JPH09296587A - 大型タイルの折曲部の施工構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイルの加工が容易で、かつ製作が容易とな
る大型タイルの折曲部の施工構造の提供を目的とする。 【構成】 両端面にそれぞれスリット溝１ａ，２ａを形
成してなる２枚の大型タイル１，２を直交状に折曲部に
施工する施工構造であって、前記一方側の大型タイル１
のスリット溝１ａ内に係入される縦係止片６と、他方側
の大型タイル２のスリット溝２ａ内に係入される横係止
片８を直交状に形成してなる金具３を、前記一対の大型
タイル１，２の両端面側にそれぞれ係合させ、該金具
３，４を介し一対のタイル１，２を直交状に支持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、窓回り等の折曲部に
大型タイルを直交状に施工する施工構造に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】従来、窓回り等の折曲部に
大型タイルを施工する構造として図８に断面図で示す構
造が採用されており、図８において、躯体壁面５１に対
し窓回り等ではサッシ５２が直交状に配設されており、
このような折曲部に大型役物タイル５３と折曲部役物タ
イル５４を直交状に施工するに際し、予め前記大型役物
タイル５３及び折曲部役物タイル５４には、図９に示す
ように裏側よりボルト孔５３ａを形成させ、端面側より
ピン孔５３ｂを直交状に形成させておき、このボルト孔
５３ａ内に裏側よりインサートボルト５５を挿着し、こ
れと直交状に前記ピン孔５３ｂに対し外側よりインサー
トピン５６を差し込んで、インサートピン５６をインサ
ートボルト５５の通孔５５ａ内に挿通させることによ
り、インサートピン５６を介しタイル５３にインサート
ボルト５５を固設しておき、このように予め裏側にイン
サートボルト５５を設けた前記タイル５３，５４に対
し、両タイル５３，５４の裏側にＬ字状に形成されたＬ
型プレート６３を当接させ、このＬ型プレート６３に対
し内側より各インサートボルト５５，５５にそれぞれナ
ット６１，６１を締め付けて、Ｌ型プレート６３を介し
タイル５３，５４を直交状に連結しており、両タイル５
３，５４の当接部には接着剤Ｐを塗布して接着させてお
り、前記サッシ５２側にはシーリング材６４を充填して
シーリングを行なっており、また、大型役物タイル５３
側では、躯体壁面５１に予めアンカーボルト５７を介し
一次アングル５８を固設しておき、この一次アングル５
８に対しボルト６２及びナット６５で二次金具５９を連
結し、この二次金具５９に対し、前記大型役物タイル５
３の裏側のインサートボルト５５にナット６１を締め付
けて固定したバックファスナー６０を係合させて止め付
けている。このように従来においては、窓回り等の折曲
部に大型タイルを施工する際には、大型タイルに予めボ
ルト孔５３ａ，ピン孔５３ｂを形成させてインサートボ
ルト５５を取り付ける必要があり、大型タイルの加工が
面倒であり、また、折曲部役物タイル５４は躯体壁面５
１からの支持が無いため、Ｌ型プレート６３を用い大型
役物タイル５３に連結しておく必要があり、Ｌ型プレー
ト６３を各インサートボルト５５，５５とナット６１，
６１で締め付けなければならず、製作が面倒であるとい
う問題点があった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の問題
点に鑑み案出したものであって、タイルの加工が容易
で、また製作も容易となる大型タイルの折曲部の施工構
造を提供せんことを目的とし、その第１の要旨は、両端
面にそれぞれスリット溝を形成してなる２枚の大型タイ
ルを、直交状に折曲部に施工する施工構造であって、前
記一方側の大型タイルのスリット溝内に係入される縦係
止片と、他方側の大型タイルのスリット溝内に係入され
る横係止片を直交状に形成してなる金具を、前記一対の
大型タイルの両端面側にそれぞれ係合させ、該金具を介
し一対の大型タイルを直交状に支持することである。ま
た、第２の要旨は、前記金具の縦係止片及び横係止片に
は、それぞれゴムカバーを覆設し、該ゴムカバーを介
し、前記各係止片を前記各タイルのスリット溝内に弾性
嵌合させることである。

【０００４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、一対のタイルを直交状に施工する際に用
いられる金具の分解斜視図である。本例では、窓回り等
の折曲部に施工される例を示し、大型役物タイル１及び
この大型役物タイル１と直交状に接続される折曲部役物
タイル２のそれぞれの両側端面にはスリット溝１ａ，２
ａがそれぞれ凹み状に形成されており、このスリット溝
１ａ，２ａ内に係入される係止片６，８，７，９を有す
る金具３，４を用いて、この金具３，４を大型役物タイ
ル１及び折曲部役物タイル２の両側面側に嵌め込んで、
この一対の金具３，４により大型役物タイル１と折曲部
役物タイル２を直交状に支持するものである。

【０００５】先ず、右側の標準金具３を図３の拡大分解
図で詳細に説明すると、標準金具３は、平板状の連結板
部５を有し、この連結板部５には間隔をおいて長孔５
ａ，５ａが形成されており、連結板部５の縦端縁には縦
方向に縦左係止片６と縦右係止片７が面一状に折曲形成
されており、縦左係止片６は図示左側へ突出し、縦右係
止片７は図示右側へそれぞれ連結板部５に対し直角状に
突出されたものとなっている。また、この縦左係止片６
及び縦右係止片７に対し直交状に、前記連結板部５の図
示下端部には横左係止片８と横右係止片９が形成されて
おり、横左係止片８は図示左方向に突出し、横右係止片
９は図示右方向に突出したものとなっており、前記各係
止片６，７，８，９には、それぞれ間隔をおいて凹部１
０，１０，１０が形成されており、各凹部１０の端側に
は開口溝１１が連通形成されたものとなっている。

【０００６】このように形成された各係止片６，７，
８，９にはそれぞれゴムカバー１２，１２，１２が覆設
されるものであり、ゴムカバー１２は断面コの字状にシ
リコンゴムで形成されており、その内側には間隔をおい
て円形状の凸部１２ａ，１２ａが一体形成され、ゴムカ
バー１２を各係止片６，７，８，９に横方向より押し付
けて、ゴムカバー１２の凸部１２ａを前記開口溝１１を
通し凹部１０内に嵌合させることにより、ゴムカバー１
２は横ズレが防がれて強固な状態で各係止片６，７，
８，９に覆設されるものである。

【０００７】このようにゴムカバー１２，１２，１２を
覆設した状態で、図１に示すように、大型役物タイル１
のスリット溝１ａ内には縦左係止片６を係入させ、ま
た、折曲部役物タイル２のスリット溝２ａ内には横左係
止片８を係入させて、この標準金具３により、大型役物
タイル１と折曲部役物タイル２を直交状に連結支持する
ことができ、この場合、前記ゴムカバー１２を介し係止
片６，８は強固にスリット溝１ａ，２ａ内に弾性嵌合さ
れるため、ガタつくことがなく強固にタイル１，２が直
交状に連結されるものである。

【０００８】なお、この標準金具３の前記縦右係止片７
及び横右係止片９は、図１の標準金具３の右側に連続し
て配置される大型役物タイル１及び折曲部役物タイル２
の各スリット溝１ａ，２ａ内に嵌め込まれて、横方向に
連続して大型役物タイル１，折曲部役物タイル２を直交
状に列設させることができるものである。なお、大型役
物タイル１及び折曲部役物タイル２の右端面側には、図
１に示すような左端面金具４が用いられるものであり、
この左端面金具４は、連結板部５から縦右係止片７と横
右係止片９を折り曲げて（もしくは鋳込みにより）、右
係止片７と横右係止片９を直交状に一体形成したもので
あり、縦右係止片７が大型役物タイル１の左端面に形成
されているスリット溝１ａ内にゴムカバー１２を介し弾
性嵌合され、また、横右係止片９が折曲部役物タイル２
の左端面に形成されているスリット溝２ａ内にゴムカバ
ー１２を介し弾性嵌合されるものである。

【０００９】さらに、大型役物タイル１及び折曲部役物
タイル２の右端面に用いられる右端面金具１３は図４に
示すように構成されており、この右端面金具１３は、連
結板部５から縦左係止片６と横左係止片８がそれぞれ直
交状に折曲形成されたものとなっており、縦左係止片６
及び横左係止片８には間隔をおいて凹部１０，１０，１
０が形成され、それぞれ凹部１０の先端側は開口溝１１
となっており、また、前記連結板部５には縦方向に間隔
をおいて長孔５ａ，５ａが形成されたものとなってい
る。また、前記縦左係止片６及び横左係止片８にはそれ
ぞれゴムカバー１２，１２，１２が覆設されるものであ
り、ゴムカバー１２に形成されている凸部１２ａを開口
溝１１を通し凹部１０内に嵌め込んで強固に横ズレを防
止して、ゴムカバー１２を係止片６，８に覆設しておく
ことができるものである。この右端面金具１３の縦左係
止片６は、大型役物タイル１の右端面に形成されている
スリット溝１ａ内にゴムカバー１２を介し弾性嵌合され
るものであり、また、右端面金具１３の横左係止片８
は、折曲部役物タイル２の右端面に形成されているスリ
ット溝２ａ内にゴムカバー１２を介し弾性嵌合されるも
のである。なお、図２には施工状態図を示す。

【００１０】即ち、図２において、躯体壁面５１にはア
ンカーボルト５７を介し一次アングル５８が間隔をおい
て予め固設されており、この一次アングル５８に対し、
例えば前記右端面金具１３の長孔５ａを整合させて、こ
の長孔５ａ内にボルト６２を通しナット６５を締め付け
て、一次アングル５８に右端面金具１３を連結すること
ができ、この連結時に前述した如く右端面金具１３の縦
左係止片６を大型役物タイル１のスリット溝１ａ内に嵌
合させ、また、折曲部役物タイル２のスリット溝２ａ内
には横左係止片８を嵌合させて、この右端面金具１３に
より大型役物タイル１と折曲部役物タイル２を直交状に
支持することができるものであり、折曲部役物タイル２
の端部と窓サッシ５２間にはシーリング材６４を充填さ
せてシール性を確保することができる。

【００１１】また、前記大型役物タイル１を支持するた
めに図５に示すような二次金具１４を用い、この二次金
具１４は、連結板部５の一端側に９０°折曲して縦左係
止片６が形成されたものであり、この縦左係止片６にゴ
ムカバー１２，１２を覆設させて、図２に示すように、
大型役物タイル１のスリット溝１ａ内に縦左係止片６を
ゴムカバー１２を介し弾性嵌合させ、二次金具１４は一
次アングル５８にボルト６２とナット６５を介し締め付
けて連結することができ、これにより躯体壁面５１に対
し大型役物タイル１は強固に支持されるものである。

【００１２】次に、図６は出隅部における大型役物タイ
ル１と折曲部役物タイル２の納まり状態を示すものであ
り、このように出隅部においては、前記図３の標準金具
３を、大型役物タイル１と折曲部役物タイル２の上端縁
及び下端縁にそれぞれ形成されているスリット溝１ａ，
２ａに水平状で係合させ、大型役物タイル１と折曲部役
物タイル２を直角状態に連結することができるものであ
り、大型役物タイル１のスリット溝１ａ内に標準金具３
の縦係止片６を係合させ、折曲部役物タイル２のスリッ
ト溝２ａ内に標準金具３の横係止片８を係合させて、標
準金具３を介し大型役物タイル１と折曲部役物タイル２
を直角状に連結して、標準金具３を躯体壁面５１に固設
した一次アングル５８にボルト６２及びナット６５を用
いて固設し、躯体壁面５１に大型役物タイル１と折曲部
役物タイル２を共に強固に支持させることができるもの
である。

【００１３】なお、図６において、出隅部以外の部分に
おいては、躯体壁面５１に水平方向に所定間隔で一次ア
ングル５８，５８をアンカーボルト５７で予め固設して
おき、この一次アングル５８に対し、図７に示すような
二次金具１５をボルト及びナットで連結させることがで
き、図７の二次金具１５においては、連結板部１６には
長孔１６ａが形成されており、連結板部１６の前端側中
央部に上方へ折曲して上向係止片１７が形成されてお
り、この上向係止片１７の両側に下向きに折曲した下向
係止片１８，１８が一体形成されており、各係止片１
７，１８，１８にはそれぞれゴムカバー１２，１２，１
２を覆設しておき、この二次金具１５の下向係止片１
８，１８を大型役物タイル１の上端のスリット溝１ａ内
にゴムカバー１２を介し強固に弾着嵌合させてガタつく
ことなく取り付けることができ、上方側に配設される大
型役物タイル１の下端のスリット溝１ａ内には上向係止
片１７を弾着嵌合させることができるものである。な
お、出隅部における下端部位には、前述した左端面金具
４を使用することができ、出隅部の上端側では図４の右
端面金具１３を使用して良好に出隅部の施工を行なえる
ものである。

【００１４】

【発明の効果】本発明は、両端面にそれぞれスリット溝
を形成してなる２枚の大型タイルを、直交状に折曲部に
施工する施工構造であって、前記一方側の大型タイルの
スリット溝内に係入される縦係止片と、他方側の大型タ
イルのスリット溝内に係入される横係止片を直交状に形
成してなる金具を、前記一対の大型タイルの両端面側に
それぞれ係合させ、該金具を介し一対の大型タイルを直
交状に支持することとしたため、金具の縦係止片及び横
係止片を、直交状に配置された一対の大型タイルのそれ
ぞれのスリット溝内に係合させて、金具を介し一対の大
型タイルを直交状に良好に連結支持することができ、か
つ両タイルとも躯体壁面に支持させることができるた
め、従来のようなＬ型プレートを用いることなく、タイ
ルの製作を容易化させて、折曲部における大型タイルの
施工を強固に行なうことができる。また、従来のような
ボルト孔とかピン孔をタイル側に予め形成させておく必
要がなく、タイルの加工も容易となる効果を有する。

【００１５】また、前記金具の縦係止片及び横係止片に
は、それぞれゴムカバーを覆設し、該ゴムカバーを介
し、前記各係止片を前記各タイルのスリット溝内に弾性
嵌合させることとしたため、ゴムカバーを介し各係止片
が強固にスリット溝内に嵌合されてガタつきが生ずるこ
とがなく、強固な支持状態を得ることができる効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】折曲部におけるタイルを直交状に連結する金具
の分解斜視図である。

【図２】金具により折曲部に大型タイルを施工した状態
の施工状態図である。

【図３】標準金具の分解斜視図である。

【図４】右端面金具の分解斜視図である。

【図５】二次金具の分解斜視図である。

【図６】出隅部の納まり状態を示す斜視構成図である。

【図７】図６で使用される二次金具の斜視構成図であ
る。

【図８】従来の施工構造を示す断面構成図である。

【図９】従来の大型タイルの構成斜視図である。

【符号の説明】

１ 大型役物タイル １ａ スリット溝 ２ 折曲部役物タイル ２ａ スリット溝 ３ 標準金具 ４ 左端面金具 ５ 連結板部 ５ａ 長孔 ６ 縦左係止片 ７ 縦右係止片 ８ 横左係止片 ９ 横右係止片 １０ 凹部 １１ 開口溝 １２ ゴムカバー １２ａ 凸部 １３ 右端面金具 １４ 二次金具 １５ 二次金具 １６ 連結板部 １７ 上向係止片 １８ 下向係止片 ５１ 躯体壁面 ５８ 一次アングル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端面にそれぞれスリット溝を形成して
   なる２枚の大型タイルを、直交状に折曲部に施工する施
   工構造であって、前記一方側の大型タイルのスリット溝
   内に係入される縦係止片と、他方側の大型タイルのスリ
   ット溝内に係入される横係止片を直交状に形成してなる
   金具を、前記一対の大型タイルの両端面側にそれぞれ係
   合させ、該金具を介し一対の大型タイルを直交状に支持
   することを特徴とする大型タイルの折曲部の施工構造。
2. 【請求項２】 前記金具の縦係止片及び横係止片には、
   それぞれゴムカバーを覆設し、該ゴムカバーを介し、前
   記各係止片を前記各タイルのスリット溝内に弾性嵌合さ
   せることを特徴とする請求項１に記載の大型タイルの折
   曲部の施工構造。