JPH09278031A - 内袋を有する段ボール箱およびその製造方法 - Google Patents

内袋を有する段ボール箱およびその製造方法

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JPH09278031A
JPH09278031A JP11117896A JP11117896A JPH09278031A JP H09278031 A JPH09278031 A JP H09278031A JP 11117896 A JP11117896 A JP 11117896A JP 11117896 A JP11117896 A JP 11117896A JP H09278031 A JPH09278031 A JP H09278031A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平封筒状の内袋を用い、かつ外箱に不要な折
線を入れることなく段ボール箱を製造できるようにす
る。また、内袋の底部を折りたたみ易くする。 【解決手段】 4つの側面部7,8,9,10、糊代1
2、4つの天部フラップ17,18,19,20、およ
び4つの底部フラップ25,26,27,28により外
箱2を構成する。平封筒状をなす内袋3の底部を、底角
が45度の二等辺三角形にする。この内袋3を、側面部
9,10上に乗せて接着剤29で接着する。次いで、糊
代12を内袋3側に折返し、接着剤29で内袋3に接着
する。最後に、側面部7,8を内袋3側に折返し、接着
剤29で内袋3および糊代12に接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外箱と一体構造の
内袋を有する段ボール箱およびその製造方法に係り、特
に平封筒状の内袋を用いることができる内袋を有する段
ボール箱およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、段ボール箱内に液状あるいは粒
粉状をなす収容物を収容する場合には、これらの収容物
が段ボール箱の上下のフラップ部から漏れるおそれがあ
るため、段ボール箱内に内袋を配置し、収容物をこの内
袋内に収容するようにしているのが通例である。
【0003】ところで、内袋が段ボール箱と別体構造と
なっている場合には、取扱いが容易でないため、両者を
一体構造とする必要がある。そこで従来は、まず展開状
態の段ボール箱の内面に展開状態の内袋を接着固定し、
次いで展開状態の段ボール箱を折線にそって折曲げると
ともに、内袋の端部を熱溶着等の方法によりシールして
内袋を構成し、最後に段ボール箱の端部を連結して段ボ
ール箱を構成する方法を採っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の段ボール箱
の製造方法においては、段ボール箱を組立てる際に内袋
も製造されることになるため、内袋の内部が汚れたりゴ
ミが入るおそれがあり、また平封筒状をなす内袋を、段
ボール箱を組立てる際に製造しなければならないため、
製造工程上どうしても段ボール箱に不要な折線を入れざ
るを得ず、ためにこの折線により製品となった段ボール
箱の壁面強度が低下するという問題がある。また、内袋
と段ボール箱とが一部一体に組合わされることになるた
め、使用後内袋と段ボール箱とを分離してリサイクルを
図ろうとしても、分離作業が容易でないという問題もあ
る。
【0005】本発明は、かかる現況に鑑みなされたもの
で、内袋の内部が汚れたりゴミ等が入るおそれがなく、
また平封筒状の内袋を用いても外箱に不要な折線を入れ
る必要がなく、リサイクルも容易な内袋を有する段ボー
ル箱およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】本発明の他の目的は、段ボール箱を組立て
る際に、内袋の底部の折りたたみを容易なものとするこ
とができるようにすることにある。
【0007】本発明の他の目的は、特に外箱の各側面部
の横幅が同一寸法の正方形の段ボール箱に適用した際
に、組立作業を極めて容易なものとすることができるよ
うにすることにある。
【0008】本発明の他の目的は、より少ない材料で内
袋を製造することができるようにすることにある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、外箱の底面形
状が長方形をなす段ボール箱に適用した際に、内袋の底
部の折りたたみ作業を極めて容易なものとすることがで
きるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は、折線を介し順次連結された第1側面部,第2
側面部,第3側面部および第4側面部と、第4側面部に
折線を介し連結された糊代と、前記各側面部の上下端部
に折線を介しそれぞれ連結された天部フラップおよび底
部フラップとを有する段ボール製の外箱と;第1側面部
と第2側面部とを合わせた長さとほぼ同一の横幅を有す
る平封筒状に形成され、少なくとも前記各側面部の一部
に接着固定される内袋と;を設け、前記内袋の各側面部
から下方に突出する部分を、底角が45度以上の三角形
状とするようにしたことを特徴とする。そしてこれによ
り、外箱に不要な折線を一切入れることなく、平封筒状
の内袋を用いて段ボール箱を構成することが可能とな
る。
【0011】本発明はまた、内袋の各側面部から下方に
突出する部分を、底角が45度の二等辺三角形状とする
ようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、内袋
の底部に弛みを生じさせることなく折りたたむことが可
能となり、また外箱の底面形状が正方形の場合には、折
りたたんだ内袋の先端が外箱底面の外形内に収まるの
で、段ボール箱の組立作業が容易である。なお、外箱の
底面形状が長方形の場合には、折りたたんだ内袋の先端
が、一部外箱の外形から突出することになるので、この
突出部分を、外箱底面側に再度折り返す必要がある。
【0012】本発明はまた、折線を介し順次連結された
第1側面部,第2側面部,第3側面部および第4側面部
と、第4側面部に折線を介し連結された糊代と、前記各
側面部の上下端部に折線を介しそれぞれ連結された天部
フラップおよび底部フラップとを有する段ボール製の外
箱と;第1側面部と第2側面部とを合わせた長さとほぼ
同一の横幅を有する平封筒状に形成され、少なくとも前
記各側面部の一部に接着固定される内袋と;を設け、前
記内袋の各側面部から下方に突出する部分を、下底と斜
辺とのなす角度が45度以上で、かつ高さが第1側面部
の横幅と第2側面部の横幅とを乗じて2で割った値の平
方根以上の値の台形状となるようにしたことを特徴とす
る。そしてこれにより、より少ない材料で内袋を製造す
ることが可能となる。
【0013】本発明はまた、内袋の各側面部から下方に
突出する部分を、下底と斜辺とのなす角度がともに45
度で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅
とを乗じて2で割った値の平方根である台形状となるよ
うにしたことを特徴とする。そしてこれにより、内袋の
底部に弛みを生じさせることなく折りたたむことが可能
となり、しかも外箱の底面形状が長方形の場合にも、折
りたたんだ内袋の先端が、外箱の外形から外方に突出す
ることがない。
【0014】本発明はまた、折線を介し順次連結された
第1側面部,第2側面部,第3側面部および第4側面部
と、第4側面部に折線を介し連結された糊代と、前記各
側面部の上下端部に折線を介しそれぞれ連結された天部
フラップおよび底部フラップとを有する段ボール製の外
箱と;第1側面部と第2側面部とを合わせた長さとほぼ
同一の横幅を有する平封筒状に形成され、少なくとも前
記各側面部の一部に接着固定される内袋と;を設け、前
記内袋を、第3側面部および第4側面部上に接着固定す
るとともに、糊代を内袋上に接着固定し、次いで第1側
面部および第2側面部を内袋側に折返して内袋および糊
代に接着固定するようにしたことを特徴とする。そして
これにより、予め平封筒状に製造されている内袋を用い
て段ボール箱を製造することが可能となり、内袋内部が
汚れたりゴミ等が入るおそれがない。また、平封筒状の
内袋を用いても、外箱に不要な折線を入れる必要がない
ので、外箱の壁面強度が低下するといった不具合がな
い。また、内袋は外箱の最内部に位置していて、内袋の
一部が例えば糊代と第1側面部との間に折り込まれると
いったことがないので、使用後両者を容易に分離するこ
とができ、リサイクルが容易となる。
【0015】本発明はまた、折線を介し順次連結された
第1側面部,第2側面部,第3側面部および第4側面部
と、第4側面部に折線を介し連結された糊代と、前記各
側面部の上下端部に折線を介しそれぞれ連結された天部
フラップおよび底部フラップとを有する段ボール製の外
箱と;第1側面部と第2側面部とを合わせた長さとほぼ
同一の横幅を有する平封筒状に形成され、少なくとも前
記各側面部の一部に接着固定される内袋と;を備え、前
記内袋を、第2側面部および第3側面部上に接着固定す
るとともに、第4側面部および糊代を内袋側に折返して
内袋に接着固定し、次いで第1側面部を内袋側に折返し
て内袋および糊代に接着固定するようにしたことを特徴
とする。そしてこの場合にも、内袋内部が汚れたりゴミ
等が入るおそれがなく、また外箱の壁面強度が低下する
といった不具合がない。またリサイクルも容易である。
【0016】本発明はまた、内袋の各側面部から下方に
突出する部分を、底角が45度以上の三角形状となるよ
うにしたことを特徴とする。そしてこれにより、段ボー
ル箱を組立てる際に、内袋の底部を容易に折りたたむこ
とが可能となる。
【0017】本発明はさらに、内袋の各側面部から下方
に突出する部分を、下底と斜辺とのなす角度が45度以
上で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅
とを乗じて2で割った値の平方根以上の値の台形状とな
るようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、よ
り少ない材料で内袋を製造することが可能となり、また
外箱の底面形状が長方形の場合であっても、折りたたん
だ内袋の先端が外箱外形から突出するのを防止あるいは
可及的少なくすることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して説
明する。図1および図2は、本発明の第1の実施の形態
に係る内袋を有する段ボール箱を示すもので、この段ボ
ール箱1は、方形容器状に組立てられる段ボール製の外
箱2と、この外箱2内に接着固定された平封筒状の内袋
3とから構成されており、収容物は内袋3内に収容され
るようになっている。
【0019】前記外箱2は、図3に示すように折線4,
5,6を介し順次連結された第1側面部7,第2側面部
8,第3側面部9および第4側面部10と、第4側面部
10に折線11を介し連結された糊代12と、前記各側
面部7,8,9,10の上端部に折線13,14,1
5,16を介しそれぞれ連結された天部フラップ17,
18,19,20と、前記各側面部7,8,9,10の
下端部に折線21,22,23,24を介しそれぞれ連
結された底部フラップ25,26,27,28とから構
成されており、前記各側面部7,8,9,10により外
箱2の周壁が構成されるとともに、前記各天部フラップ
17,18,19,20により外箱2の上蓋が構成さ
れ、また前記各底部フラップ25,26,27,28に
より外箱2の底蓋が構成されるようになっている。そし
てこの外箱2は、底面形状が正方形をなすようになって
いる。
【0020】一方、前記内袋3は、図4に示すように、
例えば内面に熱可塑性プラスチックフィルムをラミネー
トした紙製シート材を二つ折りに折曲げ、その側縁およ
び下縁を熱溶着して平封筒状に形成されており、その横
幅W0 は、前記第1側面部7の横幅W1 と第2側面部8
の横幅W2 とを合計した値(すなわち第3側面部9の横
幅W3 と第4側面部10の横幅W4 とを合計した値)と
ほぼ同一に設定されている。また、内袋3の前記各側面
部7,8,9,10から下方に突出する部分は、底角θ
1 ,θ2 がともに45度をなす二等辺三角形に形成され
ており、これにより、内袋3の底部を折りたたんで段ボ
ール箱1の底を形成する際に、内袋3の底部に弛みを生
じさせることなく折りたたむことができるとともに、折
りたたんだ先端部が外箱2の外形から外側に突出しない
ようにすることができるようになっている。なお、これ
については後に詳述する。
【0021】このように構成された内袋3は、図5に網
目を施した箇所に接着剤29を塗布して外箱2を製造す
ることにより、外箱2に接着固定されるようになってい
る。
【0022】次に、本実施の形態に係る段ボール箱1の
製造方法について説明する。製造に際しては、図5に示
すように、まず予め定められた形状にカットされた外箱
2を、その内面が上面側にくるようにして配置し、この
状態で、第3側面部9の周縁部,第4側面部10の周縁
部,天部フラップ19の全域,および天部フラップ20
の下端部に接着剤29を塗布する。そして、その上に内
袋3を載置して、内袋3と両側面部9,10および両天
部フラップ19,20とを接着固定する。
【0023】次いで、糊代12の全域に接着剤29を塗
布するとともに、折線11を介して折曲げ、内袋3の上
面に糊代12を接着固定する。
【0024】次いで、第1側面部7の周縁部,第2側面
部8の周縁部,天部フラップ17の全域,および天部フ
ラップ18の全域に接着剤29を塗布する。そして、両
側面部7,8を折線5を介し内袋3の上面側に二つ折り
に折り返し、両側面部7,8および両天部フラップ1
7,18を、内袋3および糊代12の上面に接着固定す
る。
【0025】以上の作業により、段ボール箱1の製造が
完了するので、その後各折線4,5,6を介して4枚の
側面部7,8,9,10を角筒状に折曲げるとともに、
内袋3の底部を折りたたみ、その後各底部フラップ2
5,26,.27,28を、各折線21,22,23,
24を介し内側に折曲げ、ガムテープ等で固定して段ボ
ール箱1の底蓋を完成させる。
【0026】次いで、内袋3内にその上端開口部から収
容物を投入し、その後天部フラップ17,19を各折線
13,15を介し内側に折曲げるとともに、天部フラッ
プ18,20を折線14,16を介し内側に折曲げる。
すると、内袋3の上端開口部は、閉じられた状態で両天
部フラップ18,20の先端間から立上げられることに
なる。そこで、内袋3の前記立上げられた部分を、最適
な位置で熱溶着等によりシールするとともに、必要に応
じシール位置から上方の余分な部分をカットする。そし
てその後、内側に折曲げていた天部フラップ20を立上
げるとともに、内袋3の上端部分を天部フラップ20の
下側に折込み、再び天部フラップ20を内側に折曲げ
る。そして最後に、ガムテープ等で固定して段ボール箱
1の上蓋を完成させる。
【0027】ところで、4枚の側面部7,8,9,10
を角筒状に折曲げると、図6に示すように、内袋3下端
の三角形の部分は、三角形の両斜辺を平らにする方向に
広げられ、その先端が三角形に立上げられることにな
る。
【0028】ここで、各底角θ1 ,θ2 はともに45度
であるので、三角形の両斜辺を平らにする方向に広げら
れた際に、平らに広げられた部分に弛みを生じさせるこ
とがなく、またその先端の三角形に立上げられた部分
を、両側面部8,9のコーナ側に折りたたむと、外箱2
底部の外形から外側に突出することなく外箱2の外形内
に収まることになる。これは、両側面部7,10のコー
ナ側に折りたたんでも同様である。
【0029】一方、内袋3の上端側は、各側面部7,
8,9,10のみでならず、各天部フラップ17,1
8,19,20にも接着固定されており、しかもこれら
各天部フラップ17,18,19,20は、内側に折曲
げるまでは、各側面部7,8,9,10と一体の平面を
なしている。このため、4枚の側面部7,8,9,10
を角筒状に折曲げると、内袋3の上端開口部も、これに
倣って角筒状に広げられることになる。このため、収容
物を容易に内袋3内に投入することができる。
【0030】しかして、予め平封筒状に製作されている
内袋3を用いることができるので、内袋3の内部が汚れ
たりゴミ等が入るおそれが全くない。また、内袋3が平
封筒状であるにも拘らず、外箱2に不要な折線を入れる
必要がないので、壁面強度が低下するといった不具合が
ない。また、内袋3の底部は、底角θ1 ,θ2 がともに
45度の二等辺三角形状をなしているので、弛みなく折
りたたむことができるとともに、折りたたんだ先端が外
箱2の外形から外側に突出することもなく、段ボール箱
1の組立作業が容易である。
【0031】なお、前記第1の実施の形態においては、
段ボール箱1の製造に際して、図5に示すように、内袋
3をまず第3側面部9および第4側面部10の上面に接
着固定する場合について説明したが、内袋3をまず第2
側面部8および第3側面部9の上面に接着固定し、次い
で第4側面部10および糊代12を、折線6を介し内袋
3側に折返して内袋3の上面に接着固定し、最後に第1
側面部7を、折線4を介し内袋3側に折返して内袋3お
よび糊代12の上面に接着固定するようにしてもよい。
そして、このような製造方法の場合にも、前記第1の実
施の形態における製造方法と同様の効果が期待できる。
【0032】また、前記第1の実施の形態においては、
内袋3の下端部が、底角θ1 ,θ2がともに45度の二
等辺三角形状をなす場合について説明したが、底角θ
1 ,θ2 が45度以上の三角形であれば、例えば底角θ
1 ,θ2 がともに60度の正三角形や、底角θ1 が45
度で底角θ2 が60度の三角形等でもよい。そしてこの
場合には、内袋3の底部を折りたたんだ際に、多少弛み
が生じたりあるいは折りたたんだ先端が外箱2の外形か
ら外側に突出したりすることはあるが、その他の点につ
いては、同様の効果が期待できる。
【0033】また、前記第1の実施の形態においては、
4枚の側面部7,8,9,10の横幅W1 ,W2 ,W
3 ,W4 がすべて同一寸法である場合,すなわち外箱2
の底面形状が正方形である場合について説明したが、横
幅W1 ,W3 とW24 とが異なる寸法である場合,す
なわち外箱2の底面形状が長方形である場合にも、同様
に適用することができる。
【0034】ただし、長方形の場合、内袋3の下端部
を、底角θ1 ,θ2 がともに45度の二等辺三角形状に
した場合であっても、図7に示すように、折りたたんだ
先端部が外箱2の外形から外側に突出してしまうことに
なる。このため、突出した部分を再度内側に折返す必要
がある。
【0035】図8および図9は、外箱2の底面形状が長
方形の場合でも、内袋3下端の折りたたんだ先端部が、
外箱2の外形から外側に突出することがないようにした
本発明の第2実施の形態を示すもので、内袋3の各側面
部7,8,9,10から下方に突出する部分を台形状に
形成するようにしたものである。
【0036】すなわち、内袋3の各側面部7,8,9,
10から下方に突出する部分は、図9に示すように下底
と斜辺とのなす角度θ3 ,θ4 がともに45度をなす台
形状に形成されており、その高さTは、第1側面部7の
横幅W1 と第2側面部8の横幅W2 とを乗じて2で割っ
た値の平方根と同一の値になるように設定されている。
【0037】次に、高さTを前述のように決定している
理由について説明する。いま、図10に示すように、長
辺の長さがA,短辺の長さがB,対角線の長さが2Cの
長方形状をなす外箱2を考えると、前記各長さA,B,
2Cの関係は、次式で与えられる。
【0038】
【数1】
【0039】一方、内袋3の各側面部7,8,9,10
から下方に突出する部分が所定寸法の台形状をなす場
合、すなわち、図11に示すように、下底と斜辺とのな
す角度θ3 ,θ4 がともに45度で高さがTの台形の場
合、各側面部7,8,9,10を角筒状に折曲げた際の
対角線の位置は、折線4と上底の中点とを結んだ線分位
置および折線6と上底の中点とを結んだ線分位置(図1
1では折線4側のみを図示)となる。
【0040】ここで、図11に示すように、上底の中点
から垂線を降ろして三角形Zを考えると、三角形Zの各
辺の長さは、図12に示すように、C,T,(A−B)
/2となる。そして、これら各長さC,T,(A−B)
/2の関係は、次式で与えられる。
【0041】
【数2】
【0042】そして、この数2に前記数1を代入する
と、高さTは次式で与えられる。
【0043】
【数3】
【0044】以上ことから、台形の高さTは、第1側面
部7の横幅W1 (すなわち長さB)と第2側面部8の横
幅W2 (すなわち長さA)とを乗じて2で割った値の平
方根と同一の値となる。
【0045】内袋3の各側面部7,8,9,10から下
方に突出する部分が、前述のように寸法設定された台形
状をなす場合、各側面部7,8,9,10を角筒状に折
曲げると、内袋3の台形部分は図13に示すように折り
たたまれ、折りたたまれた先端部が外箱2の外形から外
側に突出することがなくなる。
【0046】しかして、内袋3の底部の形状を、角度θ
3 ,θ4 がともに45度で、高さTが数3の右辺で与え
られる値となるような台形状としているので、弛みなく
折りたたむことができるとともに、折りたたんだ先端部
が外箱2の外形から外側に突出することもない。
【0047】なお、前記第2の実施の形態においては、
内袋3の下端部が、角度θ3 ,θ4がともに45度で高
さTが数3の右辺で与えられる値となる台形状をなす場
合について説明したが、角度θ3 ,θ4 が45度以上の
台形であれば、例えば角度θ3 ,θ4 がともに60度の
台形や、角度θ3 が45度で角度θ4 が60度の台形等
でもよい。また高さTも、数3の右辺で与えられる値以
上であればよい。ただし、これらの場合には、前記三角
形の場合と同様、多少弛み等が生じることになる。
【0048】また、前記第2の実施の形態においては、
外箱2の底面形状が長方形である場合について説明した
が、数3の関係は理論的には正方形の場合にも成立する
ので、外箱2の底面形状が正方形の場合にも同様に適用
することができる。そして、内袋3の底部を台形状にす
ることにより、三角形状の場合に比較して、より少ない
材料で内袋3を製造することができる。反面、内袋3底
部の折りたたみ方が多少複雑になるので、使用目的等に
合わせ三角形と台形とを適宜選択することになる。これ
は、外箱2の底面形状が長方形の場合も同様である。
【0049】また、前記各実施の形態においては、内袋
3の各側面部7,8,9,10から下方に突出する部分
が、三角形状あるいは台形状をなす場合について説明し
たが、これ以外の形状,例えば四角形状等であっても、
予め平封筒状に形成されている内袋3を用い、本発明に
係る製造方法によって段ボール箱1を製造することによ
り、所期の効果は期待できる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、内袋の各
側面部から下方に突出する部分を、底角が45度以上の
三角形状となるようにしているので、外箱に不要な折線
を一切入れることなく、平封筒状の内袋を用いて段ボー
ル箱を構成することができ、組立て時の内袋底部の折り
たたみも容易である。
【0051】本発明はまた、内袋の各側面部から下方に
突出する部分を、底角が45度の二等辺三角形状となる
ようにしているので、内袋の底部に弛みを生じさせるこ
となく折りたたむことができる。また、外箱の底面形状
が正方形の場合には、折りたたんだ内袋の先端が外箱底
面の外形内に収まるので、段ボール箱の組立作業が極め
て容易である。
【0052】本発明はまた、内袋の各側面部から下方に
突出する部分を、下底と斜辺とのなす角度が45度以上
で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅と
を乗じて2で割った値の平方根以上の値の台形状となる
ようにしているので、より少ない材料で内袋を製造する
ことができる。
【0053】本発明はまた、内袋の各側面部から下方に
突出する部分を、下底と斜辺とのなす角度がともに45
度で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅
とを乗じて2で割った値の平方根である台形状となるよ
うにしているので、内袋の底部に弛みを生じさせること
なく折りたたむことができるとともに、最少の材料で内
袋を製造することができ、しかも外箱の底面形状が長方
形の場合であっても、折りたたんだ内袋の先端が、外箱
底面の外形から外方に突出することがない。
【0054】本発明はまた、内袋を、第3側面部および
第4側面部上に接着固定するとともに、糊代を内袋上に
接着固定し、次いで第1側面部および第2側面部を内袋
側に折返して内袋および糊代に接着固定するようにして
いるので、予め平封筒筒状に製造されている内袋を用い
て段ボール箱を製造することができ、内袋内部が汚れた
りゴミ等が入るおそれが全くない。また、平封筒状の内
袋を用いても、外箱に不要な折線を入れる必要がないの
で、外箱の壁面強度が低下するといった不具合がない。
また、内袋は外箱の最内部に位置していて、内袋の一部
が例えば糊代と第1側面部との間に折り込まれるといっ
たことがないので、使用後に両者を容易に分離すること
ができ、リサイクルが容易である。
【0055】本発明はまた、内袋を、第2側面部および
第3側面部上に接着固定するとともに、第4側面部およ
び糊代を内袋側に折返して内袋に接着固定し、次いで第
1側面部を内袋側に折返して内袋および糊代に接着固定
するようにしているので、前記製造方法の場合と同様、
内袋内部が汚れたりゴミ等が入るおそれが全くなく、外
箱の壁面強度が低下するといった不具合もない。また、
内袋が外箱の最内部に位置しているので、両者を容易に
分離することができ、リサイクルが容易である。
【0056】本発明はまた、内袋の各側面部から下方に
突出する部分を、底角が45度以上の三角形状となるよ
うにしているので、段ボール箱を組立てる際に、内袋の
底部を容易に折りたたむことができる。
【0057】本発明はさらに、内袋の各側面部から下方
に突出する部分を、下底と斜辺とのなす角度が45度以
上で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅
とを乗じて2で割った値の平方根以上の値の台形状とな
るようにしているので、より少ない材料で内袋を製造す
ることができ、また外箱の底面形状が長方形の場合であ
っても、折りたたんだ内袋の先端が外箱の外形から外側
に突出するのを防止あるいは可及的少なくすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る内袋を有する
段ボール箱を示す断面図である。
【図2】図1と同様の外観構成図である。
【図3】外箱の展開図である。
【図4】内袋の構成図である。
【図5】外箱と内袋との接着固定方法を示す説明図であ
る。
【図6】外箱を角筒状に折曲げた際の内袋底部の折りた
たみ状態を示す斜視図である。
【図7】底面形状が長方形をなす外箱の場合に、内袋の
底部を三角形状にした際の内袋底部の折りたたみ状態を
示す説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示す図1相当図で
ある。
【図9】図8の内袋の構成を示す相当図である。
【図10】底面形状が長方形をなす外箱における長辺,
短辺および対角線の関係を示す説明図である。
【図11】内袋の底部を台形状にすることができる理由
を示す説明図である。
【図12】図11の台形の高さを決定する方法を示す説
明図である。
【図13】外箱を角筒状に折曲げた際の台形状をなす内
袋底部の折りたたみ状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 段ボール箱 2 外箱 3 内袋 4,5,6,11,13,14,15,16,21,2
2,23,24 折線 7 第1側面部 8 第2側面部 9 第3側面部 10 第4側面部 12 糊代 17,18,19,20 天部フラップ 25,26,27,28 底部フラップ 29 接着剤 W0 ,W1 ,W2 ,W3 ,W4 横幅 θ1 ,θ2 底角 θ3 ,θ4 角度 T 高さ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 内袋を有する段ボール箱およびその製
造方法

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 折線を介し順次連結された第1側面部,
    第2側面部,第3側面部および第4側面部と、第4側面
    部に折線を介し連結された糊代と、前記各側面部の上下
    端部に折線を介しそれぞれ連結された天部フラップおよ
    び底部フラップとを有する段ボール製の外箱と;第1側
    面部と第2側面部とを合わせた長さとほぼ同一の横幅を
    有する平封筒状に形成され、少なくとも前記各側面部の
    一部に接着固定される内袋と;を備え、前記内袋の各側
    面部から下方に突出する部分は、底角が45度以上の三
    角形状をなしていることを特徴とする内袋を有する段ボ
    ール箱。
  2. 【請求項2】 内袋の各側面部から下方に突出する部分
    は、底角が45度の二等辺三角形状をなしていることを
    特徴とする請求項1記載の内袋を有する段ボール箱。
  3. 【請求項3】 折線を介し順次連結された第1側面部,
    第2側面部,第3側面部および第4側面部と、第4側面
    部に折線を介し連結された糊代と、前記各側面部の上下
    端部に折線を介しそれぞれ連結された天部フラップおよ
    び底部フラップとを有する段ボール製の外箱と;第1側
    面部と第2側面部とを合わせた長さとほぼ同一の横幅を
    有する平封筒状に形成され、少なくとも前記各側面部の
    一部に接着固定される内袋と;を備え、前記内袋の各側
    面部から下方に突出する部分は、下底と斜辺とのなす角
    度が45度以上で、かつ高さが第1側面部の横幅と第2
    側面部の横幅とを乗じて2で割った値の平方根以上の値
    の台形状をなしていることを特徴とする内袋を有する段
    ボール箱。
  4. 【請求項4】 内袋の各側面部から下方に突出する部分
    は、下底と斜辺とのなす角度がともに45度で、かつ高
    さが第1側面部の横幅と第2側面部の横幅とを乗じて2
    で割った値の平方根である台形状をなしていることを特
    徴とする請求項3記載の内袋を有する段ボール箱。
  5. 【請求項5】 折線を介し順次連結された第1側面部,
    第2側面部,第3側面部および第4側面部と、第4側面
    部に折線を介し連結された糊代と、前記各側面部の上下
    端部に折線を介しそれぞれ連結された天部フラップおよ
    び底部フラップとを有する段ボール製の外箱と;第1側
    面部と第2側面部とを合わせた長さとほぼ同一の横幅を
    有する平封筒状に形成され、少なくとも前記各側面部の
    一部に接着固定される内袋と;を備え、前記内袋を、第
    3側面部および第4側面部上に接着固定するとともに、
    糊代を内袋上に接着固定し、次いで第1側面部および第
    2側面部を内袋側に折返して内袋および糊代に接着固定
    することを特徴とする内袋を有する段ボール箱の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 折線を介し順次連結された第1側面部,
    第2側面部,第3側面部および第4側面部と、第4側面
    部に折線を介し連結された糊代と、前記各側面部の上下
    端部に折線を介しそれぞれ連結された天部フラップおよ
    び底部フラップとを有する段ボール製の外箱と;第1側
    面部と第2側面部とを合わせた長さとほぼ同一の横幅を
    有する平封筒状に形成され、少なくとも前記各側面部の
    一部に接着固定される内袋と;を備え、前記内袋を、第
    2側面部および第3側面部上に接着固定するとともに、
    第4側面部および糊代を内袋側に折返して内袋に接着固
    定し、次いで第1側面部を内袋側に折返して内袋および
    糊代に接着固定することを特徴とする内袋を有する段ボ
    ール箱の製造方法。
  7. 【請求項7】 内袋の各側面部から下方に突出する部分
    は、底角が45度以上の三角形状をなしていることを特
    徴とする請求項5または6記載の内袋を有する段ボール
    箱の製造方法。
  8. 【請求項8】 内袋の各側面部から下方に突出する部分
    は、下底と斜辺とのなす角度が45度以上で、かつ高さ
    が第1側面部の横幅と第2側面部の横幅とを乗じて2で
    割った値の平方根以上の値の台形状なしていることを特
    徴とする請求項5または6記載の内袋を有する段ボール
    箱の製造方法。
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