JPH09298997A - 両軸受リールの制動装置 - Google Patents

両軸受リールの制動装置

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JPH09298997A
JPH09298997A JP12058296A JP12058296A JPH09298997A JP H09298997 A JPH09298997 A JP H09298997A JP 12058296 A JP12058296 A JP 12058296A JP 12058296 A JP12058296 A JP 12058296A JP H09298997 A JPH09298997 A JP H09298997A
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JP
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spool
magnet
braking
magnetic plate
brake
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JP12058296A
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Shinichi Morimoto
伸一 森本
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Shimano Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作部材の同一操作に対する制動状態の変動
を抑える。 【解決手段】 マグネットブレーキ機構53は、リール
本体1とリール本体1に両端を回転自在に支持されたス
プール15とを有する両軸受リールのスプール15を制
動する機構であって、制動部段63と操作部材64とを
備えている。制動部63は、スプール15に連動して回
転しかつリール本体1に固定されたブレーキケース55
の隔壁に接触可能な磁性板61と、磁性板61に対向可
能に配置された3つの磁石62とを有している。操作部
材64は、ブレーキケース55に揺動自在に設けられ、
磁石62と磁性板61との対向面積を変化させるように
磁石62を保持して揺動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動装置、特に、
リール本体とリール本体に回転自在に支持されたスプー
ルとを有する両軸受リールのスプールを制動する両軸受
リールの制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、両軸受リールは、1対の側板と
ハンドルとを有するリール本体と、側板間でリール本体
に回転自在に支持されたスプールとを備えている。ハン
ドルはスプールとクラッチを介して連結されている。こ
のクラッチをオンした状態でハンドルを回すことでスプ
ールが回転して釣り糸を巻き取るようにしている。ま
た、クラッチをオフするとハンドルとスプールとが遮断
されスプールを自由に回転できるようになる。この状態
でキャスティングにより釣り糸をスプールから繰り出す
ようにしている。
【0003】このキャスティング時には、釣り糸はその
先端に装着された仕掛けの重さによってスプールから繰
り出される。この糸繰り出し時に、釣り糸の繰り出し速
度がスプールの回転速度より速くなると、いわゆる、バ
ックラッシュ現象が生じる。バックラッシュ現象が生じ
ると釣り糸同士が絡み合ったりスプールとリール本体と
の間に釣り糸がくい込んだりする。
【0004】このバックラッシュ現象の発生を防止する
ために、キャスティングコントロール機構と呼ばれるス
プールの制動機構が両軸受リールに設けられている。こ
の制動機構は、スプール軸の一端に面してリール本体に
設けられた制動操作のための回動つまみ(操作部材の一
例)と、回動つまみの回動に応じてスプール軸の一端側
を押圧する押圧部材と、押圧されたスプール軸の他端側
を受ける受け部材と、回動つまみを付勢するバネ部材と
を有している。この制動機構では、回動つまみの回動量
によりスプール軸の押圧力を変化させて制動力を調整し
ている。
【0005】このような制動機構によってスプールを制
動することにより、スプールの回転数が過度に速くなら
ずバックラッシュ現象を防止できる。また、通常のキャ
スティング時のみならずスキッピングと呼ばれる、水面
上でルアーを跳ねさせる高度なテクニックを用いる際に
もこの制動機構によりスプールを制動する。これは、ス
キッピング時にはルアーが水面に着水したときとそこか
ら飛び出したときとで釣り糸の繰り出し速度が速度が急
激に変化するためバックラッシュ現象が生じやすいから
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の制動機構で
は、回動つまみによりバネ部材を介して押圧部材を他端
側に押圧してスプールを制動しているので、スプールの
回転軸の軸端と押圧部材との接触部で制動していること
になる。このため、押圧部材が磨滅したりバネ部材のバ
ネ定数が低くなったりするいわゆる「へたり」現象が生
じやすい。このようなへたり現象が生じると、同じ量だ
け回動つまみを回して同じ操作を行っても制動状態が変
化し常に一定の制動力が得られにくく、制動力の設定に
熟練を要する。
【0007】本発明の課題は、操作部材の同一操作に対
する制動状態の変動を抑えることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明1に係る両軸受リー
ルの制動装置は、リール本体と前記リール本体に両端を
回転自在に支持されたスプールとを有する両軸受リール
のスプールを制動する装置であって、制動手段と、操作
部材とを備えている。制動手段は、スプールに連動して
回転しかつリール本体に直接又は間接的に接触可能な磁
性板と、磁性板に対向可能に配置された1又は複数の磁
石とを有する。操作部材は、磁性板に作用する磁石の磁
力を変化させるようにリール本体の一側に移動自在に設
けられている。
【0009】この制動装置では、磁石の磁力(磁石の吸
引力又は反発力)により磁性板が磁石に対して接近又は
離反してリール本体に直接又は間接的に接触し摩擦力に
よりスプールが制動される。この磁石の磁性板に作用す
る磁力は、操作部材を移動させることで変更できる。そ
して、磁力の強さに応じて磁性板とリール本体との接触
状態が変化し制動力が変化する。ここでは、磁性板に対
する磁石の磁力を変えることで制動力を調整しているの
で、接触によって磨耗しガタが増加しても操作部材の同
一操作での磁力は常に一定となる。このため、摩擦力が
変化しにくく制動状態が変動しにくい。
【0010】発明2に係る両軸受リールの制動装置は、
発明1に記載の装置において、前記操作部材は、磁石を
保持して磁性板に対して揺動させることで、磁石と磁性
板との対向面積を変化させて磁力を変化させる。この場
合には、磁石の揺動により磁性板との対向面積を変化さ
せて磁力を変化させ制動力を調整するので、磁石を対向
させる場合と対向させない場合とで制動力を大きく変化
させることができ、制動力の調整範囲が広くなる。
【0011】発明3に係る両軸受リールの制動装置は、
発明1に記載の装置において、前記操作部材は、磁石を
保持して磁性板に対して接近・離反させることで、磁石
と磁性板との対向距離を変化させて磁力を変化させる。
この場合には、磁石の接近・離反により対向距離を変化
させて磁力を変化させ制動力を調整するので、スプール
径方向に小さな空間で制動力を調整できる。
【0012】発明4に係る両軸受リールの制動装置は、
発明1から3のいずれかに記載の装置において、前記操
作部材は、磁石を保持する保持部と、保持部に一体的に
形成され保持部を移動させるための把手部とを有してい
る。この場合には、把手部で操作部材を操作すれば、制
動力を簡単に調整できるとともに、把手部の移動位置に
より制動状態を確実に把握できる。
【0013】発明5に係る両軸受リールの制動装置は、
発明1から4のいずれかに記載の装置において、操作部
材のリール本体に対する移動位置を位置決めする位置決
め手段をさらに備える。この場合には、操作部材の移動
位置が位置決めされるので、同一の移動位置に操作部材
を位置決めするだけで同じ制動状態を簡単に得ることが
できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕図1は、本発明の一実施形態を採用した
両軸受リールの平面図である。図において、両軸受リー
ルは、リール本体1と、リール本体1の側方に配置され
たスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本
体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを
備えている。
【0015】図2に示すように、リール本体1は、フレ
ーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1カバー
6及び第2カバー7とを有している。フレーム5は、所
定の間隔をあけて互いに対向するように配置された1対
の側板8,9と、これらの側板8,9を連結する前連結
部10及び後連結部11とを有している。1対のフレー
ム5内には、スプール15と、スプール15に均一に糸
を巻くためのレベルワインド機構24と、サミングを行
う場合の親指の当てとなるサムレスト17とが配置され
ている。またフレーム5と第2カバー7との間には、ハ
ンドル2からの回転力をスプール15及びレベルワイン
ド機構24に伝えるためのギア機構18と、クラッチの
係脱を行うためのクラッチ係脱機構19と、サムレスト
17の操作に応じてクラッチの係脱を制御するための係
脱制御機構20と、ドラグ機構21とが配置されてい
る。また、フレーム5と第1カバー6との間には、スプ
ール15の回転時の制動力を調整し、キャスティング時
のバックラッシュを抑えるためのキャスティングコント
ロール用のブレーキ機構22が配置されている。
【0016】スプール15は両側部にフランジ部15a
を有しており、両フランジ部15aの間に糸巻胴部15
bを有している。第1カバー6側のフランジ部15aの
端面には軸方向に突出する1対の凸部15cが形成され
ている(図4)。スプール15の第1カバー6側の端部
は、ブレーキ機構22の固定軸50に軸受51を介して
回転自在に支持されている。スプール15はその中心を
貫通し、第2カバー7側に延びるスプール軸16に固定
されている。スプール軸16は一端が軸受23によって
フレーム5に回転自在に支持されている。スプール軸1
6と固定軸50との間には、スプール軸16の軸方向の
ガタを少なくするための座板16bが配置されている。
【0017】レベルワインド機構24は、1対の側板
8,9間に固定されたガイド筒25と、ガイド筒25内
に回転自在に支持されたウォームシャフト26と、ライ
ンガイド27とを有している。ウォームシャフト26の
端部には、ギヤ機構18を構成するギア28が固定され
ている。また、ウォームシャフト26には螺旋状の溝2
6aが形成されており、ラインガイド27の一部がこの
螺旋状の溝26aに噛み合っている。このため、ギヤ機
構18を介してウォームシャフト26が回転させられる
ことにより、ラインガイド27はガイド筒25に沿って
往復動する。
【0018】サムレスト17は、1対の側板8,9間の
後部(図2下方)でスプール15の後方に配置されてい
る。サムレスト17の回転軸17aは、側板8,9にそ
れぞれ上下に形成された長孔(図示せず)に回転自在に
支持されている。サムレスト17は、この長孔に沿って
上下方向にスライドすることも可能である。なお、サム
レスト17の前側面は後連結部11に当接しており、こ
のため回転可能な角度が規制されている。
【0019】ギア機構18は、ハンドル軸30に固定さ
れたマスターギア31と、マスターギア31に噛み合う
ピニオン32と、前述のウォームシャフト26端部に固
定されたギヤ28とを有している。ピニオン32は、一
端側外周部に形成された歯部32aと、他端側に形成さ
れた噛み合い部32bと、歯部32aと噛み合い部32
bとの間に形成された小径部32cとを有している。噛
み合い部32bの中心部には係合溝が形成されており、
スプール軸16に形成された係合凸部16aと係合ある
いは離脱が可能である。このような構成により、ピニオ
ン32の噛み合い部32bとスプール軸16の係合凸部
16aとによりクラッチ29が構成されている。ここで
は、ピニオン32が外方に移動してその噛み合い部32
bの係合溝とスプール軸16の係合凸部16aとが離脱
すると、クラッチ29がオフしハンドル軸30からの回
転力はスプール軸16に伝達されない。
【0020】クラッチ係脱機構19はクラッチヨーク4
0を有している。クラッチヨーク40は、スプール軸の
外周側に配置されており、2本のピン41によってスプ
ール軸の軸芯と平行に移動可能に支持されている。クラ
ッチヨーク40は、ピニオン32の小径部32cに係合
してピニオン32をスプール軸16の軸方向に進退させ
てクラッチ29をオンオフ(係脱)させる。なお、クラ
ッチヨーク40はピン41に巻回されたスプリング42
により常には内方(フレーム5側)に付勢されている。
【0021】係脱制御機構20は、クラッチヨーク40
をサムレスト17の動きにより制御するとともに、ハン
ドル軸30が回転すると自動的にクラッチ29がオンす
るように制御するものである。ドラグ機構21は図2に
示すように、マスターギア31に押圧される摩擦プレー
ト50と、スタードラグ3の回転操作によって摩擦プレ
ート50をマスターギア31に所定の力で押圧するため
の押圧プレート51とを有している。
【0022】ブレーキ機構22は、図3〜図5に示すよ
うに、左側の側板8に形成された大径の雌ネジ孔8aに
ねじ込まれて固定された筒状のブレーキケース55内に
配置されている。ブレーキケース55の開口端は円板状
のブレーキカバー54で塞がれている。ブレーキ機構2
2は、遠心力で回転数に応じてスプール15を制動する
遠心ブレーキ機構52と、磁石の吸引力によりスプール
15を制動するマグネットブレーキ機構53とを有して
いる。
【0023】ブレーキケース55の軸方向の中央部に
は、隔壁55aが形成さている。この隔壁55aの中心
部に設けられたボス部55bに固定軸50が固定されて
いる。そして固定軸50の先端に軸受51が配置されて
いる。隔壁55aよりスプール15側のブレーキケース
55の内周面には、遠心ブレーキ機構52を構成する筒
状のブレーキライナー56が固着されている。遠心ブレ
ーキ機構52は、ブレーキライナー56と、固定軸50
の中央部で回転自在に支持されたブレーキリンク57
と、ブレーキリンク57に係止され一体で回転するブレ
ーキホルダ58と、ブレーキホルダ58に径方向に移動
自在に配置された6つのブレーキシュー59とを有して
いる。ブレーキリンク57にはスプール15側端面に複
数の凹部57aが周方向に間隔を隔てて形成されてお
り、この凹部57aがスプール15の凸部15cに噛み
合い、スプール15とブレーキリンク57及びブレーキ
ホルダ58が連動して回転する。
【0024】ブレーキホルダ58の外周部には周方向に
等間隔に6つの凹溝58aが形成されており、この凹溝
58aには、ガイド軸60が径方向に沿って立設されて
いる。このガイド軸60にブレーキシュー59が径方向
に移動自在に支持されている。そして、スプール15が
回転すると、このガイドシュー59が遠心力により径方
向外方に移動しブレーライナー56と接触してスプール
15が制動される。
【0025】マグネットブレーキ機構53は、ブレーキ
ホルダ58に回転不能に係止された磁性板61と磁性板
61に対向可能に配置された3つの磁石62とを有する
制動部63と、ブレーキケース55の隔壁55aに揺動
自在に支持され、3つの磁石62を保持する操作部材6
4とを有している。磁性板61は軟鉄製の六角形状の部
材であり、外周部がブレーキホルダ58に係止されてい
る。この磁性板61は、固定軸50の軸方向には移動自
在である。磁性板61は、図4左側に中心部が厚肉の傾
斜面61aを有しており、この傾斜面61aがブレーキ
ケース55の隔壁の内側面(図4右面)に形成された段
部55cに接触可能である。
【0026】操作部材64は、ブレーキケース55の隔
壁55aの下部で外方(図4左側)に突出する固定ピン
55dに揺動自在に支持されている。操作部材64は、
図5に示すように、3つの磁石62を連結する板状の継
鉄62aと、連結された3つの磁石62を保持する略扇
状の磁石保持部65と、操作部材64を手で操作するた
めの把手部66と、隔壁55aの左側面に設けられた7
か所の円弧状の係止凹部55eに係合する係合凸部67
とを有している。
【0027】操作部材64は、図6(a)に示す最大制
動位置と、図6(b)に示す制動解除位置とに揺動自在
である。磁石保持部65は、最大制動位置に操作部材6
4があるとき3つの磁石62が六角形の磁性板51の周
縁部に実質的に全て対向するように3つの磁石62を保
持している。この3つの磁石62は、操作部材64が制
動解除位置にあるとき磁性板61と全く対向しない。そ
して、最大制動位置から制動解除位置に揺動させると、
磁石62と磁性板61との対向面積が徐々に小さくな
る。
【0028】把手部66は磁石保持部65の図5左側に
配置されたレバー状の部材である。把手部66は、磁石
保持部65から揺動軸芯の径方向に延びた後軸方向外方
に延びブレーキカバー54に形成された円弧窓54aか
らリール外方に突出している。係合凸部67は、係止凹
部55eとで操作部材64の揺動位置を位置決めするた
めの手段である。係合凸部67は、把手部66の後方
(図4右側)で磁石保持部65aから揺動軸芯の径方向
に延び先端が係止凹部55eに対向可能な角棒部材65
aと、角棒部材65aの端部中心に径方向に沿って形成
された収納穴65bに径方向に移動自在に嵌め込まれた
球体68と、球体68を係止凹部55e側に付勢するコ
イルバネ69とを有している。このコイルバネ69で球
体68を係止凹部55e側に付勢することで球体68が
径方向に進退して係止凹部55eに係止され、操作部材
64の揺動位置が7段階に位置決めされる。このよう
に、操作部材64に係合凸部67を設け、操作部材64
を複数の揺動位置で位置決めすると対向面積が一定にな
るので、同一かつ変動が少ない制動状態が簡単に得られ
る。
【0029】次に動作について説明する。通常の状態で
は、クラッチ29は係合(オン)状態となっており、ハ
ンドル2からの回転力は、ハンドル軸30、マスターギ
ア31及びピニオン32を介してスプール軸16及びス
プール15に伝達される。このとき、ブレーキ機構22
の把手部66は、サムレスト17側の制動解除位置に位
置させている。これにより、釣り糸を巻き上げるときに
スプール15がマグネットブレーキ機構53では制動さ
れず、軽い力で釣り糸を巻き上げられる。
【0030】キャスティングを行う場合には、サムレス
ト17を下方に押す。この状態では、ピニオン32の噛
み合い部32bとスプール軸16の係合突起16aとの
噛み合いが外れ、クラッチ離脱状態となる。この状態で
は、ハンドル軸30からの回転はスプール軸24及びス
プール15に伝達されずスプール15は釣り糸の先端に
装着された仕掛けの重さで自由に回転する。このとき、
マグネットブレーキ機構53の操作部材64により磁石
62の対向面積を調整することでスプール15の回転時
の制動力を調整してバックラッシュを防止することが可
能である。
【0031】すなわち、把手部66をサムレスト17側
に配置すると磁石62は、磁性板61に対向せず、スプ
ール15は、マグネットブレーキ機構53では制動され
ず、遠心ブレーキ機構52によってのみ制動される。こ
の遠心ブレーキ機構52による制動力は回転数が高くな
るにつれて増加する。そして、操作部材64を図3反時
計回りに揺動させると磁石62が揺動して磁性体61と
の対向するようになりかつ対向面積が徐々に増える。そ
して、最大制動位置に操作部材64を揺動させると最も
対向面積が大きくなる。対向面積が大きくなると、磁石
62が磁性体61を吸引する力が徐々に増加し、磁性体
61の段部55cへの接触度合いがきつくなり制動力が
増加する。また、このときの制動状態は、把手部66の
円弧窓54aでの位置により瞬時に把握できる。
【0032】ここでは、磁石62と磁性板61との対向
面積を変えることで制動力を調整しているので、接触に
よって段部55cが磨耗しガタが増加しても操作部材6
4の同一操作で対向面積は常に一定となり吸引力が変動
しない。このため摩擦力が一定になり制動状態が変動し
にくい。また、磁石62と磁性板61とを対向させなけ
れば制動解除状態が得られる。さらに、把手部66の位
置により制動状態を瞬時に把握できる。
【0033】〔実施形態2〕図7において、別の実施形
態によるマグネットブレーキ機構73は、左側の側板8
に形成された大径の雌ネジ孔8aにねじ込まれて固定さ
れた筒状のブレーキケース75内に配置されている。ブ
レーキケース75の開口端はそこにねじ込まれたブレー
キカバー74で塞がれている。マグネットブレーキ機構
73は、磁石をスプール軸方向に往復移動させて磁石の
吸引力を変化させてスプール15を制動する。
【0034】ブレーキケース75は、円筒部75aと、
円筒部75aのスプール15側に湾曲して形成された壁
部75bと、壁部75bの中心に形成された底付円筒形
状のボス部75cとを有している。ボス部75cにはス
プール軸16の一端を支持する軸受76が収納されてい
る。また、ボス部75cの底部には、スプール軸16の
一端に当接して軸方向へのガタツキを抑えるブレーキラ
イナー77が固定されている。ボス部75cの外周面に
はスプライン突起78が形成されている。
【0035】マグネットブレーキ機構73は、スプール
15の端面に装着されたワッシャ状の磁性板80と磁性
板80に対向配置された磁石81とを有する制動部82
と、ブレーキケース55の円筒部75aに回転自在に支
持され複数の磁石81を保持する操作部材83とを有し
ている。磁性板80は軟鉄製の部材であり、スプール1
5の端面に回転不能かつ軸方向移動可能に装着されてい
る。磁性板80の壁部75b側にはスラストワッシャ8
4が装着されている。このスラストワッシャ84が壁部
75bに接触することでスプール15が制動される。
【0036】操作部材83は、ブレーキカバー74から
外方に突出するつまみ部85と操作つまみ部85と一体
で形成されそれより大径の円筒状の支持部86とを有す
る駆動部材87と、支持部86の内部でスプール軸方向
に前後移動する磁石保持部88とを有している。この支
持部86が円筒部75aに回転自在に支持されている。
支持部86の外周面には窪み86aが周方向に間隔を隔
てて形成されており、内周面には雌ネジ86bが形成さ
れている。円筒部75aの内周面には収納穴75dが形
成されており、この収納穴75dには位置決めピン89
が収納されている。位置決めピン89はコイルバネ90
により中心側に付勢されている。位置決めピン89は、
窪み86aに係止して操作部材83を位置決めするとと
もに、窪み86aに当たってクリック音を発生する。磁
石保持部88はリング状の部材であり、スプール15側
平面で継鉄91を介して複数の磁石81を保持してい
る。磁石保持部88の内周部にはスプライン突起78に
係合するスプライン溝88aが形成されており、外周部
に雌ネジ86bに螺合する雄ネジ88bが形成されてい
る。
【0037】このような構成により、磁石保持部88は
ボス部75cに回転不能かつ軸方向に移動自在に支持さ
れ、操作つまみ部85の回動により駆動されスプール軸
方向に前後移動して磁石81を磁性板80に対して接近
・離反させる。このような構成では、磁石81の接近・
離反により対向距離を変化させて磁力を変化させ制動力
を調整するので、スプール径方向に小さな空間で制動力
を調整できる。
【0038】〔他の実施形態〕 (a) 上記実施形態では、遠心ブレーキ機構52を設
けているためにスプール15をスプール軸16に固定す
るとともに固定軸50で回転自在に支持した。しかし、
遠心ブレーキ機構52を設けない構成では、スプール軸
16の両端に軸受を配置するとともにスプール15の端
面に磁性板を回転不能かつ軸方向移動自在に配置し、ブ
レーキケースに磁性板を接触させてもよい。 (b) この実施形態では、スプール軸を直接制動して
いないが、従来のようにスプール軸を直接挟持して制動
する機械式のブレーキ機構を並設してもよい。 (c) 把手部66を形状は本実施形態のレバー状のも
のに限定されるものではなく、ダイヤル状等の他の形状
でもよい。 (d) 操作部材をスプール軸と平行な軸回りに揺動さ
せる構成に代えて、スプール軸と交差する軸回りに揺動
させてもよい。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明では、磁性板に対す
る磁石の磁力を変えることで制動力を調整しているの
で、接触によって磨耗しガタが増加しても操作部材の同
一操作での磁力は常に一定となる。このため、摩擦力が
変化しにくく制動状態が変動しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用された両軸受リール
の平面図。
【図2】前記両軸受リールの断面平面図。
【図3】前記両軸受リールの右側面図。
【図4】ブレーキ機構の要部の断面図。
【図5】ブレーキカバーを取り除いた状態のブレーキ機
構の正面図。
【図6】最大制動位置と制動解除位置とでの磁石と磁性
体との位置関係を示す模式図。
【図7】他の実施形態の図4に相当する図。
【符号の説明】
1 リール本体 15 スプール 22 ブレーキ機構 53,73 マグネットブレーキ機構 55,75 ブレーキケース 55e 係止凹部 61,80 磁性体 62,81 磁石 63,82 制動部 64,83 操作部材 65,88 磁石保持部 66 把手部 67 係合凸部 85 操作つまみ部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リール本体と前記リール本体に回転自在に
    支持されたスプールとを有する両軸受リールの前記スプ
    ールを制動する両軸受リールの制動装置であって、 前記スプールに連動して回転しかつ前記リール本体に直
    接又は間接的に接触可能な磁性板と、前記磁性板に対向
    可能に配置された1又は複数の磁石とを有する制動手段
    と、 前記磁性板に作用する前記磁石の磁力を変化させるよう
    に前記リール本体の一側に移動自在に設けられた操作部
    材と、を備えた両軸受リールの制動装置。
  2. 【請求項2】前記操作部材は、前記磁石を保持して前記
    磁性板に対して揺動させることで、前記磁石と磁性板と
    の対向面積を変化させて前記磁力を変化させる、請求項
    1に記載の両軸受リールの制動装置。
  3. 【請求項3】前記操作部材は、前記磁石を保持して前記
    磁性板に対して接近・離反させることで、前記磁石と磁
    性板との対向距離を変化させて前記磁力を変化させる、
    請求項1に記載の両軸受リールの制動装置。
  4. 【請求項4】前記操作部材は、前記磁石を保持する保持
    部と、前記保持部に一体的に形成され前記保持部を移動
    させるための把手部とを有している、請求項1から3の
    いずれかに記載の両軸受リールの制動装置。
  5. 【請求項5】前記操作部材の前記リール本体に対する移
    動位置を位置決めする位置決め手段をさらに備える、請
    求項1から4のいずれかに記載の両軸受リールの制動装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016146781A (ja) * 2015-02-12 2016-08-18 株式会社シマノ スプール制動装置および魚釣用リール
JP2019115278A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 株式会社シマノ 両軸受リール
CN110063312A (zh) * 2019-05-13 2019-07-30 漆桂清 磁力控制筏钓收放线装置

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