JPH093042A - ラクタムの製造方法 - Google Patents

ラクタムの製造方法

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JPH093042A
JPH093042A JP8174353A JP17435396A JPH093042A JP H093042 A JPH093042 A JP H093042A JP 8174353 A JP8174353 A JP 8174353A JP 17435396 A JP17435396 A JP 17435396A JP H093042 A JPH093042 A JP H093042A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジニトリルからのラクタムの新しいより有用
な製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明は、ジニトリルのアミノニトリル
への半水素化工程と、1回だけの簡単な精製操作後のア
ミノニトリルの環化用加水分解工程との2つの工程を直
列に結び付けたことを特徴とする、ラクタムの製造方法
に関する。より特定的には、本発明は、脂肪族ジニトリ
ルを触媒の存在下で水素を用いて水素化してアミノニト
リルにし、得られたアミノニトリルを蒸留してジニトリ
ル含有率を10重量%以下にし且つイミン又はアミン官
能基を含有する副生成物の含有率を10重量%以下に
し、蒸留されたアミノニトリルを気相中で触媒の存在下
又は不在下で水と反応させることを特徴とする、ラクタ
ムの製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ジニトリルから
のラクタムの製造方法に関する。脂肪族ラクタム、特に
ε−カプロラクタムのような脂肪族ラクタムは、ポリア
ミドの製造(カプロラクタムからはポリアミド6の製
造)のための出発物質である。
【0002】
【従来の技術】産業的規模については、カプロラクタム
は、シクロヘキサノンから、シクロヘキサノンをそのオ
キシムに転化させ、このオキシムを次いで硫酸のような
強酸の存在下でカプロラクタムに転化させることによっ
て製造される。過剰分の強酸は後に中和しなければなら
ない。かかる方法には、製造されるカプロラクタム1ト
ン当たりに数トンまでの非常に大量の硫酸アンモニウム
をもたらすという主要な問題点がある。
【0003】これらのラクタムを製造するために検討さ
れる別の手段は、ジニトリルの対応するアミノニトリル
への部分的水素化、特にアジポニトリルのアミノカプロ
ニトリルへの部分的水素化を実施し、次いで水素化の際
に生成した様々なイミン若しくはアミン又はジアミンの
ような不純物を全て除去するために注意深くアミノニト
リルを精製し、最後に、こうして精製されたアミノニト
リルを重合してポリアミドにすることから成る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この最後の方法は一見
すると魅力的に見えるが、アミノニトリルの非常に充分
な精製を絶対的に必要とする。実際、アミノニトリルが
ジイミン及び特に様々なイミン又はアミン副生成物(こ
れらは重合度を制限し且つ着色及び枝分かれの外観を引
き起こす)を含有しない場合にのみ、重合が検討に耐え
得る。しかしながら、アミノニトリルの性質と除去され
るべきイミン又はアミンの性質とが非常に類似している
こと及び特に様々な形の副生成物の間に平衡が存在する
ことは、分離が容易ではなく、それらを除去する前にイ
ミンを転化させることを意図して1種以上の化合物を添
加することが必要であるということである。かくして、
国際出願公開WO−9314064号には、反応混合物
を蒸留する前に、マロンニトリル、ジシクロペンタジエ
ン、シクロペンタジエン、ニトロメタン、ニトロエタン
又はインデンのようなメチレン化合物を反応混合物に導
入することが教示されている。すでに複雑な混合物に対
する化合物のこの添加は、方法を簡略化できない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジニトリルの
アミノニトリルへの半水素化工程と1回だけの簡単な精
製操作後のアミノニトリルの環化加水分解工程との2つ
の工程を直列に結び付けたラクタムの製造方法から成
る。
【0006】より正確には、本発明は、 ・脂肪族ジニトリルを触媒の存在下で水素を用いて水素
化してアミノニトリルにし、 ・得られたアミノニトリルを蒸留して、ジニトリル含有
率を10重量%以下にし且つイミン又はアミン官能基を
含有する副生成物の含有率を10重量%以下にし、 ・蒸留されたアミノニトリルを気相中で触媒の存在下又
は不在下で水と反応させることを特徴とする、ラクタム
の製造方法から成る。
【0007】
【発明の実施の形態】蒸留によってジニトリル含有率
0.0050重量%を有するアミノニトリルを得ること
ができるが、中間の蒸留留分を分離しなければならない
ので、この低い含有率は、自由に使用できるアミノニト
リルの量を犠牲にして得られる(この中間の蒸留留分
は、新たな半水素化操作に再循環することができる)。
従って、一般的に、環化加水分解工程において0.00
5〜5重量%のジニトリルを含有するアミノニトリルを
用いるのが好ましい。
【0008】蒸留によってアミノニトリル中のその他の
副生成物の全体的な含有率を0.2%より低くすること
は一般的に困難であるが、この値は本発明の方法の場合
の臨界的な下限を構成しない。イミン又はアミン官能基
を含有する副生成物0.2〜5重量%を含有するアミノ
ニトリルを環化加水分解工程に導入するのが一般的であ
る。
【0009】用いられるジニトリルに対応するジアミン
は、環化加水分解工程の邪魔にはならない。本明細書に
おいては、このジアミンは、前記のアミン官能基を含有
する副生成物とは見なさない。
【0010】本発明の方法の最初の工程において用いる
ことができる脂肪族ジニトリルは、より特定的には、次
の一般式(I): NC−R−CN (I) (ここで、Rは1〜12個の炭素原子を有する直鎖状又
は分枝鎖状アルキレン又はアルケニレン基を表わす)の
ジニトリルである。一般式(I)においてRが1〜6個
の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルキレン基を
表わすジニトリルを用いるのが好ましい。
【0011】かかるジニトリルの例としては、特にアジ
ポニトリル、メチルグルタロニトリル、エチルスクシノ
ニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル及びグル
タロニトリル並びにそれらの混合物、特にアジポニトリ
ル及び(又は)メチルグルタロニトリル及び(又は)エ
チルスクシノニトリル(これらはアジポニトリルの合成
のための同一の方法から由来され得る)の混合物を挙げ
ることができる。実際上は、大抵の場合Rは(CH2
4 である。何故ならば、これは本発明の方法におけるア
ジポニトリルの使用に対応するからである。
【0012】水素によるジニトリルの対応するアミノニ
トリルへの半水素化は、ラネーニッケル、ラネーコバル
ト、又は「Handbook of Chemsitry and Physics」 第51
版(1970〜1971年)に発表されたような元素周
期律表第IVb、VIb、VII b及びVIII族の元素から選択
されるドーパント元素を含有するラネーニッケル若しく
はラネーコバルトを基とする触媒並びにアルカリ金属又
はアルカリ土類金属から誘導された無機強塩基の存在下
で実施するのが一般的である。
【0013】水素化はジニトリルが溶解されている時に
より良好に実施されるので、初期水素化混合物には、ジ
ニトリルを少なくとも部分的に可溶化することができる
少なくとも1種の溶媒を含有させる。この溶媒は、反応
混合物の液状化合物全体に対して少なくとも0.5重量
%の割合の水によって構成されることができる。
【0014】水についての補足又は代替品として、アル
コール及び(又は)アミド及び(又は)アミン及び(又
は)アンモニアのような少なくとも1種のその他の溶媒
を反応混合物に含有させてもよい。特に適したアルコー
ルは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2
−プロパノール及び1−ブタノールのようなアルカノー
ル、エチレングリコール及びプロピレングリコールのよ
うなジオール、ポリオール、又はこれらのアルコールの
混合物である。溶媒がアミドである場合には、特にジメ
チルホルムアミド及びジメチルアセトアミドを用いるこ
とができる。溶媒として用いることができるアミンの中
では、例えば水素化されるジニトリルに対応するジアミ
ン又はアミノニトリルを用いることができる。水と共に
用いられる場合、これらの溶媒は水の重量の2倍〜4倍
の重量を占める。
【0015】ジニトリルの半水素化工程の好ましい変形
に従えば、初期反応混合物には、水素化されるべきジニ
トリルから生成され得るジアミン及び(又は)アミノニ
トリル並びに未転化ジニトリルを、これら3種の化合物
が組み合わされた場合には80〜99.5%の割合で含
有させる。ジニトリルの転化率は、少なくとも70%で
あるのが好ましい。
【0016】無機強塩基は一般的にアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩又はアルカノラート
から成る。この無機強塩基は、アルカリ金属水酸化物、
炭酸塩及びアルカノラートから選択されるのが好まし
い。有利な態様においては、無機強塩基は、LiOH、
NaOH、KOH、RbOH、CsOH及びそれらの混
合物から選択される。実際上は、性能と価格との良好な
折衷点のために大抵の場合NaOH及びKOHが用いら
れるが、RbOH及びCsOHも非常に良好な結果をも
たらすことができる。
【0017】反応混合物は、本方法の具体化のタイプに
応じて変化する組成を有する。実際、本方法を不連続
で、特に実験室での実施や小規模な不連続製造操作の場
合のように不連続で実施した場合には、初期反応混合物
は次第にアミノニトリル及び(より少ない割合である
が)ジアミンに富むようになり、他方、ジニトリルの濃
度は、半水素化が始まったらすぐに全部又は殆どのジニ
トリルを装入する場合には低下することもあり、反応の
際に徐々にジニトリルを導入する場合には比較的一定に
保たれることもある。他方、本方法を連続的に実施した
場合には、反応器から出てくる反応混合物の組成は、反
応の選択性によって決定される値を取る。
【0018】水は通常20%以下の量で存在させる。反
応混合物の水含有率は、混合物の液状成分の組合せに対
して2〜15重量%の範囲であるのが好ましい。
【0019】本発明の方法の連続操作においては、アミ
ノニトリル及びジアミンのそれぞれについての選択性の
比並びにジニトリルの導入速度によって、平均組成が決
定される。
【0020】無機強塩基の量は、触媒1kg当たりに
0.1モル以上であるのが有利である。この量は、触媒
1kg当たりに0.1モル〜3モルの範囲であるのが好
ましく、触媒1kg当たりに0.3〜2モルの範囲であ
るのがさらにより好ましい。
【0021】本方法において用いられる触媒は、ラネー
ニッケル、ラネーコバルト、又は、ニッケル若しくはコ
バルト及び触媒の製造の際に元の合金から取り出された
残渣量の金属(即ち、一般的にアルミニウム)に加え
て、例えばクロム、チタン、モリブデン、タングステ
ン、鉄及び亜鉛のような1種以上のその他の元素(しば
しばドーパントと称される)を含むラネーニッケル若し
くはラネーコバルトであってよい。クロム及び(又は)
鉄及び(又は)チタンが、これらのドーパント元素の内
の最も有利なものであると考えられる。これらのドーパ
ントは、ニッケルの重量に対して0〜15重量%を占め
るのが一般的であり、0〜10重量%を占めるのが好ま
しい。
【0022】触媒の使用量は、特に採用された操作方法
又は選択された反応条件の関数として非常に広範に変え
ることができる。従って、ジニトリルを反応混合物に徐
々に導入する場合には、反応が始まったらすぐに全部の
ジニトリルを導入する場合よりも、触媒/水素化される
べきジニトリルの重量比がはるかに高い。指標として、
反応混合物の総重量に対して0.5〜50重量%、大抵
の場合1〜35重量%の触媒を用いることができる。
【0023】所定の触媒及び所定のジニトリル転化率に
ついては、アミノニトリルの収率は塩基/Ni又は塩基
/Co比によって決定される最大値を通る。一定のジニ
トリル転化率におけるアミノニトリル収率の最適条件
は、ドーパントの性状及び含有率、反応混合物中の水の
量並びに温度に依存する。
【0024】本発明の方法の半水素化工程は、150℃
以下の反応温度において実施するのが一般的であり、1
20℃以下の反応温度において実施するのが好ましく、
100℃以下の反応温度において実施するのがさらによ
り好ましい。具体的には、この温度は周囲温度(約20
℃)〜100℃の範囲である。20℃より低い温度にお
いても何ら技術上の問題なく操作することができるが、
しかし反応の生産効率が低くなるのでこれは何ら利点を
提供しない。
【0025】加熱の前、加熱と同時に又は加熱後に、反
応容器を適切な水素圧、即ち、実際上は、1バール
(0.10MPa)〜100バール(10MPa)の範
囲、好ましくは5バール(0.5MPa)〜50バール
(5MPa)の範囲の水素圧にする。
【0026】反応時間は、反応条件及び触媒の関数とし
て変えることができる。不連続操作においては、この反
応時間は、数分から数時間まで変えることができる。連
続操作(これは本発明に従う方法のための好ましい産業
上の方法を構成する)においては、反応時間が設定する
ことができるパラメーターではないことは明らかであ
る。
【0027】半水素化工程において得られたアミノニト
リルをラクタムを生成させるために環化加水分解工程に
付す前に、存在することがある水及び(又は)溶媒、反
応しなかったジニトリル、生成したジアミン並びにイミ
ン又はアミンタイプの化合物のような反応副生成物の殆
どを除去することが必要である。
【0028】この精製は、慣用的な蒸留操作、好ましく
は大気圧よりも低い圧力において実施される蒸留操作に
よって、首尾よく実施することができる。初めに水及び
(又は)溶媒が蒸留され、次いで生成したジアミン、例
えばヘキサメチレンジアミンが蒸留される。その次にア
ミノニトリル、例えば6−アミノカプロニトリル(AC
N)が来て、未反応ジニトリルは蒸留によって分離して
も分離しなくてもよい。
【0029】この蒸留によって得られたアミノニトリル
は、環化加水分解反応において用いるためには、前記し
たように、ジニトリルを10重量%まで、好ましくは5
重量%まで、及びジニトリルの水素化の際に生成したそ
の他の副生成物を10重量%まで、好ましくは5重量%
まで含有していてもよい。
【0030】ジニトリルがアジポニトリルである場合、
これらの副生成物は特に、ヘキサメチレンイミン(HM
I)、アミノメチルシクロペンチルアミン(AMCP
A)、アザシクロヘプテン(AZCHe)、1−イミノ
−2−シアノシクロペンタン(ICCP)、ジアミノシ
クロヘキサン(DCH)、ビス(ヘキサメチレントリア
ミン)(BHT)、アザシクロヘプテンと6−アミノカ
プロニトリルとの縮合生成物(6−(6’−アミノヘキ
サメチレンイミノ)ヘキサンニトリル)又は、半水素化
をアルコール中で実施した場合には、このアルコールと
反応中間体との反応からの様々な化合物であることがで
きる。
【0031】対応するラクタムを製造するための精製さ
れたアミノニトリルの環化加水分解工程は、次の一般式
(II): N≡C−R−CH2 −NH2 (II) (ここで、Rは1〜12個の炭素原子を有する直鎖状又
は分枝鎖状アルキレン又はアルケニレン基を表わす)の
脂肪族アミノニトリルと水との好ましくは固体触媒の存
在下での気相反応から成る。アミノニトリルの式(II)
において、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状又
は分枝鎖状アルキレン基を表わすのが好ましい。
【0032】固体触媒は、非常に様々な性状のものであ
ってよい。モレキュラーシーブ(約3〜10Åの微孔性
を持つ結晶性化合物)、非ゼオライトモレキュラーシー
ブ、金属燐酸塩又は酸性若しくは両性バルク(massiqu
e)酸化物を用いることができる。モレキュラーシーブ
は、シリカライト(silicalite)又は酸性ゼオライトで
ある。
【0033】ゼオライトとは、四面体形SiO4 及びT
4 (ここで、Tはアルミニウム、ガリウム、硼素及び
鉄のような三価元素、好ましくはアルミニウムを表わ
す)単位の三次元組立てから生じた結晶を持つ天然又は
合成起源の結晶性テクト珪酸塩を意味するものとする。
アルミノ珪酸塩タイプのゼオライトが最も一般的なもの
である。
【0034】ゼオライトは、結晶格子内で、明確な直径
の導管によって互いに連結された空洞系を示し、これら
の空洞は細孔と称される。ゼオライトは、一次元、二次
元又は三次元格子を示すものであってよい。ゼオライト
の中では、例えばオフレタイト(offretite) 、クリノプ
チロタイト(clinoptilotite)、エリオナイト(erioni
te)、キャバザイト(chabazite) 及びフィリップサイト
(philipsite)のような天然ゼオライトを用いることが
できる。また、合成ゼオライトも全く好適である。
【0035】一次元格子を持つ合成ゼオライトの例とし
ては、他にもあるが、ゼオライトZSM−4、ゼオライ
トL、ゼオライトZSM−12、ゼオライトZSM−2
2、ゼオライトZSM−23及びゼオライトZSM−4
8を挙げることができる。好ましく用いられる二次元格
子を持つゼオライトの例としては、β−ゼオライト、モ
ルデナイト(mordenite) 及びフェリエライト(ferrieri
te)を挙げることができる。三次元格子を持つゼオライ
トに関しては、より特定的には、ゼオライトY、ゼオラ
イトX、ゼオライトZSM−5、ゼオライトZSM−1
1及びオフレタイトを挙げることができる。
【0036】合成ゼオライト、特に以下の形にあるもの
を用いるのが好ましい。 ・Si/Alモル比が3.4のマッツァイト(mazzite) ・Si/Alモル比が1.5〜3.5のゼオライトL ・Si/Alモル比が5〜15のモルデナイト ・Si/Alモル比が3〜10のフェリエライト ・Si/Alモル比が4〜8.5のオフレタイト ・Si/Alモル比が15〜25のβ−ゼオライト ・ゼオライトY、特に脱アルミニウム(dealumination)
処理(例えば水素化処理、塩酸による洗浄又はSiCl
4 による処理)後に得られるゼオライト、より特定的に
はSi/Alモル比が3より大きい、好ましくは6〜6
0の範囲のゼオライトUS−Y ・Si/Alモル比が0.7〜1.5のホージャサイト
(faujasite) タイプのゼオライトX ・Si/Alモル比が10〜2000のゼオライトZS
M−5又はアルミニウムシリカライト ・モル比が5〜30のゼオライトZSM−11。
【0037】本方法において用いられるゼオライトは、
文献に記載された既知の物質である[国際ゼオライト協
会の構造委員会によって発行されたマイアー(W. M. Mei
er)及びオルソン(D. H. Olson) によるゼオライト構造
タイプの図解書(Atlas) (1978年)を参照された
い]。商業的に入手できるゼオライトを用いることもで
き、文献に記載された方法に従ってゼオライトを合成す
ることもできる。
【0038】製造のためには、前記の図解書及びより特
定的には以下を参照することができる。 ・ゼオライトLの製造については、「Z. Kristallogr.
」、128、第352頁〜のバレア(R. M. Barrer)
らによる論文(1969年) ・ゼオライトZSM−12の製造については、米国特許
第3832449号明細書及び「ゼオライト5」、第3
46頁〜のラピエール(Lapierre)らによる論文(19
85年) ・ゼオライトZSM−22の製造については、「ゼオラ
イト5」、第349頁〜のココタイロ(G. T. Kokotail
o) らによる論文(1985年) ・ゼオライトZSM−23の製造については、米国特許
第4076842号明細書及び「ゼオライト5」、第3
52頁〜のローマン(A. C. Rohrman) らによる論文(1
985年) ・ゼオライトZSM−48の製造については、「ゼオラ
イト5」、第355頁〜のシュレンカー(J. L. Schlenk
er) らによる研究(1985年) ・β−ゼオライトの製造については、米国特許第330
8069号明細書及び「ゼオライト12」、第240頁
〜のコーレット(P. Caullet)らによる論文(1985
年) ・モルデナイトの製造については、「ゼオライト6」、
第30頁〜のイタバシらによる研究(1986年) ・ゼオライトX及びYの製造については、それぞれ米国
特許第4076842号明細書及び同第3130007
号明細書 ・ゼオライトZSM−5の製造については、米国特許第
3072886号明細書及び「ゼオライト9」、第36
3頁〜のシラルカー(V. P. Shiralkar) らによる論文
(1989年) ・ゼオライトZSM−11の製造については、「ゼオラ
イト7」、第21頁〜のハリソン(I. D. Harrison)ら
による研究(1987年)。
【0039】ゼオライトは、様々な形、例えば粉体、造
形品、例えば顆粒(例えば円筒又はビーズ)、タブレッ
ト又はモノリス(ハニカム形ブロック)の形で用いるこ
とができ、これらは、押出、成形、プレス成形又はその
他の任意の既知のタイプの方法によって得られる。実際
上、産業的規模については、顆粒、ビーズ又はモノリス
の形が有効性の観点及び使用上の便利さの観点の両方か
ら特に有利である。本発明は、ゼオライトの形成の際に
用いられるバインダー、例えばアルミナ又はクレーが存
在することを排除しない。
【0040】どんなゼオライトを選択しても、必要なら
ばゼオライトを酸性にする処理を実施する。この目的の
ためには、慣用の処理を用いる。従って、ゼオライトを
アンモニア水を用いて実施される処理に付してアルカリ
金属陽イオンのアンモニウムイオンによる交換をもたら
し、次いで交換されたゼオライトを焼成してアンモニウ
ム陽イオンを熱分解してこれをH+ イオンで置き換える
ことによって、アルカリ陽イオンを交換することができ
る。アンモニア水の使用量は、アルカリ金属イオン全部
をアンモニウムイオンと交換するのに必要な量と少なく
とも同等である。従って、ゼオライト1g当たりに少な
くとも10-5〜5×10-3モルのアンモニア水を用い
る。
【0041】シリカライトの中では、より特定的には、
ZSM−5と同様の構造のタイプ1のシリカライト、Z
SM−11と同様の構造のタイプ2のシリカライト及び
β−シリカライトを用いる。
【0042】本明細書において用語「非ゼオライトモレ
キュラーシーブ」(即ちNZMS)には、米国特許第4
440871号明細書に記載されたSAPOモレキュラ
ーシーブ、ヨーロッパ特許公開第0159624号明細
書に記載されたELAPSOモレキュラーシーブ並びに
以下に示す特許明細書に記載されたある種の結晶性アル
ミノ燐酸塩並びにメタロアルミノ燐酸塩(MeAP
O)、フェロアルミノ燐酸塩(FeAPO)及びチタノ
アルミノ燐酸塩(TAPO)が包含される。結晶性アル
ミノ燐酸塩は、米国特許第4310440号明細書に記
載されている。結晶性メタロアルミノ燐酸塩MeAPO
(ここで、MeはMg、Mn、Co及びZnから選択さ
れる少なくとも1種の金属を表わす)は、米国特許第4
567029号明細書に記載されている。結晶性フェロ
アルミノ燐酸塩FeAPOは、米国特許第455414
3号明細書に記載されている。チタノアルミノ燐酸塩T
APOは、米国特許第4500651号明細書に記載さ
れている。その他の非ゼオライトモレキュラーシーブE
LAPOは、ヨーロッパ特許公開第0158976号明
細書及び同第0158349号明細書に記載されてい
る。
【0043】金属燐酸塩は、より正確には、次の一般式
(III) : MHh (PO4n ・(Imp)p (III) {ここで、Mは元素周期律表第2a、3b、4b、5
b、6b、7b、8、2b、3a、4a及び5a族から
選択される二価、三価、四価若しくは五価元素又はこれ
らの数種の元素の混合物或いはM=O(Mがある種の五
価元素を表わす場合)を表わし、Impは、アルカリ金
属若しくはアルカリ土類金属又はこれらの数種の金属の
混合物と電気的中性を保証するための対イオンとが組み
合わせて用いられて成る塩基性含浸用化合物を表わし、
nは1、2又は3を表わし、hは0、1又は2を表わ
し、pは0〜1/3の範囲の数を表わし、含浸用化合物
Imp対含浸されるMHh(PO4n のモル比に相当
する}の金属燐酸塩であってよい。
【0044】式(II)のアミノニトリルの中で最も重要
なものは、ポリアミド4、5、6及び10の製造のため
の原料として用いられるラクタムを生成するもの、即ち
前記の式において記号Rが2、3、4又は8個の炭素原
子を有する直鎖状アルキレン基を表わすものである。好
ましい式(II)の化合物は6−アミノカプロニトリル
(即ちε−カプロニトリル)であり、これはカプロラク
タムを生成し、このカプロラクタムを重合することによ
ってポリアミド6が得られる。
【0045】元素周期律表第2a、3b、4b、5b、
6b、7b、8、2b、3a、4a及び5a族の金属の
中では、特にベリリウム、マグネシウム、カルシウム、
ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、硼素、ガリ
ウム、インジウム、イットリウム、ランタニド、例えば
ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリ
ウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジス
プロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッ
テルビウム及びルテチウム、ジルコニウム、チタン、バ
ナジウム、ニオブ、鉄、ゲルマニウム、錫並びにビスマ
スを挙げることができる。
【0046】ランタニド燐酸塩の中では、ランタン、セ
リウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム及びユー
ロピウムを包含する軽質希土類(セリウム系希土類とも
称される)のオルト燐酸塩を第一の類とすることができ
る。これらのオルト燐酸塩は二形性(dimorphique) であ
る。これらは六方晶構造を有し、600〜800℃の温
度に加熱された時に単斜晶構造に向けて変化する。
【0047】第二の類のランタニド燐酸塩は、オルト燐
酸ガドリニウム、オルト燐酸テルビウム及びオルト燐酸
ジスプロシウムを含む。これらのオルト燐酸塩は、セリ
ウム系希土類のオルト燐酸塩と同じ構造を有するが、さ
らに高温(約1700℃まで)において四方晶構造の第
三の結晶相を持つ。
【0048】第三の類のランタニド燐酸塩は、イットリ
ウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビ
ウム及びルテチウムを包含する重質希土類(イットリウ
ム系希土類とも称される)のオルト燐酸塩を含む。これ
らの化合物は、四方晶形でのみ結晶化する。
【0049】前記の様々な類の希土類オルト燐酸塩の中
では、セリウム系希土類オルト燐酸塩を用いるのが好ま
しい。
【0050】前記の数種の金属の燐酸塩の混合物又は前
記の数種の金属の混合燐酸塩又は前記の1種以上の金属
及びアルカリ若しくはアルカリ土類金属のような1種以
上のその他の金属を含有する混合燐酸塩を式(III) の金
属燐酸塩として用いることができる。
【0051】含浸用化合物Impの式の一部を形成する
対陰イオンは、塩基性である。特に水酸イオン、燐酸イ
オン、燐酸水素イオン、燐酸二水素イオン、塩素イオ
ン、弗素イオン、硝酸イオン、安息香酸イオン及び蓚酸
イオンを用いることができるが、これらに限定されるも
のではない。モル比pは0.02〜0.2の範囲である
のが好ましい。
【0052】燐酸塩の製造のための一般的な技術{特に
「パスカル新無機化学概論(P. Pascal, Nouveau trait
e de chimie minerale)」第X巻(1956年)、第8
21〜823頁及び「グメリンス無機化学ハンドブック
(GMELINS Handbuch der anorganischen Chemie)」(第
8版)、第16(C)巻、第202〜206頁(196
5年)に記載されたような技術}を参照すると、燐酸塩
を製造するために2つの主要な経路があることがわか
る。その一方は金属の可溶性の塩(塩化物、硝酸塩)を
燐酸水素アンモニウム又は燐酸によって沈殿させるもの
であり、もう一方は金属の酸化物又は炭酸塩(可溶性の
もの)を一般的に加熱しながら燐酸と共に溶解させ、次
いで再沈殿させるものである。
【0053】前記の経路の一方に従って得られる沈殿し
た燐酸塩は、乾燥させ、有機塩基(例えばアンモニア
水)又は無機塩基(例えばアルカリ金属水酸化物)で処
理し且つ焼成に付すことができ、これら3つの操作は、
示した順序で実施しても別の順序で実施してもよい。
【0054】記号pが0より大きい場合の式(III) の金
属燐酸塩は、前記した技術の内の一つに従って調製され
た化合物MHh (PO4n に、揮発性溶媒(好ましく
は水)中のImpの溶液又は懸濁液を含浸させることに
よって製造することができる。Impの溶解性が高いほ
ど、そして化合物MHh (PO4n が製造したてのも
のであるほど、結果は比例的により良好になる。
【0055】従って、式(III) の燐酸塩の製造のための
有利な方法は、(a)化合物MHh (PO4n の合成
を実施し、(次いで、好ましくは反応混合物からMHh
(PO4n を単離せずに、)(b)この反応混合物に
含浸用化合物Impを導入し、(c)反応固体から残留
液体を分離し、(d)乾燥させ且つ随意に焼成すること
から成る。
【0056】式(III) の触媒の性能、特にその耐失活性
は、焼成によってさらに改善することができる。焼成温
度は300℃〜1000℃の範囲であるのが有利であ
り、400℃〜900℃の範囲であるのが好ましい。焼
成時間は広い範囲内で変えることができる。指標とし
て、焼成時間は1時間〜24時間であるのが一般的であ
る。
【0057】本発明の方法において好ましい式(III) の
触媒の中では、より特定的には、燐酸ランタン;焼成燐
酸ランタン;セシウム、ルビジウム又はカリウム誘導体
と組み合わされた燐酸ランタン;焼成燐酸セリウム;セ
シウム、ルビジウム又はカリウム化合物と組み合わされ
た燐酸セリウム;セシウム、ルビジウム又はカリウム化
合物と組み合わされた燐酸サマリウム;燐酸アルミニウ
ム;セシウム、ルビジウム又はカリウム化合物と組み合
わされた燐酸アルミニウム;焼成燐酸ニオブ;セシウ
ム、ルビジウム又はカリウム化合物と組み合わされた燐
酸ニオブ;焼成燐酸水素ジルコニウム;及びセシウム、
ルビジウム又はカリウム化合物と組み合わされた燐酸水
素ジルコニウムを挙げることができる。
【0058】環化加水分解工程において固体触媒として
用いることができる酸性バルク酸化物は、特に金属酸化
物、金属酸化物の混合物或いは変性されて酸性にされた
金属酸化物(特にジハライド、ハロゲン化アンモニウム
又は硫酸若しくはハロゲン化水素酸のような酸の作用に
よって変性されて酸性にされた金属酸化物)である。バ
ルク酸化物を酸性化するために導入することができるハ
ロゲンは、塩素又は弗素であるのが好ましい。
【0059】両性バルク酸化物は、元々両性の酸化物又
は製造方法によって若しくは続いての処理によって両性
にされた酸化物である。
【0060】酸性又は両性バルク酸化物の非限定的な例
としては、SiO2/Al2O3 、SiO2/Ga2O3 、SiO2/Fe2O3
及びSiO2/B2O3混合物、ハロゲン化アルミナ、例えば特
に塩素化アルミナ及び弗素化アルミナ、硫酸化ジルコニ
ア、酸化ニオブ、酸化タングステン、トリア、ジルコニ
ア、二酸化チタン、セリア、シリカ並びにアルミナを挙
げることができる。
【0061】これらのバルク酸化物の中で、環化加水分
解工程において固体触媒として用いることができるアル
ミナは、非常に様々な構造のものである。しかしなが
ら、この反応において活性な様々なアルミナの中で、最
も失活しないものを選択するのが好ましい。この理由
で、BET法によって測定して5m2 /g以上の比表面
積を有するアルミナを選択するのが好ましく、10m2
/g以上の比表面積を有するアルミナを選択するのがさ
らにより好ましい。本発明の方法において用いられるア
ルミナは、500m2 /g以下の比表面積を有するのが
好ましい。
【0062】本方法において用いることができるアルミ
ナは、第一に、10m2 /g以上であって280m2
g以下の比表面積を有し且つ直径が500Åより大きい
細孔の容積が10ミリリットル/100g以上であるア
ルミナである。
【0063】BET比表面積は、「ジャーナル・オブ・
ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(Journal of t
he American Chemical Society)」第60巻、第309
頁(1938年)に記載されたBrunauer-Emmett-Teller
法に基づいて確立されたASTM標準D3663−78
に従って窒素吸着によって決定される比表面積である。
【0064】直径が500Åより大きい細孔の容積と
は、直径が500Åより大きい寸法の全ての細孔が作り
出す累計容積を表わす。この容積は、Kelvin則を適用し
た水銀浸透技術によって測定される。
【0065】この第一の類のアルミナは、直径が500
Åより大きい細孔の容積が20ミリリットル/100g
以上であるのが好ましく、30ミリリットル/100g
以上であるのがさらにより好ましい。この第一の類のア
ルミナはまた、50m2 /g以上の比表面積を有するの
が好ましい。
【0066】50m2 /g以上280m2 /g以下の比
表面積を有し且つ直径が70Åより大きい細孔の容積が
30ミリリットル/100g以上であるアルミナもま
た、本方法において用いることができるアルミナであ
る。
【0067】この第二の類のアルミナは、直径が70Å
より大きい細孔の容積が45ミリリットル/100g以
上であるのが好ましい。この第二の類のアルミナはま
た、80m2 /g以上の比表面積を有するのが好まし
い。
【0068】280m2 /g以上の比表面積及び15ミ
リリットル/100g以上の全細孔容積を有するアルミ
ナもまた、本方法において用いることができるアルミナ
である。
【0069】この第三の類のアルミナは、22ミリリッ
トル/100g以上の全細孔容積を有するのが好まし
く、30ミリリットル/100g以上の全細孔溶液を有
するのがさらにより好ましい。
【0070】アルミナはまた、その酸性度によっても特
徴付けられる。この酸性度は、1−ブテンの2ブテンへ
の異性化試験によって測定することができる。この試験
は、温度T(この場合には、T=400℃)における1
−ブテンのcis−2−ブテンとtrans−2−ブテ
ンとの混合物への異性化反応に基づく。
【0071】異性化反応は、熱力学的平衡である。次の
2つの定数を規定することができる。・次の計算式によ
って決定される理論平衡定数Kth(T)
【数1】 (ここで、[ブテン]eqとは、温度Tにおいて平衡状態
にあるそれぞれの異性体の濃度を意味する);・測定の
結果によって決定される実際の平衡定数K(T)
【数2】 (ここで、[ブテン]とは、温度Tにおいて反応器から
出てきたそれぞれの異性体の濃度を意味する)。アルミ
ナの異性化力Aは、平衡に関する活性度
【数3】 によって規定される。
【0072】実際上、この試験は、次のようにして実施
される。即ち、パルスモードで作動する気相反応器中
で、この反応器に粉砕アルミナ(400〜500μmの
範囲の粒子)500mgを導入する。このアルミナを、
2.5リットル/時間の流速のヘリウム流下で250℃
において2時間コンディショニングする。次いでこのア
ルミナを400℃の温度に加熱し、その上流においてヘ
リウム流中に1−ブテン1ミリリットルを注入する。出
口の気体の分析を気相クロマトグラフィーによって実施
し、これによって、回収された1−ブテン並びにcis
−及びtrans−2−ブテンの量を測定することがで
きる。
【0073】この異性化力Aを、空の反応器について同
じ条件下で得られた異性化力について補正する。補正さ
れた異性化力Ac は、アルミナの酸性度を表わす。アル
ミナ中に存在するアルカリ金属又はアルカリ土類金属の
含有率がアルミナ100g当たりに60ミリモルより低
い場合には、Ac の値が高いほどアルミナの酸性度が高
い。
【0074】アルミナは一般的にギブサイト(gibbsit
e)、バイエライト(bayerite)、ノルドストランダイ
ト(nordstrandite) 又はそれらの数種の混合物の脱水に
よって得られる。例えば「カーク・オスマー・エンサイ
クロピーディア(Kirk-Othmerencyclopedia)」第2
巻、第291〜297頁を参照することができる。
【0075】本発明の方法において用いられるアルミナ
は、微粉砕された形の水和アルミナを400℃〜100
0℃の範囲の温度の熱い気体流と接触させ、次いで水和
物と気体との接触を一瞬〜10秒間の間続け、最後に部
分的に脱水されたアルミナと熱気体とを分離することに
よって製造することができる。これについては、特に米
国特許第2915365号に記載された方法を参照する
ことができる。
【0076】得られたアルミナの凝集物を水性媒体中
で、随意に酸の存在下で、100℃より高い温度、好ま
しくは150℃〜250℃の範囲の温度において、好ま
しくは1〜20時間の期間、オートクレーブ処理に付
し、次いでそれらを乾燥させ、焼成することもできる。
焼成温度は、比表面積及び細孔容積が前記の範囲内の値
になるように調節する。
【0077】本発明の方法において用いられるアルミナ
は、その主な製造方法のために、大抵の場合ナトリウム
を含有する。ナトリウムの含有率は通常、アルミナの重
量に対するNa2 Oの重量として表わされる。
【0078】触媒は、粉体、ビーズ、破砕材料、押出物
又はタブレットのような様々な形で用いることができ、
その形成は随意にバインダーを用いて実施することがで
きる。
【0079】触媒は特に、油滴下形成(又は液滴中での
凝集)から得られたアルミナビーズであってよい。この
タイプのビーズは、例えばヨーロッパ特許公開第001
5801号又は同第0097539号の教示に従う方法
によって製造することができる。多孔度の調節は、特に
ヨーロッパ特許公開第0097539号に記載された方
法に従って、アルミナの水性懸濁液若しくは分散体、又
は有機相と水性相と界面活性剤若しくは乳化剤とから成
るエマルションの形の塩基性アルミニウム塩の溶液を滴
下凝集させることによって実施することができる。この
有機相は、特に炭化水素であってよい。
【0080】触媒はまた、破砕アルミナ材料であっても
よい。この破砕材料は、例えば任意のタイプの方法(油
滴下、ペレット製造機若しくは回転ドラム)によって得
られたビーズ又は押出物のような任意のタイプのアルミ
ナ系材料(アルミナを基とする材料)の破砕から由来す
るものであることができる。この破砕材料の多孔度の調
節は、それを得るために破砕されるアルミナ系材料の選
択によって実施される。
【0081】触媒はまた、アルミナ押出物であってもよ
い。この押出物は、アルミナ系材料{これはハイドロア
ルジライト(hydrargillite) の迅速脱水又はアルミナゲ
ルの沈降から由来するものであることができる}をブレ
ンドし、次いで押出することによって得ることができ
る。この押出物の多孔度の調節は、用いるアルミナの選
択及びこのアルミナの製造条件又は押出前のこのアルミ
ナのブレンド条件の選択によって実施することができ
る。かくして、このアルミナは、細孔形成材料とブレン
ドする際に混合してもよい。例として、この押出物は、
米国特許第3856708号明細書に記載された方法に
よって製造することができる。
【0082】場合によっては、反応成分の気化及び分散
を促進するために、反応器の自由体積の少なくとも一部
が例えば石英のような不活性固体で占められているのが
有利なこともある。
【0083】アルミナの場合におけるように、環化加水
分解工程の固体触媒は一般的に、粉体、タブレット、破
砕材料、ビーズ又は押出物の形で用いられる。その形成
は随意にバインダーを用いて実施することができる。場
合によっては、反応成分の気化及び分散を促進するため
に、反応器の自由体積の少なくとも一部が例えば石英の
ような不活性固体で占められているのが有利なこともあ
る。
【0084】環化加水分解には、水が存在することが必
要である。水対導入されるアミノニトリルのモル比は、
0.5〜50の範囲であるのが一般的であり、1〜20
の範囲であるのが好ましい。この比の上限値は本発明に
とって臨界的なものではないが、それより高い比は経済
上の問題のために殆ど魅力がない。
【0085】アミノニトリル及び水は、気相状態でそれ
らの混合物の形で反応器に導入してもよく、別々に反応
器に導入してもよい。反応成分の予備気化を実施し、次
いでこれらを混合室に移動させることができる。窒素、
ヘリウム又はアルゴンのような任意の不活性気体をキャ
リヤーとして不利なく用いることができる。
【0086】環化加水分解工程を実施する温度は、反応
成分が気相状態にあることを保証するのに充分な温度で
なければならない。この温度は200℃〜450℃の範
囲であるのが一般的であり、250℃〜400℃の範囲
であるのが好ましい。
【0087】アミノニトリルと触媒との間の接触時間は
臨界的ではない。この接触時間は、特に用いる装置に応
じて変えることができる。この接触時間は、0.5〜2
00秒の範囲であるのが好ましく、1〜100秒の範囲
であるのがさらにより好ましい。
【0088】圧力は、本方法のこの工程において臨界的
なパラメーターではない。かくして、10-3バール〜2
00バールの圧力において操作することができる。本方
法は、0.1〜20バールの圧力において実施するのが
好ましい。
【0089】反応条件下で不活性な溶媒、例えばアルカ
ン、シクロアルカン、芳香族炭化水素又はこれらの炭化
水素のハロゲン化されたもののような溶媒を用いるこ
と、並びに反応流中に液相を液相を存在させることは、
除外されない。
【0090】本発明に従う方法によって得られたラクタ
ムは、重合する前に、精製する、一般的に蒸留によって
精製することができる。この精製はアミノニトリルの段
階におけるよりもラクタムの段階で行なった方がはるか
に容易である。さらに、環化加水分解工程中に導入され
るアミノニトリル中に存在する副生成物は、この工程の
際にその多くが分解し、次いで容易に除去されるという
ことがわかった。
【0091】ラクタムの蒸留は、特にアルカリ金属水酸
化物のような強塩基の存在下で実施することができ、こ
の塩基を存在させることによって、副生成物及び転化し
なかったアミノニトリルからのラクタムの分離がより容
易になる。水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが特に
好適である。
【0092】
【実施例】以下、実施例によって本発明を例示する。
【0093】例1 Rushtone Cavitatorタイプの撹拌機、反応成分及び水素
の導入手段並びに温度制御システムを備えた3.6リッ
トルのステンレス鋼製反応器に、 ・アジポニトリル 1710g ・ヘキサメチレンジアミン 574.4g ・水 253g ・KOH 0.63g ・ラネーニッケル(Cr1.7%含有) 30.3g
(Niとして)を装入する。 この例においては、Ni1kg当たりにKOH0.4モ
ルである。
【0094】反応器を窒素でパージし、次いで水素でパ
ージした後に、この反応混合物を50℃に加熱する。次
いでこの温度において水素を連続添加することによって
圧力を2MPaに調節する。水素の消費を用いて反応の
進行を追跡する。装入したアジポニトリルに対して2.
2当量の水素が消費された時に、撹拌を停止し且つ反応
混合物を冷却することによって反応を停止させる。気相
クロマトグラフィーによって残留アジポニトリル(AD
N)及び生成した6−アミノカプロニトリル(ACN)
を測定し、ADNの転化率(DC)及び転化したADN
に対するACNの収率(CY)を計算する。次の結果が
得られた。 ・反応時間 118分 ・ADNのDC 81% ・ACNのCY 60.3%
【0095】この操作を7回繰返し、ろ過によって触媒
を分離した後の全反応混合物を一緒にして蒸留する。理
論段数30段に相当する有効性を有するステンレス鋼充
填材を充填した直径70mmのカラムを用いて、アミノ
ニトリルを2660Paで120℃において蒸留する。
こうして得られたアミノニトリルは、 ・アジポニトリル 0.01重量%未満 ・ヘキサメチレンジアミン 0.1重量% ・6−アミノカプロニトリル 98.4重量% ・各種アミン及びイミン(その主なものは6−(6’−
アミノヘキサメチレンイミノ)ヘキサンニトリルだっ
た) 1.5重量% を含有していた。
【0096】こうして製造された6−アミノカプロニト
リル(ACN)の環化加水分解工程を、加熱手段、気体
流の入口及び出口のための開口並びに反応成分注入シス
テムを備えた縦に配置されたパイレックスガラス製の2
0ミリリットルの円筒形反応器中で、次のようにして実
施する。この反応器に、石英10ミリリットル、粒子寸
法400〜500μmの粉体の形のアルミナ1ミリリッ
トル及び再度石英10ミリリットルを順次装入する。こ
うして装入された反応器を、空気流(流量1.5リット
ル/時間)下で400℃に2時間加熱する。次いで反応
器を320℃(選択した反応温度)まで冷却し、窒素流
(流量17.6ミリリットル/分)下に置く。次いでA
CNと水との重量比50/50(即ち水/ACNモル比
6.2)の混合物をポンプによって注入する。この混合
物の注入速度は、1.14g/時間にした。反応器の出
口において、蒸気を周囲温度のガラストラップ中に凝縮
させる。
【0097】最終的な反応混合物を気相クロマトグラフ
ィーによって分析する。アミノカプロニトリルの転化率
(DC)及び転化したアミノカプロニトリルに対するカ
プロラクタム(CPL)の収率(CY)を測定する。様
々な分析技術(質量分析と組み合わされた気相クロマト
グラフィー及び特に核磁気共鳴)によって、用いたアミ
ノニトリル中に存在していたアミン及びイミン副生成物
が完全に消失したことが確認された。反応時間50時間
の場合に、次の安定した性能が得られた。 ・ACNのDN≧99% ・CPLのCY≧98%
【0098】例2 Cavitator タイプの撹拌システム、反応成分及び水素の
導入手段並びに様々な制御システムを備えた金属反応器
に、 ・アジポニトリル 2856kg ・ヘキサメチレンジアミン 1151kg ・水 588kg ・KOH 0.83kg ・ラネーニッケル(Cr1.7%含有) 37kg を装入する。この例においては、Ni1kg当たりにK
OH0.4モルである。
【0099】例1の場合に記載した条件下で操作を実施
する。次の結果が得られた。 ・反応時間 3時間30分 ・ADNのDC 86% ・ACNのCY 64% ろ過によって触媒を分離した後に、理論段数11段に相
当する有効性を有するステンレス鋼充填材を充填した直
径75mmのカラムを用いて、反応混合物を2660P
aで120℃において蒸留する。
【0100】この方法の2番目の部分のために、前記の
蒸留からの、 ・アジポニトリル 0.02重量%未満 ・ヘキサメチレンジアミン 0.36重量% ・6−アミノカプロニトリル 97.1重量% ・各種アミン及びイミン(その主なものは6−(6’−
アミノヘキサメチレンイミノ)ヘキサンニトリルだっ
た) 2.5重量% を含有する画分を用いる。
【0101】本発明の方法においてはあまり高度に生成
されてはいない6−アミノカプロニトリルを環化加水分
解工程において用いることができるということをより良
好に示すために、蒸留されたアミノカプロニトリル(A
CN)のこの画分に様々な追加の不純物を添加した。こ
うして、 ・アジポニトリル 1重量% ・ヘキサメチレンジアミン 1重量% ・各種アミン及びイミン(その主なものは6−(6’−
アミノヘキサメチレンイミノ)ヘキサンニトリルだっ
た) 2.5重量% ・1−イミノ−2−シアノシクロペンタン 1重量% ・ヘキサメチレンイミン(HMI) 1重量% ・ビス(ヘキサメチレントリアミン)(BHT)1重量
% ・6−アミノカプロニトリル 92.5重量% を含有するACNが得られた。
【0102】こうして調製されたACNの環化加水分解
工程を、加熱手段、気体流の入口及び出口のための開口
並びに反応成分注入システムを備えた縦に配置されたパ
イレックスガラス製の20ミリリットルの円筒形反応器
中で、次のようにして実施する。この反応器に、石英3
ミリリットル、粒子寸法300〜600μmの粉体の形
のアルミナ(BET比表面積130m2 /gのもの)2
ミリリットル(0.87g)及び再度石英5ミリリット
ルを順次装入する。こうして装入された反応器を、空気
流(流量1.5リットル/時間)下で400℃に2時間
加熱する。次いで反応器を320℃(選択した反応温
度)まで冷却し、窒素流(流量88ミリリットル/分)
下に置く。次いでACNと水との混合物(水/ACNモ
ル比1.1)をポンプによって注入する。この混合物の
注入速度は、11g/時間にした。反応器の出口におい
て、蒸気を周囲温度のガラストラップ中に凝縮させる。
【0103】最終的な反応混合物を気相クロマトグラフ
ィーによって分析する。アミノカプロニトリルの転化率
(DC)及び転化したアミノカプロニトリルに対するカ
プロラクタム(CPL)の収率(CY)を測定する。様
々な分析技術(質量分析と組み合わされた気相クロマト
グラフィー及び特に核磁気共鳴)によって、用いたアミ
ノニトリル中に存在していたアミン及びイミン副生成物
が完全に消失したことが確認された。反応時間7時間の
場合に、次の安定した性能が得られた。 ・ACNのDN 63% ・CPLのCY 100%
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
フロントページの続き (72)発明者 フィリプ・ルコント フランス国メイジウ、リュ・サントブー ブ、43 (72)発明者 クリストフ・ネデ フランス国アニエール・スュル・セーヌ、 リュ・ド・プロニ、48

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジニトリルのアミノニトリルへの半水素
    化工程と、1回だけの簡単な精製操作後のアミノニトリ
    ルの環化加水分解工程との2つの工程を直列に結び付け
    たことを特徴とする、ラクタムの製造方法。
  2. 【請求項2】 脂肪族ジニトリルを触媒の存在下で水素
    を用いて水素化してアミノニトリルにし、 得られたアミノニトリルを蒸留して、ジニトリル含有率
    を10重量%以下にし且つイミン又はアミン官能基を含
    有する副生成物の含有率を10重量%以下にし、 蒸留されたアミノニトリルを気相中で触媒の存在下又は
    不在下で水と反応させることを特徴とする、請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 最初の工程において用いられる脂肪族ジ
    ニトリルが次の一般式(I): NC−R−CN (I) (ここで、Rは1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜
    6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルキレン
    又はアルケニレン基を表わす)のジニトリルから選択さ
    れることを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 ジニトリルの対応するアミノニトリルへ
    の水素による半水素化を、ラネーニッケル、ラネーコバ
    ルト、又は元素周期律表第IVb、VIb、VIIb及びVIII
    族の元素から選択されるドーパント元素を含有するラネ
    ーニッケル若しくはラネーコバルトを基とする触媒並び
    にアルカリ金属又はアルカリ土類金属から誘導された無
    機強塩基の存在下で実施することを特徴とする、請求項
    1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 無機強塩基がアルカリ又はアルカリ土類
    金属の水酸化物、炭酸塩及びアルカノラート、好ましく
    はアルカリ金属水酸化物、炭酸塩及びアルカノラートか
    ら選択されることを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 触媒の使用量が反応混合物の総重量に対
    して0.5〜50重量%、大抵の場合1〜35重量%で
    あることを特徴とする、請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 半水素化工程を150℃以下、好ましく
    は120℃以下、さらにより好ましくは100℃以下の
    反応温度において実施することを特徴とする、請求項1
    〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 半水素化工程を1バール(0.10MP
    a)〜100バール(10MPa)の範囲、好ましくは
    5バール(0.5MPa)〜50バール(5MPa)の
    水素圧下で実施することを特徴とする、請求項1〜7の
    いずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 半水素化工程において得られたアミノニ
    トリルをラクタムを生成させるために環化加水分解工程
    に付す前に、存在することがある水及び(又は)溶媒、
    未反応ジニトリル、生成したジアミン並びに反応の副生
    成物の殆どを慣用的な蒸留操作、好ましくは大気圧より
    も低い圧力において実施される蒸留操作によって除去し
    て、この蒸留操作によって得られたアミノニトリルが1
    0重量%まで、好ましくは5重量%までのジニトリル及
    び10重量%まで、好ましくは5重量%までの他の副生
    成物を含有するようにすることを特徴とする、請求項1
    〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 アミノニトリルの環化加水分解工程
    が、次の一般式(II): N≡C−R−CH2 −NH2 (II) (ここで、Rは1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜
    6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルキレン
    又はアルケニレン基を表わす)の脂肪族アミノニトリル
    と水との好ましくは固体触媒の存在下での気相反応から
    成ることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  11. 【請求項11】 固体触媒が酸性ゼオライト若しくはシ
    リカライトのようなモレキュラーシーブ、非ゼオライト
    モレキュラーシーブ、金属燐酸塩又は酸性若しくは両性
    バルク酸化物から選択されることを特徴とする、請求項
    10記載の方法。
  12. 【請求項12】 金属燐酸塩が次の一般式(III) : MHh (PO4n ・(Imp)p (III) {ここで、Mは元素周期律表第2a、3b、4b、5
    b、6b、7b、8、2b、3a、4a及び5a族から
    選択される二価、三価、四価若しくは五価元素又はこれ
    らの数種の元素の混合物或いはM=O(Mがある種の五
    価元素を表わす場合)を表わし、 Impは、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は
    これらの数種の金属の混合物と電気的中性を保証するた
    めの対イオンとが組み合わせて用いられて成る塩基性含
    浸用化合物を表わし、 nは1、2又は3を表わし、 hは0、1又は2を表わし、 pは0〜1/3の範囲の数を表わし、含浸用化合物Im
    p対含浸されるMHh(PO4n のモル比に相当す
    る}の金属燐酸塩であることを特徴とする、請求項11
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 バルク酸化物がアルミナ類から選択さ
    れることを特徴とする、請求項11記載の方法。
  14. 【請求項14】 用いられる活性アルミナが5m2 /g
    〜500m2 /g、好ましくは10m2 /g〜500m
    2 /gの比表面積を有することを特徴とする、請求項1
    3記載の方法。
  15. 【請求項15】 水対導入されるアミノニトリルのモル
    比が0.5〜50の範囲、好ましくは1〜20の範囲、
    さらにより好ましくは2〜20の範囲であることを特徴
    とする、請求項1、2及び10〜14のいずれかに記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 環化加水分解工程を実施する温度が2
    00℃〜450℃の範囲、好ましくは250℃〜400
    ℃の範囲であることを特徴とする、請求項1、2及び1
    0〜15のいずれかに記載の方法。
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