で表されるジカルボン酸単位を有するポリエステルから
なる可塑剤。 【効果】 可塑化効率と低温柔軟性に優れており、耐久
性も十分であって、合成樹脂、なかでも塩化ビニル系樹
脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリオレフィン等の
ハロゲン含有樹脂の可塑剤として有用である。
なる可塑剤。 【効果】 可塑化効率と低温柔軟性に優れており、耐久
性も十分であって、合成樹脂、なかでも塩化ビニル系樹
脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリオレフィン等の
ハロゲン含有樹脂の可塑剤として有用である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル系の可
塑剤に関する。
塑剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高分子化合物からなる樹脂を可塑
化して成形加工性を向上させたり、高分子化合物からな
る樹脂製品に柔軟性を付与したりすることを目的とし
て、フタル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑
剤、脂肪酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、多価
アルコールエステル系可塑剤、塩素化パラフィン、塩素
化ビフェニル、ポリエステル系可塑剤などの可塑剤が使
用されている。
化して成形加工性を向上させたり、高分子化合物からな
る樹脂製品に柔軟性を付与したりすることを目的とし
て、フタル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑
剤、脂肪酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、多価
アルコールエステル系可塑剤、塩素化パラフィン、塩素
化ビフェニル、ポリエステル系可塑剤などの可塑剤が使
用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の可塑剤の中で
も、ポリエステル系可塑剤は、他の可塑剤に比べて耐久
性(耐老化性、耐抽出性、耐移行性)に優れているが、
その分子量の大きさに起因すると考えられる可塑化効率
の低さと低温柔軟性の乏しさが問題点として指摘されて
おり、これらを改良することが望まれている。可塑化効
率および低温柔軟性に優れたポリエステル系可塑剤とし
て、2−メチル−1,3−プロパンジオールや2−メチ
ル−1,8−オクタンジオールといった分岐ジオールを
ジオール成分とするポリエステルからなる可塑剤が提案
されており(特開昭61−78827号公報および特開
平1−284520号公報参照)、これらは上記の問題
点を十分に解決できるものである。しかしながら、これ
までポリエステル系可塑剤を構成するもう一方の成分で
あるジカルボン酸成分についての検討は十分にはなされ
ていなかった。
も、ポリエステル系可塑剤は、他の可塑剤に比べて耐久
性(耐老化性、耐抽出性、耐移行性)に優れているが、
その分子量の大きさに起因すると考えられる可塑化効率
の低さと低温柔軟性の乏しさが問題点として指摘されて
おり、これらを改良することが望まれている。可塑化効
率および低温柔軟性に優れたポリエステル系可塑剤とし
て、2−メチル−1,3−プロパンジオールや2−メチ
ル−1,8−オクタンジオールといった分岐ジオールを
ジオール成分とするポリエステルからなる可塑剤が提案
されており(特開昭61−78827号公報および特開
平1−284520号公報参照)、これらは上記の問題
点を十分に解決できるものである。しかしながら、これ
までポリエステル系可塑剤を構成するもう一方の成分で
あるジカルボン酸成分についての検討は十分にはなされ
ていなかった。
【0004】しかして、本発明は、ポリエステル系可塑
剤のジカルボン酸成分に着目し、可塑化効率および低温
柔軟性に優れたポリエステル系可塑剤を新たに提供する
ことを課題とする。
剤のジカルボン酸成分に着目し、可塑化効率および低温
柔軟性に優れたポリエステル系可塑剤を新たに提供する
ことを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決することを目的として鋭意検討した結果、ポリエ
ステル系可塑剤におけるジカルボン酸成分として特定の
分岐ジカルボン酸を使用すると、可塑化効率および低温
柔軟性が改良されたポリエステル系可塑剤が得られるこ
とを見出し、さらに検討した結果、本発明を完成させる
に至った。
を解決することを目的として鋭意検討した結果、ポリエ
ステル系可塑剤におけるジカルボン酸成分として特定の
分岐ジカルボン酸を使用すると、可塑化効率および低温
柔軟性が改良されたポリエステル系可塑剤が得られるこ
とを見出し、さらに検討した結果、本発明を完成させる
に至った。
【0006】すなわち、本発明は、分子内に下記式
(1) −CO−CH2−CH(CH3)−CH2−CO− (1) で表されるジカルボン酸単位、すなわち3−メチルペン
タン二酸単位を有するポリエステルからなる可塑剤であ
る。
(1) −CO−CH2−CH(CH3)−CH2−CO− (1) で表されるジカルボン酸単位、すなわち3−メチルペン
タン二酸単位を有するポリエステルからなる可塑剤であ
る。
【0007】本発明におけるポリエステルは、好ましく
は下記の式(2)または(3)で示される。 A−M−(D−M)n−A (2) T−D−(M−D)n−T (3)
は下記の式(2)または(3)で示される。 A−M−(D−M)n−A (2) T−D−(M−D)n−T (3)
【0008】上記式中、Mは式(1)で表されるジカル
ボン酸単位、Dはジオール単位、Aはモノアルコールの
残基、Tはモノカルボン酸の残基を表す。また、nは
(D−M)または(M−D)のくり返し数を表す。
ボン酸単位、Dはジオール単位、Aはモノアルコールの
残基、Tはモノカルボン酸の残基を表す。また、nは
(D−M)または(M−D)のくり返し数を表す。
【0009】式(1)で表されるジカルボン酸単位は3
−メチルペンタン二酸または3−メチルペンタン二酸の
アルキルエステルから誘導される。3−メチルペンタン
二酸は、例えば、大量生産されており入手の容易な3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、β−メチル−δ−
バレロラクトン、2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒ
ドロピラン等から酸素酸化法により工業的に製造するこ
とができる。
−メチルペンタン二酸または3−メチルペンタン二酸の
アルキルエステルから誘導される。3−メチルペンタン
二酸は、例えば、大量生産されており入手の容易な3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、β−メチル−δ−
バレロラクトン、2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒ
ドロピラン等から酸素酸化法により工業的に製造するこ
とができる。
【0010】本発明におけるポリエステルは、本発明の
趣旨を損なわない限り、式(1)で表されるジカルボン
酸単位以外のジカルボン酸単位を含有することができ
る。かかるジカルボン酸単位としては、下記の式(4) −CO−R−CO− (4) 〔上記式中、Rは炭素数2〜20の2価の飽和脂肪族炭
化水素基(ただし、1−メチルプロピレン基を除く)、
飽和脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表す〕
で示されるジカルボン酸単位が好ましく、例えば、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸単位、シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の飽和脂環式ジカルボン酸単位、フタ
ル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボ
ン酸単位などが使用される。
趣旨を損なわない限り、式(1)で表されるジカルボン
酸単位以外のジカルボン酸単位を含有することができ
る。かかるジカルボン酸単位としては、下記の式(4) −CO−R−CO− (4) 〔上記式中、Rは炭素数2〜20の2価の飽和脂肪族炭
化水素基(ただし、1−メチルプロピレン基を除く)、
飽和脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表す〕
で示されるジカルボン酸単位が好ましく、例えば、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸単位、シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の飽和脂環式ジカルボン酸単位、フタ
ル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボ
ン酸単位などが使用される。
【0011】式(4)で表されるジカルボン酸単位の含
有量は、ポリエステルを構成するジカルボン酸単位の全
量に対して50モル%未満とすることが望ましい。な
お、式(1)で表されるジカルボン酸単位と共存させる
ジカルボン酸単位は1種類であってもよいし、2種以上
であってもよい。
有量は、ポリエステルを構成するジカルボン酸単位の全
量に対して50モル%未満とすることが望ましい。な
お、式(1)で表されるジカルボン酸単位と共存させる
ジカルボン酸単位は1種類であってもよいし、2種以上
であってもよい。
【0012】また、上記の式(2)および(3)中のD
が表すジオール単位としては、特に制限はなく、例え
ば、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−
ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタン
ジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、
ネオペンチルグリコール等の低分子ジオール単位などが
使用される。これらのジオール単位は単独で使用しても
よいし、2種以上を混合して使用してもよい。
が表すジオール単位としては、特に制限はなく、例え
ば、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−
ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタン
ジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、
ネオペンチルグリコール等の低分子ジオール単位などが
使用される。これらのジオール単位は単独で使用しても
よいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0013】上記の式(2)および(3)中のAが表す
モノアルコール残基およびTが表すモノカルボン酸残基
はポリエステルの末端停止剤であるモノアルコールまた
はモノカルボン酸に由来するものである。かかるモノア
ルコールとしては、炭素数が2〜22の飽和脂肪族アル
コール、好ましくは6〜18の飽和脂肪族アルコールが
使用され、例えば、イソヘプタノール、n−オクタノー
ル、2−エチルヘキサノール、イソノナノール、イソデ
カノール、ステアリルアルコールなど挙げられる。ま
た、モノカルボン酸としては、炭素数が2〜22の飽和
脂肪酸、好ましくは6〜18の飽和脂肪酸が使用され、
例えば、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸などが挙げられ
る。なお、本発明におけるポリエステルは、かかるA、
Tを有していなくても構わない。
モノアルコール残基およびTが表すモノカルボン酸残基
はポリエステルの末端停止剤であるモノアルコールまた
はモノカルボン酸に由来するものである。かかるモノア
ルコールとしては、炭素数が2〜22の飽和脂肪族アル
コール、好ましくは6〜18の飽和脂肪族アルコールが
使用され、例えば、イソヘプタノール、n−オクタノー
ル、2−エチルヘキサノール、イソノナノール、イソデ
カノール、ステアリルアルコールなど挙げられる。ま
た、モノカルボン酸としては、炭素数が2〜22の飽和
脂肪酸、好ましくは6〜18の飽和脂肪酸が使用され、
例えば、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸などが挙げられ
る。なお、本発明におけるポリエステルは、かかるA、
Tを有していなくても構わない。
【0014】上記の式(2)および(3)中、nは2〜
30の範囲内にあることが好ましく、7〜15の範囲内
にあればより好ましい。
30の範囲内にあることが好ましく、7〜15の範囲内
にあればより好ましい。
【0015】本発明におけるポリエステルの製造方法に
は特に制限がなく、公知のポリエステル縮重合方法が適
用できる。例えば、3−メチルペンタン二酸もしくはそ
のアルキルエステルまたはそれを含有するジカルボン酸
混合物と低分子ジオールを所望の割合で仕込み、エステ
ル化またはエステル交換反応を行い、得られる反応生成
物を重縮合触媒の存在下に高温、真空下でさらに重縮合
反応させることによりポリエステルを製造することがで
きる。
は特に制限がなく、公知のポリエステル縮重合方法が適
用できる。例えば、3−メチルペンタン二酸もしくはそ
のアルキルエステルまたはそれを含有するジカルボン酸
混合物と低分子ジオールを所望の割合で仕込み、エステ
ル化またはエステル交換反応を行い、得られる反応生成
物を重縮合触媒の存在下に高温、真空下でさらに重縮合
反応させることによりポリエステルを製造することがで
きる。
【0016】上記のポリエステルの製法において、所定
のn値を有するポリエステルを得る場合には、ジカルボ
ン酸混合物と低分子ジオールに末端停止剤を添加して反
応を行う。この際、ジカルボン酸/低分子ジオール/末
端停止剤のモル比は、使用するジカルボン酸、低分子ジ
オールおよび末端停止剤の種類に応じて適宜決定され
る。また、反応の初期においてジカルボン酸と低分子ジ
オールのみを、例えば、トルエン、キシレン等の水と共
沸し得るが相溶しないような溶媒の存在下または不存在
下で反応させ、所望とする酸価または水酸基価が得られ
た時点で末端停止剤を加えて、所定のn値を有するポリ
エステルを製造することもできる。
のn値を有するポリエステルを得る場合には、ジカルボ
ン酸混合物と低分子ジオールに末端停止剤を添加して反
応を行う。この際、ジカルボン酸/低分子ジオール/末
端停止剤のモル比は、使用するジカルボン酸、低分子ジ
オールおよび末端停止剤の種類に応じて適宜決定され
る。また、反応の初期においてジカルボン酸と低分子ジ
オールのみを、例えば、トルエン、キシレン等の水と共
沸し得るが相溶しないような溶媒の存在下または不存在
下で反応させ、所望とする酸価または水酸基価が得られ
た時点で末端停止剤を加えて、所定のn値を有するポリ
エステルを製造することもできる。
【0017】ポリエステルの製造に際し、触媒として広
範なものが使用される。かかる触媒としては、例えば、
硫酸、リン酸、塩化亜鉛、p−トルエンスルホン酸等の
酸性触媒、テトラメチルチタネート、テトラエチルチタ
ネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソ
プロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタ
ン化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサ
イド、ジブチル錫ジアセテート等の錫化合物、マグネシ
ウム、カルシウム、亜鉛等の酢酸塩と酸化アンチモンま
たは上記チタン化合物との組み合わせなどを挙げること
ができる。
範なものが使用される。かかる触媒としては、例えば、
硫酸、リン酸、塩化亜鉛、p−トルエンスルホン酸等の
酸性触媒、テトラメチルチタネート、テトラエチルチタ
ネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソ
プロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタ
ン化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサ
イド、ジブチル錫ジアセテート等の錫化合物、マグネシ
ウム、カルシウム、亜鉛等の酢酸塩と酸化アンチモンま
たは上記チタン化合物との組み合わせなどを挙げること
ができる。
【0018】ポリエステルの製造は、通常これらの触媒
の存在下、大気圧で水が留去しうる温度に加熱して始め
られ、水の留出が完了するかまたは本質的に完了した時
点で圧力を減じ過剰の低分子ジオールおよび末端停止剤
を除去することによって実施される。通常、反応の終了
時において温度は200℃前後、圧力は1〜10tor
rである。
の存在下、大気圧で水が留去しうる温度に加熱して始め
られ、水の留出が完了するかまたは本質的に完了した時
点で圧力を減じ過剰の低分子ジオールおよび末端停止剤
を除去することによって実施される。通常、反応の終了
時において温度は200℃前後、圧力は1〜10tor
rである。
【0019】本発明におけるポリエステルは、そのま
ま、あるいは必要に応じて着色防止剤、増白剤、耐光剤
などの添加剤を加えて、可塑剤として使用される。
ま、あるいは必要に応じて着色防止剤、増白剤、耐光剤
などの添加剤を加えて、可塑剤として使用される。
【0020】本発明によって提供される可塑剤は従来の
ポリエステル系可塑剤に比べて可塑化効率と低温柔軟性
に優れており、耐抽出性や耐移行性等の耐久性も十分で
あることから、合成樹脂、なかでも塩化ビニル系樹脂、
塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリオレフィン等のハロ
ゲン含有樹脂の可塑剤として使用される。また、本発明
の可塑剤は、例えば、フタル酸エステル類、リン酸エス
テル類、脂肪族ジカルボン酸エステル類、トリメリット
酸エステル類、脂肪酸エステル類、塩素化脂肪酸エステ
ル類、エポキシ化脂肪酸エステル類、塩素化パラフィン
類などの他の可塑剤と併用してもよい。
ポリエステル系可塑剤に比べて可塑化効率と低温柔軟性
に優れており、耐抽出性や耐移行性等の耐久性も十分で
あることから、合成樹脂、なかでも塩化ビニル系樹脂、
塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリオレフィン等のハロ
ゲン含有樹脂の可塑剤として使用される。また、本発明
の可塑剤は、例えば、フタル酸エステル類、リン酸エス
テル類、脂肪族ジカルボン酸エステル類、トリメリット
酸エステル類、脂肪酸エステル類、塩素化脂肪酸エステ
ル類、エポキシ化脂肪酸エステル類、塩素化パラフィン
類などの他の可塑剤と併用してもよい。
【0021】なお、本発明における式(1)で表される
ジカルボン酸単位を有するポリエステルは可塑剤に限ら
ず潤滑剤、滑剤などの分野にも適用可能である。
ジカルボン酸単位を有するポリエステルは可塑剤に限ら
ず潤滑剤、滑剤などの分野にも適用可能である。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定される
ものではない。なお、実施例および比較例中、「部」と
は、特記しない限り重量部を表す。
体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定される
ものではない。なお、実施例および比較例中、「部」と
は、特記しない限り重量部を表す。
【0023】また、以下の実施例において、ポリエステ
ルのn値は次の方法で求めた。すなわち、ポリエステル
の0.1%テトラヒドロフラン(THF)溶液を調製
し、以下の測定条件でGPC測定装置〔東ソー(株)社
製〕により数平均分子量を測定し、n値を算出した。 カラム : Showdex GPC KF−803、
またはShowdex GPC KF−802.5(い
ずれも昭和電工(株)社製) 流 速 : THF、1.0ml/分 検出器 : RI検出器
ルのn値は次の方法で求めた。すなわち、ポリエステル
の0.1%テトラヒドロフラン(THF)溶液を調製
し、以下の測定条件でGPC測定装置〔東ソー(株)社
製〕により数平均分子量を測定し、n値を算出した。 カラム : Showdex GPC KF−803、
またはShowdex GPC KF−802.5(い
ずれも昭和電工(株)社製) 流 速 : THF、1.0ml/分 検出器 : RI検出器
【0024】実施例1 3−メチルペンタン二酸146部、1,8−オクタンジ
オール142部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流中で
攪拌下加熱を行い、生成する水を連続的に反応系外に留
去しながら6時間かけて190〜200℃まで昇温し
た。この後、末端停止剤として2−エチルヘキサノール
45部、トルエン50部および反応触媒としてテトライ
ソプロピルチタネート0.5部を加え、還流凝縮器を付
けて酸価が1.0KOHmg/g以下になるまで180
〜190℃で加熱を続け、生成する水をトルエンと共沸
させて連続的に反応系外に除去した。次いで最高1to
rrに減圧してトルエン、過剰のアルコール成分および
低沸点成分を除去し、ポリエステルA(n=11.7)
を得た。かかるポリエステルAは、そのまま可塑剤とし
て使用した。
オール142部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流中で
攪拌下加熱を行い、生成する水を連続的に反応系外に留
去しながら6時間かけて190〜200℃まで昇温し
た。この後、末端停止剤として2−エチルヘキサノール
45部、トルエン50部および反応触媒としてテトライ
ソプロピルチタネート0.5部を加え、還流凝縮器を付
けて酸価が1.0KOHmg/g以下になるまで180
〜190℃で加熱を続け、生成する水をトルエンと共沸
させて連続的に反応系外に除去した。次いで最高1to
rrに減圧してトルエン、過剰のアルコール成分および
低沸点成分を除去し、ポリエステルA(n=11.7)
を得た。かかるポリエステルAは、そのまま可塑剤とし
て使用した。
【0025】上記で得られたポリエステルA50部、ポ
リ塩化ビニル100部、ステアリン酸カドミウム1部お
よびステアリン酸バリウム1部を混練機を用いて160
℃で10分間混練しコンパウンドを作成した。次いで、
このコンパウンドを160℃で5分間プレス成型し、厚
さ1mmのシートを得た。得られたシートについて下記
の物性の測定を行った。結果を表1に示す。
リ塩化ビニル100部、ステアリン酸カドミウム1部お
よびステアリン酸バリウム1部を混練機を用いて160
℃で10分間混練しコンパウンドを作成した。次いで、
このコンパウンドを160℃で5分間プレス成型し、厚
さ1mmのシートを得た。得られたシートについて下記
の物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0026】(1)引張試験:JIS−K6723に準
じて引張試験を行い、100%伸長時における引張強さ
(M100:100%モジュラス)を測定した。M10
0の値が小さい程、可塑化効率が優れている。 (2)低温柔軟性試験:ASTM−D−1043−51
に準じて柔軟温度の測定を行った。柔軟温度が低い程、
低温柔軟性に優れている。
じて引張試験を行い、100%伸長時における引張強さ
(M100:100%モジュラス)を測定した。M10
0の値が小さい程、可塑化効率が優れている。 (2)低温柔軟性試験:ASTM−D−1043−51
に準じて柔軟温度の測定を行った。柔軟温度が低い程、
低温柔軟性に優れている。
【0027】実施例2 3−メチルペンタン二酸314部、1,9−ノナンジオ
ール310部および触媒としてジブチル錫オキサイド
0.4部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流中で攪拌下
加熱を行い、生成する水を連続的に反応系外に留去しな
がら6時間かけて200℃まで昇温した。次いで10t
orrに減圧し加熱を続け、反応を追い込んで酸価を十
分に下げた。この後、常圧に戻し、末端停止剤として2
−エチルヘキサノール90部、トルエン80部を加え、
以下、実施例1と同様の操作によりポリエステルB(n
=10.4)を得た。このポリエステルBを用いて、実
施例1と同様の方法により、厚さ1mmのシートを作成
し、引張試験および低温柔軟性試験を行った。結果を表
1に併せて示す。
ール310部および触媒としてジブチル錫オキサイド
0.4部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流中で攪拌下
加熱を行い、生成する水を連続的に反応系外に留去しな
がら6時間かけて200℃まで昇温した。次いで10t
orrに減圧し加熱を続け、反応を追い込んで酸価を十
分に下げた。この後、常圧に戻し、末端停止剤として2
−エチルヘキサノール90部、トルエン80部を加え、
以下、実施例1と同様の操作によりポリエステルB(n
=10.4)を得た。このポリエステルBを用いて、実
施例1と同様の方法により、厚さ1mmのシートを作成
し、引張試験および低温柔軟性試験を行った。結果を表
1に併せて示す。
【0028】実施例3 3−メチルペンタン二酸219部、アゼライン酸146
部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール51部、
1,9−ノナンジオール276部、n−オクタノール2
20部、トルエン60部および触媒としてテトライソプ
ロピルチタネート0.8部を還流凝縮器を付帯した反応
容器に仕込み、窒素ガス気流中で攪拌下、トルエンを還
流させながら200℃まで加熱を続け、生成する水を連
続的に反応系外に留去した。次いで1〜3torrの減
圧下、200℃でさらに反応を行い、酸価を下げると共
にトルエン等を留去してポリエステルC(n=10.
3)を得た。このポリエステルCを用いて、実施例1と
同様の方法により、厚さ1mmのシートを作成し、引張
試験および低温柔軟性試験を行った。結果を表1に併せ
て示す。
部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール51部、
1,9−ノナンジオール276部、n−オクタノール2
20部、トルエン60部および触媒としてテトライソプ
ロピルチタネート0.8部を還流凝縮器を付帯した反応
容器に仕込み、窒素ガス気流中で攪拌下、トルエンを還
流させながら200℃まで加熱を続け、生成する水を連
続的に反応系外に留去した。次いで1〜3torrの減
圧下、200℃でさらに反応を行い、酸価を下げると共
にトルエン等を留去してポリエステルC(n=10.
3)を得た。このポリエステルCを用いて、実施例1と
同様の方法により、厚さ1mmのシートを作成し、引張
試験および低温柔軟性試験を行った。結果を表1に併せ
て示す。
【0029】比較例1 実施例1において、3−メチルペンタン二酸に代えてア
ジピン酸146部を用いたこと以外は実施例1と同様に
してポリエステルD(n=11.8)を得た。このポリ
エステルDを用いて、実施例1と同様の方法により、厚
さ1mmのシートを作成し、引張試験および低温柔軟性
試験を行った。結果を表1に併せて示す。
ジピン酸146部を用いたこと以外は実施例1と同様に
してポリエステルD(n=11.8)を得た。このポリ
エステルDを用いて、実施例1と同様の方法により、厚
さ1mmのシートを作成し、引張試験および低温柔軟性
試験を行った。結果を表1に併せて示す。
【0030】比較例2 実施例2において、3−ペンタン二酸に代えてアジピン
酸314部用いたこと以外は実施例2と同様の方法によ
りポリエステルE(n=10.5)を得た。このポリエ
ステルEを用いて、実施例1と同様の方法により、厚さ
1mmのシートを作成し、引張試験および低温柔軟性試
験を行った。結果を表1に併せて示す。
酸314部用いたこと以外は実施例2と同様の方法によ
りポリエステルE(n=10.5)を得た。このポリエ
ステルEを用いて、実施例1と同様の方法により、厚さ
1mmのシートを作成し、引張試験および低温柔軟性試
験を行った。結果を表1に併せて示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、3−メチルペン
タン二酸単位を含有するポリエステルA〜Cを可塑剤と
して用いると、3−メチルペンタン二酸単位を含有しな
いポリエステルDおよびEを可塑剤として用いた場合に
比べ、得られるシートの100%モジュラス(M10
0)の値が小さくなっており、ポリエステルA〜Cは可
塑化効率が優れていることがわかる。また、ポリエステ
ルA〜Cを可塑剤とした場合に得られるシートは、低温
柔軟性試験における柔軟温度が低くなっており、低温柔
軟性に優れている。
タン二酸単位を含有するポリエステルA〜Cを可塑剤と
して用いると、3−メチルペンタン二酸単位を含有しな
いポリエステルDおよびEを可塑剤として用いた場合に
比べ、得られるシートの100%モジュラス(M10
0)の値が小さくなっており、ポリエステルA〜Cは可
塑化効率が優れていることがわかる。また、ポリエステ
ルA〜Cを可塑剤とした場合に得られるシートは、低温
柔軟性試験における柔軟温度が低くなっており、低温柔
軟性に優れている。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、可塑化効率と低温柔軟
性に優れたポリエステル系の可塑剤が提供される。本発
明のポリエステル系の可塑剤は耐抽出性や耐移行性等の
耐久性も十分であり、合成樹脂、なかでも塩化ビニル系
樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリオレフィン等
のハロゲン含有樹脂の可塑剤として有用である。
性に優れたポリエステル系の可塑剤が提供される。本発
明のポリエステル系の可塑剤は耐抽出性や耐移行性等の
耐久性も十分であり、合成樹脂、なかでも塩化ビニル系
樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリオレフィン等
のハロゲン含有樹脂の可塑剤として有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 分子内に下記式(1) −CO−CH2−CH(CH3)−CH2−CO− (1) で表されるジカルボン酸単位を有するポリエステルから
なる可塑剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20786095A JP3449833B2 (ja) | 1995-07-21 | 1995-07-21 | ポリエステル系の可塑剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20786095A JP3449833B2 (ja) | 1995-07-21 | 1995-07-21 | ポリエステル系の可塑剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0931173A true JPH0931173A (ja) | 1997-02-04 |
JP3449833B2 JP3449833B2 (ja) | 2003-09-22 |
Family
ID=16546743
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20786095A Expired - Fee Related JP3449833B2 (ja) | 1995-07-21 | 1995-07-21 | ポリエステル系の可塑剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3449833B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2022004320A1 (ja) * | 2020-07-02 | 2022-01-06 | ||
US20220025103A1 (en) * | 2018-12-14 | 2022-01-27 | Covestro Intellectual Property Gmbh & Co. Kg | Pur-/pir rigid foams containing polyester polyols with reduced functionality |
WO2022172879A1 (ja) * | 2021-02-10 | 2022-08-18 | 株式会社クラレ | ポリエステルポリオール、ウレタンプレポリマー及びポリウレタン |
-
1995
- 1995-07-21 JP JP20786095A patent/JP3449833B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20220025103A1 (en) * | 2018-12-14 | 2022-01-27 | Covestro Intellectual Property Gmbh & Co. Kg | Pur-/pir rigid foams containing polyester polyols with reduced functionality |
JPWO2022004320A1 (ja) * | 2020-07-02 | 2022-01-06 | ||
WO2022004320A1 (ja) * | 2020-07-02 | 2022-01-06 | Dic株式会社 | 塩化ビニル樹脂用可塑剤、塩化ビニル樹脂組成物及びその成形品 |
CN115715305A (zh) * | 2020-07-02 | 2023-02-24 | Dic株式会社 | 氯乙烯树脂用增塑剂、氯乙烯树脂组合物及其成形品 |
CN115715305B (zh) * | 2020-07-02 | 2024-06-14 | Dic株式会社 | 氯乙烯树脂用增塑剂、氯乙烯树脂组合物及其成形品 |
WO2022172879A1 (ja) * | 2021-02-10 | 2022-08-18 | 株式会社クラレ | ポリエステルポリオール、ウレタンプレポリマー及びポリウレタン |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3449833B2 (ja) | 2003-09-22 |
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