JP3602915B2 - ミシン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミシンに関し、特に被縫製物を保持する被縫製物保持手段を有し、この被縫製物保持手段を所謂Xモータ、Yモータによってミシンベッド表面に沿うX−Y方向に揺動させ、縫針と上記被縫製物との相対位置を変化させながら縫製を行うミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のミシンとしては、例えば特開平8−84877号公報や特公昭60−27307号公報に記載のミシンが知られている。この特開平8−84877号公報や特公昭60−27307号公報記載のミシンは概略、被縫製物としての例えば布を保持しミシンベッド上に配置された布押え枠(被縫製物保持手段)と、Xモータ(第1のモータ)及びYモータ(第2のモータ)と、Xモータの回転駆動力を揺動運動に変換し上記布押え枠をミシンベッド表面に沿うX方向(ミシンベッドの突出部に沿う方向に垂直な方向)に揺動させる第1の移動手段と、Yモータの回転駆動力を揺動運動に変換し上記布押え枠をミシンベッド表面に沿い上記X方向と直交するY方向(ミシンベッドの突出部に沿う方向)に揺動させる第2の移動手段と、を備えている。
【0003】
そして、上記モータを回転駆動すると、この回転駆動力が、上記移動手段によって揺動運動に変換されて上記布押え枠が縫針に対してX−Y方向に揺動し、所定の縫い目が形成される構成になされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特開平8−84877号公報や特公昭60−27307号公報記載のミシン、すなわち布押え枠をX−Y方向に揺動移動させるミシンでは、布押え枠をX−Y方向に直線移動させる場合の縫製領域P(図11参照)と異なり、X方向の移動においてはその縫製領域が図11に示される仮想線で囲まれる扇形の領域Qとなるため、例えばX方向に直線的に形成したい縫い目が円弧状の縫い目になる等の問題があった。このような問題は、Y方向にあっても同様に生じる。
【0005】
このような布押え枠をX−Y方向に直線移動させる場合の移動位置と布押え枠を揺動に従って移動させた場合の移動位置との位置誤差は、縫製領域が小さい場合には、縫い目が所望となっているか否かを肉眼で正確に判断できないことから然程問題とならないが、縫製領域を拡大した場合には、縫い目が所望となっていないことが肉眼で判断できるようになることから特に問題となる。
【0006】
そこで本発明は、被縫製物保持手段の揺動に従った移動位置と被縫製物保持手段の理想的な直線移動位置との位置誤差を補正でき、所望の奇麗な縫い目を形成できるミシンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1のミシンは、被縫製物を保持する被縫製物保持手段と、第1のモータの回転駆動力を揺動運動に変換し前記被縫製物保持手段をミシンベッド表面に沿う一方向に揺動させる第1の移動手段と、第2のモータの回転駆動力を揺動運動に変換し前記被縫製物保持手段をミシンベッド表面に沿い前記一方向と略直交する方向に揺動させる第2の移動手段と、をして、縫針と前記被縫製物との相対位置を変化させて縫製を行うミシンにおいて、前記被縫製物保持手段の揺動に従った揺動移動位置と、縫製領域の中心位置を基準として前記両方向の接線方向に設定されたXY方向に前記被縫製物保持手段を直線移動させる場合の該被縫製物保持手段の直線移動位置と、の位置誤差を補正するように、前記揺動移動位置を前記直線移動位置に変換した変換位置情報に従って前記モータの出力軸の回転量を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記縫製領域を予め四角形状に分割して画成した分割領域D1前記揺動移動位置C1が位置する場合に、前記分割領域D1内の予め決められた補正位置B1を変換位置情報として前記被縫製物保持手段の揺動移動位置を前記直移動位置に変換し、かつ前記縫製領域の拡大時における拡大量が所定拡大量以下か否かを判別手段により判別して当該拡大量が所定拡大量以下と判別された場合には前記位置誤差の補正を行わないように制御する構成になされている。
【0008】
このような請求項1におけるミシンによれば、制御手段によって、モータの出力軸の回転量が制御されて、被縫製物保持手段の揺動に従った移動位置と被縫製物保持手段の理想的な直線移動位置との位置誤差が補正されるようになる。
さらに上記制御手段の判別手段によって、位置誤差の補正を、縫い目が所望となっていないことが肉眼で判断され得る縫製領域の拡大時になされるようにし、縫製領域が小さく縫い目が所望となっているか否かを肉眼で正確に判断できないような場合には特に位置誤差の補正がなされないようにすれば、位置誤差の補正がなされない場合における被縫製物保持手段の移動時間が短くされるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態におけるミシンのベッド内部を表した平面図、図2は同上ミシンの一部破断側面図であり、本実施形態のミシンは電子サイクルミシンとしての例えば閂止めミシンである。図1及び図2において、符号1はミシンの下軸を示しており、この下軸1(図1においては図が煩雑になるのを避けるために図示下側は省略)の直下にはXモータ(第1のモータ)2が固定配置されており、右側下にはYモータ(第2のモータ)3が固定配置されている。これらXモータ2、Yモータ3はパルスモータであり、その出力軸2a,3aが下軸1に平行となるようにそれぞれ配設されている。これら出力軸2a,3aの先端には、円筒周囲に螺旋状の凹凸が形成された円筒カム4,5がそれぞれ直結されている。
【0011】
ミシンベッド6の左端部側下面にはピン7が立設されており、このピン7には、への字状レバー8の折曲点部分が揺動自在に支持されている。このへの字状レバー8のXモータ側端部下面にはピン8aが突設されており、このピン8aには円筒状のコロ9が回転自在に支持されている。そして、この円筒コロ9は、上記円筒カム4の螺旋状の凹部に係合がなされている。
【0012】
一方、への字状レバー8の他方の端部上面には角駒10が設けられている。この角駒10は、当該への字状レバー8の他方の端部に螺合する螺子8bによって、上方への抜けが防止されつつ回転自在に支持されている。この角駒10は、くの字状レバー11の一方の端部側に形成された長孔11a内に遊嵌配置されている。
【0013】
このくの字状レバー11の折曲点部分11bには、ベッド6の下面に立設されたピン12が挿入されており、該くの字状レバー11はピン12に揺動自在に支持されている。くの字状レバー11の折曲点部分11bは、図2に示されるように、上下方向に厚みを有しており、この厚みを有する折曲点部分11b及びピン12を、上記下軸1が回転可能に貫く構成になされている(図7参照)。くの字状レバー11の折曲点部分11bにおける下軸1が貫く孔11cは、図7に示されるように、X方向に広がる幅広孔になされており、この幅広孔11cによって、くの字状レバー11が、下軸1に干渉することなくピン12を支点としてX方向に揺動し得る構成になされている。
【0014】
上記くの字状レバー11における他方の端部側の上面には角駒13が設けられている。この角駒13は、当該くの字状レバー11の他方の端部に螺合する螺子11dによって、上方への抜けが防止されつつ回転自在に支持されている。そして、この角駒13は、図1、図2、図5に示されるように、布送り板14の先端側に形成された長孔14a内に遊嵌配置されている。
【0015】
この布送り板14は直線状の平板形状をなしており、その先端側(図1における上側、図2における右側)が、ミシンベッド6に固定された布送り受け板19に載置される構成になされている。すなわち、布送り板14の先端側は、布送り受け板19に載置されると共に、上記螺子11dの頭部との間に隙間を有しつつ当該頭部によって上方への抜けが防止された状態で、揺動し得る構成になされている。
【0016】
そして、上記円筒カム4、円筒コロ9、への字状レバー8、ピン7、角駒10、くの字状レバー11、ピン12、角駒13等によって、第1の移動手段20が構成されている。
【0017】
一方、ミシンベッド6の右端部側下面にはピン15が立設されており、このピン15には、直線状レバー16の一方の端部が揺動自在に支持されている。この直線状レバー16の略中央下面にはピン16aが突設されており、このピン16aには円筒状のコロ17が回転自在に支持されている。そして、この円筒コロ17は、上記円筒カム5の螺旋状の凹部に係合がなされている。上記直線状レバー16の他方の端部上面にはピン18が立設されており、このピン18には、上述した布送り板14の基端側が揺動自在に支持されている。
【0018】
そして、上記円筒カム5、円筒コロ17、直線状レバー16、ピン15、ピン18等によって、第2の移動手段21が構成されている。
【0019】
上記布送り板14の基端側は、図2及び図5に示されるように、ベッド6に立設された突部に開口されX方向に広がる幅広孔6aに挿入されており、この幅広孔6a内を布送り板14の基端側がX方向に揺動し得る構成になされている。
【0020】
布送り板14の上面の略中央部及び基端側には、突部14b,14cがそれぞれ突設されており、突部14cの両脇には平板状の突部14e,14eがそれぞれ設けられている。この突部14e上には中空円筒状のパイプ材22が立設されており、このパイプ材22の内部には、図6に示されるように、玉23が回転可能に複数個収納されている。パイプ材22は、その上面が突部14cの上面より低くなるようになされており、該パイプ材22内に収納される玉23の下には、玉23の一番高い位置がパイプ材22の上面より高くなるように調整を行うシム24が配置されている。
【0021】
そして、図5及び図6に示される布送り押え板25がベッド6の表面側に螺子26により固定される。この時、布送り板14の突部14b,14cは、図5に示されるように、布送り押え板25に形成された開口部25a,25bからそれぞれ突出されると共に、上記玉23は、図6に示されるように、該布送り押え板25により下方に押圧される。上記開口部25a,25bは、布送り板14の突部14b,14cがX、Y方向に揺動し得るようにX、Y方向に幅広に形成されている。また、玉23は、布送り押え板25により下方に押圧されても回転がなされることから、布送り板14はX、Y方向に揺動し得る。
【0022】
このように、布送り板14は、その基端側が、布送り押え板25により下方に押圧された状態になされ、その先端側が、上述したように布送り受け板19に載置されると共に螺子11dの頭部との間に隙間を有しつつ当該頭部によって上方への抜けが防止された状態になされている。従って、布送り板14全体の上下方向におけるガタツキは移動可能な最小限にされている。
【0023】
再び図1及び図5に戻って、上記布送り板14の突部14bには、雌螺子14fが形成されており、この雌螺子14fに雄螺子26を螺合することによって、図2及び図5に示されるように、突部14bに対する布押え下板28の固定がなされている。また、布送り板14の突部14cには、図1及び図5に示されるように、雌螺子14gが形成されており、この雌螺子14gに雄螺子27を螺合することによって、図2に示されるように、突部14cに対する布送り台29の固定がなされている。
【0024】
この布送り台29の先端には、図2に示されるように、布押え上げレバー31により上下動される布押え足30が支持されており、この布押え足30と上記布押え下板28の先端部分28aとの間に被縫製物としての例えば布を保持し得る構成になされている。
【0025】
そして、上記布送り板14、布送り台29、布押え上げレバー31、布押え足30、布押え下板28等によって、被縫製物保持手段32が構成されている。
【0026】
ところで、本実施形態においては、被縫製物保持手段32のX方向の原点位置を検出するためのX側原点センサ(原点位置検出手段)33、Y方向の原点位置を検出するためのY側原点センサ(原点位置検出手段)34がぞれぞれ設けられている(図1参照)。X側原点センサ33は、上記への字状レバー8の上面に固定された被検出体35と、この被検出体35を検出するためにベッド6側に固定された検出体36と、から構成される。
【0027】
被検出体35は、図1及び図4に示されるように、平板状をなしており、先端が下方に折り曲げられている。この折り曲げられた先端部35aは、図4に示されるように、R形状になされている。このR形状は、への字状レバー8がピン7を支点として揺動した時に、先端部35aが後述の側板36a,36b間を揺動通過し得るように形成がなされている。
【0028】
一方、検出体36はコの字状をなしており、上側が開放側となるように配設されている。コの字を構成する一方の側板36aには発光素子が、他方の側板36bには受光素子が、それぞれ設けられており、これら発光・受光素子間を上記R先端部35aが通過し得る構成になされている。すなわち、への字状レバー8がピン7を支点として揺動した時に、上記発光・受光素子によってR先端部35aの有無を検出し得る構成になされており、上記被縫製物保持手段32がX方向の原点に達した時に、発光・受光素子によって該R先端部35aが検出される構成になされている。
【0029】
Y側原点センサ34は、上記直線状レバー16の上面に固定された被検出体37と、この被検出体37を検出するためにベッド6側に固定された検出体38と、から構成される。被検出体37は、図1及び図3に示されるように、長尺な平板状をなしており、その先端側部分(全体でも可)が、図3に示されるように、R形状になされている。このR形状は、直線状レバー16がピン15を支点として揺動した時に、先端側部分が後述の側板38a,38b間を揺動通過し得るように形成がなされている。
【0030】
一方、検出体38はコの字状をなしており、上側が開放側となるように配設されている。コの字を構成する一方の側板38aには発光素子が、他方の側板38bには受光素子が、それぞれ設けられており、これら発光・受光素子間を上記R先端側部分が通過し得る構成になされている。すなわち、直線状レバー16がピン15を支点として揺動した時に、上記発光・受光素子によってR先端側部分の有無を検出し得る構成になされており、上記被縫製物保持手段32がY方向の原点に達した時に、発光・受光素子によって該R先端側部分が検出される構成になされている。
【0031】
このように構成されたミシンでは、Xモータ2を駆動すると、円筒カム4の回転に従って円筒コロ9がY方向に移動する。すると、への字状レバー8がピン7を支点として図1に示される矢印E方向に揺動し、この揺動に従ってくの字状レバー11がピン12を支点として図1に示される矢印F方向に揺動し、この揺動に従って布送り板14と共に布送り台29、布押え上げレバー31、布押え足30、布押え下板28、すなわち被縫製物保持手段32がピン18を支点としてX方向に揺動する。
【0032】
また、Yモータ3を駆動すると、円筒カム5の回転に従って直線状レバー16がピン15を支点として図1に示される矢印G方向に揺動し、上記被縫製物保持手段32がY方向に揺動する。
【0033】
すなわち、上記モータ3,4を回転駆動することによって、被縫製物保持手段32を、X、Y方向に揺動し得るようになっている。
【0034】
そして、被縫製物保持手段32の原点位置が、上記X側原点センサ33、Y側原点センサ34によって検出される。この原点位置の検出は、縫製開始前(初期化時)に被縫製物保持手段32をX、Y方向に移動することによってなされる。すなわち、X側原点センサ33にあっては、への字状レバー8に固定された被検出体35のR先端部35aが揺動して検出体36に検出された時に、被縫製物保持手段32のX方向の原点位置が検出され、Y側原点センサ34にあっては、直線状レバー16に固定された被検出体37のR先端側部分が揺動して検出体38に検出された時に、被縫製物保持手段32のY方向の原点位置が検出される。
【0035】
この原点位置の判定(例えばパルス波の切り換わりエッジにより原点と判定すること)は後述の第2のCPU49によってなされ、この原点検出に基づいて該第2のCPU49によって当該原点位置を基準とした被縫製物保持手段32の移動がなされて縫製が行われることになる。なお、X側原点センサ33(正確には被検出体35)をくの字状レバー11に設けるようにしても同様な作用・効果を奏する。
【0036】
図8は上記ミシンの制御系を表したブロック図である。同図において、符号48は第1のCPUを、49は第2のCPUを、それぞれ示している。第1のCPU48の出力側には、ミシンの上軸に回転駆動力をダイレクトに伝達するモータ56が、I/F54、モータドライバ55を介して接続されている。この第1のCPU48の入力側には、ミシンのスタートスイッチ50、ミシンペダルの踏み込みを検出するペダルスイッチ51が、各I/F(インターフェイス)52,53を介してそれぞれ接続されていると共に、処理手順をプログラム及び固定データの形で格納するROM57が接続されている。そして、該第1のCPU48には、データ、演算に使用する情報、演算結果等を記憶するRAM58が入出力可能に接続されている。
【0037】
上記第1のCPU48には、第2のCPU49がI/F47を介して入出力可能に接続されている。この第2のCPU49の出力側には、上述したXモータ2、Yモータ3が、I/F61、モータドライバ62を介して接続されていると共に、上述した布押え足30を上げ下げするための押えマグネット63、糸切りを行わせるための糸切りマグネット64が、I/F65、マグネットドライバ66を介して接続されている。この第2のCPU49の出力側にはまた、作業者に対して情報を表示するためにパネル59に設けられている表示手段59bが接続されている。この第2のCPU49の入力側には、ミシン制御に必要な情報を入力するためにパネル59に設けられている入力手段59aが接続されていると共に、上述したX側原点センサ33、Y側原点センサ34が、I/F60を介して接続されている。第2のCPU49の入力側にはまた、固定データの形で情報を格納するデータROM67、処理手順をプログラムの形で格納するシステムROM68、書き込んだ情報、プリセットした情報を記憶していて電源がオフになっても当該情報が消えることがないEEPROM69が接続されている。そして、該第2のCPU49には、データ、演算に使用する情報、演算結果等を記憶するRAM70が入出力可能に接続されている。
【0038】
そして、上記CPU48,49は、上述した各入力に従って、上述した各出力側に適宜駆動指令を送出する構成になされている。
【0039】
上記RAM70には、上記各情報と共に、X拡大率、Y拡大率、移動位置情報を変換した変換位置情報をそれぞれ格納する記憶領域が備えられている。因に、X拡大率に対応する記憶領域には20〜200の値が格納され、Y拡大率に対応する記憶領域には20〜200の値が格納される(通常の拡大率の値は100、20〜99までは正確には縮小)。
【0040】
上記変換位置情報とは、被縫製物保持手段32を揺動に従って移動させた場合の揺動位置と被縫製物保持手段32をX−Y方向に直線移動させる場合の理想的な移動位置との位置誤差を補正するのに必要な情報のことである。
【0041】
すなわち、図9を参照にして具体的に説明すれば、図1乃至図7に示したミシンでは、図9に示されるように、原点A0からマイナスX方向に位置する位置B0に被縫製物保持手段32を移動させた場合、実際には揺動運動のため位置C0に移動することになり、被縫製物保持手段32をX−Y方向に直線移動させる場合の移動位置B0と被縫製物保持手段32を揺動に従って移動させた場合の移動位置C0との位置誤差が生じることになる。このような問題はY方向においても同様に生じ、従ってこのような位置誤差を補正する必要がある。
【0042】
そこで、本実施形態においては、揺動移動位置を直線移動位置に変換した変換位置情報(表1参照)が、RAM70に格納されている。そして、上記第2のCPU(制御手段)49が、上記表1を呼び出すと共に、この表1に示される変換位置情報に従って当該被縫製物保持手段32がこの補正位置に移動するように、上記モータ2,3の出力軸の回転量を制御する構成になされている。
【表1】
Figure 0003602915
【0043】
従って、被縫製物保持手段32は、上記表1に示される変換位置情報の位置に移動して縫製が行われることになり、もって縫い目を奇麗に形成できるようになっている。
【0044】
なお、当該位置誤差の補正を、縫い目が所望となっていないことを肉眼で判断し得る縫製領域の拡大時に行うようにし、縫製領域が小さく縫い目が所望となっているか否かを肉眼で正確に判断できないような場合には特に位置誤差の補正を行わないようにしても良い。このため、所定拡大量を判別する判別手段を設け、該判別手段の判別結果に応じて補正を行う。このように、所定拡大量以下の場合には位置誤差の補正を行わないようにすれば、位置誤差の補正が行われない場合における被縫製物保持手段32の移動時間を短くでき、位置誤差の補正を敢えて必要としない場合における被縫製物保持手段32の応答性の向上を図ることができる。
【0045】
図10は被縫製物保持手段32の揺動位置と直線移動位置との位置誤差を補正する場合のより具体的な実施形態を表した説明図である。この実施形態にあっては、縫製領域が予め四角形状に細かく分割されており、揺動位置C1が、例えば画成された領域D1に位置する場合には、予め決められている補正位置B1を変換位置情報にするといったものである。
【0047】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例えば、上記実施形態においては、データテーブルを備えて位置誤差の補正をするようにしているが、第2のCPU(制御手段)49に当該位置誤差を補正する演算機能を設け、1針ごとに演算して上記被縫製物保持手段32を補正位置に移動させるようにしても良い。
【0048】
また、上記実施形態においては、電子サイクルミシンとしての例えば閂止めミシンに対する適用例が述べられているが、他のミシンに対しても同様に適用可能であり、また従来技術で説明した特開平8−84877号公報や特公昭60−27307号公報に記載のミシンに対しても適用可能であり、要は被縫製物保持手段32をXモータ2、Yモータ3によってミシンベッド表面に沿うX−Y方向に揺動させ、縫針と上記被縫製物との相対位置を変化させながら縫製を行うミシンに対して適用することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明にかかるミシンは、制御手段によって、モータの出力軸の回転量を制御して、被縫製物保持手段の揺動に従った移動位置と被縫製物保持手段の理想的な直線移動位置との位置誤差を補正するように構成したものであるから、所望の奇麗な縫い目を形成することが可能となる。
また本発明は、制御手段によって、位置誤差の補正を、縫い目が所望となっていないことを肉眼で判断し得る縫製領域の拡大時に行うようにし、縫製領域が小さく縫い目が所望となっているか否かを肉眼で正確に判断できないような場合には特に位置誤差の補正を行わないようにし、位置誤差の補正が行われない場合における被縫製物保持手段の移動時間を短くし得るように構成したものであるから、位置誤差の補正を敢えて必要としない場合における被縫製物保持手段の応答性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるミシンのベッド内部を表した平面図である。
【図2】同上ミシンの一部破断側面図である。
【図3】図1に示したY側原点位置検出手段を表した拡大平面図である。
【図4】図1に示したX側原点位置検出手段を図1中のA−A方向から見た拡大斜視図である。
【図5】布送り板、布送り受け板、布送り押え板、布押え板を表した分解斜視図である。
【図6】図5に示した部品を組み立て後当該組み立て部品を図5中のB−B方向から見た拡大側面図である。
【図7】図2中のC−C矢示図である。
【図8】同上ミシンの制御系を表したブロック図である。
【図9】被縫製物保持手段の揺動位置と直線移動位置との位置誤差を補正する場合の一実施形態を表した説明図である。
【図10】被縫製物保持手段の揺動位置と直線移動位置との位置誤差を補正する場合の具体的な実施形態を表した説明図である。
【図11】従来技術におけるミシンの問題点を表した説明図である。
【符号の説明】
2 第1のモータ
2a,3a モータの出力軸
3 第2のモータ
6 ミシンベッド
20 第1の移動手段
21 第2の移動手段
32 被縫製物保持手段
49 制御手段
X 一方向
Y 一方向と略直交する方向

Claims (1)

  1. 被縫製物を保持する被縫製物保持手段と、第1のモータの回転駆動力を揺動運動に変換し前記被縫製物保持手段をミシンベッド表面に沿う一方向に揺動させる第1の移動手段と、第2のモータの回転駆動力を揺動運動に変換し前記被縫製物保持手段をミシンベッド表面に沿い前記一方向と略直交する方向に揺動させる第2の移動手段と、をして、縫針と前記被縫製物との相対位置を変化させて縫製を行うミシンにおいて、
    前記被縫製物保持手段の揺動に従った揺動移動位置と、縫製領域の中心位置を基準として前記両方向の接線方向に設定されたXY方向に前記被縫製物保持手段を直線移動させる場合の該被縫製物保持手段の直線移動位置と、の位置誤差を補正するように、前記揺動移動位置を前記直線移動位置に変換した変換位置情報に従って前記モータの出力軸の回転量を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記縫製領域を予め四角形状に分割して画成した分割領域D1前記揺動移動位置C1が位置する場合に、前記分割領域D1内の予め決められた補正位置B1を変換位置情報として前記被縫製物保持手段の揺動移動位置を前記直移動位置に変換し、かつ前記縫製領域の拡大時における拡大量が所定拡大量以下か否かを判別手段により判別して当該拡大量が所定拡大量以下と判別された場合には前記位置誤差の補正を行わないように制御することを特徴とするミシン。
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