JPH09280536A - 電気溶融炉及び電気溶融炉に於ける溶融金属の抜き出し方法 - Google Patents

電気溶融炉及び電気溶融炉に於ける溶融金属の抜き出し方法

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JPH09280536A
JPH09280536A JP9510896A JP9510896A JPH09280536A JP H09280536 A JPH09280536 A JP H09280536A JP 9510896 A JP9510896 A JP 9510896A JP 9510896 A JP9510896 A JP 9510896A JP H09280536 A JPH09280536 A JP H09280536A
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JP
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tap hole
melting furnace
molten metal
electrode
molten
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JP9510896A
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Inventor
Daisuke Ayukawa
大祐 鮎川
Koutarou Katou
考太郎 加藤
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Takuma Co Ltd
Original Assignee
Takuma Co Ltd
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気溶融炉に於ける溶融金属の湯抜きを熟練
技能を必要とすることなく安全に且つ簡単に、しかも迅
速に行なえるようにすることにより、電気溶融炉の稼動
率の向上や溶融処理量の増大を図る。 【解決手段】 溶融炉本体の側壁に溶融スラグを溢出さ
せる溶融スラグ流出口と溶融金属を湯抜きするタップホ
ールを備えた電気溶融炉に於いて、前記タップホールの
出口部に、タップホール内で固化することにより該タッ
プホールを閉塞している溶融金属の固化体へ通電するタ
ップホール電極を設け、湯抜き時に電源装置からタップ
ホール電極を介して前記固化体へ通電し、当該固化体を
溶融させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業廃棄物やごみ焼
却炉からの焼却残渣、飛灰等の溶融処理技術に関するも
のであり、溶融炉本体内の底部に溜った溶融金属をタッ
プホールを通して自動的に湯抜きできるようにした電気
溶融炉と、電気溶融炉における溶融金属の抜き出し方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ごみ等の焼却炉から排出され
る焼却残渣や飛灰の減容化及び無害化を図るため、焼却
残渣等の溶融固化処理法が注目され、現実に実用に供さ
れている。焼却残渣等は溶融固化することにより、その
容積を1/2〜1/3に減らすことができると共に、重
金属等の有害物質の溶出防止や溶融スラグの再利用、最
終埋立処分場の延命等が可能になるからである。
【0003】而して、前記焼却残渣等の被溶融物を溶融
固化処理方法には、アーク溶融炉やプラズマアーク炉、
電気抵抗炉等を使用し、電気エネルギーによって被溶融
物を溶融固化する方法と、表面溶融炉や旋回溶融炉、コ
ークスベッド炉等を使用し、燃料の燃焼エネルギーによ
って被溶融物を溶融固化する方法とが多く利用されてお
り、都市ごみ焼却設備に発電設備が併置されている場合
には、前者の電気エネルギーを用いる方法が、また発電
設備が併置されていない場合には、後者の燃焼エネルギ
ーを用いる方法が夫々多く採用されている。
【0004】図3は従前のごみ焼却処理設備に併置した
電気溶融炉(直流アーク放電黒鉛電極式プラズマ溶融
炉)の一例を示すものであり、図に於いて1は被溶融物
である灰のコンテナ、2は被溶融物の供給装置、3は溶
融炉本体、4は黒鉛主電極、5は黒鉛スタート電極、6
は炉底電極、7は炉底冷却ファン、8は直流電源装置、
9は窒素ガス等の不活性ガス供給装置、10は溶融スラ
グ流出口、11はタップホール、12は燃焼室、13は
燃焼空気ファン、14は排ガス冷却ファン、15はバグ
フィルタ、16は誘引通風機、17は煙突、18は溶融
飛灰コンベア、19は飛灰だめ、20はスラグ水冷槽、
21はスラグ搬出コンベア、22はスラグだめ、23は
スラグ冷却水冷却装置である。
【0005】焼却残渣や飛灰等の被溶融物Aはコンテナ
1に貯えられ、供給装置2により溶融炉本体3内へ連続
的に供給される。溶融炉本体3には、炉頂部より垂直に
挿入され、その先端と被溶融物Aとの間に一定の距離を
設けた黒鉛主電極4(−極)と、炉底に設置された炉底
電極6(+極)とが設けられており、両電極4、6間に
印加された直流電源装置8(容量約600〜1000K
W/T・(被溶融物)の直流電圧(200〜350V)
によりプラズマアーク電流が流れ、これによって被溶融
物Aが1400℃〜1800℃に加熱されることにより
順次溶融されて行く。
【0006】尚、溶融前の被溶融物Aは導電性が無いた
め、溶融炉の始動時にはスタート電極5を溶融炉本体3
内へ挿入してこれを+極とし、これと主電極4間へ通電
することにより被溶融物Aが溶融するのを持つ。そし
て、被溶融物が溶融をするとその導電性が上昇するた
め、スタート電極5を炉底電極6へ切り換える。
【0007】一方、前記溶融炉本体3の内部は、プラズ
マ作動ガスとしてまた主電極4等の酸化を防止するため
に還元性雰囲気に保持されており、そのために、PSA
窒素製造装置等の不活性ガス供給装置9から不活性ガス
(窒素ガス)Cが、中空筒状に形成した主電極4及びス
タート電極5の中空孔を通して、溶融炉本体3内へ連続
的に供給されている。尚、不活性ガスCを主電極4やス
タート電極5の中空孔を通して炉本体内へ供給するの
は、プラズマ放電領域を濃厚な不活性ガスCにより充
満させた方が、プラズマアークの発生や安定性等の所謂
プラズマ放電性が良好になると考えられること、及び
黒鉛主電極4や黒鉛スタート電極5の消耗がより少なく
なると考えられること、等の理由によるものである。
【0008】また、前記溶融炉本体3の炉底は、炉底冷
却ファン7からの冷風により空冷され、これによって炉
底電極6近傍の過度な温度上昇が防止されている。更
に、溶融炉本体3そのものは約1800℃の高温に耐え
る耐火材及びそれを覆う断熱材等により構成されてお
り、必要に応じて断熱材の外部に水冷ジャケット(図示
省略)が設けられている。
【0009】前記被溶融物Aの溶融によって、その内部
に存在した揮発成分や炭素の酸化により起生した一酸化
炭素等はガス体Dとなると共に、鉄等の金属類やガラ
ス、砂等の不燃性成分は溶融状態となり、後述する如く
所謂溶融スラグBと溶融金属B′が順次形成されて行
く。
【0010】溶融炉本体3内に形成された前記ガス体D
は溶融スラグ流出口10の上部より燃焼室12に入り、
ここで燃焼空気ファン13により送入された燃焼用空気
が加えられることにより、内部の未燃分が完全に燃焼さ
れると共に、その燃焼熱によって溢流する溶融スラグB
が加熱され、スラグ水冷槽20に入るまでの間に冷却・
固化して流路をふさぐことが防止される。また、完全燃
焼したガス体Dは排ガス冷却ファン14からの冷空気に
よって冷却され、バグフィルタ15を経て誘引通風機1
6により煙突17へ排出される。そして、バグフィルタ
15で捕捉された溶融飛灰Eは、溶融飛灰コンベア18
により飛灰だめ19へ送られる。更に、溶融炉本体3内
に形成された溶融物の上層部(溶融スラグB)は、溶融
スラグ流出口10より連続的に溢出し、水を満したスラ
グ水冷槽20内へ落下することにより水砕スラグとな
り、スラグ搬出コンベア21によってスラグだめ22へ
排出される。
【0011】ところで、被溶融物Aである焼却残渣や飛
灰中には鉄をはじめとする金属類とシリカをはじめとす
るスラグ成分が多く含まれており、これ等が溶融される
と、前述の通り前者の鉄等の溶融金属B′は炉本体3の
下方に沈下すると共に、後者のスラグ成分等の溶融スラ
グBの方は上方に浮上し、溶融炉本体3内の溶融物は2
層に分離された状態となる。その結果、上方に位置する
溶融スラグBの方は、溶融スラグ流出口10より連続的
に溶融炉本体3外へ排出されて行くが、下方に溜った溶
融金属B′の方は運転時間の経過と共にその蓄積量が増
し、順次溶融金属B′の液面が上昇することになる。
【0012】そのため、この種の電気溶融炉に於いて
は、溶融炉本体3の側壁下方に設けた前記タップホール
11を間欠的に開孔し、ここから溶融金属B′を湯抜き
することにより溶融金属B′の層厚さが所定の厚さを越
えないようにしている。尚、前記タップホール11は溶
融炉を停止する場合にも開孔され、湯抜きにより炉本体
3内が空にされる。
【0013】而して、前記タップホール11は、通常粘
土等の充填物を充填することにより閉塞されており、湯
抜きを行なう場合には、公知のタッピングやランシング
工法によって機械的に充填された粘土に穿孔をし、タッ
プホール11を開孔する。また、湯抜きが完了すれば、
機械的にタップホール11内へ再度粘土を充填し、これ
を閉塞するようにしている。
【0014】ところが、前記タップホール11の開孔や
閉塞作業は穿孔機や充填機を用いて行なわれるものの、
それ等の操作は全て人力によって行なわれており、高温
下に於ける危険性を伴なう作業であって作業者には相当
の熟練が要求される。しかも、これ等の作業は、一般に
極めて劣悪な作業環境下に於ける危険を伴なう作業であ
るため、技能者の養成が容易でない。その結果、電気溶
融等の湯抜き作業の分野に於いては、熟練技能者の確保
が難いと云う問題が恒常的に存在する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、従前の電
気溶融炉の湯抜きに伴なう上述の如き問題、即ち作業
に危険性を伴なううえ、熟練作業者の確保が困難である
と云う問題を解決せんとするものであり、タップホール
11の開孔及び閉塞を電気的な遠隔操作によって自動的
に行なうことにより、溶融金属B′の湯抜きを高能率で
安全に、しかも湯抜き量を任意に調整し乍ら行えるよう
にした電気溶融炉と、電気溶融炉における溶融金属の抜
き出し方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に記載の装
置発明は、溶融炉本体の側壁に溶融スラグを溢出させる
溶融スラグ流出口と溶融金属を湯抜きするタップホール
を備えた電気溶融炉に於いて、前記タップホールの出口
部に、タップホール内で固化することにより該タップホ
ールを閉塞している溶融金属の固化体へ通電するタップ
ホール電極を設け、湯抜き時に電源装置からタップホー
ル電極を介して前記固化体へ通電し、当該固化体を溶融
させることを発明の基本構成とするものである。
【0017】また、本願請求項2に記載の装置発明は、
溶融炉本体の側壁に溶融スラグを溢出させる溶融スラグ
流出口と溶融金属を湯抜きするタップホールを備えた電
気溶融炉に於いて、前記タップホールの出口部に、タッ
プホール内で固化することにより該タップホールを閉塞
している溶融金属の固化体へ通電するタップホール電極
を設けると共に、溶融炉本体の側壁の前記タップホール
より上方位置に、溶融炉本体内の溶融スラグと溶融金属
との境界面を検出するレベル検出用電極を設け、該レベ
ル検出用電極により検出した境界面の位置により、電源
装置からタップホール電極を介して前記固化体へ通電す
る電気回路を開閉制御し、固化体の溶融によるタップホ
ールの開孔若しくは溶融金属の固化によるタップホール
の閉塞を行なうことを発明の基本構成とするものであ
る。
【0018】本願請求項3に記載の方法発明は、溶融炉
本体の側壁に溶融スラグを溢出させる溶融スラグ流出口
と溶融金属を湯抜きすタップホールを備えた電気溶融炉
に於いて、タップホールを閉塞する溶融金属の固化体へ
通電し、当該固化体を再溶融させることにより溶融金属
の湯抜きを行なうと共に、前記通電を遮断してタップホ
ール内で溶融金属を固化させ、該固化体によりタップホ
ールを閉塞させることを発明の基本構成とするものであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図1及び図2に基づいて本
発明の実施の態様を説明する。尚、図1及び図2に於い
て、前記図3と同じ部位・部材にはこれと同じ参照番号
を使用するものとする。図1は本発明の実施態様に係る
電気溶融炉の要部を示す縦断面図概要図であり、タップ
ホール電極24及びレベル検出用電極25等の点を除い
てその他の構成は、前記図3の場合とほぼ同一である。
【0020】図1に於いて1は被溶融物のコンテナ、2
は被溶融物供給装置、3は溶融炉本体、4は黒鉛主電
極、5は黒鉛スタート電極、6は炉底電極、7は炉底冷
却ファン、8は直流電源装置、9は窒素ガス供給装置、
10は溶融スラグ流出口、11はタップホール、12は
燃焼室、13は燃焼空気ファン、24はタップホール電
極、25はレベル検出用電極、26・27はスイッチで
ある。
【0021】前記溶融炉本体3は横断面がほぼ円形状を
呈しており、炉天井壁の中央部に設けた電極挿入孔3a
には、黒鉛製の主電極4が垂直姿勢で上・下動自在に炉
本体3内へ挿入支持されている。又、前記黒鉛製のスタ
ート電極5は、炉天井壁の側部から傾斜姿勢で進退自在
に炉本体3内へ挿入支持されている。
【0022】尚、主電極4及びスタート電極5は円筒状
に形成されており、炉本体内を還元性雰囲気に保持する
のに必要な不活性ガスが各電極4,5の中空孔を通して
炉本体内へ供給されて行く。また、窒素ガス供給装置9
としてはPSA窒素製造装置等が利用されており、3.
5〜10.0l/kg(被溶融物灰)の窒素ガスを炉本
体内へ供給することにより炉本体3内を還元性雰囲気に
保持し、これによって溶融スラグBの酸化や主電極4及
びスタート電極5の消耗を防止するようにしている。
【0023】前記タップホール電極24は、タップホー
ル11内に存在する溶融金属の固化体B″へ通電し、当
該溶融金属の固化体B″をジュール熱によって再溶融さ
せるものであり、炭素や黒鉛等の耐熱・良導体によって
円筒状に形成されている。また、当該タップホール電極
24はスイッチ27を介して直流電源装置8の十極側へ
接続されており、前記スイッチ27がオンとなることに
より主電極4とタップホール電極24間に電流が流れ、
これによってタップホール11を閉塞している溶融金属
の固化体B″が再溶融され、溶融金属B′を湯抜きする
ための湯口が形成される。
【0024】前記レベル検出用電極25は、1400℃
〜1800℃の炉内高温に耐える炭素や黒鉛等の耐熱・
高導電性の材料を用いて形成されており、タップホール
11の上方の炉側壁を貫通して水平に配設されている。
本実施態様に於いては、レベル検出用電極25として第
1レベル検出電極25a、第2レベル検出電極25b、
第3レベル検出電極25cの三本の電極が、上・下方向
に所定の間隔を置いて夫々配設されている。
【0025】即ち、前記最下方に位置する第1レベル検
出電極25aは溶融金属B′と溶融スラグBとの境界面
Qの測定のための基準となるものであり、タップホール
11の直上で、且つ溶融金属B′内に常時浸漬された状
態となる位置に配設されている。また、中間に位置する
第2レベル検出電極25bは、境界面Qの変化により溶
融金属B′内若しくは溶融スラグB内の何れかに存在す
る位置に設けられている。更に、最上方に位置する第3
レベル検出電極25cは、前記第2レベル検出電極25
bと同様に、境界面Qの変化により溶融金属B′内若し
くは溶融スラグB内の何れかに存在する位置に設けられ
ている。
【0026】次に、本発明による被溶融物Aの溶融処理
について説明する。溶融炉が定常運転に入ると、直流電
源装置8、主電極4、スイッチ炉底電極6及びスイッチ
26からなる回路に電流が流れ、炉本体3内へ供給され
た被溶融物Aは、前述の如くプラズマアーク放電による
熱エネルギーにより溶融点(1200℃〜1250℃)
を越える温度にまで加熱され、順次1400℃〜180
0℃の高温液体状の溶融物となる。また、炉本体3内に
形成された溶融物は、金属類等の溶融物が沈下すること
により、下層部の溶融金属B′と上層部のスラグ類が溶
融した溶融スラグBと二層に境界面Qを介して分離され
た状態となる。そして、上方の溶融スラグBは順次スラ
グ流出口10側へ流動移動し、炉本体3外へ溢流して行
く。
【0027】これに対して、下方の溶融金属B′は炉本
体3内に順次蓄積されるため、前記境界面Qは次第に上
昇する。一方、溶融炉の定常運転を支障なく継続するた
めには、厚さ100mm以上の溶融スラグ層を必要とす
ることが、経験上知られている。従って、溶融スラグB
の層厚さが100mm以下になれば、タップホール11
を開孔して湯抜きを行ない、溶融スラグBの層厚さを増
す必要がある。
【0028】即ち、湯抜きに際しては、先ず湯抜き用の
スイッチ27と炉底電極6へ通電をするスイッチ26と
の切換え操作をし、前者をオン及び後者をオフの状態に
する。当該スイッチ操作により、直流電源8、主電極
4、タップホール出口に設けたタップホール電極24、
スイッチ27から成る電気回路が構成され、タップホー
ル内に充満・固化していた溶融金属の冷却固化体B″が
ジュール熱によって加熱溶融されることにより、タップ
ホール11が開孔されて炉本体3内の溶融金属B′が炉
外へ流出する。また、これにより溶融スラグBと溶融金
属B′との境界面Qが低下する。
【0029】一方、前記溶融金属B′の抜き出しにより
境界面Qが低下し、当該境界面Qが丁度タップホール1
1の真上まで低下すると、再度スイッチの切換え操作が
行なわれ、スイッチ27がオフに、またスイッチ26が
オンに夫々入れかえられる。その結果、タップホール1
1内の固化物B″への通電が遮断され、タップホール1
1中に充満していた溶融金属は急激に温度が低下し、そ
の溶融点以下となって固化する。これにより、固化した
溶融金属がタップホール11の栓の役割をし、溶融金属
B′の流出は止まる。尚、溶融スラグBと溶融金属B′
との境界面Qの低下は、1回の出湯当り約200mmと
することが望ましい。
【0030】上述のように、電気スイッチ26、27の
切替操作のみによって溶融炉本体3内に蓄積された溶融
金属B′は、その蓄積量に応じた適当な時間間隔で炉外
へ排出されて行く。尚、前記電気スイッチ26、27の
スイッチ操作(即ち、溶融金属B′の抜き出し)は、上
述の如く上層の溶融スラグBの層厚さが約100mm程
度にまで減少したときに行なわれるが、実施態様に於い
ては、前記レベル検出用電極25からの境界面Qからの
検出信号により、前記スイッチ操作を自動的に行なう構
成としている。
【0031】即ち、溶融炉本体3内の溶融金属B′の個
有電気抵抗は約150μΩcmと比較的小さな値いであ
るのに対して、溶融スラグBの個有電気抵抗は約1〜1
0Ωcmと比較的大きな値であり、両者の間には大きな
抵抗差がある。従って、図2に示す如く第1レベル検出
電極25a、第2レベル検出電極25b及び第3レベル
検出電極25cへ直流電圧Voを印加すると、各レベル
検出電極25a、25b、25cの電位は前記境界面Q
の位置によって大きく変動することになる。
【0032】例えば、各レベル検出電極25a、25
b、25cの電位を電位計Va、Vb、Vcで夫々測定
し、これ等の電位を電位差検出器VD1 、VD2 、VD
3 へ入力して電位差VD1 =Va−Vc、電位差VD2
=Vb−Vc、及び電位差VD 3 =Va−Vbを夫々測
定すると、図2に示す如く、境界面Qの位置によって前
記各電位差VD1 、VD2 、VD3 の値が夫々異なった
値となる。
【0033】具体的には、境界面Qが第3レベル検出電
極25cより上方にある場合(Q=Qcの位置)には、
各電位差VD1 、VD2 、VD3 が夫々零に近い値とな
る。また、境界面Qが第2レベル検出電極25bと第3
レベル検出電極25cの間にある場合(Q=Qbの位
置)には、電位差VD3 のみが零に近い値となる。更
に、境界面Qが第1レベル検出電極25aと第2レベル
検出電極25bの間にある場合(Q=Qaの位置)に
は、電位差VD2 のみが零に近い値となる。
【0034】上記各電位差VD1 、VD2 、VD3 の値
は、夫々比較演算器28へ入力され、ここで各電位差V
1 、VD2 、VD3 の比較演算が行なわれ、その結果
から境界面Qc、Qb、Qaに対応した境界面の位置信
号Pが発信される。即ち、境界面QがQcの位置まで上
昇すれば、この検出信号によってタップホール11を開
孔するためのスイッチ操作(スイッチ26をオフ、スイ
ッチ27をオン)が行なわれ、また境界面QがQaの位
置まで下降すれば、この検出信号によりタップホール1
1を閉塞させるスイッチ操作(スイッチ26をオン、ス
イッチ27をオフ)が行なわれる。
【0035】尚、図1及び図2の実施態様に於いては、
レベル検出用電極数を3にすると共に、境界面の位置信
号Pによるスイッチのオン・オフ動作により湯抜きの開
始及び停止を行なうようにしているが、レベル検出用電
極数の増加やスイッチ機能の分割数を多くすることによ
って、出湯制御をより連続的に行うことも出来ると共
に、出湯の開始や停止の指示のみならず、境界面Qの常
時検出や境界面の上限・下限の警報若しくは指示等の信
号に利用することも可能である。
【0036】また、図1及び図2の実施態様に於いて
は、電位差を測定することにより境界面Qの位置を検出
するようにしているが、電位差に変えて電流を検出する
ことによっても境界面Qの位置検出が可能なことは勿論
である。
【0037】更に、本実施態様ではレベル検出用電極2
5からの信号により出湯制御を行なうようにしている
が、溶融炉本体3内へ直接測深棒を挿入することにより
溶融スラグBの層厚さを測定し、この測定値によって出
湯制御を行なってもよく、或いは、炉本体内へ投入する
被溶融物Aの成分やその投入量、炉の運転時間などから
経験的に湯出しの間隔を定め、予じめ定めた時間間隔で
もって出湯制御を行なうことも可能である。
【0038】加えて、図1及び図2の実施態様では溶融
炉を所謂プラズマアーク溶融炉としているが、プラズマ
アーク溶融炉以外の溶融炉例えばアーク溶融炉や電気抵
抗炉等へも本願発明を適用できることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】本願発明に於いては、電気溶融炉のタッ
プホールを閉塞している溶融金属の固化体に通電し、ジ
ュール熱によって固化体を溶融させることによりタップ
ホールを開孔して湯抜きを行なうと共に、通電を遮断し
てタップホール内の溶融金属を固化させることにより、
タップホールを閉塞させる構成としている。その結果、
従前のタップホールに機械的に穿孔をして湯抜きをする
と共に、粘土を用いてタップホールを閉塞する場合に比
較して、熟練技能者でなくとも簡単に、しかも安全且つ
迅速に湯抜き作業を遂行することができる。
【0040】また、本願発明に於いては、前記タップホ
ールを閉塞している溶融金属の固化体への通電を制御す
ることにより、タップホールの開孔及び閉塞を溶融炉本
体内の溶融金属の層厚さに応じて任意に行なうことがで
きる。その結果、湯抜き後に於いても溶融炉本体内に所
望の層厚さの溶融スラグを残すことができ、溶融炉の高
能率な連続運転が可能となって溶融炉の稼動率の大幅な
向上や溶融処理量の増大等を図り得る。本発明は上述の
通り、秀れた実用的効用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様に係る電気溶融炉の要部を示
す縦断面図である。
【図2】レベル検出用電極による溶融炉本体内の溶融ス
ラグと溶融金属間の境界面の検出機構の説明図である。
【図3】従前のプラズマアーク溶融炉の説明図である。
【符号の簡単な説明】 A:被溶融物、B:溶融スラグ、B′:溶融金属、
B″:タップホール内の溶融金属の固化体、C:不活性
ガス、D:ガス体、E:溶融飛灰、F:溶融スラグの流
れ、α:噴出ガス流の傾斜角、θ:噴出ガス流の挾角、
G:不活性ガスによる渦流、Q:溶融金属B′と溶融ス
ラグBとの境界面、Va・Vb・Vc:電位検出器、V
1 ・VD2 ・VD3 :電位差検出器、1:被溶融物の
コンテナ、2:被溶融物の供給装置、3:溶融炉本体、
3a:電極挿入孔、4:黒鉛主電極、5:黒鉛スタート
電極、6:炉底電極、7:炉底冷却ファン、8:直流電
源装置、9:窒素ガス供給装置、10:溶融スラグ流出
口、11:タップホール、12:燃焼室、13:燃焼空
気ファン、14:排ガス冷却ファン、15:バグフィル
タ、16:誘引通風機、17:煙突、18:溶融飛灰コ
ンベア、19:飛灰だめ、20:スラグ水冷槽、21:
スラグ搬出コンベア、22:スラグだめ、23:スラグ
冷却水冷却装置、24:タップホール電極、25:レベ
ル検出用電極、25a:第1レベル検出電極、25b:
第2レベル検出電極、25c:第3レベル検出電極、2
6・27:スイッチ、28:比較演算器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融炉本体の側壁に溶融スラグを溢出さ
    せる溶融スラグ流出口と溶融金属を湯抜きするタップホ
    ールを備えた電気溶融炉に於いて、前記タップホールの
    出口部に、タップホール内で固化することにより該タッ
    プホールを閉塞している溶融金属の固化体へ通電するタ
    ップホール電極を設け、湯抜き時に電源装置からタップ
    ホール電極を介して前記固化体へ通電し、当該固化体を
    溶融させる構成としたことを特徴とする電気溶融炉。
  2. 【請求項2】 溶融炉本体の側壁に溶融スラグを溢出さ
    せる溶融スラグ流出口と溶融金属を湯抜きするタップホ
    ールを備えた電気溶融炉に於いて、前記タップホールの
    出口部に、タップホール内で固化することにより該タッ
    プホールを閉塞している溶融金属の固化体へ通電するタ
    ップホール電極を設けると共に、溶融炉本体の側壁の前
    記タップホールより上方位置に、溶融炉本体内の溶融ス
    ラグと溶融金属との境界面を検出するレベル検出用電極
    を設け、該レベル検出用電極により検出した境界面の位
    置により、電源装置からタップホール電極を介して前記
    固化体へ通電する電気回路を開閉制御し、固化体の溶融
    によるタップホールの開孔若しくは溶融金属の固化によ
    るタップホールの閉塞を行なう構成としたことを特徴と
    する電気溶融炉。
  3. 【請求項3】 溶融炉本体の側壁に溶融スラグを溢出さ
    せる溶融スラグ流出口と溶融金属を湯抜きするタップホ
    ールを備えた電気溶融炉に於いて、タップホールを閉塞
    する溶融金属の固化体へ通電し、当該固化体を再溶融さ
    せることにより溶融金属の湯抜きを行なうと共に、前記
    通電を遮断してタップホール内で溶融金属を固化させ、
    該固化体によりタップホールを閉塞させる構成とした電
    気溶融炉に於ける溶融金属の抜き出し方法。
  4. 【請求項4】 溶融炉本体内の溶融金属と溶融スラグと
    の境界面の位置を検出し、当該境界面の位置検出信号に
    よりタップホールを閉塞している溶融金属の固化体へ通
    電する電気回路の開閉制御を行なうようにした請求項3
    に記載の電気溶融炉に於ける溶融金属の抜き出し方法。
JP9510896A 1996-04-17 1996-04-17 電気溶融炉及び電気溶融炉に於ける溶融金属の抜き出し方法 Pending JPH09280536A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007292350A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Takuma Co Ltd 電気溶融炉の操業制御方法

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