JPH09303842A - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自分で快適な温熱環境の申告が不可能なユー
ザの場合であっても、快適な，健康に良い温熱環境を実
現する空気調和機を提供する。 【解決手段】 心拍数，発汗量，血圧等の生理量の検出
が可能なセンサ２を人間１の手首に設定しておき、生理
量を検出する。一方、温度，湿度等の温熱環境を検知
し、前記センサ２で検出した生理量と温熱環境とに基づ
き運転制御ユニット４が快適な空調環境になるように空
気調和機３を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機に係
り、特に乳児，高齢者等の自分で快適な空調条件を選定
不可能なユーザに対しても快適な空調条件を提供可能に
した空気調和機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の空調機器では、人間の快適と感じ
る温熱環境には個人差が大きいこともあり、ユーザが自
分の体調，好みに適した設定温度，風量等の運転条件を
リモコン等で設定して運転することにより、快適な室内
環境を実現するのが一般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高齢者
の場合には、変更すべき設定量（例えば、寒いときに何
ｄｅｇ温度を上げたらよいか）の適切な選択やリモコン
のボタン操作の困難さ等のために、最適な室内環境を作
れない場合があった。

【０００４】また、高齢者は着衣量が多く、或いは皮膚
の温度に対する感度が鈍くなるために、周囲環境との熱
のやりとりに関する感度が鈍くなるといわれている。そ
の結果、暖房運転時に「寒い」と感じたときに設定温度
を上げ過ぎて、発汗して初めて暑すぎることに気づき、
結果として風邪をひいてしまう等の問題があった。更
に、少し寒い環境の場合に、着衣量を多くすることのみ
で体感温度を維持しようとした結果、肌の露出部分から
の放熱量が増加して、生理面からみて健康的でない温熱
環境で生活していることがあった。

【０００５】一方、乳幼児の場合には、自分で快適感を
申告することができないために、親が発汗状態，皮膚温
度等を確かめ、空調状態を乳幼児が快適と感じるように
調節している。特に、乳児においては、体重あたりの代
謝量が大きく、体が小さいことに起因して周囲環境の影
響が直ちに深部温度まで影響を及ぼすために、快適温度
の範囲は大人に比べてかなり狭いことが知られている。

【０００６】しかしながら、常時子供（乳幼児）の状態
を親が確認することは困難であるために、子供のくしゃ
み等に気付いてから空調状態を変更することが多いのが
現状である。また、人間の発汗能力に関して、生まれた
ときには人種や体質等によって汗腺の数は殆ど変わらな
いが、乳幼児期にどれだけ汗をかく環境で育つかによっ
て、能動汗腺の数が左右されることも確認されており、
子供を適切な温熱環境で育てることの重要性が指摘され
ている。

【０００７】なお、自動的に空気調和機の運転条件を決
定するものとしては、人体の皮膚温度を計測し、その検
出結果に基づいて空気調和機を運転するもの（特開昭６
２−１２５２４３号公報）、或いは高齢者が感じる快適
性をデータにしてＩＣカードに登録しておき、そのデー
タに基づいて空気調和機を運転するものがある（特開昭
６２−２６８９４４号公報）。しかし、前者は人体の生
理量が皮膚温度のみであるので健康管理面からは不十分
であり、後者はデータをＩＣカードに登録しておくため
データが固定され融通性に乏しかった。

【０００８】そこで、本発明の目的は、自分で快適な温
熱環境の申告が不可能なユーザの場合であっても、快適
な，健康に良い温熱環境を実現することができる空気調
和機を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に請求項１記載の発明は、人体の生理量を検知する生理
量検知手段と、温熱環境を検知する温熱環境検知手段
と、前記生理量検知手段および温熱環境検知手段の検知
情報に基づき空調機器の運転状態を制御する運転状態制
御手段とを備えたことを特徴とする。

【００１０】請求項１記載の発明によれば、生理量検知
手段により人体の生理量（心拍数，血流量，発汗量，血
圧，脳波等）を検知し、温熱環境検知手段により温熱環
境（温度，湿度等）を検知する。運転状態制御手段は、
生理量検知手段および温熱環境検知手段の検知情報に基
づき空調機器の運転状態を制御する。

【００１１】また、請求項２記載の発明は、当該空気調
和機を使用する人間の健康時の個人データを記憶する個
人データ記憶手段を備え、該個人データ記憶手段に記憶
した個人データと前記生理量検知手段で検知した検知デ
ータとの差異に基づき運転状態を制御するようにしたこ
とを特徴とする。

【００１２】請求項２記載の発明によれば、例えば人間
の心拍数は種々の要因により変化し、睡眠中に一時的に
変化することがある。この一時的な変化に基づいて空気
調和機を運転するのは好ましくないので、個人データ記
憶手段に記憶された健康時の心拍数との差異に基づいて
適切な空気調和機の運転条件を設定する。

【００１３】また、請求項３記載の発明は、前記生理量
検知手段で検知したデータに基づき予め設定した起床時
刻の直前のレム睡眠時刻を求め、このレム睡眠が終了後
の所定時間に快適な目覚め状態になるように運転を制御
することを特徴とする。

【００１４】請求項３記載の発明によれば、人間は睡眠
時に深い眠りと浅い眠り（レム睡眠）との交互の睡眠状
態になること、及び、心地好い目覚めとなるにはレム睡
眠終了後の数分程度の浅いレム睡眠の状態に目覚めれば
よいことが知られている。そこで、生理量検知手段で求
めた心拍数等に基づき起床時刻の直前のレム睡眠時刻を
求め、このレム睡眠が終了後の所定時間に合せるように
運転を制御する。

【００１５】また、請求項４記載の発明は、ユーザが申
告した運転条件より、前記生理量検知手段が検知した生
理量に基づく運転条件を優先して稼働するようにしたこ
とを特徴とする。

【００１６】請求項４記載の発明によれば、例えば高齢
者や乳幼児は本人や保護者が申告（設定）した運転条件
が必ずしも当人の健康状態に適切な運転条件になってい
るとは限らない。そこで、生理量検知手段が検知した現
実の生理量を優先して空気調和機を稼働する。

【００１７】また、請求項５記載の発明は、前記生理量
検知手段と前記運転状態制御手段との間を無線で通信す
るようにしたことを特徴とする。

【００１８】請求項５記載の発明によれば、生理量検知
手段は一般に人体の一部（例えば、手首等）に取り付け
られるので、生理量検知手段と運転状態制御手段とを無
線で接続すれば、生理量検知手段が取り付けられた人が
自由に動くことができる。

【００１９】また、請求項６記載の発明は、前記生理量
検知手段の検知した生理量に異常情報があった場合に
は、通信手段を介して当該異常情報を送信するようにし
たことを特徴とする。

【００２０】請求項６記載の発明によれば、例えば図８
に示すように、高齢者の寝室と若夫婦の寝室とが離れて
いる場合に、睡眠中に高齢者の生理量に異常があった場
合には、通信手段（警報装置，ケーブル等）を介してそ
の異常を若夫婦に連絡することができ、若夫婦は適切な
手段を直ちに講じることができる。

【００２１】また、請求項７記載の発明は、快適性優先
の制御モードと自然環境優先の制御モードとを有するこ
とを特徴とする。

【００２２】請求項７記載の発明によれば、空調装置に
より常時快適な環境に保たれていることが人間にとって
必ずしも健康に良いとは限らない。そこで、室内環境が
快適な「快適性優先の制御モード」と、外気温度との温
度差が例えば５ｄｅｇ程度に保つように空調する「自然
環境優先の制御モード」とを設け、自然環境優先の制御
モードが選択された場合には、生理量からのセンシング
結果を制御内容に反映させずに運転する。

【００２３】また、請求項８記載の発明は、前記生理量
検知手段が複数の矛盾する情報を検知した場合には、運
転条件を通常の自動運転状態の設定に戻すことを特徴と
する。

【００２４】請求項８記載の発明によれば、生理量検知
手段が複数の生理量を検知する場合には、その検知量が
互いに矛盾することがある。その場合には、生理量検知
手段を使用しない通常の自動運転状態にする。

【００２５】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施形態例
に基づいて説明する。

【００２６】（１）第１実施形態例 本実施形態例の基本的な考え方は、人間の心拍数，血流
量，発汗量，血圧，脳波等の生理量をセンシングするこ
とによりユーザの温冷感を判定し、室内温度・湿度等の
温熱環境を検知する手段から得られた情報と、空気調和
機のコンプレッサの運転周波数，室内送風機の送風量等
の運転条件、及びこれらの情報の時間変化に基づいて運
転条件を定めて、ユーザに自動的に快適な環境を提供す
るものである。

【００２７】図１は空気温に対する体温調節機構による
生理量の変化を示す特性図である。

【００２８】例えば、寒いときには皮膚の温度を低下さ
せて放熱量を押さえ、末梢部への血流を減らすように、
人間は生理的に反応する。逆に、暑いときには、発汗し
て体温を下げようとする。このことは、図１において、
皮膚血流が空気温度によって変化していることから明ら
かである。

【００２９】そこで、図２および図３に示すように、皮
膚血流を、人間１の一部（腕）に取り付けたセンサ２
（例えば、心拍数センサ２ａ，発汗量センサ２ｂ，血圧
センサ２ｃ，脳波センサ２ｄ，皮膚血流センサ２ｅ等）
によりセンシングすることにより、空気調和機３の運転
条件を変更して自動的に快適な温熱環境を実現する。

【００３０】即ち、人間１の腕の部分に取り付けたセン
サ２により皮膚血流を測定し、該センサ２からの情報
と、温度センサ４２，湿度センサ４３からの室内温度環
境情報と、空気調和機３の運転状況をもとに、使用者の
体感を運転制御ユニット４を構成するＣＰＵ４１により
判定する。そして、該ＣＰＵ４１が空気調和機３の運転
条件（例えば、コンプレッサ３ａの運転周波数、室内送
風機３ｂの送風量等）を決定し、その決定に基づいて空
気調和機３を運転する。

【００３１】なお、皮膚血流等の生理量のセンシングに
関しては、皮膚温度を含めて、前述の生理量、或いは測
定の比較的簡単な皮膚温を、複数以上組み合わせて行
い、多くの情報に基づいて快適感を判定し、その信頼性
を高めるようにしてもよい。

【００３２】（２）第２実施形態例 人間の心拍数を始めとする生理量に関しては、個人差が
ある。従って、多数の人間の生理量を単純に平均化して
得られた標準生理量と、生理量検知手段により検出され
た生理量との比較のような形で空気調和機３の制御を行
うと、前記標準生理量との偏差の大きいユーザの場合に
は、誤差を伴う恐れがある。

【００３３】そこで、本実施形態例においては、先ず健
康時の個人データを制御判定のための基本データとして
図３に示すＲＯＭ４４に記憶させておき、そのデータと
センサ２の検出値との差異に基づきＣＰＵ４１が快適感
を判定し、空気調和機３を制御する。このようにすれ
ば、より確実なデータとの比較に基づき空気調和機を運
転することができる。

【００３４】また、ユーザの申告に基づき空気調和機の
運転条件を変更する場合には、変更希望の生理量（申告
値）と標準時の生理量の相関をとり、その差異に基づき
制御テーブル（ＲＯＭ４４）を補正してもよい。このよ
うにすれば、個人差を考慮したテーブルを作成すること
ができる。

【００３５】（３）第３実施形態例 寝室の空調環境としては、就寝中は暑くも寒くもなく、
起床時には喉の渇きがなく、冷房の冷えすぎによる気怠
さがないことが望まれており、設定温度をシフトして運
転制御することが通常行われている。

【００３６】例えば、図４に示すように、冬の暖房時に
おいては、就寝後（２２時）徐々に設定温度を低くし、
また朝方（６時）に徐々に設定温度を高くして、空気調
和機を運転している。

【００３７】また、図５に示すように、睡眠にはレム睡
眠とノンレム睡眠があり、時間とともに睡眠深度が変化
し、朝方には徐々に睡眠深度が浅くなり、レム睡眠の発
生頻度が増加する。睡眠深度が深いときに目が覚めると
眠気が強く残り、頭がぼんやりとした状態が長く続く。

【００３８】一方、レム睡眠の最中に起床すると、ノン
レム睡眠時に比べると脳が活動しているために寝ぼけた
感じは少ないが、レム睡眠時には夢を見ていることが多
く、心地よく起床できるかどうかは夢の内容に左右され
ることとなる。最も心地よく起床できるのは、レム睡眠
終了後数分程度の浅いレム睡眠の状態で目覚めたときで
ある。

【００３９】ここに、図６に示すように、レム睡眠とノ
ンレム睡眠の場合に、人間の生理活動が異なることが知
られている。

【００４０】そこで、本実施形態例では心拍数を心拍数
センサ２ａによりセンシングしておき、レム睡眠とノン
レム睡眠を判定する。そして、前述の最も目覚めのよい
条件（レム睡眠の終了後の数分程度の浅いレム睡眠の状
態）の時に、室内が快適な状態となるように空気調和機
を運転する。

【００４１】例えば、朝の起床時間に近い時刻でレム睡
眠となったときに、空気調和機の運転を始める。或いは
徐々に設定温度をシフトすることにより、起床時に快適
と感じる環境に空調する。この時、空気調和機は静かに
運転することが不可欠であり、送風量を小さくして運転
する。

【００４２】また、朝の起床時の空気調和機の運転開始
時刻は、室内温度と目標温度の差から必要となる運転時
刻を予測し、使用者（睡眠者）の直前のレム睡眠の継続
時間に基づいて判定することとし、レム睡眠が終了する
頃に快適な室内環境を作っておく。そして、レム睡眠が
終了した数分後に空気調和機のルーバをスウィングさせ
ることにより気流を人間に検知させ、或いは、送風量を
大きくして気流或いは送風音によって覚醒を促す。

【００４３】以上のような運転を行うことによって、心
地よい目覚め環境を提供することができる。

【００４４】（４）第４実施形態例 高齢者は、生理的には極めて良好な温熱環境にあるにも
拘らず、感覚として暑い又は寒いと誤って感じる場合が
ある。また、乳幼児から小学校低学年にかけての子供で
は、生理現象からみた適切な温冷感を得られないことが
あるといわれている。

【００４５】そこで、本実施形態例では、生理量による
計測を、ユーザの自己申告による空調条件の設定温度の
操作よりも優先的に取り扱い、空気調和機器を運転する
モードを設ける。この運転モードを、家族が設定してお
くことにより、自分では正確に空気調和機器の設定条件
を選択できないユーザ（例えば、高齢者や乳幼児）に対
して、健康的で快適な室内環境を提供できる。

【００４６】（５）第５実施形態例 生理量の計測手段としては、小型で、正確に検知でき、
身体の活動の妨げにならないことが要求される。

【００４７】そこで、図７に示すように、計測手段をセ
ンサ部２Ａとセンサ本体部４５とから構成し、センサ部
２Ａには生理量の計測手段のみを、センサ本体部４５に
センサ部２Ａに必要な電源や空気調和機３と通信するた
めの機能を持たせる。このようにすれば、センサ部２Ａ
を小型・軽量に構成でき、身体の活動の妨げとならな
い。

【００４８】なお、空気調和機３とのデータの送受信お
よび生理量のセンシングは、常時行う必要がなく、例え
ば１０分間隔で生理量をセンシングしてその結果を送受
信すればよい。

【００４９】また、センサ部とセンサ本体部とのデータ
の送受信を無線で行ってもよい。このようにすれば、更
に身体の活動への妨げが少なくなる。この場合には、セ
ンサ部に送信用電源を備えることは勿論である。

【００５０】（６）第６実施形態例 本実施形態例は、通信手段を用いて、ユーザに生理的異
常な状態が生じた場合に、ユーザ以外の家族にその情報
を送信する機能を付加した場合である。

【００５１】高齢者の場合には、起床時に暖かい布団か
ら寒い環境に出たために、脳卒中を起すことがある等、
健康面への木目の細かい配慮が必要である。

【００５２】そこで、図８に示すように、高齢者の寝室
１１と、茶の間１２や若夫婦の寝室１３とにそれぞれ設
置した警報装置１２ａ，１３ａをそれぞれケーブル１４
ａ，１４ｂで接続しておく。このようにすれば、例えば
高齢者の血圧の異常上昇，心拍数の異常増加等の生理的
異常が発生したときに、その異常を警報装置１２ａ，１
３ａを介して家族に音声や光表示により伝達することが
可能となる。

【００５３】（７）第７実施形態例 本実施形態例は、快適性優先の制御モードと、自然環境
優先の制御モードを選択可能とした場合である。

【００５４】空調装置により常時快適な環境に保たれて
いると、人間の温度調節機能に変調を来し、夏の外出時
に異常に暑く感じることがある。また、乳幼児の発汗能
力に関する周囲温熱環境の影響を考えると、常時快適な
温熱環境を維持することが必ずしも健康的であるとはい
えない。

【００５５】そこで、本実施形態例では、室内環境が快
適な範囲となるように空気調和機の運転条件を設定して
運転する「快適性優先の制御モード」と、外気が暑いと
きには快適範囲から少し外れても外気温度との温度差が
例えば５ｄｅｇ程度に保つように空調する「自然環境優
先の制御モード」とを設定する。

【００５６】そして、自然環境優先の制御モードが選択
された場合には、生理量からのセンシング結果を制御内
容に反映させずに運転する。

【００５７】このようにすれば、ユーザの好みに応じて
健康的な室内環境を設定することができる。

【００５８】（８）第８実施形態例 生理量を複数センシングした場合、例えば血流は増加し
ているのに皮膚温が低下している等、温冷感に対して矛
盾する情報が得られることがあり得る。

【００５９】本実施形態例は、その場合の対応を考慮し
たもので、このような場合には、空気調和機の運転条件
として通常の自動運転状態（生理量検知手段等を使用し
ない運転状態）の設定に戻す機能を持たせる。このよう
にすれば、生理量検知手段の検出値に基づく制御の不安
定性を取り除くことができる。

【００６０】また、検出した生理量が一つであっても、
センシングごとに大きく矛盾する情報が得られた場合に
ついては、センシングの時間間隔を短くして、その情報
を確認し、それでも矛盾する場合には、通常の自動運転
の設定に戻すようにしてもよい。このようにすれば、生
理量検知手段の検出値に基づく制御の不安定性を取り除
くことができる。

【００６１】

【発明の効果】以上説明したように各請求項に記載の発
明によれば、生理量検知手段および温熱環境検知手段の
検知情報に基づき、運転状態制御手段で空気調和機の運
転状態を制御し、健康時の個人データを個人データ記憶
手段に記憶しておき、その個人データと生理量検知手段
で検知した検知データとの差異に基づいて、空気調和機
の運転状態を制御し、生理量検知手段で検知したデータ
に基づいてレム睡眠の時刻を求め、レム睡眠が終了後の
所定時間に快適な目覚め状態になるように運転を制御
し、ユーザが申告した運転条件より、生理量検知手段が
検知した生理量に基づく運転条件を優先して稼働するよ
うにし、生理量検知手段と運転状態制御手段との間を無
線で通信するようにし、生理量検知手段の検知した生理
量に異常情報があった場合には、通信手段を介して当該
異常情報を送信するようにし、快適性優先の制御モード
と自然環境優先の制御モードとを有し、生理量検知手段
が複数の矛盾する情報を検知した場合には、運転条件を
通常の自動運転状態の設定に戻すようにしたので、自分
で快適な温熱環境の申告が不可能なユーザの場合であっ
ても、快適な，健康に良い温熱環境を実現することがで
き、また、生理量に異常があった場合には通信手段を介
して第三者に通報できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】空気温に対する人間の体温調節機構による生理
量の変化を示す特性図である。

【図２】本発明の第１実施形態例の構成図である。

【図３】同第１実施形態例における運転制御ユニットの
ブロック図である。

【図４】同第３実施形態例における時刻に対応した温度
設定を示す図である。

【図５】同第３実施形態例における就寝からの経過時間
に対するレム睡眠を示す図である。

【図６】同第３実施形態例における生理状態からみたレ
ム睡眠とノンレム睡眠との比較を示す図である。

【図７】本発明の第５実施形態例の構成図である。

【図８】本発明の第６実施形態例の構成図である。

【符号の説明】

１ 人間 ２ センサ（生理量検知手段） ３ 空気調和機 ４ 運転制御ユニット ５ ケーブル １１ 高齢者寝室 １２ 茶の間 １２ａ 警報装置 １３ 若夫婦寝室 １３ａ 警報装置 ４１ ＣＰＵ（運転状態制御手段） ４２ 温度センサ（温熱環境検知手段） ４３ 湿度センサ（温熱環境検知手段） ４４ ＲＯＭ（個人データ記憶手段）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早野 ひろ子 神奈川県横浜市磯子区新杉田町８番地 株 式会社東芝住空間システム技術研究所内 (72)発明者 菰田 紀子 神奈川県横浜市磯子区新杉田町８番地 株 式会社東芝住空間システム技術研究所内

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 人体の生理量を検知する生理量検知手段
   と、 温熱環境を検知する温熱環境検知手段と、 前記生理量検知手段および温熱環境検知手段の検知情報
   に基づき空調機器の運転状態を制御する運転状態制御手
   段とを備えたことを特徴とする空気調和機。
2. 【請求項２】 当該空気調和機を使用する人間の健康時
   の個人データを記憶する個人データ記憶手段を備え、 該個人データ記憶手段に記憶した個人データと前記生理
   量検知手段で検知した検知データとの差異に基づき運転
   状態を制御するようにしたことを特徴とする請求項１記
   載の空気調和機。
3. 【請求項３】 前記生理量検知手段で検知したデータに
   基づき予め設定した起床時刻の直前のレム睡眠時刻を求
   め、このレム睡眠が終了後の所定時間に快適な目覚め状
   態になるように運転を制御することを特徴とする請求項
   １乃至請求項２のいずれかに記載の空気調和機。
4. 【請求項４】 ユーザが申告した運転条件より、前記生
   理量検知手段が検知した生理量に基づく運転条件を優先
   して稼働するようにしたことを特徴とする請求項１乃至
   請求項２のいずれかに記載の空気調和機。
5. 【請求項５】 前記生理量検知手段と前記運転状態制御
   手段との間を無線で通信するようにしたことを特徴とす
   る請求項１記載の空気調和機。
6. 【請求項６】 前記生理量検知手段の検知した生理量に
   異常情報があった場合には、通信手段を介して当該異常
   情報を送信するようにしたことを特徴とする請求項１記
   載の空気調和機。
7. 【請求項７】 快適性優先の制御モードと自然環境優先
   の制御モードとを有することを特徴とする空気調和機。
8. 【請求項８】 前記生理量検知手段が複数の矛盾する情
   報を検知した場合には、運転条件を通常の自動運転状態
   の設定に戻すことを特徴とする請求項１記載の空気調和
   機。