JPH11322907A - ポリエステル系可塑剤 - Google Patents

ポリエステル系可塑剤

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JPH11322907A
JPH11322907A JP14237198A JP14237198A JPH11322907A JP H11322907 A JPH11322907 A JP H11322907A JP 14237198 A JP14237198 A JP 14237198A JP 14237198 A JP14237198 A JP 14237198A JP H11322907 A JPH11322907 A JP H11322907A
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JP
Japan
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methyl
polyester
acid
plasticizer
octanediol
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JP14237198A
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English (en)
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Koichiro Isokami
宏一郎 磯上
Takashi Onishi
孝志 大西
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可塑化効率と低温柔軟化性能に優れるととも
に、耐加水分解性にも優れたポリエステル系の可塑剤を
提供する。 【解決手段】 下記の式(1) -O-(CH2)2CH(CH3)-(CH2)3CH(CH3)-O- (1) で表されるジオール単位を有するポリエステルからなる
可塑剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル系の可
塑剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高分子化合物からなる樹脂を可塑
化して成形加工性を向上させたり、高分子化合物からな
る樹脂製品に柔軟性や弾性を付与したりすることを目的
として、フタル酸エステル系可塑剤、多価アルコールエ
ステル系可塑剤、塩素化パラフィン、塩素化ビフェニ
ル、ポリエステル系可塑剤などの可塑剤が使用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の可塑剤の中で
も、ポリエステル系可塑剤は、プロピレングリコールや
1,3−ブチレングリコールなどをジオール成分とする
ものが一般的に使用されており、他の可塑剤に比べて耐
久性(耐老化性、耐抽出性、耐移行性)に優れている
が、その分子量の大きさに起因すると考えられる可塑化
効率の低さ、低温柔軟化性能の乏しさ、耐加水分解性の
低さが問題点として指摘されており、これらを改良する
ことが望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決することを目的として鋭意検討した結果、ポ
リエステル系可塑剤におけるジオール成分として特定の
分岐ジオールを使用すると、可塑化効率および低温柔軟
化性能に優れると共に、耐加水分解性が改良されたポリ
エステル系可塑剤が得られることを見出し、さらに検討
した結果、本発明を完成させるに至った。
【0005】すなわち、本発明は、分子内に下記式
(1) -O-(CH2)2CH(CH3)-(CH2)3CH(CH3)-O- (1) で表されるジオール単位を有するポリエステルからなる
可塑剤である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルは、
好ましくは下記の式(2)または式(3)で示される。 A−C−(D−C)m−A (2) T−D−(C−D)m−T (3) 上記式中、Dは式(1)で表されるジオール単位、Cは
ジカルボン酸単位、Aはモノアルコールの残基、Tはモ
ノカルボン酸の残基を表す。また、mは(D−C)また
は(C−D)の繰り返し数を表す。
【0007】式(1)で表されるジオール単位は、例え
ば、3−メチル−7−オキソ−1−オクタノールを還元
することによって製造することのできる3−メチル−
1,7−オクタンジオールから誘導される。ここで、3
−メチル−7−オキソ−1−オクタノールは公知物質で
あり、例えば、ロジノールのオゾン分解〔ジャーナルオ
ブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic
Chemistry)、第26巻、3027頁、1961年 参照〕やコハク
酸モノ(3,7−ジメチルオクチル)エステルの酸化オ
ゾン分解〔ジャーナル オブ ケミカル ソサイエティ
ー ケミカルコミュニケーション(Journal of Chemical
Society Chemical Communication)、690頁、1979年
参照〕などの方法により製造することができる。
【0008】3−メチル−7−オキソ−1−オクタノー
ルの還元は、例えば、水素添加触媒を用いた接触水素添
加、金属水素化錯化合物との反応などの方法によって実
施することができる。上記において、水素添加触媒とし
ては、従来より接触水素添加反応において触媒として使
用されているものを使用することができ、例えば、ラネ
ーニッケル、ニッケル/珪藻土等のニッケル触媒;パラ
ジウム/炭素、パラジウムブラック等のパラジウム触媒
などが挙げられる。水素添加触媒は、単一のものを使用
してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。水
素添加触媒の使用量は、3−メチル−7−オキソ−1−
オクタノールに対し、通常0.001重量%〜20重量
%であり、好ましくは0.05重量%〜5重量%であ
る。
【0009】3−メチル−7−オキソ−1−オクタノー
ルの接触水素添加に際しては、反応を阻害しないもので
ある限り、溶媒を使用することができる。使用可能な溶
媒としては、例えば、ヘキサン、オクタン等の飽和脂肪
族炭化水素;メタノール、エタノール等のアルコール
類;酢酸エチル、酪酸メチル等のエステル類;トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。溶
媒は1種類のものを使用してもよいし、2種類以上を混
合して使用してもよい。溶媒を使用する場合、その使用
量は、3−メチル−7−オキソ−1−オクタノールに対
し、通常0.01〜50倍重量であり、好ましくは0.
1〜10倍重量である。
【0010】3−メチル−7−オキソ−1−オクタノー
ルの接触水素添加に際し、水素の圧力は、通常、常圧〜
100気圧、好ましくは2〜20気圧の範囲内に設定さ
れる。また、接触水素添加の反応温度は、通常20〜2
00℃、好ましくは40〜150℃である。
【0011】反応終了後、3−メチル−1,7−オクタ
ンジオールは、例えば、濾過等の手段により水素添加触
媒を除去した後、反応混合物を蒸留する方法などの常法
に従って反応混合物から分離することができる。かくし
て得られた3−メチル−1,7−オクタンジオールは、
所望により、減圧蒸留、カラムクロマトグラフィ−など
の公知の方法により、さらに純度を高めることができ
る。
【0012】また、上記において、3−メチル−7−オ
キソ−1−オクタノールの還元に使用することのできる
金属水素化錯化合物としては、例えば、水素化アルミニ
ウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウムなどが挙げられ
る。金属水素化錯化合物の使用量は、3−メチル−7−
オキソ−1−オクタノール1モル当り、該金属水素化錯
化合物中の還元に利用できる水素原子換算で、通常1〜
10モルであり、好ましくは1〜3モルである。
【0013】3−メチル−7−オキソ−1−オクタノー
ルと金属水素化錯化合物との反応に際しては、反応を阻
害しないものである限り、溶媒を使用することができ
る。使用可能な溶媒としては、例えば、ヘキサン、オク
タン等の飽和脂肪族炭化水素;ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン等のエーテル類;トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素などが挙げられる。溶媒は1種類のも
のを使用してもよいし、2種類以上を混合して使用して
もよい。溶媒の使用量は、3−メチル−7−オキソ−1
−オクタノールに対し、通常0.1〜100倍重量であ
り、好ましくは1〜20倍重量である。
【0014】3−メチル−7−オキソ−1−オクタノー
ルと金属水素化錯化合物との反応は、通常−70〜20
0℃、好ましくは−10〜150℃で行われる。
【0015】反応終了後、3−メチル−1,7−オクタ
ンジオールは、反応混合物に塩酸、酢酸等の酸;塩化ア
ンモニウム水溶液などを加えて反応生成物である金属錯
化合物および残存する金属水素化錯化合物を分解した
後、得られた混合物から蒸留、有機溶媒による抽出など
の常法に従って単離することができる。この際、抽出に
使用される有機溶媒としては、酢酸エチル等のエステル
類;塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン
等の飽和炭化水素類などが挙げられる。
【0016】本発明におけるポリエステルは、本発明の
趣旨を損なわない限り、式(1)で表されるジオール単
位以外のジオール単位を含有することができる。かかる
他のジオール単位としては、例えば、プロピレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3
−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10
−デカンジオール、ネオペンチルグリコール等の低分子
ジオールから誘導される単位が挙げられる。式(1)で
表されるジオール単位と共存させる他のジオール単位は
1種類であってもよいし、2種以上であってもよい。こ
れらの他のジオール単位の含有量はポリエステルを構成
する全ジオール単位に対して40モル%未満であること
が望ましい。
【0017】また、上記の式(2)および式(3)中の
Cが表すジカルボン酸単位としては、例えば、メチルコ
ハク酸、グルタル酸、3−メチルグルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位;シ
クロヘキサンジカルボン酸等の飽和脂環式ジカルボン酸
から誘導される単位;フタル酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸等の芳香族ジカルボン酸から誘導される単位など
が使用される。なお、これらのジカルボン酸単位は単一
種であってもよいし、2種以上であってもよい。
【0018】上記の式(2)および式(3)中のAが表
すモノアルコール残基およびTが表すモノカルボン酸残
基はポリエステルの末端停止剤であるモノアルコールま
たはモノカルボン酸に由来するものである。かかるモノ
アルコールとしては、炭素数が2〜22の飽和脂肪族ア
ルコール、好ましくは炭素数が6〜18の飽和脂肪族ア
ルコールが使用され、例えば、2−ヘプタノール、n−
オクタノール、2−エチルヘキサノール、2−ノナノー
ル、2−デカノール、ステアリルアルコールなどが挙げ
られる。また、モノカルボン酸としては、炭素数が2〜
22の飽和脂肪酸、好ましくは炭素数が6〜18の飽和
脂肪酸が使用され、例えば、カプロン酸、カプリル酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪
酸などが挙げられる。なお、本発明におけるポリエステ
ルは、かかるA、Tを有していなくても構わない。
【0019】上記の式(2)および式(3)中、mは2
以上の整数を表すが、2〜30の範囲内にあることが好
ましく、7〜15の範囲内にあることがより好ましい。
【0020】本発明におけるポリエステルの製造方法に
は特に制限がなく、公知のポリエステル縮重合方法が適
用できる。例えば、3−メチル−1,7−オクタンジオ
ール単独またはそれを含有する低分子ジオール混合物と
ジカルボン酸またはその誘導体(エステル、無水物また
はハロゲン化物)を所望の割合で仕込み、エステル化ま
たはエステル交換反応を行い、得られる反応生成物を縮
重合触媒の存在下に高温、真空下でさらに縮重合反応さ
せることによりポリエステルを製造することができる。
【0021】上記のポリエステルの製法において、所定
のm値を有するポリエステルを得る場合には、ジオール
成分とジカルボン酸成分に末端停止剤を添加して反応を
行う。その際、ジオール成分/ジカルボン酸成分/末端
停止剤のモル比は、使用するジオール成分、ジカルボン
酸成分および末端停止剤の種類に応じて適宜決定され
る。
【0022】また、反応の初期においてジオール成分と
ジカルボン酸成分のみを、例えば、トルエン、キシレン
等の水と共沸し得るが相溶しないような溶媒の存在下ま
たは不存在下で反応させ、所望とする酸価または水酸基
価が得られた時点で末端停止剤を加えて、所定のm値を
有するポリエステルを製造することもできる。
【0023】ポリエステルの製造に際し、触媒として広
範なものが使用される。かかる触媒としては、例えば、
硫酸、リン酸、塩化亜鉛、p−トルエンスルホン酸等の
酸性触媒;テトラメチルチタネート、テトラエチルチタ
ネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソ
プロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタ
ン化合物;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサ
イド、ジブチル錫ジアセテート等の錫化合物;マグネシ
ウム、カルシウム、亜鉛等の酢酸塩と酸化アンチモンま
たは上記チタン化合物との組み合わせなどを挙げること
ができる。
【0024】例えば、ジカルボン酸成分としてジカルボ
ン酸を使用する場合、ポリエステルの製造は、通常これ
らの触媒の存在下、大気圧で水を留去し得る温度に加熱
して始められ、水の留出が完了するかまたは本質的に完
了した時点で圧力を減じ過剰のジオールおよび末端停止
剤を除去することによって実施される。通常、反応の終
了時において温度は200℃前後、圧力は1〜10to
rrである。
【0025】本発明におけるポリエステルは、そのま
ま、あるいは必要に応じて着色防止剤、増白剤、耐光剤
などの添加剤を加えて、可塑剤として使用される。本発
明によって提供される可塑剤は可塑化効率と低温柔軟化
性能に優れていると共に、優れた耐加水分解性を有して
おり、耐久性も十分であることから、合成樹脂、なかで
も塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポ
リオレフィン等のハロゲン含有樹脂の可塑剤として使用
される。
【0026】本発明の可塑剤は、他の公知の可塑剤と同
様の方法および使用量で使用することができる。例え
ば、本発明の可塑剤を合成樹脂に配合する場合、その配
合量は、合成樹脂100重量部に対し、通常5〜100
重量部の範囲内である。
【0027】また、本発明の可塑剤は、例えば、フタル
酸エステル類、リン酸エステル類、脂肪族ジカルボン酸
エステル類、トリメリット酸エステル類、脂肪酸エステ
ル類、塩素化脂肪酸エステル類、エポキシ化脂肪酸エス
テル類、塩素化パラフィン類などの他の可塑剤と併用し
てもよい。なお、本発明における式(1)で表されるジ
オール単位を有するポリエステルは可塑剤に限らず潤滑
剤、滑剤などの分野にも適用可能である。
【0028】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定される
ものではない。なお、実施例および比較例中、「部」と
は、特記しない限り重量部を表す。
【0029】参考例 内容積200mlのオートクレーブに、3−メチル−7
−オキソ−1−オクタノール30.0g(純度90.2
%、171ミリモル)およびラネーニッケル0.6g
(水分含有量:50重量%)を、室温、窒素雰囲気下に
仕込み、次いでオートクレーブ内の雰囲気を水素で置換
し、オートクレーブ内の圧力を7気圧(絶対圧)に設定
した。オートクレーブ内の温度を100℃に上げ、オー
トクレーブに適宜水素を供給して水素圧力を7気圧(絶
対圧)に維持しながら、同温度で25時間撹拌した。得
られた反応混合物を、ガスクロマトグラフィーを用い
て、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを内部標
準とした内部標準法により分析したところ、3−メチル
−7−オキソ−1−オクタノールの転化率は99.3%
であり、3−メチル−1,7−オクタンジオールへの選
択率は98.3%であることがわかった。上記で得られ
た反応混合物を室温まで冷却した後、濾過によりラネー
ニッケルを除去し、得られた濾液を減圧蒸留することに
より、3−メチル−1,7−オクタンジオール(無色液
体、沸点136〜140℃/2.5mmHg)を25.
8g(161ミリモル、収率:94.2%)得た。得ら
れた3−メチル−1,7−オクタンジオールの物性値を
以下に示す。 1H−NMR(270MHz,CDCl3,TMS) δ(ppm): 0.90(d,3H)、1.19
(d,3H)低分解能マススペクトル(EIMS) m/z: 142([M−H2O]+
【0030】実施例1 参考例の方法で得られた3−メチル−1,7−オクタン
ジオール155部およびアジピン酸146部を反応容器
に仕込み、常圧、窒素ガス気流下において攪拌しつつ加
熱を行い、生成する水を連続的に反応系外に留去しなが
ら6時間かけて200℃まで昇温した。得られた反応混
合物に、2−エチルヘキサノール45部、トルエン40
部およびジブチル錫オキシド(触媒)0.5部を加え、
反応容器に還流冷却器および水分離器を付けて190〜
200℃で加熱を続け、トルエンを還流させるととも
に、生成する水を連続的に反応系から除去しながら、反
応液の酸価が2KOHmg/g以下になるまで反応させ
た。次いで1mmHgの減圧下で、トルエン、過剰のア
ルコールおよび低沸点成分を除去し、得られた反応混合
物を100℃に冷却して濾過し、酸価が0.1KOHm
g/gであるポリエステル〔m=11.8:mは1H−
NMRスペクトルに基づいて算出した。以下、ポリエス
テルAと略記する〕を得た。かかるポリエステルAを、
後述の試験例2に示すように、そのまま可塑剤として使
用した。
【0031】実施例2 参考例の方法で得られた3−メチル−1,7−オクタン
ジオール310部、アゼライン酸404部およびテトラ
ブチルチタネート(触媒)0.4部を反応容器に仕込
み、常圧、窒素ガス気流下において攪拌しつつ加熱を行
い、生成する水を連続的に反応系外に留去しながら6時
間かけて180℃まで昇温した。次いで10mmHgの
圧力下で反応を継続して行うことによって反応液の酸価
を低下させた後、再度反応系の圧力を常圧に戻し、得ら
れた反応混合物に、2−エチルヘキサノール90部およ
びトルエン80部を加え、以下実施例1と同様の操作を
行い、酸価が0.1KOHmg/gであるポリエステル
〔m=10.2:mは1H−NMRスペクトルに基づい
て算出した。以下、ポリエステルBと略記する〕を得
た。かかるポリエステルBを、後述の試験例2に示すよ
うに、そのまま可塑剤として使用した。
【0032】実施例3 参考例の方法で得られた3−メチル−1,7−オクタン
ジオール264部、アジピン酸365部、1,9−ノナ
ンジオール80部、n−オクタノール220部、トルエ
ン50部およびテトライソプロピルチタネート(触媒)
0.84部を還流冷却器および水分離器を備えた反応容
器に仕込み、常圧、窒素ガス気流下において攪拌しつつ
加熱を行い、トルエンを還流させるとともに生成する水
を連続的に反応系外に留去しながら200℃まで昇温し
た。次いで1〜3mmHgの圧力下、200℃で反応を
継続して行うことによって反応液の酸価を低下させると
ともにトルエン、過剰のアルコールおよび低沸点成分を
除去し、酸価が0.1KOHmg/gであるポリエステ
ル〔m=10.2:mは1H−NMRスペクトルに基づ
いて算出した。以下、ポリエステルCと略記する〕を得
た。かかるポリエステルCを、後述の試験例2に示すよ
うに、そのまま可塑剤として使用した。
【0033】比較例1 実施例1において3−メチル−1,7−オクタンジオー
ル155部に代えてプロピレングリコール174部を用
いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、酸価が
0.1KOHmg/gであるポリエステル〔m=11.
9:mは1H−NMRスペクトルに基づいて算出した。
以下、ポリエステルDと略記する〕を得た。かかるポリ
エステルDを、後述の試験例2に示すように、そのまま
可塑剤として使用した。
【0034】比較例2 実施例2において3−メチル−1,7−オクタンジオー
ル310部に代えて1,3−ブチレングリコール193
部を用いたこと以外は実施例2と同様の操作を行い、酸
価が0.1KOHmg/gであるポリエステル〔m=1
0.0:mは1H−NMRスペクトルに基づいて算出し
た。以下、ポリエステルEと略記する〕を得た。かかる
ポリエステルEを、後述の試験例2に示すように、その
まま可塑剤として使用した。
【0035】試験例1 実施例1〜3および比較例1、2で得られたポリエステ
ルA〜Eの耐加水分解性を以下の方法に従って評価し
た。結果を表1に示す。
【0036】耐加水分解性の評価 ポリエステル0.5gを100℃の水10mlに入れ、
同温度で7日間保持した後、JIS K−1577に従
って、水およびポリエステルの酸価を測定し、両者を合
計したものを酸性値として耐加水分解性の指標とした。
酸性値が小さい程、ポリエステルの耐加水分解性は優れ
ている。
【0037】試験例2 上記の実施例および比較例で得られたポリエステルA〜
Eの各500部、ポリ塩化ビニル1000部、ステアリ
ン酸カドミウム10部およびステアリン酸バリウム10
部を混練機を用いて160℃で10分間混練し、5種類
のコンパウンドを作製した。次いで、得られたコンパウ
ンドを160℃で5分間プレス成型し、厚さ1mmのシ
ートを得た。得られたシートについて下記の方法により
物性の測定を行った。結果を表1に示す。 (1)引張試験 JIS K−6723に規定された方法に準拠して評価
した。すなわち、100%伸長時における引張り強さ
(M100 :100%モジュラス)を測定した。M100
値が小さい程、可塑剤は可塑化効率が優れている。 (2)低温柔軟性試験 ASTM−D−1043−51に規定された方法に準拠
して柔軟温度の評価を行った。柔軟温度が低い程、可塑
剤は低温柔軟化性能に優れている。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、可塑化効率と低温柔軟
化性能に優れるとともに、耐加水分解性にも優れたポリ
エステル系の可塑剤が提供される。本発明のポリエステ
ル系の可塑剤は耐久性も十分であり、合成樹脂、なかで
も塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポ
リオレフィン等のハロゲン含有樹脂の可塑剤として有用
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に下記式(1) -O-(CH2)2CH(CH3)-(CH2)3CH(CH3)-O- (1) で表されるジオール単位を有するポリエステルからなる
    可塑剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004501207A (ja) * 1999-12-23 2004-01-15 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 異性ノナノールでブロックされたポリエステル、その製法及び可塑剤としてのその使用
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