JPH09278592A - チタンを含む酸化アルミニウム単結晶の製造方法 - Google Patents

チタンを含む酸化アルミニウム単結晶の製造方法

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JPH09278592A
JPH09278592A JP9693896A JP9693896A JPH09278592A JP H09278592 A JPH09278592 A JP H09278592A JP 9693896 A JP9693896 A JP 9693896A JP 9693896 A JP9693896 A JP 9693896A JP H09278592 A JPH09278592 A JP H09278592A
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Shoji Morita
章二 森田
Tomohiro Notaki
友博 野瀧
Masahiro Funayama
正宏 舩山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転引上法でチタンを含む酸化アルミニウム
単結晶を製造するときに、成長を終了した後のるつぼの
ダメージを低減することを可能にした前記単結晶の製造
方法を提供しようとするものである。 【解決手段】 原料融液から成長結晶を引き上げる、チ
タンを含む酸化アルミニウム単結晶の製造方法におい
て、所定長さの前記単結晶を引き上げた後、前記原料融
液の自然対流を相対的に抑制しながら結晶成長を継続
し、次いで、前記成長結晶を原料融液から分離して引き
上げることを特徴とするチタンを含む酸化アルミニウム
単結晶の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、波長可変固体レーザー
材料などに用いるチタンを含む酸化アルミニウム単結晶
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタンを含む酸化アルミニウム単結晶
は、600〜1000nmの近赤外領域での波長可変固
体レーザー材料として注目されている。固体レーザー材
料としてのチタンを含む酸化アルミニウム単結晶の光学
特性は、その結晶特性に強く依存する。酸化物単結晶の
成長方法は、様々なものが知られているが、Nd:YA
G(Y3 Al5 12)やチタンを含む酸化アルミニウム
単結晶に代表される酸化物系の固体レーザー材料の大部
分は、その結晶特性や大きな結晶径のものが得られると
いう観点から、溶融固化法で育成されている。
【0003】特に、回転引上法は、汎用性があり、技術
の完成度が高いところから、最も広く用いられている。
図2により回転引上法を以下説明する。るつぼ1は、M
o,W,Irなどで作られ、原料の加熱には、大別して
抵抗加熱法と高周波誘導加熱法があるが、酸化アルミニ
ウムの融点が約2050℃と高いため、一般的には高周
波誘導加熱法が用いられる。2はそのための高周波誘導
加熱用コイルである。結晶成長は、るつぼ1に所定の原
料を充填し、高周波誘導加熱用コイル2で加熱溶融した
後、所定の結晶方位に切り出した種結晶3を原料融液4
に浸し、所定の回転速度で回転しながら所定の速度で上
方に引き上げて単結晶を製造する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】チタンを含む酸化アル
ミニウム単結晶は、チタンの価数が結晶の光学特性に重
要な影響を及ぼすことが知られている。酸化アルミニウ
ム中のチタンは、Ti3+又はTi4+として存在するが、
レーザー発振に有効なチタンは1個のd電子を有するT
3+であり、d電子を有しないTi4+は光学的に活性で
ないばかりではなく、Ti3+の光学活性を低下させる原
因となる。即ち、Ti4+が混在する酸化アルミニウム単
結晶ではTi3+に起因する蛍光の波長域にブロードな吸
収帯が存在するため、レーザー結晶としての特性が著し
く低下する。
【0005】回転引上法でチタンを含む酸化アルミニウ
ム単結晶を成長するときには、通常チタンの出発原料と
してTiO2 又はTi2 3 を用いる。一方、結晶内に
Ti 4+の取り込みを防ぐため、低酸素分圧雰囲気で結晶
成長が行われることが多い。低酸素分圧雰囲気での育成
では、融液表面における還元に伴う表面張力の変化に起
因する表面張力流が誘起される。この表面張力の組成依
存性に起因する表面張力流は、表面張力の温度依存性に
起因する表面張力流に比較して極めて高く、その結果、
融液の自然対流と同方向の流れが著しく促進される。こ
のため、低酸素分圧雰囲気でチタンを含む酸化アルミニ
ウム単結晶を育成すると、成長界面は融液側に大きく凸
となる。これは、酸化物融液が大きなプラントル係数を
有するため、その温度場が融液対流の影響を受けること
による。
【0006】結晶成長が進行して融液高さが低下する
と、成長界面の先端とるつぼ底面とが接触し、それ以上
結晶成長を継続することが不可能となる。このため、成
長界面の先端とるつぼ底面とが接触する前に、結晶を融
液から切り離して冷却しなければならないが、るつぼに
多量の原料融液を残したまま冷却すると、るつぼ材料と
残留して固化した酸化アルミニウムとの熱膨張係数の差
により、るつぼが変形したり、るつぼに亀裂が生じたり
する。それ故、チタンを含む酸化アルミニウム単結晶を
従来の回転引上法で製造するときには、るつぼの寿命が
短いという問題があった。
【0007】そこで、本発明は、上記の問題点を解消
し、回転引上法でチタンを含む酸化アルミニウム単結晶
を製造するときに、成長を終了した後のるつぼのダメー
ジを低減することを可能にした前記単結晶の製造方法を
提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、回転引上
法でチタンを含む酸化アルミニウム単結晶を製造すると
きに、成長を終了した後のるつぼのダメージを低減する
ために、鋭意研究を重ねた結果、チタンを含む酸化アル
ミニウム単結晶を所定の長さまで成長させた後に、自然
対流を相対的に弱め、固化率を高めて残留する原料融液
を低減させることにより、冷却中のるつぼへのダメージ
を軽減し、るつぼの寿命が大幅に伸びることを見出し
た。即ち、本発明の構成は、以下のとおりである。
【0009】(1) 原料融液から成長結晶を引き上げる、
チタンを含む酸化アルミニウム単結晶の製造方法におい
て、所定長さの前記単結晶を引き上げた後、前記原料融
液の自然対流を相対的に抑制しながら結晶成長を継続
し、次いで、前記成長結晶を原料融液から分離して引き
上げることを特徴とするチタンを含む酸化アルミニウム
単結晶の製造方法。
【0010】(2) 前記チタンの含有量を0.01〜0.
5重量%、好ましくは0.025〜0.3重量%の範囲
に調整することを特徴とする上記(1) 記載のチタンを含
む酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
【0011】(3) 前記結晶成長において、酸素分圧を1
-2〜10-7気圧の範囲に調整することを特徴とする上
記(1) 又は(2) 記載のチタンを含む酸化アルミニウム単
結晶の製造方法。
【0012】(4) 前記結晶成長において、るつぼ内の原
料融液の残存量が40%以下、好ましくは20〜30%
の範囲になり、固化率が60%以上、好ましくは70〜
80%の範囲になったときに、前記成長結晶を原料融液
から分離することを特徴とする上記(1) 〜(3) のいずれ
か1つに記載のチタンを含む酸化アルミニウム単結晶の
製造方法。
【0013】(5) 前記の自然対流の抑制方法として、成
長結晶の回転数を上昇させることを特徴とする上記(1)
〜(4) のいずれか1つに記載チタンを含む酸化アルミニ
ウム単結晶の製造方法。
【0014】(6) 前記結晶成長において、所定長さの前
記単結晶を引き上げた後、成長結晶の回転数を20回転
/分、好ましくは30〜120回転数/分の範囲に上昇
させることを特徴とする上記(5) 記載チタンを含む酸化
アルミニウム単結晶の製造方法。
【0015】(7) 前記の自然対流の抑制方法として、成
長結晶の固液界面近傍の温度勾配を小さくすることを特
徴とする上記(1) 〜(4) のいずれか1つに記載チタンを
含む酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
【0016】(8) 前記結晶成長において、所定長さの前
記単結晶を引き上げた後、成長結晶の固液界面近傍の温
度勾配を小さくすることを特徴とする上記(7) 記載チタ
ンを含む酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
【0017】(9) 上記(1) 〜(8) のいずれか1つの方法
で、チタンを含む酸化アルミニウムからなるレーザー用
単結晶の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】ところで、レーザー結晶として用
いるための酸化アルミニウム単結晶中のチタン含有量は
0.01〜0.5重量%、好ましくは0.025〜0.
3重量%の範囲に調整することが必要である。チタンは
レーザーの発光媒体として添加されるものであり、チタ
ン濃度が0.01重量%未満では活性元素として十分な
効果を発揮することができず、また、0.5%を超えて
チタンを含有させることは結晶の育成そのものを困難に
し、かつ、結晶中のチタンの偏析や結晶中の残留吸収の
増加などを来し、結晶の質の低下を招くことになる。
【0019】一方、レーザー結晶として優れた特性を有
するチタンを含む酸化アルミニウム単結晶を得るために
は、雰囲気ガス中の酸素分圧を極めて低く抑える必要が
ある。具体的には、酸素分圧を10-2〜10-7気圧の範
囲に調整し、結晶中のチタンを3価イオンであるTi3+
にする必要がある。10-2気圧を超えると、Ti3+が存
在しにくくなり、また、10-7気圧未満では、単結晶の
酸化物が分解するおそれがあり、優れた性質の固体レー
ザー材料を効率的に製造することができなくなる。
【0020】このように、レーザー結晶に適したチタン
を含む酸化アルミニウム単結晶を得るためには、低酸素
分圧雰囲気での育成が不可欠であるが、前記の理由から
融液の対流が促進され、成長界面は融液側に凸となる。
他方、冷却中のるつぼへのダメージを軽減するために
は、前記成長結晶を原料融液から分離するときの成長界
面の凸度を小さくして固化率を高め、残留する原料融液
を少なくすることが必要である。
【0021】これら2つの要求は基本的には相容れない
ものである。このため、所定の条件で結晶を成長した
後、引き続いて界面の凸度が小さくなる条件で結晶成長
を継続し、固化率を高めることが有効である。ただし、
界面の凸度が小さくなる条件は、それまでに成長した高
品質の結晶特性を低下させるものであってはならない。
そこで、本発明では、自然対流を相対的に弱める手段と
して、成長結晶の回転数を20回転/分、好ましくは3
0〜120回転数/分の範囲に上昇させるか、成長結晶
の固液界面近傍の温度勾配を小さくすることにした。
【0022】本発明に係るチタンを含む酸化アルミニウ
ム単結晶の製造方法の手順を図1で説明する。図1の
(1) は、るつぼに原料を投入して高周波出力を6時間保
持して原料を溶融した状態を示し、(2) は種結晶を前記
融液に浸して単結晶を引き上げ、96時間かけて直胴部
を形成したときの状態を示し、(3) は自然対流を相対的
に弱めてさらに24時間結晶成長を継続し、固化率が6
0%以上に達した時点で(4) のように成長結晶を切り離
して徐冷する。
【0023】
【実施例】
〔実施例1〕回転引上法でTi含有酸化アルミウム単結
晶を成長させた。出発原料として、Al2 3 粉末24
3.6g及びTiO2 粉末2.4gを混合し、成型し、
焼成した後、直径50mm、高さ50mmのイリジウム
るつぼに充填した。るつぼの上方には、温度勾配を制御
するためにメガホン型のイリジウム製アフターヒータを
配置し、上記のるつぼ周囲には、酸化ジルコニウム製の
耐火物で覆って断熱し保温した。これらのホットゾーン
は真空排気可能なステンレス製チャンバーで囲まれてい
る。
【0024】結晶成長は、チャンバー内を1×10-3
orrまで真空排気した後、雰囲気ガスとして窒素に
0.5体積%の水素を混合したガスを流した。次いで、
るつぼ周囲の高周波誘導コイルに高周波電力を徐々に印
加してるつぼを加熱した。約6kWの高周波電力で上記
原料は完全に溶融した。融液の均一化を図るため、前記
高周波出力を6時間保持した。その間、融液表面には、
融液対流を反映していると考えられる、いわゆるスポー
クパターンが明瞭に観察された。
【0025】種結晶には、a軸方向に切り出した酸化ア
ルミニウム単結晶を用い、シードホルダを介して引上軸
に固定した。この種結晶を毎分5回転の速度で回転させ
ながら徐々に降下させ、種結晶の先端を融液に接触させ
て約30分間そのまま保持して十分になじませた後、引
上速度を毎時0.6mmの速度で上昇させ、結晶成長を
開始した。開始直後は、融液温度を高めにして成長結晶
の直径を細める、いわゆるネッキング操作を行った後、
徐々に融液温度を下げて成長結晶の肩部を形成し、次い
で直胴部を形成した。直胴部の直径は、ロードセルを用
いた重量法で直径が20mmになるように制御した。こ
の状態で96時間かけて直胴部を形成した後、引上速度
を毎時1.0mmまで上昇させ、かつ、結晶回転数を徐
々に上げて毎分60回転まで高めるとともに、高周波誘
導コイルを毎時0.2mmの速度で上昇させ、成長方向
の温度勾配を緩めながら、さらに、48時間結晶成長を
行い、その後、結晶を切り離して徐冷した。
【0026】得られた結晶は、充填した原料の約75%
であり、チタンサファイア特有のピンク色を呈し、気泡
や割れなどの巨視的な欠陥は認められなかった。結晶の
終端部の凸部の高さ(直胴部の下端から先端までの高
さ)は約3mmであった。そして、冷却後のイリジウム
るつぼは、変形や割れが全く認められなかった。
【0027】〔比較例1〕比較のために、自然対流の寄
与を弱めずに、その他の条件は実施例1と同様にして結
晶成長を行った。直胴部を96時間で形成した後もその
まま成長を続行し、約100時間成長を行った時点で、
成長中の結晶の先端がるつぼの底面と接触し、ロードセ
ル出力に乱れが生じたため、結晶を切り離して徐冷し
た。
【0028】得られた結晶は、チタンサファイア特有の
ピンク色を呈し、気泡や割れなどの巨視的な欠陥は認め
られなかったが、直胴部の長さは約40mm短く、固化
率は約40%であった。結晶の終端部の凸部の高さは約
20mmであった。そして、冷却後のイリジウムるつぼ
は、底面及び側面に目視観察で十分に確認できる膨らみ
が認められた。
【0029】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、次のような効果を得ることができる。 結晶成長の後半に自然対流の寄与を弱め、固液界面の
凸度を小さくする過程を設けることにより、固化率を大
きくすることができ、その結果、残留原料が少なくなる
ため、るつぼの変形を小さくなり、るつぼの寿命を長く
できるようになった。 固液界面の凸度を小さくすることにより、それまでに
成長した結晶の特性を低下が防止させることなく、高品
質のチタン含有酸化アルミニウム単結晶を得ることがで
きるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を説明するための図である。
【図2】従来の回転引上装置の概念図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】(5) 前記の自然対流の抑制方法として、成
長結晶の回転数を上昇させることを特徴とする上記(1)
〜(4) のいずれか1つに記載チタンを含む酸化アルミ
ニウム単結晶の製造方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】(6) 前記結晶成長において、所定長さの前
記単結晶を引き上げた後、成長結晶の回転数を20回転
/分以上、好ましくは30〜120回転数/分の範囲に
上昇させることを特徴とする上記(5) 記載チタンを含
む酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】(7) 前記の自然対流の抑制方法として、成
長結晶の固液界面近傍の温度勾配を小さくすることを特
徴とする上記(1) 〜(4) のいずれか1つに記載チタン
を含む酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】(8) 前記結晶成長において、所定長さの前
記単結晶を引き上げた後、成長結晶の固液界面近傍の温
度勾配を小さくすることを特徴とする上記(7) 記載
タンを含む酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】(9) 上記(1) 〜(8) のいずれか1つの方法
で、チタンを含む酸化アルミニウムからなるレーザー用
単結晶製造する方法。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【実施例】 〔実施例1〕回転引上法でTi含有酸化アルミウム単結
晶を成長させた。出発原料として、Al2 3 粉末24
3.6g及びTiO2 粉末2.4gを混合し、成型し、
焼成した後、直径50mm、高さ50mmのイリジウム
るつぼに充填した。るつぼの上方には、温度勾配を制御
するためにメガホン型のイリジウム製アフターヒータを
配置し、上記のるつぼ周囲は、酸化ジルコニウム製の耐
火物で覆って断熱し保温した。これらのホットゾーンは
真空排気可能なステンレス製チャンバーで囲まれてい
る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】結晶成長は以下の手順で行った。はじめ
、チャンバー内を1×10-3Torrまで真空排気し
た後、雰囲気ガスとして窒素に0.5体積%の水素を混
合したガスを流した。次いで、るつぼ周囲の高周波誘導
コイルに高周波電力を徐々に印加してるつぼを加熱し
た。約6kWの高周波電力で上記原料は完全に溶融し
た。融液の均一化を図るため、前記高周波出力を6時間
保持した。その間、融液表面には、融液対流を反映して
いると考えられる、いわゆるスポークパターンが明瞭に
観察された。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】種結晶には、a軸方向に切り出した酸化ア
ルミニウム単結晶を用い、シードホルダを介して引上軸
に固定した。この種結晶を毎分5回転の速度で回転させ
ながら徐々に降下させ、種結晶の先端を融液に接触させ
て約30分間そのまま保持して十分になじませた後、引
上速度毎時0.6mmで上昇させ、結晶成長を開始し
た。開始直後は、融液温度を高めにして成長結晶の直径
を細める、いわゆるネッキング操作を行った後、徐々に
融液温度を下げて成長結晶の肩部を形成し、次いで直胴
部を形成した。直胴部の直径は、ロードセルを用いた重
量法で直径が20mmになるように制御した。この状態
で96時間かけて直胴部を形成した後、引上速度を毎時
1.0mmまで上昇させ、かつ、結晶回転数を徐々に上
げて毎分60回転まで高めるとともに、高周波誘導コイ
ルを毎時0.2mmの速度で上昇させ、成長方向の温度
勾配を緩めながら、さらに、48時間結晶成長を行い、
その後、結晶を切り離して徐冷した。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、次のような効果を得ることができる。 結晶成長の後半に自然対流の寄与を弱め、固液界面の
凸度を小さくする過程を設けることにより、固化率を大
きくすることができ、その結果、残留原料が少なくなる
ため、るつぼの変形小さくなり、るつぼの寿命を長く
できるようになった。 固液界面の凸度を小さくすることにより、それまでに
成長した結晶の特性を低下させることなく、高品質のチ
タン含有酸化アルミニウム単結晶を得ることができるよ
うになった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料融液から成長結晶を引き上げる、チ
    タンを含む酸化アルミニウム単結晶の製造方法におい
    て、所定長さの前記単結晶を引き上げた後、前記原料融
    液の自然対流を相対的に抑制しながら結晶成長を継続
    し、次いで、前記成長結晶を原料融液から分離して引き
    上げることを特徴とするチタンを含む酸化アルミニウム
    単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記の自然対流の抑制方法として、成長
    結晶の回転数を上昇させることを特徴とする請求項1記
    載チタンを含む酸化アルミニウム単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記の自然対流の抑制方法として、成長
    結晶の固液界面近傍の温度勾配を小さくすることを特徴
    とする請求項1記載チタンを含む酸化アルミニウム単結
    晶の製造方法。
JP9693896A 1996-04-18 1996-04-18 チタンを含む酸化アルミニウム単結晶の製造方法 Withdrawn JPH09278592A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006151745A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Kyocera Corp 単結晶の製造方法及びそれらを用いた酸化物単結晶
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