JPH0973357A - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

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JPH0973357A
JPH0973357A JP23002095A JP23002095A JPH0973357A JP H0973357 A JPH0973357 A JP H0973357A JP 23002095 A JP23002095 A JP 23002095A JP 23002095 A JP23002095 A JP 23002095A JP H0973357 A JPH0973357 A JP H0973357A
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JP
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vibration
pen
signal
vibrator
vibration transmission
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JP23002095A
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English (en)
Inventor
Yuichiro Yoshimura
雄一郎 吉村
Masaki Tokioka
正樹 時岡
Hajime Sato
肇 佐藤
Atsushi Tanaka
淳 田中
Ryozo Yanagisawa
亮三 柳沢
Katsuyuki Kobayashi
克行 小林
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】振動伝達板に振動を与えて座標を入力する座標
入力装置において、振動ペンに接続する信号線を減ら
し、振動ペンの操作性を向上させる。また、振動ペンを
駆動する電力を低減する。 【解決手段】振動子駆動回路2は、グランドレベル−信
号線12間に振動子4の駆動信号を供給する。振動子4
のプラス電極には、信号線12が接続され、マイナス電
極には、導電性のペン先5が接続されている。また、振
動伝達板8の表面は接地されている。係る構成におい
て、振動ペン3のペン先5を振動伝達板8に接触させる
と、振動子4のマイナス電極が接地されて振動子4に駆
動信号が印加される。その結果、振動子4は振動を発生
し、ペン先5を介して振動伝達板8に振動が入力され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、座標入力装置に係
り、特に振動伝達板に振動を与えて座標を入力する座標
入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、振動伝達板に対し、圧電素子
等の振動子を内蔵した振動ペンにより振動を入力し、振
動伝達板に設けられた複数の振動センサにより、振動伝
達板を伝わってくる振動を夫々検出して、振動伝達時間
から振動ペンと各振動センサとの夫々の距離を算出し、
算出した各距離から幾何学的な演算によって振動の入力
点の座標を求める座標入力装置が知られている。
【0003】この種の座標入力装置は、振動ペンによる
振動の入力から、各振動センサによって振動を検出する
までの振動伝達時間を計測するためのタイマを有し、振
動ペンを振動せしめるための駆動信号を与えるタイミン
グで当該タイマを起動し、各振動センサによって振動を
検知したタイミングにおける夫々のカウント値から、各
振動センサまでの振動伝達時間を求める。
【0004】したがって、振動ペンと本体とは電気的に
接続されている必要があった。この接続の形態は2種類
に大別される。その1つは、振動子に駆動信号を供給す
る駆動回路が本体側に備えられた形態であり、この場
合、振動ペンと本体とは、接地線と駆動信号線との2本
の信号線によって接続される。また、他の形態は、振動
ペン側に駆動回路を備えた形態であり、この場合、振動
ペンと本体とは、駆動回路を制御する制御信号線と、電
源線及び接地線の3本の信号線によって接続される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、振動ペンと本体とを接続する信号線が複数に及
ぶと、信号線やそれを接続する端子等も必要になりコス
トが高くなるという欠点があった。また、信号線が複数
に及ぶと、それらを被覆してなるペンコードの腰が固く
なり、座標を入力する際における振動ペンの取り回しが
悪くなり、操作上好ましくなかった。
【0006】一方、振動ペンをコードレス化するために
は、上記の座標入力方式では、振動ペンに電源を内蔵す
る必要があり、その結果として振動ペンが重量化、大型
化し必ずしも操作性が向上するとは言い難く、また、コ
ードレス方式においては、振動の入力位置から各振動セ
ンサまでの夫々の距離の差分から入力座標を演算するた
め、演算の過程で誤差が拡大し、精度が低下するという
問題があった。
【0007】さらに、両者共に、実際に振動ペンを振動
伝達板に接触させて座標を入力する場合だけでなく、振
動ペンが振動伝達板に接触していない場合においても、
所定の周期で振動ペンが駆動されるため、電力を不要に
消費するという問題点があった。
【0008】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、振動ペンに接続する信号線を減らすことを目的
とする。
【0009】また、これに付随して、振動ペンの操作性
を向上させること、振動ペンを駆動する電力を低減する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑
みてなされたものであり、一対の電極を有する振動子に
よって振動を発生する振動ペンを振動伝達板に接触させ
て座標を入力する座標入力装置であって、前記振動伝達
板の振動入力面と前記振動子の一方の電極との間に、前
記振動子の駆動信号を供給する駆動信号供給手段を備
え、前記振動ペンは、前記振動子の他方の電極と電気的
に接続されたペン先端部を有することを特徴とする。
【0011】本発明の好適な実施の態様に従えば、前記
ペン先端部を包囲する絶縁部材よりなり、所定の圧力に
より前記ペン先端部を表出せしめる入力制御手段を更に
備えることが望ましい。
【0012】また、例えば、前記入力制御手段は、前記
ペン先端部を被覆する弾性の絶縁部材であって、所定の
圧力により変形し前記ペン先端部が突出する突出孔を有
することが望ましい。
【0013】また、例えば、前記駆動信号供給手段は、
前記振動伝達板の振動入力面を接地して前記駆動信号を
供給することが望ましい。
【0014】また、前記振動子は、圧電素子であること
が望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を説明する。
【0016】[発明の第1の実施の形態]図1は、本実
施の形態における座標入力装置の構成例を示す図であ
る。同図において、演算制御回路1は、座標入力装置全
体を制御する制御回路であり、振動ペン3によって入力
した座標を算出し、ディスプレイ11等に出力する。振
動子駆動回路2は、演算制御回路1より入力されるパル
ス信号を増幅し、振動子4を駆動することによって振動
ペン3のペン先5を振動させる回路であり、駆動信号線
12により振動ペン12と電気的に接続されている。
【0017】振動伝達板8は、アルミニウム板、鉄板、
SUS板等の導電性金属部材、或いは、ガラス板、樹脂
材板の表面に導電層を設けた材料よりなる振動伝達板で
あり、電気的に接地されている。座標の入力は、振動ペ
ン3を振動伝達板8上の有効領域A内の所望の位置に接
触させることによって行う。振動ペン3は、後述するよ
うに、振動伝達板8に接触し、駆動信号が印加されたと
きにペン先5に振動を発生し、この振動が振動伝達板8
を伝播し、振動センサ6a〜6dに達する。
【0018】振動伝達板8の外周には、反射した振動が
中央部に戻るのを抑制するための防振材7が設けられ、
また振動伝達板の周辺部には、機械的な振動を電気信号
に変換する圧電素子等の振動センサ6a〜6dが4隅に
配置されている。
【0019】振動センサ6a〜6dからの夫々の出力信
号は、前置増幅回路(図5参照)へ送られ、ここで所定
のゲインで増幅された出力は、信号波形検出回路9に供
給される。そして、信号波形検出回路9は、振動が到達
したタイミングを示すタイミング信号(Tg、Tp)を
出力する。演算制御回路1は、このタイミング信号から
各振動センサ6a〜6dにおける振動伝達時間を得て、
それらから振動を入力された座標を算出する。
【0020】ディスプレイ11は、実施の態様により、
座標入力部である振動伝達板8の背後に設けられるディ
スプレイであり、例えば、液晶表示器やCRT若しくは
それらの投射型表示器等によって構成される。ディスプ
レイ11を備える場合は、振動伝達板8を、ガラス板や
樹脂材板の表面に導電層を設けた透明部材によって構成
すべきことは言うまでもない。
【0021】ディスプレイ駆動回路10は、演算制御回
路1の指示に基づいて、例えば振動ペン3によって入力
された座標等をディスプレイ11に表示する駆動回路で
ある。以下、各部の詳細を説明する。
【0022】<座標入力部の構成例>図2は、振動ペン
の駆動機構の一例を示す図である。演算制御回路1は、
低レベルのパルス信号を振動子駆動回路2に供給し、振
動子駆動回路2は、所定の増幅率でこのパルス信号を増
幅した駆動信号を、信号線12を介して振動子4に供給
する。ただし、振動子4は、プラス電極側(図面では、
上部の電極)が信号線12によって振動子駆動回路2の
駆動信号出力端子に接続されているだけであり、マイナ
ス電極側(図面では、下部の電極)は、金属等の導電材
料からなるペン先5(振動伝達部材)に接続されている
に過ぎない。
【0023】前述のように、振動伝達板8は接地されて
いる(少なくとも、振動入力面側に接地した面があれば
良い)。したがって、振動子4には、振動ペン3のペン
先5を振動伝達板8上に接触したときに駆動信号が印加
され、ペン先5を振動伝達板8に接触させない限り、振
動子4は駆動されず、常時振動ペン3が駆動される従来
の構成に比べ、電力の消費を抑えることができる。
【0024】なお、本実施の形態は、接地した振動伝達
板8と、信号線12により振動子4に駆動信号を印加す
る構成であるが、信号線12と振動伝達板8との電位差
によって駆動信号を印加する構成であれば、振動伝達板
8を接地する必要はない。
【0025】図3は、振動ペンのペン先端部の構成例を
示す図である。この例においては、振動子4として圧電
素子を用いている。振動子4には、プラス(+)電極側
に信号線12が接続される。この接続は電気的にされれ
ば十分であり、例えばハンダ等で信号線12を固定して
も、バネ等により導電性部材を付勢して、押さえ接触さ
せてもよい。また、マイナス(−)電極側には、金属等
の導電材料からなるペン先5(振動伝達部材)が接続さ
れている。この接続は、駆動信号を印加するため、電気
的な接続が必要であると同時に、振動を伝えるための振
動伝達部材として機能する機械的な接続が必要である。
【0026】したがって、ペン先5と振動子4とは、電
気的な接触を十分に行うためには導電性接着剤を用いる
ことが望ましいが、振動子4とペン5とを十分な圧力で
押さえ付け、電気的な接触を維持したまま固定できるの
であれば、導電性を持たない接着剤で固定しても良い。
また、上記と同様の接続が得られのであれば圧着でも良
い。
【0027】ペン先5は、振動子4の振動を効率的に振
動伝達板8に伝えるため、例えば、円錐形状やホーン形
状の他、先端の尖った形状の部材を用いるのが望まし
い。また、ペン先5の少なくとも先端部は、前述のよう
に、導電性の振動伝達板8と接触し、振動子4のマイナ
ス電極と電気的に導通可能な構成とするため、金属等の
導電性部材より構成されている。ペン先5は、例えば、
その全体が導電性部材により形成されても良いし、振動
子4のマイナス電極と振動伝達板8とが電気的に導通可
能な構成であれば、(b)に示すように、樹脂材のよう
な非導電部材(絶縁部材)の表面に導電材で被覆しても
良いし、(c)に示すように、軸中心を導電材によって
構成しても良いし、同様な機能を有する他の構成であっ
ても良い。以上のように、ペン先5の構成には自由度が
あり、所望の形状や振動特性等に応じて適切な構成を選
択することができる。
【0028】ペン先5が振動伝達板8と接触し、駆動信
号が振動子4に対して印加されると、その駆動信号(電
気信号)は、機械的な超音波振動に変換され、ペン先5
を介して振動伝達部材8に伝達される。なお、振動子4
が発生する振動周波数は、振動伝達板8に板波を発生す
ることが可能な値を選択することが望ましい。板波は、
表面波などに比して振動伝達板の表面の傷、障害物等の
影響を受けにくいという利点を有する。更に、振動子4
が発生する振動周波数を、振動伝達部材(ペン先5、振
動伝達板8を含む)の共振周波数とすることにより、効
率良く振動変換を行うことが可能である。
【0029】<演算制御回路の構成例>演算制御回路1
は、タイマ回路を内蔵しており、所定の周期毎(例え
ば、5msec毎)に前述のパルス信号を振動子駆動回
路2に出力するタイミングで、このタイマ回路を起動
し、パルス信号にしたがって発生した超音波振動(振動
ペン3が振動伝達板8に接触しているときに発生)が振
動伝達板8を伝播して各振動センサ6a〜6dに到達し
たことを示すタイミング信号(Tg、Tp)を検知し
て、そのカウント値から各振動センサ6a〜6dについ
ての群遅延時間tg及び位相遅延時間tpを得る。
【0030】そして、これらの振動伝達時間より、振動
の入力位置から各振動センサ6a〜6dまでの夫々の振
動伝達距離を算出し、算出した各振動伝達距離より幾何
学的な演算を行って入力座標を算出する。
【0031】また、演算制御回路1は、算出した入力座
標に基づいて、ディスプレイ駆動回路10を駆動して、
ディスプレイ11による表示を制御したり、その入力座
標を例えば、シリアル通信やパラレル通信等によって外
部機器に出力する。
【0032】図4は、演算制御回路1の構成例を示すブ
ロック図である。同図において、マイクロコンピュータ
31は、座標入力装置全体を制御するマイクロコンピュ
ータであり、以下に示す制御手順を格納したROM、演
算等を行う際のワークメモリとして機能するRAM、制
御の際に参照する定数(振動伝達時間の補正用の定数等
を含む)等を記憶する不揮発性メモリ等によって構成さ
れている。
【0033】タイマ33は、不図示の基準クロックにし
たがって計時動作するタイマ(例えば、カウンタなどに
より構成されている)であって、振動子駆動回路2に前
述のパルス信号を供給すると、それをスタート信号とし
て計時動作を開始する。これによって、タイマ33によ
る計時開始と、振動ペン3による振動の入力との同期を
とり、各振動センサ6a〜6dにより振動が検出される
までの夫々の遅延時間を測定することができる。なお、
前述のように、振動子4に対して実際に振動子駆動回路
によって駆動信号が印加されるのは、ペン先5が振動伝
達板8に接触しているときに限られている。
【0034】振動波形検出回路9から入力される、各振
動センサ6a〜6dについての振動到達のタイミング信
号(各振動センサに付いて、Tg、Tp)は、検出信号
入力回路35によってラッチ信号に加工されラッチ回路
34a〜34dに入力される。ラッチ回路34a〜34
dは、夫々振動センサ6a〜6dに対応しており、対応
する振動センサに関するタイミング信号(Tg、Tp)
を受信すると、各ラッチ回路34a〜34dは、タイミ
ング信号(Tg、Tp)の各々についてタイマ33の出
力(計時値)をラッチする。
【0035】そして、全てのタイミング信号(Tg及び
Tp×4センサ)を受信したことを判定回路36によっ
て検知し、これに基づいてラッチ回路34a〜34dか
ら、各振動センサ6a〜6dに関する計時値、すなわち
振動伝達時間(tg、tp)を読み取り、それに基づい
て振動を入力した座標を算出する。算出した座標値は、
例えば、I/Oポート37を介してディスプレイ11上
の対応する位置にドット等として表示することができ
る。また、I/Oポート37を介して不図示のインター
フェース回路に供給することによって、外部装置に出力
することもできる。
【0036】<振動伝達時間の計測例>以下、振動の入
力位置から各振動センサ6a〜6dまでの振動伝達時間
の計測例を説明する。図5は、振動伝達時間の計測に関
する信号波形の一例を示す図である。以下、振動センサ
6aに関して説明するが、他の振動センサ6b〜6dに
関しても全く同様であり、各振動センサ6a〜6dに対
応して設けられた回路は、夫々並列に動作する。
【0037】振動の入力位置から振動センサ6aまで振
動伝達時間の計測は、前述のように、振動子駆動回路2
にパルス信号を供給するときに、それをスタート信号と
してタイマ33を起動することによって開始する。この
時、振動ペン3のペン先5が振動伝達板8に接触してい
たら、振動ペン3(振動子4)に対して駆動信号が印加
され、振動伝達板8に振動が入力される。したがって、
ペン先5が振動伝達板8に接触していない場合には、当
然に意図する振動を振動センサ6a〜6dによって検知
することはできないため、ペン先5が振動伝達板9に接
触するまで、入力座標の算出を行う必要はない。以下で
は、振動が振動伝達板8に適正に入力された場合につい
て説明する。
【0038】振動伝達板8に適正に入力された超音波振
動(信号41は駆動信号若しくはパルス信号)は、その
入力位置から振動センサ6aまでの振動伝達距離に応じ
た振動伝達時間をかけて進行し、振動センサ6aによっ
て検知される。信号42は、振動センサ6aによって検
出された検出信号を示している。
【0039】本実施の形態において使用される振動は板
波であるため、検出信号42のエンベロープ421と位
相422の関係は、振動の伝達中に、その伝達距離に応
じて変化する。ここで、エンベロープ421の進む速
度、すなわち、群速度をVg、位相422の進む速度、
すなわち、位相速度をVpとする。演算制御回路1は、
この既知の群速度Vg及び位相速度Vpを用いて、振動
伝達時間より振動ペン3と振動センサ6a間の振動伝達
距離を算出することができる。
【0040】先ず、エンベロープ信号421にのみ着目
すると、その速度はVgであり、エンベロープ信号42
1の所定の点、例えば変極点やピーク点を検出し、振動
の入力から検出までの時間、すなわち群遅延時間をtg
(信号Tg参照)とすると、振動ペン3と振動センサ6
aとの間の概略距離d’は、 d’=Vg・tg ・・・式(1) で与えられる。なお、式(1)を用いて、他の3つの振
動センサ6b〜6dに関する振動伝達距離についても同
様に算出することができる。
【0041】さらに、より高精度な座標決定をするため
に、位相信号422の検出に基づく処理を行う。例え
ば、振動の入力から、エンベロープ信号421が所定の
閾値信号46を超えた後における位相信号422のゼロ
クロス点までの時間、すなわち位相遅延時間をtp(信
号Tp参照;信号47に対し所定幅の窓信号44を生成
し、位相信号422と比較することで得る)とすれば、
振動ペン3と振動センサ6aとの距離dは、 d=n・λp+Vp・tp ・・・式(2) となる。ただし、λpは弾性波の波長、nは整数であ
る。ここで、d’=dとすると、整数nは、 n=[(Vg・tg−Vp・tp)/λp+1/N] ・・・式(3) と表わされる。ただし、Nは“0”以外の実数であり、
適当な値を用いる。例えばN=2とすれば±1/2波長
以内のtg等の変動であれば、nを決定(すなわち、式
(2)が連続性を有する領域を決定)することができ
る。
【0042】式(3)より求めたnの値を式(2)に代
入することにより、不連続であるが精度の高い位相遅延
時間tpを用いて、振動ペン3と振動センサ6a間の距
離dを精度良く測定することができる。振動伝達時間で
ある群遅延時間tg及び位相遅延時間tpの測定のため
タイミング信号Tg及びTpの生成は、信号波形検出回
路9により行われる。以下、信号波形検出回路9の構成
例を説明する。
【0043】図6は、信号波形検出回路9の構成例を示
すブロック図である。同図において、振動センサ6aの
出力信号は、前置増幅回路51により所定の増幅率で増
幅される。増幅された信号は、帯域通過フィルタ511
により余分な周波数成分が除かれ(信号42に対応)、
例えば絶対値回路や低域通過フィルタ等により構成され
る、エンベロープ検出回路52に入力され、エンベロー
プ信号(信号421に対応)が取り出される。エンベロ
ープ・ピーク検出回路53は、取出されたエンベロープ
信号を、例えば2回微分することによりエンベロープの
ピークを示す信号(2回微分信号)を生成し、Tg信号
生成回路54に供給する。Tg信号生成回路54は、例
えば、単安定マルチバイブレータ等から構成され、2回
微分信号から所定幅のゲート信号を生成し、そのゲート
信号が開いている期間における2回微分信号のゼロクロ
ス点よりエンベロープのピーク点の検出信号である信号
Tgを生成する。なお、振動センサ6a〜6dの夫々で
検出される信号に基づいて夫々生成される信号Tgを、
信号Tga〜Tgdとする(演算制御回路1の入力信
号)。
【0044】トリガ信号検出回路55は、エンベロープ
検出回路52で検出されたエンベロープ信号(信号42
1に対応)が所定レベル(閾値信号46に対応)を越え
る部分のパルス信号(信号47に対応)を生成する。単
安定マルチバイブレータ56は、トリガ信号検出回路5
5で生成したパルス信号によってトリガされた所定の時
間幅のゲート信号(信号44に対応)を生成する。Tp
信号生成回路57は、例えばコンパレータ等によって構
成され、単安定マルチバイブレータ56より入力される
ゲート信号が開いている期間における、帯域通過フィル
タ511の出力信号(信号422に対応)をパルス変換
し、位相信号の検出信号である信号Tpを生成する。な
お、振動センサ6a〜6dの夫々で検出される信号に基
づいて夫々生成される信号Tpを、信号Tpa〜Tpd
とする(演算制御回路1の入力信号)。
【0045】前述のように、演算制御回路1は、信号T
g(Tga〜Tgd)及び信号Tp(Tpa〜Tpd)
のタイミングより、振動の入力位置から各振動センサ6
a〜6dに至る夫々の振動伝達時間(群遅延時間tg、
位相遅延時間tp)を得ることができる。
【0046】<回路遅延時間の補正例>前述のラッチ回
路34a〜34dにおいてラッチされる計時値、すなわ
ち振動伝達時間は、振動子駆動回路2、振動センサ6
(6a〜6d)、信号波形検出回路9、演算制御回路1
内における電気信号の伝播遅延等による回路遅延時間e
t及び位相オフセット時間toffを含んでいる。これ
らの誤差は、振動ペン3から振動伝達板8を介して振動
センサ6(6a〜6d)に至る経路、すなわち振動の入
力位置に拘わらず一定である。
【0047】そこで、例えば図7の原点Oから、例えば
振動センサ6aまでの距離をR1とし、原点Oに振動ペ
ン3で振動を入力し、原点Oから振動センサ6aまでの
振動伝達時間の実測値をtgz’(群遅延時間)、tp
z’(位相遅延時間)、また原点Oから振動センサ6a
までの真の振動伝達時間をtgz,tpzとすれば、回
路遅延時間et及び位相オフセットtoffとの関係
は、 tgz’=tgz+et ・・・式(4) tpz’=tpz+et+toff ・・・式(5) で与えられる。一方、任意の入力座標P(x,y)にお
ける実測値tg’及びtp’は、 tg’=tg+et ・・・式(6) tp’=tp+et+toff ・・・式(7) となる。ここで、式(4)と式(6)、式(5)と式
(7)の差は、 tg’−tgz’=(tg+et)−(tgz+et) =tg−tgz ・・・式(8) tp’−tpz’=(tp’+et+toff)−(tpz+et+toff) =tp−tpz ・・・式(9) となり各伝達時間に含まれる回路遅延時間etおよび位
相オフセットtoffが除去される。さらに、式(8)
及び(9)を変形すると、 tg=tg’+(tgz−tgz’) ・・・式(10) tp=tp’+(tpz−tpz’) ・・・式(11) となる。ここでtgz、tpzは、式(1)〜式(3)
から理論的に算出できる値であり、また、tgz’、t
pz’は、例えば出荷時に実測して求めることができる
値であり、これらはマイクロコンピュータ31に備えら
れた不揮発性メモリ等に記憶して置くことにより、式
(10)及び(11)を用いて、群遅延時間tg及び位
相遅延時間tpを補正し、この結果を用いて式(2)及
び(3)より精度良く振動伝達距離を算出することがで
きる。なお、他の振動センサ6b〜6dについても同様
である。
【0048】<座標の算出例>次に、前述した例に基づ
いて算出した、振動の入力位置から各振動センサ6a〜
6dに至る各振動伝達距離を用いて、振動の入力座標を
算出する例を説明する。
【0049】図7は、振動の入力座標の算出例を説明す
る図である。同図において、P(x,y)は、振動の入
力座標である。また、da〜ddは、振動の入力座標P
(x,y)から各振動センサ6a〜6dまでの夫々の振
動伝達距離であり、演算制御回路1は、前述の例にした
がって算出することができる。そして、さらに演算制御
回路1は、da〜ddを基に入力座標P(x,Y)の算
出を行う。振動センサ6a−6b間距離をX、振動セン
サ6a−6c間距離をYとすると、振動の入力座標P
(x,y)は、 x=(da+db)・(da−db)/2X ・・・式(12) y=(da+dc)・(da−dc)/2Y ・・・式(13) で与えられる。これにより、演算制御回路1は、リアル
タイムで振動の入力座標を算出することができる。
【0050】なお、式(12)及び(13)は、3個の
振動センサによって計測した、各振動伝達距離に基づい
て座標を算出する例であるが、少なくとも2個の振動セ
ンサを備えることにより座標の算出を行うことができ
る。また、振動センサの配置に関しても上記の例に限定
されるものではなく、例えば、辺の中央に十字状に4個
の振動センサを配置しても良い。
【0051】上記の例は、振動子駆動回路を本体側に備
えた構成例であるが、振動ペン側に振動子駆動回路を内
蔵する構成にすることもできる。この場合、前述のよう
に振動伝達板から接地電位を供給する構成にすることに
より、振動ペンに接続される信号線を、振動子駆動回路
を制御する制御線と、電源線の2本にすることができ
る。
【0052】以上のように、本実施の形態によれば、本
体と振動ペンとを接続する接地線を削除することができ
る。その結果、ペンコードに含まれる信号線の本数を減
らすことができるため、ペンコードを柔らかくすること
ができ、振動ペンの取り回し(操作)が容易になる。
【0053】また、ペンコードやその接続端子の製造コ
ストを下げることができる。
【0054】また、振動ペンのペン先を振動伝達板に接
触させたとき、すなわち、座標を入力するときのみ振動
子に駆動信号が印加されるため、振動子の駆動に供する
電力消費を低減することができる。
【0055】また、コードレス方式は、振動の入力位置
から各センサまでの夫々の距離の差分から入力座標を演
算するために演算の過程で誤差が拡大し、精度が低下す
るが、本実施の形態によれば、座標算出の精度を維持し
たまま、操作性を向上させることができる。
【0056】[発明の第2の実施の形態]上記の第1の
実施の形態においては、振動ペン3の導電性の先端部が
露出した構成について説明したが、本実施の形態におい
ては、筆圧を加えることによって、振動ペン3の導電性
の先端部が突出して振動伝達板8と電気接続される(駆
動信号が印加される)構成について説明する。、図8
は、本実施の形態における振動ペンの構成例を示す図で
ある。同図において、(a)は振動ペン3に筆圧を加え
ない状態を、(b)は振動ペン3に筆圧を加えた状態を
示している。13は、ペン先5の先端部の表面に設けら
れた、粘弾性の材料、或いは弾性を有し圧力によって変
形する樹脂等の材料からなる絶縁性被服部材であって、
ペン先5の先端部に、切り欠き、或いは孔が設けられて
いる。この切り欠き、或いは孔は、筆圧によって変形
し、ペン先5の先端部と振動伝達板8とを電気的に接触
せしめることができる。
【0057】絶縁性被服部材13は、座標を入力してい
ない時、すなわち、振動ペン3の先端部(ペン先5)が
振動伝達板8に接触していない時には、(a)に示すよ
うに、ペン先5の先端部を覆う状態になる(この状態で
は、振動子4に接地電位が供給されないため、当然に振
動子4は駆動されない)。一方、座標の入力時において
は、振動ペン3の先端部を振動伝達板8に押し当てるこ
とにより、絶縁性被服部材13は、先端部において筆圧
により変形する。絶縁性被覆部材13は、被覆部材13
の先端部に設けられた切り欠き、或いは孔の周辺が部分
的に外側に押しやられ、振動ペン3の先端部が突き出る
ように変形する。そして、この筆圧が一定値を越える
と、絶縁性被服部材13の変形が進み、(b)に示すよ
うに、振動ペン3の先端部が振動伝達板8と接触し、振
動子4のマイナス電極側と振動伝達板8は、電気的に接
触し駆動信号が印加される。
【0058】以上のように、絶縁性被服部材13は、頻
繁に圧力が加えられ変形するため、繰り返し変形に絶え
得る、復元性のある材料を選択する必要がある。
【0059】なお、上記の構成は、ペン先に絶縁性被服
部材を設けた例であるが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、一定値以上の筆圧を加えることによって、
例えばバネ等の弾性部材の変形により、振動子の電極と
振動伝達板とが電気的に接触する構造においても同様の
効果を奏する。
【0060】以上の構成により、振動ペンを誤って振動
伝達板に接触させた場合においても、その接触の圧力が
所定の圧力を超えない限り、振動子が駆動されないた
め、振動子の駆動に供する消費電力を抑制することがで
きる。また、所定の筆圧を加えなければ振動が発生しな
いため、安定に座標を入力することができる。
【0061】また、本発明は、複数の機器から構成され
るシステムに適用しても、単体の装置に適用しても良
い。また、本発明はシステム或は装置にプログラムを供
給することによって実施される場合にも適用できること
は言うまでもない。この場合、本発明に係るプログラム
を格納した記憶媒体が本発明を構成することになる。そ
して、該記憶媒体からそのプログラムをシステム或は装
置に読み出すことによって、そのシステム或は装置が、
予め定められた仕方で動作する。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、振
動ペンに接続する信号線を減らすことができるという効
果がある。
【0063】また、これに付随して、振動ペンの操作性
を向上させることができるという効果がある。
【0064】また、これに付随して、振動ペンを駆動す
る電力を低減することができるという効果がある。
【0065】
【図面の簡単な説明】
【図1】座標入力装置の構成例を示す図である。
【図2】振動ペンの駆動機構の一例を示す図である。
【図3】第1の実施の形態における振動ペンのペン先端
部の構成例を示す図である。
【図4】演算制御回路の構成例を示すブロック図であ
る。
【図5】振動伝達時間の計測に関する信号波形の一例を
示す図である。
【図6】信号波形検出回路の構成例を示すブロック図で
ある。
【図7】振動の入力座標の算出例を説明する図である。
【図8】第2の実施の形態における振動ペンの構成例を
示す図である。
【符号の説明】
1 演算制御回路 2 振動子駆動回路 3 振動入力ペン 4 振動子 5 ペン先振動伝達部材 6a〜6d 振動センサ 7 防振材 8 振動伝達板 9 信号波形検出回路 10 ディスプレイ駆動回路 11 ディスプレイ 12 駆動信号線 13 絶縁性被覆部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 柳沢 亮三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小林 克行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極を有する振動子によって振動
    を発生する振動ペンを振動伝達板に接触させて座標を入
    力する座標入力装置であって、 前記振動伝達板の振動入力面と前記振動子の一方の電極
    との間に、前記振動子の駆動信号を供給する駆動信号供
    給手段を備え、 前記振動ペンは、前記振動子の他方の電極と電気的に接
    続されたペン先端部を有することを特徴とする座標入力
    装置。
  2. 【請求項2】 前記ペン先端部を包囲する絶縁部材より
    なり、所定の圧力により前記ペン先端部を表出せしめる
    入力制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1に
    記載の座標入力装置。
  3. 【請求項3】 前記入力制御手段は、前記ペン先端部を
    被覆する弾性の絶縁部材であって、所定の圧力により変
    形し前記ペン先端部が突出する突出孔を有することを特
    徴とする請求項2に記載の座標入力装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動信号供給手段は、前記振動伝達
    板の振動入力面を接地して前記駆動信号を供給すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記
    載の座標入力装置。
  5. 【請求項5】 前記振動子は、圧電素子であることを特
    徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の
    座標入力装置。
JP23002095A 1995-09-07 1995-09-07 座標入力装置 Withdrawn JPH0973357A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015027024A1 (en) * 2013-08-22 2015-02-26 Microchip Technology Incorporated Touch screen stylus with communication interface

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