JPH092899A - 短波長用ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶の製造法 - Google Patents
短波長用ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶の製造法Info
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Abstract
厚さで基板を残したまま使用されるビスマス置換希土類
鉄ガーネット単結晶製造において、歩留まりを大きく向
上させるための製造方法を提供する。 【構成】 エピタキシシャル成長炉からビスマス置換希
土類鉄ガーネット単結晶が育成された基板を急速に引き
上げる。 【効果】 ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶表面
における融液の固化・収縮にともなうひび割れや異物が
大幅に低減され、歩留まりの向上が図られた。
Description
イソレータなどのファラデー回転子に用いられるビスマ
ス置換希土類鉄ガーネット単結晶に関する。更に詳しく
言えば、本発明は、ファラデー回転子としての厚さが 1
00μm以下のビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜
の製造法に関するものである。
めざましいものがある。この光ファイバ通信や光計測で
は多くの場合、信号源として半導体レーザが使用されて
いる。しかし半導体レーザは、光ファイバ端面などから
反射し、再び半導体レーザ自身に戻ってくるところの所
謂反射戻り光があると、発振が不安定になるという重大
な欠点がある。そのため半導体レーザの出射側に光アイ
ソレータを設けて、反射戻り光を遮断し、半導体レーザ
の発振を安定化させることが行われている。
であるが、長距離の光ファイバ通信では、石英光ファイ
バの損失が低い1.31μmや1.55μm帯(長波長帯と呼ば
れている)が採用されている。これに対して短距離の光
ファイバ通信や光計測では、安価でしかも高い出力の半
導体レーザが容易に入手できる 0.8μm帯(短波長帯と
呼ばれている)が主に使用されている。したがって、光
アイソレータも使用される半導体レーザの波長に応じ
て、1.31μmや1.55μm帯の長波長帯用と、 0.8μm帯
の短波長帯用の二種類に大別される。
ラデー回転子およびファラデー回転子を磁気的に飽和さ
せるための永久磁石からなる。光アイソレータの中心的
な機能を担うファラデー回転子には、主に液相エピタキ
シャル(以下「LPE」と記す)法で育成される厚さが
数十μmから 400μm程度のビスマス置換希土類鉄ガー
ネット単結晶膜(以下簡単に「BIG」と記す)、例え
ば、(HoTbBi)3Fe5O12,(YbTbBi)3Fe5O12, (LuTbBi)3Fe5O
12 などが用いられている。
のように行われる。まず、縦型管状炉からなるLPE装
置の中央に貴金属製の坩堝を備えつける。そして、希土
類鉄ガーネット成分の酸化物、例えば酸化第二鉄や希土
類酸化物と、酸化鉛、酸化ほう素および酸化ビスマスか
らなるフラックス成分を坩堝に仕込み、1000℃程度の高
温でこれら酸化物を溶解させ、BIG育成用の融液とす
る。その後、融液温度を 800℃前後に降下させ過飽和状
態に保つ。
ネット基板をLPE炉上部から降下させ、融液と接触さ
せる。融液と接触した基板を回転させながら基板上にB
IGをエピタキシャル成長させる。所定の厚さにBIG
を育成した後、基板を融液から数センチ程度引き上げ、
高速で基板を回転させ、BIGに付着した融液の大部分
を振り切る。融液振り切り操作後、LPE炉から基板を
引き上げ取り出す。
Gが育成されたガーネット基板(以下、単に「BIG育
成基板」と略す)を取り出すと、熱衝撃でBIG育成基
板が割れるという問題があった。そこで本発明者らは、
LPE炉上部にLPE炉とは別に加熱装置(徐冷炉)を
設け、BIGが育成された基板を一旦この徐冷炉(400〜
500 ℃に加熱した状態にしておく)収納し、次いで徐冷
炉の中でゆっくりと基板を室温まで徐冷するという基板
割れ防止策を開発した。
は、付着固化した融液成分を溶解・除去するための酸洗
浄を経た後、ファラデー回転角が45度になるように厚さ
が調整される。厚さの調整は研磨によって行われる。フ
ァラデー回転子としてのBIGが厚い場合、基板は研磨
で全て除去されることが多い。これは、基板とBIGの
界面で起きるフレネル反射(約 1.4%)を避け、光アイ
ソレータ用ファラデー回転子としての光透過率をできる
だけ大きいものにするための措置である。また、ファラ
デー回転子としてのBIGの厚さが 100μm以下の場合
には基板を研磨で除去すると強度面での問題が出て来る
ので基板を残したままの形で使用されのが一般的であ
る。
ぜならば結晶表面は全面にわたって光学特性を満足する
訳ではなく、光学特性が劣化した領域がいくつか存在す
る。例えば、図2に示すようなひび割れたような領域で
ある。これは、BIG表面に付着した融液(振り切り操
作を行っても、融液の粘性が高いため、結晶表面に付着
する)が、固化・収縮する過程で結晶表面も収縮されて
ひびが入ったものである(以下このような融液に起因す
る光学特性劣化領域を「融液ダメイジ」と略称する)。
あるいは、図3に示されるような異物が存在する。これ
は、融液からBIGとは別の結晶が成長したものではな
いかと推定される。いずれにせよ融液ダメイジや異物の
存在する部分は、光学特性、すなわち、光挿入損失とか
消光比が低下するので取り除く必要があり、そのための
研磨は不可欠な操作となっている。
は、研磨の精度からみて±2μm程度である。これをフ
ァラデー回転角に換算すると、例えば (HoTbBi)3Fe5O12
では、波長1.31μm用では45±0.4 度、波長1.55μmで
は45±0.3 度程度であり、光アイソレータ用ファラデー
回転子に求められている回転角の精度45±2 度の範囲内
であり、特に問題とはならない。
μm以下で、基板を除去しない形で用いられるファラデ
ー回転子の場合は、研磨精度が±2μmであっても回転
角の精度が大きな問題となる。例えば、BIG育成用の
2インチ基板、(CaGd)3(MgZrGa)5O12 の場合、基板内に
おける厚さの精度は±5μm程度である。従って、この
基板上に育成したBIGを研磨して、厚さ(基板+BI
G)を±2μmの精度に仕上げたとしても、基板自体に
±5μmの厚さのばらつきがあるため、BIG自体の厚
さの精度は±7μmとなる。
が 0.8μm帯、即ち、短波長領域であり、単位膜厚当た
りの回転角が非常に大きいので回転角のばらつきも1.31
μmや1.55μmなどの長波長帯に比べて数倍大きくな
る。例えば(HoTbBi)3Fe5O12 の場合、波長0.78μmにお
けるファラデー回転係数は1μm当たり約1度であるか
ら、研磨精度が±7μmでは45±7度の回転角精度とな
り、45±2度を満たす回転子を選別しなければならなく
なる。ファラデー回転子の膜厚が 100μm以下のBIG
製造においては、ファラデー回転角不良が多い、即ち、
製品歩留りが非常に低いというのが、工業生産上大きな
課題である。
ー回転子の膜厚が 100μm以下のBIG生産における低
歩留りを解決するため鋭意検討を加えた。その結果、B
IG育成基板をLPE炉内から取り出す際、基板を急速
に冷却することで、融液ダメイジや異物が大幅に抑制さ
れることを見いだした。従って、基板を急速冷却した場
合、融液ダメイジや異物を除くためのBIG表面の研磨
が不必要となり、この点からは、LPE成長させたBI
Gをそのままファラデー回転子に用いることが可能とな
る。幸いにも、BIGの厚みはLPE成長時間で正確に
制御可能であり、また、表面に付着した固化した融液を
溶解除去したBIG表面は極めて平滑であることが確認
された。
法により、非磁性ガーネット単結晶基板の片面に育成さ
れた厚さ 20〜100 μmのビスマス置換希土類鉄ガーネ
ット単結晶膜を育成したBIG育成基板(I) を製造し、
該育成に用いた液相エピタキシャル用電気炉から取り出
す際、該BIG育成基板(I) を高速回転させて融液振り
切りした後から温度 300℃以下までの冷却を1分以内と
することを特徴とする短波長用ビスマス置換希土類鉄ガ
ーネット単結晶膜の製造法である。
に用いる液相エピタキシャル用電気炉として縦型管状炉
を用い、該縦型管状炉の上蓋に近接して徐冷炉を設け、
内部温度が 100〜250 ℃の該徐冷炉に該BIG育成基板
(I) を引上げ収納すること、冷却された該BIG育成基
板(I) の表面に付着している固化した融液の最大厚みが
50μm以下である短波長用ビスマス置換希土類鉄ガー
ネット単結晶膜の製造法である。また、上記により製造
した該BIG育成基板(I) を温度 50℃以下にて塩酸、
硝酸又は塩酸と硝酸との混合水溶液に浸漬して該BIG
育成基板(I) 表面に付着し固化した融液を溶解除去する
短波長用ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の製
造法である。
る。上述したように、通常一般にLPE炉からの基板引
き上げに際しては、基板の割れを防止するためには、例
えば、LPE炉上部に設置した徐冷炉に一旦基板を収容
して、ゆっくりと室温まで冷却する必要がある。この過
程において、融液(melt)が固化・収縮してBIGにひび
が入るなど損傷(融液ダメイジ)や、微結晶と思われる
異物が発生する。ところが、基板の割れを無視して急速
にLPE炉から基板を取り出し、そして室温雰囲気に基
板を放置して冷却すると(LPE炉から取り出してから
おおよそ30秒以内に室温に近い温度となる)、融液ダメ
イジと異物が非常に少なくなる。この場合、基板は数枚
に割れてしまうが、それでもなお、BIG表面を研磨し
て製造したファラデー回転子よりも歩留りが高くなる
(実施例3と比較例1)。
液ダメイジや異物が少なくなる理由は明確ではないが、
融液の固化速度がきわめて急速に行われた場合、 (1).固化した融液の粒界が微細化した状態となり、固化
する際の収縮がBIGへ与える影響が小さくなる。 (2).異物の成長に必要な時間よりも短い時間で冷却さ
れ、異物が少なくなる。 と推察される。BIG表面の固化した融液が厚い場合に
は、急速冷却しても内部の冷却速度は小さくなり、粒界
の微細化が充分に達成されない場合が生じる。この点か
らBIG表面の固化した融液の厚みが50μmを越えた部
分が生じないように振り切りから急速冷却を実施するの
が好ましい。
除去したBIG表面は極めて平滑であることが確認され
た。さらに、BIGの厚みはLPE成長時間で正確に制
御可能であることも確認された(実施例1)。以上、L
PE法による基板付きBIG作製方法において、研磨工
程が不必要であるにもかかわらず、歩留りが改善された
ことの意義は非常に大きいと言える。
速度又は急速冷却下限温度を調整することで、さらに歩
留りが向上させたものである。すなわち、2インチサイ
ズのBIG育成基板をLPE炉から大気中に直接引き上
げると、基板が室温付近までに冷却される時間は30秒程
度であるが、この場合、少なくとも基板は大小3つに割
れる(図1、実施例3)。しかし、LPE炉上部に徐冷
炉を設置し、これに、一旦BIG育成基板を収容し、そ
れから基板を徐冷炉から取り出すと、大半の基板は割れ
ずに取り出すことが可能である。割れた場合にも、2片
となる程度であり、歩留まりの低下も小さいものとでき
る。
である。 300℃を超えると、基板の割れは防止される
が、BIG表面に付着した融液の固化速度が低下して融
液ダメイジと異物が多くなって歩留まりが低下する。徐
冷炉を設置してBIG育成基板を収容する場合、徐冷炉
の設定温度と実際の温度が異なることに注意する必要が
ある。なぜならば、BIG育成基板をLPE炉から取り
出す際にLPE上部の蓋を開放するので、LPE炉内か
らの熱輻射と上昇気流によって、徐冷炉温度が上昇する
からである。例えば、徐冷炉の温度を200℃に設定した
場合、LPE炉の上蓋を開放した瞬間に徐冷炉内は 300
℃以上となった。したがって徐冷炉の温度は、LPE炉
内からの熱輻射と上昇気流を考慮して決定されなければ
ならない(比較例3)。
育成基板は、BIG表面に固化した融液が付着している
ので、このままの状態ではファラデー回転素子として使
用できない。固化した融液を除去する手段としては、B
IG育成基板を酸に浸漬し、超音波洗浄器にて洗浄する
ことが有効である。固化した融液の除去に好適な酸は、
融液に対する溶解速度は大きいが、BIGに対しての溶
解速度は小さいものが望まれる。この理由は、BIGを
数ミクロン溶解すると表面にエッチピットが多数出現
し、表面が荒れるからである。
合水溶液が好適である。硫酸や燐酸では固化した融液の
溶解速度が小さく不適当である。また、温度は50℃以下
が好ましい。50℃を越えると固化した融液を完全に溶解
除去できる前に数ミクロンのBIGの溶解が起こり、エ
ッチピットが多数出現するので不適当である。なお、固
化した融液の厚さが 100μm以上では、これを完全に除
去するのに時間を要するために、同様のエッチピットが
出現し不適当である。
様と効果を具体的に、かつ詳細に説明するが、以下の例
は、具体的に説明するものであって、本発明の実施態様
や発明の範囲を限定するものとしては意図されていな
い。 実施例1 LPE法により厚み0.78μm用(HoTbBi)3Fe5O12 単結晶
膜を以下のように製造した。LPE炉は炉芯管内径22c
m、高さ 100cmの縦型管状炉からなり、炉の上には耐火
物からなる厚さ 6cmの上蓋を置いた。さらにその上蓋か
ら 2cm離れたところに内径30cm、外形40cm、高さ40cmで
縦方向に二つ割(開閉が可能な形状)の徐冷炉を設け
た。
た容量 1500 ml(ミリリットル)の白金製ルツボに、酸化鉛(Pb
O,4N(フォーナイン)) 2,700g 、酸化ビスマス(Bi2O3,4N) 2,40
0g 、酸化第2鉄(Fe2O3,4N) 340g 、酸化ほう素(B2O3,5
N) 120g、酸化テルビウム(Tb4O7,3N) 17gおよび酸化ホ
ルミウム(Ho2O3,3N) 23gを仕込んだ。これを1000℃に加
熱溶融して十分に撹拌して均一に混合したのち、融液温
度 768℃にまで冷却してビスマス置換希土類鉄ガーネッ
ト単結晶育成用融液とした。ここに得られた融液表面
に、常法に従って、厚さが 500μmで、格子定数が 12.
497 ±0.002 Åで2インチの (111)ガーネット単結晶
((GdCa)3(GaMgZr)5O12)基板の片面を接触させ、融液温
度を 768℃に維持し、かつ基板を毎分60回転の速度で回
転させながらエピタキシャル成長を75分間行った。
面から 1cmだけ引き上げ、毎分 300回転の速度で基板を
回転させ、ビスマス置換鉄ガーネット単結晶に付着した
融液を振り切りを1分間行った。融液を振り切った後、
直ちにLPE上部の上蓋を開け、基板を上昇させてLP
E炉内から取り出し、徐冷炉中に取り込んだ。徐冷炉は
全く加熱しない状態であったが、LPE炉の上蓋を開け
たときに炉内からの輻射熱と上昇気流により 220℃とな
った。また、基板の引上げ開始から徐冷炉に収納するま
で5秒であった。
蓋をすばやく閉めた。その10秒後に、二つ割の徐冷炉を
開いて開放した。BIG育成基板が室温付近まで冷却さ
れてから、BIG育成基板を徐冷炉から取り出し、白金
製の基板ホルダーと一緒に10%塩酸水溶液に浸した。こ
の塩酸水溶液を30分超音波洗浄器にかけ、付着固化した
融液を溶解・除去した。BIG育成基板を基板ホルダー
から取り外したところBIGが基板はほぼ中央部で二つ
に割れていた。BIG育成基板の任意の4点における波
長0.78μmにおけるファラデー回転角を測定したところ
42.1〜42.5度であった。
ガーネット成分を補充して、育成時間を80分(=75×45/4
2.3 より) と設定した他は上記と同様にして再度LPE
を行った。なお、ガーネット成分の補充は、酸化第2鉄
(Fe2O3,4N) 0.25g、酸化テルビウム(Tb4O7,3N) 0.078g
および酸化ホルミウム(Ho2O3,3N) 0.13gを融液に補充
し、融液を1000℃に加熱溶融して十分に撹拌して均一に
混合した。
成された基板をすべて 5mm×5mm に切断した。完全な 5
mm×5mm の形をなしている素子51個が得られた。この51
個の素子のBIG表面を顕微鏡観察し、素子の光学有効
領域(アパーチャ)4mm φ中に融液ダメイジと異物が存
在するものは不良品とした。その結果不良品は6個であ
った。次いで、良品45個の波長0.78μmにおけるファラ
デー回転角を測定したところ、44.6度から45.2度の範囲
であった。
冷炉に収納するまで秒とする他は(速度を毎秒 5cm)実
施例1とまったく同様の条件で、厚さが48μmの(HoTbB
i)3Fe5O12 単結晶膜を作製した。引上げ開始から徐冷炉
に収納するまで30秒であった。次に実施例1とまったく
同様の後処理を行い、 5mm×5mm のファラデー回転子56
個を得た。このうち有効径アパーチャ内に融液ダメイジ
と異物が存在するため不良となったのは13個であった。
次いで、良品43個の波長0.78μmにおけるファラデー回
転角を測定したところ、44.7度から45.7度の範囲であっ
た。
以外は実施例1とまったく同様の条件で、厚さが48μm
の(HoTbBi)3Fe5O12 単結晶膜を作製した。ただし、基板
は上蓋から60cmの高さまで5秒間で引き上げた。この際
基板は3つに割れた。次に実施例1とまったく同様の後
処理を行い、5mm ×5mm のファラデー回転子39個を得
た。このうち有効径内に融液ダメイジと異物が存在する
ため不良となったのは3個であった。次いで、良品36個
の波長0.78μmにおけるファラデー回転角を測定したと
ころ、44.9度から45.5度の範囲であった。
く同様の条件で、98μmの厚さの(HoTbBi)3Fe5O12 単結
晶膜を作製した。また、LPE成長後の基板の引き上げ
に際しては、徐冷炉をあらかじめ 500℃に加熱しておい
た。徐冷炉に基板を収容したのち、徐冷炉を毎時 150℃
の冷却速度で冷却し、おおよそ60℃に達した時点で基板
を徐冷炉から取り出した。ついで、実施例1と同様の方
法でBIG表面に付着した融液を除去した。そして、0.
78μmで45度の回転角をなすようにBIGを研磨した。
研磨後にBIGが育成された基板を切断し、 5mm×5mm
の大きさの素子65個を得た。この素子のファラデー回転
角を測定した結果、15個が43度以下、43度〜47度が17
個、47度以上が32個であった。
bBi)3Fe5O12 単結晶膜を作製した。ついで、LPE炉か
らの基板引き上げを引上げ開始から徐冷炉収納まで5分
で行った。次に、実施例1とまったく同様の後処理を行
い、 5mm×5mm のファラデー回転子64個を得た。このう
ち有効径内に融液ダメイジと異物が存在するため不良と
なったのは60個であった。
以外は、実施例1とまったく同様の条件・操作を行い、
厚さが48μmの(HoTbBi)3Fe5O12 単結晶膜を作製した。
この場合、基板引き上げの際、上蓋を開放した時点で徐
冷炉内部は 430℃となった。次に実施例1とまったく同
様の後処理を行い、 5mm×5mm のファラデー回転子64個
を得た。このうち有効径内に融液ダメイジと異物が存在
するため不良となったのは49個であった。
換希土類鉄ガーネット単結晶膜を歩留まり良く生産でき
る。また研磨工程の省略が可能であり、製造コストの低
減が図られる。
れる基板の割れを示す模式図である。
類鉄ガーネット単結晶表面のダメイジを示す模式図であ
る。
異物を示す模式図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 液相エピタキシャル法により、非磁性ガ
ーネット単結晶基板の片面に育成された厚さ 20〜100
μmのビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を育成
したBIG育成基板(I) を製造し、該育成に用いた液相
エピタキシャル用電気炉から取り出す際、該BIG育成
基板(I) を高速回転させて融液振り切りした後から温度
300℃以下までの冷却を1分以内とすることを特徴とす
る短波長用ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の
製造法。 - 【請求項2】 該育成に用いる液相エピタキシャル用電
気炉として縦型管状炉を用い、該縦型管状炉の上蓋に近
接して徐冷炉を設け、内部温度が 100〜250℃の該徐冷
炉に該BIG育成基板(I) を引上げ収納する請求項1記
載の短波長用ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜
の製造法。 - 【請求項3】 冷却された該BIG育成基板(I) の表面
に付着している固化した融液の最大厚みが 50μm以下
である請求項1記載の短波長用ビスマス置換希土類鉄ガ
ーネット単結晶膜の製造法。 - 【請求項4】 請求項1記載の製造法で製造した該BI
G育成基板(I) を温度 50℃以下にて塩酸、硝酸又は塩
酸と硝酸との混合水溶液に浸漬して該BIG育成基板
(I) 表面に付着し固化した融液を溶解除去する短波長用
ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の製造法。
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