JP2682083B2 - 低光沢熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

低光沢熱可塑性樹脂組成物

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JP2682083B2
JP2682083B2 JP63289183A JP28918388A JP2682083B2 JP 2682083 B2 JP2682083 B2 JP 2682083B2 JP 63289183 A JP63289183 A JP 63289183A JP 28918388 A JP28918388 A JP 28918388A JP 2682083 B2 JP2682083 B2 JP 2682083B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、優れた艶消し性と表面外観を有し、耐熱性
にも優れる熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、こ
れは自動車内装部品、家庭用電気機器の外装部品として
好適である。
[従来の技術] 熱可塑性樹脂は、軽量性、成形加工法、電気絶縁等の
特徴を持つことから近年需要は急速に高まっており、金
属代替分野への用途も大幅に拡大している。
一方、自動車内装部品、家庭用電気機器部品などの分
野においては、視覚が眩惑されるなどの安全上の問題
や、落着き感を持たせるなどの目的で成形品表面の光沢
を抑えたものに対する需要が高まっている。
一般的な艶消し方法としては、金型表面にシボ加工を
施す方法、成形品表面に液状艶消し剤を塗布する方法、
無機充填剤を樹脂に混合する方法(特公昭49−44582号
公報)、ゴム質重合体を重合後に添加する方法(特公昭
48−24034号公報、特開昭54−142259号公報および特公
昭62−59725号公報)、ゴム変性熱可塑性樹脂を添加す
る方法(特開昭56−133353号公報、特開昭59−89346号
公報、特開昭60−18536号公報、特開昭60−202143号公
報および特開昭62−101616号公報)、架橋性モノマーを
用いて三次元化した樹脂成分を添加する方法(特開昭63
−63740号公報)などが公知である。
[発明が解決しようとする課題] 金型面の改良による方法では、高価な金型製作費、補
償管理の問題がある上、十分な艶消し効果は達成されな
い。また塗装による方法では、塗装工程にコストがかか
り、さらに溶剤による樹脂表面劣化等の恐れがある。無
機充填剤の混合では、樹脂の機械的性質、特に衝撃強度
を大きく低下させる難点があり、また成形品の外観が悪
い欠点がある。
またゴム質重合体を添加する方法では、耐熱性や剛性
の低下を招き、さらに艶が均一に消えないこと(艶む
ら)の原因となる。
ゴム変性熱可塑性樹脂の添加による方法では、艶消し
程度の成形条件により変動するなどの問題がある。
さらに、架橋性モノマーを用いて3次元化した樹脂成
分を添加する方法では、組成物の流動性が悪化したり、
成形品表面の外観が悪化するなどの問題がある。
本発明は成形品表面の光沢が低下しており、しかも優
れた外観を有する低光沢熱可塑性樹脂組成物の提供を課
題とする。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ね
た結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、 (A) (a)ゴム質重合体5〜80重量部の存在下、
(b)芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体
および不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体から
なる群より選択された一種以上のビニル系単量体、また
は単量体混合物(ただし前記芳香族ビニル系単量体は単
量体または単量体混合物中40重量%以上である)95〜20
重量部をグラフト重合してなるグラフト共重合体1〜97
重量部、 (B) 芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量
体、分子内にカルボキシル基を有する単量体、および必
要に応じて他の共重合可能なビニル系単量体を加えた単
量体混合物(ただし前記芳香族ビニル系単量体は単量体
または単量体混合物中40重量%以上である)を重合して
得られ、重合体中のカルボキシル基を有する単量体残基
の含有量が0.1〜10重量%である共重合体1〜98重量
部、 (C) 芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量
体、分子内にエポキシ基を有する単量体、および必要に
応じて他の共重合可能なビニル系単量体を加えた単量体
混合物(ただし前記芳香族ビニル系単量体は単量体また
は単量体混合物中40重量%以上である)を重合して得ら
れ、重合体中のエポキシ基を有する単量体残基の含有量
が0.01〜2重量%である共重合体1〜98重量部、 (D) 芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単
量体、マレイミド系単量体、および必要に応じて他の共
重合可能なビニル系単量体を加えた単量体混合物(ただ
し前記芳香族ビニル系単量体は単量体または単量体混合
物中30重量%以上である)を重合してなる共重合体0〜
90重量部、 からなる組成物であって、(A)〜(D)の合計量が10
0重量部であり、該組成物中における分子内にカルボキ
シル基を有する単量体残基が0.3重量%未満であり、組
成物中の(a)ゴム質重合体が1〜40重量%であること
を特徴とする低光沢熱可塑性樹脂組成物、ならびに、
(A)(a)ゴム質重合体5〜80重量部の存在下、
(b)芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体
および不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体から
なる群より選択された一種以上のビニル系単量体、また
は単量体混合物(ただし前記芳香族ビニル系単量体は単
量体または単量体混合物中40重量%以上である)95〜20
重量部をグラフト重合してなるグラフト共重合体1〜97
重量部、 (B)芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量
体、分子内にカルボキシル基を有する単量体、および必
要に応じて他の共重合可能なビニル系単量体を加えた単
量体混合物(ただし前記芳香族ビニル系単量体は単量体
または単量体混合物中40重量%以上である)を重合して
得られ、重合体中のカルボキシル基を有する単量体残基
の含有量が0.1〜10重量%である共重合体1〜98重量
部、 (C)芳香ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、
分子内にエポキシ基を有する単量体、および必要に応じ
て他の共重合可能なビニル系単量体を加えた単量体混合
物(ただし前記芳香族ビニル系単量体は単量体または単
量体混合物中40重量%以上である)を重合して得られ、
重合体中のエポキシ基を有する単量体残基の含有量が0.
01〜2重量%である共重合体1〜98重量部、および (D)芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量
体、マレイミド系単量体、および必要に応じて他の共重
合可能なビニル系単量体を加えた単量体混合物(ただし
前記芳香族ビニル系単量体は単量体または単量体混合物
中30重量%以上である)を重合してなる共重合体0〜90
重量部を、(A)〜(D)の合計量が100重量部となる
量で配合することを特徴とする分子内にカルボキシル基
を有する単量体残基が0.3重量%未満であり、組成物中
の(a)ゴム質重合体が1〜40重量%である低光沢熱可
塑性樹脂組成物の製造方法を提供するものである。
本発明で用いられる(A)グラフト共重合体の構成成
分である(a)ゴム質重合体としては、ガラス転移温度
が0℃以下のものが好適であり、具体的にはポリブタジ
エン、ポリスチレン−ブタジエン、ポリアクリロニトリ
ル−ブタジエンなどのジエン系ゴム、ポリイソプレン、
ポリクロロプレン、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリ
ル系ゴムおよびエチレン−プロピレン−ジエンモノマ三
元共重合体などのゴム質重合体を使用できる。特にブタ
ジエンまたはブタジエン共重合体が好ましい。
(b)芳香族ビニル系重合体としては、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、o−エチルスチレ
ン、o−p−ジクロロスチレンなどが挙げられるが、特
にスチレンが好ましく、これらは一種または二種以上を
用いることができる。
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどが挙
げられるが、特にアクリロニトリルが好ましい。
また、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体と
しては、炭素数1〜10のアルキル基を持つアクリル酸エ
ステルおよび/またはメタクリル酸エステルが好適であ
り、一種または二種以上用いることができる。アクリル
酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸クロロメチル、アク
リル酸2−クロロエチルなどが挙げられるが、特にアク
リル酸メチルが好ましい。
また、メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸クロロメチル、メタクリル酸2−クロ
ロエチルなどが挙げられるが、特にメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチルが好ましい。
また、グラフト共重合体(A)は、(a)ゴム質重合
体5〜80重量部、好ましくは7〜75重量部、より好まし
くは10〜70重量部に単量体混合物95〜20重量部、好まし
くは93〜25重量部、より好ましくは90〜30重量部を公知
の重合法、例えば、ゴム質重合体ラテックスの存在下に
前記した割合の単量体混合物と重合開始剤を連続的に供
給して乳化グラフト重合する方法などによって得ること
ができる。
グラフト共重合体における(a)ゴム質重合体の割合
が5重量部未満では得られる樹脂の耐衝撃性が劣り、80
重量部を越える場合はゴム質重合体が分散不良となり、
成形品の外観を損なうため実用的でない。
また、(b)単量体混合物中の芳香族ビニル系単量
体、シアン化ビニル系単量体および不飽和カルボン酸ア
ルキルエステル系単量体の比率には特に制限はないが、
芳香族ビニル系単量体40〜90重量%、シアン化ビニル系
単量体および/または不飽和カルボン酸アルキルエステ
ル系単量体60〜10重量%であることが好ましい。
共重合体(B)を構成する芳香族ビニル系単量体、シ
アン化ビニル系単量体は、グラフト共重合体(A)にお
いて使用可能な芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル
系単量体と同様のものが使用できる。
分子内にカルボキシル基を有する単量体(c)として
は、ラジカル重合可能なビニル基とカルボキシル基の両
者を共有する化合物であり、具体例としてはアクリル
酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸などのモ
ノカルボン酸類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸な
どのジカルボン酸類を挙げることができる。このなかで
はアクリル酸、メタクリル酸を好ましく使用でき、これ
らは単独ないし二種以上を組合せて使用することもでき
る。
必要に応じて加える他の共重合可能なビニル系単量体
としては、グラフト共重合体(A)において使用可能な
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体、アクリル
アミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどの(メタ)アク
リルアミド系単量体、無水マレイン酸、無水イタコン酸
などのジカルボン酸無水物、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、酪酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル単
量体を挙げることができる。
共重合体(B)樹脂中の芳香族ビニル系単量体の共重
合体は40〜90重量%が好ましく、45〜85重量%がより好
ましい。シアン化ビニル系単量体の共重合体は60〜10重
量%が好ましく、55〜15重量%がより好ましい。
また、分子内にカルボキシル基を有する単量体の共重
合量は0.1〜10重量%が好ましく、0.2〜8重量%がより
好ましい。
芳香族ビニル系単量体の割合が40重量%未満の場合は
成形加工性が悪く、90重量%を越える場合は得られる樹
脂の耐衝撃性および耐薬品性が低下するため好ましくな
い。
また、シアン化ビニル系単量体の割合が10重量%未満
では、得られる樹脂の耐衝撃性が劣り好ましくない。ま
た、60重量%を越える場合は、共重合体の熱安定性が著
しく低下し、色調の悪い成形品となるため好ましくな
い。
さらに、分子内にカルボキシル基を有する単量体の割
合が0.1重量%未満の場合には表面光沢の低下が不十分
であり、10重量%を越えると成形品表面の外観悪化が著
しく好ましくない。
さらに、本発明の樹脂組成物中における分子内にカル
ボキシル基を有する単量体残基の量は、0.01重量%以上
0.3重量%未満で好ましく、0.03重量%以上0.3重量%未
満がより好ましい。この範囲をはずれた場合は、光沢度
低下と表面外観を同時に満足することはできず好ましく
ない。
共重合体(C)を構成する芳香族ビニル系単量体、シ
アン化ビニル系単量体、必要に応じて加える他の共重合
可能なビニル系単量体は、共重合体(B)において使用
可能な芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量
体、他の共重合可能なビニル系単量体と同様のものが使
用できる。
分子内にエポキシ基を有する単量体としては、ラジカ
ル重合可能なビニル基とエポキシ基の両者を共有する化
合物であり、具体例としてはアクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタ
コン酸グリシジルなどの不飽和有機酸のグリシジルエス
テル類、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジルエ
ーテル類および2−メチルグリシジルメタクリレートな
どの上記の誘導体類が挙げられ、なかでもアクリル酸グ
リシジル、メタクリル酸グリシジルが好ましく使用でき
る。また、これらは単独ないし二種以上を組合せて使用
することもできる。
共重合体(C)樹脂中の芳香族ビニル系単量体の共重
合体は40〜90重量%が好ましく、45〜85重量%がより好
ましい。シアン化ビニル系単量体の共重合量は60〜10重
量%が好ましく、55〜15重量%がより好ましい。
また、分子内にエポキシ基を有する単量体の共重合量
は0.01〜2重量%が好ましく、0.03〜1重量%が特に好
ましい。
共重合体(C)樹脂中の芳香族ビニル系単量体および
シアン化ビニル系単量体の共重合量が、上記範囲を外れ
た場合には耐衝撃性などの機械的性質が不十分であった
り、熱安定性が不十分であったりして実用的でない。
分子内にエポキシ基を有する単量体の共重合量が0.01
重合%未満の場合には、この単量体の共重合による光沢
低下効果が現れない。また2種量%を越える場合には、
成形品の表面外観悪化が起こるため好ましくない。
さらに、本発明の樹脂組成物中における分子内にエポ
キシ基を有する単量体残基の量は10-3〜0.1重量%が好
ましく、3×10-3〜0.1重量%がより好ましい。この範
囲をはずれた場合には、光沢度低下度と表面外観を同時
に満足することはできず好ましくない。
共重合体(B)、(C)の製造方法に関しては特に制
限はなく、塊状重合、溶液重合、塊状−懸濁重合、懸濁
重合、乳化重合など通常公知の方法が用いられる。共重
合成分の仕込み方法に関しても特に制限はなく、初期に
一括仕込みをしてもよく、また、共重合体の組成分布の
生成を防止するために仕込み単量体の一部または全部を
連続仕込み、または分割仕込みしながら重合してもよ
い。
共重合体(D)を構成する芳香族ビニル系単量体、シ
アン化ビニル系単量体、および必要に応じて加える他の
共重合可能なビニル系単量体としては、前記共重合体
(B)において使用可能な芳香族ビニル系単量体、シア
ン化ビニル系単量体、および必要に応じて加える他の共
重合可能なビニル系単量体と同様のものが使用できる。
マレイミド系単量体としては、マレイミド、N−メチ
ルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピ
ルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−フェニ
ルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N
−o−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェ
ニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−
o−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−m−ヒドロキ
シフェニルマレイミド、N−p−ヒドロキシフェニルマ
レイミド、N−o−メトキシフェニルマレイミド、N−
m−メトキシフェニルマレイミド、N−p−メトキシフ
ェニルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミ
ド、N−m−クロロフェニルマレイミド、N−p−クロ
ロフェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミドなどを
挙げることができる。
これらのなかでも特にN−フェニルマレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミド、N−t−ブチルマレイミ
ド、N−イソプロピルマレイミドおよびN−m−メチル
フェニルマレイミドが好ましい。これらを一種で、また
は二種以上組合せて用いることができる。
共重合体(D)樹脂中の芳香族ビニル系単量体および
シアン化ビニル系単量体の共重合量に関しては、芳香族
ビニル系単量体30〜90重量%、シアン化ビニル系量体10
〜60重量%が好ましい。また、マレイミド系単量体の共
重合量は2〜60重量%が好ましく、5〜55重量%が特に
好ましい。
芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体およ
びマレイミド系単量体の共重合量が、上記範囲をはずれ
た場合には耐衝撃性などの機械的性質が不十分であった
り、熱安定性が不十分であったりして実用的ではない。
共重合体(D)の製造方法に関しては特に制限はな
く、溶液重合、塊状−懸濁重合、懸濁重合、乳化重合な
ど、通常公知の方法を用いることができる。共重合成分
の仕込み方法に関してはも特に制限はなく、初期に一括
仕込みをしてもよく、また共重合体の組成分布の生成を
防止するために仕込み、単量体の一部または全部を連続
仕込み、あるいは分割仕込みしながら重合してもよい。
本発明の樹脂組成物は、(A)〜(D)の合計量100
重量部に対して(A)グラフト共重合1〜97重量部、好
ましくは2〜90重量部、さらに好ましくは5〜90重量部
と、(B)共重合体1〜98重量部、好ましくは3〜50重
量部、さらに好ましくは5〜30重量部、および(C)共
重合体1〜98重量部、好ましくは3〜50重量部、さらに
好ましくは5〜30重量部、および(D)共重合体0〜90
重量部、好ましくは0〜70重量部、さらに好ましくは1
〜65重量部から構成される。
ここで(A)の割合が1重量部未満では成形品の耐衝
撃性が低く、一方97重量部を越えると十分な低光沢樹脂
が得られない。(B)または(C)の割合が1重量部未
満では十分な低光沢樹脂が得られず、一方30重量部を越
えると成形加工性が悪く、成形品の外観を損ねる。
さらに、(D)を配合することで耐熱性が向上する
が、90重量部を越えると成形加工性が悪く、耐衝撃性に
劣るため好ましくない。
また、本発明の樹脂組成物中におけるゴム質重合体1
〜40重量%が適当であり、2〜35重量%が特に好まし
い。上記範囲をはずれる場合には、耐衝撃性、剛性、熱
安定性のバランスに優れた組成物を得ることが困難なた
め好ましくない。
本発明の樹脂組成物の製造方法に関しては特に制限は
なく、例えば、グラフト共重合体(A)、共重合体
(B)、共重合体(C)、共重合体(D)をぺレット粉
末、細片状態などで高速撹拌機などを用いて均一混合し
た後、十分な混練能力のある一軸または多軸の押出機で
溶融混練する方法など、種々の方法を採用することがで
きる。
またグラフト共重合体(A)と共重合体(B)、グラ
フト共重合体(A)と共重合体(B)および共重合体
(D)などのように、4成分のうち2成分あるいは3成
分を予め予備混練しておき、後に所定の配合比に調節し
て混練する方法も可能である。
本発明の樹脂組成物は、他の熱可塑性重合体、例え
ば、スチレン/アクリルニトリル共重合体、α−メチル
スチレン/アクリロニトリル共重合体、α−メチルスチ
レン/スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン
/メタクリル酸メチル/アクリロニトリル共重合体、ス
チレン/アクリルアミド共重合体、ポリメタクリル酸メ
チルなどを混合することによって、溶融流動性、耐熱性
および耐衝撃性のバランスを一層向上させることも可能
である。
例えば、グラフト共重合体中(A)中のゴム質重合体
濃度の高い場合には、スチレン/アクリロニトリル/メ
タクリル酸メチル共重合体などの上記共重合体の一種以
上を添加する方法などが一般的である。
また、目的に応じて顔料や染料、ガラス繊維、金属繊
維、金属フレーク、炭素繊維などの補強剤や充填剤、熱
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、
可塑剤、帯電防止剤および難燃剤などを添加することも
できる。
[実 施 例] 本発明をさらに具体的に説明するために以下、実施例
および比較例を挙げて説明するが、これら実施例は本発
明を限定するものではない。ここでは、特にことわりの
ない限り「部」は重量部、「%」は重量%を表わす。な
お、最終的に得られた樹脂組成物は、射出成形法によっ
て成形された後、下記の試験法により諸物性を測定し
た。
アイゾット衝撃強度:ASTM D−256 1/2インチ ノッ
チ付 23℃(kg・cm/cm) 熱変形温度:ASTM D−648 1/2インチ 18.6kg/cm2
重(℃) 表面光沢:スガ試験機(株)製 デジタル変角光沢計UG
V−5Dを用い、入射角60度での成形品鏡面の表面反射光
の測定を行った。
表面外観:成形品を目視で評価した。
◎:非常に良好 ○:良好 ×:悪い(表面粗度大、艶の分布大など) 組成物中のカルボキシル基残基量:1H−NMR(JEOL JNMG
X−270 FT−NMRスペクトロメーター)を用い、測定し
た。
参考例1(グラフト共重合体(A)の製造) A−1:ポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径0.25μ、
ゲル含率80%)35部(固形分換算)の存在下でスチレン
70%、アクリロニトリル30%からなる単量体混合物65部
を乳化重合した。得られたグラフト共重合体は硫酸で凝
固し、苛性ソーダで中和、洗浄、ろ過、乾燥してパウダ
ー状のグラフト共重合体(A−1)を調製した。
A−2:A−1で用いたポリブタジエンラテックス35部
(固形分換算)の存在下でスチレン65%、アクリロニト
リル30%、メチルメタクリレート5%からなる単量体混
合物65部を乳化重合し、A−1と同様の処理を行い、パ
ウダー状のグラフト共重合体(A−2)を調製した。
参考例2(共重合体(B)の製造) B−1:スチレン71%、アクリロニトリル24%、メタクリ
ル酸5%を懸濁重合し、ビーズ状の共重合体(B−1)
を調製した。
B−2:スチレン68%、アクリロニトリル24%、アクリル
酸4%、メタクリル酸メチル4%を懸濁重合し、ビーズ
状の共重合体(B−2)を調製した。
B−3:スチレン74%、アクリロニトリル25%、メタクリ
ル酸1%を懸濁重合し、ビーズ状の共重合体(B−3)
を調製した。
B−4:スチレン74%、アクリロニトリル25.9%、メタク
リル酸0.1%を懸濁重合し、ビーズ状の共重合体(B−
4)を調製した。
参考例3(共重合体(C)の製造) C−1:スチレン76%、アクリロニトリル23%、グリシジ
ルアクリレート1%を懸濁重合し、ビーズ状の共重合体
(C−1)を調製した。
C−2:スチレン69%、アクリロニトリル30.5%、グリシ
ジルメタクリレート0.5%を懸濁重合し、ビーズ状の共
重合体(C−2)を調製した。
C−3:スチレン68%、アクリロニトリル26.7%、グリシ
ジルメタクリレート0.3%、メチルメタクリレート5%
を懸濁重合し、ビーズ状の共重合体(C−3)を調製し
た。
C−4:スチレン75%、アクリロニトリル25%を懸濁重合
し、ビーズ状の共重合体(C−4)を調製した。
C−5:スチレン70%、アクリロニトリル25%、グリシジ
ルアクリレート5%を懸濁重合し、ビーズ状の共重合体
(C−5)を調製した。
参考例4(共重合体(D)の製造) D−1:スチレン50%、アクリロニトリル20%、N−フェ
ニルマレイミド30%を懸濁重合し、共重合体(D−1)
を調製した。
D−2:スチレン30%、α−メチルスチレン20%、アクリ
ロニトリル20%、N−シクロヘキシルマレイミド30%を
懸濁重合し、共重合体(D−2)を調製した。
D−3:スチレン40%、α−メチルスチレン10%、アクリ
ロニトリル20%、N−フェニルマレイミド30%を懸濁重
合し、共重合体(D−3)を調製した。
D−4:スチレン40%、アクリロニトリル15%、N−フェ
ニルマレイミド35%、メチルメタクリレート10%を懸濁
重合し、共重合体(D−4)を調製した。
実施例1〜9、比較例1〜6 前記参考例で調製したグラフト共重合体(A)、共重
合体(B)、共重合体(C)および共重合体(D)をそ
れぞれ表−1に示した配合割合でヘンシェルミキサーで
混合し、次に40mmφ押出機により押出温度270℃で押出
し、それぞれペレット化した後、各ペレットについて成
形温度270℃、金型温度80℃の条件で射出成形に供し、
各試験片を作製し、それについて物性の評価を行った。
これらの結果を表−1に示す。
実施例および比較例より次のことが明らかである。
すなわち、本発明により得られた樹脂組成物は、いず
れも成形品表面の光沢が均一に低下している。それに対
して、分子内にカルボキシル基を有する共重合体(B)
および分子内にエポキシ基を有する共重合体(C)を含
まないもの(比較例1)は、表面が高光沢となり好まし
くない。
また、共重合体(B)および(C)のいずれか一方を
含むものでは、高光沢となるか(比較例2、3)、ある
いは光沢の低下が不十分である(比較例4)。さらに、
共重合体(C)中のエポキシ基を有する単量体の多いも
の(比較例5)は表面光沢は低下するものの、外観不良
となり満足する組成物は得ることはできない。
[発明の効果] 本発明により得られた熱可塑性樹脂組成物は、成形品
の機械的物性を損ねることなく、著しい表面低光沢化の
向上が見られ、自動車内装部品や家庭用電気機器の外装
部品などの成形材料として好適であり、この効果は、グ
ラフト共重合体(A)、分子内にカルボキシル基を有す
る共重合体(B)、分子内にエポキシ基を有する共重合
体(C)およびマレイミド系共重合体(D)を所定の割
合で混合することにより初めて発揮されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08L 25/12 51:04) (C08L 25/12 55:02) (C08L 55/02 25:12)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)ゴム質重合体5〜80重量部の
    存在下、(b)芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル
    系単量体および不飽和カルボン酸アルキルエステル系単
    量体からなる群より選択された一種以上のビニル系単量
    体、または単量体混合物(ただし前記芳香族ビニル系単
    量体は単量体または単量体混合物中40重量%以上であ
    る)95〜20重量部をグラフト重合してなるグラフト共重
    合体1〜97重量部、 (B)芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量
    体、分子内にカルボキシル基を有する単量体、および必
    要に応じて他の共重合可能なビニル系単量体を加えた単
    量体混合物(ただし前記芳香族ビニル系単量体は単量体
    または単量体混合物中40重量%以上である)を重合して
    得られ、重合体中のカルボキシル基を有する単量体残基
    の含有量が0.1〜10重量%である共重合体1〜98重量
    部、 (C)芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量
    体、分子内にエポキシ基を有する単量体、および必要に
    応じて他の共重合可能なビニル系単量体を加えた単量体
    混合物(ただし前記芳香族ビニル系単量体は単量体また
    は単量体混合物中40重量%以上である)を重合して得ら
    れ、重合体中のエポキシ基を有する単量体残基の含有量
    が0.01〜2重量%である共重合体1〜98重量部、および (D)芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量
    体、マレイミド系単量体、および必要に応じて他の共重
    合可能なビニル系単量体を加えた単量体混合物(ただし
    前記芳香族ビニル系単量体は単量体または単量体混合物
    中30重量%以上である)を重合してなる共重合体0〜90
    重量部、 を配合してなる組成物であって、(A)〜(D)の合計
    量が100重量部であり、該組成物中における分子内にカ
    ルボキシル基を有する単量体残基が0.3重量%未満であ
    り、組成物中の(a)ゴム質重合体が1〜40重量%であ
    る低光沢熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)(a)ゴム質重合体5〜80重量部の
    存在下、(b)芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル
    系単量体および不飽和カルボン酸アルキルエステル系単
    量体からなる群より選択された一種以上のビニル系単量
    体、または単量体混合物(ただし前記芳香族ビニル系単
    量体は単量体または単量体混合物中40重量%以上であ
    る)95〜20重量部をグラフト重合してなるグラフト共重
    合体1〜97重量部、 (B)芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量
    体、分子内にカルボキシル基を有する単量体、および必
    要に応じて他の共重合可能なビニル系単量体を加えた単
    量体混合物(ただし前記芳香族ビニル系単量体は単量体
    または単量体混合物中40重量%以上である)を重合して
    得られ、重合体中のカルボキシル基を有する単量体残基
    の含有量が0.1〜10重量%である共重合体1〜98重量
    部、 (C)芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量
    体、分子内にエポキシ基を有する単量体、および必要に
    応じて他の共重合可能なビニル系単量体を加えた単量体
    混合物(ただし前記芳香族ビニル系単量体は単量体また
    は単量体混合物中40重量%以上である)を重合して得ら
    れ、重合体中のエポキシ基を有する単量体残基の含有量
    が0.01〜2重量%である共重合体1〜98重量部、および (D)芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量
    体、マレイミド系単量体、および必要に応じて他の共重
    合可能なビニル系単量体を加えた単量体混合物(ただし
    前記芳香族ビニル系単量体は単量体または単量体混合物
    中30重量%以上である)を重合してなる共重合体0〜90
    重量部を、(A)〜(D)の合計量が100重量部となる
    量で配合することを特徴とする、分子内にカルボキシル
    基を有する単量体残基が0.3重量%未満であり、組成物
    中の(a)ゴム質重合体が1〜40重量%である低光沢熱
    可塑性樹脂組成物の製造方法。
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