JPH09302560A - 起毛経編地 - Google Patents

起毛経編地

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JPH09302560A
JPH09302560A JP14356296A JP14356296A JPH09302560A JP H09302560 A JPH09302560 A JP H09302560A JP 14356296 A JP14356296 A JP 14356296A JP 14356296 A JP14356296 A JP 14356296A JP H09302560 A JPH09302560 A JP H09302560A
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reed
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warp knitted
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Yukio Oosumi
享男 大住
Yasuo Takada
康夫 高田
Akihiko Hori
昭彦 堀
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Kawashima Textile Manufacturers Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニードルループを効果的に起毛し、分厚くボ
リューム感のある起毛経編地を得る。 【解決手段】 フロント筬とミドル筬に編み込まれる地
糸12・13に構成される地編地に、単糸繊度が0.5
デニール以下であって地糸12・13を構成する繊維よ
りも細い極細繊維を有する被起毛糸11を、フロント筬
およびミドル筬がスイングするウェール間の数よりも2
ウェール分以上多い数ウェール間をスイングするバック
筬で編み込んでニードルループ21を形成して編成され
る経編地14のニードルループ面に起毛処理を施す。経
編地14の各コースにおけるフロント筬とミドル筬のス
イング方向を逆方向にし、地糸12・13の編目が開き
目とし、被起毛糸11の編目が閉じ目とし、被起毛糸1
1には単糸繊度2デニール以上の熱収縮性繊維を混用
し、その熱収縮性繊維を収縮させると被起毛糸11の極
細繊維のニードルループ(21)を効果的に掻き起こす
ことが出来、緻密で分厚くボリューム感のある起毛経編
地が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、椅子張地、衣料生
地、袋物生地、敷布、敷物等に使用される起毛布帛に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】起毛布帛の製造工程における起毛処理
は、回転する起毛ロールに布帛を通し、起毛ロールの針
先の回転方向に交叉する繊維を掻き出して行われる。従
って織地では、針先の回転方向に交叉する緯糸の繊維が
起毛毛羽を形成することになり、起毛毛羽が出来やすく
するため、起毛処理を施す被起毛織地は、緯糸が数本の
経糸を越えて長く浮き出る織組織をもって織成される。
そのような配慮は、起毛処理を施す被起毛経編地にもな
され、経編地に対する起毛処理は、編目が針先の回転方
向に平行になるウエール方向に直線状に並んで出来るニ
ードルループ面に対してではなく、編目が稍斜めではあ
るがウェール間を結んでコース方向に並んでジグザグに
出来るシンカーループ面に対して施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】確かに、ニードルルー
プは、1コース間と言う限られた短い部分に形成され、
それがウェール方向、即ち、経編地の長さ方向に一直線
に出来、ニードルループの表面に現れる繊維の長さ方向
と起毛ロールの針先の回転方向が一致するので、ニード
ルループ面を起毛ロールで擦っても起毛し難い。一方、
シンカーループは、ガイド筬がスイングするウェールの
数に応じて長く浮き上がらせることが出来、而も、シン
カーループの表面に現れる繊維の長さ方向はコース方向
に略平行で針先の回転方向に略直交するので、織地の緯
糸と同様に起毛し易い。
【0004】しかし、そのように数ウェール間にわたっ
て長く出来るシンカーループは、経編地の表面に沿って
長く浮き上がったものであるから、シンカーループ面は
平滑でボリューム感を欠く。一方、ニードルループは、
1コース間と言う限られた部分に出来る短いものである
が故に経編地の表面に盛り上がり、その左右のニードル
ループの間にはシンカーループによる窪みが出来るの
で、ニードルループ面を起毛すれば、シンカーループに
よる窪みから隆起して出来るニードルループは一層脹ら
みを増し、分厚く圧縮弾性回復力に富み、ボリューム感
のある起毛経編地が得られるものと考えられた。
【0005】
【発明の目的】そこで本発明は、ニードルループを効果
的に起毛し、分厚くボリューム感のある起毛経編地を得
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る起毛経編地
の第1の特徴は、フロント筬によって編み込まれる地糸
によって構成される地編地に、単糸繊度が0.5デニー
ル以下であって地糸を構成する繊維よりも細い極細繊維
を有する被起毛糸を、フロント筬がスイングするウェー
ル間の数よりも多い数ウェール間をスイングするバック
筬によって地編地に編み込んで編成される経編地のニー
ドルループ面に起毛処理が施されており、被起毛糸の有
する極細繊維の起毛毛羽がニードルループ面の表面全体
を覆っていることにある。
【0007】本発明に係る起毛経編地の第2の特徴は、
フロント筬とミドル筬によって編み込まれる地糸によっ
て構成される地編地に、単糸繊度が0.5デニール以下
であって地糸を構成する繊維よりも細い極細繊維を有す
る被起毛糸を、フロント筬およびミドル筬がスイングす
るウェール間の数よりも2ウェール分以上多い数ウェー
ル間をスイングするバック筬で編み込んでニードルルー
プを形成して編成される経編地のニードルループ面に起
毛処理が施されており、被起毛糸の有する極細繊維の起
毛毛羽がニードルループ面の表面全体を覆っていること
にある。
【0008】本発明に係る起毛経編地の第3の特徴は、
上記第1および第2の特徴に加えて、各コースにおける
フロント筬とミドル筬のスイング方向が逆方向になって
おり、地糸の編目が開き目であり、被起毛糸の編目が閉
じ目であり、単糸繊度が2デニール以上の繊維を被起毛
糸が有し、その被起毛糸における2デニール以上の繊維
の糸長が極細繊維の糸長よりも短くなっていることにあ
る。
【0009】本発明に係る起毛経編地の第4の特徴は、
上記第1および第2の特徴に加えて、フロント筬の地糸
が2列のウェール間を0,1/2,1/0,1/2,1
/………とスイングして続く編組織を形成し、ミドル筬
の地糸が2列のウェール間を2,1/0,1/2,1/
0,1/………とスイングして続く編組織を形成し、バ
ック筬の被起毛糸がn+1列(n=3,4,5,6,7
または8)のウェール間を1,0/n,n+1/1,0
/n,n+1/………またはn,n+1/1,0/n,
n+1/1,0/………とスイングして続く編組織を形
成しており、被起毛糸が単糸繊度が0.5デニール以下
の極細繊維と単糸繊度が2デニール以上の熱収縮性繊維
を有し、その熱収縮性繊維が収縮して極細繊維よりも短
くなっていることにある。
【0010】本発明に係る起毛経編地の第5の特徴は、
上記第4の特徴に加えて、フロント筬によって編み込ま
れる地糸とミドル筬によって編み込まれる地糸の何れか
少なくとも一方が熱収縮性繊維を有し、その熱収縮性繊
維が熱収縮していることにある。
【0011】本発明に係る起毛経編地の第6の特徴は、
上記第4の特徴に加えて、ミドル筬によって編み込まれ
る地糸が熱収縮性繊維を有し、ミドル筬によって編み込
まれる地糸が熱収縮してフロント筬によって編み込まれ
る地糸よりも短くなっていることにある。
【0012】本発明に係る起毛経編地の第7の特徴は、
上記第1〜6の特徴に加えて、起毛経編地の地糸と被起
毛糸がマルチフイラメント糸であり、経編地のタテ密度
が10〜70ウエール/吋であり、ヨコ密度が40〜1
00コース/吋になっていることにある。
【0013】本発明に係る起毛経編地の第8の特徴は、
上記第1〜7の特徴に加えて、上記の熱収縮性繊維に代
えて、或いは、熱収縮性繊維と共にポリビニールアルコ
ール繊維・ビニロンその他の水収縮性繊維が、被起毛糸
や地糸に使用されていることにある。
【0014】
【発明の実施の形態】即ち、前記の目的を達成するた
め、本発明では、バック筬とフロント筬との少なくとも
2枚のガイド筬、好ましくは、それらにミドル筬を加え
た3枚以上のガイド筬を有する経編機において、バック
筬には起毛すべき糸11(被起毛糸とも言う。)を通
し、他のミドル筬とフロント筬には地編地を構成すべき
糸12・13(地糸とも言う。)を通す。
【0015】ここに、フロント筬とミドル筬とバック筬
とは、経編機にa,b,c,d,e,f………と前後に
重なるように並べてセットされている複数枚の編糸用ガ
イド筬に、その並びの順に従って付けられる名称であ
り、例えば、前方の筬aをフロント筬とし、後方の筬f
をバック筬とする場合は、それらの間の筬bとcとdと
eがミドル筬とすることになり、又、前方の筬aとbを
フロント筬とし、後方の筬eとfをバック筬とする場合
は、それらの間の筬cとdがミドル筬とすることにな
り、フロント筬とバック筬で経編地を編成する場合は、
前方の1枚或いは複数枚の筬aとbとcとdをフロント
筬とし、後方の1枚或いは複数枚の筬eとfをバック筬
とすることを意味し、その使用するフロント筬とミドル
筬とバック筬の数は限定されず、例えば、前方の1枚の
筬aをフロント筬とし、中間の二枚の筬bとcをミドル
筬とし、後方の1枚の筬dをバック筬とする場合には、
フロント筬aの全てのガイドニードルに地糸を、又、バ
ック筬dの全てのガイドニードルに被起毛糸を、それぞ
れ通してフルセットとし、中間の二枚のミドル筬bとc
のガイドニードルにはそれぞれ交互に1本おきに地糸を
通すハーフセットとする。
【0016】バック筬は、ミドル筬やフロント筬よりも
大きくスイングさせ、好ましくは、フロント筬とミドル
筬との何れか一方を隣合うウェール間で0,1/2,1
/0,1/2,1/………(トリコット式表示)とスイ
ングつまり開き目1振とし、フロント筬とミドル筬との
何れか他方を2,1/0,1/2,1/0,1/………
(トリコット式表示)と逆向きにスイングつまり開き目
1振とする。フロント筬は、1,0/3,4/1,0/
3,4/………、或いは、1,0/4,5/1,0/
4,5/………、或いは、1,0/5,6/1,0/
5,6/………、或いは、1,0/6,7/1,0/
6,7/………(トリコット式表示)と4ウェール以上
にわたってスイングつまり閉じ目3振以上とする。
【0017】このようにして編成した経編地14、好ま
しくは、バック筬で編成された被起毛糸11が、単糸繊
度が0.5デニール以下で地糸12・13を構成する繊
維よりも細い極細繊維と、単糸繊度が2デニール以上の
繊維とを含んでいる経編地14、更に好ましくは、その
被起毛糸11に混在する単糸繊度2デニール以上の繊維
が、10%以上の熱水収縮率をもって収縮した熱収縮性
繊維であり、その混在する極細繊維よりも短くなってい
る経編地14、更に好ましくは、ミドル筬とフロント筬
によって編み込まれる何れか少なくとも一方の地糸12
または13、好ましくは、ミドル筬から編み込まれる地
糸13が、熱収縮性を有し、好ましくは10%以上の熱
収縮率をもって収縮している経編地14のニードルルー
プ面に起毛処理を施し、被起毛糸11を構成している繊
維を掻き起こして起毛経編地を得る。
【0018】その場合、被起毛糸11が極細繊維と熱収
縮性繊維に成るものでは、その混在する極細繊維の殆ど
が掻き起こされても、その混在する一部の熱収縮性繊維
が掻き出されずに残るように起毛処理を施す。その極細
繊維には、その断面に溶解除去し得る成分と溶解除去し
得ない成分が混在する複合繊維、例えば、溶解除去し得
る成分を海または鞘部分とする海島または芯鞘断面構造
の複合繊維や、溶解除去し得る成分と溶解除去し得ない
成分が交互に放射状に並んでいる放射状断面構造の複合
繊維を使用し、経編地14の編成後に減量処理を施して
その溶解成分を溶解除去し、その複合繊維を複数本の極
細繊維に分割するようにすると、経編地14の編成上都
合がよい。又、その被起毛糸11に極細繊維と共に混用
される熱収縮性繊維や、地糸13(12)に適宜使用さ
れる熱収縮性繊維の収縮は、経編地14の編成後の起毛
処理前に行う減量処理工程や染色処理工程において顕現
させればよい。そうすると、地糸12(13)の収縮に
よって被起毛糸のニードルループ21が膨らみを増して
ニードルループ面(21)に大きく隆起すると共に、被
起毛糸中(11)の熱収縮性繊維の収縮によって極細繊
維のニードルループが更に大きく隆起するので、ニード
ルループ面(21)が起毛し易くなる。
【0019】本発明において、ミドル筬やフロント筬よ
りもバック筬を2ウエール以上大きくスイングさせるの
は、そのスイングによって被起毛糸11の形成するシン
カーループ31が長くなり、被起毛糸11の形成するシ
ンカーループ31の一部がニードルループ側21へと引
き出され、被起毛糸11の形成するニードルループ21
が大きく起毛されるようになるためである。又、被起毛
糸11によるニードルループ21を閉じ目とすることが
推奨されるのは、起毛毛羽が地糸のニードルループ22
・23の上に確り係止され、経編地14が安定したもの
になるようにするためである。フロント筬(12)の他
にミドル筬(13)も使用し、それらの各コースにおけ
るスイング方向を左右逆向きにするのも同じ理由によ
る。
【0020】このように、フロント筬とミドル筬のニー
ドルループ22・23によって左右から被起毛糸のニー
ドルループ21を安定に支える場合、これらフロント筬
とミドル筬のニードルループ22・23を開き目にする
と、被起毛糸11のシンカーループ部分31が起毛時に
ニードルループ側21へと移行し易く、嵩高に開毛した
起毛毛羽が出来易くなる。このシンカーループ部分31
の移行によって、元々シンカーループ31・32・33
から隆起してウエール方向に続く畝をニードルループ面
に形成しており、而も、地糸のニードルループ22・2
3の上に載って表面に突き出されていた被起毛糸のニー
ドルループ21が、更に大きく隆起することになる。特
に、地糸12・13や被起毛糸11の一部繊維が収縮す
るとき、被起毛糸11に混在していた極細繊維のニード
ルループ21は、更に一層大きく隆起し、而も、被起毛
糸11が地糸12や13の繊維よりも太くて起毛針布の
針先に引っ掛かり易い極細繊維であるから起毛し易くな
る。このため編組織構造の上では、起毛されるニードル
ループ21の表面に現れる繊維が、起毛ロールの針先の
回転方向に平行に並んでいて一見起毛し難く思えても、
本発明によれば嵩高に起毛されることになる。
【0021】起毛したニードルループ面(21)には、
表面に硬く細かい凹凸のあるエメリーロール(サンドペ
ーパー)等で擦るエメリー処理や、起毛毛羽を刈り揃え
るシャーリング処理が適宜施される。尚、地糸に熱収縮
性繊維を使用する場合、それをミドル筬に編み込まれる
地糸13に使用することが推奨されるのは、それをフロ
ント筬(12)に編み込まれる地糸12に使用すると、
その編目(22・32)の収縮により経編地(14)が
シンカーループ面(裏面)側へと捲れ返り易くなるが、
それをミドル筬に編み込まれる地糸13に使用する場合
には、そのような捲れ返りが起きず経編地全体が緻密に
仕上がるからである。熱収縮性繊維としては熱水収縮率
が10〜40%のものが市販されており、本発明の目的
からして特に熱収縮率が20%以上のものを被起毛糸1
1に使用することが求められ、その使用する熱収縮性繊
維の熱水収縮率の上限は本発明の要件とはならない。
【0022】本発明において、バック筬(11)のスイ
ングするウェール間の数(n)を3以上とするのは、そ
の数(n)が2になると、1本の被起毛糸11の前後左
右に隣合うニードルループ(21)からニードルループ
(21)へと続くシンカーループ31が短く、起毛時に
シンカーループ部分(31)の繊維のニードルループ側
(21)への移行量が少なくなって嵩高な起毛経編地が
得られないためである。又、バック筬(11)のスイン
グするウェール間の数(n)の上限を8とするのは、総
デニールが30〜600デニールの被起毛糸11や地糸
12・13を用いてタテ密度が32〜50ウエール/吋
の経編地14を編成する場合、9ウェール以上にわたっ
て大きくバック筬をスイングさせて被起毛糸11を編み
込むに必要な経編機が現在市販されていないと言う経編
機の構造上の理由による。
【0023】尚、起毛経編地のタテ密度(10〜70ウ
エール/吋)とヨコ密度(40〜100コース/吋)
は、起毛処理して仕上がった起毛経編地の密度を意味
し、その仕上後のタテ密度が10〜70ウエール/吋で
ヨコ密度が40〜100コース/吋となる起毛経編地の
編成直後の生機では、タテ密度が9〜40ウエール/吋
でヨコ密度が30〜100コース/吋になる。
【0024】
【実施例】溶解成分の溶解除去によって単糸繊度が0.
2デニールの9本の極細繊維に分割される単糸繊度が3
デニールの複合繊維(割繊フイラメント)25本と、単
糸繊度が5デニールで熱水収縮率が35%の熱収縮性繊
維6本とから成るポリエステル混繊マルチフイラメント
糸(115d/31F)を被起毛糸11としてバック筬
に通し、単糸繊度が5デニールで熱水収縮率が14%の
熱収縮性繊維15本に成るポリエステル繊維マルチフイ
ラメント糸を地糸13としてミドル筬に通し、単糸繊度
が3デニールの通常のポリエステル繊維24本に成るポ
リエステル繊維マルチフイラメント糸を地糸12として
フロント筬に通し、図1に図示する如く、バック筬によ
る編組織を1,0/3,4/1,0/3,4/………と
し(図1のB)、ミドル筬による編組織を0,1/2,
1/0,1/2,1/………とし(図1のM)、フロン
ト筬による編組織を2,1/0,1/2,1/0,1/
………とし(図1のF)、タテ密度が41ウェール/
吋、ヨコ密度が58コース/吋の経編地14を編成し
た。図2は、編成された経編地のニードルループ面を図
示し、Wはウェール方向を、Cはコース方向を示す。
【0025】この経編地14のニードルループ面(21
・22・23)を、起毛針布を巻き付けた起毛ロールで
擦って予備起毛処理を施した後、アルカリ減量処理液に
浸漬して被起毛糸11の中の割繊フイラメントの溶解成
分を溶解除去し、その割繊フイラメントを単糸繊度が
0.2デニールの9本の極細繊維フイラメントに分割
し、被起毛糸11を、単糸繊度が0.2デニールの22
5本の極細繊維と、単糸繊度が5デニールで熱水収縮率
が35%の6本の熱収縮性繊維とから成るポリエステル
混繊マルチフイラメント糸(45d/225F)に変え
た。
【0026】次に、経編地14を100℃の熱水に30
分間浸漬してリラックス処理し、それによって、被起毛
糸11とミドル筬に通した地糸13の熱収縮性繊維に熱
収縮を顕現させ、その後再びニードルループ面(21・
22・23)に起毛処理を施した後、周面に硬質微細な
凹凸のあるエメリーロールでニードルループ面(21・
22・23)を擦るエメリー処理を施した。
【0027】こうして得られた起毛経編布は、起毛処理
前にウェール方向に真っ直ぐに並んでいたニードルルー
プの畝状縦筋が消え、ニードルループ面は平滑で嵩高な
起毛面となっており、単糸繊度が0.2デニールの極細
繊維フイラメント糸を被起毛糸としてフロント筬に通し
て編成した経編布のシンカーループ面を起毛処理した従
来の起毛経編布に比して緻密でボリューム感に富むもの
であった。
【0028】
【発明の効果】本発明(請求項1と2)によると、被起
毛糸11のニードルループ21は、シンカーループ31
・32・33から隆起してウエール方向に続く畝を形成
しており、而も、地糸のニードルループ22・23の上
に載って表面に突き出されており、それが針先に引っ掛
かり易い単糸繊度0.5デニール以下の極細繊維によっ
て構成されているので、それが針先の回転方向に平行に
並んでいて一見起毛し難く思えても起毛ロールに掻き起
こされる。そして、そのシンカーループ31が、地編地
を構成する地糸12・13のシンカーループ32・33
よりも長くニードルループ21から続いているので、被
起毛糸11のニードルループ21が起毛ロールに掻き起
こされるときニードルループ側21へと移行し易く、そ
の移行によって被起毛糸11のニードルループ21が嵩
高に開毛し、起毛処理前にウエール方向に畝状に並んで
いたニードルループ21・22・23による経筋は起毛
毛羽に覆われて消え、緻密で分厚くボリューム感のある
起毛経編地が得られることになる。そのように被起毛糸
11のニードルループ21が針先に引っ掛かり易くする
には、極細繊維の単糸繊度を0.2デニール以下、更に
好ましくは0.1デニール以下にするとよく、そのよう
に可能な限り極細にするため、溶解除去し得る成分を海
または鞘部分とする海島または芯鞘断面構造の複合繊維
や、溶解除去し得る成分と溶解除去し得ない成分が交互
に放射状に並んでいる放射状断面構造の複合繊維を被起
毛糸11に使用することが推奨される。
【0029】本発明(請求項3)によると、被起毛糸の
ニードルループ21のウェール方向Cに位置する前後両
端が、フロント筬に形成される地糸のシンカーループ3
2とミドル筬に形成される地糸のシンカーループ33に
より左右対称に係止されるので、起毛経編地の編組織構
造が安定したものとなる。
【0030】本発明(請求項2と4)によると、被起毛
糸のニードルループ21では、極細繊維が表面に浮き出
ていて起毛されるが、熱収縮性繊維は下に沈んで起毛さ
れず、従って、少なくとも一部の熱収縮性繊維は起毛ロ
ールに掻き出されたり損傷を受けずに残るので、耐摩耗
性のある起毛経編地が得られる。
【0031】本発明(請求項5と6)によると、地糸の
収縮によって経編地14が緻密になると共に被起毛糸の
ニードルループ21が表面に浮き出されるので、起毛面
が一層嵩高に開毛した起毛経編地が得られる。
【0032】本発明(請求項7)によると、被起毛糸1
1と地糸12・13の全てが連続したマルチフイラメン
ト糸に成るので、起毛処理時に抜毛・落毛がなく、熱収
縮性繊維による収縮が経編地全体に均一に顕現し、緻密
でボリューム感と耐摩耗性に富み、高い耐摩耗性が要求
される車両用椅子張地に適した耐久性のある起毛経編地
が得られる。
【0033】そして熱収縮性繊維に代えて、或いは、熱
収縮性繊維と共にポリビニールアルコール繊維・ビニロ
ンその他の水収縮性繊維を被起毛糸11や地糸12・1
3に、特に被起毛糸11に使用すると、吸湿性を有し蒸
れ感を与えず、車両用椅子張地や衣料生地に好適な起毛
経編地が得られるなど、本発明の利とするところ多大で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る経編地の編組織構造図である。
【図2】本発明に係る経編地のニードルループ面の拡大
表面図である。
【符号の説明】
11 被起毛糸 12 フロント筬に編み込まれる地糸 13 ミドル筬に編み込まれる地糸 14 経編地 21 被起毛糸のニードルループ 22 フロント筬に編み込まれた地糸のニードルループ 23 ミドル筬に編み込まれた地糸のニードルループ 31 被起毛糸のシンカーループ 32 フロント筬に編み込まれた地糸のシンカーループ 33 ミドル筬に編み込まれた地糸のシンカーループ W ウェール方向 C コース方向

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロント筬によって編み込まれる地糸に
    よって構成される地編地に、単糸繊度が0.5デニール
    以下であって地糸を構成する繊維よりも細い極細繊維を
    有する被起毛糸を、フロント筬がスイングするウェール
    間の数よりも多い数ウェール間をスイングするバック筬
    によって地編地に編み込んで編成される経編地のニード
    ルループ面に起毛処理が施されており、被起毛糸の有す
    る極細繊維の起毛毛羽がニードルループ面の表面全体を
    覆っていることを特徴とする起毛経編地。
  2. 【請求項2】 フロント筬とミドル筬によって編み込ま
    れる地糸によって構成される地編地に、単糸繊度が0.
    5デニール以下であって地糸を構成する繊維よりも細い
    極細繊維を有する被起毛糸を、フロント筬およびミドル
    筬がスイングするウェール間の数よりも2ウェール分以
    上多い数ウェール間をスイングするバック筬で編み込ん
    でニードルループを形成して編成される経編地のニード
    ルループ面に起毛処理が施されており、被起毛糸の有す
    る極細繊維の起毛毛羽がニードルループ面の表面全体を
    覆っていることを特徴とする起毛経編地。
  3. 【請求項3】 前掲請求項2に記載の起毛経編地の各コ
    ースにおけるフロント筬とミドル筬のスイング方向が逆
    方向になっており、地糸の編目が開き目であり、被起毛
    糸の編目が閉じ目であり、単糸繊度が2デニール以上の
    繊維を被起毛糸が有し、その被起毛糸における2デニー
    ル以上の繊維の糸長が極細繊維の糸長よりも短くなって
    いることを特徴とする前掲請求項2に記載の起毛経編
    地。
  4. 【請求項4】 前掲請求項2に記載の起毛経編地におい
    て、フロント筬の地糸が2列のウェール間を0,1/
    2,1/0,1/2,1/………とスイングして続く編
    組織を形成し、ミドル筬の地糸が2列のウェール間を
    2,1/0,1/2,1/0,1/………とスイングし
    て続く編組織を形成し、バック筬の被起毛糸がn+1列
    (n=3,4,5,6,7または8)のウェール間を
    1,0/n,n+1/1,0/n,n+1/………また
    はn,n+1/1,0/n,n+1/1,0/………と
    スイングして続く編組織を形成しており、被起毛糸が単
    糸繊度が0.5デニール以下の極細繊維と単糸繊度が2
    デニール以上の熱収縮性繊維を有し、その熱収縮性繊維
    が収縮して極細繊維よりも短くなっていることを特徴と
    する前掲請求項2に記載の起毛経編地。
  5. 【請求項5】 前掲請求項4に記載の起毛経編地におい
    て、フロント筬によって編み込まれる地糸とミドル筬に
    よって編み込まれる地糸の何れか少なくとも一方が熱収
    縮性繊維を有し、その熱収縮性繊維が熱収縮しているこ
    とを特徴とする前掲請求項4に記載の起毛経編地。
  6. 【請求項6】 前掲請求項4に記載の起毛経編地におい
    て、ミドル筬によって編み込まれる地糸が熱収縮性繊維
    を有し、ミドル筬によって編み込まれる地糸が熱収縮し
    てフロント筬によって編み込まれる地糸よりも短くなっ
    ていることを特徴とする前掲請求項4に記載の起毛経編
    地。
  7. 【請求項7】 前掲請求項1〜5に記載の起毛経編地の
    地糸と被起毛糸がマルチフイラメント糸であり、経編地
    のタテ密度が10〜70ウエール/吋であり、ヨコ密度
    が40〜100コース/吋であることを特徴とする前掲
    請求項1〜5に記載の起毛経編地。
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