JPH09302194A - ゴム変性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents
ゴム変性スチレン系樹脂組成物Info
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- JPH09302194A JPH09302194A JP11509696A JP11509696A JPH09302194A JP H09302194 A JPH09302194 A JP H09302194A JP 11509696 A JP11509696 A JP 11509696A JP 11509696 A JP11509696 A JP 11509696A JP H09302194 A JPH09302194 A JP H09302194A
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Abstract
付き性を併せ持つ、成形加工性の良好なゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 ゴム状重合体を分散含有し、該分散粒子
の平均粒子径が0.3〜1.5μmであるゴム変性スチ
レン系樹脂(A)が80〜30重量%、スチレン系単量
体と少なくとも一種以上のその他の共重合可能な単量体
とが共重合して得られたゴム状重合体を含有しないスチ
レン系共重合樹脂(B)が20〜70重量%の割合で配
合されていることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂
組成物。
Description
散粒子として含有するゴム変性スチレン系樹脂とゴム状
重合体を含有しないスチレン系共重合樹脂を特定の割合
で配合したゴム変性スチレン系樹脂組成物に関するもの
で、さらに詳しくは、外観と耐傷付き性に優れ、かつ耐
衝撃性等の物性バランスにも優れたゴム変性スチレン系
樹脂組成物に関するものである。
おいては、耐衝撃性、成形加工性等の種々の特性から、
ゴム変性スチレン系樹脂が幅広く使用されている。近
年、成形材料のリサイクル性の観点から、成形品表面の
塗装を省略する方向にあり、外観、耐傷付き性のような
表面特性向上に対する要求が強い。ゴム変性スチレン系
樹脂は、耐衝撃性を得るためにゴム状重合体をスチレン
系樹脂相中に粒子状に分散させているが、このゴム状重
合体が成形品表面の凹凸を引き起こし、光沢に劣るた
め、外観を必要とする用途への使用が制限されていた。
そこで外観改良のために、分散ゴム粒子径を小さくした
り、その粒子径分布を調節する等の方法が提案されてい
る。しかしながら、この方法では、耐衝撃性と剛性、外
観のバランスが不十分であり、さらに決定的な欠点とし
て、耐傷付き性を付与することが根本的に不可能である
という問題があった。
シリコーンオイル等の潤滑剤を添加し、表面の滑り性を
改良させる方法が提案されているが、耐傷付き性の改良
効果が不十分であり、また、耐衝撃性の効果を高めるた
めにその添加量を多くすると添加剤による外観不良、金
型汚染を引き起こしやすい。また、耐衝撃性と外観、お
よび、耐傷付き性を同時に改良するその他の手段とし
て、メタクリル樹脂のような耐傷付き性に優れた材料を
ABS樹脂に配合する方法も知られているが、ゴム変性
ポリスチレン樹脂(HIPS)に比して、成形加工性が
著しく低下するという欠点を有している。また、特開平
6−25507号公報には、粒子状に分散するゴム状重
合体を含有し、スチレン系単量体とメタクリレート(ア
クリレート)系単量体の共重合体を連続相とする外観特
性に優れたゴム変性スチレン系樹脂組成物(ゴム補強メ
タクリレート−スチレン共重合樹脂組成物)が開示され
ている。
に耐傷付き性の十分な改良のためには、多量のメタクリ
レート(又はアクリレート)系単量体成分を共重合させ
る必要があり、その結果成形加工性が低下する。また、
成形加工性を維持するために、マトリックス相のガラス
転移温度調整のため、アクリル酸ブチル等をさらに共重
合する等の必要があり、このため、耐熱性を低下させ、
成形品の実用範囲を狭めるとともに、コストが高くなる
という問題があった。さらに、これらの問題点に対し、
特開平6−157863号公報には、上記のゴム補強メ
タクリレート−スチレン共重合樹脂とHIPSとを混合
して利用する方法が開示されている。しかしながら、本
方法では、メタクリレート−スチレン共重合樹脂中にも
ゴム状重合体が粒子状に分散しているため、耐傷付き性
の改良効果に劣り、また、高い剛性を発現することも困
難であった。
性スチレン系樹脂においては、成形加工性、外観、耐傷
付き性に優れ、さらに、耐衝撃性と剛性のバランスに優
れた材料の開発が望まれていた。従って、本発明の目的
は、特に優れた外観と高い耐衝撃性・剛性および耐傷付
き性を併せ持つ、成形加工性の良好なゴム変性スチレン
系樹脂組成物を提供することである。
状に鑑み、鋭意検討した結果、ゴム変性スチレン系樹脂
組成物とゴム成分を含有しないスチレン系共重合樹脂と
を特定の割合で配合させることによって、上記問題点が
解決することを見出し、本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は、ゴム状重合体を分散含有し、該分散粒子
の平均粒子径が0.3〜1.5μmであるゴム変性スチ
レン系樹脂(A)が80〜30重量%、スチレン系単量
体に少なくとも一種以上のその他の共重合可能な単量体
が共重合したスチレン系共重合樹脂(B)が20〜70
重量%の割合で配合されていることを特徴とするゴム変
性スチレン系樹脂組成物に関するものである。
物においては、特に粒子状に分散するゴム状弾性体を分
離した後のマトリックス樹脂成分のみからなる、0.5
mm厚みのプレート状成形品の全光線透過率(Tt:
%)が45≦Tt<90の範囲にあることが好ましい。
また上記本発明において、特に樹脂組成物中には、25
℃における表面張力が25dyne/cm以下のシリコ
ーンオイル0.005〜0.5重量%および/または2
5℃における表面張力が30dyne/cm以下のフッ
素化合物0.001〜0.5重量%を含有することが好
ましい。
構成するゴム変性スチレン系樹脂(A)は、ゴム状重合
体の存在下で、スチレン系単量体を重合して得られたも
のであり、一方ゴム状弾性体を含有しないスチレン系共
重合樹脂(B)は、スチレン系単量体と少なくとも一種
以上のその他の共重合可能な単量体とを共重合して得ら
れるものである。ここでスチレン系単量体としては、例
えば、スチレン、α- メチルスチレン、p-メチルスチ
レン等が上げられ、特にスチレンが安価であることから
好適に用いられる。これらのスチレン系単量体は1種も
しくは2種以上併用して使用することもできる。また本
発明のゴム変性スチレン系樹脂(A)成分中に粒子状に
分散するゴム状重合体としては、常温でゴム的性質を示
すものであればよく、例えば、ポリブタジエン、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体、水添(部分水添)ポリブタジエン、水添
(部分水添)スチレン−ブタジエン共重合体、水添(部
分水添)スチレン−ブタジエンブロック共重合体、エチ
レン−プロピレン系共重合体、エチレン−プロピレン−
非共役ジエン三元共重合体、イソプレン重合体、スチレ
ン−イソプレン共重合体等である。
(B)を構成する、スチレン系単量体と共重合可能なそ
の他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等のシアン化ビニル化合物、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン
酸、フマル酸等のα、β−エチレン不飽和カルボン酸
類、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等
のイミド系単量体類等が例示され、重合反応制御の容易
さ、耐傷付き性の改良効果の高さの観点から(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体が特に好適に用いられる。こ
れらの共重合可能な単量体は、単独で用いてもよく、混
合して用いてもよい。
を付与することが可能である。例えば、耐油性付与には
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビ
ニル化合物を、耐候性付与には、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル等のメタクリレート系単量体を、ま
た耐熱性の付与には、メタクリル酸、無水マレイン酸、
フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等を
1種もしくは2種以上併用して共重合含有させればよ
い。
レン系樹脂(A)、スチレン系共重合樹脂(B)の配合
割合は、成形加工性、耐衝撃性と剛性のバランス、外観
と耐傷付き性のすべての性能を優れたものとするため
に、(A)成分が80〜30重量%、(B)成分が20
〜70重量%の範囲で配合される必要がある。好ましく
は(A)成分が75〜40重量%、(B)成分が25〜
60重量%の範囲で配合されることが望ましい。(A)
成分が80重量%を越えると曲げ弾性率等の剛性が低下
するのみならず、外観と耐傷付き性に劣り、30重量%
未満では耐衝撃性が不足し、成形加工性も低下する。
チレン系樹脂組成物(A)に由来するゴム状重合体の分
散粒子の平均粒子径は0.3〜1.5μmの範囲にある
ことが必要である。更に好ましくは0.4〜1.4μm
の範囲である。平均粒子径が0.3μm未満では耐衝撃
性が低下し、1.5μmを越えると外観が不良となり好
ましくない。ここで言う平均粒子径とは、樹脂を四酸化
オスミウム染色し、超薄切片法により電子顕微鏡写真を
撮影する。10000倍に拡大した写真において、分散
ゴム粒子1000個以上の粒子径を測定して次式により
平均粒子径を求める。 平均粒子径=ΣniDi4/ΣniDi3 (ここで、niは粒子径Diのゴム状重合体粒子の個
数)
撃性・剛性の物性バランスを満足するためには、粒子状
に分散するゴム状弾性体を分離した後のマトリックス樹
脂成分のみからなる、0.5mm厚みのプレート状の射
出成形品の全光線透過率(%:Tt)が45%以上、9
0%未満の範囲にあることが望ましい。
性、耐衝撃性のバランスをより優れたものとするには、
上記の全光線透過率が50〜90%、さらに好ましくは
60〜90%の範囲にあることが望ましい。全光線透過
率が45%未満では衝撃強度が低下し、90%以上で
は、耐傷付き性の改良効果が低い。本発明における、
0.5mm厚みのプレート状射出成形品の全光線透過率
は、一般にポリマーブレンド、ポリマーアロイの相溶性
の判定に利用される濁度とは異なり、加熱溶融領域にお
いて、相溶もしくは非常に微分散状態にあるブレンド物
に対して、成形機金型内において、瞬時に冷却、凍結す
ることにより、加熱溶融状態に近い分散状態を測定可能
とするものである。0.5mm厚みにおいては、成形品
全体がスキン相状態に相当し、表層部、内部ともに均一
な状態を呈しており、該成形品の全光線透過率は、本発
明の熱可塑性樹脂組成物を種々の射出成形品に適用した
際の、表面特性、特に耐傷付き性と密接な関連を持つ重
要なものである。
特に分散粒子の平均粒子径が1.5μm以下特に0.4
〜1.4μmと小さいゴム変性スチレン系樹脂(A)に
対しては、シリコーンオイル0.005〜0.5重量%
および/またはフッ素化合物0.001〜0.5重量%
を配合することが望ましい。ここでシリコーンオイルと
しては25℃における表面張力が25dyne/cm以
下、好ましくは19.0〜22.0dyne/cm、さ
らに好ましくは19.8〜21.5dyne/cmの範
囲にあることが望ましい。この場合、樹脂に対するシリ
コーンオイルの分散が最適となり、耐衝撃性向上の効果
が著しい。本発明において、シリコーンオイルの粘度は
特に限定するものではないが、25℃で10〜1000
センチストークスの粘度を有するもので、下記の一般式
(ただし、式中のR1、R2、R3、R4はアルキル基、フ
ェニル基、アラルキル基等の有機基を表わす。) で示さ
れる構造単位のくり返しを含む重合体であれば使用可能
である。
れば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリ
コーンオイル、メチルエチルシリコーンオイル、あるい
はこれらのシリコーンオイルの末端あるいは分子鎖中に
水酸基、ふっ素、アルコキシ基、アミノ基、エポキシ
基、カルボキシル基、ハロゲン基、アミド基、エステル
基、ビニル基を導入したシリコーンオイル等があげられ
る。これらのシリコーンオイルは、単独で用いても二種
以上を混合して用いても良い。また、本発明において、
上記したフッ素化合物とシリコーンオイルは、それぞれ
単独で使用しても良いし、混合して使用しても良い。
る表面張力が30dyne/cm以下のフッ素化合物で
あればよい。かかる条件を有するフッ素化合物は、フル
オロカーボン化合物油、パーフルオロポリエーテル、フ
ルオロアルキルオリゴマー等が例示され、25℃におけ
る表面張力が30dyne/cm以下、好ましくは1
8.0〜25.0dyne/cmの範囲にあることが望
ましい。この場合、樹脂に対するフッ素化合物の分散が
最適となり、耐衝撃性向上の効果が著しい。
範囲内で配合したゴム変性スチレン系樹脂組成物におい
ては、特に(A)成分に由来する分散粒子化したゴム状
重合体の含有量が3〜20重量%の範囲にあり、かつ分
散粒子の平均粒子径が0.4〜1.4μmの範囲にあ
り、更に上記の全光線透過率が60〜90%の範囲の場
合に、著しく優れた耐衝撃性・剛性・外観・耐傷付き性
の物性バランスを満足する。
する。まず本発明の、ゴム状重合体を分散粒子として含
有するゴム変性スチレン系樹脂(A)は、従来から公知
の方法で製造することができる。すなわち、ゴム状重合
体をスチレン系単量体、必要に応じ重合溶媒、重合開始
剤からなる原料溶液に溶解し、通常用いられるラジカル
系触媒の存在下、非存在下において、その原料溶液を攪
拌機付き反応器に供給し重合を行う。重合温度はゴム変
性スチレン系樹脂の流動性、生産性、反応器の除熱能力
等を考慮して決定することができる。分散粒子径は攪拌
回転数による制御等の公知の技術を用いて行うことがで
きる。重合終了後、未反応単量体、重合溶媒等を除去す
るため、真空下で処理を行い、ゴム変性スチレン系樹脂
(A)を得る。
ン系共重合樹脂(B)は、従来から公知の方法で製造す
ることができる。上記のスチレン系単量体と共重合可能
なその他の単量体とを混合し、必要に応じ重合溶媒を添
加し、通常用いられるラジカル系触媒の存在下、非存在
下において、懸濁重合、塊状重合、溶液重合あるいは、
塊状−懸濁重合などの方法により、回分式、連続式また
は回分−連続式製造方法により製造することができる。
重合終了後、未反応単量体、重合溶媒等を除去するた
め、真空下で処理を行い、ゴム状重合体を含有しないス
チレン系共重合樹脂(B)を得る。
ム変性スチレン系樹脂(A)とスチレン系共重合樹脂
(B)の混合方法も特に制約はない。公知の方法、例え
ば、押出機で溶融、混錬する方法、ペレットでブレンド
し、成形機等で溶融混連枝、直接成形品を得る方法等が
用いることができる。特殊な製造方法として、一方の樹
脂の製造工程中に溶融、もしくは、溶解したもう一方の
樹脂を添加する方法も用いることができる。
撃性向上剤としてシリコーンオイルおよび/またはフッ
素化合物を添加する場合は、その製造工程の任意の段階
で添加することができる。たとえば、(A)、(B)成
分のどちらか、または両者の重合を行なう前の原料に対
して添加しても良く、重合途中の重合液に添加しても良
く、また、重合終了後の造粒工程で添加しても良い。さ
らに、(A)、(B)成分の混合を行う際に添加した
り、シリコーンオイルと芳香族モノビニル系樹脂または
ゴム変性芳香族モノビニル系樹脂を用いて高シリコーン
オイル濃度のマスターペレットを製造し、混練機、成形
機において添加することもできる。
物は、このままでもHIPS樹脂、ABS樹脂が多用さ
れている用途に好適に用いることができるが、必要に応
じHIPS樹脂で多用されている添加剤、例えば、酸化
防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、非イオン性界面
活性剤、陰イオン性界面活性剤、滑剤として流動パラフ
ィン、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、エチレンビス
脂肪酸アマイド、アジピン酸、セバシン酸のジブチルま
たはジオクチルエステル等を添加して使用することも可
能である。
明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定される
ものではない。なお本発明の実施例における各物性試験
法を以下に記す。 (1)ゴム粒子径 樹脂組成物を四酸化オスミウム染色し、超薄切片法によ
り電子顕微鏡写真を撮影する。10000倍に拡大した
写真において、分散ゴム粒子1000個以上の粒子径を
測定して次式により平均粒子径を求める。 平均粒子径=ΣniDi4÷ΣniDi3 (ここでniは粒子径Diのゴム状重合体粒子の個数)
分離により不溶分を沈降除去させ、上澄み液を可溶分と
して分離する。可溶分を乾燥させてメチルエチルケトン
を除去した後、射出成形により0.5×30×40(m
m)のプレート状成形品を射出成形し、その成形品につ
いてJIS K7105に準拠して測定した。
た。 (5)曲げ弾性率 ASTM D−790に準拠して求めた。
重量部を溶解した混合液100重量部に対して、エチル
ベンゼン22重量部とジターシャリブチルパーオキシシ
クロヘキサン0.015重量部を添加して溶解した原料
液を一定の供給速度で第1の完全混合槽型反応器に連続
的に供給し110℃で重合した後、引き続き撹拌機付き
塔型プラグフロー型反応器である第2の反応器に連続的
に全量装入して重合した。第2の反応器出口の重合温度
は、140℃となるように調節した。
回転/分、第2の反応器を100回転/分とした。第1
の反応器の出口では、ゴム状重合体はまだ分散粒子化し
ていない状態であり、第2の反応器で撹拌しながら重合
した結果、第2の反応器の出口では重合液は分散粒子化
が終了した状態であった。次いで、スタティックミキサ
ー式プラグフロー型反応器からなる第3の反応器に上記
重合液を連続的に全量装入し、出口重合温度が160℃
の範囲で流れ方向に沿って温度が高くなるような温度勾
配が生じるように調節して重合を継続してスチレンの重
合転化率85%になるまで重合を進行させた。この重合
液を減圧下で揮発性成分を除去した後に、流動パラフィ
ン0.1重量部を添加してからペレット化した。この
(A)成分の平均ゴム粒子径は、1.1μmであった。
合樹脂(B)成分の重合 スチレン70重量部、メタクリル酸メチル30重量部を
溶解した混合液100重量部に対して、エチルベンゼン
10重量部を添加して溶解した原料液を一定の供給速度
で完全混合槽型反応器に連続的に供給し140℃で重合
した。反応器から排出される重合液の転化率は74%で
あった。この重合液をベント付き二軸押出機において減
圧下で揮発性成分を除去しペレット化した。メタクリル
酸メチル単位の含有量が33重量%のスチレン−メタク
リル酸メチル共重合樹脂が得られた。
(B)成分25重量%の割合で配合し、二軸押出機を用
いて混練、ペレット化を行い目的とする熱可塑性樹脂組
成物を得た。各種分析値及び物性測定結果を表1に示
す。
表1に示す通り変更したこと以外は実施例1と同様にし
て熱可塑性樹脂組成物を調整した。各種分析値及び物性
測定値を表1に示す。
の場合及び実施例1における(A)成分、(B)成分の
混合比率を表1に示す通り変更したこと以外は実施例1
と同様にして熱可塑性樹脂組成物を調整した。各種分析
値及び物性測定値を表1に示す。
撹袢機の回転数を150回転/分としたこと以外は、実
施例1と同様の操作をして(A)成分の重合を行い、ペ
レット化した。この(A)成分の平均ゴム粒子径は、
0.6μmであった。この(A)成分50重量%と実施
例1の(B)成分50重量%を配合し、さらに25℃に
おける表面張力が24.0dyne/cmのシリコーン
オイルを0.05重量部添加し、二軸押出機を用いて混
練、ペレット化を行い目的とする熱可塑性樹脂組成物を
得た。混合比率、シリコーンオイル含有量、および各種
分析値を表1に、物性測定結果を表1に示す。
シリコーンオイルを、25℃における表面張力が18.
0dyne/cmのパーフルオロポリエーテル0.05
重量部に変更したこと以外は、実施例4と同様の操作を
行い、目的とする熱可塑性樹脂組成物を調整した。フッ
素化合物含有量、各種分析値及び物性測定結果を表1に
示す。
における表面張力が24.0dyne/cmのシリコー
ンオイルの添加量を0.0475重量部に変更し、さら
に、25℃における表面張力が18.0dyne/cm
のパーフルオロポリエーテル0.0025重量部を添加
したこと以外は、実施例4と同様の操作を行い、目的と
する熱可塑性樹脂組成物を調整した。シリコーンオイル
含有量、フッ素化合物含有量、各種分析値及び物性測定
値を表1に示す。
撹袢機の回転数を500回転/分としたこと以外は、実
施例1と同様の操作をして(A)成分の重合を行い、ペ
レット化した。この(A)成分の平均ゴム粒子径は、
0.2μmであった。この(A)成分50重量%に対し
て、実施例1で用いた(B)成分50重量%を配合し、
さらに、25℃における表面張力が24.0dyne/
cmのシリコーンオイルの添加量を0.0475重量
部、25℃における表面張力が18.0dyne/cm
のパーフルオロポリエーテル0.0025重量部を添加
し、目的とする熱可塑性樹脂組成物を調整した。各種分
析値及び物性測定値を表1に示す。
表面張力が24.0dyne/cmのシリコーンオイル
を0.05重量部添加し調整した樹脂組成物の各種分析
値及び物性測定値を表1に示す。
0回転/分としたこと以外は、実施例1と同様の操作を
して(A)成分の重合を行い、ペレット化した。この
(A)成分の平均ゴム粒子径は、2.7μmであった。
この(A)成分50重量%と実施例1の(B)成分50
重量%を配合し混合比率、および各種分析値を表1に、
物性測定値を表2に示す。
20重量部、メタクリル酸メチル80重量部を溶解した
混合液100重量部に対して、エチルベンゼン10重量
部を添加して溶解した原料液を用い、重合温度を160
℃に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を実施し
て(B)成分を調整した。メタクリル酸メチル単位の含
有量が81重量%のスチレン−メタクリル酸メチル共重
合樹脂が得られた。実施例1に用いた(A)成分75重
量% 、上記の操作で得られた(B)成分25重量%の
割合で配合し、二軸押出機を用いて混練、ペレット化を
行い目的とする樹脂組成物を得た。各種分析値及び物性
測定値を表2に示す。
%に変更したこと以外は実施例7と同様にして樹脂組成
物を調整した。各種分析値及び物性測定値を表2に示
す。
物性測定値を表2に示す。
90重量部、メタクリル酸10重量部を溶解した混合液
100重量部に対して、エチルベンゼン10重量部を添
加して溶解した原料液に変更したこと以外は、実施例1
と同様の操作を施して(B)成分を調整した。メタクリ
ル酸単位の含有量が16重量%のスチレン−メタクリル
酸共重合樹脂が得られた。実施例1に用いた(A)成分
75重量%、上記の操作で得られた(B)成分25重量
%の割合で配合し、二軸押出機を用いて混練、ペレット
化を行い目的とする熱可塑性樹脂組成物を得た。各種分
析値及び物性測定結果を表2に示す。
に変更したこと以外は実施例7と同様にして熱可塑性樹
脂組成物を調整した。各種分析値及び物性測定値を表2
に示す。
び物性測定値を表2に示す。
75重量部、アクリロニトリル25重量部を溶解した混
合液100重量部に対して、エチルベンゼン10重量部
を添加して溶解した原料液に変更したこと以外は、実施
例1と同様の操作を施して(B)成分を調整した。アク
リロニトリル単位の含有量が26重量%のスチレン−ア
クリロニトリル共重合樹脂が得られた。実施例1に用い
た(A)成分75重量%、上記の操作で得られた(B)
成分25重量%の割合で配合し、二軸押出機を用いて混
練、ペレット化を行い目的とする熱可塑性樹脂組成物を
得た。 各種分析値及び物性測定値を表2に示す。
に変更したこと以外は実施例9と同様にして熱可塑性樹
脂組成物を調整した。各種分析値及び物性測定値を表2
に示す。
及び物性測定値を表2に示す。
付き性・外観・耐衝撃性・剛性のバランスに優れ、塗装
を施さずとも傷が付きにくい材料であり、電気、電子、
OA、通信機器等の分野における、射出成形用途の材料
として好適な樹脂組成物となり得る。
Claims (3)
- 【請求項1】 ゴム状重合体を分散含有し、該分散粒子
の平均粒子径が0.3〜1.5μmであるゴム変性スチ
レン系樹脂(A)が80〜30重量%、スチレン系単量
体に少なくとも一種以上のその他の共重合可能な単量体
が共重合したスチレン系共重合樹脂(B)が20〜70
重量%の割合で配合されていることを特徴とするゴム変
性スチレン系樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物中の粒子状に
分散するゴム状弾性体を分離した後のマトリックス樹脂
成分のみからなる、0.5mm厚みのプレート状成形品
の全光線透過率(Tt:%)が、45≦Tt<90の範
囲にあることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成
物。 - 【請求項3】 樹脂組成物中には25℃における表面張
力が25dyne/cm以下のシリコーンオイル0.0
05〜0.5重量%および/または、25℃における表
面張力が30dyne/cm以下のフッ素化合物0.0
01〜0.5重量%が含有されていることを特徴とする
請求項1又は請求項2記載のゴム変性スチレン系樹脂組
成物。
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JP2017186438A (ja) * | 2016-04-05 | 2017-10-12 | 東洋スチレン株式会社 | スチレン系樹脂組成物 |
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