JPH09286633A - 着色フレーク状ガラス、その製造方法及びそれを配合した化粧料 - Google Patents
着色フレーク状ガラス、その製造方法及びそれを配合した化粧料Info
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Abstract
明感、触感に優れた着色剤に適したフレーク状ガラス及
びそれを配合した高品質な化粧料を提供する。 【解決手段】 低次酸化チタン、酸窒化チタン、または
窒化チタンの結晶微粒子を0.1〜50重量%含有する
着色フレーク状ガラスである。これらは、好ましくは、
粒径が1nm以上、300nm以下である酸化チタン微
粒子を分散含有したフレーク状ガラスまたはフレーク状
ガラス前駆体を、窒素化合物が存在していてもよい還元
性条件で加熱して、前記酸化チタン微粒子を低次酸化チ
タン微粒子、酸窒化チタン微粒子、または窒化チタン微
粒子に変えることにより製造できる。
Description
ラス、特に色むらがなく、伸展性(のび)が良好で、透
明感、触感に優れた着色剤に適した着色フレーク状ガラ
ス、その製造方法及び化粧料に関する。
フィルム、化粧料基材等に添加・配合され、黒色着色剤
として利用されている。一般に、この用途に用いられる
低次酸化チタンは、粉末状であり、媒体に均一分散させ
ることが難しく、また一度分散させても、経時的に凝集
し、だまになったり、むらになる問題点があった。特
に、化粧料として配合した場合は、上記問題が顕著にな
り、さらに、すべりが悪くなって肌上での伸展性(の
び)が悪くなるといった問題点があった。
術に鑑み、従来製造が難しかった、高い均一着色性を有
し、かつ可視光に対する透明性が高く、かつ触感に優れ
た、着色フレーク状ガラス及びそれを配合した高品質な
化粧料を提供するものである。
本発明者らは、粒径が1nm以上、300nm以下であ
る酸化チタン微粒子を均一に分散含有したフレーク状ガ
ラスまたはフレーク状ガラス前駆体を、水素、一酸化炭
素、一酸化窒素、アンモニア等還元性気体中または炭素
質存在下窒素気体中で熱処理し、酸化チタン微粒子を、
低次酸化チタン微粒子や酸窒化チタン微粒子や窒化チタ
ン微粒子に変えることを見いだし、本発明に到った。
化チタン、または窒化チタンの結晶微粒子を0.1〜5
0重量%含有する着色フレーク状ガラスである。
結晶微粒子は低次酸化チタン、酸窒化チタン、または窒
化チタンからなり、フレーク状ガラスに所望の着色を付
与する。低次酸化チタンとは組成が TiOx(ここで、
1≦x<2)で表される酸化チタンであり、上記TiO
x においてxがあまり2に近いと非常に薄い着色しか得
られないので、組成が TiOx(ここで、1≦x≦1.
95)で表される低次酸化チタンが好ましい。酸窒化チ
タンおよび窒化チタンは、 TiOxNy(ここで、0≦x<2、0<y≦1、1≦x
+2y≦2) で表され、xがゼロであってyが1であるときは窒化チ
タンであり、その他の場合は酸窒化チタンである。ただ
し、xがあまりに2に近く、そしてyがあまりにゼロに
近いときは非常に薄い着色しか得られないので、xは好
ましくは1.90以下、より好ましくは1.60以下で
あり、yは好ましくは0.05以上、より好ましくは
0.20以上である。
結晶微粒子は1nm以上、300nm以下の直径を有す
ことが好ましい。直径が1nmより小さいと着色の色調
が良くないので好ましくない。また、300nmより大
きいと、可視光に対する透明性が損なわれる、フレーク
表面に微粒子が突出し触感が悪くなる等の理由でやはり
好ましくない。
結晶微粒子はフレーク状ガラスに対して0.1〜50重
量%、より好ましくは1.0〜40重量%、更に好まし
くは2.0〜30重量%含有しているのが良い。上記含
有量が0.1重量%より少ないと、着色が充分でなく好
ましくない。上記含有量が50重量%より多い場合は、
フレーク状ガラスの機械的強度が低くなるので好ましく
ない。
は酸化珪素ガラス、または酸化珪素を主成分とし酸化チ
タン、酸化アルミニウム、および酸化ジルコニウムから
なる群より選ばれる少なくとも一種の金属酸化物を補助
成分とするガラスであることが好ましい。すなわち着色
フレーク状ガラスのマトリックスの好ましい組成は、S
iO2 50〜100重量%、TiO2+Al2O3+Zr
O2+Al2O3 0〜50重量%である。
いて説明する。まず、酸化チタン微粒子をフレーク状ガ
ラスまたはフレーク状ガラス前駆体内に分散する。その
方法は、特に限定されないが、(1)加水分解および縮
重合可能な有機金属化合物(珪素、チタン、アルミニウ
ム、ジルコニウムの有機化合物)と水を含む溶液に、含
水酸化チタンコロイドや水酸化チタン微粒子を添加分散
し、これを基材、好ましくは表面が平滑な基材の表面上
に塗布し、乾燥して基材から剥離させた後、必要に応じ
てガラス緻密化のための加熱処理(通常は 800〜1200℃
で10分間〜5時間)をおこなって製造する方法、(2)
加水分解および縮重合可能な有機金属化合物と水を含む
溶液に、チタンのアルコキシド、アセチルアセトン化合
物、シュウ酸化合物、硫酸化合物、ハロゲン化物等のチ
タン化合物を添加溶解し、これを基材、好ましくは表面
が平滑な基板の表面上に塗布し、乾燥して基材から剥離
させた後、必要に応じてガラス緻密化および酸化チタン
微粒子をガラスマトリックス中に析出させるための加熱
処理(通常は 600〜1200℃で10分間〜5時間)をおこな
う方法等が、特に優れた特性を有する酸化チタン微粒子
分散フレーク状ガラスまたはフレーク状ガラス前駆体を
得ることができるので好ましい。なお、上記(1)およ
び(2)の方法での加熱処理を行う前のフレーク状ガラ
スを「フレーク状ガラス前駆体」(または単に「ガラス
前駆体」)と言うこととする。
中でも含水酸化チタンコロイドを添加する方法では、上
記コロイドが上記有機金属化合物と水を含む溶液中に、
均一に分散しやすいので、最終的に得られるフレーク状
ガラス中の酸化チタン微粒子分散性が非常に高く、優れ
た特性を有するものが簡単に製造できる。また、上記方
法のうち、チタン化合物を添加溶解する(2)の方法で
は、熱処理によってガラスマトリックス中に酸化チタン
微粒子が析出するので、小さい粒径の酸化チタン分散ガ
ラスが得られ、着色フレーク状ガラスの透明性が特に優
れている。
スまたは上記(1)の方法でのガラス前駆体の中の酸化
チタン微粒子径は1nm以上、300nm以下である。
酸化チタン微粒子径は、上記熱処理の条件や上記(1)
の方法における含水酸化チタンコロイドや水酸化チタン
微粒子の粒径によって調節することができる。酸化チタ
ン微粒子は後述の処理で還元されてもその直径はそれほ
ど大きく変化しない。酸化チタン微粒子径が1nmより
小さいと透明性が高くなりすぎ、酸化チタン微粒子還元
後の着色の色調が良くないので好ましくない。また、3
00nmより大きいと、可視光に対する透明性が損なわ
れる、フレーク表面に微粒子が突出し触感が悪くなる等
の理由でやはり好ましくない。
ガラスまたはガラス前駆体中の酸化チタン微粒子または
チタニア成分を還元する方法は特に限定されないが、上
記酸化チタン微粒子分散フレーク状ガラスまたはガラス
前駆体を、窒素化合物が存在していてもよい還元性条件
で加熱することにより得られる。すなわち水素、一酸化
炭素のような還元性気体または一酸化窒素、アンモニア
のような還元性窒素化合物気体の中で熱処理する方法
や、上記酸化チタン微粒子分散フレーク状ガラスまたは
ガラス前駆体を、有機物または炭素の存在下で、窒素気
体のような非酸化性雰囲気の中で熱処理する方法、等が
簡単に酸化チタン微粒子を還元できるので好ましい。な
お、上記一酸化窒素、アンモニアのような窒素化合物気
体の中で熱処理する場合には、酸化チタン微粒子は酸窒
化チタン微粒子または窒化チタン微粒子に変化する。
記フレーク状ガラスまたはガラス前駆体中の酸化チタン
を還元し、低次酸化チタン微粒子または酸窒化チタン微
粒子または窒化チタン微粒子含有フレーク状ガラスを得
ている。還元性気体は、ガラスまたはガラス前駆体マト
リックス中を拡散し、酸化チタン微粒子のみを還元す
る。
ン微粒子表面から内部に向かって進行し、条件によって
は、微粒子全体が還元される。しかし、着色剤としての
観点からは、微粒子全体が還元される必要はない。
に制限はない。焼結温度および時間は、酸化チタン微粒
子の還元が確実に進行する条件、すなわち窒素化合物が
存在していてもよい還元性条件で、かつマトリックスの
ガラス前駆体からガラスへの変化を確実にするような条
件以上に加熱することが好ましく、通常は500〜16
00℃で10分間〜24時間加熱する。
ア等還元性気体中で熱処理する場合、熱処理温度は70
0〜1200℃とするのが、酸化チタン微粒子の還元を
確実にするので好ましい。もし、処理すべき上記フレー
ク状ガラスまたはガラス前駆体中に有機物が混入してい
る場合には、この熱処理に先だって、空気中300〜4
00℃で有機物の除去を行っておくことが、透明性の高
い着色フレーク状ガラスを得るために好ましい。
で熱処理する場合は、900〜1600℃の温度で処理
するのが好ましい。上記有機物や炭素質は、基本的に炭
素元素を含んでいれば何でも良い。例えば、ポリエチレ
ングリコール、ポリビニルアルコール、ポリプロピレ
ン、フェノール樹脂、デンプン、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、セルロース等各種有機高分子、ジメチルビニ
ルエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、3−
グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、シリコ
ーンオイル等の各種有機珪素化合物、ステアリン酸、オ
レイン酸、あまに油、ひまし油等各種油脂類、パラフィ
ン炭化水素、オレフィン炭化水素、アセチレン系炭化水
素等の炭化水素化合物、無定形炭素、グラファイト、ダ
イヤモンド等の炭素質等が用いられる。
れないが、炭素換算量で酸化チタンに対して、1〜30
0重量%、好ましくは3〜150重量%で良い。この量
が1重量%より少ないと、酸化チタンの還元が充分に起
こらず好ましくない。また、300重量%より多いと、
処理時間がかかる、炭化残留することがある等の理由か
ら、やはり好ましくない。
分散フレーク状ガラスやフレーク状ガラス前駆体と接触
させることが好ましい。さらに好ましくは、酸化チタン
分散フレーク状ガラスやフレーク状ガラス前駆体の中
に、好ましくは0.01〜150重量%上記有機物や炭
素質を含有させて、酸化チタン微粒子に上記有機物や炭
素質を接触させることが好ましい。そのためには、酸化
チタン微粒子分散フレーク状ガラス前駆体の原料の中に
上記有機物や炭素質を添加する方法が簡単で好ましい。
解、脱水縮合を行うものであれば基本的にはどんな化合
物でも良いが、アルコキシル基を有する金属アルコキシ
ドが好ましい。具体的には、Si、Ti、Al、Zr等
のメトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド
等が、単体あるいは混合体として用いられる。
実質的に上記有機金属化合物を溶解すれば基本的に何で
も良いが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール等のアルコール類が最も好ましい。
要である。これは、酸性、中性、塩基性の何れでも良い
が、加水分解を促進するためには、塩酸、硝酸、硫酸等
で酸性にした水を用いるのが好ましい。酸の添加量は特
に限定されないが、有機金属化合物に対してモル比で
0.001〜2が良い。添加酸量が、モル比で0.00
1より少ないと、有機金属化合物の加水分解の促進が充
分でなく、またモル比で2より多くても、もはや加水分
解促進の効果が向上せず、酸が過剰となり好ましくな
い。
タンコロイドを用いる場合、このコロイドの分散安定化
のためにも必要である。水の添加量は、溶液の10重量
%以上、80重量%以下が良い。ただしここで言う水分
量は、上記コロイド中に含まれているものと、新たに添
加する水の総計である。水添加量が、溶液の10重量%
より少ないと、上記コロイドが安定に存在できなくなる
傾向が強く、好ましくない。また、水添加量が、溶液の
80重量%より多いと、溶液中の固形分換算濃度が低く
なりすぎて、フレークの収率が低くなり、好ましくな
い。
に、有機増粘剤等を添加しても良い。しかし、この添加
量が多いと、最終段階の加熱で炭化することがあるの
で、添加量は10重量%以下にとどめるべきである。
塗布するために使用する基板は金属、ガラスあるいはプ
ラスチック等の材質で、表面が平滑なものを用いる。こ
のような基板に、上記の有機金属化合物を含む液体を塗
布し、0.06〜50μmの薄い膜とする。この膜が乾
燥すると収縮するが、基板は収縮しないので、膜に亀裂
が発生し、フレーク状となる。基板と膜との剥離が起き
るためには、基板と膜との間に強い結合等の相互作用が
少ない状態が好ましい。
の技術を用いればよく、例えば、上記の有機金属化合物
を含む液体に基板を浸漬した後、引き上げる方法や、基
板上に上記液体を滴下し、基板を高速で回転させる方
法、基板上に上記液体を吹き付ける方法、ロールコータ
ーを用いる方法、カーテンコーターを用いる方法等が用
いられる。
みは、溶液あるいは製膜条件等によって変化するが、概
ね5μmから0.05μmの間である。5μmより厚い
と、製膜後の自由表面と基板付近との乾燥速度の差が大
きくなりすぎ、基板に平行な方向での膜間剥離が発生す
るようになる。逆に0.05μmより薄いと、基板と膜
との付着力が大きくなりすぎ、膜が基板から剥離しなく
なる。
含有するフレーク状ガラスのうち、低次酸化チタンや酸
窒化チタンを含むフレーク状ガラスは、青色〜黒色を呈
し、窒化チタンを含むフレーク状ガラスは、赤褐色〜黒
色を呈する。
チタンまたは窒化チタン結晶微粒子を含有するフレーク
状ガラスは、少なくとも低次酸化チタンや酸窒化チタン
や窒化チタンを含む微粒子を含有していれば良く、フレ
ーク状ガラス内の他の成分(例えば、金属イオン、金属
酸化物、炭素等)は、低次酸化チタン、酸窒化チタンお
よび窒化チタン結晶微粒子の特性(例えば、高い可視光
透明性・鮮やかな着色等)を充分に発揮させる範囲内で
あれば、含まれていても何等差し支えない。例えば、酸
化チタン微粒子は、その合計が低次酸化チタン、酸窒化
チタン、窒化チタン結晶微粒子の含有量を越えない範囲
で含有されていてもよい。
化チタン結晶微粒子または窒化チタン結晶微粒子を含有
するフレーク状ガラスを配合したことを特徴とする化粧
料は、上記フレーク状ガラスの可視光透明性が高く、均
一な色調であり、経時的な変化もないので、色むらがな
く発色性の良い安定な製品となる。また、上記フレーク
状ガラスが、互いに凝集することもなく、良好なすべり
性を示すことから、伸展性(のび)が良く、使用触感に
優れた製品となる。
タンや酸窒化チタンや窒化チタン微粒子含有フレーク状
ガラスの他、必要に応じ、通常用いられている顔料等を
併用しても、何等差し支えない。例えば、酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、黄色酸化鉄、黒色酸化
鉄、弁柄、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム等の
無機顔料、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス等の真珠光
沢顔料、タール色素、天然色素、シリカビーズ、ナイロ
ン、アクリル等のプラスチックビーズ等の粉体、タル
ク、カオリン、マイカ、セリサイト、その他の雲母類、
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪酸アルミニウ
ム、珪酸マグネシウム、クレー類等が例示される。
窒化チタン結晶微粒子含有フレーク状ガラスの配合量と
しては、その目的とする化粧料の種類により異なるが、
顔料等の固体成分に対して1〜80重量%の範囲で用い
られ、特に2〜50重量%の範囲が好ましい。これ以下
の含有量では、発色が良くなく、逆に上限より多くのフ
レーク状ガラスを添加しても、発色効果は上がらず、他
の顔料成分が減少し、色調を整えたり、皮膚への付着性
を上げることが困難になる。
窒化チタンまたは窒化チタン結晶微粒子含有フレーク状
ガラスの化粧料中での分散性を向上させたり、感触を良
くするために、このフレーク状ガラスの表面処理を施し
て、改質することは何等差し支えない。例えば、メチル
ハイドロジェンポリシロキサン、反応性アルキルポリシ
ロキサン、金属石鹸の他、水素添加レシチン、アシルア
ミノ酸、アシル化コラーゲンのアルミニウム、マグネシ
ウム、カルシウム、チタン、亜鉛、ジルコニウム、鉄よ
り選ばれた金属塩等の、いわゆる疎水化剤で表面処理を
行うと、フレーク状ガラスの表面は親水性から疎水性に
変わるため、化粧料の調合時に添加する油剤との馴染み
が良くなり、感触の良い化粧料となる。
名:チタニアゾルCS−N、石原産業(株)製、二酸化チ
タン換算含有量約30重量%、粒子径30〜60nm、
水分散)600mL、0.2規定の硝酸9500mL、
シリコンテトラメトキシド5400mL、エタノール3
380mL、2−プロパノール3380mLを混合し、
50℃で約15時間養生して塗布液とした。この液に、
表面を研磨して平滑にした厚さ0.5mmのステンレス
板を浸漬し、約30cm/minの速度で引き上げた。
これを120℃で乾燥して、ゲル膜を剥離し、1000
℃で3時間焼結し、平均粒径が約100μmの焼結フレ
ークが得られた。この焼結フレークをX線回折法で調べ
たところ、アナターゼ型二酸化チタンが検出されたのみ
であり、マトリックスはシリカガラス状態であった。化
学分析の結果、二酸化チタンの含有量は、約9.5重量
%であった。透過型電子顕微鏡でフレークを観察したと
ころ、直径が30〜60nmの二酸化チタン微粒子が、
シリカガラスマトリックス中に平均的に分散しているの
が観察された。
分級して、平均粒径約10μmとした。走査型電子顕微
鏡でこのフレークを観察したところ、フレークの表面は
非常に平滑であり、フレーク厚みは約0.6μmであっ
た。
分散フレーク状シリカガラスを、水素気流中、1100
℃、5時間熱処理して、黒紫色フレーク状ガラスを得
た。X線回折法で調べたところ、低次酸化チタン結晶が
検出されたのみであり、マトリックスはシリカガラス状
態のままであった。化学分析の結果、低次酸化チタンの
含有量は、約8.9重量%であり、粒子の組成は Ti
O1.7であった。透過型電子顕微鏡でフレークを観察し
たところ、直径が30〜60nmの低次酸化チタン結晶
微粒子が、シリカガラスマトリックス中に平均的に分散
しているのが観察された。走査型電子顕微鏡でこのフレ
ークを観察したところ、フレークの表面は非常に平滑で
あり、フレーク厚みは約0.6μmであった。
感触であった。また、ビニル樹脂の未硬化液中に容易に
分散でき、これをアプリケーターを用いてフィルム化
し、硬化させたところ、均一に黒紫色に着色したフィル
ムが得られた。
製、平均一次粒径100〜150nm、化学組成TiO
1.85、黒紫色)は、実施例1の黒紫色フレーク状ガラス
と比べると、触感があまりよくなく、重い感触であっ
た。また、ビニル樹脂の未硬化液中に分散して、これを
アプリケーターを用いてフィルム化し、硬化させたとこ
ろ、黒紫色に着色したフィルムが得られたが、着色が均
一でなくムラがあった。
し、これに、成分−3を加えて数分間、撹拌混合を行っ
た。これを、筆ペン型容器に充填して、製品−1(実施
例2)を得た。
レークのかわりに、比較例1記載の市販の低次酸化チタ
ン粉末を使用した以外は、前記と同様の方法により、製
品−2(比較例2)を得た。
10日間使用させ、最低点1、最高点を5点とする5段
階法にて、評価した官能テストの結果を表2に示す。
展性)やつき(付着性)に優れ、色が均一で発色が良
く、仕上り感に優れることが、確認された。
酸1200mL、エタノール3380mL、2−プロパ
ノール3380mLを混合し、室温で1時間混合した。
攪拌しながら、この溶液にジルコニウムイソプロポキシ
ド542gをゆっくり加え、さらに室温で1時間混合攪
拌した後、0.2規定硝酸5800mLおよび、実施例
1で使用した市販の含水酸化チタンコロイド1000m
Lを添加混合し、50℃で約15時間養生して塗布液と
した。この液に、表面を研磨して平滑にした厚さ0.5
mmのステンレス板を浸漬し、約30cm/minの速
度で引き上げた。これを120℃で乾燥して、ゲル膜を
剥離し、400℃で3時間熱処理し、酸化チタン微粒子
分散フレーク状ガラス前駆体を作製した。
ス前駆体を、アンモニア気流中、1200℃、5時間熱
処理して、緑色を帯びた黒色フレーク状ガラスを得た。
このフレークをジェットミルで粉砕、分級して、平均粒
径約10μmとした。このフレーク状ガラスをX線回折
法、X線光電子分光法(XPS)、フーリエ変換赤外吸
収スペクトル(FT−IR)測定等で調べたところ、微
粒子は酸窒化チタン結晶からなり、マトリックスはシリ
カ−ジルコニア2成分ガラス(ジルコニア約9重量%、
シリカ約91重量%)であった。化学分析の結果、酸窒
化チタンの含有量は、約28重量%であり、粒子の組成
はTiO1.2N0.4であった。透過型電子顕微鏡でフレー
クを観察したところ、直径が30〜60nmの酸窒化チ
タン微粒子が、シリカ−ジルコニア2成分ガラスマトリ
ックス中に平均的に分散しているのが観察された。走査
型電子顕微鏡でこのフレークを観察したところ、フレー
クの表面は非常に平滑であり、フレーク厚みは約0.6
μmであった。
感触であった。また、ビニル樹脂の未硬化液中に容易に
分散でき、これをアプリケーターを用いてフィルム化
し、硬化させたところ、均一に帯緑黒色に着色したフィ
ルムが得られた。
B、テイカ(株)製、一次粒径20〜50nm、ルチル
型)を、アンモニア気流中、1200℃、5時間熱処理
して、黒青色粉末を得た。化学分析の結果、この粉末の
組成はTiO1.25N0.38であった。
ラした感触であった。また、ビニル樹脂の未硬化液中に
分散して、これをアプリケーターを用いてフィルム化
し、硬化させたところ、黒青色に着色したフィルムが得
られたが、着色が均一でなくムラがあった。$ 実施例4及び比較例4 次に、下記の表3の配合で鉛筆型眉墨を作製した。
た。この溶融物に成分−5を添加して、攪拌混合を行っ
た。さらに成分−6を添加、攪拌混合し、冷却後、押し
出し成形機で2〜5mm径の棒状とした。これを芯とし
て鉛筆用の木材ではさみ込み、まわりを切削し、製品−
3(実施例4)を得た。
フレークのかわりに、比較例3で作製した酸窒化チタン
粉末を使用した以外は、前記と同様の方法により、製品
−4(比較例4)を得た。
10日間使用させ、最低点1、最高点を5点とする5段
階法にて、評価した官能テストの結果を表4に示す。
展性)やつき(付着性)に優れ、色が均一で発色が良
く、仕上り感に優れることが、確認された。
トラメトキシド4900mL、エタノール6000mL
を添加し混合した。別に、チタンイソプロポキシド24
90gを2−プロパノール6000mLに溶解させた溶
液を準備し、これを、先に調製した溶液に、ゆっくりと
添加し混合した。この混合液を60℃で約20時間養生
して塗布液とした。
産製、商品名ユーピレックス)を浸漬して、30cm/
minの速度で引き上げその表面に液を塗布した。これ
を150℃で乾燥し、その後、多量の水中に基板ごと入
れ、水中でゲル膜を剥離させフレーク状とした。水中の
フレークを濾過によって回収し、120℃で乾燥後、8
00℃で8時間熱処理して、フレーク状ガラス粉体を得
た。
X線光電子分光法(XPS)、およびフーリエ変換赤外
吸収スペクトル(FT−IR)測定等により調べた結
果、マトリックスは酸化珪素−酸化チタン2成分のガラ
ス状態であり、アナターゼ型酸化チタンの結晶が混在し
ているのが認められた。焼結後のフレークの化学分析の
結果、全酸化チタン含有量は約25重量%であった。透
過型電子顕微鏡でフレークを観察したところ、一次粒径
が約10nmの二酸化チタン結晶微粒子が、ガラスマト
リックス中に、凝集することなく分散しているのが観察
された。また走査型電子顕微鏡でフレークを観察したと
ころ、厚みは約0.7μmであった。
中、1000℃で3時間熱処理し、青色を帯びた黒色フ
レーク状ガラスを得た。このフレークをジェットミルで
粉砕、分級して、平均粒径約20μmとした。X線回折
法で調べたところ、低次酸化チタン結晶が検出され、マ
トリックスはシリカ−チタニアガラス状態であった。化
学分析の結果、結晶微粒子の組成はTiO1.85であっ
た。透過型電子顕微鏡でフレークを観察したところ、直
径が約10nmの低次酸化チタン微粒子が、シリカ−チ
タニアガラスマトリックス中に平均的に分散しているの
が観察された。走査型電子顕微鏡でこのフレークを観察
したところ、フレークの表面は非常に平滑であり、フレ
ーク厚みは約0.6μmであった。
感触であった。また、ビニル樹脂の未硬化液中に容易に
分散でき、これをアプリケーターを用いてフィルム化
し、硬化させたところ、均一に帯青黒色に着色したフィ
ルムが得られた。
0mL、0.2規定の硝酸9500mL、シリコンテト
ラメトキシド5400mL、フェノール樹脂の5重量%
エタノール溶液5500mL、2−プロパノール350
0mLを混合し、50℃で約15時間養生して塗布液と
した。この液に、ポリイミドフィルム板(宇部興産製、
商品名ユーピレックス)を浸漬して、30cm/min
の速度で引き上げその表面に液を塗布した。これを15
0℃で乾燥し、その後、多量の水中に基板ごと入れ、水
中でゲル膜を剥離させフレーク状とした。水中のフレー
クを濾過によって回収し、120℃で乾燥して、フレー
ク状ガラス前駆体粉体を得た。
気体中、1500℃で12時間熱処理し、黒青色フレー
ク状粉体を得た。このフレークをジェットミルで粉砕、
分級して、平均粒径約15μmとした。この粉体をX線
回折法で調べたところ、マトリックスは主にシリカガラ
ス状態であり、一部少量のクリストバライトが検出され
た。また、二酸化チタン微粒子は、低次酸化チタンに還
元されていた。化学分析の結果、低次酸化チタンの含有
量は、約9重量%であり、粒子の組成はTiO1.9であ
った。 透過型電子顕微鏡でフレークを観察したとこ
ろ、直径が30〜60nmの低次酸化チタン結晶微粒子
が、シリカガラスマトリックス中に平均的に分散してい
るのが観察された。走査型電子顕微鏡でこのフレークを
観察したところ、フレークの表面は非常に平滑であり、
フレーク厚みは約0.6μmであった。
は良好で、滑らかな感触であった。また、ビニル樹脂の
未硬化液中に容易に分散でき、これをアプリケーターを
用いてフィルム化し、硬化させたところ、均一に黒青色
に着色したフィルムが得られた。
ール溶液に、2N塩酸を滴下して、撹拌し、50℃で養
生し、水酸化チタンゾルを得た。これを限外濾過法で濃
縮し、二酸化チタン換算含有量約10重量%、粒子径1
00〜200nmの水酸化チタンコロイドを得た。
0.02Nの硝酸8000mL、シリコンテトラメトキ
シド5400mL、エタノール2500mL、2−プロ
パノール3500mLを混合し、40℃で約60時間養
生して塗布液とした。この液に、表面を研磨して平滑に
した厚さ0.5mmのステンレス板を浸漬し、約30c
m/minの速度で引き上げた。これを120℃で乾燥
して、ゲル膜を剥離し、200℃で1時間乾燥し、酸化
チタン微粒子分散フレーク状ガラス前駆体を作製した。
ス前駆体を、アンモニア気流中、1200℃、48時間
熱処理して、赤褐色フレーク状ガラスを得た。このフレ
ークをジェットミルで粉砕、分級して、平均粒径約25
μmとした。X線回折法で調べたところ、窒化チタン結
晶のみが検出され、酸化チタン結晶は検出されず、マト
リックスはシリカガラス状態であった。化学分析の結
果、窒化チタンの含有量は、約3重量%であった。
ころ、直径が100〜200nmの窒化チタン結晶微粒
子が、シリカガラスマトリックス中に平均的に分散して
いるのが観察された。走査型電子顕微鏡でこのフレーク
を観察したところ、フレークの表面は非常に平滑であ
り、フレーク厚みは約0.6μmであった。
感触であった。また、ビニル樹脂の未硬化液中に容易に
分散でき、これをアプリケーターを用いてフィルム化
し、硬化させたところ、均一に赤褐色に着色したフィル
ムが得られた。
rich社製)の触感はあまり良くなく、ざらざらとし
た感触であった。この粉末を分散したビニル樹脂フィル
ムを、実施例1の方法と同じ方法で作製したが、均一な
着色は得られなかった。
た。
5分間撹拌した。これに、70℃にて均一に溶融した成
分−8を滴下しながら、撹拌混合を行った。さらに、成
分−9を添加後、1分間撹拌混合し、アトマイザーによ
り粉砕して製品−5(実施例8) を得た。
フレーク状ガラスのかわりに、比較例5記載の黄褐色窒
化チタン粉末を添加した以外は、上記と全く同じ方法で
製品−6(比較例6)を得た。
せ、最高点を5点とする1〜5点の5段階法にて、評価
した官能テストの結果を表6に示す。
き(付着性)が良く、透明感、光沢感が良好で、発色に
優れ、色あせしにくいことが、確認された。
比較例で明らかなように、本発明によれば、従来製造が
難しかった、高い均一着色性を有し、かつ可視光に対す
る透明性が高く、かつ伸展性(のび)が良好で触感に優
れた、着色剤が得られる。
タン、窒化チタンの各種微粒子を含有するフレーク状ガ
ラスを配合したことを特徴とする化粧料は、可視光透明
性が高く、均一な色調であり、経時的な変化もないの
で、色むらがなく発色性の良い安定な製品となる。ま
た、低次酸化チタン、酸窒化チタン、窒化チタンの各種
微粒子がガラス質内に閉じ込められているので、これら
微粒子が直接、皮膚に触れることがなく、安全性が高
い。さらに、上記フレーク状ガラスが、互いに凝集する
こともなく、良好なすべり性を示すことから、伸展性
(のび)が良く、使用触感に優れた製品となる。
Claims (6)
- 【請求項1】 低次酸化チタン、酸窒化チタン、または
窒化チタンの結晶微粒子を0.1〜50重量%含有する
着色フレーク状ガラス。 - 【請求項2】 前記低次酸化チタンは TiOx(ただし
1≦x≦1.95)で表されるものである請求項1記載
の着色フレーク状ガラス。 - 【請求項3】 前記着色フレーク状ガラスのマトリック
スは酸化珪素ガラス、または酸化珪素を主成分とし酸化
チタン、酸化アルミニウム、および酸化ジルコニウムか
らなる群より選ばれる少なくとも一種の金属酸化物を補
助成分とするガラスである請求項1または2記載の着色
フレーク状ガラス。 - 【請求項4】 前記結晶微粒子が、1〜300nmの直
径を有する請求項1〜3のいずれかに記載の着色フレー
ク状ガラス。 - 【請求項5】 粒径が1nm以上、300nm以下であ
る酸化チタン微粒子を分散含有したフレーク状ガラスま
たはフレーク状ガラス前駆体を、窒素化合物が存在して
いてもよい還元性条件で加熱して、前記酸化チタン微粒
子を低次酸化チタン微粒子、酸窒化チタン微粒子、また
は窒化チタン微粒子に変えることを特徴とする着色フレ
ーク状ガラスの製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の着色フ
レーク状ガラスを配合したことを特徴とする化粧料。
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