JPH09286677A - バーナーノズルとその製造方法 - Google Patents
バーナーノズルとその製造方法Info
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- mosi
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B41/00—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
- C04B41/009—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
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- C04B41/00—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
- C04B41/45—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
- C04B41/50—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
- C04B41/5053—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials non-oxide ceramics
- C04B41/5062—Borides, Nitrides or Silicides
- C04B41/5071—Silicides
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高温域において高度の耐酸化性ならびに強度を
もち、長期間にわたって安定使用が保証される、SiC
−MoSi2複合材料のバーナーノズルとその製造方法
を提供する。 【解決手段】(1)気孔率15〜25%、平均細孔径
0.1〜10μm、常温での3点曲げ強度100MPa
以上の再結晶質SiC焼結体にMoSi2が溶浸されて
なる気孔率0.5〜6.0%の複合組織をもつSiC−
MoSi2複合材料のバーナーノズル。 (2)前記(1)の再結晶質SiC焼結体を母材とし、
この母材にMoSi2を接触させながら不活性ガス中
0.8atm以上の雰囲気下で1950〜2200℃の
温度で加熱処理し、再結晶SiC質焼結体の気孔にMo
Si2を溶浸させるSiC−MoSi2複合材料のバー
ナーノズルの製造方法。
もち、長期間にわたって安定使用が保証される、SiC
−MoSi2複合材料のバーナーノズルとその製造方法
を提供する。 【解決手段】(1)気孔率15〜25%、平均細孔径
0.1〜10μm、常温での3点曲げ強度100MPa
以上の再結晶質SiC焼結体にMoSi2が溶浸されて
なる気孔率0.5〜6.0%の複合組織をもつSiC−
MoSi2複合材料のバーナーノズル。 (2)前記(1)の再結晶質SiC焼結体を母材とし、
この母材にMoSi2を接触させながら不活性ガス中
0.8atm以上の雰囲気下で1950〜2200℃の
温度で加熱処理し、再結晶SiC質焼結体の気孔にMo
Si2を溶浸させるSiC−MoSi2複合材料のバー
ナーノズルの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐酸化性と
高温での強度を有し、長期にわたって安定に使用できる
SiC−MoSi2複合材料のバーナーノズルとその製
造方法に関する。
高温での強度を有し、長期にわたって安定に使用できる
SiC−MoSi2複合材料のバーナーノズルとその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】バーナー用ノズルとして従来から使用さ
れている、窒化硅素ボンドのSiC材料は、高温での強
度が低いため、肉厚を厚くする必要がある。それに耐酸
化性も悪いため長期間の使用が困難であり、高温で使用
される場合は、割れ・きれつ、それに短寿命が問題であ
る。特に最近のニューセラミックスの焼成は、炉を急速
に昇温・降温する必要があり、熱衝撃による割れも問題
となっている。これらの問題を解決するために、SiC
の反応焼結品をバーナーノズルとして使用することも試
みられているが、反応焼結品は遊離のSiがあるためS
iの融点(1420℃)以上になるとSiが玉のように
なって吹き出してしまう問題がある。このような欠点を
解決するため、本出願人が特開平7−215781号公
報に示した「炭化硅素系複合材料とその製造方法」でバ
ーナーノズルの製作を試みた。特開平7−215781
号公報によれば、この材料は、「気孔率15〜18%、
平均細孔径0.1〜10μm、常温での3点曲げ強度1
00MPa以上の再結晶質SiC焼結体に、MoSi2
が溶浸されてなる気孔率0.5〜3.0%の複合組織を
有することを特徴とする炭化硅素系複合材料。」であ
る。この方法によって製作された、バーナーノズルは、
高温での強度も高く、耐酸化性も良く、熱衝撃に対して
も強かった。しかし、バーナーノズルは、円錐形や、円
筒につばがついた形等の複雑な形状が多いため、加工や
接着等が必要になる。これらの加工や接着等を行うため
には、成形体中のSiCの粒径を細かくする必要がある
が、SiCの粒径を細かくすると一般的に気孔率が高く
なり強度も低下するため、特開平7−215781号公
報に示された再結晶質SiC焼結体を使用してバーナー
ノズルを製造することは工業的に大変困難である。ま
た、MoSi2の溶浸も母材SiCの気孔率が高く、形
状が複雑でMoSi2粉末との接触面積が狭くなるた
め、MoSi2溶浸後のSiC−MoSi2複合材料の
バーナーノズルの気孔率を、0.5〜3.0%の範囲に
してMoSi2を溶浸させることも工業的に大変難し
い。
れている、窒化硅素ボンドのSiC材料は、高温での強
度が低いため、肉厚を厚くする必要がある。それに耐酸
化性も悪いため長期間の使用が困難であり、高温で使用
される場合は、割れ・きれつ、それに短寿命が問題であ
る。特に最近のニューセラミックスの焼成は、炉を急速
に昇温・降温する必要があり、熱衝撃による割れも問題
となっている。これらの問題を解決するために、SiC
の反応焼結品をバーナーノズルとして使用することも試
みられているが、反応焼結品は遊離のSiがあるためS
iの融点(1420℃)以上になるとSiが玉のように
なって吹き出してしまう問題がある。このような欠点を
解決するため、本出願人が特開平7−215781号公
報に示した「炭化硅素系複合材料とその製造方法」でバ
ーナーノズルの製作を試みた。特開平7−215781
号公報によれば、この材料は、「気孔率15〜18%、
平均細孔径0.1〜10μm、常温での3点曲げ強度1
00MPa以上の再結晶質SiC焼結体に、MoSi2
が溶浸されてなる気孔率0.5〜3.0%の複合組織を
有することを特徴とする炭化硅素系複合材料。」であ
る。この方法によって製作された、バーナーノズルは、
高温での強度も高く、耐酸化性も良く、熱衝撃に対して
も強かった。しかし、バーナーノズルは、円錐形や、円
筒につばがついた形等の複雑な形状が多いため、加工や
接着等が必要になる。これらの加工や接着等を行うため
には、成形体中のSiCの粒径を細かくする必要がある
が、SiCの粒径を細かくすると一般的に気孔率が高く
なり強度も低下するため、特開平7−215781号公
報に示された再結晶質SiC焼結体を使用してバーナー
ノズルを製造することは工業的に大変困難である。ま
た、MoSi2の溶浸も母材SiCの気孔率が高く、形
状が複雑でMoSi2粉末との接触面積が狭くなるた
め、MoSi2溶浸後のSiC−MoSi2複合材料の
バーナーノズルの気孔率を、0.5〜3.0%の範囲に
してMoSi2を溶浸させることも工業的に大変難し
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高温での強
度が高く、耐酸化性にも優れ、熱衝撃にも強いSiC−
MoSi2組成の複合材質のバーナーノズルと、それを
容易に工業的に製造する方法を提供することにある。
度が高く、耐酸化性にも優れ、熱衝撃にも強いSiC−
MoSi2組成の複合材質のバーナーノズルと、それを
容易に工業的に製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるバーナーノズルの材料は、母材の気孔
率15〜25%、平均細孔径0.1〜10μm、常温で
の3点曲げ強度100MPa以上の再結晶質SiC焼結
体に、MoSi2が溶浸してなる気孔率0.5〜6%の
複合組織を有することを特徴とする。本発明の母材とな
る再結晶質SiC焼結体は、組織の気孔率が15〜25
%で、平均細孔径が0.1〜10μmの範囲内にあり、
かつ材質の強度として常温における3点曲げ強度100
MPa以上のものを選択使用する。バーナーノズルは複
雑な形状のため、成形体で加工を行う。そのとき、加工
をし易くするのに微粉のSiCを配合するため、気孔率
が高くなりやすい。気孔率は母材の強度と相関があり、
従来の粒度配合・焼成条件では18%を越えて気孔が存
在すると常温での3点曲げ強度が100MPa以上の材
質を得ることができなかった。しかし、バーナーノズル
用に新たに微粉を配合したものでは、成形用バインダー
の変更や焼成条件等の制御も行うことで、気孔率が25
%でも100MPa以上のものを得ることができた。ま
た、加工や接着等もできるため、工業的に容易にバーナ
ーノズル用の再結晶質SiC母材を得ることができる。
気孔率が15%未満の再結晶質SiCは実質上製造する
ことは困難である。平均細孔径が0.1μm未満の場合
にはMoSi2とSiCの濡れ性が良好といっても、あ
る程度の接触角を持つため気孔内部まで溶浸を行うこと
が困難となり、10μmを越える気孔がある場合にもM
oSi2の溶浸が毛細管現象を利用しているため、同様
に気孔内部まで円滑に溶浸することができなくなる。強
度の点からも気孔径が10μmを越えると、その気孔が
破壊を引き起こす欠陥源となるため、常温での3点曲げ
強度が100MPa未満になってしまう。母材の3点曲
げ強度が常温で100MPa以上必要であることの用件
は、溶浸するMoSi2が脆性材料であるため母材自体
の強度が100MPaを下回ると複合強度の向上が図れ
なくなるためであり、バーナーノズルとして使用する場
合好ましくは120〜140MPaの範囲である。本発
明のSiC−MoSi2複合材料のバーナーノズルは、
上記の再結晶質SiC焼結体にMoSi2を溶浸してな
るものであるが、溶浸後の複合組織は気孔率が0.5〜
6.0%の範囲にあることが重要な用件となる。この気
孔率が0.5%未満であると、熱サイクルの繰り返しや
高温強度下での長時間の使用時に組織にきれつが発生し
たり、材質強度の低下を招く。これは、溶浸したMoS
i2と母材SiCとの熱膨張差が原因で、使用中に組織
内部に応力が生じてきれつの発生に結びつくためだと考
えられる。気孔率が0.5%を越えると気孔の存在によ
って応力が緩和されてきれつの発生が抑制される。バー
ナーノズルの場合、他の炉材より熱衝撃は厳しくて温度
も高温になる。しかし、バーナーに近いため酸化はそれ
ほどしないので、気孔率は6.0%以下で良い。6.0
%を越えるとバーナーノズルとして使用しても酸化によ
り短寿命となる。つまり、特開平7−215781号公
報に示された気孔率の範囲0.5〜3.0%に比べ、
0.5〜6.0%の範囲で良いため、母材の気孔率が高
く、複雑な形状でも工業的に製造し易い。上記のSiC
−MoSi2複合材料のバーナーノズルを得るための本
発明による製造方法は、気孔率15〜25%、平均細孔
径0.1〜10μm、常温での3点曲げ強度100MP
a以上の再結晶質SiC焼結体を母材とし、該母材に接
触するようにMoSi2の粉末もしくはペーストを介在
させ、不活性ガス中、0.8atm以上の雰囲気圧下で
1950〜2200℃の温度に加熱処理して、再結晶質
SiC焼結体の気孔にMoSi2を溶浸することを構成
上の特徴とする。再結晶質SiC焼結体は、SiC粉末
に適量の水とバインダーを添加して調節した混練物・ス
ラリーを、押出し成形法や鋳込み成形法によりバーナー
ノズル形状に成形する。もちろん、金型を使用したプレ
ス成形やシート成形等の、一般にSiCを成形する方法
の全てが可能である。そして、成形体を必要により加工
したり、つば等を接着した後、N2やArガス等の不活
性な雰囲気中で加熱焼結する。それから、バーナーノズ
ル形状の再結晶質SiC焼結体の母材に、例えば母材を
MoSi2粉末で被包、あるいはノズル内部にMoSi
2粉末を充填するような状態でMoSi2粉末を接触さ
せるか、MoSi2をそのまま、もしくはペースト状に
して母材面に塗布するようにして介在させる。他の方法
としては、黒鉛等のルツボにMoSi2粉末を入れ、そ
の中にノズルの一部が接触するようにしても良い。特に
この方法では、MoSi2の融点が非常に高いため、M
oSi2が溶けるまでにSiC母材の再結晶化が進むの
で、焼成工程が省け、MoSi2の溶浸工程だけで製品
を得ることができる。MoSi2の粉末の粒径について
は特に限定はないが、介在させるMoSi2の量は、溶
浸後に残存させる気孔量を考慮して、母材の気孔総体積
にMoSi2の密度を乗じた値以下に設定される。Mo
Si2の溶浸は、N2またはArのような不活性ガス
中、0.8atm以上の雰囲気圧下で1950〜220
0℃の温度に加熱する工程で行われる。不活性ガス雰囲
気が0.8atm未満の圧力では、MoSi2の昇華が
起きるようになる。焼成温度が1950℃未満ではMo
Si2が溶解しないため溶浸が進行せず、2200℃を
越える温度では、SiCの分解やMoSi2の蒸発が発
生する。上記の工程を経て、再結晶質SiC焼結体の気
孔組織にMoSi2が溶浸したSiC−MoSi2組成
を有し、気孔率が0.5〜6.0%の複合組織を備え
る、SiC−MoSi2複合材料のバーナーノズルが製
造される。
に、本発明によるバーナーノズルの材料は、母材の気孔
率15〜25%、平均細孔径0.1〜10μm、常温で
の3点曲げ強度100MPa以上の再結晶質SiC焼結
体に、MoSi2が溶浸してなる気孔率0.5〜6%の
複合組織を有することを特徴とする。本発明の母材とな
る再結晶質SiC焼結体は、組織の気孔率が15〜25
%で、平均細孔径が0.1〜10μmの範囲内にあり、
かつ材質の強度として常温における3点曲げ強度100
MPa以上のものを選択使用する。バーナーノズルは複
雑な形状のため、成形体で加工を行う。そのとき、加工
をし易くするのに微粉のSiCを配合するため、気孔率
が高くなりやすい。気孔率は母材の強度と相関があり、
従来の粒度配合・焼成条件では18%を越えて気孔が存
在すると常温での3点曲げ強度が100MPa以上の材
質を得ることができなかった。しかし、バーナーノズル
用に新たに微粉を配合したものでは、成形用バインダー
の変更や焼成条件等の制御も行うことで、気孔率が25
%でも100MPa以上のものを得ることができた。ま
た、加工や接着等もできるため、工業的に容易にバーナ
ーノズル用の再結晶質SiC母材を得ることができる。
気孔率が15%未満の再結晶質SiCは実質上製造する
ことは困難である。平均細孔径が0.1μm未満の場合
にはMoSi2とSiCの濡れ性が良好といっても、あ
る程度の接触角を持つため気孔内部まで溶浸を行うこと
が困難となり、10μmを越える気孔がある場合にもM
oSi2の溶浸が毛細管現象を利用しているため、同様
に気孔内部まで円滑に溶浸することができなくなる。強
度の点からも気孔径が10μmを越えると、その気孔が
破壊を引き起こす欠陥源となるため、常温での3点曲げ
強度が100MPa未満になってしまう。母材の3点曲
げ強度が常温で100MPa以上必要であることの用件
は、溶浸するMoSi2が脆性材料であるため母材自体
の強度が100MPaを下回ると複合強度の向上が図れ
なくなるためであり、バーナーノズルとして使用する場
合好ましくは120〜140MPaの範囲である。本発
明のSiC−MoSi2複合材料のバーナーノズルは、
上記の再結晶質SiC焼結体にMoSi2を溶浸してな
るものであるが、溶浸後の複合組織は気孔率が0.5〜
6.0%の範囲にあることが重要な用件となる。この気
孔率が0.5%未満であると、熱サイクルの繰り返しや
高温強度下での長時間の使用時に組織にきれつが発生し
たり、材質強度の低下を招く。これは、溶浸したMoS
i2と母材SiCとの熱膨張差が原因で、使用中に組織
内部に応力が生じてきれつの発生に結びつくためだと考
えられる。気孔率が0.5%を越えると気孔の存在によ
って応力が緩和されてきれつの発生が抑制される。バー
ナーノズルの場合、他の炉材より熱衝撃は厳しくて温度
も高温になる。しかし、バーナーに近いため酸化はそれ
ほどしないので、気孔率は6.0%以下で良い。6.0
%を越えるとバーナーノズルとして使用しても酸化によ
り短寿命となる。つまり、特開平7−215781号公
報に示された気孔率の範囲0.5〜3.0%に比べ、
0.5〜6.0%の範囲で良いため、母材の気孔率が高
く、複雑な形状でも工業的に製造し易い。上記のSiC
−MoSi2複合材料のバーナーノズルを得るための本
発明による製造方法は、気孔率15〜25%、平均細孔
径0.1〜10μm、常温での3点曲げ強度100MP
a以上の再結晶質SiC焼結体を母材とし、該母材に接
触するようにMoSi2の粉末もしくはペーストを介在
させ、不活性ガス中、0.8atm以上の雰囲気圧下で
1950〜2200℃の温度に加熱処理して、再結晶質
SiC焼結体の気孔にMoSi2を溶浸することを構成
上の特徴とする。再結晶質SiC焼結体は、SiC粉末
に適量の水とバインダーを添加して調節した混練物・ス
ラリーを、押出し成形法や鋳込み成形法によりバーナー
ノズル形状に成形する。もちろん、金型を使用したプレ
ス成形やシート成形等の、一般にSiCを成形する方法
の全てが可能である。そして、成形体を必要により加工
したり、つば等を接着した後、N2やArガス等の不活
性な雰囲気中で加熱焼結する。それから、バーナーノズ
ル形状の再結晶質SiC焼結体の母材に、例えば母材を
MoSi2粉末で被包、あるいはノズル内部にMoSi
2粉末を充填するような状態でMoSi2粉末を接触さ
せるか、MoSi2をそのまま、もしくはペースト状に
して母材面に塗布するようにして介在させる。他の方法
としては、黒鉛等のルツボにMoSi2粉末を入れ、そ
の中にノズルの一部が接触するようにしても良い。特に
この方法では、MoSi2の融点が非常に高いため、M
oSi2が溶けるまでにSiC母材の再結晶化が進むの
で、焼成工程が省け、MoSi2の溶浸工程だけで製品
を得ることができる。MoSi2の粉末の粒径について
は特に限定はないが、介在させるMoSi2の量は、溶
浸後に残存させる気孔量を考慮して、母材の気孔総体積
にMoSi2の密度を乗じた値以下に設定される。Mo
Si2の溶浸は、N2またはArのような不活性ガス
中、0.8atm以上の雰囲気圧下で1950〜220
0℃の温度に加熱する工程で行われる。不活性ガス雰囲
気が0.8atm未満の圧力では、MoSi2の昇華が
起きるようになる。焼成温度が1950℃未満ではMo
Si2が溶解しないため溶浸が進行せず、2200℃を
越える温度では、SiCの分解やMoSi2の蒸発が発
生する。上記の工程を経て、再結晶質SiC焼結体の気
孔組織にMoSi2が溶浸したSiC−MoSi2組成
を有し、気孔率が0.5〜6.0%の複合組織を備え
る、SiC−MoSi2複合材料のバーナーノズルが製
造される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のSiC−MoSi2複合
材料は、加工性に優れ、材質強度にも優れた、気孔率1
5〜25%、平均細孔径0.1〜10μm、常温3点曲
げ強度が100MPa以上の再結晶質SiC焼結体を母
体とし、これに母材SiCとの濡れ性が良好で高融点、
耐食性のMoSi2が母材SiCの気孔内部まで溶浸さ
れた複合組織を有しているから、ほとんど緻密質であ
り、母材に比べて高温域における耐酸化性および材質強
度が効果的に改善される。また、材質の気孔率が0.5
〜6.0%の範囲にあるため、組織内部に発生する応力
が巧みに緩和されてクラックの発生や材質強度の低下が
抑制され、バーナーノズルとして必要最低限の耐酸化性
も備えているため工業的に安価に製造し易い。本発明に
よる製造方法にしたがえば、母材として特定性状の再結
晶質SiC焼結体を選択使用しているから、反応SiC
焼結体を母材とする場合のように遊離Si成分を除去す
るような工程は必要とせず、工業的に有利に高性能のS
iC−MoSi2組成のバーナーノズルを製造すること
が可能となる。
材料は、加工性に優れ、材質強度にも優れた、気孔率1
5〜25%、平均細孔径0.1〜10μm、常温3点曲
げ強度が100MPa以上の再結晶質SiC焼結体を母
体とし、これに母材SiCとの濡れ性が良好で高融点、
耐食性のMoSi2が母材SiCの気孔内部まで溶浸さ
れた複合組織を有しているから、ほとんど緻密質であ
り、母材に比べて高温域における耐酸化性および材質強
度が効果的に改善される。また、材質の気孔率が0.5
〜6.0%の範囲にあるため、組織内部に発生する応力
が巧みに緩和されてクラックの発生や材質強度の低下が
抑制され、バーナーノズルとして必要最低限の耐酸化性
も備えているため工業的に安価に製造し易い。本発明に
よる製造方法にしたがえば、母材として特定性状の再結
晶質SiC焼結体を選択使用しているから、反応SiC
焼結体を母材とする場合のように遊離Si成分を除去す
るような工程は必要とせず、工業的に有利に高性能のS
iC−MoSi2組成のバーナーノズルを製造すること
が可能となる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比しなが
ら具体的に説明する。 実施例1〜4、比較例1〜7
ら具体的に説明する。 実施例1〜4、比較例1〜7
【0007】(1)再結晶質SiC焼結体の製作 平均粒径150μmと平均粒径2μmと平均粒径0.8
μmのSiC粉末と、アクリル樹脂、水、それにpH調
整用のNaOH溶液をプラスチック性のポットに入れ、
よく混合してスラリーを得た。このスラリーを鋳込み成
形により、φ120×φ60×L200mmの円錐型の
バーナー形状に成形した。この成形体を、窒素雰囲気中
で2100℃の温度により焼成し、再結晶質SiC焼結
体を製作した。得られた再結晶質SiC焼結体の気孔
率、平均細孔径および室温での3点曲げ強度を測定し、
変動条件と対比して表1に示した。なお、気孔率はアル
キメデス法により、平均細孔径は水銀圧入法により、3
点曲げ強度はJISΔR1601により、それぞれ測定
した。(以下、同じ)
μmのSiC粉末と、アクリル樹脂、水、それにpH調
整用のNaOH溶液をプラスチック性のポットに入れ、
よく混合してスラリーを得た。このスラリーを鋳込み成
形により、φ120×φ60×L200mmの円錐型の
バーナー形状に成形した。この成形体を、窒素雰囲気中
で2100℃の温度により焼成し、再結晶質SiC焼結
体を製作した。得られた再結晶質SiC焼結体の気孔
率、平均細孔径および室温での3点曲げ強度を測定し、
変動条件と対比して表1に示した。なお、気孔率はアル
キメデス法により、平均細孔径は水銀圧入法により、3
点曲げ強度はJISΔR1601により、それぞれ測定
した。(以下、同じ)
【0008】(2)MoSi2の溶浸 上記の再結晶質SiC焼結体を母材とし、バーナーノズ
ルの内径部にMoSi2粉末の重量を変えて充填した。
ガスバーナーノズルの内径部に入りきらないMoSi2
は、バーナーノズルの上部に置いたりした。また、黒鉛
ルツボにMoSi2の粉末を入れてバーナーノズルの一
端をこの黒鉛ルツボに入れて溶浸する方法も試みた。こ
の状態で、焼成炉に詰め、炉内を窒素ガスにより所定の
雰囲気圧に保持しながら加熱し、溶融したMoSi2を
SiC母材の気孔中に溶浸した。得られたSiC−Mo
Si2材質の気孔率、常温における3点曲げ強度を測定
し、その結果を表1に示した。
ルの内径部にMoSi2粉末の重量を変えて充填した。
ガスバーナーノズルの内径部に入りきらないMoSi2
は、バーナーノズルの上部に置いたりした。また、黒鉛
ルツボにMoSi2の粉末を入れてバーナーノズルの一
端をこの黒鉛ルツボに入れて溶浸する方法も試みた。こ
の状態で、焼成炉に詰め、炉内を窒素ガスにより所定の
雰囲気圧に保持しながら加熱し、溶融したMoSi2を
SiC母材の気孔中に溶浸した。得られたSiC−Mo
Si2材質の気孔率、常温における3点曲げ強度を測定
し、その結果を表1に示した。
【0009】(3)材質の評価 各例のSiC−MoSi2バーナーノズルを1350
℃、大気雰囲気の炉にセットして寿命を測定した。寿命
は炉を3ヶ月ごとに停止した時に割れているかどうかで
判断し、割れた所で寿命とした。そのため、3ヶ月ごと
の測定のため、実際にいつ割れたかは分からない。バー
ナーノズルとしての合否の判断は、15ヶ月割れずに使
用できたものを合格とした。結果を表1に示す。
℃、大気雰囲気の炉にセットして寿命を測定した。寿命
は炉を3ヶ月ごとに停止した時に割れているかどうかで
判断し、割れた所で寿命とした。そのため、3ヶ月ごと
の測定のため、実際にいつ割れたかは分からない。バー
ナーノズルとしての合否の判断は、15ヶ月割れずに使
用できたものを合格とした。結果を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば特定性状
の再結晶質SiC焼結体を母材とし、その気孔中に気孔
率が0.5〜6.0%になるように所定の条件でMoS
i2を溶浸することにより、高温域において優れた耐酸
化性と高強度を備えた、長期間の安定使用が保証される
SiC−MoSi2材質のバーナーノズルを提供するこ
とが可能となる。
の再結晶質SiC焼結体を母材とし、その気孔中に気孔
率が0.5〜6.0%になるように所定の条件でMoS
i2を溶浸することにより、高温域において優れた耐酸
化性と高強度を備えた、長期間の安定使用が保証される
SiC−MoSi2材質のバーナーノズルを提供するこ
とが可能となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ガス燃焼炉用のバーナーノズル材に関
し、母材が気孔率15〜25%、平均細孔径0.1〜1
0μm、常温での3点曲げ強度100MPa以上の再結
晶質SiC焼結体であり、かつ母材に、MoSi2を溶
浸してなる複合組織を有し、その複合組織の気孔率が
0.5〜6%であることを特徴とする、バーナーノズ
ル。 - 【請求項2】 気孔率15〜25%、平均細孔径0.1
〜10μm、常温での3点曲げ強度100MPa以上の
再結晶質SiC焼結体を母材とし、該母材に接触するよ
うにMoSi2粉末もしくはペースト状にしたMoSi
2粉末を介在させ、不活性ガス中0.8atm以上の雰
囲気下で1950〜2200℃の温度で加熱処理して再
結晶SiC焼結体の気孔にMoSi2を溶浸させること
を特徴とするバーナーノズルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8134064A JPH09286677A (ja) | 1996-04-22 | 1996-04-22 | バーナーノズルとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8134064A JPH09286677A (ja) | 1996-04-22 | 1996-04-22 | バーナーノズルとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09286677A true JPH09286677A (ja) | 1997-11-04 |
Family
ID=15119532
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8134064A Pending JPH09286677A (ja) | 1996-04-22 | 1996-04-22 | バーナーノズルとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09286677A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114207250A (zh) * | 2019-07-30 | 2022-03-18 | 西门子能源美国公司 | 用于修复高温燃气涡轮部件的系统和方法 |
-
1996
- 1996-04-22 JP JP8134064A patent/JPH09286677A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114207250A (zh) * | 2019-07-30 | 2022-03-18 | 西门子能源美国公司 | 用于修复高温燃气涡轮部件的系统和方法 |
JP2022542180A (ja) * | 2019-07-30 | 2022-09-29 | シーメンス エナジー インコーポレイテッド | 高温ガスタービン部品を修復するためのシステム及び方法 |
CN114207250B (zh) * | 2019-07-30 | 2024-03-08 | 西门子能源美国公司 | 用于修复高温燃气涡轮部件的系统和方法 |
US11939884B2 (en) | 2019-07-30 | 2024-03-26 | Siemens Energy, Inc. | System and method for repairing high-temperature gas turbine blades |
US11994040B2 (en) | 2019-07-30 | 2024-05-28 | Siemens Energy, Inc. | System and method for repairing high-temperature gas turbine components |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060201 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060411 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060808 |