JPH09299652A - ミシン - Google Patents

ミシン

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Publication number
JPH09299652A
JPH09299652A JP14372496A JP14372496A JPH09299652A JP H09299652 A JPH09299652 A JP H09299652A JP 14372496 A JP14372496 A JP 14372496A JP 14372496 A JP14372496 A JP 14372496A JP H09299652 A JPH09299652 A JP H09299652A
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JP
Japan
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sewing
sewing machine
process proceeds
detected
holding means
Prior art date
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Pending
Application number
JP14372496A
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English (en)
Inventor
Yojiro Takase
陽二郎 高瀬
Takayuki Shiina
隆行 椎名
Takashi Nitsutou
隆 日塔
Katsuaki Sakai
克秋 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータ出力軸の回転範囲に拘らず、被縫製物
保持手段の原点位置を正確に検出する。 【解決手段】 被検出体35(37)及び検出体36
(38)の何れか一方を移動を行う移動部材8(16)
に、他方をミシンの固定側6に、それぞれ配設し、被縫
製物保持手段の原点位置の検出を、繰り返し検出がなさ
れ得るモータ出力軸2a(3a)に関連してではなく1
回検出がなされ得る移動部材8(16)に関連して行う
ように構成してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミシンに関し、特
に被縫製物を保持する被縫製物保持手段を有し、この被
縫製物保持手段を所謂Xモータ、Yモータによってミシ
ンベッド表面に沿うX−Y方向に移動させ、縫針と上記
被縫製物との相対位置を変化させながら縫製を行うミシ
ンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のミシンとしては、例えば
特開平8−84877号公報に記載のミシンが知られて
いる。この特開平8−84877号公報記載のミシンは
概略、被縫製物としての例えば布を保持しミシンベッド
上に配置された布押え枠(被縫製物保持手段)と、出力
軸がミシンの下軸に平行に配置されると共に当該下軸の
両側にそれぞれ配置されたXモータ(第1のモータ)、
Yモータ(第2のモータ)と、Xモータの回転駆動力を
揺動運動に変換し上記布押え枠をミシンベッド表面に沿
うX方向(ミシンベッドの突出部に沿う方向に垂直な方
向)に揺動させる第1の移動手段と、Yモータの回転駆
動力を揺動運動に変換し上記布押え枠をミシンベッド表
面に沿い上記X方向と直交するY方向(ミシンベッドの
突出部に沿う方向)に揺動させる第2の移動手段と、を
備えており、上記各移動手段は、周囲に螺旋状の凹凸が
形成され上記各モータの出力軸に固定された円筒カム
と、この円筒カムの凹凸に係合し該円筒カムの回転に従
ってモータ出力軸方向に移動する円筒コロと、この円筒
コロのモータ出力軸方向の移動を揺動運動に変換して上
記布押え枠をX、Y方向に揺動させるレバー群(移動部
材)と、から構成されている。
【0003】そして、上記モータを回転駆動すると、こ
の回転駆動力が、上記円筒カム、円筒コロ、レバー群を
介して揺動運動に変換されて当該布押え枠が縫針に対し
てX−Y方向に揺動し、所定の縫い目が形成される構成
になされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のミ
シンにおいては、布押え枠の原点位置を検出し、この原
点位置を基準としてモータの回転制御、すなわち布押え
枠の移動制御を行う必要がある。このような布押え枠の
原点位置を検出する所謂原点センサに関する記載は上記
特開平8−84877号公報にはなされていないが、一
般的には、モータの出力軸に被検出体を、この被検出体
の対向位置に当該被検出体を検出可能な検出体を、それ
ぞれ配設し、該検出体による被検出体の検出の有無に従
って上記布押え枠の原点位置を検出可能とする構成が採
用される。そして、このような被検出体、検出体からな
る原点センサを有するミシンが実際に製品として供され
ている。
【0005】しかしながら、このような原点センサを有
するミシンにあっては、以下の問題がある。すなわち、
上記原点センサは、モータ出力軸の原点位置を検出する
ものであるから、モータ出力軸の回転に伴って複数回被
検出体の検出がなされることになり、布押え枠の原点位
置を正確に検出できないといった問題があった。特に、
上記布押え枠のX−Y方向の縫製領域を拡大するにあた
っては、布押え枠の移動範囲を拡大するためにモータ出
力軸の回転範囲を増加しなければならないことから、一
層正確な原点検出が困難となる。また、例えば電源を再
投入した後に原点検出を行って被検出体が検出された場
合でも、上記理由によってこの被検出体の検出が実際の
原点ではない場合がある。そして、このような問題は、
例えば特公昭60−17548号公報に記載のミシンの
ように、X,Yモータによって布押え枠をX−Y方向に
直線移動させるミシンに対しても同様に発生する。
【0006】そこで本発明は、被縫製物保持手段の原点
位置を正確に検出できるミシンを提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1のミシンは、被縫製物を保持しミシンベッ
ド上に配置された被縫製物保持手段と、第1のモータの
回転駆動力をミシンベッド表面に沿う一方向の力に変換
して前記被縫製物保持手段に伝達する第1の移動手段
と、第2のモータの回転駆動力をミシンベッド表面に沿
い前記一方向と略直交する方向の力に変換して前記被縫
製物保持手段に伝達する第2の移動手段と、をして、縫
針と前記被縫製物との相対位置を変化させて縫製を行う
ミシンであって、前記被縫製物保持手段の原点位置を検
出するための原点位置検出手段を備えたミシンにおい
て、前記移動手段は、移動する移動部材を備え、前記原
点位置検出手段は、被検出体と、この被検出体を検出す
る検出体と、から構成され、前記被検出体及び検出体の
何れか一方を前記移動部材に、他方をミシンの固定側
に、それぞれ配設し、前記検出体による被検出体の検出
の有無に従って前記被縫製物保持手段の原点位置を検出
可能とした。
【0008】このような請求項1におけるミシンによれ
ば、被検出体及び検出体の何れか一方が移動する移動部
材に、他方がミシンの固定側に、それぞれ配設されるこ
とから、被縫製物保持手段の原点位置の検出が、繰り返
し検出がなされ得るモータ出力軸に関連してではなく1
回検出がなされ得る移動部材に関連してなされるように
なる。従って、第1、第2のモータの出力軸の回転範囲
に拘らず、被縫製物保持手段の原点位置が正確に検出さ
れるようになる。
【0009】上記目的を達成するために、請求項2のミ
シンは、上記請求項1に加えて、移動部材は一軸を支点
として揺動し、この移動部材の揺動時に、被検出体によ
る検出体間の通過に従って被検出体の有無を検出し、被
検出体及び検出体の少なくとも被検出体を、該被検出体
が検出体間を揺動通過可能なR形状としたことを特徴と
している。
【0010】このような請求項2におけるミシンによれ
ば、移動部材が一軸を支点として揺動されるが、この時
被検出体及び検出体の少なくとも被検出体が、該被検出
体が検出体間を揺動通過可能なR形状になされているこ
とから、移動部材と共にこの移動部材に配設された被検
出体または検出体が揺動しても、被検出体と検出体とが
干渉することはない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に
おけるミシンのベッド内部を表した平面図、図2は同上
ミシンの一部破断側面図であり、本実施形態のミシンは
電子サイクルミシンとしての例えば閂止めミシンであ
る。図1及び図2において、符号1はミシンの下軸を示
しており、この下軸1(図1においては図が煩雑になる
のを避けるために図示下側は省略)の直下にはXモータ
(第1のモータ)2が固定配置されており、右側下には
Yモータ(第2のモータ)3が固定配置されている。こ
れらXモータ2、Yモータ3はパルスモータであり、そ
の出力軸2a,3aが下軸1に平行となるようにそれぞ
れ配設されている。これら出力軸2a,3aの先端に
は、円筒周囲に螺旋状の凹凸が形成された円筒カム4,
5がそれぞれ直結されている。
【0012】ミシンベッド6の左端部側下面にはピン7
が立設されており、このピン7には、への字状レバー
(移動部材)8の折曲点部分が揺動自在に支持されてい
る。このへの字状レバー8のXモータ側端部下面にはピ
ン8aが突設されており、このピン8aには円筒状のコ
ロ9が回転自在に支持されている。そして、この円筒コ
ロ9は、上記円筒カム4の螺旋状の凹部に係合がなされ
ている。
【0013】一方、への字状レバー8の他方の端部上面
には角駒10が設けられている。この角駒10は、当該
への字状レバー8の他方の端部に螺合する螺子8bによ
って、上方への抜けが防止されつつ回転自在に支持され
ている。この角駒10は、くの字状レバー11の一方の
端部側に形成された長孔11a内に遊嵌配置されてい
る。
【0014】このくの字状レバー11の折曲点部分11
bには、ベッド6の下面に立設されたピン12が挿入さ
れており、該くの字状レバー11はピン12に揺動自在
に支持されている。くの字状レバー11の折曲点部分1
1bは、図2に示されるように、上下方向に厚みを有し
ており、この厚みを有する折曲点部分11b及びピン1
2を、上記下軸1が回転可能に貫く構成になされている
(図7参照)。くの字状レバー11の折曲点部分11b
における下軸1が貫く孔11cは、図7に示されるよう
に、X方向に広がる幅広孔になされており、この幅広孔
11cによって、くの字状レバー11が、下軸1に干渉
することなくピン12を支点としてX方向に揺動し得る
構成になされている。
【0015】上記くの字状レバー11における他方の端
部側の上面には角駒13が設けられている。この角駒1
3は、当該くの字状レバー11の他方の端部に螺合する
螺子11dによって、上方への抜けが防止されつつ回転
自在に支持されている。そして、この角駒13は、図
1、図2、図5に示されるように、布送り板14の先端
側に形成された長孔14a内に遊嵌配置されている。
【0016】この布送り板14は直線状の平板形状をな
しており、その先端側(図1における上側、図2におけ
る右側)が、ミシンベッド6に固定された布送り受け板
19に載置される構成になされている。すなわち、布送
り板14の先端側は、布送り受け板19に載置されると
共に、上記螺子11dの頭部との間に隙間を有しつつ当
該頭部によって上方への抜けが防止された状態で、揺動
し得る構成になされている。
【0017】そして、上記円筒カム4、円筒コロ9、へ
の字状レバー8、ピン7、角駒10、くの字状レバー1
1、ピン12、角駒13等によって、第1の移動手段2
0が構成されている。
【0018】一方、ミシンベッド6の右端部側下面には
ピン15が立設されており、このピン15には、直線状
レバー(移動部材)16の一方の端部が揺動自在に支持
されている。この直線状レバー16の略中央下面にはピ
ン16aが突設されており、このピン16aには円筒状
のコロ17が回転自在に支持されている。そして、この
円筒コロ17は、上記円筒カム5の螺旋状の凹部に係合
がなされている。上記直線状レバー16の他方の端部上
面にはピン18が立設されており、このピン18には、
上述した布送り板14の基端側が揺動自在に支持されて
いる。
【0019】そして、上記円筒カム5、円筒コロ17、
直線状レバー16、ピン15、ピン18等によって、第
2の移動手段21が構成されている。
【0020】上記布送り板14の基端側は、図2及び図
5に示されるように、ベッド6に立設された突部に開口
されX方向に広がる幅広孔6aに挿入されており、この
幅広孔6a内を布送り板14の基端側がX方向に揺動し
得る構成になされている。
【0021】布送り板14の上面の略中央部及び基端側
には、突部14b,14cがそれぞれ突設されており、
突部14cの両脇には平板状の突部14e,14eがそ
れぞれ設けられている。この突部14e上には中空円筒
状のパイプ材22が立設されており、このパイプ材22
の内部には、図6に示されるように、玉23が回転可能
に複数個収納されている。パイプ材22は、その上面が
突部14cの上面より低くなるようになされており、該
パイプ材22内に収納される玉23の下には、玉23の
一番高い位置がパイプ材22の上面より高くなるように
調整を行うシム24が配置されている。
【0022】そして、図5及び図6に示される布送り押
え板25がベッド6の表面側に螺子26により固定され
る。この時、布送り板14の突部14b,14cは、図
5に示されるように、布送り押え板25に形成された開
口部25a,25bからそれぞれ突出されると共に、上
記玉23は、図6に示されるように、該布送り押え板2
5により下方に押圧される。上記開口部25a,25b
は、布送り板14の突部14b,14cがX、Y方向に
揺動し得るようにX、Y方向に幅広に形成されている。
また、玉23は、布送り押え板25により下方に押圧さ
れても回転がなされることから、布送り板14はX、Y
方向に揺動し得る。
【0023】このように、布送り板14は、その基端側
が、布送り押え板25により下方に押圧された状態にな
され、その先端側が、上述したように布送り受け板19
に載置されると共に螺子11dの頭部との間に隙間を有
しつつ当該頭部によって上方への抜けが防止された状態
になされている。従って、布送り板14全体の上下方向
におけるガタツキは移動可能な最小限にされている。
【0024】再び図1及び図5に戻って、上記布送り板
14の突部14bには、雌螺子14fが形成されてお
り、この雌螺子14fに雄螺子26を螺合することによ
って、図2及び図5に示されるように、突部14bに対
する布押え下板28の固定がなされている。また、布送
り板14の突部14cには、図1及び図5に示されるよ
うに、雌螺子14gが形成されており、この雌螺子14
gに雄螺子27を螺合することによって、図2に示され
るように、突部14cに対する布送り台29の固定がな
されている。
【0025】この布送り台29の先端には、図2に示さ
れるように、布押え上げレバー31により上下動される
布押え足30が支持されており、この布押え足30と上
記布押え下板28の先端部分28aとの間に被縫製物と
しての例えば布を保持し得る構成になされている。
【0026】そして、上記布送り板14、布送り台2
9、布押え上げレバー31、布押え足30、布押え下板
28等によって、被縫製物保持手段32が構成されてい
る。
【0027】ところで、本実施形態においては、被縫製
物保持手段32のX方向の原点位置を検出するためのX
側原点センサ(原点位置検出手段)33、Y方向の原点
位置を検出するためのY側原点センサ(原点位置検出手
段)34がぞれぞれ設けられている(図1参照)。X側
原点センサ33は、上記への字状レバー8の上面に固定
された被検出体35と、この被検出体35を検出するた
めにベッド6側に固定された検出体36と、から構成さ
れる。
【0028】被検出体35は、図1及び図4に示される
ように、平板状をなしており、先端が下方に折り曲げら
れている。この折り曲げられた先端部35aは、図4に
示されるように、R形状になされている。このR形状
は、への字状レバー8がピン7を支点として揺動した時
に、先端部35aが後述の側板36a,36b間を揺動
通過し得るように形成がなされている。
【0029】一方、検出体36はコの字状をなしてお
り、上側が開放側となるように配設されている。コの字
を構成する一方の側板36aには発光素子が、他方の側
板36bには受光素子が、それぞれ設けられており、こ
れら発光・受光素子間を上記R先端部35aが通過し得
る構成になされている。すなわち、への字状レバー8が
ピン7を支点として揺動した時に、上記発光・受光素子
によってR先端部35aの有無を検出し得る構成になさ
れており、上記被縫製物保持手段32がX方向の原点に
達した時に、発光・受光素子によって該R先端部35a
が検出される構成になされている。
【0030】Y側原点センサ34は、上記直線状レバー
16の上面に固定された被検出体37と、この被検出体
37を検出するためにベッド6側に固定された検出体3
8と、から構成される。被検出体37は、図1及び図3
に示されるように、長尺な平板状をなしており、その先
端側部分(全体でも可)が、図3に示されるように、R
形状になされている。このR形状は、直線状レバー16
がピン15を支点として揺動した時に、先端側部分が後
述の側板38a,38b間を揺動通過し得るように形成
がなされている。
【0031】一方、検出体38はコの字状をなしてお
り、上側が開放側となるように配設されている。コの字
を構成する一方の側板38aには発光素子が、他方の側
板38bには受光素子が、それぞれ設けられており、こ
れら発光・受光素子間を上記R先端側部分が通過し得る
構成になされている。すなわち、直線状レバー16がピ
ン15を支点として揺動した時に、上記発光・受光素子
によってR先端側部分の有無を検出し得る構成になされ
ており、上記被縫製物保持手段32がY方向の原点に達
した時に、発光・受光素子によって該R先端側部分が検
出される構成になされている。
【0032】このように構成されたミシンでは、Xモー
タ2を駆動すると、円筒カム4の回転に従って円筒コロ
9がY方向に移動する。すると、への字状レバー8がピ
ン7を支点として図1に示される矢印E方向に揺動し、
この揺動に従ってくの字状レバー11がピン12を支点
として図1に示される矢印F方向に揺動し、この揺動に
従って布送り板14と共に布送り台29、布押え上げレ
バー31、布押え足30、布押え下板28、すなわち被
縫製物保持手段32がピン18を支点としてX方向に揺
動する。
【0033】また、Yモータ3を駆動すると、円筒カム
5の回転に従って直線状レバー16がピン15を支点と
して図1に示される矢印G方向に揺動し、上記被縫製物
保持手段32がY方向に揺動する。
【0034】すなわち、上記モータ3,4を回転駆動す
ることによって、被縫製物保持手段32を、X、Y方向
に揺動し得るようになっている。
【0035】そして、被縫製物保持手段32の原点位置
が、上記X側原点センサ33、Y側原点センサ34によ
って検出される。この原点位置の検出は、縫製開始前に
被縫製物保持手段32をX、Y方向に移動することによ
ってなされる。すなわち、X側原点センサ33にあって
は、への字状レバー8に固定された被検出体35のR先
端部35aが揺動して検出体36に検出された時に、被
縫製物保持手段32のX方向の原点位置が検出され、Y
側原点センサ34にあっては、直線状レバー16に固定
された被検出体37のR先端側部分が揺動して検出体3
8に検出された時に、被縫製物保持手段32のY方向の
原点位置が検出される。この原点位置の判定(例えばパ
ルス波の切り換わりエッジにより原点と判定すること)
は後述の第2のCPU49によってなされ、この原点検
出に基づいて該第2のCPU49によって当該原点位置
を基準とした被縫製物保持手段32の移動がなされて縫
製が行われることになる。なお、X側原点センサ33
(正確には被検出体35)をくの字状レバー11に設け
るようにしても同様な作用・効果を奏する。
【0036】図8は上記ミシンの制御系を表したブロッ
ク図である。同図において、符号48は第1のCPU
を、49は第2のCPUを、それぞれ示している。第1
のCPU48の出力側には、ミシンの上軸に回転駆動力
をダイレクトに伝達するモータ56が、I/F54、モ
ータドライバ55を介して接続されている。この第1の
CPU48の入力側には、ミシンのスタートスイッチ5
0、ミシンペダルの踏み込みを検出するペダルスイッチ
51が、各I/F(インターフェイス)52,53を介
してそれぞれ接続されていると共に、処理手順をプログ
ラム及び固定データの形で格納するROM57が接続さ
れている。そして、該第1のCPU48には、データ、
演算に使用する情報、演算結果等を記憶するRAM58
が入出力可能に接続されている。
【0037】上記第1のCPU48には、第2のCPU
49がI/F47を介して入出力可能に接続されてい
る。この第2のCPU49の出力側には、上述したXモ
ータ2、Yモータ3が、I/F61、モータドライバ6
2を介して接続されていると共に、上述した布押え足3
0を上げ下げするための押えマグネット63、糸切りを
行わせるための糸切りマグネット64が、I/F65、
マグネットドライバ66を介して接続されている。この
第2のCPU49の出力側にはまた、作業者に対して情
報を表示するためにパネル59に設けられている表示手
段59bが接続されている。この第2のCPU49の入
力側には、ミシン制御に必要な情報を入力するためにパ
ネル59に設けられている入力手段59aが接続されて
いると共に、上述したX側原点センサ33、Y側原点セ
ンサ34が、I/F60を介して接続されている。第2
のCPU49の入力側にはまた、固定データの形で情報
を格納するデータROM67、処理手順をプログラムの
形で格納するシステムROM68、書き込んだ情報、プ
リセットした情報を記憶していて電源がオフになっても
当該情報が消えることがないEEPROM69が接続さ
れている。そして、該第2のCPU49には、データ、
演算に使用する情報、演算結果等を記憶するRAM70
が入出力可能に接続されている。
【0038】そして、上記CPU48,49は、上述し
た各入力に従って、上述した各出力側に適宜駆動指令を
送出する構成になされている。
【0039】上記入力手段59a、表示手段59bから
なるパネル59(図9参照)は、ミシンテーブル上に載
置されている。上記入力手段50aは、図9に示される
ように、設定状態と縫製状態との切り換えを行う準備ス
イッチ71と、設定項目の選択を行う選択スイッチ72
と、各設定値のリセットを行う(表示値をデフォルト値
に戻す)リセットスイッチ73と、設定値を加算すると
共に送り前進を行う前進スイッチ74と、設定値を減算
すると共に送り後退を行う後退スイッチ75と、縫製パ
ターンと該縫製パターンにて縫製を行う際に必要な情報
(例えば縫製速度等)とを組み合わせた予め設定済みの
縫製パターン情報(詳しくは後述)をワンタッチで呼び
出すファンクションスイッチF1,F2,F3と、から
構成される。
【0040】上記表示手段50bは、縫製状態を点灯に
て示す縫製LED76と、設定項目の設定値を表示する
表示部LED77と、パターンNo.、X拡大率、Y拡
大率、スピード(速度)、カウンタ、糸巻きの各項目を
点灯にて示す設定項目LED78と、から構成される。
【0041】上記RAM70には、パターンNo.、X
拡大率、Y拡大率、スピード、カウンタの各情報、F
1、F2、F3情報、C1、C2、C3情報、ソフトス
タート情報、移動位置情報を変換した変換情報がそれぞ
れ格納される記憶領域を有している。パターンNo.に
は、1〜105までのNo.が格納される。No.1〜
99まではデータROM67に格納されているパターン
No.を表し、No.100はF1情報を、No.10
1はF2情報を、No.102はF3情報を、No.1
03はC1情報を、No.104はC2情報を、No.
103はC3情報を、それぞれ表す。
【0042】X拡大率には、20〜200の値が格納さ
れる(通常の値は100、20〜99までは正確には縮
小)。Y拡大率には、20〜200の値が格納される
(通常の値は100、20〜99までは正確には縮
小)。スピードには、400spm〜2700spmの
値が格納される。カウンタには、0枚〜9999枚の値
が格納される。
【0043】上記F1、F2、F3情報には、以下の表
1に示されるように、上述したパターンNo.、X拡大
率、Y拡大率、スピードの各情報を予め登録(入力)に
て組み合わせた情報が格納され、表1に示される情報が
F1、F2、F3に対応してそれぞれ格納される。すな
わち、縫製にあたって例えば上記F1,F2,F3情報
のうちの何れかを呼び出せば、この選択されたF情報に
従って縫製が行われる構成になされている。
【表1】
【0044】そして、上記選択スイッチ72を押しなが
ら電源を投入すると、上記F1、F2、F3情報の登録
モードに移行する。そして、先ずファンクションスイッ
チF1,F2,F3の何れかを押し、次いで上記選択ス
イッチ72を押して設定項目LED78のうちのパター
ンNo.に対応するLEDを点灯させ、次いで上記前進
スイッチ74、後退スイッチ75を押してデータROM
67に格納されている所望のパターンNo.を選択し、
次いで上記選択スイッチ72を押して設定項目LED7
8のうちのX拡大率に対応するLEDを点灯させ、次い
で上記前進スイッチ74、後退スイッチ75を押して所
望のX拡大率を選択し、次いで上記選択スイッチ72を
押して設定項目LED78のうちのY拡大率に対応する
LEDを点灯させ、次いで上記前進スイッチ74、後退
スイッチ75を押して所望のY拡大率を選択し、次いで
上記選択スイッチ72を押して設定項目LED78のう
ちのスピードに対応するLEDを点灯させ、次いで上記
前進スイッチ74、後退スイッチ75を押して所望の最
高速度を選択し、次いで上記準備スイッチ71をオンす
ることによって、パターンNo.、X拡大率、Y拡大
率、スピードの各情報の登録がなされる。そして、次に
他のファンクションスイッチを押して同様な入力を行う
ことによって他の登録がなされ、さらに他のファンクシ
ョンスイッチを押して同様な入力を行うことによってさ
らに他の登録がなされる。
【0045】上記C1、C2、C3情報には、以下の表
2、表3、表4に示されるように、上述したF1、F
2、F3情報を予め登録(入力)にて10個まで任意に
順番に並べた情報が格納される。C1情報では、例えば
F1、F2、F3、F1、F2、F3…という情報が記
憶され、C2情報では、例えばF1、F1、F2、F
2、F3、F3…という情報が記憶され、C3情報で
は、例えばF3、F2、F1、F3、F2、F1…とい
う情報が記憶される。すなわち、縫製にあたって例えば
上記C1情報を呼び出せば、このC1情報に従って、F
1、F2、F3、F1、F2、F3…という順番で順次
縫製が行われ、例えば上記C2情報を呼び出せば、この
C2情報に従って、F1、F1、F2、F2、F3、F
3…という順番で順次縫製が行われ、例えば上記C3情
報を呼び出せば、このC3情報に従って、F3、F2、
F1、F3、F2、F1…という順番で順次縫製が行わ
れる構成になされている。なお、登録個数が10に満た
ない場合には、表2、表4に示されるように、0が格納
される。
【表2】
【表3】
【表4】
【0046】そして、ファンクションスイッチF1と選
択スイッチ72を押しながら電源を投入すると、上記C
1情報の登録の開始がなされる。ここで、ファンクショ
ンスイッチF2と選択スイッチ72を押しながら電源を
投入すると、C2情報の登録の開始がなされ、ファンク
ションスイッチF3と選択スイッチ72を押しながら電
源を投入すると、C3情報の登録の開始がなされる。そ
して、例えばC1情報が選択された場合について述べる
と、先ずファンクションスイッチF1を押し、次いで選
択スイッチ72を押してパターンNo.100、すなわ
ちF1情報を呼び出せばC1情報の1番目の登録がF1
に設定され、次いでファンクションスイッチF2を押
し、次いで選択スイッチ72を押してパターンNo.1
01、すなわちF2情報を呼び出せばC1情報の2番目
の登録がF2に設定され、次いでファンクションスイッ
チF3を押し、次いで選択スイッチ72を押してパター
ンNo.102、すなわちF3情報を呼び出せばC1情
報の3番目の登録がF3に設定され、これら登録が10
個になるまで同様な処理を繰り返し、最後に上記準備ス
イッチ71をオンすることによって、例えばC1情報の
登録が完了する。そうしたら、そして、次には自動的に
C2情報の登録に移行するので、上記と同様な処理を行
ってC2情報の登録を行い、このC2情報の登録が完了
したら、自動的にC3情報の登録に移行するので、上記
と同様な処理を行ってC3情報の登録を行う。
【0047】また、上記準備スイッチ71と共にリセッ
トスイッチ73をオンして電源をオンすると、モード選
択に移行し、前進スイッチ74、後退スイッチ75を押
してスクロールすることによって、標準、厚物の設
定、送りタイミングの選択、ソフトスタートスピー
ド設定、糸切り後の針上げを行うか否かの選択、を登
録し得る構成になされている。
【0048】上記で標準を選択した場合(標準)に
は、Max2700spmで送り区間70%が登録さ
れ、厚物を選択した場合には、Max2300spmで
送り区間60%が登録される。上記では、0°(標
準)、−12°、−20°、−32°の何れかが選択登
録される。上記では、通常針位置停止(53°;標
準)、針棒上死点停止(0°)の何れかが選択登録され
る。
【0049】上記では、縫い始めの所定の針数分(本
実施形態においては5針分)に対するミシンの回転数
を、針数に対応して登録可能になされており、400〜
2700spmを任意に登録し得る構成になされてい
る。すなわち、本実施形態においては、以下の表5に示
されるように、第1針目を例えば400spmに、第2
針目を例えば700spmに、第3針目を例えば100
0spmに、第4針目を例えば1500spmに、第5
針目を例えば2000spmにする登録が行われてい
る。そして、これら情報は、上記RAM70のソフトス
タート情報に格納される構成になされている。
【表5】
【0050】また、上記RAM70には、移動位置情報
を変換した変換情報が格納される。以下、変換情報を記
憶している理由について以下説明する。図1乃至図7で
説明した上記ミシンでは、被縫製物保持手段32をX−
Y方向に揺動移動させるため、例えばX方向の移動にお
いてはその縫製領域が図10に示される仮想線で囲まれ
る扇形の領域Qとなる。一方、被縫製物保持手段32を
X−Y方向に直線移動させる場合にあっては図10に実
線で示される縫製領域Pとなる。すなわち、例えばX方
向に直線的に縫い目を形成しようとしても実際には円弧
状の縫い目が形成されることになる。
【0051】すなわち、例えば図11に示されるよう
に、原点A0からマイナスX方向に移動した位置B0に
被縫製物保持手段32を上記ミシンにて移動させた場
合、実際には、位置C0に移動することになる。このよ
うな問題はY方向においても同様に生じる。従って、被
縫製物保持手段32をX−Y方向に直線移動させる場合
の移動位置と被縫製物保持手段32を揺動に従って移動
させた場合の移動位置との位置誤差を補正する必要があ
る。
【0052】このような位置誤差は、縫製領域が小さい
場合には、縫い目が所望となっているか否かを肉眼で正
確に判断できないことから然程問題とならないが、縫製
領域を拡大した場合(上記X、Y拡大率を拡大した場
合)には、縫い目が所望となっていないことが肉眼で判
断できるようになることから特に問題となる。
【0053】そこで、本実施形態においては、図11で
説明した揺動移動位置C0を直線移動位置B0に変換し
た情報が、以下の表6に示されるように、格納されてい
る。そして、第2のCPU49は、上記表6を呼び出
し、この表6に示される変換データに従って当該被縫製
物保持手段32がこの補正位置に移動するように、上記
モータ2,3の出力軸の回転量を制御する構成になされ
ている。
【表6】
【0054】次に、このように構成されたミシンの動作
について、図12乃至図27に示されるフローチャート
に基づいて以下説明する。図12は当該ミシン動作を説
明するためのメインフローであり、先ずステップ1にお
いて、イニシャル処理を行う。このイニシャル処理のサ
ブルーチンを示したのが図13であり、このイニシャル
処理では、先ずステップ1において、モータの初期化を
行う。このモータの初期化では、モータ2,3を駆動し
て被縫製物保持手段32をX、Y移動することによっ
て、上述した被縫製物保持手段32の原点位置の検出を
行う。そして、被縫製物保持手段32は、当該原点位置
にて停止される。そうしたら、ステップ2に進み、ステ
ップ2において、上記選択スイッチ72により選択され
ることになる選択番号を0にする。ここで、選択番号0
はパターンNo.に対応し、1はX拡大率に対応し、2
はY拡大率に対応し、3はスピードに対応し、4はカウ
ンタに対応し、5は糸巻きに対応する構成になされてい
る。そうしたら、ステップ3に進み、ステップ3におい
て、表示処理を行う。
【0055】この表示処理のサブルーチンを示したのが
図14及び図15であり、この表示処理では、先ずステ
ップ1において、選択番号が0か否かの判定を行い、0
の場合にはステップ2に進み、ステップ2において、設
定項目LED78のうちのパターンNo.に対応するL
EDを点灯し、次いでステップ3に進み、ステップ3に
おいて、パターンNo.が99以下か否かの判定を行
い、99以下の場合にはステップ4に進み、ステップ4
において、そのパターンNo.を表示部LED77に表
示し、次いでステップ5に進む。上記ステップ3でパタ
ーンNo.が100以上と判定した場合もステップ5に
進む。ステップ5では、パターンNo.が100以上且
つ102以下か否かの判定を行い、100以上且つ10
2以下の場合にはステップ6に進み、ステップ6におい
て、100であればF1を、101であればF2を、1
02であればF3を表示部LED77に表示し、次いで
ステップ7に進む。上記ステップ5でパターンNo.が
103以上と判定した場合もステップ7に進む。ステッ
プ7では、パターンNo.が103以上か否かの判定を
行い、103以上の場合にはステップ8に進み、ステッ
プ8において、103であればC1を、104であれば
C2を、105であればC3を表示部LED77に表示
し、次いでステップ9に進む。上記ステップ7で103
以上でないと判定した場合、上記ステップ1で選択番号
が0でないと判定した場合もステップ9に進む。
【0056】ステップ9では、選択番号が1か否かの判
定を行い、1の場合にはステップ10に進み、ステップ
10において、設定項目LED78のうちのX拡大率に
対応するLEDを点灯し、次いでステップ11に進み、
ステップ11において、そのX拡大率を表示部LED7
7に表示し、次いでステップ12に進む。上記ステップ
9で1でないと判定した場合もステップ12に進む。
【0057】ステップ12では、選択番号が2か否かの
判定を行い、2の場合にはステップ13に進み、ステッ
プ13において、設定項目LED78のうちのY拡大率
に対応するLEDを点灯し、次いでステップ14に進
み、ステップ14において、そのY拡大率を表示部LE
D77に表示し、次いでステップ15に進む。ステップ
12で2でないと判定した場合もステップ15に進む。
【0058】ステップ15では、選択番号が3か否かの
判定を行い、3の場合にはステップ16に進み、ステッ
プ16において、設定項目LED78のうちのスピード
に対応するLEDを点灯し、次いでステップ17に進
み、ステップ17において、そのスピードを表示部LE
D77に表示し、次いで図15に示されるステップ18
に進む。ステップ15で3でないと判定した場合も図1
5に示されるステップ18に進む。
【0059】図15に示されるステップ18では、選択
番号が4か否かの判定を行い、4の場合にはステップ1
9に進み、ステップ19において、設定項目LED78
のうちのカウンタに対応するLEDを点灯し、次いでス
テップ20に進み、ステップ20において、そのカウン
タ値を表示部LED77に表示し、次いでステップ21
に進む。ステップ18で4でないと判定した場合もステ
ップ21に進む。
【0060】ステップ21では、選択番号が5か否かの
判定を行い、5の場合にはステップ22に進み、ステッ
プ22において、設定項目LED78のうちの糸巻きに
対応するLEDを点灯し、次いでステップ23に進み、
ステップ23において、表示部LED77に“−−−”
表示し、そうしたら図12のメインフローに示されるス
テップ2に進む。ステップ21で5でないと判定した場
合も図12のメインフローに示されるステップ2に進
む。
【0061】図12のメインフローに示されるステップ
2では、縫製条件設定処理が行われる。この縫製条件設
定処理のサブルーチンを示したのが図16であり、この
縫製条件設定処理では、先ずステップ1において、選択
スイッチ72がオンであるか否かを判定し、オンの場合
にはステップ2に進み、ステップ2において、選択番号
を+1してステップ3に進み、ステップ3において、選
択番号が5より大きいか否かを判定し、大きい場合には
ステップ4に進み、ステップ4において、選択番号を0
にリセットしてステップ5に進む。上記ステップ3で選
択番号が5以下と判定した場合もステップ5に進む。ス
テップ5では、図14及び図15で説明した表示処理を
行ってステップ6に進む。上記ステップ1で選択スイッ
チ72がオフであると判定した場合もステップ6に進
み、ステップ6において、Fキー処理、すなわち上述し
たF1,F2,F3(表1参照)、C1,C2,C3
(表2〜表4参照)の登録を行ってステップ7に進む。
【0062】ステップ7では、選択番号が0か否かを判
定し、0の場合にはステップ8に進み、ステップ8にお
いて、パターンNo.変更処理を行う。このパターンN
o.変更処理のサブルーチンを示したのが図17であ
り、このパターンNo.変更処理では、先ずステップ1
において、前進スイッチ74がオンか否かを判定し、オ
ンの場合にはステップ2に進み、ステップ2において、
パターンNo.を+1してステップ3に進み、ステップ
3において、パターンNo.が105より大きいか否か
を判定し、大きい場合にはステップ4に進み、ステップ
4において、パターンNo.を1にリセットしてステッ
プ5に進む。上記ステップ3でパターンNo.が105
以下と判定した場合もステップ5に進む。
【0063】ステップ5では、図14及び図15で説明
した表示処理を行ってステップ6に進む。上記ステップ
1で前進スイッチ74がオフと判定した場合もステップ
6に進み、ステップ6において、後退スイッチ75がオ
ンか否かを判定し、オンの場合にはステップ7に進み、
ステップ7において、パターンNo.を−1してステッ
プ8に進み、ステップ8において、パターンNo.が1
より小さいか否かを判定し、小さい場合にはステップ9
に進み、ステップ9において、パターンNo.を105
にリセットしてステップ10に進む。上記ステップ8で
パターンNo.が1以上と判定した場合もステップ10
に進む。ステップ10では、図14及び図15で説明し
た表示処理を行って図12のメインフローに示されるス
テップ3に進む。ステップ6で後退スイッチ75がオフ
と判定した場合も図12のメインフローに示されるステ
ップ3に進む。
【0064】図16に示されるステップ7で、選択番号
が0ではないと判定した場合にはステップ9に進み、ス
テップ9において、選択番号が1か否かを判定し、1の
場合にはステップ10に進み、ステップ10において、
X拡大率変更処理を行う。このX拡大率変更処理のサブ
ルーチンを示したのが図18であり、このX拡大率変更
処理では、先ずステップ1において、前進スイッチ74
がオンか否かを判定し、オンの場合にはステップ2に進
み、ステップ2において、X拡大率を+1してステップ
3に進み、ステップ3において、X拡大率が200より
大きいか否かを判定し、大きい場合にはステップ4に進
み、ステップ4において、X拡大率を200にリセット
してステップ5に進む。上記ステップ3でX拡大率が2
00以下と判定した場合もステップ5に進む。
【0065】ステップ5では、図14及び図15で説明
した表示処理を行ってステップ6に進む。上記ステップ
1で前進スイッチ74がオフと判定した場合もステップ
6に進み、ステップ6において、後退スイッチ75がオ
ンか否かを判定し、オンの場合にはステップ7に進み、
ステップ7において、X拡大率を−1してステップ8に
進み、ステップ8において、X拡大率が20より小さい
か否かを判定し、小さい場合にはステップ9に進み、ス
テップ9において、X拡大率を20にリセットしてステ
ップ10に進む。上記ステップ8でX拡大率が20以上
と判定した場合もステップ10に進む。ステップ10で
は、図14及び図15で説明した表示処理を行って図1
2のメインフローに示されるステップ3に進む。ステッ
プ6で後退スイッチ75がオフと判定した場合も図12
のメインフローに示されるステップ3に進む。
【0066】図16に示されるステップ9で、選択番号
が1ではないと判定した場合にはステップ11に進み、
ステップ11において、選択番号が2か否かを判定し、
2の場合にはステップ12に進み、ステップ12におい
て、Y拡大率変更処理を行う。このY拡大率変更処理の
サブルーチンを示したのが図19である。このY拡大率
変更処理は、図18で説明したX拡大率変更処理のXを
Yに置き換えたものなので、ここでの説明は省略する。
【0067】図16に示されるステップ11で、選択番
号が2ではないと判定した場合にはステップ13に進
み、ステップ13において、選択番号が3か否かを判定
し、3の場合にはステップ14に進み、ステップ14に
おいて、スピード変更処理を行う。このスピード変更処
理のサブルーチンを示したのが図20であり、このスピ
ード変更処理では、先ずステップ1において、前進スイ
ッチ74がオンか否かを判定し、オンの場合にはステッ
プ2に進み、ステップ2において、スピードを+100
spmしてステップ3に進み、ステップ3において、ス
ピードが2700spmより大きいか否かを判定し、大
きい場合にはステップ4に進み、ステップ4において、
スピードを2700にリセットしてステップ5に進む。
上記ステップ3でスピードが2700以下と判定した場
合もステップ5に進む。
【0068】ステップ5では、図14及び図15で説明
した表示処理を行ってステップ6に進む。上記ステップ
1で前進スイッチ74がオフと判定した場合もステップ
6に進み、ステップ6において、後退スイッチ75がオ
ンか否かを判定し、オンの場合にはステップ7に進み、
ステップ7において、スピードを−100spmしてス
テップ8に進み、ステップ8において、スピードが40
0spmより小さいか否かを判定し、小さい場合にはス
テップ9に進み、ステップ9において、スピードを40
0にリセットしてステップ10に進む。上記ステップ8
でスピードが400以上と判定した場合もステップ10
に進む。ステップ10では、図14及び図15で説明し
た表示処理を行って図12のメインフローに示されるス
テップ3に進む。ステップ6で後退スイッチ75がオフ
と判定した場合も図12のメインフローに示されるステ
ップ3に進む。
【0069】図16に示されるステップ13で、選択番
号が3ではないと判定した場合にはステップ15に進
み、ステップ15において、選択番号が4か否かを判定
し、4の場合にはステップ16に進み、ステップ16に
おいて、カウンタ変更処理を行う。このカウンタ変更処
理のサブルーチンを示したのが図21であり、このカウ
ンタ変更処理では、先ずステップ1において、前進スイ
ッチ74がオンか否かを判定し、オンの場合にはステッ
プ2に進み、ステップ2において、カウンタを+1枚し
てステップ3に進み、ステップ3において、カウンタが
9999枚より大きいか否かを判定し、大きい場合には
ステップ4に進み、ステップ4において、カウンタを0
にリセットしてステップ5に進む。上記ステップ3でカ
ウンタが9999以下と判定した場合もステップ5に進
む。
【0070】ステップ5では、図14及び図15で説明
した表示処理を行ってステップ6に進む。上記ステップ
1で前進スイッチ74がオフと判定した場合もステップ
6に進み、ステップ6において、後退スイッチ75がオ
ンか否かを判定し、オンの場合にはステップ7に進み、
ステップ7において、カウンタを−1枚してステップ8
に進み、ステップ8において、カウンタが0枚より小さ
いか否かを判定し、小さい場合にはステップ9に進み、
ステップ9において、カウンタを9999にリセットし
てステップ10に進む。上記ステップ8でカウンタが0
以上と判定した場合もステップ10に進む。
【0071】ステップ10では、図14及び図15で説
明した表示処理を行ってステップ11に進む。ステップ
6で後退スイッチ75がオフと判定した場合もステップ
11に進み、ステップ11において、リセットスイッチ
73がオンされてクリアが設定されているか否かを判定
し、クリアであればステップ12に進み、ステップ12
において、カウンタを0にリセットしてステップ13に
進み、ステップ13において、図14及び図15で説明
した表示処理を行って図12のメインフローに示される
ステップ3に進む。ステップ11でクリアと判定しない
場合も図12のメインフローに示されるステップ3に進
む。
【0072】図16に示されるステップ15で、選択番
号が4ではないと判定した場合にはステップ17に進
み、ステップ17において、選択番号が5か否かを判定
し、5の場合にはステップ18に進み、ステップ18に
おいて、糸巻き処理を行う。この糸巻き処理のサブルー
チンを示したのが図22であり、この糸巻き処理では、
先ずステップ1において、準備スイッチ71がオンか否
かを判定し、オンの場合にはステップ2に進み、ステッ
プ2において、布押え足30を下降してステップ3に進
み、ステップ3において、再度準備スイッチ71がオン
か否かを判定し、オフの場合には糸巻きの意志ありとし
てステップ4に進み、ステップ4において、ミシンのス
タートスイッチ50がオンされているか否かを判定し、
オフの場合にはステップ3にリターンし、オンの場合に
はステップ5に進み、ステップ5において、ミシンを駆
動して糸巻きを行ってステップ6に進み、ステップ6に
おいて、再度スタートスイッチ50がオンされているか
否かを判定し、オフの場合には未だ終了ではないとして
ステップ5にリターンし、オンの場合には終了だとして
ステップ7に進み、ステップ7において、ミシンを停止
してステップ3にリターンする。
【0073】一方、ステップ3で再度準備スイッチ71
がオンされたと判定した場合には糸巻きの意志なしとし
てステップ8に進み、ステップ8において、布押え足3
0を上昇して図12のメインフローに示されるステップ
3に進む。一方、図16に示されるステップ17で、選
択番号が5ではないと判定した場合も図12のメインフ
ローに示されるステップ3に進む。
【0074】図12のメインフローに示されるステップ
3では、準備スイッチ71がオンか否かを判定し、オフ
の場合にはステップ2にリターンし、オンの場合にはス
テップ4に進み、ステップ4において、準備処理を行
う。この準備処理のサブルーチンを示したのが図23で
あり、この準備処理では、先ずステップ1において、布
押え足30を下降してステップ2に進み、ステップ2に
おいて、被縫製物保持手段32を縫い始めの位置に移動
してステップ3に進み、ステップ3において、縫製状態
LED76を点灯して図12のメインフローに示される
ステップ5に進む。
【0075】図12のメインフローに示されるステップ
5では、待機処理を行う。この待機処理のサブルーチン
を示したのが図24であり、この待機処理では、先ずス
テップ1において、選択スイッチ72がオンか否かを判
定し、オンの場合にはステップ2に進み、ステップ2に
おいて、選択番号を+1してステップ3に進み、ステッ
プ3において、選択番号が4より大きいか否かを判定
し、大きい場合にはステップ4に進み、ステップ4にお
いて、選択番号を0にリセットしてステップ5に進む。
すなわち、この待機処理にあっては、縫製待機であるこ
とから、選択番号5に対応する糸巻き処理を行わせない
ようになされている。上記ステップ3で選択番号が4以
下と判定した場合もステップ5に進む。
【0076】ステップ5では、図14及び図15で説明
した表示処理を行ってステップ6に進む。上記ステップ
1で選択スイッチ72がオフと判定した場合もステップ
6に進み、ステップ6において、選択番号が0か否かを
判定し、0の場合にはステップ7に進み、ステップ7に
おいて、サイクルパターンを選択しているか否か、すな
わちC1,C2,C3情報を選択しているか否かを判定
し、サイクルパターンを選択している場合にはステップ
8に進み、ステップ8において、サイクル縫い処理を行
う。
【0077】このサイクル縫い処理は、C1,C2,C
3情報に順列記憶されているF1,F2,F3情報を、
上記前進スイッチ74、後退スイッチ75を操作しなが
ら必要に応じて任意にスキップし得るように変更できる
処理である。すなわち、例えば上記表1に示されるよう
なC1情報を選択している場合に、第2番目、第5番
目、第8番目をスキップし得るように選択すれば、表1
に示されるC1情報であってもF2がスキップされてF
1,F3,F1,F3,F1,F3…という順列で縫製
がなされることになる。そうしたら、ステップ9に進
み、一方上記ステップ7でサイクルパターンを選択して
いないと判定した場合もステップ9に進み、上記ステッ
プ6で選択番号が0ではないと判定した場合もステップ
9に進む。
【0078】ステップ9では、選択番号が4か否かを判
定し、4と判定した場合にはステップ10に進み、ステ
ップ10において、図21で説明したカウンタ変更処理
を行って図12のメインフローに示されるステップ6に
進む。ステップ9で選択番号が4ではないと判定した場
合も図12のメインフローに示されるステップ6に進
む。
【0079】図12のメインフローに示されるステップ
6では、再度準備スイッチ71がオンか否かを判定し、
オンされたと判定した場合にはリセットされたとしてス
テップ7に進み、ステップ7において、縫製LED76
を消灯してステップ2にリターンする。一方、ステップ
6で準備スイッチ71がオフと判定した場合にはリセッ
トされていないとしてステップ8に進み、ステップ8に
おいて、ミシンのペダルスイッチ51が一段踏み込まれ
たか否かを判定し、踏み込まれていない場合にはステッ
プ5にリターンし、踏み込まれた場合にはステップ9に
進み、ステップ9において、布押え足30を下降してス
テップ10に進み、ステップ10において、ペダルスイ
ッチ51が二段踏み込まれたか否かを判定し、踏み込ま
れない場合には縫製の意志がないとしてステップ11に
進み、ステップ11において、布押え足30を上昇して
ステップ5にリターンする。
【0080】一方、ステップ10でペダルスイッチ51
が二段踏み込まれた場合にはステップ12に進み、ステ
ップ12において、前進スイッチ74がオンか否かを判
定し、オンの場合には被縫製物保持手段32を移動する
意志ありとしてステップ13に進み、ステップ13にお
いて、押え移動処理を行う。
【0081】この押え移動処理のサブルーチンを示した
のが図25であり、この押え移動処理では、先ずステッ
プ1において、被縫製物保持手段32を1針分送り進め
てステップ2に進み、ステップ2において、前進スイッ
チ74がオンか否かを判定し、オンの場合にはステップ
1にリターンしてさらに被縫製物保持手段32を1針分
送り進める。一方、ステップ2で前進スイッチ74がオ
フと判定した場合にはステップ3に進み、ステップ3に
おいて、後退スイッチ75がオンか否かを判定し、オン
の場合にはステップ4に進み、ステップ4において、被
縫製物保持手段32を1針分送り戻してステップ5に進
む。一方、ステップ3で後退スイッチ75がオフと判定
した場合もステップ5に進む。ステップ5では、リセッ
トスイッチ73がオンか否かを判定し、オンの場合には
縫製の意志なしとしてステップ6に進み、ステップ6に
おいて、被縫製物保持手段32を縫い始めの位置に戻し
てステップ7に進み、ステップ7において、布押え足3
0を上昇して図12のメインフローに示されるステップ
5にリターンする。
【0082】一方、ステップ5でリセットスイッチ73
がオフと判定した場合には縫製の意志ありとしてステッ
プ8に進み、ステップ8において、ミシンのスタートス
イッチ50がオンか否かを判定し、オフの場合にはステ
ップ2にリターンし、オンの場合にはステップ9に進
み、ステップ9において、縫製処理を行う。
【0083】この縫製処理のサブルーチンを示したのが
図26であり、この縫製処理では、先ずステップ1にお
いて、縫製を行う。この縫製のサブルーチンを示したの
が図27であり、この縫製では、先ずステップ1におい
て、針数が1〜5針目か否かを判定し、1〜5針目の場
合にはステップ2に進み、ステップ2において、上記ソ
フトスタート情報(表5参照)に従ったスピードでミシ
ンを回転してステップ4に進む。一方、ステップ1で6
針目以上と判定した場合には、ステップ3に進み、ステ
ップ3において、登録されているスピードでミシンを回
転してステップ4に進む。
【0084】ステップ4では、上記表6に示した変換デ
ータを呼び出してステップ5に進み、ステップ5におい
て、この変換データ位置に被縫製物保持手段32が移動
するようにモータ2,3を駆動する。すなわち。このス
テップ4,5によって揺動による位置誤差の補正がなさ
れる。そうしたら、ステップ6に進み、糸切りか否かを
判定し、糸切りを行わない場合、すなわち未だ縫製を行
う場合にはステップ1にリターンし、糸切りを行う場合
にはステップ7に進み、ステップ7において、糸切りを
行って図26の縫製処理サブルーチンに示されるステッ
プ2に進む。
【0085】図26の縫製処理サブルーチンに示される
ステップ2では、布押え足30を上昇してステップ3に
進み、ステップ3において、サイクルパターンか否か、
すなわちC1,C2,C3情報(表2〜表4参照)を選
択しているか否かを判定し、サイクルパターンを選択し
ている場合には、ステップ4に進み、ステップ4におい
て、パターン更新処理、すなわち順列記憶されている次
のF1,F2,F3情報(表1参照)を呼び出してステ
ップ5に進む。
【0086】一方、ステップ3でサイクルパターンでは
ないと判定した場合もステップ5に進み、ステップ5に
おいて、次の縫製をすべく被縫製物保持手段32を縫い
始めの位置に移動してステップ6に進み、ステップ6に
おいて、カウンタを+1してステップ7に進み、ステッ
プ7において、カウンタが9999より大きいか否か、
すなわちカウンタがオーバーフローしているか否かを判
定し、カウンタが9999より大きい場合にはステップ
8に進み、ステップ8において、カウンタを0にリセッ
トしてステップ9に進む。一方、ステップ7で、カウン
タが9999以下の場合もステップ9に進み、ステップ
9において、図14及び図15で説明した表示処理を行
って図12のメインフローに示されるステップ14に進
む。
【0087】図12のメインフローに示されるステップ
14では、ミシンのスタートスイッチ50がオンか否か
を判定し、オフの場合にはステップ10にリターンし、
オンの場合にはステップ15に進み、ステップ15にお
いて、上記図26で説明した縫製処理を行ってステップ
5にリターンする。
【0088】以上説明したように、本実施形態において
は、被検出体35(37)を揺動(移動)を行う移動部
材8(16)に、検出体36(38)をミシンの固定側
に、それぞれ配設しているため、被縫製物保持手段32
の原点位置の検出を、繰り返し検出がなされ得るモータ
出力軸2a(3a)に関連してではなく1回検出がなさ
れ得る移動部材8(16)に関連して行うことができる
ようになっており、モータ出力軸2a(3a)の回転範
囲に拘らず、被縫製物保持手段32の原点位置を正確に
検出できるようになっている。特に、被縫製物保持手段
32のX−Y方向の縫製領域を拡大するにあたっては、
被縫製物保持手段32の移動範囲を拡大するためにモー
タ出力軸2a(3a)の回転範囲を増加する必要がある
が、上記のように、被縫製物保持手段32の原点位置の
検出を移動部材8(16)に関連して行うようにしてい
るため、モータ出力軸2a(3a)の回転範囲が増加さ
れても全く影響を受けずに被検出体35(37)の1回
検出をできるようになっている。なお、このような構成
を、特公昭60−17548号公報記載のミシン、すな
わち、X,Yモータによって被縫製物保持手段32をX
−Y方向に直線移動させるミシンに対しても同様に適用
できる。
【0089】また、被検出体35(37)を、該被検出
体35(37)が検出体36(38)間を揺動通過可能
なR形状としているため、移動部材8(16)と共にこ
の移動部材8(16)に配設された被検出体35(3
7)が揺動しても、被検出体35(37)と検出体36
(38)とが干渉しないようになっている。
【0090】なお、上記実施形態においては、被検出体
35(37)を揺動を行う移動部材8(16)に、検出
体36(38)をミシンの固定側に、それぞれ配設する
ようにしているが、検出体36(38)を移動部材8
(16)に、被検出体35(37)をミシンの固定側
に、それぞれ配設するようにしても良い。また、上記実
施形態においては、被検出体35(37)を、該被検出
体35(37)が検出体36(38)間を揺動通過可能
なR形状としているが、検出体36(38)も同様なR
形状とすれば、さらに干渉の確率が低減される。
【0091】また、上記実施形態においては、以下の効
果もある。すなわち、被縫製物保持手段32をX方向に
揺動させるくの字状レバー11、への字状レバー8によ
ってXモータ2を下軸1の直下に配置し得る構成を採用
しているため、特開平8−84877号公報に記載のよ
うにモータを下軸1の両脇に配置しなければならないミ
シンに比して、コンパクト化が図れると共に設計の自由
度を向上し得るようになっている。なお、くの字状レバ
ー11、への字状レバー8の形状をさらに変更すること
により、Xモータ2を下軸1の右側に配置することも可
能であり、このように構成することによって、さらに上
記コンパクト化及び設計の自由度を向上することが可能
である。
【0092】また、円筒カム4(5)をモータ出力軸2
a(3a)に直結する構成を採用しているため、特開平
8−84877号公報に記載のようにカップリングを介
して連結するものに比して、低コスト化が図られてい
る。
【0093】また、縫製パターン情報F1,F2,F3
を所定の個数順列記憶可能な記憶領域を複数備え、すな
わちサイクルパターン情報をC1、C2、C3というよ
うに複数備え、複数の記憶領域の選択に従って、選択さ
れた記憶領域に順列記憶されている縫製パターン情報F
1,F2,F3を順次読み出してパターン縫いを順列記
憶した順に順次行わせるようにしているため、該サイク
ルパターン情報を一つしか有しない従来のものに比し
て、縫製パターン情報F1,F2,F3の順列記憶の設
定を一々し直すことなく直ちに他のサイクル縫いに移行
できるようになっており、他のサイクル縫いに移行する
際のロスタイムをなくすことが可能となっている。
【0094】また、縫い始めの所定の針数分(本実施形
態においては5針分)に対するミシンの回転数を、針数
に対応して設定可能な構成を採用しているため、縫製開
始時の所定の針数分ミシン回転数を作業者の要求に従っ
た所望の回転数にし得るようになっており、作業性を向
上することが可能となっている。
【0095】また、被縫製物保持手段32をX−Y方向
に直線移動させる場合の移動位置と被縫製物保持手段3
2を揺動に従って移動させた場合の移動位置との位置誤
差を補正可能な構成を採用しているため、所望の奇麗な
縫い目を形成することができるようになっている。な
お、当該位置誤差の補正を、縫い目が所望となっていな
いことを肉眼で判断し得る縫製領域の拡大時に行うよう
にし、縫製領域が小さく縫い目が所望となっているか否
かを肉眼で正確に判断できないような場合には特に位置
誤差の補正を行わないようにすれば、位置誤差の補正が
行われない場合における被縫製物保持手段32の移動時
間を短くでき、位置誤差の補正を敢えて必要としない場
合における被縫製物保持手段32の応答性の向上を図る
ことができる。
【0096】また、被縫製物保持手段32の移動、停
止、方向転換時にモータ出力軸2a,3aに作用する力
を、円筒カム4,5、円筒コロ9,17によって、回転
方向の力としては与えないようにしているため(スラス
ト方向の力で受けるようにしているため)、モータ出力
軸2a,3aに対してラジアル方向の力として作用する
従来のものに比して、モータを小型化できるようになっ
ている。
【0097】なお、このようにモータ出力軸に作用する
ラジアル方向の力を軽減し、モータを小型化し得る他の
実施形態を表したのが図28乃至図30であり、図28
乃至図30に示される実施形態は、Y側の駆動系に適用
したものである。
【0098】すなわち、図28にあっては、直線状レバ
ー16の略中央下面に突設されるピン16aが、円板4
0に形成された溝カム40aに遊嵌配置されている。こ
の円板40の中央部分は、ミシンベッド6内に立設する
ように固定されたYモータ41の出力軸41aに固定さ
れている。
【0099】また、図29にあっては、直線状レバー1
6の略中央下面に突設されるピン16aが、円板40に
形成された溝カム40aに遊嵌配置されている。この円
板40の中央部分には軸42が固定されており、この軸
42は回転自在に支持されている。この軸42の下端部
には傘歯車43が固定されており、この傘歯車43には
傘歯車44が噛み合わされている。そして、この傘歯車
44は、上記直線状レバー16と平行をなすようにミシ
ンベッド6内に固定されたYモータ45の出力軸45a
に固定されている。
【0100】また、図30にあっては、直線状レバー1
6の略中央下面に突設されるピン16aが、円板40に
形成された溝カム40aに遊嵌配置されている。この円
板40の中央部分には軸46が固定されており、この軸
46は回転自在に支持されている。該円板40の周面に
は傘歯車40bが形成されており、この傘歯車40bに
は傘歯車44が噛み合わされている。そして、この傘歯
車44は、上記直線状レバー16と平行をなすようにミ
シンベッド6内に固定されたYモータ45の出力軸45
aに固定されている。
【0101】このように図28乃至図30に示されるよ
うに構成すれば、溝カム40aの形状に従って、モータ
出力軸に対するラジアル方向の力が吸収されて軽減され
るため、先に説明した実施形態と同様にモータを小型化
することが可能となる。
【0102】そして、図28乃至図30に示される構成
をX側の駆動系にも適用できるというのはいうまでもな
い。
【0103】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例
えば、上記実施形態においては、電子サイクルミシンと
しての例えば閂止めミシンに対する適用例が述べられて
いるが、他のミシンに対しても同様に適用可能であり、
要は被縫製物保持手段32をXモータ2、Yモータ3に
よってミシンベッド表面に沿うX−Y方向に移動させ、
縫針と上記被縫製物との相対位置を変化させながら縫製
を行うミシンに対して適用できる。
【0104】なお、上記実施形態においては、原点セン
サ33,34(正確には被検出体及び検出体の何れか一
方)を移動部材8,16に設けるようにしているが、ど
うしてもモータ出力軸に設けるというのであれば、モー
タ2,3を両軸モータとして、円筒カム4,5が連結さ
れる軸とは反対側の軸に設けるのが良い。このように構
成すれば、原点センサ33,34に対する油、塵等の付
着が防止されることから、検出精度の向上を図ることが
できる。
【0105】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1のミシン
は、被検出体及び検出体の何れか一方を移動を行う移動
部材に、他方をミシンの固定側に、それぞれ配設し、被
縫製物保持手段の原点位置の検出を、繰り返し検出がな
され得るモータ出力軸に関連してではなく1回検出がな
され得る移動部材に関連して行うように構成したもので
あるから、第1、第2のモータの出力軸の回転範囲に拘
らず、被縫製物保持手段の原点位置を正確に検出でき、
もってミシンの信頼性を向上することが可能となる。特
に、被縫製物保持手段のX−Y方向の縫製領域を拡大す
るにあたっては、被縫製物保持手段の移動範囲を拡大す
るためにモータ出力軸の回転範囲を増加する必要がある
が、請求項1のように、被縫製物保持手段の原点位置の
検出を移動部材に関連して行うようにすれば、モータ出
力軸の回転範囲が増加されても全く影響を受けずに被検
出体の1回検出をできることから、特に有効である。
【0106】また、請求項2のミシンは、上記請求項1
に加えて、移動部材を一軸を支点として揺動可能とし、
被検出体及び検出体の少なくとも被検出体を、該被検出
体が検出体間を揺動通過可能なR形状とし、移動部材と
共にこの移動部材に配設された被検出体または検出体が
揺動しても被検出体と検出体とが干渉しないように構成
したものであるから、請求項1の効果を一層高めること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるミシンのベッド内
部を表した平面図である。
【図2】同上ミシンの一部破断側面図である。
【図3】図1に示したY側原点位置検出手段を表した拡
大平面図である。
【図4】図1に示したX側原点位置検出手段を図1中の
A−A方向から見た拡大斜視図である。
【図5】布送り板、布送り受け板、布送り押え板、布押
え板を表した分解斜視図である。
【図6】図5に示した部品を組み立て後当該組み立て部
品を図5中のB−B方向から見た拡大側面図である。
【図7】図2中のC−C矢示図である。
【図8】同上ミシンの制御系を表したブロック図であ
る。
【図9】同上ミシンに付設されるパネルを表した正面図
である。
【図10】被縫製物保持手段を揺動移動する際の問題点
を表した説明図である。
【図11】被縫製物保持手段の揺動位置と直線移動位置
との位置誤差を補正する場合の説明図である。
【図12】同上ミシンの制御手順を表したフロー図であ
る。
【図13】イニシャル処理を表したフロー図である。
【図14】表示処理を表したフロー図である。
【図15】図14に続くフロー図である。
【図16】縫製条件設定処理を表したフロー図である。
【図17】パターンNo.変更処理を表したフロー図で
ある。
【図18】X拡大変更処理を表したフロー図である。
【図19】Y拡大変更処理を表したフロー図である。
【図20】スピード変更処理を表したフロー図である。
【図21】カウンタ変更処理を表したフロー図である。
【図22】糸巻き処理を表したフロー図である。
【図23】準備処理を表したフロー図である。
【図24】待機処理を表したフロー図である。
【図25】押え移動処理を表したフロー図である。
【図26】縫製処理を表したフロー図である。
【図27】縫製を表したフロー図である。
【図28】Y側の駆動系の他の実施形態を表した概略斜
視図である。
【図29】Y側の駆動系のさらに他の実施形態を表した
概略斜視図である。
【図30】Y側の駆動系のさらに他の実施形態を表した
概略斜視図である。
【符号の説明】
2 第1のモータ 3 第2のモータ 6 ミシンベッド 7,15 一軸 8,16 移動部材 20 第1の移動手段 21 第2の移動手段 32 被縫製物保持手段 33,34 原点位置検出手段 35,37 被検出体 36,38 検出体 49 第2のCPU X 一方向 Y 一方向と直交する方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂井 克秋 東京都調布市国領町8丁目2番地の1 ジ ューキ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被縫製物を保持しミシンベッド上に配置
    された被縫製物保持手段と、第1のモータの回転駆動力
    をミシンベッド表面に沿う一方向の力に変換して前記被
    縫製物保持手段に伝達する第1の移動手段と、第2のモ
    ータの回転駆動力をミシンベッド表面に沿い前記一方向
    と略直交する方向の力に変換して前記被縫製物保持手段
    に伝達する第2の移動手段と、をして、縫針と前記被縫
    製物との相対位置を変化させて縫製を行うミシンであっ
    て、 前記被縫製物保持手段の原点位置を検出するための原点
    位置検出手段を備えたミシンにおいて、 前記移動手段は、移動する移動部材を備え、 前記原点位置検出手段は、被検出体と、この被検出体を
    検出する検出体と、から構成され、 前記被検出体及び検出体の何れか一方を前記移動部材
    に、他方をミシンの固定側に、それぞれ配設し、 前記検出体による被検出体の検出の有無に従って前記被
    縫製物保持手段の原点位置を検出可能としたミシン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のミシンにおいて、 移動部材は一軸を支点として揺動し、 この移動部材の揺動時に、被検出体による検出体間の通
    過に従って被検出体の有無を検出し、 被検出体及び検出体の少なくとも被検出体を、該被検出
    体が検出体間を揺動通過可能なR形状としたことを特徴
    とするミシン。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100987858B1 (ko) * 2002-07-20 2010-10-13 뒤르콥 아들러 악티엔게젤샤프트 눈형상의 단추구멍 재봉기구

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100987858B1 (ko) * 2002-07-20 2010-10-13 뒤르콥 아들러 악티엔게젤샤프트 눈형상의 단추구멍 재봉기구

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