JP3535730B2 - プラズマアーク溶融炉及びプラズマアーク溶融炉からの溶融メタルの抜き出し方法 - Google Patents

プラズマアーク溶融炉及びプラズマアーク溶融炉からの溶融メタルの抜き出し方法

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JP3535730B2 JP07678898A JP7678898A JP3535730B2 JP 3535730 B2 JP3535730 B2 JP 3535730B2 JP 07678898 A JP07678898 A JP 07678898A JP 7678898 A JP7678898 A JP 7678898A JP 3535730 B2 JP3535730 B2 JP 3535730B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業廃棄物やごみ
焼却炉からの焼却残渣や飛灰等の溶融処理技術に関する
ものであり、プラズマ溶融炉本体内に分離した状態で溜
った溶融メタルを、溶融スラグが混入することなしに湯
出しできるようにした溶融メタル抜き出し装置を備えた
プラズマアーク溶融炉と、当該プラズマアーク溶融炉か
らの溶融メタルの抜き出し方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ごみ等の焼却炉から排出され
る焼却残渣や飛灰の減容化及び無害化を図るため、焼却
残渣等の溶融固化処理法が注目されている。焼却残渣等
は、溶融固化することにより容積が1/2〜1/3に減
少すると共に、重金属等の有害物質の溶出防止や溶融ス
ラグの再利用、最終埋立処分場の延命等が可能になるか
らである。
【0003】而して、前記焼却残渣等の被溶融物を溶融
固化処理方法には、プラズマアーク炉やアーク炉、電気
抵抗炉等を用い、電気エネルギーによって被溶融物を溶
融固化する方法と、表面溶融炉や旋回溶融炉、コークス
ベッド炉等を用い、燃料の燃焼エネルギーによって被溶
融物を溶融固化する方法とが多く利用されており、都市
ごみ焼却設備に発電設備が併置されている場合には、前
者の電気エネルギーを用いる方法が、また発電設備が併
置されていない場合には、後者の燃焼エネルギーを用い
る方法が夫々多く採用されている。
【0004】図4は、従前のごみ焼却処理設備に併置し
た直流アーク放電型黒鉛電極式のプラズマ溶融炉の一例
を示すものであり、図に於いて、1は被溶融物である灰
のコンテナ、2は被溶融物の供給装置、3はプラズマ溶
融炉本体、4は黒鉛主電極、5は黒鉛スタート電極、6
は炉底電極、7は炉底冷却ファン、8は直流電源装置、
9は窒素ガス等の不活性ガス供給装置、10は溶融スラ
グ流出口、11はタップホール、12は燃焼室、13は
燃焼空気ファン、14は排ガス冷却ファン、15はバグ
フィルタ、16は誘引通風機、17は煙突、18は溶融
飛灰コンベア、19は飛灰だめ、20はスラグ水冷槽、
21はスラグ搬出コンベア、22はスラグだめ、23は
スラグ冷却水冷却装置である。
【0005】焼却残渣や飛灰等の被溶融物Aはコンテナ
1に貯えられ、供給装置2によりプラズマ溶融炉本体3
内へ連続的に供給される。プラズマ溶融炉本体3には、
炉頂部より垂直に挿入され、その先端と被溶融物Aとの
間に一定の距離を設けた黒鉛主電極4(−極)と、炉底
に設置された炉底電極6(+極)とが設けられており、
両電極4、6間に直流電源装置8(容量約600〜10
00KW/T・被溶融物)の直流電圧(200〜350
V)が印加されることにより、電流が流れてプラズマの
発生源となるアークが発生する。このプラズマアークに
よって被溶融物Aが1300℃〜1500℃に加熱さ
れ、順次溶融スラグBとなる。尚、溶融前の被溶融物A
は導電性が低いため、溶融炉の始動時にはスタート電極
5を溶融炉本体3内へ挿入してこれを+極とし、これと
主電極4間へ通電することにより被溶融物Aが溶融する
のを待つ。そして、被溶融物が溶融をするとその導電性
が上昇するため、スタート電極5を炉底電極6側へ切り
換える。
【0006】前記プラズマ溶融炉本体3の内部は、溶融
スラグBや主電極4等の酸化を防止するため還元性雰囲
気に保持されており、そのために、PSA窒素製造装置
等の不活性ガス供給装置9から不活性ガス(窒素ガス)
Cが、中空筒状に形成した主電極4及びスタート電極5
の中空孔を通して、溶融炉本体3内へ連続的に供給され
ている。また、不活性ガスCを主電極4やスタート電極
5の中空孔を通して炉本体内へ供給する構成とするの
は、プラズマ放電領域を濃厚な不活性ガスCにより充
満させた方が、プラズマアークの発生や安定性等の所謂
プラズマ放電性が良好になると考えられること、及び
黒鉛主電極4や黒鉛スタート電極5の消耗がより少なく
なると考えられること、等の理由によるものである。
【0007】前記プラズマ溶融炉本体3の炉底は、炉底
冷却ファン7からの冷風により空冷され、これによって
炉底電極6近傍の過度な温度上昇が防止されている。ま
た、溶融炉本体3そのものは約1700℃の高温に耐え
る耐火材及びそれを覆う断熱材等により構成されてお
り、必要に応じて断熱材の外部に水冷ジャケット(図示
省略)が設けられている。
【0008】溶融炉本体3内へ供給された被溶融物A
は、プラズマアーク放電による発生熱を供給されること
により、その溶融点(1200〜1300℃)を越える
1300〜1500℃の高温度にまで加熱され、溶融さ
れる。即ち、被溶融物Aの溶融によって、その内部に存
在した揮発成分や炭素の酸化により起生した一酸化炭素
等はガス体Dとなると共に、鉄等の金属類やガラス、砂
等の不燃性成分は溶融状態となり、流動性を有する液体
状の溶融スラグBが順次形成されて行く。前記ガス体D
は溶融スラグ流出口10の上部より燃焼室12に入り、
ここで燃焼空気ファン13により送入された燃焼用空気
が加えられることにより、内部の未燃分が完全に燃焼さ
れると共に、その燃焼熱によって溢流する溶融スラグB
が加熱され、スラグ水冷槽20に入るまでの間に冷却・
固化して流路をふさぐことが防止される。また、完全燃
焼したガス体Dは、排ガス冷却ファン14からの冷空気
によって冷却され、バグフィルタ15を経て誘引通風機
16により煙突17へ排出される。そして、ハグフィル
タ15で捕捉された溶融飛灰Eは、溶融飛灰コンベア1
8により飛灰だめ19へ送られる。
【0009】前記プラズマ溶融炉本体3内に形成された
溶融スラグBは溶融スラグ流出口10より連続的に溢出
し、水を満したスラグ水冷槽20内へ落下することによ
り水砕スラグとなり、スラグ搬出コンベア21によって
スラグだめ22へ排出される。また、プラズマアーク溶
融炉を停止する際には、プラズマ溶融炉本体3内の溶融
スラグBが冷却・固化してしまうのを防止するため、溶
融スラグBの底部レベルに取付けられたタップホール1
1から湯抜きを行い、プラズマ炉本体3内は空状態にさ
れる。
【0010】而して、前記プラズマ溶融炉本体3内へ供
給された被溶融物Aは、前述の通りプラズマアークの熱
を供給されることにより約1300〜1500℃の高温
度にまで加熱され、流動性を有する液体状の溶融スラグ
Bとなる。また、被溶融物A内に酸化鉄や酸化銅等の金
属酸化物が含まれている場合には、これ等の金属酸化物
が還元されて溶融メタルCとなり、溶融スラグBとの比
重差により、炉底電極6の上方部(即ち、溶融スラグB
の下方部)に溶融メタルCの層が順次形成される。
【0011】前記プラズマ溶融炉本体3内に層状に溜っ
た溶融メタルCは、その層厚さが大きくなり過ぎるとプ
ラズマアークの安定性を阻害するようになる。そのた
め、溶融メタルCは適時、プラズマ溶融炉本体3外へ抜
き出しする必要がある。また、抜き出した溶融メタルC
は、メタルの再利用を図る観点から、可能な限り溶融ス
ラグB等が混合していない状態で抜き出しするのが望ま
しい。
【0012】一方、前記溶融メタルCの抜き出し方法と
しては、プラズマ溶融炉本体3の側壁3bに設けたタ
ップホール11を開孔し、このタップホール11を通し
て抜き出す方法やプラズマ溶融炉本体3を傾動させ、
スラグ出口10或いは別途に設けたスラグ出湯口からオ
ーバーフローによって抜き出す方法がある。しかし乍
ら、前者のタップホール11を開孔して抜き出しする方
法は、炉底下部に溜った溶融メタルCに連続して上部の
溶融スラグBが流出し易く、溶融スラグBの混入を防止
し難いと云う問題がある。プラズマ溶融炉本体内へ投入
される被溶融物A内の金属酸化物の多寡により、湯抜き
時の溶融メタルCの層厚さが大きく変動するうえ、溶融
メタルCの層厚さを正確に検出する手段が無いため、溶
融メタル層Cと溶融スラグ層Bとの境界の峻別が出来な
いからである。
【0013】また、後者のプラズマ溶融炉本体3を傾動
させる抜き出し方法にあっては、下層部の溶融メタルC
を排出するには上層部の溶融スラグBが必然的に一緒に
抜き出しされることになり、溶融メタルCのみを抜き出
しすることは現実に不可能となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プラズマア
ーク溶融炉の溶融メタルの抜き出しに於ける上述の如き
問題、即ち溶融スラグの混入を生ずることなしに溶融メ
タルのみを抜き出すことが困難で、回収した溶融メタル
の有効利用を図り難いと云う問題を解決せんとするもの
であり、タップホールを通して溶融スラグの混入を生ず
ることなく溶融メタルのみを比較的簡単に抜き出しでき
るようにした、プラズマアーク溶融炉とプラズマアーク
溶融炉からの溶融メタルの抜き出し方法を提供するもの
である。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、側壁
に溶融スラグ流出口と被溶融物供給口を有するプラズマ
溶融炉本体と、プラズマ溶融炉本体内へ被溶融物を供給
する被溶融物供給装置と、直流電源装置からの電力によ
りプラズマアークを起生する主電極及び炉底電極と、プ
ラズマ溶融炉本体側壁の炉底電極より上方位置に開孔し
た溶融メタル抜き出し用のタップホールとを備えたプラ
ズマアーク溶融炉に於いて、前記溶融メタル抜き出し用
のタップホールに、タップホール内に充填した耐火材を
研削除去してこれを開孔する開孔機と、タップホールの
奥部に配設され、タップホール内を流動する物質の導電
率の変化から流動物が溶融メタルから溶融スラグへ変化
したことを検知する流動物検出器と、前記流動物検出器
からの信号により作動され、タップホール内へ耐火材を
加圧充填して内部に残存する溶融スラグを溶融炉本体内
へ押し戻すと共に当該タップホールを閉塞するマッドガ
ンとから成る溶融メタル抜き出し装置を設けたことを発
明の基本構成とするものである。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の発明に於い
て、被溶融物をごみ焼却炉からの燃焼残査及び又は飛灰
とすると共に流動物検出器を、タップホールの奥部に対
向状に配設した発信コイル及び受信コイルと、発信コイ
ルへ交番電流を供給する交流電源装置と、受信コイルの
誘起々電力の検出・比較器とから構成するようにしたも
のである。
【0017】請求項3の発明は、開孔機によりプラズマ
溶融炉本体の側壁に設けたタップホールを開孔し、プラ
ズマ溶融炉本体内に分離状に溜った溶融メタルを溶融炉
本体外へ抜き出すと共に、タップホールの奥部に流動物
検出器を配設し、当該流動物検出器によりタップホール
内を流動する流動物の導電率の変化から、溶融メタルか
ら溶融スラグへ流動物が変化したことを検出し、前記流
動物検出器が流動物の変化を検出すると同時に開孔した
タップホールに耐火材を加圧充填するマッドガンを作動
させ、溶融スラグがタップホール外へ流出する前に圧入
した耐火材充填物によりタップホールを閉塞すると共
に、当該充填物によりタップホール内に残存する溶融ス
ラグ等をプラズマ溶融炉本体内へ押し戻すようにしたこ
とを発明の基本構成とするものである。
【0018】請求項4の発明は、請求項3の発明に於い
てタップホール内を流動する溶融スラグがその出口へ到
達するまでの時間が、流動物検出器からの信号によりマ
ットガンが作動してタップホールの入口部分を閉塞する
のに要する時間よりも長くなるように、タップホールの
長さ寸法を設定するようにしたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。尚、図1に於いて、前記図4と同じ
部位、部材にはこれと同じ参照番号を使用するものとす
る。図1は本発明に係るプラズマアーク溶融炉の要部を
示す縦断面図であり、タップホール11、流動物検出器
24、開孔機25、マッドガン26及び溶融メタル流出
路27等の部分を除いてその他の部分の構成は、前記図
4の場合と殆んど同じであるため、ここでは省略されて
いる。
【0020】図1に於いて、1は被溶融物Aのコンテ
ナ、2は被溶融物Aの供給装置、3は溶融炉本体、3a
は被溶融物供給口、4は黒鉛主電極、5は黒鉛スタート
電極、6は炉底電極、7は炉底冷却ファン、8は直流電
源装置、9は不活性ガス供給装置、10は溶融スラグ流
出口、11はタップホール、12は燃焼室、13は燃焼
空気ファン、24は流動物検出器、25は開孔機、26
はマッドガン、27は溶融メタル流出路である。
【0021】前記プラズマ溶融炉本体3は横断面がほぼ
円形状を呈しており、筒状の胴部と逆円錐状の天井部と
から形成されている。そして、筒状胴部の一側には被溶
融物Aの溶融スラグ流出口10が、またこれと対向する
他側には、被溶融物Aの供給口3aが夫々開口されてい
る。また、炉天井壁の中央部に設けた電極挿入孔には、
主電極4が垂直姿勢で上・下動自在に炉本体3内へ挿入
支持されている。同様に、炉天井壁の側部に設けた電極
挿入孔には、スタート電極5が傾斜姿勢で進退自在に炉
本体3内へ挿入支持されている。
【0022】尚、本実施態様では黒鉛主電極4を中空円
柱体とし、プラズマ溶融炉本体3内を還元性雰囲気に保
持するのに必要な不活性ガスCを各電極4,5の中空孔
を通して炉本体3内へ供給する。また、不活性ガスCと
してはアルゴンや窒素が用いられるが、経済性の観点か
ら通常窒素が多く用いられる。
【0023】前記流動物検出器24は図2及び図3に示
す如く、プラズマ溶融炉本体3の耐火側壁3bに穿設し
たタップホール11の奥部に、タップホール11を挾ん
で対向状に配設した発信コイル24a及び受信コイル2
4bと、リード線24cと、検出器本体24dと、交流
電源装置24e等から形成されている。
【0024】前記発信コイル24aへは交流電源装置2
4eから交流電流が供給されており、これにより発信コ
イル24aに交番磁界が形成され、この交番磁界が受信
コイル24bと鎖交することにより、誘起々電力eが受
信コイル24bに誘導されている。そして、この誘起々
電力eはリード線24cを通して検出器本体24dの比
較回路(図示省略)へ入力されている。
【0025】今、タップホール11が開孔され、タップ
ホール11内へ溶融メタルCが流れ込んでいる場合に
は、溶融メタルCの高透磁率によって発信コイル24a
に生じた交番磁界の大部分は受信コイル24bと鎖交
し、その結果受信コイル24bの誘起々電力eは高電位
となっている。一方、プラズマ溶融炉本体内から溶融メ
タルCの大部分が抜き出され、これに引き続いて上方の
溶融スラグBがタップホール11内へ流入し出すと、両
コイル24a・24b部分の流動物の透磁率が低下し、
その結果受信コイル24bの誘起々電力が低下する。
【0026】上記受信コイル24bの誘起々電力eは検
出器本体24d内で連続的に計測されており、その変化
量が規定値以上になると、タップホール11内の流動物
が溶融メタルCから溶融スラグBへ変化したと判断さ
れ、後述する如くマットガン26へその作動信号が発信
される。尚、図2及び図3の実施例では発信コイル24
aと受信コイル24bとをタップホール11を挾んで対
向状に配置しているが、両者を重ね巻き状に配置して
も、或いはタップホール11に直列状に巻回配置しても
よいことは勿論である。
【0027】前記開孔機25は、湯出し時にタップホー
ル11内に充填・固化されている耐火材を研削除去する
ことによりタップホール11を開孔するものであり、本
実施態様に於いては従前の製鋼用電気炉等で利用されて
いる公知の開孔機を使用している。
【0028】前記マッドガン26は、前記流動物検出器
24からの検出信号、即ち、タップホール11へ流れ込
む流動物が溶融メタルCから溶融スラグBに切替わった
ことの検出信号によって作動され、タップホール11の
出口側からタップホール11内へ耐火材充填物を圧入す
ることにより、該タップホール11を閉塞すると共に、
圧入した耐火材充填物によってタップホール11内に残
存する溶融メタルCや溶融スラグBが固化しないうちに
これ等をプラズマ溶融炉本体3内へ押し戻し、タップホ
ール11内を耐火材充填物によって完全に充満させるも
のである。尚、当該マッドガン26は前記開孔機25と
同様に公知のものであり、本実施態様に於いては従前の
製鋼用電気炉等で利用されているマッドガンを使用して
いる。
【0029】当該マッドガン26が作動を開始してから
タップホール11の出口側を閉塞するまでに必要とする
時間は、通常約0.5秒前後である。また、当該マッド
ガン26には、タップホール11内へ入り込んだ溶融メ
タルCや溶融スラグBをプラズマ溶融炉本体3内へ押し
戻すだけの圧力及び充填物容量が具備されていることは
勿論である。更に、前述の通りマッドガン26の作動開
始からタップホール11の閉塞までに約0.5秒間を必
要とするため、本発明に於いては、タップホール11の
長さ寸法を、溶融スラグBが流動物検出器24の検出部
を通過してから約0.5秒間以上流動し得るだけの長さ
に設定する必要があり、そのため、必要に応じてタップ
ホール11の穿設部の側壁3bの厚さ寸法を大きくする
ようにしている。
【0030】次に、本発明に係るプラズマアーク溶融炉
を用いた被溶融物Aの溶融処理について説明する。プラ
ズマ溶融炉本体3内へ供給された被溶融物Aは、前述の
ごとくプラズマアーク放電による熱エネルギーにより、
溶融点(1200℃〜1300℃)を越える約1300
℃〜1500℃の温度にまで加熱され、高温液体状の溶
融スラグBとなる。また、溶融スラグBの中で、被溶融
物A中に含まれていた酸化鉄や酸化銅などの金属酸化物
は還元されてメタルとなり、溶融スラグBより分離して
下方に沈殿し、溶融メタルCとなる。プラズマ溶融炉本
体3内の溶融スラグBは溶融スラグ流出口10から連続
的に溢流し、水を満たしたスラグ水冷槽内へ落下して水
砕スラグとなる。そして、スラグ搬出コンベア(図示省
略)によってスラグだめ内へ排出される。
【0031】プラズマ溶融炉本体3内の溶融メタルCの
層厚さが厚くなると、開孔機25が作動され、タップホ
ール11を開孔することにより溶融メタルCがプラズマ
溶融炉本体3外へ抜き出される。当該溶融メタルCの抜
き出しは、流動物検出器24が溶融メタルCの流動を検
出中継続して行なわれる。流動物検出器24が、タップ
ホール11内を流動する流動物が溶融スラグBに変った
ことを検出すると、マッドガン26が作動され、耐火材
充填物によってタップホール11が閉塞されると共に、
その内部に残存する溶融スラグB等が圧入された耐火物
充填物によってプラズマ溶融炉本体3内へ押し戻され
る。
【0032】尚、図1の実施態様に於いては、ごみ焼却
残査や飛灰を被溶融物Aとする場合について説明をした
が、本発明はこれ等の燃焼残査や飛灰に限らず、灰分を
含有する産業廃棄物等の溶融処理にも適用することがで
きることは勿論である。
【0033】
【発明の効果】本発明に於いては、プラズマ溶融炉本体
のタップホールの奥部に流動物検出器の検出部を設け、
タップホール内を流動する流動物の透磁率の変化から流
動物が溶融メタルから溶融スラグに変化したことを検出
し、当該検出信号によってマッドガンを自動起動するこ
とにより、溶融スラグがタップホールの出口側から流出
する前に耐火物充填材によってタップホールの出口側を
閉塞すると共に、圧入した耐火物充填材によってタップ
ホール内に残存する溶融スラグ等をプラズマ溶融炉本体
内へ押し戻す構成としている。その結果、タップホール
の開孔時に、溶融メタルのみを溶融スラグの混入を生ず
ることなしに抜き出すことができ、高品質の溶融メタル
が得られてその有効利用を図り易くなる。本発明は上述
の通り優れた実用的効用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様に係るプラズマアーク溶融炉
の要部を示す縦断面図である。
【図2】本発明で使用する流動物検出器の取付状況の概
要を示す部分縦断面図である。
【図3】図2のイ−イ視図である。
【図4】従前の焼却残査や飛灰等を被溶融物とする直流
アーク放電型黒鉛電極式プラズマアーク溶融炉を示す縦
断面図である。
【符号の簡単な説明】
Aは被溶融物、Bは溶融スラグ、Cは不活性ガス、Dは
ガス体、Eは溶融飛灰、1は被溶融物コンテナ、2は被
溶融物供給装置、3はプラズマ溶融炉本体、3aは被溶
融物供給口、3bは側壁、4は黒鉛主電極、5は黒鉛ス
タート電極、6は炉底電極、7は炉底冷却ファン、8は
直流電源装置、9は不活性ガス供給装置、10は溶融ス
ラグ流出口、11はタップホール、12は燃焼室、13
は燃焼空気ファン、14は排ガス冷却ファン、15はバ
グフィルタ、16は誘引通風機、17は煙突、18は溶
融飛灰コンベア、19は飛灰だめ、20はスラグ水冷
槽、21はスラグ搬出コンベア、22はスラグだめ、2
3はスラグ冷却水冷却装置、24は流動物検出器、24
aは発信コイル、24bは受信コイル、24cはリード
線、24dは検出器本体、24eは電源装置、25は開
孔機、26はマッドガン、27は溶融メタル流出路。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−280536(JP,A) 特開 平1−302094(JP,A) 特開 平3−180423(JP,A) 特開 平7−248188(JP,A) 特開 平9−243267(JP,A) 特開 平9−257221(JP,A) 特開 平1−27768(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側壁に溶融スラグ流出口と被溶融物供給
    口を有するプラズマ溶融炉本体と、プラズマ溶融炉本体
    内へ被溶融物を供給する被溶融物供給装置と、直流電源
    装置からの電力によりプラズマアークを起生する主電極
    及び炉底電極と、プラズマ溶融炉本体側壁の炉底電極よ
    り上方位置に開孔した溶融メタル抜き出し用のタップホ
    ールとを備えたプラズマアーク溶融炉に於いて、前記溶
    融メタル抜き出し用のタップホールに、タップホール内
    に充填した耐火材を研削除去してこれを開孔する開孔機
    と、タップホールの奥部に配設され、タップホール内を
    流動する物質の透磁率の変化から流動物が溶融メタルか
    ら溶融スラグへ変化したことを検知する流動物検出器
    と、前記流動物検出器からの信号により作動され、タッ
    プホール内へ耐火材を加圧充填して内部に残存する溶融
    スラグ等を溶融炉本体内へ押し戻すと共に当該タップホ
    ールを閉塞するマッドガンとから成る溶融メタル抜き出
    し装置を設けたことを特徴とするプラズマアーク溶融
    炉。
  2. 【請求項2】 被溶融物をごみ焼却炉からの焼却残渣及
    び又は飛灰とすると共に、流動物検出器を、タップホー
    ルの奥部に対向状に配設した発信コイル及び受信コイル
    と、発信コイルへ交流電流を供給する交流電源装置と、
    受信コイルの誘起々電力の検出・比較器とより構成する
    ようにした請求項1に記載のプラズマアーク溶融炉。
  3. 【請求項3】 開孔機によりプラズマ溶融炉本体の側壁
    に設けたタップホールを開孔し、プラズマ溶融炉本体内
    に分離状に溜った溶融メタルをプラズマ溶融炉本体外へ
    抜き出すと共に、タップホールの奥部に流動物検出器を
    配設し、当該流動物検出器によりタップホール内を流動
    する流動物の透磁率の変化から溶融メタルから溶融スラ
    グへ流動物が変化したことを検出し、前記流動物検出器
    が流動物の変化を検出すると同時に開孔したタップホー
    ルに耐火材を加圧充填するマッドガンを作動させ、溶融
    スラグがタップホール外へ流出する前に圧入した耐火材
    充填物によりタップホールを閉塞すると共に、当該充填
    物によりタップホール内に残存する溶融スラグ等をプラ
    ズマ溶融炉本体内へ押し戻すようにしたことを特徴とす
    るプラズマアーク溶融炉からの溶融メタルの抜き出し方
    法。
  4. 【請求項4】 タップホール内を流動する溶融スラグが
    その出口へ到達するまでの時間が、流動物検出器からの
    信号によりマッドガンが作動してタップホールの入口部
    分を閉塞するのに要する時間よりも長くなるように、タ
    ップホールの長さ寸法を設定するようにした請求項3に
    記載のプラズマアーク溶融炉からの溶融メタルの抜き出
    し方法。
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