JP2001141226A - 溶融炉に於ける溶融メタルの出湯方法及び出湯装置 - Google Patents

溶融炉に於ける溶融メタルの出湯方法及び出湯装置

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JP2001141226A
JP2001141226A JP32761499A JP32761499A JP2001141226A JP 2001141226 A JP2001141226 A JP 2001141226A JP 32761499 A JP32761499 A JP 32761499A JP 32761499 A JP32761499 A JP 32761499A JP 2001141226 A JP2001141226 A JP 2001141226A
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melting furnace
tapping
molten
slag
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JP32761499A
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Kichiji Matsuda
吉司 松田
Koutarou Katou
考太郎 加藤
Shinichi Tsujimoto
進一 辻本
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Takuma Co Ltd
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Takuma Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 産業廃棄物やごみ焼却施設から排出された焼
却灰や飛灰を溶融処理する溶融炉に於いて、熟練技能者
でなくても、溶融炉本体内の溶融メタルを溶融スラグの
混入を生ずることなく、自動的に、しかも円滑に抜き出
せるようにする。 【解決手段】 溶融炉に於ける溶融メタルの出湯方法に
於いて、出湯口11から流出する溶融物の輝度を放射型
温度計により検出し、前記溶融物の溶融メタルMから溶
融スラグBへの切り変わりを放射型温度計の検出値の変
化から判別すると共に、当該判別に基づいて溶融メタル
Mの出湯口11を閉鎖する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業廃棄物やごみ
焼却施設から排出された焼却灰や飛灰等の溶融処理技術
に関するものであり、溶融炉本体の底部に溜った溶融メ
タルを溶融スラグの混入を生ずることなしにタップホー
ルを通して円滑に出湯できるようにした溶融メタルの出
湯方法と出湯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ごみ等の焼却炉から排出され
る焼却灰や飛灰の減容化及び無害化を図るため、焼却灰
等の溶融固化処理が注目され、実用に供されている。焼
却灰等は溶融固化することにより、その容積が1/2〜
1/3に減少するうえ、重金属等の溶出の防止、溶融ス
ラグの再利用、最終埋立処分場の延命等が可能になるか
らである。
【0003】前記焼却灰等の溶融固化処理には、アーク
溶融炉やプラズマアーク炉、電気抵抗炉等を用い、電気
エネルギーにより被溶融物を溶融固化する方法と、表面
溶融炉や旋回溶融炉、コークスベッド炉等を用い、燃料
の燃焼エネルギーにより被溶融物を溶融固化する方法が
多く利用されており、都市ごみ焼却設備に発電設備が併
置されている場合には前者の電気エネルギーを用いる方
法が、また、発電設備が併置されていない場合には後者
の燃焼エネルギーを用いる方法が、夫々多く採用されて
いる。
【0004】図4は、従前のごみ焼却処理設備に併置し
た直流アーク放電型黒鉛電極式プラズマ溶融炉の一例を
示すものであり、図4に於いて、1は焼却灰等の被溶融
物Aのコンテナ、2は被溶融物供給装置、3は溶融炉本
体、4は黒鉛主電極、5はスタート電極、6は炉底電
極、7は炉底冷却ファン、8は直流電源装置、9は不活
性ガス供給装置、10は溶融スラグ流出口、11は出湯
口(タップホール)、12は燃焼室、13は燃焼空気フ
ァン、13aは助燃バーナ、14は排ガス冷却ファン、
15はスラグ水冷槽、16はスラグ搬出コンベア、17
はスラグだめ、18はスラグ冷却水の冷却装置である。
【0005】被溶融物Aはコンテナ1に貯えられ、供給
装置2により溶融炉本体3内へ連続的に供給される。溶
融炉本体3には、被溶融物Aとの間に一定の距離を設け
た黒鉛主電極4(−極)と、炉底に設置された炉底電極
6(+極)とが設けられており、両電極4、6間に印加
された直流電源装置8(容量約600〜1000KWH
/T・被溶融物)の直流電圧(200〜350V)によ
り、電流が流れプラズマアークが発生する。これによっ
て被溶融物Aが1300℃〜1600℃に加熱され、順
次溶融スラグBとなる。
【0006】尚、溶融前の被溶融物Aは導電性が低いた
め、溶融炉の始動時にはスタート電極5を溶融炉本体3
内へ挿入してこれを+極とし、これと黒鉛主電極4の間
へ通電することにより被溶融物Aが溶融するのを待つ。
そして、被溶融物Aが溶融するとその導電性が向上する
ため、スタート電極5を炉底電極6へ切り換える。
【0007】溶融炉本体3の内部は、溶融スラグBや黒
鉛主電極4等の酸化を防止するために還元性雰囲気に保
持されており、不活性ガス供給装置9から不活性ガスC
が、中空筒状に形成した黒鉛主電極4及びスタート電極
5の中空孔を通して、溶融炉本体3内へ連続的に供給さ
れている。
【0008】不活性ガスCを黒鉛主電極4やスタート電
極5の中空孔を通して溶融炉本体3内へ供給するのは、
アークの軸方向にプラズマガスを噴射し、アークを拘
束することで高密度化する、黒鉛主電極4や黒鉛スタ
ート電極5を冷却することで電極の消耗がより少なくな
る、等の理由によるものである。
【0009】前記溶融炉本体3の炉底は、炉底冷却ファ
ン7からの冷風により空冷され、これによって炉底電極
6近傍の過度な温度上昇が防止されている。また、溶融
炉本体3そのものは高温に耐える耐火材及びそれを覆う
断熱材等により構成されており、必要に応じて断熱材の
外部に空冷あるいは水冷ジャケットが設けられている。
【0010】被溶融物Aの溶融によって、内部に存在し
た揮発成分や発生した一酸化炭素等はガス体Dとなると
共に、金属類やガラス、砂等の不燃性成分は、プラズマ
アーク放電の発生熱を供給されることにより、溶融点
(1100〜1250℃)を越える約1300〜160
0℃の高温度にまで加熱され、流動性を有する液体状の
溶湯となる。
【0011】溶融炉本体3内に形成された溶融物は、溶
融スラグ流出口10より連続的に溢出し、スラグ水冷槽
15内へ落下することにより水砕スラグとなり、スラグ
搬出コンベア16によってスラグだめ17へ排出され
る。また、溶融炉を停止する際には、溶融炉本体3内の
溶融物が冷却、固化してしまうのを防止するため、溶融
物の底部レベルに取付けられた出湯口11より湯抜きを
行い、溶融炉本体3内を空状態にする。
【0012】発生したガス体Dは、溶融スラグ流出口1
0の上部より燃焼室12に入り、ここで燃焼空気ファン
13から助燃バーナ13aを経て加熱された燃焼用空気
が加えられることにより、未燃分が完全に燃焼される。
また、完全燃焼をしたガス体Dは、排ガス冷却ファン1
4からの冷空気によって冷却され、外部へ排出されて行
く。
【0013】而して、電気溶融炉で被溶融物Aを連続的
に溶融すると、溶融炉本体3内に形成された溶融物は、
比重差によって上方に位置する溶融スラグBと下方に位
置する溶融メタルMとに分離する。また、上方の溶融ス
ラグBは溶融スラグ流出口10から連続的に溢出する
が、下方の溶融メタルMは順次炉底に残留・堆積し、溶
融メタルMの液面Lmが上昇し、溶融メタルMの厚さL
tが増加する。尚、溶融炉本体3内の溶湯容積はほぼ一
定であるため、溶融メタルMの液面Lmが上昇するに伴
なって、上方の溶融スラグBの厚さStは薄くなって行
く。
【0014】ところで、現実の電気溶融炉に於いては、
運転時間が経過して溶融炉本体3内の溶融メタルMの厚
さLtが大きくなると、溶融メタルMの電気伝導度が大
きいために溶融物の電気抵抗が低下し、アーク長が長く
なって熱損失が大きくなる。また、溶融メタルMの液面
Lmがオーバーフローレベルにまで達すると、溶融スラ
グBに溶融メタルMが混入することになり、スラグの品
質が変ってスラグの有効利用を図る上で様々な問題が生
ずることになる。
【0015】そのため、溶融炉の運転に於いては、溶融
メタルMの液面Lmが設定値に到達すると、前記溶融炉
本体3の炉壁の底面近傍に設けた出湯口(タップホー
ル)11を開孔し、炉底に堆積した溶融メタルMを抜き
出しするようにしている。具体的には、炉壁に設けた出
湯口11内に充填されているマッド材を別途に備えた出
湯口の開孔機を用いて掘削し、貫通孔を穿って溶融炉本
体3内の溶融メタルMを出湯させる。また、溶融炉本体
3内に溜った溶融メタルMが出湯し切ると、溶融メタル
Mの上方の溶融スラグBが引き続き出湯して来るため、
出湯口11からの出湯が溶融メタルMから溶融スラグB
に切り変わるのを目視で判断し、別途に設けたマッド材
充填機により開孔した出湯口11内へマッド材を圧入
し、これを閉鎖する。
【0016】尚、出湯口11から出湯して来た溶融メタ
ルMは、出湯口11の下方に設けられている内表面に向
って水を噴出することにより水膜を形成した樋(図示省
略)上へ落下させ、水砕により比較的粗い粒状の固化物
として樋の下方から回収したり、或いは出湯口11の出
口からその下方に設けたモールドコンベア上や耐火物を
内張りしたトロッコ(図示省略)上へ直に積載し、空冷
することによりインゴット状の塊として回収される。
【0017】ところで、前記マッド材を圧入して出湯口
11を閉鎖する場合に、溶融メタルMを出湯口11の内
部に残した状態でマッド材を圧入すると、溶融メタルM
が固化することにより次回の溶融メタルMの出湯時に於
ける出湯口11の開孔が著しく困難となる。一方、前記
出湯口11の内部に於ける溶融メタルMの残留を避ける
ため、溶融スラグBを余分に出湯させた場合には、回収
した溶融メタルMの品質が悪化することになり、その有
効利用に際して様々な問題が生じることになる。そのた
め、この種電気溶融炉に於ける溶融メタルMの出湯に際
しては、出湯口11からの溶融物が溶融メタルMから溶
融スラグBに切り変わるタイミングを正確に捉え、溶融
メタルMを出湯口11内に残さず、しかも余分な溶融ス
ラグBを出湯させることなしに、出湯口11を閉鎖する
必要がある。
【0018】而して、現実の電気溶融炉からの溶融メタ
ルMの出湯に於いては、豊富な経験を有する熟練技能者
が、前記溶融メタルMから溶融スラグBへの切り変わり
の状態を目視で判断し、所謂経験と勘に基づいてマッド
材の充填のタイミングを計り、マッド材充填機を起動並
びに操作して出湯口11の閉鎖を行なっている。
【0019】しかし、熟練技能者であっても、常に前記
出湯口11の閉鎖操作を最良のタイミングで行なえると
は限らず、閉鎖操作のタイミングにくるいを生じて回収
したメタルの品質悪化を招いたり、或いは出湯口11内
に溶融メタルMが残ることにより、その再開孔が困難に
なったりすることがあった。また、経験の豊富な熟練技
能者を得ることが除々に困難になりつつあり、溶融メタ
ルMの出湯技術を一定水準以上のレベルに維持すること
が出来ないと云う問題があった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従前の溶融
炉からの溶融メタルの出湯に於ける上述の如き問題、即
ち作業者の経験と勘に基づいて出湯口11の閉鎖操作
を行なっているため、安定した閉鎖操作が困難なこと、
及び熟練技能者の獲得が困難になりつつあること等の
問題を解決せんとするものであり、溶融メタルMの出湯
が完了し、溶融メタルMから溶融スラグBに出湯が切り
変った事象を自動的に正確且つ迅速に検出し、この検出
信号を用いて出湯口11の閉鎖操作のスタート時点を制
御することにより、安定した溶融メタルMの出湯を行な
えるようにした溶融メタルの出湯方法と出湯装置を提供
するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】従前の製鋼用の電気溶鋼
炉等に於いては、被溶融物Aの性状並びに物性からし
て、溶融スラグBと溶融メタルMの温度差は通常比較的
小さい値となっており、その結果、出湯口11の出口に
於ける溶融物の輝度は、ほぼ一定の値を保っている。そ
のため、溶融物の輝度の変化から溶融メタルMから溶融
スラグBへの切り変わりを判別すると云うことは、全く
考慮の対象外であって、当然にこれ迄実施もされて来な
かった。これに対して、焼却灰等を被溶融物Aとする溶
融炉では、溶融スラグBの出湯と溶融メタルMの出湯で
は、両者の間に約200℃以上の温度差があり、また、
溶融スラグBと溶融メタルMの出湯では、溶融物からの
所謂エネルギー放射率に明確な差異がある。その結果、
出湯中に溶融物の種類が変化すると、出湯の輝度が大き
く変化することになる。
【0022】本件発明は、被溶融物Aが飛灰等の場合に
生ずる前記溶融物の輝度の変化に着目して創案されたも
のであり、放射型温度計を用いて溶融物からの放射エネ
ルギーの差異即ち、溶融物の輝度の変化を検出すること
により、出湯が溶融メタルMから溶融スラグBに切り変
わったことを判別し、この判別信号に基づいて出湯口1
1を閉鎖するようにしたものである。
【0023】即ち、請求項1に記載の発明は、溶融炉に
於ける溶融メタルの出湯方法に於いて、出湯口から流出
する溶融物の輝度を放射型温度計により検出し、前記溶
融物の溶融メタルから溶融スラグへの切り変わりを放射
型温度計の検出値の変化から判別すると共に、当該判別
に基づいて溶融メタルの出湯口を閉鎖することを発明の
基本構成とするものである。
【0024】請求項2に記載の発明は、請求項1の発明
に於いて放射型温度計を、測定波長が0.8〜5μmの
放射型温度計としたものである。
【0025】請求項3の発明は、溶融炉における溶融メ
タルの出湯装置を、溶融炉の出湯口の出口側近傍に配設
され、出湯口から流出する溶融物の輝度を検出する放射
型温度計と、前記放射型温度計の検出値の変化から前記
出湯の溶融メタルから溶融スラグへの切り変わりを判別
する出湯判別制御器と、前記出湯判別制御器からの判別
信号により出湯口の閉鎖操作を開始するマッド材充填機
と、閉鎖した出湯口を開孔する開孔機とから構成したこ
とを発明の基本構成とするものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明を実施した焼却灰
等を被溶融物Aとする溶融炉本体3の出湯口11の廻り
を示す部分拡大図であり、溶融炉本体3そのものは従前
の図4に示した溶融炉本体3と実質的に同一である。そ
のため、ここでは溶融炉本体3の詳細な説明は省略す
る。図1に於いて、Bは溶融スラグ、Mは溶融メタル、
Wはスラグ冷却水、Lmは溶融メタルMの液面、3は溶
融炉本体、3aは炉壁、11は炉壁の底部近傍に設けた
出湯口(タップホール)、19はメタルシュート、19
aはシュート体、19bはカバー体、20は第1放射型
温度計、21は第2放射型温度計、26はスラグ水槽、
27はスラグコンベアである。
【0027】図1を参照して、溶融炉本体3の炉壁3a
の底部近傍には、溶融炉本体3内の溶融メタルMを抜き
出すための出湯口11が設けられており、溶融メタルM
の液面Lmが設定値以上になると、出湯口11が開孔さ
れ、これを通して溶融メタルMが溶融炉本体3の外方へ
排出される。尚、前記炉壁3aに設けた出湯口11とし
ては、通常公知のタップホールが設けられているが、出
湯口11の構造そのものは、溶融メタルMの湯抜きをで
きるものであれば、如何なる構造の孔であってもよい。
【0028】前記メタルシュート19は出湯口11を通
して出湯した溶融メタルMを円滑に下方へ流下させるた
めのものであり、出湯口11の下方に適宜の傾斜角度を
もって配設・支持されている。また、このメタルシュー
ト19は、シュート体19aとカバー体19bとから筒
状又は箱状に形成されており、シュート体19aの表面
は耐火物が内張りされている。
【0029】前記メタルシュート19の下方には、スラ
グ水冷槽26が設けられており、所定量の冷却水Wが貯
留されている。また、水冷槽26の内部には公知のスラ
グコンベア27が配設されている。
【0030】尚、図1には図示されていないが、前記出
湯口11の近傍には公知の開孔機やマッド材の充填機及
びこれ等の駆動制御装置が配設されており、駆動制御装
置を介して開孔機並びに充填機を作動させることによ
り、出湯口11の開孔並びに出湯口11内へのマッド材
の充填が自動的に行なわれる。
【0031】前期第1放射型温度計20は、固定・エア
ーパージ式の公知の放射型温度計であり、測定波長は
4.5μmに設定されている。同様に、前記第2放射型
温度計21は、携帯式の公知の放射型温度計であり、測
定波長は第1放射型温度計20の場合よりも若干波長の
短かい0.8〜1.1μmに設定されている。
【0032】本実施形態に於いては、第1放射型温度計
20として株式会社山武製のRT300−L41型温度
計を、また第2放射型温度計21として株式会社山武製
のRT300−H36型温度計を使用している。また、
本実施形態に於いては、前記第1放射型温度計20を出
湯口11の出口近傍上方の距離H=約650mmの位置
に配置しており、出湯口11より出湯した直後の溶融メ
タルM及び溶融スラグBの輝度(即ち温度)を検出する
ようにしている。更に、本実施形態に於いては、前記第
2放射型温度計21を出湯口11の軸線φ上の距離L=
3000mmの位置に、これと対向状に設けており、出
湯口11より出湯してメタルシュート19上へ流下する
直前の溶融メタルM及び溶融スラグBの輝度(即ち温
度)を検出するようにしている。
【0033】図2は、本発明に係る溶融メタル出湯装置
のブロック構成図であり、第1放射型温度計20、第2
放射型温度計21、出湯判別制御器22、出湯口の開孔
機23、マッド材の充填機24、駆動制御装置25等か
ら溶融メタル出湯装置が構成されている。
【0034】即ち、出湯口11からの溶融物(溶融メタ
ルM及び溶融スラグB)の輝度(即ち温度)は、第1放
射型温度計20及び第2放射型温度計21により連続的
に検出されており、各放射型温度計20・21からの検
出信号Q1 ,Q2 は出湯判別制御器22へ入力されてく
る。
【0035】出湯判別制御器22では、入力されてきた
検出信号Q1 ,Q2 の大きさの変化から、出湯口11か
らの溶融物が溶融メタルMから溶融スラグBに切り変わ
ったことを判別し、判別信号Sを駆動制御装置25へ入
力する。
【0036】判別信号Sが駆動制御装置25へ入力され
ると、駆動制御装置25を介してマッド材の充填機24
が作動され、従前と同様の方法により出湯口11内へマ
ッド材が充填されることにより、出湯口11が閉鎖され
る。
【0037】尚、図1及び図2の実施形態では、第1放
射型温度計20及び第2放射型温度計21の2台の放射
型温度計を使用しているが、第1放射型温度計又は第2
放射型温度計の何れか一方だけを設置するものであって
もよい。また、図1に示す如く、H=650mm、L=
3000mmとしているが、前記各寸法H、Lは適宜に
選定し得るものである。更に、本実施形態では、各放射
型温度計20・21を出湯口11の出口先端の直上位置
及び出口と対向する正面位置に夫々設けるようにしてい
るが、放射温度計の配設位置は適宜に変更が可能であ
る。
【0038】次に、本発明による溶融炉の溶融メタルの
出湯操作について説明をする。溶融炉本体3内で溶融さ
れた焼却灰や飛灰等の被溶融物Aは、前述の通り溶融炉
本体3内で順次溶融され、比重分離されることにより、
図1又は図4の如き二層に分かれた状態で溶融炉本体3
内に貯留される。即ち、上方に位置する溶融スラグB
は、比重が軽いうえに熱源に近いところで溶融されるた
め、溶融炉本体3内で比較的激しく対流をする。しか
し、熱伝導性が低いため、溶融炉本体3外へ持ち出され
る放熱量は比較的少ない。これに対して、下層の溶融メ
タルMの方は、比重が大きく且つ炉底に溜った状態にあ
るため、炉本体内での対流は比較的少ない。しかし、伝
熱性が良いために溶融炉本体3外への放熱量は増大す
る。その結果、溶融炉本体3内に於いては、溶融スラグ
Bの方が溶融メタルMよりも高温になっており、その温
度差は約200°〜300℃程度となっている。
【0039】また、溶融メタルMの方は、エネルギー放
射率が0.5〜0.8程度であるのに対して、溶融スラ
グBの方はエネルギー放射率が0.85〜0.95程度
と高い。その結果、溶融物の放射エネルギー量は溶融ス
ラグBの方がより多くなり、これが出湯時に溶融物の輝
度の変化として現われることになる。即ち、出湯口11
の開孔時に、最初に流出して来る溶融メタルMの輝度は
比較的低く、この溶融メタルMに続いて出湯する溶融ス
ラグBの方が、溶融物の輝度が高かくなる。換言すれ
ば、前記溶融物の輝度が変化する時点が、出湯口11内
へマッド材を充填するタイミングとなる。
【0040】溶融炉本体3内の溶融メタルMの液面Lm
が規定高さにまで達すると、駆動制御装置25を介して
出湯口開孔機23が作動され、出湯口11が開孔され
る。出湯口11が開孔されると、先ず溶融メタルMが出
湯し、メタルシュート19を通してスラグ水冷槽26内
へ流下すると共に、出湯口11より出湯する溶融メタル
Mの輝度(即ち温度)が、放射型温度計20・21によ
り連続的に検出され、その検出信号Q1 ,Q2 が出湯判
別制御器22へ入力される。
【0041】溶融炉本体3内の溶融メタルMが出湯され
てしまうと、これに引き続いて溶融スラグBが出湯す
る。出湯口11からの溶融物が溶融メタルMから溶融ス
ラグBに切り変わると、放射型温度計20・21による
検出値が変化し(検出温度が上昇)、その結果、出湯判
別制御器22へ入力される検出信号Q1 ,Q2 が変化す
る。当該放射型温度計20・21からの検出信号Q1
2 の変化は、出湯判別制御器22に於いて常時検知さ
れており、検出値の差(検出温度の差)が設定値を超え
ると、出湯口11からの溶融物が溶融メタルMから溶融
スラグBに切り変わったと判別され、出湯判別制御器2
2から駆動制御装置25へ判別信号Sが発信される。
【0042】駆動制御装置25へ判別信号Sが入力され
ると、公知のシステムと同様に駆動制御装置25を介し
てマッド材の充填機24が作動され、開孔状態にある出
湯口11内へマッド材が充填されることにより、出湯口
11が閉鎖されることになる。
【0043】[試験例]図3は、前記図1に示した実施
形態に於いて、出湯口11の開孔時に溶融炉本体3内か
ら出湯する溶融メタルMと溶融スラグBの輝度(即ち温
度)を第1放射型温度計20及び第2放射型温度計21
により実測した場合の各放射型温度計の出力線図であ
り、曲線1が第1放射型温度計20の出力(指示温度)
を、また曲線2が第2放射型温度計21の出力(指示温
度)を示すものである。尚、電気溶融炉としては処理量
700kg/hr、出力1710KVA、被溶融物A・
・ごみ焼却灰の実稼働中の溶融炉を使用した。
【0044】また、表1は、図3の検出値(指示温度)
を数値化したものであり、各放射型温度計20・21の
出力値は、夫々溶融物の輝度に相当する値を所謂指示温
度として示すものであって、溶融物そのもの自体の温度
を表示するものでない。
【0045】
【表1】
【0046】表1及び図3からも明らかなように、第1
放射型温度計20(測定波長4.5μm、測定対象物ま
での距離H=650mm、固定・エアーパージ型)の測
定値は、溶融メタルM出湯時の指示温度800℃±50
℃、溶融スラグB出湯時の指示温度1150℃±50
℃、両者の指示温度差約350℃であった。また、第2
放射型温度計21(測定波長0.8〜1.1μm、測定
対象物までの距離L=3000mm、携帯型)の測定値
は、溶融メタルM出湯時の指示温度1100℃±50
℃、溶融スラグB出湯時の指示温度1400℃±50
℃、両者の指示温度差約300℃である。
【0047】上記各放射型温度計20・21による測定
値の対比から、本発明で使用する放射型温度計は、測定
波長の長いものほど好都合であることが判る。何故な
ら、測定波長が長いほど、測定対象物のエネルギー放射
率の違いによって放射型温度計の出力(指示温度)の変
化量が大きくなり、判別センサとして有効だからであ
る。
【0048】尚、図1の実施形態に於いては、溶融炉と
して焼却灰等を被溶融物Aとする電気溶融炉を挙げてい
るが、本発明は、焼却灰以外の都市ごみ等を被溶融物A
とする電気溶融炉であっても、或いは、電気溶融炉以外
の燃料の燃焼エネルギーを用いる型式の溶融炉にも適用
できることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】本発明に於いては、出湯口から出湯中の
溶融メタルMが溶融スラグBに切り変わるポイントを放
射型温度計を用いて電気的に検出し、この検出信号に基
づいて、出湯口内へマッド材を圧入してこれを閉鎖する
構成としている。その結果、従前の溶融メタルMから溶
融スラグBへの切り変わりを目視によって確認し、経験
と勘によりマッド材圧入のタイミングを決める従前の出
湯口の閉鎖方法に比較して、常により理想的なタイミン
グで安定した出湯口の閉鎖を行なうことができ、回収し
たメタルの品質悪化を招いたり、出湯口の再開孔が困難
になると云うトラブルが、皆無になる。また、出湯口の
閉鎖操作を熟練技能者でなくても容易に安定して行なう
ことができ、溶融炉の運転に要する人件費の削減が可能
となる。本発明は上述の通り優れた実用的効用を奏する
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】灰溶融炉本体のタップホールの廻りを示す部分
拡大図である。
【図2】本発明に係る溶融メタルの抜き出し装置のブロ
ック構成図である。
【図3】出湯口からの溶融物を放射温度計により測定し
た場合の測定出力(指示温度)を示す曲線である。
【図4】従前の電気溶融炉の一例を示すものである。
【符号の説明】
Aは被溶融物、Bは溶融スラグ、Mは溶融メタル、Lm
は溶融メタルの液面、Ltは溶融メタルの厚さ、Wは冷
却水、Q1 ,Q2 は検出信号、Sは判別信号、3は溶融
炉本体、10は溶融スラグ流出口、11は出湯口(タッ
プホール)、19はメタルシュート、19aはシュート
体、19bはカバー体、19cは耐火物、20は第1放
射型温度計、21は第2放射型温度計、22は出湯判別
制御器、23は出湯口の開孔機、24はマッド材の充填
機、25は駆動制御装置、26はスラグ水冷槽、27は
スラグコンベア。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻本 進一 兵庫県尼崎市金楽寺町2丁目2番33号 株 式会社タクマ内 Fターム(参考) 3K061 NB13 NB27 NB30 4K045 AA04 BA10 DA04 RC12 4K056 AA05 AA19 BB08 CA20 FA12 4K063 AA04 AA06 AA12 BA13 CA09 FA56 FA73

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融炉に於ける溶融メタルの出湯方法に
    於いて、出湯口から流出する溶融物の輝度を放射型温度
    計により検出し、前記溶融物が溶融メタルから溶融スラ
    グへの切り変わりを放射型温度計の検出値の変化から判
    別すると共に、当該判別の結果に基づいて溶融メタルの
    出湯口を閉鎖することを特徴とする溶融炉に於ける溶融
    メタルの出湯方法。
  2. 【請求項2】 放射型温度計を、測定波長が0.8〜5
    μmの放射型温度計とした請求項1に記載の溶融炉に於
    ける溶融メタルの出湯方法。
  3. 【請求項3】 溶融炉の出湯口の出口側近傍に配設さ
    れ、出湯口から流出する溶融物の輝度を検出する放射型
    温度計と、前記放射型温度計の検出値の変化から前記溶
    融物の溶融メタルから溶融スラグへの切り変わりを判別
    する出湯判別制御器と、前記出湯判別制御器からの判別
    信号により出湯口の閉鎖操作を開始するマッド材充填機
    と、閉鎖した出湯口を開放する開孔機とから構成したこ
    とを特徴とする溶融炉に於ける溶融メタルの出湯装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008209040A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラズマ式溶融炉の運転制御方法及び装置

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