JP2007276834A - 内袋付きの包装容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】内袋の底部が箱本体の折り開きに応じて均等に緊張してフラットに開くことになる内袋付きの包装容器を提供する。
【解決手段】A式の段ボール箱又はこれに類する箱であって左右両側壁に幅中央に沿って蓋フラップおよび底フラップにわたる山折りの外出中折れ線を形成し前後両面壁の二つ合わせの折り畳みが可能な箱本体と、箱本体の中に納まり両側から底壁にわたるW折り込みによるガゼット式の折り畳み可能な内袋とからなり、内袋折り畳みのガゼット式については、箱本体の前後両面壁および左右両側壁の4面にそれぞれ対応する各面状壁の下端に前記底壁を一体に構成する底片壁が連設され、左右面状壁には幅中央に沿って下端の底片壁にわたる谷折りないしW折りの内出中折れ線を形成してあって、内袋が箱本体の折り開きに付随して折り開きされ得るように、箱本体に対して少なくともその前後両面壁に接着されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、主として液体等の流動体や粉体等の輸送用として、段ボール又はそれに類する素材によって組み立てられる内袋付きの包装容器に関する。
段ボールによって組み立てられる包装容器は、軽量でありリサイクルにも適し、形式によっては偏平に折り畳むこともできる等の数々の利点を有するために、各種商品の輸送や保管に有効に用いられているが、そのままでは液体や粉体、粒体等の流動体の包装には適しないので、従来、この発明者等においては、一斗缶程度の立方体に組み立てられる段ボール箱で、流動体が洩れないよう充填できる内袋付きの包装容器を開発し提供してきた。
従来のこの種の内袋付きの包装容器は、箱本体が折畳み可能な形態として主にA式またはこれに類する組立て段ボール箱において、一対角線を中心にそのまま菱形方向への折畳みをするものと、左右両側壁の中央に上下フラップにわたり山折りの外出中折れ線を設けて前後両面壁が二つ合わせとなる折畳みとなるものと、大凡で二通りの形式があった。
内袋は、箱本体と共に折畳み折開きがなされるように、その構造および箱本体に対する接着がなされており、従来は、プラスチックフィルムチューブを素材とし下端がシールされた原形偏平な袋が使用され、さらに、箱の折畳みと折開きとに順応しやすく、その両側と底部、又は両側と底部とのいずれかがW折込みとなるガゼット式も多用されていた。
しかし、従来の内袋付きの包装容器によれば、素材がチューブであることから箱本体の胴部の開きに応じて開拡するが、底部がフラットに緊張して開くことはなく、ダブりのある無秩序な凹凸において不安定な開き方となる。内袋の底がこのように不安定であっても、箱本体の底壁によって支持されるけれども不都合な面があった。例えば、内容物が塗料やインク等のように、成分が溶剤に溶けている液体であると、包装時に成分の沈殿を予め防止するために、また、開封時には沈殿を散らしたり、さらに硬化剤等の異なる成分を混合するために、液体を攪拌する作業が行われることがあるが、この際には、従来の内袋付きの包装容器では、攪拌翼で発生する渦流に内袋の底部が吸引されて底上がりが生じ、攪拌翼にぶつかったり絡まったりして、作業に支障を来すという問題があった。
この発明は、上記のような実情に鑑みて、内袋の底部が箱本体の折り開きに応じて均等に緊張してフラットに開くことになる内袋付きの包装容器を提供することを課題とした。
上記の課題を解決するために、この発明は、A式の段ボール箱又はこれに類する箱であって左右両側壁に幅中央に沿って蓋フラップおよび底フラップにわたる山折りの外出中折れ線を形成し前後両面壁の二つ合わせの折り畳みが可能な箱本体と、箱本体の中に納まり両側から底壁にわたるW折り込みによるガゼット式の折り畳み可能な内袋とからなり、内袋折り畳みのガゼット式については、箱本体の前後両面壁および左右両側壁の4面にそれぞれ対応する各面状壁の下端に前記底壁を一体に構成する底片壁が連設され、左右面状壁には幅中央に沿って下端の底片壁にわたる谷折りないしW折りの内出中折れ線を形成してあって、内袋が箱本体の折り開きに付随して折り開きされ得るように、箱本体に対して少なくともその前後両面壁に接着されていることを特徴とする内袋付きの包装容器を提供する。
内袋付きの包装容器を上記のように構成したから、この折畳み状態は、箱本体が左右の外出中折れ線で外に張り出し、逆に、内袋が左右の内出中折れ線で内側に引き込んでおり、箱本体の前後両面壁と、内袋の前後面状壁とが、それぞれ二つ合わせとなっている。そこで、箱本体を折り開くと、箱本体の前後両面壁間の開拡とともに、内袋は前後面状壁の間で開拡してW折り込みが伸びるために、底壁がフラットとなる箱型に展開される。また、逆に箱本体を折り畳むと内袋ももとの状態に折り畳まれる。なお、内袋のこのような正逆間の変換は、その素材がアルミ箔のようにある程度の剛性を有すると、整然と具合良く箱本体の変形に順応して行われやすい。
以上説明したように、この発明の内袋付きの包装容器によれば、箱本体と共に内袋の折り開き折り畳みを容易になしうるだけでなく、折り開いたときに底壁がフラットに緊張するので、液体の内容物を攪拌するために攪拌翼を突っ込んで作業しても、内袋の底壁が底上げしてそれに突き当たる不都合がなくなり、また、残りなく内容物を取り出すのに適するという優れた効果がある。
加えて、請求項2によれば、内袋の底壁が箱本体の底部に接着しているので、さらに底上げ防止が確実となり、また、請求項3によれば、内袋の背丈を内容物の投入・排出に都合よく且つ上端口をシールしやすく上に高く形成しても、閉合せシールの上端部を具合良く仕舞うことができる。また、請求項4の如くにすると、手掛け孔に手を掛けることにより、箱本体の折り畳みや開蓋を容易になし得る。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1ないし図10は一実施の形態を示したもので、その内袋付きの包装容器Pは、A式の段ボールの箱本体1と、ガゼット式の内袋2とからなり、箱本体1の内側に内袋2を内装して接着により一体化されている。
箱本体1は、胴部が前後両面壁3,3と、左右両側壁5,5とが交互となる角筒形であるが、両面壁3,3の上端には外蓋フラップ7,7が、両側壁5,5の上端には内蓋フラップ8,8がそれぞれ連設され、また、両面壁3,3の下端に内底フラップ9,9が、両側壁5,5の下端には外底フラップ10,10がそれぞれ連設される。また、内底フラップ9,9と外底フラップ10,10が逆の場合もある。
折り畳みはフラップの開放状態で行われるが、前後両面壁3,3を対面状態で二つ合わせに折り畳み得るように(図2)、左右両側壁5,5には、上の内蓋フラップ8,8と下の外底フラップ10,10とにわたって山折りの外出中折れ線11,11が形成される。そして、上端の内蓋フラップ8,8は、その中折れ線11,11上の位置を頂点とする二等辺三角片に形成される。
また、この内蓋フラップ8,8には中折れ線11,11の位置において手掛け孔26,26が設けられる。これについては、箱本体1を折り畳むときにそれを左右に開くときや、開蓋のときに便利に利用できる。図10の13は糊代である。なお、糊代は一般的には内側に接着されるが、糊代を外側に出して接着することにより、内袋2に糊代が接触し摺れたりしないので、内袋2にピンホールが発生しなくなる利点がある。また、手掛け孔26は、左右両側壁の中折れ線位置に設けられても良い。
内袋2は、耐水・耐液性、耐圧性に優れた面状素材からなるもので、底壁12がフラットな箱型に組み立てられる。素材としては、アルミ箔の両面又は一面に樹脂ラミネートが施されたものが折り畳みに順応しやすいやゝ剛性を有することから使用に適し、また、液体内容物の完全な排出もしやすい。しかし、その他に、ポリエチレンのプラスチックシートないしフィルム、紙に樹脂ラミネートを施したもの、アルミ蒸着フィルムやナイロンとポリエチレン等を組み合せた共押し出しフィルム等が有効に使用され得るというように、内袋の素材を特に限定するものではない。いずれにしても、折り開いたときには、底壁12が偏平になるようにガゼット式袋として形成される。その一例は次の通りである。
内袋2は、前後一対の面状壁17,17と、左右一対の面状壁18,18とからなり、箱本体1の底面位置より上が蓋フラップ7,8よりもやゝ上に突き出る背丈において矩形に形成され、各下端には二等辺三角形の底片壁17a,17a,18a,18aが内向屈折線20を介して連設され、底片壁17a,17a,18a,18aが隣接相互に縁で溶着ないし接着されることによりフラットな底壁12が形成される。内袋2は、この実施形態ではこのように4素材(アルミ箔の両面に樹脂ラミネートした面状素材)の接着により構成したが、接着のための縁取り(縁糊代)は図示省略した。なお、前後の底片壁17a,17aについては台形に形成することもある。また、接着は、点又は線接着にすることで、素材どうしの分離が容易になる。
折畳みのガゼット式については、左右一対の面状壁18,18には、幅中央にW折り込み(谷折り)の内出中折れ線21,21が形成されているので、左右面状壁18,18だけが内出中折れ線21,21で二つ折りになることにより、前後面状壁17,17が二つ合わせとなる折り畳み形態となる(図2)。このように、両側面においては、箱本体1と内袋2とが相反するように内外に折れ出て折り畳みがなされるので、接着面は前後両面に限られることになる。
なお、内袋2は、二等辺三角形状の底片壁を有するものでなく、単に前後一対の面状壁と、幅中央にW折り込み(谷折り)をした内出し中折れ方式による左右一対の面状壁との、底縁どうしを溶着ないし接着してなるガゼット方式の内袋であっても良い。また、面状壁18,18におけるW折り込み(谷折り)の深さは、特定されるものではない。
図10では、箱本体1について内袋2を接着する面を交差ハッチングで示した。これで見るように、当該実施形態では、前後両面壁3,3と一方の外蓋フラップ7ではほゞ全面であるが、他方の外蓋フラップ7では上端部を除く面とし、上端部を未接着部22とした。
箱本体1に内袋2を一体化した状態において折り畳んであるときは(図2に二点鎖線を参照)、内袋2の下端部が二等辺三角形に偏平となって(同図実線参照)内底フラップ9,9の間に挟まれているが、箱本体1を折り開くと内袋2は底壁12がフラットな箱型となる(図1参照、図5,図8)。しかも、内底フラップ9,9が前後面状壁17,17の底片壁17a,17aに接着されているので、内底フラップ9,9も同時に閉じることになるので、続いて外底フラップ10,10を閉じることにより、これで箱本体1の底を簡単に閉じ得る。
次に、内容物を注入した後、内蓋フラップ8,8を折り込み、次いで外蓋フラップ7,7を折り込んだ状態で、内袋2の上端をシールし(図4)、それから蓋を閉じるには、まず、二等辺三角形に形成されている左右の内蓋フラップ8,8を先行して内側へ折り込むと(図5)、内袋2の上端部では、内出中折れ線21,21でガゼット式のW折り込みとなっているので、その中へそのフラップ8,8が伏せ込まれるから、次いでその上に両外蓋フラップ7,7を閉じるが(図6)、内袋2の閉合せシール部24を未接着部20の下にそこを収納部25として納めることにより、閉合せシール部24が外へはみ出ないように体裁良く仕舞うことができる(図7)。なお、底部および蓋部は粘着テープ等で止められるが図示を省略する。
図11および図12は他の実施形態を示したもので、この場合は、箱本体1および内袋2は、前記実施形態のものと同様であるが、箱本体1に対する内袋2の接着箇所は、箱本体1について前後両面壁3,3だけとした。しかし、折り畳んだ状態から箱本体1を開くと、内袋2の折り開きで底壁12がフラットに緊張して開くことになることは同様である。なお、接着方法は、全面接着の他に、外箱と内袋を点接着や、線接着とすることで、使用後の両者の分離が容易となり、好都合である。
この発明に係る内袋付きの包装容器の箱本体と内袋とを分離し共に折り開いた状態で示す斜視図である。 同内袋付きの包装容器の箱本体と内袋とを分離し共に折り畳み状態で示す斜視図である。 同内袋付きの包装容器を内容物を充填できる蓋開放状態で示す斜視図である。 同内袋付きの包装容器を蓋閉じ初段階の状態で示す斜視図である。 同内袋付きの包装容器を蓋閉じ次段階の状態で示す斜視図である。 同内袋付きの包装容器を蓋閉じ最終段階の状態で示す斜視図である。 同内袋付きの包装容器を蓋閉じの梱包状態で示す斜視図である。 図3のA−A線矢視の拡大断面図である。 図7のB−B線矢視の拡大断面図である。 同内袋付きの包装容器の箱本体を展開するとともに、内袋の接着箇所を交差ハッチングで示す平面図である。 他の実施形態を示す図3に対応する斜視図である。 同実施形態を示す図8に対応する平面図である。
符号の説明
1 箱本体
2 内袋
3 前後両面壁
5 左右両側壁
7,8 蓋フラップ
9,10 底フラップ
11 外出中折れ線
12 底壁
17,18 面状壁
17a,18a 底片壁
22 未接着部
21 内出中折れ線
24 閉合せシール部
25 収納部
26 手掛け孔

Claims (4)

  1. A式の段ボール箱又はこれに類する箱であって左右両側壁に幅中央に沿って蓋フラップおよび底フラップにわたる山折りの外出中折れ線を形成し前後両面壁の二つ合わせの折り畳みが可能な箱本体と、箱本体の中に納まり両側から底壁にわたるW折り込みによるガゼット式の折り畳み可能な内袋とからなり、内袋折り畳みのガゼット式については、箱本体の前後両面壁および左右両側壁の4面にそれぞれ対応する各面状壁の下端に前記底壁を一体に構成する底片壁が連設され、左右面状壁には幅中央に沿って下端の底片壁にわたる谷折りないしW折りの内出中折れ線を形成してあって、内袋が箱本体の折り開きに付随して折り開きされ得るように、箱本体に対して少なくともその前後両面壁に接着されていることを特徴とする内袋付きの包装容器。
  2. 箱本体の前後両面壁下端の両底フラップに内袋の前後面状壁下端の底片壁がそれぞれ接着されていることを特徴とする請求項1記載の内袋付きの包装容器。
  3. 箱本体の左右両側壁上端の両内蓋フラップが内袋のW折り込みの中に折り込み得るように二等辺三角形に形成され、また、前後両面壁の上端の両外蓋フラップに内袋の前後両面状壁が接着され、その両外蓋フラップのうちの一方又は両方について、内袋の開口近くの上端部がその外蓋フラップに対して未接着に開放され、蓋閉じ時に内袋の上端開口の閉合せシール部を未接着部の下に折り込んで収納できるようにしてあることを特徴とする請求項1又は2記載の内袋付きの包装容器。
  4. 外出中折れ線を有する左右の蓋フラップ又は左右両側壁には、該中折れ線の位置に手掛け孔が設けてあることを特徴とする請求項1,2又は3記載の内袋付きの包装容器。



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