JPH0929169A - 振動伝達板及びその製造方法及び座標入力装置 - Google Patents

振動伝達板及びその製造方法及び座標入力装置

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JPH0929169A
JPH0929169A JP18255995A JP18255995A JPH0929169A JP H0929169 A JPH0929169 A JP H0929169A JP 18255995 A JP18255995 A JP 18255995A JP 18255995 A JP18255995 A JP 18255995A JP H0929169 A JPH0929169 A JP H0929169A
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plate
electrode
electrodes
shaped member
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JP18255995A
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Katsuyuki Kobayashi
克行 小林
Masaki Tokioka
正樹 時岡
Yuichiro Yoshimura
雄一郎 吉村
Hajime Sato
肇 佐藤
Atsushi Tanaka
淳 田中
Ryozo Yanagisawa
亮三 柳沢
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Original Assignee
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    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F3/00Input arrangements for transferring data to be processed into a form capable of being handled by the computer; Output arrangements for transferring data from processing unit to output unit, e.g. interface arrangements
    • G06F3/01Input arrangements or combined input and output arrangements for interaction between user and computer
    • G06F3/03Arrangements for converting the position or the displacement of a member into a coded form
    • G06F3/041Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means
    • G06F3/043Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means using propagating acoustic waves
    • G06F3/0433Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means using propagating acoustic waves in which the acoustic waves are either generated by a movable member and propagated within a surface layer or propagated within a surface layer and captured by a movable member

Abstract

(57)【要約】 【課題】圧電性の材料を用いて振動伝達板を形成するこ
とにより、振動検出位置の精度管理を容易とし、安価な
振動伝達板及び座標入力装置を提供する。 【解決手段】振動入力ペン3の振動子4によって発生し
た振動が圧電性を有する振動伝達板8に入力される。こ
の振動伝達板8を伝播した振動が当該振動伝達板8の所
定の位置に配置された4個の電極6a〜6dの夫々に到
達すると、各電極より当該振動に基づく電気信号が取り
出される。信号波形検出回路9は、この電気信号に基づ
いて各電極への振動の到達を検出する。そして、演算制
御回路1は、その振動の到達タイミングに基づいて、当
該振動入力位置の座標を算出する。振動伝達板8上への
電極6a〜6dの配置は、エッチングや印刷等の技術で
実現できるので、振動検出位置の精度管理が著しく容易
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は振動伝達板及びその
製造方法及び座標入力装置に関する。特に、振動発生源
から入力され座標入力面である振動伝達板を伝播する振
動を検出し、その弾性波振動の振動伝達板上における伝
達時間に基づいて振動発生源の位置(座標)を獲得する
座標入力装置と、これに用いられる振動伝達板及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、超音波を利用して、2点間の距離
を算出する方法が知られており、その具体的な応用例と
して特公平5−60615号等に記載されているような
座標入力装置が知られている。この装置は、座標入力面
となる振動伝達板に、座標入力指示器具となる座標入力
ペンからの振動を入力することで振動を発生させる。そ
して、振動伝達板に取り付けられた複数のセンサでこの
振動を検出して、振動が各センサまで到達する時間を計
測することで、振動が入力された座標位置の算出を行う
ものである(図9参照)。このような装置によれば、座
標入力ペンで指示した位置座標を、例えばパーソナルコ
ンピュータ等の情報処理装置に出力することができ、情
報処理装置に対して文字、図形を容易に入力することが
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では次のような問題があった。
【0004】まず、従来の座標入力装置では、振動を発
生し座標入力指示器具となる座標入力ペンからの振動
を、振動伝達板を介して、この振動伝達板に取り付けら
れた複数のセンサ(振動検出素子)で検出する構成とし
ている。このため、センサの厚み分、装置が厚くなり、
例えば装置を携帯型にすれば、その可搬性に問題が生じ
ることになる。
【0005】さらに、この種の装置は座標入力点と各セ
ンサ間を各々求め、その情報よりペンの位置を出力する
ことを基本原理としている。このため、精度良く座標を
算出するためには、各々のセンサの絶対位置を精度良く
位置決めしてセンサを固定する必要があった。従って、
装置の製造においては、センサの位置を厳密に管理する
必要が有り、装置を大量に生産する場合には量産性を低
下させ、強いては装置が安価に作れないという問題を有
していた。
【0006】本発明は上記の問題に鑑みてなされたもの
であり、圧電性の材料を用いて振動伝達板を形成するこ
とにより、振動検出位置の精度管理が容易な振動伝達板
及びその製造方法、及び該振動伝達板を用いた座標入力
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による振動伝達板は、板厚方向に分極処理さ
れた圧電材で構成された板状部材と、前記板状部材の面
上の複数の所定位置の夫々に配置され、該板状部材の該
所定位置の夫々における電気信号を取り出すための複数
の電極とを備える。
【0008】上記の構成によれば、板状部材を圧電性の
部材で構成し、その板状部材上へ配置した電極によっ
て、伝播された機械振動を電気信号として取り出すこと
ができる。このような電極の配置は、エッチングや印刷
等の技術で実現できるので、板状部材上における電極の
配置位置の精度管理が著しく容易となる。
【0009】また、好ましくは、前記複数の電極は、前
記板状部材の両面の所定位置にほぼ同じ大きさを有して
配置された導電材で形成される。
【0010】また、好ましくは、前記複数の電極は、前
記板状部材の一方の面のほぼ全面を覆う導電材と、前記
板状部材の他の面の所定位置に部分的に配置された導電
材とで形成される。板状部材の一方の面に対して、その
ほぼ全面に電極を配置するので、その面については電極
の配置位置を管理する必要が無くなり、より精度管理が
容易となる。また、全面を覆う電極を、例えばアースに
接続することにより、ノイズを除去する効果が得られ
る。
【0011】また、本発明の振動伝達板の製造方法によ
れば、圧電性の板状部材の両面に電極を形成する第1形
成工程と、前記電極を介して前記板状部材に所定の電圧
を印加して、該板状部材を板厚方向に分極処理する分極
工程と、前記板状部材の所定位置の電極を残して該電極
の他の部分を除去することで、前記板状部材からの電気
信号取り出すための電極を形成する第2形成工程とを備
える。
【0012】上記の構成によれば、分極処理を行うため
に形成した電極の一部を用いて、振動検出用の電極が形
成される。第2形成工程における電極の不要部分の除去
は、例えばエッチングなどの手法を用いて実現すること
ができ、電極の配置に関する精度管理が容易である。ま
た、分極処理という製造過程で用いた電極を有効に利用
できる。
【0013】また、好ましくは、前記第2形成工程は、
前記板状部材の一方の面に形成された電極について、前
記板状部材の所定位置の電極を残して該電極の他の部分
を除去する。一方の面のほぼ全面を覆う電極が残される
ので、例えばこの電極をアースに接続することにより、
当該振動伝達板の使用時においてノイズを低減すること
ができる。
【0014】また、本発明の振動伝達板の他の製造方法
は、圧電性の板状部材の両面の複数の所定位置に所定の
大きさの電極を形成する形成工程と、前記形成手段で形
成した複数の電極を介して前記板状部材に所定の電圧を
印可して、該板状部材の板厚方向の分極処理を行う分極
工程とを備える。
【0015】上記の構成によれば、所定の位置に配置さ
れた所定の大きさの電極を形成し、この電極を用いて分
極処理を行う。形成された電極は、そのまま機械振動に
対応した電気信号の取り出し用の電極となる。
【0016】また、好ましくは、前記形成手段は、前記
板状部材の一方の面の複数の所定位置に所定の大きさの
電極を形成し、該板状部材の他方の面にはそのほぼ全面
を覆う電極を形成する。
【0017】また、上述した様な本発明による振動伝達
板、本発明の製造方法で製造された振動伝達板を用いる
ことにより、座標入力装置が得られる。即ち、本発明に
よる座標入力装置は、板厚方向に分極され、圧電性を有
する振動伝達板と、前記振動伝達板の両面の複数の所定
箇所に配置された電極と、振動を発生するとともに、発
生した振動を前記板状部材に入力する振動入力手段と、
前記振動入力手段によって入力されて前記電極まで伝播
された振動によって発生する電気信号を該電極より獲得
し、その電気信号に基づいて該振動入力手段で入力され
た振動の該電極への到着を検出する検出手段と、前記検
出手段による信号の到着の検出タイミングに基づいて、
当該振動の入力位置の座標を算出する算出手段と、前記
算出手段で算出された座標データを出力する出力手段と
を備える。
【0018】上記の構成によれば、振動入力手段によっ
て発生した振動が圧電性を有する振動伝達板に入力され
る。この振動伝達板を伝播した振動が当該振動伝達板の
所定の位置に配置された複数の電極の夫々に到達する
と、各電極より振動に基づく電気信号が取り出される。
検出手段は、この電気信号に基づいて各電極への振動の
到達を検出する。そして、その振動の到達タイミングに
基づいて、当該振動入力位置の座標が算出される。
【0019】また、好ましくは、前記算出手段は、前記
振動入力手段による振動の発生時から前記検出手段によ
る振動の検出時までの時間を計測する計測し、前記計測
手段によって計測された時間に基づいて前記振動の入力
位置から各電極までの距離を算出し、前記距離に基づい
て前記入力位置の座標を算出する。振動入力手段におけ
る振動の発生から各電極までの振動の到達時間を計測し
て振動の入力位置と各電極の距離を直接的に求めること
ができ、座標データの精度が向上する。座標データの算
出に必要な個数(2個又は3個)以上電極を配置し、複
数数種類の電極の組み合わせによって座標データを求
め、座標データの信頼性を向上させることも可能であ
る。
【0020】また、好ましくは、前記算出手段は、前記
検出手段によって検出された振動の到達タイミングに基
づいて前記振動入力手段による振動の前記電極の夫々へ
の到達時間の時間差を算出し、前記時間差に基づいて前
記入力位置の座標を算出する。夫々の電極への振動の到
着タイミングの差で座標データを獲得できるので、振動
入力手段の振動発生タイミングを認識する必要が無くな
る。このため、入力振動手段と、算出手段とは夫々独立
させることができ、振動を発生する入力ペン等をコード
レスにできる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に
係わる実施の形態を詳細に説明する。
【0022】<第1の実施の形態>まず最初に図1を用
いて第1の実施の形態に於ける座標入力装置の装置全体
の構成について説明する。図1は第1の実施の形態の座
標入力装置の概略の構成を表すブロック図である。
【0023】同図において、1は本座標入力装置全体を
制御すると共に、振動の入力位置と各電極6a〜6d間
の距離Lを算出する演算制御回路である。2は振動子駆
動回路であって、振動発生源としての振動入力ペン3内
に内蔵されている振動子4を振動させる。振動子4にて
発生した振動は、接触子5を介して振動伝達板8に入力
される。振動伝達板8は、この実施の形態では圧電性セ
ラミックス(PZT)で構成されており、振動発生源3
による振動の入力は、この振動伝達板8上をタッチする
ことで行う。
【0024】振動入力ペン3によって振動伝達板8に入
力された振動は機械的な振動である。この機械的な振動
は振動伝達板8を伝わるが、振動伝達板8自体が圧電性
セラミックスで構成されているので、振動の伝達に伴っ
て、振動に対応した電気信号が発生する。6a〜6dは
電極であり、振動伝達板8を伝達する機械的振動ととも
に発生する電気信号を取り出す。即ち、図示されるよう
に、振動伝達板8上に形成された複数の電極6a〜6d
によって、機械的振動は電気信号として信号波形検出回
路9へ出力される。
【0025】電極6a〜6dは、本実施の形態の場合、
振動伝達板の4隅に4箇所形成されており、上面、及び
対向する(図面裏側)面に各々形成される。図2は本実
施の形態における電極の構成を説明する図である。図示
のように、電極6a,6a’は振動伝達板8の一部分を
両面から挟むように形成される。電極の形成は、予め圧
電体を板厚方向に分極するために形成した電極をエッチ
ング等により図示の様に形成しても良いし、印刷等によ
り電極を図示のように形成してから、それを分極用の電
極として分極処理をし振動伝達板を製作しても良い。
【0026】また本実施の形態では図2のように、電極
を板の上面、及びした面の対向する位置に形成してるが
これに限らない。図3は電極の他の構成例を表す図であ
る。図3に示されるように、一方の面全体を電極6dと
し、片面のみに部分的な電極(6a)を形成しても良
い。このように一方の面全体を電極とし、例えばその電
極をグランドに設置することで、電気的なノイズを除去
することができる。更に、図2の構成に比べ、上下面の
電極の位置決め等が不用となり、容易にかつ比較的安価
に製造することができる。
【0027】以下に、本実施の形態における振動伝達板
の製造手順を説明する。図10は本実施の形態における
振動伝達板の製造過程の一例を説明する図である。
【0028】まず、図10の(a)において、分極処理
のために圧電性セラミックスで形成された振動伝達板
8’の両面の全面に電極6’を形成する。次に、同図の
(b)に示されるように、電源100より高電圧を負荷
し、振動伝達板8の板厚方向に分極処理を施す。次に、
電極6’に感光材を塗布し、同図(c)のように電極形
成部分以外をマスク101によってマスクして、露光処
理を行う。露光処理後、エッチング処理を施して非露光
部分の電極を除去することで、図1、図2の如き電極が
形成される。同様の処理を反対側の面についても行うこ
とで図2のごとき電極が得られる。また、反対側の面に
ついてはエッチング処理を施さず、そのままとすること
で、図3のような電極が得られる。
【0029】なお、まず図2、図3のような電極形成を
先に行った後に、それらの電極を用いて分極処理を行う
ようにしても良いことは言うまでもない。
【0030】電極6a〜6dの信号は、不図示の増幅回
路で増幅された後、信号波形検出回路9に送られ、信号
処理された結果を演算制御回路1に出力して座標が算出
される。なお、信号検出回路9、演算制御回路1につい
ては、その詳細を後述することとする。
【0031】振動発生源である振動入力ペン3に内蔵さ
れた振動子4は、振動子駆動回路2によって駆動され
る。振動子4の駆動信号は演算制御回路1から低レベル
のパルス信号として供給され、振動子駆動回路2によっ
て所定のゲインで増幅された後、振動子4に印加され
る。電気的な駆動信号は振動子4によって機械的な超音
波振動に変換され、接触子(プローブ)5を介して振動
伝達板8に伝達される。
【0032】本実施の形態の場合、振動子4の振動周波
数は圧伝性セラミックなどの振動伝達板8に板波を発生
することができる値に選択される。またこの場合の振動
子4の振動周波数を、接触子5を含んだ共振周波数とす
ることで、効率の良い振動変換が可能となる。
【0033】上記のようにして振動伝達板8に発生した
弾性波は板波であり、表面波などに比べて振動伝達板の
表面の傷、障害物等の影響を受けにくいという利点を有
する。もちろん、目的、用途によってはこれに限定され
るものではなく、表面波等の振動モードを利用しても良
いことは言うまでもない。
【0034】<演算制御回路の説明(図4)>上述した
構成に於いて、演算制御回路1は所定周期毎(例えば5
ms毎)に振動子駆動回路2を介して振動発生源3内の
振動子4を駆動させる信号を出力すると共に、その内部
タイマ(カウンタで構成されている)による計時を開始
させる。そして、振動入力ペン3により振動伝達板8に
入力された振動は、電極6a〜dまでの各々の距離に応
じ、遅延して到達することになる。
【0035】振動波形検出回路9は各電極6a〜6dに
おける信号を検出して、後述する波形検出処理により各
電極への振動到達タイミングを示す信号を生成する。演
算制御回路1はこの信号を入力し、各電極6a〜6dま
での振動到達時間の検出、そして振動入力ペン3と各電
極間の距離を算出して、後述する方法により座標を算出
する。そして、演算制御回路1は、シリアル、パラレル
通信等によって外部機器(例えばホストコンピュータ)
に対し、この算出された座標値を出力する(不図示)。
【0036】図4は第1の実施の形態における演算制御
回路1の概略構成を示すブロック図である。図4を参照
して、演算制御回路1の各構成要素及びその動作概略を
以下に説明する。
【0037】図4において、31は演算制御回路1及び
本座標入力装置全体を制御するマイクロコンピュータで
ある。マイクロコンピュータ31は、内部カウンタ、操
作手順を記憶したROM、そして座標算出時等における
作業エリアとして使用するRAM、距離計算に必要な定
数(例えば周波数f、位相速度Vg、群速度Vp等、波
の音速に関わる定数)等を記憶する不揮発性メモリ等に
よって構成されている。33a,bは不図示の基準クロ
ックを計時するタイマであり、例えばカウンタなどによ
り構成されている。
【0038】振動子駆動回路2に振動入力ペン3内の振
動子4の駆動を開始させるためのスタート信号を入力す
ると、位相遅延時間tpを計時するためのカウンタ33
a、および群遅延時間tgを計時するためのカウンタ3
3bが、その計時を開始する。これによって、計時開始
と振動入力ペン3の振動発生タイミングの同期が取ら
れ、電極により振動が検出されるまでの遅延時間が測定
できることになる。
【0039】なお、本例ではカウンタ1組についてのみ
説明したが、本実施の形態のように4箇所の電極からの
出力が得られる場合には、各電極に対応してこの様なカ
ウンタを配置しても良いし、或は後述する検出信号入力
回路35で時系列的に、電極からの信号を切り分けて、
必要な遅延時間を得るようにしても良い。ここで時系列
的に電極からの信号を切り分ける構成とは、振動入力ペ
ンから発射する振動ごとに別の電極からの信号を処理す
るように構成するものである。従って、例えば、座標算
出に必要な電極からの信号が2つならば、振動入力ペン
3からの振動が2回発射されて初めて座標算出が可能と
なる。
【0040】その他各構成要素となる回路は順を追って
説明する。振動波検出回路9より出力される電極6a〜
6dよりの振動到達タイミング信号(板波の位相速度V
pに関わる位相遅延時間tp、および群速度Vgに関わ
る群遅延時間tgの到達タイミング信号)が、検出信号
入力回路35を介してカウンタ33a,33bに各々入
力される。カウンタ33a,33bは、電極よりのタイ
ミング信号を受信すると、カウンタをストップさせ、そ
の時の計時値をラッチする。判定回路36はこれらのタ
イミング信号が出力されたと判定すると、マイクロコン
ピュータ31にその旨の信号を出力する。マイクロコン
ピュータ31は、この判定回路36からの信号を受信す
ると、振動伝達時間をカウンタ33a、33bより読み
取り、所定の計算を行なって、振動伝達板8上の振動入
力ペン3と各電極との間の距離、ならびに入力点位置座
標を算出する。そして、その結果をI/Oポート37を
介して、外部情報機器等に距離情報(座標情報)として
出力する。
【0041】<振動伝搬時間検出の説明(図5,図6)
>図5は振動波形検出回路9に入力される検出波形と、
それに基づく振動伝達時間の計測処理を説明するための
図である。
【0042】電極6a〜6dへの振動伝達時間の計測
は、振動子駆動回路2へのスタート信号の出力と同時に
開始することは既に説明した。このとき、振動子駆動回
路2から振動子4へは駆動信号41が印加される。この
信号41によって、振動発生源である振動入力ペン3か
ら振動伝達板8に入力された振動は、夫々の電極6a〜
6dまでの距離に応じた時間をかけて進行した後、各電
極で検出される。図示の42で示す信号は電極6が検出
した信号波形を示している。
【0043】この実施の形態で用いられている振動は前
述のとおり板波であるため、検出波形のエンベロープ4
21の伝播する速度(群速度Vg)と位相422の伝播
する速度(位相速度Vp)が異なる。従って、振動伝達
板8内での伝播距離に対して検出波形のエンベロープ4
21と位相422の関係は振動伝達中に、その伝達距離
に応じて変化する。本実施の形態では、この群速度Vg
に基づく群遅延時間Tg、及び位相速度Vpに基づく位
相遅延時間Tpから、振動入力ペン3と電極6a〜6d
までの間の距離を検出している。
【0044】図6は第1の実施の形態の信号波形検出回
路9の構成を表すブロック図である。以下、図5と図6
を用いて群遅延時間Tg、位相遅延時間Tpを検出する
ための構成について説明する。
【0045】電極6の出力信号42は、前置増幅回路5
1により所定のレベルまで増幅された後、帯域通過フィ
ルタ511により検出信号の余分な周波数成分が除か
れ、信号44を得る。この信号のエンベロープに着目す
ると、その波形が伝播する音速は群速度Vgであり、あ
る特定の波形上の点、例えばエンベロープのピークやエ
ンベロープの変曲点を検出することで、群速度Vgに関
わる遅延時間tgが得られる。そこで前置増幅回路51
で増幅され、帯域通過フィルタ511を通過した信号4
4は、例えば、絶対値回路及び、低域通過フィルタ等に
より構成されるエンベロープ検出回路52に入力され、
検出信号44のエンベロープ45のみが取り出される。
さらにこのエンベロープ45に対して予め設定されてい
る閾値レベル441を越える部分のゲート信号46を、
マルチバイブレータ等で構成されたゲート信号発生回路
56が形成する。
【0046】群速度Vgに関わる群遅延時間tgを検出
するには、先に述べたようにエンベロープのピーク、も
しくは変曲点等を検出すれば良いが、本実施の形態の場
合、エンベロープの最初の変曲点(後述する信号43の
立ち下がりゼロクロス点)を検出している。エンベロー
プ検出回路52で出力された信号45はエンベロープ変
曲点検出回路53に入力され、エンベロープの2回微分
波形43を得る。この微分波形信号43は前述のゲート
信号46とに比較結果により、マルチバイブレータ等に
よってtg信号49が形成され、演算制御回路1に入力
される。
【0047】一方、位相速度Vpに関わる位相遅延時間
tpの検出について説明する。57は位相遅延時間tp
を検出するためのゼロクロスコンパレータ、マルチバイ
ブレータ等で構成されたtp信号検出回路である。tp
信号検出回路57は、ゲート信号46が開いている間の
位相信号44の最初の立ち上がりのゼロクロス点(位相
が負から正へ変化する最初の点)を検出し、位相遅延時
間tpの信号47が演算制御回路1に供給される。
【0048】<振動発生源と電極間の距離算出の説明
(図7)>このようにして得られた群遅延時間tgと位
相遅延時間tpとから振動発生源と各電極までの距離を
それぞれ算出する方法について説明する。図7は本実施
の形態により得られる群遅延時間tg、位相遅延時間t
pとペン−電極間距離Lの関係を模式的に示した図であ
る。群遅延時間tgと距離Lの関係は、連続的ではある
ものの、線形性には優れない。一方、位相遅延時間Tp
と距離Lの関係は、線形性には優れるものの、連続的に
はならない。連続的とならないのは、群速度Vgと位相
速度Vpが異なる板波の性質に起因する。
【0049】波の音速(群速度Vg、位相速度Vp)は
これらの関係より得られ、次の様に定義する。まず、群
速度Vgは、群遅延時間Tpと距離Lの関係からその傾
きを1次の最小二乗法より求め、定義する。また、位相
速度Vpは個々の直線の傾きを1次の最小二乗法より求
め、測定距離範囲内で複数得られるこれらの値を平均化
したものを位相速度Vpと定義する。さらに板波の周波
数fは、先に定義された位相速度Vpを用いて、位相遅
延時間tpの各直線の切片を1次の最小二乗法よりまず
求め、各直線の間隔を得ている。測定距離範囲内で複数
得られるこれらの値を平均化したものを波長λと定義
し、周波数fを位相速度Vp/波長λとして定義する。
この様に定義した位相速度Vp、群速度Vg、周波数f
を用いて後述する方法により距離計算を行えば、最も距
離測定精度が良くなることが理解される。
【0050】ここで具体的に距離計算アルゴリズムにつ
いて説明する。本実施の形態では検出波として板波を用
いており、出力される群遅延時間tgと距離Lの線形性
は良いとは言えない。従って振動発生源3及び電極6の
間の距離Lを以下の(1)式に示される様に群遅延時間
tgと分速度Vgの積として求めた場合、精度良く距離
Lを求めることができない。
【0051】L=Vg・tg …(1) そこで、より高精度な座標決定をするために、線形性の
優れる位相遅延時間tpを用いて、次の(2)式の如き
演算処理を行う。
【0052】L=Vp・tp+N・λp …(2) ここでλpは弾性波の波長、Nは整数である。つまり
(2)式の右辺第1項は、図7に於て距離L0を示すも
のである。求めたい距離Lと距離L0との差は図から明
らかなように波長λpの整数倍となる。図7において、
時間軸上で段階の幅T*は、信号波形44の1周期であ
り、従ってT*=1/周波数、また距離で表せば段階の
幅は波長λpとなっている。従って整数Nを求めること
によって精度良くペン−電極間距離Lを正確に求めるこ
とができる。そこで前述の(1)式と(2)式から上記
の整数Nは、次の(3)式により求めることができる。
【0053】 N=INT[(Vg・tg−Vp・tp)/λp+05] …(3) この式は群遅延時間tgと距離の関係の線形性が良くな
くても、それによって発生する誤差が±1/2波長以内
であれば、Nを正確に決定することができることを示
す。以上のようにして求めたNを(2)式に代入するこ
とで、振動入力ペン3と電極6a〜6dとの間の夫々の
距離Lを精度良く測定することができる。
【0054】ここで上記計測回路によって出力される振
動伝達時間は、位相回路遅延時間etp及び群回路遅延
時間etg(図7参照、またこれらの時間は回路遅延時
間の他に振動発生源3の接触子5中を振動が伝播する時
間等をも含む)を含む。これらにより生じる誤差は、振
動発生源3から振動伝達板8、電極6へと行われる振動
伝達の際に必ず同じ量だけ含まれることになる。
【0055】従って、例えば電極から既知の距離(以後
この既知の距離を各電極から原点Oまでの距離とし、こ
れをRaと定義する)で実測される振動伝達時間をtg
0*、tp0*、また原点Oから電極まで伝播体上を波が
実際伝播するのに係る伝達時間をtg0、tp0とすれ
ば、 tg0*=tg0+etg …(4) tp0*=tp0+etp …(5) の関係がある。
【0056】一方、任意の入力点P点での実測値tg
*,tp*は同様に、 tg*=tg+etg …(6) tp*=tp+etp …(7) となる。この(4)式と(6)式、(5)式と(7)式
の差を各々求めると、 tg*−tg0*=(tg+et)−(tg0+etg)=tg−tg0 …(8) tp*−tp0*=(tp+etp)−(tp0+etp)=tp−tp0 …(9) となり、各伝達時間に含まれる位相回路遅延時間etp
および群回路遅延時間etgが除去され、波が振動伝達
板上を伝播する新野伝達時間遅延を求めることができ
る。従って、 tg=tg*−tg0* …(10) tp=tp*−tp0* …(11) として(1),(2),(3)式を用いて距離を計算
し、その値に電極6から原点O迄の距離Raを最後に加
えることで、振動入力ペン3と電極6aまでの距離を正
確に求めることができる。
【0057】つまり、電極6から原点Oまでの距離、並
びにその点で計測される振動伝達時間tg0*、tp0*
を予め不揮発性メモリ等に記憶しておけば、振動入力ペ
ン3と各電極6と間の距離を決定できることがわかる。
【0058】以上の説明は板波について説明したもので
あり、他の振動モードを選択した場合、つまり群遅延時
間tgと距離Lの線形性が優れているような振動モード
を選択した場合には、(1)式に示されるように群遅延
時間tgと群速度Vgの積で距離を求めても良いことは
言うまでもない。
【0059】<座標位置算出の説明(図8)>次に実際
に振動ペン3による振動伝達板8上の座標位置検出の原
理を説明する。図8は、本第1の実施の形態における座
標位置検出の原理を説明する図である。
【0060】今、図8に示されるように、振動伝達板8
上の4隅に4つの電極6a〜6dを符号S1〜S4の位
置に設けると、先に説明した原理に基づいて、振動入力
ペン3の位置Pから各々の電極6a〜6dの位置までの
直線距離da〜ddを求めることができる。更に演算制
御回路1でこの直線距離da〜ddに基づき、振動入力
ペン3の位置Pの座標(x,y)を3平方の定理から次
式のようにして求めることができる。
【0061】 x=(da+db)・(da−db)/2X …(10) y=(da+dc)・(da−dc)/2Y …(11) ここで、X,Y(大文字)はそれぞれ電極6a,6b間
の距離、電極6a,6c間の距離であり、以上の(1
0)、(11)式を用いることにより振動入力ペン3の
位置座標をリアルタイムで検出することができる。
【0062】また、上記計算では3つの電極までの距離
情報を用いて計算しているが、本第1の実施の形態では
4箇所の電極が設置されている。従って、残りの電極1
個の距離情報を用いて、別の組合せの電極を用いて振動
入力ペン3の位置座標を算出し、それらの結果を比較す
ることにより、出力座標の確からしさを検証することが
可能である。或は、用途によっては、例えば、最もペン
−電極間距離Lが大きくなった電極差の距離情報(距離
Lが大きくなるので検出信号レベルが低下しノイズの影
響を受ける確率が大きくなる)を用いず残りの電極3
個、あるいは電極2個(計算式は示されていないが、原
理的に容易)で座標を算出することで、座標を入力する
ことができる有効なエリアを大きくすることもできる。
電極の数については、幾何学的には2箇所以上の電極で
座標算出が可能であり、製品スペックに応じて電極の設
置箇所が設定されることはいうまでもない。
【0063】以上説明したように本第1の実施の形態の
座標入力装置は、圧電性を有する素材を入力面(振動伝
達板)として構成し、電極を振動伝達板に生成すること
で振動入力ペンより入力された振動を検出する。このた
め、従来方式である圧電センサ等の素子を用いて振動検
出を行う構成に比べ、装置を薄くすることができる。
【0064】また、振動伝達板に入力された振動を利用
して、振動入力源と振動検出点の距離を算出して座標を
検知するタイプの座標入力装置に於て、検出素子の位置
決め精度は直接座標算出精度に影響を与える。このた
め、検出素子の固着位置の精度は厳密に管理する必要が
あったが、上記第1の実施の形態によれば、その位置決
めは電極の例えば印刷精度のみに依存し、従来の検出素
子を接着する等の手段に比べその管理は著しく容易とな
る。つまり量産性に優れ低コストで、しかも高性能を有
する座標入力装置を構成することができる優れた効果が
得られる。
【0065】<第2の実施の形態>第1の実施の形態の
ように超音波を利用したペンを入力装置とする座標入力
装置は、振動入力ペンからの振動が振動検出用の電極ま
で到着する遅延時間を計時し、該計時時間に基づき振動
入力ペンの座標位置を出力する。この装置の演算制御回
路1は、遅延時間を計時するためのカウンタを振動入力
ペンの振動タイミングで同時にスタートさせ、振動検出
手段が振動入力ペンからの振動を検出するまでの時間を
カウントしている。従って、振動発生源である振動入力
ペンと本体回路は信号ケーブルでつながれ、振動入力ペ
ン3内の例えば圧電素子に駆動パルスを供給すると共
に、遅延時間の計測開始との同期をとる構成となってい
る。
【0066】従って、振動入力ペン3と本体装置とはケ
ーブルで接続されていて、コードレスとはなっていな
い。しかしながら超音波を利用するこの種の装置におい
ても、構成並びに距離算出アルゴリズムを変更すること
によって、同期タイミング無し、つまりコードレスを容
易に実現することができる。第2の実施の形態では、振
動発生と遅延時間の計測を非同期とし、振動入力ペン3
と本体との間のコードを省くことを可能とした座標入力
装置について説明する。
【0067】第2の実施の形態の構成は、図1に示され
る第1の実施の形態に於て、振動子駆動回路(駆動用電
源をこの場合含む)が振動入力ペン3に内蔵され、演算
制御回路1と振動子駆動回路2間のケーブルが無いよう
な構成とする。この場合、振動入力ペン3と演算制御回
路1の同期は全く得られない事になる。従って、直接、
振動入力点と各電極までの距離は計算することができな
いが、この場合の座標算出アルゴリズムについて以下に
説明する。
【0068】再び、図8を用いて説明すると、座標入力
面である振動伝達板に4つの電極6a〜6dを符号S1
〜S4の位置に設け、振動発生源である振動入力ペン3
の位置Pから各々の電極6a〜6dの位置までの直線距
離da〜ddとする。ペンと本体は同期が得られないの
で、距離da〜ddを直接求めることはできないが、電
極6aとペン3との距離daとその他の電極とペン3と
の距離db〜ddの距離差Δdb〜Δddを求めること
はできる。つまり、振動入力ペン3の振動発生タイミン
グが既知でなくても、例えば電極6aと電極6bに波が
到達する時間差は計測が可能であり、その結果として距
離daと距離dbの差を求めることが可能となる。そし
て、これらの直線距離差Δdb〜Δddに基づき、振動
入力ペン3の位置Pの座標(x,y)を、3平方の定理
から次の様にして求めることができる。なお、以下の各
式において、「^2」は2乗を表し、例えば、X^2はXの
2乗を示すものとする。
【0069】まず、算出されるΔdb〜Δddでdb〜
ddを表すと、 db=Δdb+da …(12) dc=Δdc+da …(13) dd=Δdd+da …(14) となる。各電極とペンとの距離を3平方の定理で表す
と。
【0070】 da^2=x^2+y^2 …(15) db^2=(Δdb+da)^2=x^2+(Y−y)^2 …(16) dc^2=(Δdc+da)^2=(X−x)^2+(Y−y)^2 …(17) dd^2=(Δdd+da)^2=(X−x)^2+y^2 …(18) となる。ここでX(大文字)、Y(大文字)はそれぞれ
電極6a,6d間の距離、電極6a,6b間の距離であ
る。
【0071】次に、{式(16)−式(15)},{式
(17)−式(18)}より Δdb^2+2da・Δdb=Y^2−2Y・y …(19) Δdc^2−Δdd^2+2da・(Δdc−Δdd)=Y^2−2Y・y …(20) となり、両式の差をとってdaを求めると次式となる。
【0072】 da=−(Δdb^2+Δdd^2−Δdc^2)/(Δdd+Δdb−Δdc) …(21) この式が成り立つのは右辺分母がゼロでない時であり、
ゼロの時の解き方は後で述べる。式(21)を、(2
0)に代入してyは次式のように求まる。
【0073】 y=Y/2−Δdb^2/2Y+Δdb・ (Δdb^2+Δdd^2−Δdc^2)/(Δdd+Δdb−Δdc)/Y …(22) 同様な方法でxを求めると、 X=X/2−Δdb^2/2X+Δdd・ (Δdb^2+Δdd^2−Δdc^2)/(Δdd+Δdb−Δdc)/X …(23) となる。但し、(23)が成り立つのも、 Δdd+Δdb−Δdc≠0 …(24) の時である。
【0074】では、(24)式の条件を満たさない場合
について検討する。(12)から(14)式を代入する
と、右辺が0の場合とは、 dd+db=dc+da …(25) であり、これは、x=X/2またはy=Y/2の場合で
あり、da=ddかつdb=dcあるいはda=dbか
つdc=ddの場合のみ成立する。
【0075】(24)式が成立しないと判定した場合
は、座標算出処理上サブルーチンに飛んでxあるいはy
の2次方程式をたてて解くことになる。
【0076】まず、x=X/2の時(この時は、Δdd
=Δdcである)、(15)〜(18)は次の2式とな
る。
【0077】 da^2=X^2/4+y^2 …(26) (Δdb+da)^2=X^2/4+(Y−y)^2 …(27) 式(27)−(26)より求めたdaを(26)に代入
して、yは次式で求まる。
【0078】 y=(Y±sqr(A))/2 …(28) ここで、A=Δdb^2・(1+X^2/(Y^2−Δdb^2)) …(29) なお、式(28)の符号はΔdb>0の時“−”で、Δ
db<0の時“+”である。
【0079】同様に、y=Y/2の場合は、xは次の通
り求まる。
【0080】 x=(X±sqr(B))/2 …(30) ここで、B=Δdb^2・(1+Y^2/(X^2−Δdd^2)) …(31) 但し、(30)の符号はΔdd>0の時“−”で、Δd
d<0の時“+”である。
【0081】以上の様にして振動ペン3の位置座標をリ
アルタイムで検出することができる。
【0082】この様な計算処理を行なうことで、ペン3
で発生した振動のタイミング情報がなくてもペンの入力
位置が算出可能となる。従って、コードレスの振動入力
ペンであるにもかかわらず、駆動タイミング受信用の受
信回路等は必要なく、簡単な回路で構成することができ
る。
【0083】以上のように第2の実施の形態によれば、
第1の実施の形態の効果に加えて、振動入力ペンと本体
とを接続するコードを不要とすることができ、操作性が
向上する。
【0084】なお、本発明は、複数の機器から構成され
るシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適
用してもよい。また、本発明はシステム或は装置にプロ
グラムを供給することによって達成される場合にも適用
できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成
するためのソフトウエアによって表されるプログラムを
格納した記憶媒体を該システム或は装置に読み出すこと
によって、そのシステム或は装置が、本発明の効果を享
受することが可能となる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
振動伝達板として圧電性の部材を用い、機械的振動に基
づいて生じる電気信号を単に電極から取り出すことが可
能となる。即ち、振動伝達板上には電極を配置すればよ
く、このような電極の配置はエッチングや印刷等の技術
で実現できるので、振動検出位置の精度管理が著しく容
易となる。
【0086】また、従来装置に比べ、装置の厚みを薄く
することができるという優れた効果が得られる。
【0087】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の座標入力装置の概略の構成
を表すブロック図である。
【図2】本実施の形態における電極の構成を説明する図
である。
【図3】電極の他の構成例を表す図である。
【図4】実施の形態の演算制御回路1の概略構成を示す
ブロック図である。
【図5】振動波形検出回路9に入力される検出波形と、
それに基づく振動伝達時間の計測処理を説明するための
図である。
【図6】第1の実施の形態の信号波形検出回路9の構成
を表すブロック図である。
【図7】実施の形態により得られる群遅延時間tg、位
相遅延時間tpとペン−電極間距離Lの関係を模式的に
示した図である。
【図8】第1の実施の形態における座標位置検出の原理
を説明する図である。
【図9】一般的な座標入力装置における圧電センサの装
着状態を表す図である。
【図10】実施の形態における振動伝達板の製造過程の
一例を説明する図である。
【符号の説明】 1 演算制御回路 2 振動子駆動回路 3 振動発生源 4 振動子 5 接触子 6 電極 8 振動伝達板 9 信号波形検出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 肇 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田中 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 柳沢 亮三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板厚方向に分極処理された圧電材で構成
    された板状部材と、 前記板状部材の面上の複数の所定位置の夫々に配置さ
    れ、該板状部材の該所定位置の夫々における電気信号を
    取り出すための複数の電極とを備えることを特徴とする
    振動伝達板。
  2. 【請求項2】 前記複数の電極は、前記板状部材の両面
    の所定位置にほぼ同じ大きさを有して配置された導電材
    で形成されることを特徴とする請求項1に記載の振動伝
    達板。
  3. 【請求項3】 前記複数の電極は、前記板状部材の一方
    の面のほぼ全面を覆う導電材と、前記板状部材の他の面
    の所定位置に部分的に配置された導電材とで形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の振動伝達板。
  4. 【請求項4】 圧電性の板状部材の両面に電極を形成す
    る第1形成工程と、 前記電極を介して前記板状部材に所定の電圧を印加し
    て、該板状部材を板厚方向に分極処理する分極工程と、 前記板状部材の所定位置の電極を残して該電極の他の部
    分を除去することで、前記板状部材からの電気信号取り
    出すための電極を形成する第2形成工程とを備えること
    を特徴とする振動伝達板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2形成工程は、前記板状部材の一
    方の面に形成された電極について、前記板状部材の所定
    位置の電極を残して該電極の他の部分を除去することを
    特徴とする請求項4に記載の振動伝達板の製造方法。
  6. 【請求項6】 圧電性の板状部材の両面の複数の所定位
    置に所定の大きさの電極を形成する形成工程と、 前記形成手段で形成した複数の電極を介して前記板状部
    材に所定の電圧を印可して、該板状部材の板厚方向の分
    極処理を行う分極工程とを備えることを特徴とする振動
    伝達板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記形成工程は、前記板状部材の一方の
    面の複数の所定位置に所定の大きさの電極を形成し、該
    板状部材の他方の面にはそのほぼ全面を覆う電極を形成
    することを特徴とする請求項6に記載の振動伝達板の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 板厚方向に分極され、圧電性を有する振
    動伝達板と、 前記振動伝達板の両面の複数の所定箇所に配置された電
    極と、 振動を発生するとともに、発生した振動を前記板状部材
    に入力する振動入力手段と、 前記振動入力手段によって入力されて前記電極まで伝播
    された振動によって発生する電気信号を該電極より獲得
    し、その電気信号に基づいて該振動入力手段で入力され
    た振動の該電極への到着を検出する検出手段と、 前記検出手段による信号の到着の検出タイミングに基づ
    いて、当該振動の入力位置の座標を算出する算出手段
    と、 前記算出手段で算出された座標データを出力する出力手
    段とを備えることを特徴とする座標入力装置。
  9. 【請求項9】 前記算出手段は、 前記振動入力手段による振動の発生時から前記検出手段
    による振動の検出時までの時間を計測する計測し、 前記計測手段によって計測された時間に基づいて前記振
    動の入力位置から各電極までの距離を算出し、 前記距離に基づいて前記入力位置の座標を算出すること
    を特徴とする請求項8に記載の座標入力装置。
  10. 【請求項10】 前記算出手段は、 前記検出手段によって検出された振動の到達タイミング
    に基づいて前記振動入力手段による振動の前記電極の夫
    々への到達時間の時間差を算出し、 前記時間差に基づいて前記入力位置の座標を算出するこ
    とを特徴とする請求項8に記載の座標入力装置。
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