JP3023957U

JP3023957U - 紙製容器

Info

Publication number: JP3023957U
Application number: JP1995012041U
Authority: JP
Inventors: 弘彦三野; 清勇島津
Original assignee: 岩井通商株式会社; 株式会社富山陽成社
Priority date: 1995-10-20
Filing date: 1995-10-20
Publication date: 1996-05-07
Anticipated expiration: 2001-10-20

Abstract

(57)【要約】【課題】紙製の浅い箱形状でありながらだれ変形がし
ないようにし、外観体裁を良くしようとすることにあ
る。【解決手段】耐水・防水性の厚紙で成形され、底板２
の端縁に一方側壁３を対向して一体立設すると共に、他
の端縁に他方側壁４を対向して一体立設し、一方側壁３
と他方側壁４の上端に延長付設された折り返し部５を二
重以上に巻回折り返して補強部７を形成した構成であ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本考案は、厚紙製で上面が開放し、例えば食品収納用として、紙皿等として利用することができる紙製容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

食品等を収納する使い捨ての容器として、合成樹脂や紙で成形されたトレー形状の浅い紙製容器が広く使用されている。

【０００３】この主の容器は使い捨てであるから、材料費や成形費ができるだけ廉価であることが望ましく、しかも廃棄しやすい簡便なものとして特に紙製のものが注目されており、この紙製容器の構成は、四角板形状の底板に高さ幅の小さい側壁を一体状に立設し、隅部を接着しただけの構成である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した紙製のトレー形状の浅い紙製容器は、強度が充分でないために特に高さ幅の小さい側壁部分が外側にだれ変形してしまうという問題があった。この型崩れは、底壁が長方形である場合の長手辺の側壁部分に特に生じ易く、側壁部分が外方或いは内方にだれ変形してしまうと、例えば蓋箱を被せる場合に操作しにくく、また隙間が生じるために蓋としての意味をなさなくなり、更にはシュリンク包装するような場合にもフィルムシートがぴったりと密着状に被着できないことになる。

【０００５】そして更には、側壁が下方に向かって幅狭となるテーパー壁形状にすると、特に側壁の外方へのだれ変形が顕著になって発生し、これ等の問題を解決するには紙を厚くすれば或る程度解決できるものであるが、一方では材料費の嵩んだり、成形しがたいという不都合が生じる。

【０００６】本考案は上記した問題点を解決するために考案したもので、紙製の浅い箱形状でありながら側壁にだれ変形がしないようにし、併せて強度の向上と外観体裁を良くしようとすることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するべく本考案は、耐水・防水性の厚紙で成形され、底板の対向する一方の端縁端縁に一方側壁を対向して一体立設すると共に、他の対向する端縁に他方側壁を対向して一体立設し、前記一方側壁の上端に延長付設された折り返し部分を外側に折り返して補強部を形成して構成したものである。

【０００８】

【作用】

本考案は上記したような構成であるので、補強部を側壁の上端に延長付設された折り返し部分を外側に折り返すことにより形成されるため或る程度の強度を維持させることができ、だれ変形が生じることはない。

【０００９】この場合、側壁の全てにこのような補強部を設ければそれだけ強度が高まることになり、また、補強部を二重以上に巻回折り返して重合状にし、しかも側壁の外面上部に固着するとさらに強度が高まるばかりでなく、接着形成作業のやり易いものになる。

【００１０】即ち、単に側壁の上端に延長付設された部分を外側に折り返すだけでは、この折り返し部分を側壁の外面に接着させることになるので、接着が不十分であったり作業しにくく、しかも強度が充分とはいえないのである。

【００１１】

【発明の実施の形態】

以下本案を実施例の図面にもとづいて説明する。図１は、本案にかかる紙製容器の展開状態で、比較的厚い耐水・防水性の厚紙で成形される紙製容器１は、長方形状の底板２の長手方向の一方の対向する端縁に一方側壁３を対向して一体設すると共に、短手方向の対向する他の端縁に他方側壁４を対向して一体設し、上記一方側壁３と他方側壁４の上端に相当する部分を折り返し部５として延長付設し、一方側壁３の端縁に夫々糊代片６を一体設した構成である。

【００１２】そして、各連続部を折り曲げて立設して長方形状の紙製容器１を構成するのであるが、前記一方側壁３の夫々の糊代片６は、前記他方側壁４の内面に接着するもので、また、折り返し部５は各側壁３，４の外側に一重、又は二重以上に巻回折り返して、一方側壁３と他方側壁４の上端部外面に長さ方向に沿うようにした補強部７として形成される。

【００１３】また、前記他方側壁４は、その内面に糊代片６が接着されているので或る程度の強度が付与されており、したがって補強部７を形成する必要のない場合もあるが、組み立てられた容器として充分な強度を必要とする場合には、補強部７を設けたほうがよい。

【００１４】また、補強部７を形成するための折り返し部５は、単に外側に折り返しただけでは接着力が弱く、接着操作を手作業に頼らざるを得なかったのであるが、二重以上に巻回折り返しすれば機械的な作業が可能となり、また、強度も高まるのである。

【００１５】前記一方側壁３と他方側壁４は比較的高さ幅が小さく、したがって組み立てられる紙製容器１はトレー形状の浅い形態で、食品等を収納する使い捨ての容器として利用される。

【００１６】以上、本考案を図面の実施例に基づいて説明したが、本考案は上記した実施例に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上要するに本考案の紙製容器は、耐水・防水性の厚紙で成形され、底板の対向する一方の端縁端縁に一方側壁を対向して一体立設すると共に、他の対向する端縁に他方側壁を対向して一体立設し、前記一方側壁の上端に延長付設された折り返し部分を外側に折り返して補強部を形成して成るので、側壁の高さ幅が比較的小さいトレー形状の浅い形態でありながら、側壁の上端部に補強部を設けたために充分の強度を付与させることができるためにだれ変形の如き型崩れをすることがなく、所望の外観体裁を維持することができ、シュリンク包装の際にもフィルムシートをぴったりと被せることが可能となり、蓋箱の組付け時にも隙間が生じることはなく、全体の厚紙材料は薄くても良いので材料費の軽減が図れる等、多くの優れた作用効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す展開図である。

【図２】組立て状態の斜視図である。

【図３】組立て状態の断面図である。

【符号の説明】

１紙製容器２底板３一方側壁４他方側壁５折り返し部６糊代片７補強部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】耐水・防水性の厚紙で成形され、底板の
対向する一方の端縁端縁に一方側壁を対向して一体立設
すると共に、他の対向する端縁に他方側壁を対向して一
体立設し、前記一方側壁の上端に延長付設された折り返
し部分を外側に折り返して補強部を形成して成る紙製容
器。
【請求項２】他方側壁の上端にも延長付設された折り
返し部分を外側に折り返して補強部を形成した請求項１
に記載の紙製容器。
【請求項３】補強部を、折り返し部分を二重以上に折
り返して重合状に構成し、側壁に固着してなる請求項１
または２に記載の紙製容器。