JPH09280306A - 車両用能動型振動制御装置 - Google Patents

車両用能動型振動制御装置

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Publication number
JPH09280306A
JPH09280306A JP8859596A JP8859596A JPH09280306A JP H09280306 A JPH09280306 A JP H09280306A JP 8859596 A JP8859596 A JP 8859596A JP 8859596 A JP8859596 A JP 8859596A JP H09280306 A JPH09280306 A JP H09280306A
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JP
Japan
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vibration
vehicle
active
vehicle body
engine mount
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Application number
JP8859596A
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English (en)
Inventor
Shigeki Sato
佐藤  茂樹
Kazue Aoki
和重 青木
Tsutomu Hamabe
勉 浜辺
Yosuke Akatsu
洋介 赤津
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】能動型エンジンマウントを少なくとも二つ有す
る車両用能動型振動制御装置を、より効率的な振動低減
制御が実行されるようにする。 【解決手段】二つの能動型エンジンマウント1F,1R
のうち、車両前側に配設された能動型エンジンマウント
1Fの方が振動モードの腹の位置に近く、車両後側に配
設された能動型エンジンマウント1Rの方が振動モード
の腹の位置から遠くなっている。このような位置関係に
基づき、能動型エンジンマウント1Fに対しては、それ
に内蔵される荷重センサの出力である残留振動信号eF
に応じた制御を実行し、能動型エンジンマウント1Rに
対しては、加速度センサ27の出力である残留振動信号
R に応じた制御を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンを含む
パワーユニットから車体に伝達される振動を能動的な支
持力によって低減することができる車両用能動型振動制
御装置に関し、特に、パワーユニットと車体との間に能
動型エンジンマウントを少なくとも二つ介在させた車両
用能動型振動制御装置において、より効率的な振動低減
制御が実行されるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】一般に車両のエンジン等を含むパワーユ
ニットを車体に支持するために用いられるエンジンマウ
ントには、主として、アイドル振動,エンジンシェイ
ク,こもり音振動及び加速時騒音振動のいずれに対して
も良好な防振機能が発揮されることが要求されるが、こ
れら各種の振動のうち、20〜30Hz程度の比較的大振
幅の振動であるアイドル振動を低減するために防振支持
装置に要求される特性は、高動ばね定数で且つ高減衰で
あるのに対し、5〜15Hz程度の比較的大振幅の振動で
あるエンジンシェイクや、80〜800Hz程度の比較的
小・中振幅の振動であるこもり音振動・加速時騒音振動
を低減するために防振支持装置に要求される特性は、低
動ばね定数で且つ低減衰である。従って、通常の弾性体
のみからなるエンジンマウントや、従来の液体封入式の
エンジンマウントでは、全ての振動を防振することは困
難である。
【0003】そこで、例えば特開平4−302729号
公報に開示されるように、能動的な支持力を発生可能な
液体封入式の能動型エンジンマウントが従来から存在す
る。即ち、この公報記載の能動型エンジンマウントにあ
っては、エンジンシェイクのような比較的低周波の振動
に対しては、受動的な液体封入式のエンジンマウントと
同様に、二つの液体室間を往来する液体の共振を利用し
て振動体から支持体に伝達される振動を抑制する一方、
アイドル振動以上の比較的高周波の振動に対しては、液
体室の隔壁の一部を形成する可動部材を能動的に変位さ
せ、液体室の圧力変化を支持弾性体の拡張ばねに作用さ
せて積極的に支持力を発生させ振動を打ち消すようにし
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上記のような
能動型エンジンマウントであれば、その能動型エンジン
マウントを通じてパワーユニットから車体に伝達される
振動を、能動的な支持力によってある程度相殺できるか
ら、車体側の振動低減に寄与することができる。しか
し、実際には、エンジンの駆動力に起因する振動は、
「エンジン→ドライブシャフト→駆動輪→サスペンショ
ン→車体」というエンジンマウントを介さない経路を通
じても車体に伝達されることがあるため、車室内振動の
さらなる低減を図るためには、エンジンマウントを通じ
る振動を相殺するだけでは限界がある。特に、20〜3
0Hz程度の比較的大振幅の振動であるアイドル振動が発
生し、且つ変速機のシフト位置がドライブ位置にあるた
めに上記エンジンマウントを介さない振動伝達経路が成
立しているような状況では、車室内振動の低減効果が不
十分となる場合が多かった。
【0005】一方、能動型エンジンマウントはパワーユ
ニット及び車体間で能動的な支持力を発生することがで
きるから、その能動型エンジンマウントをアクチュエー
タとし、パワーユニットを質量と考えれば、いわゆる能
動的動吸振器(アクティブ・ダイナミック・ダンパ)と
して利用することができる。つまり、能動型エンジンマ
ウントに発生する力によってパワーユニットを積極的に
振動させれば、これが能動的動吸振器として機能し、パ
ワーユニットの振動で発生した力が車体振動を制振する
ように作用させることができるのである。そこで、車室
内振動を検出し、その車室内振動が低減するように能動
型エンジンマウントで発生する力の周波数,位相,振幅
等を適宜制御すれば、能動型エンジンマウントを通じな
い振動をも相殺して、車室振動のさらなる低減が図られ
るのである。
【0006】しかし、能動型エンジンマウントを上記の
ように能動的動吸振器のアクチュエータとして利用する
場合、能動型エンジンマウントから遠い位置における振
動である車室内振動に応じた制御が実行されるため、能
動型エンジンマウント近傍の振動に応じた制御を行う場
合に比べて、安定性に劣るという欠点がある。
【0007】そこで、能動型エンジンマウントを複数有
する場合には、全ての能動型エンジンマウントを能動的
動吸振器のアクチュエータとして利用するのではなく、
一部の能動型エンジンマウントは、その能動型エンジン
マウントを通じる振動を相殺するように機能させ、他の
一部の能動型エンジンマウントは、能動的動吸振器のア
クチュエータとして利用することが考えられる。つま
り、各能動型エンジンマウントの制御態様を適宜選定す
ることにより、車室内騒音の低減効果を最大限にするこ
とが望まれるのであるが、それを達成するための具体的
な方策は従来存在しなかった。
【0008】本発明は、このような従来の技術における
未解決の課題に着目してなされたものであって、より効
率的な振動低減制御を実行することができる車両用能動
型振動制御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明である車両用能動型振動制御装
置は、パワーユニットと車体との間に、能動的な支持力
を発生可能な能動型エンジンマウントを少なくとも二つ
介在させるとともに、前記能動型エンジンマウントのう
ち、前記車体の振動モードの腹の位置に近い方の能動型
エンジンマウントに対しては、その能動型エンジンマウ
ントを通じて前記パワーユニットから前記車体に伝達さ
れる振動に応じた制御を実行し、前記振動モードの腹の
位置から遠い方の能動型エンジンマウントに対しては、
車室を包囲する部材の振動に応じた制御を実行するよう
にした。
【0010】上記目的を達成するために、請求項2に係
る発明である車両用能動型振動制御装置は、パワーユニ
ットと車体との間に介在し且つ能動的な支持力を発生可
能な少なくとも二つの能動型エンジンマウントと、前記
能動型エンジンマウントのうち前記車体の振動モードの
腹の位置に近い方の能動型エンジンマウントを通じて前
記パワーユニットから前記車体に伝達される振動を検出
する車体振動検出手段と、車室を包囲する部材の振動を
検出する車室振動検出手段と、前記振動モードの腹の位
置に近い方の能動型エンジンマウントは前記車体振動検
出手段が検出した振動が低減するように制御し且つ前記
振動モードの腹の位置から遠い方の能動型エンジンマウ
ントは前記車室振動検出手段が検出した振動が低減する
ように制御する制御手段と、を備えた。
【0011】また、請求項3に係る発明は、上記請求項
2に係る発明である車両用能動型振動制御装置におい
て、前記能動型エンジンマウントを通じて前記パワーユ
ニットから前記車体に伝達される振動を検出する車体振
動検出手段を、前記能動型エンジンマウントのそれぞれ
に対応して設けるとともに、駆動輪に駆動力が加わって
いるか否かを検出する駆動力検出手段を設け、前記制御
手段は、前記駆動力検出手段が駆動力が加わっているこ
とを検出した場合には、前記振動モードの腹の位置に近
い方の能動型エンジンマウントは前記車体振動検出手段
が検出した振動が低減するように制御し且つ前記振動モ
ードの腹の位置から遠い方の能動型エンジンマウントは
前記車室振動検出手段が検出した振動が低減するように
制御する一方、前記駆動力検出手段が駆動力が加わって
いないことを検出した場合には、前記各能動型エンジン
マウントをそれぞれが対応する前記車体振動検出手段が
検出した振動が低減するように制御するようにした。
【0012】そして、請求項4に係る発明は、上記請求
項2に係る発明である車両用能動型振動制御装置におい
て、前記能動型エンジンマウントを通じて前記パワーユ
ニットから前記車体に伝達される振動を検出する車体振
動検出手段を、前記能動型エンジンマウントのそれぞれ
に対応して設けるとともに、車速が所定速度以下である
か否かを検出する車速検出手段を設け、前記制御手段
は、前記車速検出手段が車速が所定速度以下であること
を検出した場合には、前記振動モードの腹の位置に近い
方の能動型エンジンマウントは前記車体振動検出手段が
検出した振動が低減するように制御し且つ前記振動モー
ドの腹の位置から遠い方の能動型エンジンマウントは前
記車室振動検出手段が検出した振動が低減するように制
御する一方、前記車速検出手段が車速が所定速度を越え
ていることを検出した場合には、前記各能動型エンジン
マウントをそれぞれが対応する前記車体振動検出手段が
検出した振動が低減するように制御するようにした。
【0013】さらに、請求項5に係る発明は、上記請求
項2に係る発明である車両用能動型振動制御装置におい
て、前記能動型エンジンマウントを通じて前記パワーユ
ニットから前記車体に伝達される振動を検出する車体振
動検出手段を、前記能動型エンジンマウントのそれぞれ
に対応して設けるとともに、駆動輪に駆動力が加わって
いるか否かを検出する駆動力検出手段と、車速が所定速
度以下であるか否かを検出する車速検出手段と、を設
け、前記制御手段は、前記駆動力検出手段が駆動力が加
わっていることを検出し且つ前記車速検出手段が車速が
所定速度以下であることを検出した場合には、前記振動
モードの腹の位置に近い方の能動型エンジンマウントは
前記車体振動検出手段が検出した振動が低減するように
制御し且つ前記振動モードの腹の位置から遠い方の能動
型エンジンマウントは前記車室振動検出手段が検出した
振動が低減するように制御する一方、前記駆動力検出手
段が駆動力が加わっていないことを検出するか若しくは
前記車速検出手段が車速が所定速度を越えていることを
検出した場合には、前記各能動型エンジンマウントをそ
れぞれが対応する前記車体振動検出手段が検出した振動
が低減するように制御するようにした。
【0014】また、請求項6に係る発明は、上記請求項
3又は5に係る発明である車両用能動型振動制御装置に
おいて、前記駆動力検出手段を、自動変速機のシフト位
置に基づいて駆動輪に駆動力が加わっているか否かを検
出するようにした。
【0015】そして、請求項7に係る発明は、上記請求
項2〜6に係る発明である車両用能動型振動制御装置に
おいて、前記車体振動検出手段を、前記能動型エンジン
マウントに加わる荷重を検出する荷重センサとした。
【0016】一方、請求項8に係る発明は、上記請求項
2〜6に係る発明である車両用能動型振動制御装置にお
いて、前記車体振動検出手段を、前記能動型エンジンマ
ウントの車体側取付位置の加速度を検出する加速度セン
サとした。
【0017】また、請求項9に係る発明は、上記請求項
2〜8に係る発明である車両用能動型振動制御装置にお
いて、前記車室振動検出手段を、車室内の乗員足元位置
の振動を検出するようにした。
【0018】さらに、請求項10に係る発明は、上記請
求項2〜9に係る発明である車両用能動型振動制御装置
において、前記車室振動検出手段を加速度センサとし
た。ここで、請求項1に係る発明にあっては、パワーユ
ニット及び車体間に介在する少なくとも二つの能動型エ
ンジンマウントを、車体の振動モードの腹の位置に近い
方の能動型エンジンマウントと、腹の位置から遠い方の
能動型エンジンマウントとに区別していて、腹に近い方
の能動型エンジンマウントに対しては、その能動型エン
ジンマウントを通じる振動の低減を目的とした局所的な
制御が実行され、腹から遠い方の能動型エンジンマウン
トに対しては、車室に伝達される振動の低減を目的とし
た全体的な制御が実行される。
【0019】そして、車体の振動モードの腹の位置は、
車体振動の振幅が大きい位置であるから、その腹位置の
振幅を小さくすることの車体振動低減に対する寄与率は
大きい。逆に、振動モードの腹から遠い位置(節に近い
位置)は、車体振動の振幅が小さい位置であるから、そ
の位置の振幅を小さくすることの車体振動低減に対する
寄与率は小さい。よって、振動モードの腹の位置に近い
方の能動型エンジンマウントに対して上述の局所的な制
御を実行した場合には、振動モードの腹の位置から遠い
方の能動型エンジンマウントに対して上述の局所的な制
御を実行した場合よりも、車体振動の低減効果は大きく
なる。
【0020】一方、振動モードの腹の位置は、車体振動
の振幅が大きい位置であるため、能動的動吸振器を配設
するのに好適な位置でもある。従って、振動モードの腹
の位置に近い方の能動型エンジンマウントを、能動的動
吸振器のアクチュエータとして利用すれば、能動的動吸
振器としての制振効果は大きくなるはずである。確か
に、能動的動吸振器として発生できる制振力の大きさに
のみ着目すれば、振動モードの腹の位置に近い方の能動
型エンジンマウントに対して上述の全体的な制御を実行
することも効果的と思えるが、実際には、能動的動吸振
器として制振力を発生する能動型エンジンマウントの配
設位置が、振動の低減状態を判断する車室から遠いた
め、安定性に劣り十分な制振効果を得難い。
【0021】以上から、請求項1に係る発明のように、
振動モードの腹の位置に近い方の能動型エンジンマウン
トに対しては上述の局所的な制御を実行し、振動モード
の腹の位置から遠い方の能動型エンジンマウントに対し
ては上述の全体的な制御を実行することが、車室内の振
動低減代を可能な範囲で最大にする上で最も効率的な制
御になるのである。
【0022】請求項2に係る発明にあっても、車体振動
検出手段が、振動モードの腹の位置に近い方の能動型エ
ンジンマウントを通じてパワーユニットから車体に伝達
される振動を検出し、車室振動検出手段が、車室を包囲
する床等の部材の振動を検出し、制御手段が、振動モー
ドの腹の位置に近い方の能動型エンジンマウントは車体
振動検出手段が検出した振動が低減するように制御し、
腹の位置から遠い方の能動型エンジンマウントは車室振
動検出手段が検出した振動が低減するように制御するか
ら、上記請求項1に係る発明と同様に、車室内の振動低
減代を可能な範囲で最大にする上で最も効率的な制御が
行われる。
【0023】また、請求項3に係る発明にあっては、駆
動力検出手段が、駆動輪に駆動力が加わっているか否か
を検出し、その検出結果に応じて、制御手段は制御内容
を変更する。つまり、駆動輪に駆動力が加わっている場
合には、上述したエンジンマウントを介さない振動伝達
経路が成立しているから、上記請求項2に係る発明にお
ける制御が実行されることにより、車室内の振動低減代
を可能な範囲で最大にする上で最も効率的な制御が行わ
れることになる。これに対し、駆動輪が駆動力が加わっ
ていない場合には、上述したエンジンマウントを介さな
い振動伝達経路は成立していないから、各能動型エンジ
ンマウントに対して上述の局所的な制御を行うことによ
り、最も効率的な制御が行われる。
【0024】そして、請求項4に係る発明にあっては、
車速検出手段が、車速が所定速度以下であるか否かを検
出し、その検出結果に応じて、制御手段は制御内容を変
更する。ここで、所定速度は、アイドル振動が発生して
いるか否かを判定できる程度の車速であって、実質的に
車両が停車していると判断できる程度の極低車速であ
る。つまり、車速が所定速度以下の場合には、車室内振
動にとって問題となるアイドル振動が発生している可能
性があるため、上記請求項2に係る発明における制御が
実行されることにより、車室内の振動低減代を可能な範
囲で最大にする上で最も効率的な制御が行われることに
なる。これに対し、車速が所定車速を越えている場合に
は、アイドル振動は発生していないと判断できるため、
各能動型エンジンマウントに対して上述の局所的な制御
を行うことにより、最も効率的な制御が行われる。
【0025】さらに、請求項5に係る発明にあっては、
駆動力検出手段が、駆動輪に駆動力が加わっているか否
かを検出し、車速検出手段が、車速が所定速度以下であ
るか否かを検出し、それらの検出結果に応じて、制御手
段は制御内容を変更する。つまり、車速が所定速度以下
の場合には、車室内振動にとって問題となるアイドル振
動が発生している可能性があり、駆動輪に駆動力が加わ
っている場合には、上述したエンジンマウントを介さな
い振動伝達経路が成立しているから、車速が所定速度以
下で且つ駆動輪に駆動力が加わっている場合には、車体
にアイドル振動が発生している可能性が高く、逆に、車
速が所定速度を越えているか若しくは駆動輪に駆動力が
加わっていない場合には、車体にアイドル振動は発生し
ていないのである。よって、そのような検出結果に応じ
て制御手段が制御内容を変更すれば、上記請求項2に係
る発明における制御が有効な場合にはその制御が実行さ
れて、車室内の振動低減代を可能な範囲で最大にする上
で最も効率的な制御が行われ、それ以外の場合には、各
能動型エンジンマウントに対して上述の局所的な制御が
行われて効率的に振動が低減される。
【0026】一方、駆動力検出手段を、請求項6に係る
発明のような構成とすれば、駆動力の有無が容易に検出
される。また、車体振動検出手段として、請求項7に係
る発明のように荷重センサを適用すれば、加振振幅の大
きさを正確に反映した検出結果を制御手段に供給するこ
とができ、能動型エンジンマウントを加振振幅に比例し
た振幅で駆動させることができる。
【0027】これに対し、車体振動検出手段として、請
求項8に係る発明のように加速度センサを適用した場合
であっても、加速度センサが出力する加速度信号を適宜
積分してやれば、能動型エンジンマウントを加振振幅に
比例した振幅で駆動させることができる。そして、加速
度センサであれば、その配設位置の自由度が大きいか
ら、能動型エンジンマウントの配設位置近傍が混み合っ
ていても容易に配設できる。
【0028】また、車室振動検出手段を、請求項9に係
る発明のような構成とすれば、車室内騒音の一つの振動
源である乗員の足元位置の振動が低減され、車室内空間
の快適性向上に寄与できる。
【0029】そして、車室振動検出手段として、請求項
10に係る発明のように加速度センサを適用すれば、車
室を包囲する床等の部材であっても容易に配設でき、車
室の振動が確実に検出される。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、車体の振動モードの腹
の位置に近い方の能動型エンジンマウントに対しては、
その能動型エンジンマウントを通じてパワーユニットか
ら車体に伝達される振動に応じた制御を実行し、振動モ
ードの腹の位置から遠い方の能動型エンジンマウントに
対しては、車室を包囲する部材の振動に応じた制御を実
行するようにしたため、車室内の振動低減代を可能な範
囲で最大にする上で最も効率的な制御が行われ、車室内
空間をより快適にすることができるという効果がある。
【0031】特に、請求項3〜5に係る発明であれば、
制御内容を状況に応じて変更するようにしたため、さら
に効率のよい振動低減制御が実行され、車室内空間をよ
り一層快適にすることができるという効果がある。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図5は本発明の第1の実
施の形態を示す図であって、図1は本発明に係る車両用
能動型振動制御装置を適用した車両の概略側面図、図2
は同車両のエンジンルームの概略平面図である。
【0033】先ず、構成を説明すると、横置式のエンジ
ン30A等を含んで構成されるパワーユニット30が、
車両前後方向端部の二位置及び左右方向端部の二位置の
計四位置において、サスペンションメンバ等から構成さ
れる車体35に支持されている。即ち、パワーユニット
30の前後方向端部の二位置と車体35との間には、駆
動信号に応じた能動的な支持力を発生可能な能動型エン
ジンマウント1F,1Rが介在するとともに、パワーユ
ニット30の左右方向端部の二位置と車体35との間に
は、それらパワーユニット30及び車体35間の相対変
位に応じた受動的な支持力を発生するエンジンマウント
50L,50Rが介在している。エンジンマウント50
L,50Rとしては、例えばゴム状の弾性体で荷重を支
持する通常のエンジンマウントや、ゴム状の弾性体内部
に減衰力発生可能に流体を封入してなる公知の流体封入
式のマウントインシュレータ等が適用できる。
【0034】一方、能動型エンジンマウント1F,1R
は、例えば図3に示すように構成されている。即ち、こ
の実施の形態における能動型エンジンマウント1F,1
Rは、パワーユニット30への取付け用のボルト2aを
上部に一体に備え且つ内部が空洞で下部が開口したキャ
ップ2を有し、このキャップ2の下部外面には、軸が上
下方向を向く内筒3の上端部がかしめ止めされている。
【0035】内筒3は、下端側の方が縮径した形状とな
っていて、その下端部が内側に水平に折り曲げられて、
ここに円形の開口部3aが形成されている。そして、内
筒3の内側には、キャップ2及び内筒3内部の空間を上
下に二分するように、キャップ2及び内筒3のかしめ止
め部分に一緒に挟み込まれてダイアフラム4が配設され
ている。ダイアフラム4の上側の空間は、キャップ2の
側面に孔を開けることにより大気圧に通じている。
【0036】さらに、内筒3の内側にはオリフィス構成
体5が配設されている。なお、本実施の形態では、内筒
3内面及びオリフィス構成5間には、薄膜状の弾性体
(ダイアフラム4の外周部を延長させたものでもよい)
が介在していて、これにより、オリフィス構成体5は内
筒3内側に強固に嵌め込まれている。
【0037】このオリフィス構成体5は、内筒3の内部
空間に整合して略円柱形に形成されていて、その上面に
は円形の凹部5aが形成されている。そして、その凹部
5aと、底面の開口部3aに対向する部分との間が、オ
リフィス5bを介して連通するようになっている。オリ
フィス5bは、例えば、オリフィス構成体5の外周面に
沿って螺旋状に延びる溝と、その溝の一端部を凹部5a
に連通させる流路と、その溝の他端部を開口部3aに連
通させる流路とで構成される。
【0038】一方、内筒3の外周面には、内周面側が若
干上方に盛り上がった肉厚円筒状の支持弾性体6の内周
面が加硫接着されていて、その支持弾性体6の外周面
は、上端側が拡径した円筒部材としての外筒7の内周面
上部に加硫接着されている。
【0039】そして、外筒7の下端部は上面が開口した
円筒形のアクチュエータケース8の上端部にかしめ止め
されていて、そのアクチュエータケース8の下端面から
は、車体35側への取付け用の取付けボルト9が突出し
ている。取付けボルト9は、その頭部9aが、アクチュ
エータケース8の内底面に張り付いた状態で配設された
平板部材8aの中央の空洞部8bに収容されている。
【0040】さらに、アクチュエータケース8の内側に
は、円筒形の鉄製のヨーク10Aと、このヨーク10A
の中央部に軸を上下に向けて巻き付けられた励磁コイル
10Bと、ヨーク10Aの励磁コイル10Bに包囲され
た部分の上面に極を上下に向けて固定された永久磁石1
0Cと、から構成される電磁アクチュエータ10が配設
されている。
【0041】また、アクチュエータケース8の上端部は
フランジ状に形成されたフランジ部8Aとなっていて、
そのフランジ部8Aに外筒7の下端部がかしめられて両
者が一体となっているのであるが、そのかしめ止め部分
には、円形の金属製の板ばね11の周縁部(端部)が挟
み込まれていて、その板ばね11の中央部の電磁アクチ
ュエータ10側には、リベット11aによって磁化可能
な磁路部材12が固定されている。なお、磁路部材12
はヨーク10Aよりも若干小径の鉄製の円板であって、
その底面が電磁アクチュエータ10に近接するような厚
みに形成されている。
【0042】さらに、上記かしめ止め部分には、フラン
ジ部8Aと板ばね11とに挟まれるように、リング状の
薄膜弾性体13と、力伝達部材14のフランジ部14a
とが支持されている。具体的には、アクチュエータケー
ス8のフランジ部8A上に、薄膜弾性体13と、力伝達
部材14のフランジ部14aと、板ばね11とをこの順
序で重ね合わせるとともに、その重なり合った全体を外
筒7の下端部をかしめて一体としている。
【0043】力伝達部材14は、磁路部材12を包囲す
る短い円筒形の部材であって、その上端部がフランジ部
14aとなっており、その下端部は電磁アクチュエータ
10のヨーク10Aの上面に結合している。具体的に
は、ヨーク10Aの上端面周縁部に形成された円形の溝
に、力伝達部材14の下端部が嵌合して両者が結合され
ている。また、力伝達部材14の弾性変形時のばね定数
は、薄膜弾性体13のばね定数よりも大きい値に設定さ
れている。
【0044】ここで、本実施の形態では、支持弾性体6
の下面及び板ばね11の上面によって画成された部分に
流体室15が形成され、ダイアフラム4及び凹部5aに
よって画成された部分に副流体室16が形成されてい
て、これら流体室15及び副流体室16間が、オリフィ
ス構成体5に形成されたオリフィス5bを介して連通し
ている。なお、これら流体室15,副流体室16及びオ
リフィス5b内には、油等の流体が封入されている。
【0045】かかるオリフィス5bの流路形状等で決ま
る流体マウントとしての特性は、走行中のエンジンシェ
イク発生時、つまり5〜15Hzで能動型エンジンマウン
ト1F,1Rが加振された場合に高動ばね定数、高減衰
力を示すように調整されている。
【0046】そして、電磁アクチュエータ10の励磁コ
イル10Bは、制御手段としてのコントローラ25から
ハーネス23aを通じて供給される電流である駆動信号
F,yR に応じて所定の電磁力を発生するようになっ
ている。コントローラ25は、マイクロコンピュータ,
必要なインタフェース回路,A/D変換器,D/A変換
器,アンプ等を含んで構成され、エンジンシェイクより
も高周波の振動であるアイドル振動やこもり音振動・加
速時振動が車体35に入力されている場合には、その振
動を低減できる能動的な支持力が能動型エンジンマウン
ト1F,1Rに発生するように、各能動型エンジンマウ
ント1F,1Rに対する駆動信号yF ,yR を生成し出
力するようになっている。
【0047】ここで、アイドル振動やこもり音振動は、
例えばレシプロ4気筒エンジンの場合、エンジン回転2
次成分のエンジン振動が車体35に伝達されることが主
な原因であるから、そのエンジン回転2次成分に同期し
て駆動信号yF ,yR を生成し出力すれば、車体側低減
が可能となる。そこで、本実施の形態では、パワーユニ
ット30のクランク軸の回転に同期した(例えば、レシ
プロ4気筒エンジンの場合には、クランク軸が180度
回転する度に一つの)インパルス信号Pとして出力する
パルス信号生成器26を設けていて、そのインパルス信
号Pが、パワーユニット30における振動の発生状態を
表す信号としてコントローラ25に供給されるようにな
っている。
【0048】一方、電磁アクチュエータ10のヨーク1
0Aの下端面と、アクチュエータケース8の底面を形成
する平板部材8aの上面との間に挟み込まれるように、
パワーユニット30から支持弾性体6を通じて伝達する
加振力を検出する車体振動検出手段としての荷重センサ
22が配設されていて、荷重センサ22の検出結果がハ
ーネス23bを通じてコントローラ25に供給されるよ
うになっている。
【0049】なお、この荷重センサ22は、本実施の形
態では、後述するように車体35の振動モードの腹の位
置に近い方の能動型エンジンマウント1Fには必須の構
成であり、その能動型エンジンマウント1Fの荷重セン
サ22の検出結果は、残留振動信号eF としてコントロ
ーラ25に供給されるようになっている。これに対し、
車体35の振動モードの腹の位置から遠い方の能動型エ
ンジンマウント1Rの荷重センサ22の出力はこの実施
の形態ではコントローラ25には供給しておらず、従っ
てその能動型エンジンマウント1R内の荷重センサ22
は省略してもよい。
【0050】荷重センサ22としては、具体的には、圧
電素子,磁歪素子,歪ゲージ等が適用可能である。一
方、車室36内の前部座席の乗員足元位置近傍の車体3
5上には、車室振動検出手段としての加速度センサ27
が配設されていて、その加速度センサ27の検出結果
が、残留振動信号eR としてコントローラ25に供給さ
れるようになっている。ここで、この加速度センサ27
が固定された車体35が、車室を包囲する部材に対応す
る。
【0051】そして、コントローラ25は、供給される
残留振動信号eF ,eR 及びインパルス信号Pに基づ
き、同期式Filtered−X LMSアルゴリズム
を実行することにより、能動型エンジンマウント1F,
1Rに対する駆動信号yF 及びyR を演算し、それら駆
動信号yF 及びyR を各能動型エンジンマウント1F,
1Rに出力するようになっているが、本実施の形態で
は、車両前側の能動型エンジンマウント1Fに対する駆
動信号yF の演算は、荷重センサ22の出力信号である
残留振動信号eF に応じて行い、車両後側の能動型エン
ジンマウント1Rに対する駆動信号yR の演算は、加速
度センサ27の出力信号である残留振動信号eR に応じ
て行うようになっている。
【0052】具体的には、コントローラ25は、フィル
タ係数WFi,WRi(i=0,1,2,…,I−1:Iは
タップ数)可変の適応ディジタルフィルタWF ,WR
有していて、最新のインパルス信号Pが入力された時点
から所定のサンプリング・クロックの間隔で、その適応
ディジタルフィルタWF ,WR のフィルタ係数WFi,W
Riを順番に駆動信号yF ,yR として出力する一方、イ
ンパルス信号P及び残留振動信号eF ,eR に基づいて
適応ディジタルフィルタWF ,WR のフィルタ係数
Fi,WRiを適宜更新する処理を実行するようになって
いる。
【0053】適応ディジタルフィルタWF ,WR の更新
式は、Filtered−X LMSアルゴリズムに従
った下記の(1)式,(2)式のようになる。 WFi(n+1)=WFi(n)−μRF T F (n) ……(1) WRi(n+1)=WRi(n)−μRR T R (n) ……(2) ここで、(n),(n+1)が付く項はサンプリング時
刻n,n+1における値であることを表し、また、μは
収束係数である。RF T は、理論的には、インパルス信
号Pを、能動型エンジンマウント1Fの電磁アクチュエ
ータ10及び荷重センサ22間の伝達関数CF をモデル
化した伝達関数フィルタCF ^でフィルタ処理した値で
あるが、インパルス信号Pの大きさは“1”であるか
ら、伝達関数フィルタCF ^のインパルス応答をインパ
ルス信号Pに同期して次々と生成した場合のそれらイン
パルス応答波形のサンプリング時刻nにおける和に一致
する。同様に、RR T は、理論的には、インパルス信号
Pを、能動型エンジンマウント1Rの電磁アクチュエー
タ10と加速度センサ27との間の伝達関数CR をモデ
ル化した伝達関数フィルタCR ^でフィルタ処理した値
であるが、インパルス信号Pの大きさは“1”であるか
ら、伝達関数フィルタCR ^のインパルス応答をインパ
ルス信号Pに同期して次々と生成した場合のそれらイン
パルス応答波形のサンプリング時刻nにおける和に一致
する。
【0054】また、理論的には、インパルス信号Pを適
応ディジタルフィルタWF ,WR でフィルタ処理して駆
動信号yF ,yR を生成するのであるが、インパルス信
号Pの大きさが“1”であるため、フィルタ係数WFi
Riを順番に駆動信号yF ,yR として出力しても、フ
ィルタ処理の結果を駆動信号yF ,yR としたのと同じ
結果になる。ここで、本実施の形態における車体35の
振動モードは、図4に示すように、車両の前後方向に沿
って節及び腹が交互にできるようなモードとなってい
る。そして、二つの能動型エンジンマウント1F,1R
のうち、車両前側に配設された能動型エンジンマウント
1Fの方が振動モードの腹の位置に近く、車両後側に配
設された能動型エンジンマウント1Rの方が振動モード
の腹の位置から遠くなっている。このような位置関係に
基づき、本実施の形態では、上記(1)式に示されるよ
うに、能動型エンジンマウント1Fに対しては、それに
内蔵される荷重センサ22の出力である残留振動信号e
F に応じた制御を実行し、上記(2)式に示されるよう
に、能動型エンジンマウント1Rに対しては、加速度セ
ンサ27の出力である残留振動信号eR に応じた制御を
実行するようになっている。
【0055】次に、本実施の形態の動作を説明する。即
ち、エンジンシェイク発生時には、オリフィス5bの流
路形状等を適宜選定している結果、この能動型エンジン
マウント1F,1Rは高動ばね定数,高減衰力の支持装
置として機能するため、パワーユニット30で発生した
エンジンシェイクが能動型エンジンマウント1F,1R
によって減衰され、車体35側の振動レベルが低減され
る。なお、エンジンシェイクに対しては、特に可動板1
2を積極的に変位させる必要はない。
【0056】一方、オリフィス5b内の流体がスティッ
ク状態となり流体室15及び副流体室16間での流体の
移動が不可能になるアイドル振動周波数以上の周波数の
振動が入力された場合には、コントローラ25は、所定
の演算処理を実行し、電磁アクチュエータ10の励磁コ
イル10Bに駆動信号yF ,yR を出力し、能動型エン
ジンマウント1F,1Rに、車体35側の振動を低減し
得る能動的な支持力を発生させる。
【0057】ここで、この能動型エンジンマウント1
F,1Rを力学的モデルで考えると、パワーユニット3
0及び車体35間に支持弾性体6の支持ばねと拡張ばね
とが並列に介在し、電磁アクチュエータ10の電磁力
が、板ばね11と、流体室15内の流体とを介して、拡
張ばねに伝達するようになっている。より具体的には、
永久磁石10Cの磁力によって磁路部材12が所定のオ
フセット位置に変位し、励磁コイル10Bによって発生
する電磁力がその永久磁石10Cの磁力を増大又は減少
させるように作用するから、板ばね11によって弾性支
持された磁路部材12は、そのオフセット位置を中心
に、駆動信号yの周波数及び振幅に応じて正負両方向に
変位することになる。すると、流体室15の容積が正負
両方向に変動し、その容積変動が支持弾性体6の拡張ば
ねに作用して内筒3及び外筒7間に能動的な制御力が発
生するのである。
【0058】そして、能動型エンジンマウント1Fに対
する駆動信号yF である適応ディジタルフィルタW
F は、その能動型エンジンマウント1Rに加わる荷重で
ある残留振動信号eF に基づき上記(1)式に従って更
新されるようになっているため、制御を開始してからあ
る程度の時間が経過してフィルタ係数WFi が最適値に
収束若しくは最適に十分近づけば、パワーユニット30
側から能動型エンジンマウント1Fを通じて車体35側
に伝達される振動が、その能動型エンジンマウント1F
で発生する能動的な支持力によって打ち消されるような
り、その能動型エンジンマウント1F配設位置近傍の車
体35側の振動レベルの低減が図られる。
【0059】これに対し、能動型エンジンマウント1R
に対する駆動信号yR である適応ディジタルフィルタW
R は、車室36に伝達された振動を検出する加速度セン
サ27の出力である残留振動信号eR に基づき上記
(2)式に従って更新されるようになっているため、能
動型エンジンマウント1Rで発生する能動的な支持力
は、パワーユニット30から種々の経路を経て車体35
に伝達される振動を低減するような支持力となる。つま
り、能動型エンジンマウント1Rに発生した能動的な支
持力は、パワーユニット30を加振するように作用する
から、それら能動型エンジンマウント1R及びパワーユ
ニット30が能動的動吸振器として機能するようになっ
て、車体35に対する制振作用が得られるのである。
【0060】この結果、パワーユニット30からドライ
ブシャフト→駆動輪→サスペンションという経路を通じ
て車体35に伝達される振動をも有効に低減し得る力
を、能動型エンジンマウント1Rに発生させることがで
き、両方の能動型エンジンマウント1F,1Rを、それ
ぞれが内蔵する荷重センサ22の出力に応じて制御した
場合に比べて、車室36内の振動レベルの低減を図るこ
とができるのである。
【0061】しかも、二つの能動型エンジンマウント1
F,1Rのうち、車体35の振動モードの腹の位置に近
い方の能動型エンジンマウント1Fに対しては、それが
内蔵する荷重センサ22の出力である残留振動信号eF
に応じた制御を行い、振動モードの腹の位置から遠い方
の能動型エンジンマウント1Rに対しては、加速度セン
サ27の出力である残留振動信号eR に応じた制御を行
っているため、可能な範囲で最大限の振動低減効果を得
ることができる。
【0062】即ち、能動型エンジンマウント1F,1R
に対する制御内容を本実施の形態の場合とは逆に、つま
り車体35の振動モードの腹の位置に近い方の能動型エ
ンジンマウント1Fに対して、加速度センサ27の出力
に応じた制御を行い、振動モードの腹の位置から遠い方
の能動型エンジンマウント1Rに対して、それが内蔵す
る荷重センサ22の出力に応じた制御を行うことも考え
られるが、かかる制御を実行した場合の制振効果は、本
実施の形態による制振効果よりも劣ってしまうのであ
る。図5は、本発明者等が行ったシミュレーションの結
果を示す図であって、駆動輪に駆動力が伝達されるよう
な状態とした上で、アイドル振動領域内でエンジン回転
速度を適宜変化させた場合における車室26内のフロア
振動レベルを測定したものであり、実線が能動型エンジ
ンマウント1F,1Rに対する制御を本実施の形態のよ
うにした場合の結果を示し、破線が能動型エンジンマウ
ント1F,1Rに対する制御を本実施の形態とは逆にし
た場合の結果を示している。このシミュレーション結果
からも、能動型エンジンマウント1F,1Rに対する制
御内容を本実施の形態のように設定することが、車室2
6内の振動低減効果を可能な範囲で最大にできることが
判る。
【0063】なお、能動型エンジンマウント1F,1R
に対する制御内容に応じて図5に示したような制振効果
の差が生じる理由は、本発明者等の見解によれば、加速
度センサ27の配設位置が実際に制御力を発生する位置
から遠いため、能動型エンジンマウント1F,1Rを能
動的動吸振器のアクチュエータとして機能させた場合に
高い制御安定性が得られないからである。つまり、振動
モードの腹は車体35振動の振幅が大きい位置であるた
め、その腹に近い方の能動型エンジンマウント1Fは、
内蔵する荷重センサ22の出力に応じた局所的な制振制
御を行うのに適するとともに、能動的動吸振器のアクチ
ュエータとして機能させるのにも適しているが、この能
動型エンジンマウント1Fを後者として機能させ、能動
型エンジンマウント1Rに対して局所的な制振制御を実
行すると、制振効果に対する寄与率の高い能動型エンジ
ンマウント1Fを不安定な制御に用いることとなって、
全体的な制振効果が落ちてしまうのである。
【0064】なお、本実施の形態では、能動型エンジン
マウント1Fを通じて車体35側に伝達される振動を検
出する手段として、荷重センサ22を用いているため、
加振振幅の大小を正確に表した残留振動信号eF をコン
トローラ25に供給できるという利点がある。従って、
コントローラ25においては、加振振幅の大きさを正確
に反映した駆動信号yF を生成し出力するようになり、
電磁アクチュエータ10は、加振振幅に比例した振幅で
可動板12を変位させることができる。このため、アイ
ドル振動(20〜30Hz)からこもり音振動(80〜8
00Hz)に至る全制御周波数帯域に渡って、良好な振動
低減制御を実行することができるのである。
【0065】また、能動型エンジンマウント1F内に荷
重センサ22を内蔵し、その荷重センサ22にボルト9
の締め付け力が加わらないようにしているから、荷重セ
ンサの耐荷重条件が低くなり、小型の荷重センサ22を
採用でき、スペース的に余裕の小さい能動型エンジンマ
ウント1Fには非常に好適であり、コスト的にも有利に
なる。しかも、荷重センサ22が能動型エンジンマウン
ト1Fと一体となっていれば、実際に車両に搭載する際
の手間数が少なくなるから、製造ラインにおける効率化
を図ることもできるという利点もある。
【0066】図6は、本発明の第2の実施の形態を示す
図であって、車両の概略側面図である。なお、上記第1
の実施の形態と同様の構成は、同じ符号を付し、その重
複する説明は省略する。
【0067】即ち、本実施の形態では、加速度センサ2
7を、上記第1の実施の形態とは異なり、車室36内の
後部座席の乗員足元位置近傍の車体35上に配設してい
る。その他の構成は、上記第1の実施の形態と同様であ
る。
【0068】このような構成であっても、上記第1の実
施の形態と同様の動作によって、同様の効果を奏するこ
とができる。そして、コントローラ25は、加速度セン
サ27配設位置の振動が低減されるように、能動的動吸
振器のアクチュエータとして機能する能動型エンジンマ
ウント1Rに駆動信号yR を出力するから、車室36内
のうち後部座席周辺の振動が重点的に低減され、営業用
車両等の場合に乗客周辺の振動低減効果が顕著になって
好ましいという利点がある。
【0069】図7及び図8は本発明の第3の実施の形態
を示す図であって、図7は車両の概略側面図である。な
お、上記第1の実施の形態と同様の構成は、同じ符号を
付し、その重複する説明は省略する。
【0070】即ち、本実施の形態では、上記第1の実施
の形態の構成に加えて、車速を検出する車速センサ28
と、自動変速機のシフト位置を検出するシフト位置セン
サ29と、を設けていて、車速センサ28が検出した車
速検出信号V及びシフト位置センサ29が検出したシフ
ト位置検出信号Sが、コントローラ25に供給されるよ
うになっている。
【0071】また、車体35の振動モードの腹の位置か
ら遠い方の能動型エンジンマウント1Rも荷重センサ2
2を内蔵していて、その能動型エンジンマウント1Rの
荷重センサ22の出力が、残留振動信号eR ' としてコ
ントローラ25に供給されるようになっている。
【0072】そして、コントローラ25は、図8に示す
ような演算処理を実行するようになっている。即ち、ス
テップ101において車速検出信号V及びシフト位置検
出信号Sが読み込まれ、ステップ102に移行し、その
車速検出信号Vが、実質的に車両が停車していると判断
できる極低車速である所定速度V0 以下であるか否かが
判定され、その判定が「YES」の場合には、ステップ
103に移行する。ステップ103では、シフト位置検
出信号Sが、ドライブ位置を表すD又はバック位置を表
すBのいずれかに等しいか否かが判定されるようになっ
ている。
【0073】そして、ステップ103の判定が「YE
S」の場合には、ステップ104に移行し、上記第1の
実施の形態と同様に、能動型エンジンマウント1Fの荷
重センサ22から供給される残留振動信号eF と、加速
度センサ27から供給される残留振動信号eR とを用い
た制御が実行される。
【0074】つまり、ステップ102の判定が「YE
S」の場合には、車両は実質的に停車しているからエン
ジン30Aにアイドル振動が発生している可能性が有
り、ステップ103の判定が「YES」の場合には、エ
ンジン30A側の振動がドライブシャフト→駆動輪→サ
スペンションというエンジンマウントを介さない経路を
通じて車体35に伝達され得る状況であるから、それら
両方の判定が「YES」の場合には、車体35にアイド
ル振動が入力されている可能性が高いと判断できるので
ある。しかも、そのような車体35側の振動は、能動型
エンジンマウント1F,1Rを通過する振動を能動的な
支持力で相殺しても、十分に低減することはできないの
であるから、上記第1の実施の形態のように、能動型エ
ンジンマウント1Rを能動的動吸振器のアクチュエータ
として機能させ、その配設位置に能動的動吸振器として
の制振力を入力させる意義が大きいのである。よって、
ステップ104に移行した場合には、上記第1の実施の
形態と同様の作用効果が得られる。
【0075】これに対し、ステップ102又はステップ
103の判定の一方でも「NO」の場合には、エンジン
マウントを介さない経路を通じて車体35側にアイドル
振動が入力されている状況ではないから、能動型エンジ
ンマウント1F及び1Rの両方を、その直下の振動を低
減する局所的な制御に用いた方が得策であると判断でき
るのである。そこで、ステップ102又は103の一方
の判定が「NO」の場合には、ステップ105に移行
し、残留振動信号eF 及び残留振動信号eR ' に応じた
制御を実行する。具体的には、能動型エンジンマウント
1Fに対する駆動信号yF は上記第1の実施の形態と同
様の処理によって生成するが、能動型エンジンマウント
1Rに対する駆動信号yR は、残留振動信号eR ' を用
いた同期式Filtered−X LMSアルゴリズム
によって生成する。
【0076】すると、比較的振幅の大きいアイドル振動
がパワーユニット30側に発生していない場合、若しく
は発生していても車体35側に伝達されていない場合に
は、能動型エンジンマウント1F及び1Rを通じてパワ
ーユニット30から車体35側に伝達される振動が低減
されるようになって、全体としてより効率的な振動低減
制御が実行されるようになる。
【0077】ここで、この第3の実施の形態にあって
は、車速センサ28及びステップ102の処理によって
車速検出手段が構成され、シフト位置センサ29及びス
テップ103の処理によって駆動力検出手段が構成され
る。
【0078】なお、この第3の実施の形態では、車速セ
ンサ28及びシフト位置センサ29の両方を設け、ステ
ップ102の判定及びステップ103の判定を行うよう
にしているが、それら車速センサ28又はシフト位置セ
ンサ29の一方を省略し、ステップ102の判定又はス
テップ103の判定の一方のみに基づいて、ステップ1
04又はステップ105の選択をするようにしてもよ
い。つまり、ステップ102の判定のみを行うようにし
た場合、或いはステップ103の判定のみを行うように
した場合であっても、エンジンマウントを介さない経路
を通じて車体35側にアイドル振動が入力されている状
況でステップ105が選択されるようなことはないか
ら、上記第3の実施の形態と同等の作用効果が得られる
のである。そして、センサ等を省略できる分、安価な構
成にできる。
【0079】また、ステップ104,105の選択は、
車速検出信号Vやシフト位置検出信号Sに基づいて行う
以外に、例えばエンジン回転数等に基づいて行うように
してもよい。即ち、エンジン回転数を検出するエンジン
回転数センサを設けるとともに、アイドル振動領域の上
限近傍に相当するエンジン回転数をしきい値R0 として
設定し、エンジン回転数がしきい値R0 よりも低い場合
には、ステップ104に移行して残留振動信号eF ,e
R に応じた制御を実行し、エンジン回転数がしきい値R
0 よりも高い場合には、ステップ105に移行して残留
振動信号eF ,eR ' に応じた制御を実行すれば、アイ
ドル振動が発生する可能性がある状況では上記第1の実
施の形態と同様の制御が実行されるし、アイドル振動が
発生しない状況であれば両方の能動型エンジンマウント
1F,1Rに対して直下の振動を低減する局所的な制御
が実行されるようになる。その場合、図9に示すよう
に、制御内容が切り換わるしきい値R0 を挟むようにヒ
ステリシスを設定すれば、エンジン回転数がしきい値R
0 近傍にあるときの制御切換のハンチングを防止でき
る。
【0080】さらに、上記各実施の形態では、パワーユ
ニット30を前後左右の四位置において車体35に支持
する構造に本発明を適用しているが、これに限定される
ものではなく、例えばパワーユニット30を左右二位置
及び後側一位置の計三位置において車体35に支持する
構造であっても本発明は適用可能であり、そのような三
位置支持構造の場合には、図10に示すように、車両前
側の能動型エンジンマウント1Fをパワーユニット30
の右側端部に配設してもよいし、或いは図11に示すよ
うに、車両前側の能動型エンジンマウント1Fをパワー
ユニット30の左側端部に配設してもよく、能動型エン
ジンマウント1F,1Rの制御内容を、車体35の振動
モードに応じて上記各実施の形態と同様に設定・変更す
れば、上記各実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0081】また、上記各実施の形態では、横置式のエ
ンジン30Aを有するパワーユニット30を支持する構
造に本発明を適用しているが、例えば、図12や図13
に示すように縦置式のエンジン30Aを有するパワーユ
ニット30に対しても適用可能である。図12の例は、
パワーユニット30を前端部左右二位置と後端部一位置
の計三位置において車体35に支持しているが、それら
三位置に配設されるエンジンマウント全てを能動型エン
ジンマウント1FL,1FR,1Rとしてもよく、それら能
動型エンジンマウント1FL,1FR,1Rの配設位置と車
体振動モードの腹の位置との関係に従って、上記各実施
の形態のように制御内容を設定・変更すればよい。な
お、この図12の例では、能動型エンジンマウント1F
L,1FR,1Rを三つ有するから、例えば、前側に配設
される二つの能動型エンジンマウント1FL,1FRの方が
後側の能動型エンジンマウント1Rよりも車体35の車
体振動モードの腹の位置に近いと仮定すれば、前側の二
つの能動型エンジンマウント1FL,1FRに対しては直下
の振動を低減する局所的な振動低減制御を行い、後側の
能動型エンジンマウント1Rに対しては車室内の振動を
低減する全体的な制御を行うか或いは上記第2,3の実
施の形態のような切換制御を行えばよい。振動モードに
対する位置関係が逆であれば、制御内容はその逆にして
もよい。車体35の振動モードによっては、前側の二つ
の能動型エンジンマウント1FL,1FRの一方を後側の能
動型エンジンマウント1Rと同様の制御内容としてもよ
い。図13の例は、パワーユニット30を前端部左右二
位置と後端部二位置の計四位置において車体35に支持
しているが、それら四位置に配設されるエンジンマウン
ト全てを能動型エンジンマウント1FL,1FR,1RL,1
RRとしてもよく、それら能動型エンジンマウント1FL〜
1RRの配設位置と車体振動モードの腹の位置との関係に
従って、上記各実施の形態のように制御内容を設定・変
更すればよい。
【0082】また、上記各実施の形態では、車体振動検
出手段として、能動型エンジンマウントに内蔵された荷
重センサ22を適用しているが、これに限定されるもの
ではなく、例えば能動型エンジンマウントと車体35と
の間に挟み込まれた外付けの荷重センサを適用してもよ
いし、或いは、能動型エンジンマウントの車体35側取
付位置近傍に配設された加速度センサを用いてもよく、
加速度センサを用いた場合には、荷重センサを用いる場
合よりも配設位置の自由度が高いという利点がある。
【0083】さらに、上記各実施の形態では、車室振動
検出手段として、車室36の前部座席又は後部座席の乗
員足元位置に配設した加速度センサ27を適用している
が、要は、車室36を包囲する部材の振動が検出できれ
ばよいのであるから、例えば、車室36内の騒音を検出
するマイクロフォンを適用することも可能である。
【0084】また、上記各実施の形態では、能動型エン
ジンマウントに対する駆動信号を同期式Filtere
d−X LMSアルゴリズムに基づいて生成している
が、適用可能なアルゴリズムはこれに限定されるもので
はなく、通常のFiltered−X LMSアルゴリ
ズムであってもよいし、或いは、荷重センサ22や加速
度センサ27の出力に応じた通常のフィードバック制御
であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す車両の概略側面図であ
る。
【図2】第1の実施の形態におけるエンジンルームの概
略平面図である。
【図3】能動型エンジンマウントの一例を示す断面図で
ある。
【図4】車体の振動モードの説明図である。
【図5】第1の実施の形態の効果を示すグラフである。
【図6】第2の実施の形態を示す車両の概略側面図であ
る。
【図7】第3の実施の形態を示す車両の概略側面図であ
る。
【図8】第3の実施の形態における処理の概要を示すフ
ローチャートである。
【図9】制御変更の他の例を示すグラフである。
【図10】能動型エンジンマウントの他の配置例を示す
概略平面図である。
【図11】能動型エンジンマウントの他の配置例を示す
概略平面図である。
【図12】能動型エンジンマウントの他の配置例を示す
概略平面図である。
【図13】能動型エンジンマウントの他の配置例を示す
概略平面図である。
【符号の説明】
1F,1R 能動型エンジンマウント 1FL〜1RR 能動型エンジンマウント 22 荷重センサ(車体振動検出手段) 25 コントローラ(制御手段) 26 パルス信号生成器 27 加速度センサ(車室振動検出手段) 28 車速センサ 29 シフト位置センサ 30 パワーユニット 30A エンジン 35 車体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤津 洋介 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パワーユニットと車体との間に、能動的
    な支持力を発生可能な能動型エンジンマウントを少なく
    とも二つ介在させるとともに、前記能動型エンジンマウ
    ントのうち、前記車体の振動モードの腹の位置に近い方
    の能動型エンジンマウントに対しては、その能動型エン
    ジンマウントを通じて前記パワーユニットから前記車体
    に伝達される振動に応じた制御を実行し、前記振動モー
    ドの腹の位置から遠い方の能動型エンジンマウントに対
    しては、車室を包囲する部材の振動に応じた制御を実行
    するようにしたことを特徴とする車両用能動型振動制御
    装置。
  2. 【請求項2】 パワーユニットと車体との間に介在し且
    つ能動的な支持力を発生可能な少なくとも二つの能動型
    エンジンマウントと、前記能動型エンジンマウントのう
    ち前記車体の振動モードの腹の位置に近い方の能動型エ
    ンジンマウントを通じて前記パワーユニットから前記車
    体に伝達される振動を検出する車体振動検出手段と、車
    室を包囲する部材の振動を検出する車室振動検出手段
    と、前記振動モードの腹の位置に近い方の能動型エンジ
    ンマウントは前記車体振動検出手段が検出した振動が低
    減するように制御し且つ前記振動モードの腹の位置から
    遠い方の能動型エンジンマウントは前記車室振動検出手
    段が検出した振動が低減するように制御する制御手段
    と、を備えたことを特徴とする車両用能動型振動制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記能動型エンジンマウントを通じて前
    記パワーユニットから前記車体に伝達される振動を検出
    する車体振動検出手段を、前記能動型エンジンマウント
    のそれぞれに対応して設けるとともに、駆動輪に駆動力
    が加わっているか否かを検出する駆動力検出手段を設
    け、前記制御手段は、前記駆動力検出手段が駆動力が加
    わっていることを検出した場合には、前記振動モードの
    腹の位置に近い方の能動型エンジンマウントは前記車体
    振動検出手段が検出した振動が低減するように制御し且
    つ前記振動モードの腹の位置から遠い方の能動型エンジ
    ンマウントは前記車室振動検出手段が検出した振動が低
    減するように制御する一方、前記駆動力検出手段が駆動
    力が加わっていないことを検出した場合には、前記各能
    動型エンジンマウントをそれぞれが対応する前記車体振
    動検出手段が検出した振動が低減するように制御する請
    求項2記載の車両用能動型振動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記能動型エンジンマウントを通じて前
    記パワーユニットから前記車体に伝達される振動を検出
    する車体振動検出手段を、前記能動型エンジンマウント
    のそれぞれに対応して設けるとともに、車速が所定速度
    以下であるか否かを検出する車速検出手段を設け、前記
    制御手段は、前記車速検出手段が車速が所定速度以下で
    あることを検出した場合には、前記振動モードの腹の位
    置に近い方の能動型エンジンマウントは前記車体振動検
    出手段が検出した振動が低減するように制御し且つ前記
    振動モードの腹の位置から遠い方の能動型エンジンマウ
    ントは前記車室振動検出手段が検出した振動が低減する
    ように制御する一方、前記車速検出手段が車速が所定速
    度を越えていることを検出した場合には、前記各能動型
    エンジンマウントをそれぞれが対応する前記車体振動検
    出手段が検出した振動が低減するように制御する請求項
    2記載の車両用能動型振動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記能動型エンジンマウントを通じて前
    記パワーユニットから前記車体に伝達される振動を検出
    する車体振動検出手段を、前記能動型エンジンマウント
    のそれぞれに対応して設けるとともに、駆動輪に駆動力
    が加わっているか否かを検出する駆動力検出手段と、車
    速が所定速度以下であるか否かを検出する車速検出手段
    と、を設け、前記制御手段は、前記駆動力検出手段が駆
    動力が加わっていることを検出し且つ前記車速検出手段
    が車速が所定速度以下であることを検出した場合には、
    前記振動モードの腹の位置に近い方の能動型エンジンマ
    ウントは前記車体振動検出手段が検出した振動が低減す
    るように制御し且つ前記振動モードの腹の位置から遠い
    方の能動型エンジンマウントは前記車室振動検出手段が
    検出した振動が低減するように制御する一方、前記駆動
    力検出手段が駆動力が加わっていないことを検出するか
    若しくは前記車速検出手段が車速が所定速度を越えてい
    ることを検出した場合には、前記各能動型エンジンマウ
    ントをそれぞれが対応する前記車体振動検出手段が検出
    した振動が低減するように制御する請求項2記載の車両
    用能動型振動制御装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動力検出手段は、自動変速機のシ
    フト位置に基づいて駆動輪に駆動力が加わっているか否
    かを検出する請求項3又は請求項5記載の車両用能動型
    振動制御装置。
  7. 【請求項7】 前記車体振動検出手段は、前記能動型エ
    ンジンマウントに加わる荷重を検出する荷重センサであ
    る請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の車両用能動
    型振動制御装置。
  8. 【請求項8】 前記車体振動検出手段は、前記能動型エ
    ンジンマウントの車体側取付位置の加速度を検出する加
    速度センサである請求項2乃至請求項6のいずれかに記
    載の車両用能動型振動制御装置。
  9. 【請求項9】 前記車室振動検出手段は、車室内の乗員
    足元位置の振動を検出するようになっている請求項2乃
    至請求項8のいずれかに記載の車両用能動型振動制御装
    置。
  10. 【請求項10】 前記車室振動検出手段は、加速度セン
    サである請求項2乃至請求項9のいずれかに記載の車両
    用能動型振動制御装置。
JP8859596A 1996-04-10 1996-04-10 車両用能動型振動制御装置 Pending JPH09280306A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009226967A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Bridgestone Corp エンジン制振システム

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