JPH09277119A - 切断機におけるワークの切断方法及び同方法に使用する切断機 - Google Patents

切断機におけるワークの切断方法及び同方法に使用する切断機

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JPH09277119A
JPH09277119A JP8961796A JP8961796A JPH09277119A JP H09277119 A JPH09277119 A JP H09277119A JP 8961796 A JP8961796 A JP 8961796A JP 8961796 A JP8961796 A JP 8961796A JP H09277119 A JPH09277119 A JP H09277119A
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work
cutting
vise
angle
jaw
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JP8961796A
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Toshihisa Tsukuda
利久 佃
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Amada Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前バイス装置の前バイスジョーのみでワーク
をクランプして切断する際に、前バイスジョーのたわみ
角を目標旋回角に加味し、ワークを所望の切断位置で正
確に切断する。 【解決手段】 切断機の搬送方向へ搬送位置決めされた
ワークWの後端が本体バイス装置29でクランプ不可能
な位置にあることをワーク後端検出装置73により検出
し、且つワークの先端が前バイス装置47のバイスジョ
ーに有するたわみ発生領域内に位置していることをワー
ク先端検出装置61により検出したり、または自機切断
履歴より計算された残材先端位置より求める。次いで、
前記バイスジョーにたわみを発生させる要因のデータ
が、制御装置内に予め記憶させた演算式に入力されバイ
スジョーのたわみ角iが演算される。このたわみ角を目
標旋回角度θ1 に加減して得た修正旋回角度θ2 に基づ
き、旋回作動装置11により切断工具による切断位置を
前記修正旋回角度の位置まで旋回させワークを切断す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク(例えば、
H形綱、溝形綱、角パイプ材等の形鋼材)の被切断部を
切断位置に位置するように、ワークをワーク幅方向の基
準への幅位置決めと搬送方向への搬送位置決めをした後
に、切断工具(帯鋸刃、丸鋸刃等)によりワークの被切
断部に対して切断加工を行う帯鋸盤、丸鋸盤等の切断機
におけるワークの切断方法及び同方法に使用する切断機
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な帯鋸盤(切断機の一例)につい
て簡単に説明すると、一般的な帯鋸盤は箱形のベースを
備えており、このベースには走行可能なエンドレス状の
帯鋸刃を備えた鋸刃ハウジングが昇降可能に設けられて
いる。また、鋸刃ハウジングは前記ベースに立設した中
心軸を中心として水平に旋回自在に設けられている。し
たがって、帯鋸刃の切断位置は、ワークの搬送方向に直
交する方向に切断する位置から角度θを旋回した位置に
自在に変向される。
【0003】さらに、上記ベースにおける、上記搬送方
向からみて切断位置の後側であってこの切断位置に接近
した位置には、本体バイス装置が搬送方向へ移動不能に
設けられており、この本体バイス装置は第1クランプシ
リンダの作動によりワークをクランプする一対の本体バ
イスジョーを備えている。
【0004】上記搬送方向からみて切断位置の前側には
支持テーブルが配置されており、この支持テーブルには
前バイス装置が搬送シリンダの作動により搬送方向へ往
復可能に設けられている。この前バイス装置は第2クラ
ンプシリンダの作動によりワークをクランプする一対の
前バイスジョーが備えられている。
【0005】したがって、ワークを一対の前バイスジョ
ーの間及び一対の本体バイスジョーの間に位置せしめ
る。次に、一対の前バイスジョーによりワークをクラン
プする。そして、搬送シリンダの作動により前バイス装
置を搬送方向へ往動させて切断位置から離反せしめるこ
とにより、ワークの被切断部を切断位置に搬送位置決め
する。
【0006】ここで、ワークの搬送長さが長いために搬
送シリンダの一ストロークでワークの被切断部を切断位
置に位置決めできない場合には、上述のごとく前バイス
装置を搬送方向へ往動させた後に、一対の本体バイスジ
ョーによりワークをクランプして、一対の前バイスジョ
ーにより再度ワークをアンクランプ状態にする。次に、
前バイス装置を搬送方向の反対方向へ復動させて切断位
置に接近せしめ、一対の前バイスジョーにより再度ワー
クをクランプする。そして、一対の本体バイスジョーを
アンクランプ状態にせしめ、前バイス装置を搬送方向へ
往動させて切断位置から離反せしめ、ワークの被切断部
を切断位置に位置せしめる。
【0007】ワークの被切断部を切断位置に搬送位置決
めした後に、一対の前バイスジョーによりクランプした
状態の下で、一対の本体バイスジョーによりワークをク
ランプする。そして、鋸刃ハウジングを所望の旋回角θ
まで旋回せしめ、帯鋸刃を走行させた状態の下で、鋸刃
ハウジングを下降させることにより、ワークの被切断部
に対して切断加工を行なう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前バイス装
置を搬送方向へ往動させて切断位置から離反せしめて、
ワークの後端付近の被切断部が切断位置に位置するよう
にワークを搬送位置決めしたときに、ワークが一対の本
体バイスジョーの間に位置していないこともあり、一対
の本体バイスジョーによりワークをクランプできない場
合がある。このような場合には、一対の前バイスジョー
のみによりワークをクランプした状態で切断加工しなけ
ればならない。しかも、切断位置からワーク先端までの
長さが短い場合、前バイスジョーによるワーク先端部の
クランプ長が小さくなるために前バイスジョーの後端部
でワークをクランプすることになる。前バイスジョーは
構造上、片持ち梁状に形成することがあり、この形状で
は特に強度的に弱いので、クランプ長が小さいと前バイ
スジョーがたわんでしまうという問題点があった。前バ
イスジョーは構造上、たわみをなくすことが困難である
ので、たわんだ状態でワークをクランプして切断してい
たためにワークの切断加工精度が悪いという問題点があ
った。このことは、ワークの搬送方向に対して直交方向
に切断する場合も、また鋸刃ハウジングを所望の目標旋
回角まで旋回せしめ、ワークの搬送方向に対して斜め方
向に切断する場合も、同様の問題であった。例えば、前
述した目標旋回角をなす位置でワークを切断したとして
も、前バイスジョーがたわんでいるために実際のワーク
の切断位置は所望の角度で切断されないという問題点が
あった。
【0009】本発明は叙上の課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は、前バイス装置の前バイスジョ
ーのみでワークをクランプして切断する際に、前バイス
ジョーのたわみ角を目標旋回角に加味することにより、
ワークに対して所望の切断位置で切断する切断機におけ
るワークの切断方法及び同方法に使用する切断機を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1によるこの発明の切断機におけるワークの切
断方法は、切断機におけるワークの切断方法にして、搬
送装置により搬送されたワークが搬送方向へ搬送位置決
めされ、このワークの後端が切断機に備えた本体バイス
装置によってクランプ不可能な位置に位置していること
をワーク後端検出装置により検出し、且つ前記ワークの
先端が切断機に備えた前バイス装置のバイスジョーに有
するたわみ発生領域内に位置していることをワーク先端
検出装置により検出したり、または自機切断履歴より計
算された残材先端位置から求めた後、前記前バイス装置
のバイスジョーにたわみを発生せしめる要因のデータを
制御装置に入力し、このデータにより前記制御装置内に
予め記憶させた演算式に基づいて前バイス装置のバイス
ジョーのたわみ角を演算し、このたわみ角を目標旋回角
度に加減して得た修正旋回角度に基づき、切断機に備え
た旋回作動装置により切断工具による切断位置を前記修
正旋回角度の位置まで旋回するように制御してワークに
切断加工することを特徴とするものである。
【0011】したがって、短くなったワークが本体バイ
ス装置でクランプできないために前バイス装置のみでク
ランプする際、この前バイス装置によるクランプ長が小
さい場合は前バイス装置のバイスジョーにたわみが生じ
るので、このたわみの分だけワークが所定の位置から斜
めにずれてクランプされる。しかし、バイスジョーにた
わみを生じさせる要因のデータを自動的に制御装置に入
力し、このデータで前バイス装置のバイスジョーのたわ
み角を演算し、このたわみ角を目標旋回角度に加減して
修正旋回角度を算出したので、この修正旋回角度で切断
加工されたワークは、所望の正確な角度の切断位置で切
断されたものになる。但し、このように角度修正した切
断加工が行われるのは、ワークを本体バイス装置ではク
ランプできず前バイス装置のみでクランプし、且つワー
クの先端が前バイス装置のバイスジョーに有するたわみ
発生領域内でクランプされていること、すなわちワーク
の先端部が前バイス装置のバイスジョーで充分にクラン
プされていないことが条件であり、通常の切断加工では
この角度修正切断加工は行われない。
【0012】請求項2によるこの発明の切断機における
ワークの切断方法は、請求項1の切断機におけるワーク
の切断方法において、前バイス装置のバイスジョーにた
わみを発生せしめる要因のデータは、前バイス装置のバ
イスジョーでクランプされたワーク先端部のクランプ長
と前バイス装置によるワークに対するクランプ力並びに
前バイス装置のクランプ部断面2次モーメントでなるこ
とを特徴とするものである。
【0013】したがって、制御装置へクランプ長とクラ
ンプ力並びにクランプ部断面2次モーメントを入力する
ことにより、クランプ長の中心への集中荷重としてたわ
み角を演算する演算式やクランプ長への等分布荷重とし
てたわみ角を演算する演算式等により前バイス装置のバ
イスジョーのたわみ角が算出される。
【0014】請求項3によるこの発明の切断機における
ワークの切断方法は、請求項1又は2の切断機における
ワークの切断方法において、前バイス装置のバイスジョ
ーのたわみ方向が前記旋回作動装置による切断工具の切
断位置の旋回方向と同方向であるときは、前記制御装置
で演算したたわみ角を目標旋回角度に加算して修正旋回
角度を算出し、一方、前記バイスジョーのたわみ方向が
切断工具の切断位置の旋回方向と反対方向であるとき
は、前記たわみ角を目標旋回角度に減算して修正旋回角
度を算出してなることを特徴とするものである。
【0015】したがって、前バイス装置の一対のバイス
ジョーのうち、どちらのバイスジョーにたわみが生じた
としても角度修正可能であり、またバイスジョーのたわ
み方向と切断工具の切断位置の旋回方向とが必ずしも同
じでなくても角度修正可能であり、この発明の適用範囲
が広くなる。
【0016】請求項4によるこの発明の切断機は、ワー
クの被切断部を切断位置に位置するようにワークを搬送
方向への搬送位置決めをした後に、切断工具によりワー
クの被切断部に対して切断加工を行う切断機において、
前記切断工具は、当該切断工具によるワークの切断位置
が上記搬送方向に対して直交する切断位置から搬送方向
後方へ旋回自在に設け、この切断工具を旋回作動装置の
作動により旋回方向へ往復可能に構成し、上記搬送方向
からみて切断位置の後側に、ワークをクランプするため
の可動バイスジョー及び固定バイスジョーを備えた本体
バイス装置を設け、上記搬送方向からみて切断位置の前
側に、前バイスクランプ作動装置によりワークをクラン
プするための可動バイスジョー及び固定バイスジョーを
備えた前バイス装置を設けると共に、ワークのクランプ
力を一定にする前バイスクランプ作動装置を設け、ワー
クの搬送によりワークの後端が本体バイス装置によりク
ランプ不可能な位置に位置することを検出するワーク後
端検出装置を設け、ワークの先端が前バイス装置のバイ
スジョーに有するたわみ発生領域内に位置したことを検
出するワーク先端検出装置または予め計算された残材先
端位置から求める自機切断履歴を設け、前記ワーク後端
検出装置によりワークの後端が本体バイス装置によりク
ランプ不可能な位置に位置することが検出され、且つ前
記ワーク先端検出装置または自機切断履歴から計算され
た残材先端位置から求めたワークの先端が前バイス装置
のたわみ発生領域内に位置したことが検出されると、た
わみ発生領域内にクランプされたワーク先端部のクラン
プ長と前記前バイスクランプ作動装置により一定にされ
たクランプ力とから、予め記憶させた演算式に基づいて
前バイス装置のバイスジョーのたわみ角を演算し、この
演算値のたわみ角を目標旋回角度に加減して修正旋回角
度を算出し、この修正旋回角度に基づいて切断工具によ
る切断位置を旋回するよう前記旋回作動装置を制御せし
める制御装置を設けてなることを特徴とするものであ
る。
【0017】したがって、短くなったワークが本体バイ
ス装置でクランプできないことはワーク後端検出装置で
検出し、前バイス装置によるクランプ長が小さいために
前バイス装置のバイスジョーにたわみが生じることをワ
ーク先端検出装置で検出したり、または自機切断履歴か
ら計算された残材先端位置から求められる。そして、前
バイス装置のバイスジョーにたわみが生じたことが制御
装置に入力してはじめて角度修正処理が行われるので、
前バイス装置のバイスジョーにたわみが生じない通常の
正常な切断加工ではこの角度修正切断加工は行われない
ものである。
【0018】また、バイスジョーにたわみを生じさせる
要因、例えばクランプ長やクランプ力並びに前バイス装
置クランプ部断面2次モーメント等の要因のデータを自
動的に制御装置に入力し、このデータで前バイス装置の
バイスジョーのたわみ角を演算し、このたわみ角を目標
旋回角度に加減して修正旋回角度を算出し、この修正旋
回角度で切断加工される。ワークは前バイス装置のバイ
スジョーのたわみの分だけ所定の位置から斜めにずれて
クランプされるが、このバイスジョーのたわみの分だけ
修正されて切断され、所望の正確な角度で切断されたも
のになる。
【0019】請求項5によるこの発明の切断機は、請求
項4の切断機において、切断工具は、当該切断工具によ
るワークの切断位置が上記搬送方向に対して直交する切
断位置におけるワーク幅方向の位置決め基準を中心にし
て搬送方向後方へ旋回自在に設けてなることを特徴とす
るものである。
【0020】したがって、切断工具の旋回中心の位置が
ワーク幅方向の位置決め基準線上に位置しているので、
前バイス装置のバイスジョーのたわみ角の分だけ切断工
具による切断位置を旋回させても切断位置は角度だけを
変化できる。もし、切断工具の旋回中心の位置がワーク
幅方向の位置決め基準から大きく離れた位置にあると、
前記切断位置は角度の変化だけではなく、ワークの長さ
方向にも変化することになる。
【0021】請求項6によるこの発明の切断機は、請求
項4または5の切断機において、旋回作動装置による切
断工具の旋回角を検出する旋回角検出装置を設け、切断
工具による切断位置を前記修正旋回角度に旋回するよう
旋回作動装置と旋回角検出装置とを制御可能に構成して
なることを特徴とするものである。
【0022】したがって、旋回角検出装置により切断工
具の旋回角が検出されるので、旋回作動装置で切断工具
の旋回角が容易に且つ正確に修正される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の切断機の実施の形
態について、一般的な帯鋸盤を例にとって、図面を参照
して説明する。
【0024】図1、図2を参照するに、本実施の形態の
例に係わる帯鋸盤1は、ベース3を備えており、このベ
ース3上には旋回台5が水平に旋回自在に載置されてい
る。より詳細には、前記ベース3には中心軸7が垂直に
立設されていると共に、この中心軸7を中心とした円弧
状の複数のガイドレール9がベース3上に設けられてい
る。そして、前記旋回台5は、前記中心軸7を旋回中心
として水平に旋回するもので、前記ガイドレール9に移
動自在に支持されている。
【0025】前記旋回台5を旋回するために旋回用シリ
ンダ11(旋回作動装置)が水平に設けられている。こ
の旋回用シリンダ11の一端部は旋回台5の適宜位置に
枢支連結されており、ピストンロッドの先端部はベース
3の適宜位置に枢支連結されている。
【0026】前記旋回台5は箱状をなすものであって、
この旋回台5の一側にはガイドポスト13が立設されて
いる。そして、このガイドポスト13には、切断工具と
しての帯鋸刃(図示省略)を内装したカッティングヘッ
ド15(鋸刃ハウジングと称することもある)が上下動
可能に案内されている。なお、上記カッティングヘッド
15の上下動は、旋回台5上に設けた昇降用油圧シリン
ダ17の作動によって行われる。したがって、前記旋回
台5は、旋回用シリンダ11を適宜に作動することによ
り、中心軸7を中心として水平に旋回されるものであ
る。また、カッティングヘッド15内の帯鋸刃は平面で
中心軸7の上に位置しているので、帯鋸刃のワーク切断
位置は中心軸7を中心として水平に旋回され、ワークの
搬送方向に対して直交する切断位置から搬送方向後方側
へ旋回角θをなすように変向可能に構成されている。
【0027】また、前記旋回台5の適宜位置には、前記
帯鋸刃の旋回角θを検出する旋回角検出装置19が設け
られている。より詳しくは、前記ベース3には中心軸7
を中心とした円弧状のラック21が設けられていると共
に、旋回台5の下面にはこのラック21に噛合し且つエ
ンコーダ23を備えたピニオン25が設けられている。
そして、このエンコーダ23は制御装置27(図4参
照)に電気的に接続されている。
【0028】前記カッティングヘッド15が上昇位置か
ら下降するときに、当該カッティングヘッド15に備え
た切断工具(帯鋸刃)によって切断されるワークWを把
持固定するための本体バイス装置29が設けられてい
る。
【0029】より詳細には、上記本体バイス装置29
は、ワークの幅方向の位置決め基準側に設けた固定バイ
スジョー31及び当該固定バイスジョー31に対して接
近離反する方向へ移動自在の可動バイスジョー33を備
えてなるものである。なお、ワークの幅方向の位置決め
基準は、前記中心軸7を通過する線上にあることが望ま
しい。
【0030】上記固定バイスジョー31は前後方向(図
1、図2において左右方向)に延伸されており、この固
定バイスジョー31の前端部は前記中心軸7の上端部に
支持されており、後端部は前記ベース3の後部に立設し
た支柱35に支持されている。
【0031】すなわち、固定バイスジョー31は前端部
及び後端部の両端部を支持された構成であり、前記旋回
台5が旋回するとき、旋回台5の一部が固定バイスジョ
ー31の下側を通過自在である。
【0032】前記旋回台5の上面には長手方向にバイス
ベッド37が設けられており、このバイスベッド37に
前記可動バイスジョー33が移動自在に案内支承されて
いる。上記可動バイスジョー33をバイスベッド37に
沿って往復動させるために、旋回台5には第1クランプ
シリンダ39(本体バイスクランプ作動装置)が装着さ
れており、この第1クランプシリンダ39に往復動自在
に備えたピストンロッド(図示省略)が前記可動バイス
ジョー33に連結されている。
【0033】そして、前記固定バイスジョー31と可動
バイスジョー33(本実施の形態の例では、これらのバ
イスジョーを便宜上、「本体バイスジョー」という)と
の間へワークWを搬入するために、前記ベース3の後側
(図1、図2においては右側)には、ワークWを支持し
て前後方向へ搬送するためのローラコンベア等のごとき
コンベア装置41が配置されている。このコンベア装置
41の詳細については後述する。
【0034】前記旋回台5の前方(図1、図2において
は左方、搬送方向からみて切断位置の前側)には、ワー
クWから切断分離された切断片を支持する支持コンベア
43が配置されている。この支持コンベア43には前後
方向へ回転自在な多数の支持ローラが備えられており、
支持コンベア43の前側部はベース3に立設したフレー
ム45に支持され、後側部は前記中心軸7及び旋回台5
と干渉しないようにベース3に立設した支柱(図示省
略)に支持されている。
【0035】この支持コンベア43の切断片を前方向へ
移送するために、この支持コンベア43には前バイス装
置47が前後動自在に設けられている。
【0036】すなわち、上記支持コンベア43の下側に
は前後方向(図1、図2において左右方向)に延伸した
ガイドバー49が設けられており、このガイドバー49
には、支持コンベア43の下側を通過して左右方向(図
1においては上下方向、図2においては紙面に垂直な方
向)に延伸したスライドベース51が前後動自在に支持
されている。
【0037】そして、上記スライドベース51の一端側
には、ワーク幅方向の位置決め基準側の固定バイスジョ
ー53が取付けられており、スライドベース51の他端
側には第2クランプシリンダ55(前バイスクランプ作
動装置)が装着されている。そして、この第2クランプ
シリンダ55に往復動自在に備えたピストンロッド(図
示省略)の先端部に、固定バイスジョー53と対向する
可動バイスジョー57が取付けられている。
【0038】なお、前記前バイス装置47の固定バイス
ジョー53と可動バイスジョー57(本実施の形態の例
では、これらのバイスジョーを便宜上、「前バイスジョ
ー」という)の後端側でワークWをクランプしたときに
固定バイスジョー53にたわみが発生することを考慮し
て、固定バイスジョー53の後端から前方の所定の長さ
までの範囲を「たわみ発生領域」とし、このたわみ発生
領域内の固定バイスジョー53(又は可動バイスジョー
57)に例えば、図3に示されているように、ワークW
の先端を検出するワーク先端検出装置61が設けられて
いる。本実施の形態の例では、固定バイスジョー53は
図3に示すように、後側部が片持ち梁状に形成されてお
り、この片持ち梁部63(長さL)はワーククランプ
時、クランプ力Fの大きさやワークのクランプ長Cの大
きさによっては、固定バイスジョー53にたわみが発生
するので、片持ち梁部63(長さL)が「たわみ発生領
域」となる。前記ワーク先端検出装置61として、この
「たわみ発生領域」の片持ち梁部63における後端部の
内壁面には近接センサ等の検出器が設けられている。こ
の検出器は単にワークの有無を検知するものであり、制
御装置27に電気的に接続されている。制御装置27内
でワークWのクランプ長Cが演算されて算出される。前
記クランプ長Cが算出される具体的な例は後述する。な
お、前記ワーク先端検出装置61としては、上記の実施
の形態の例に限定されず、ワークWの先端の位置を検出
するように設けることもできる。例えば、搬送方向から
みてワークWの先端の前方に、ワークWの先端面に当接
してワークWの搬送に伴って従動する部材を搬送方向に
往復動するように設け、この部材の先端にワークWの先
端を検知する検出器を備えると共に、この検出器でワー
クWの先端を検知した検知信号により前記部材がワーク
Wの搬送に伴って移動する距離を検出してワークWの先
端の位置を算出するように、前記部材にエンコーダ、ラ
ック、ピニオン等の装置を設けることができる。
【0039】なお、前バイス装置47の前後動は、流体
圧シリンダ又はボールネジ機構等の駆動装置の作動によ
って行われるものである。本実施の形態の例では支持コ
ンベア43の適宜位置に前後方向へ移動可能なピストン
ロッド65を備えた搬送シリンダ67が設けられてお
り、この搬送シリンダ67が前バイス装置47に連結さ
れている。
【0040】前記コンベア装置41の詳細について説明
すると、前記ベース3の後側にはリアテーブル69が設
けられており、このリアテーブル69は搬送モータ(図
示省略)の駆動により搬送方向(前方向)へ回転可能な
複数の搬送ローラ71を備えている。ここで、本実施の
形態の例の帯鋸盤1においては、搬送ローラ71による
ワークWの後端付近の支持が解除されるまで、複数の搬
送ローラ71を搬送方向へ回転させてワークWの搬送を
行うものであり、搬送ローラ71によるワークWの後端
付近の支持が解除された後は、後述のごとく前バイス装
置47を搬送方向へ往復動させてワークWの搬送を行う
ものである。尚、複数の搬送ローラ71によるワークW
の後端付近の支持が解除される前においても、前バイス
装置47の作用によりワークWの搬送を行う場合には複
数の搬送ローラ71を回転自在に構成しておく。
【0041】また、リアテーブル69の適宜位置にはH
形綱のごときワークWの搬送によりワークWの後端が一
対の本体バイスジョー31,33ではクランプ不可能な
位置に位置することを検出、換言すれば前記一対の本体
バイスジョー31,33によりクランプ可能な最終クラ
ンプ位置から外れた位置に位置することを検出するため
のワーク後端検出装置73が設けられている。なお、前
記最終クランプ位置とは、一方の本体バイスジョー31
(又は33)におけるクランプ面の搬送方向からみて前
端から、搬送方向からみて後方向へ最低限必要なクラン
プ長に相当する長さだけ離れた位置のことをいう。
【0042】より詳細には、リアテーブル69の左側に
は搬送方向へ延伸したガイドレール75が設けられてお
り、このガイドレール75にはキャリッジ77が搬送方
向へ往復自在に設けられている。このキャリッジ77に
は搬送方向へ延びた支持アーム79が設けられており、
この支持アーム79はワークWにおけるウェブの後端部
を保持するワーク保持部81を備えている。このワーク
保持部81の搬送方向の位置、換言すればワークWの後
端の搬送方向の位置を検出するため、リアテーブル69
には搬送方向へ延伸したラック83がガイドレール75
に対して平行に設けられていると共に、キャリッジ77
にはこのラック83に噛合し且つエンコーダ85を備え
たピニオン87が設けられている。そして、このエンコ
ーダ85は図4に示すように制御装置27に電気的に接
続されている。この制御装置27には前述したようにワ
ーク先端検出装置61、エンコーダ23である旋回角検
出装置19、およびエンコーダ85であるワーク後端検
出装置73が電気的に接続されており、加えて第1クラ
ンプシリンダ39、第2クランプシリンダ55、搬送シ
リンダ67、旋回用シリンダ11も電気的に接続されて
いる。
【0043】上記制御装置27は、前記エンコーダ85
によりワークWの後端が最終クランプ位置から外れた位
置に位置することが検出され、且つ前記ワーク先端検出
装置61により、または自機切断履歴から計算された残
材先端位置から求めたワークWの先端が前バイス装置4
7の「たわみ発生領域」内に位置したことが検知される
と、この「たわみ発生領域」内にクランプされたワーク
Wのクランプ長Cを算出し、このクランプ長Cと前述し
た第2クランプシリンダ55の作動により一定にされた
前バイス装置47のクランプ力Fとを、制御装置27に
内蔵しているNC回路に予め記憶させた固定バイスジョ
ー53の片持ち梁部63のたわみ角iを求める演算式に
入力して前記たわみ角iを演算し、このたわみ角iと目
標旋回角度θ1 とを加減して所望の位置決め旋回角度す
なわち修正旋回角度θ2 を算出し、旋回用シリンダ11
を作動させて帯鋸刃の切断位置を前記修正旋回角度θ2
の旋回角度まで旋回させるように制御するものである。
【0044】なお、前記クランプ長Cは以下の如く算出
される。前回の切断作業でワークWが切断された時、ワ
ークWの後端位置がワーク後端検出装置73により検出
されて制御装置27内に入力されており、今回の切断作
業を行うためにワークWがリアテーブル69により前方
へ搬送され所望の切断位置で停止する。このときのワー
クWの後端位置がワーク後端検出装置73により検出さ
れて制御装置27内に入力されるので、今回の切断作業
のためのワークWの搬送距離が制御装置27内で算出さ
れる。この搬送距離はカッティングヘッド15内の帯鋸
刃の切断位置からワークWの先端までの距離となる。そ
して、搬送シリンダ67の作動により前バイス装置47
を搬送方向と反対方向へ復動させ、その最後方位置で前
記ワークWをクランプすると、このときの前バイス装置
47の一対のバイスジョー53,57のクランプ位置が
所定の位置であるので、クランプ長Cの値は制御装置2
7内のNC回路で算出される。なお、このクランプ長C
は、ワーク後端検出装置73によりワークWの後端が最
終クランプ位置から外れた位置に位置することが検出さ
れ、且つワーク先端検出装置61により、または自機切
断履歴より計算された残材先端位置より求めたワークW
の先端が前バイス装置47の「たわみ発生領域」内に位
置したことが検知されときに、上記のように制御装置2
7内で算出される。
【0045】前述の構成に基づいて本実施の形態の例の
作用について説明する。
【0046】リアテーブル69にワークWを支持せしめ
た後に、搬送モータの駆動モータの駆動により複数の搬
送ローラ71を搬送方向へ回転させて、ワークWを搬送
方向へ搬送する。これによって、ワークWの被切断部が
切断位置に位置するようにワークWを搬送位置決めする
ことができる。なお、ワークWの搬送を行なう前に、ワ
ーク後端検出装置73におけるワーク保持部81により
ワークWの後端部を保持しているため、ワークWの搬送
中においてキャリッジ77、支持アーム79はワークW
と一体的に搬送方向へ移動するものである。
【0047】ワークWの被切断部を切断位置に搬送位置
決めした後に、第1クランプシリンダ39を作動させて
一対の本体バイスジョー31,33によりワークWにお
ける切断位置よりも後側部分をクランプすると共に、前
バイス装置47を作動させて一対の前バイスジョー5
3,57によりワークWにおける切断位置よりも前側部
分をクランプする。そして、鋸刃モータの駆動により帯
鋸刃を走行させた状態の下で、昇降シリンダの作動によ
りカッティングヘッド15を下降させることにより、帯
鋸刃によりワークWの被切断部に対して切断下降を行な
う。ワークWの被切断部に対して切断下降を行った後
に、本体バイス装置29をアンクランプさせると共に、
前バイス装置47をアンクランプさせる。
【0048】上述の操作を繰り返すことにより、ワーク
Wにおける他の適当数の被切断部に対して切断加工を行
なうことができる。
【0049】上述の作用によりワークWを搬送方向へ移
動させて、複数の搬送ローラ71によるワークWの後端
付近の支持が解除された後、換言すれば搬送ローラ71
によってワークWの搬送ができなくなった後は、以下の
如く前バイス装置47の作用によりワークWの搬送を行
なう。
【0050】すなわち、ワークWが一対の本体バイスジ
ョー31,33の間及び一対の前バイスジョー53,5
7の間に位置した状態の下で、前記一対の前バイスジョ
ー53,57によりワークWをクランプする。そして、
搬送シリンダ67の作動により前バイス装置47を搬送
方向へ往動させて切断位置から離反せしめることによ
り、ワークWにおける適宜の被切断部が切断位置に位置
するようにワークWを搬送位置決めする。
【0051】また、前述のごとく搬送ローラ71を搬送
モータにより回転可能に構成する代わりに、搬送ローラ
71を回転自在にしたこと等の理由により、前バイス装
置47によるワークWの搬送長さが長い場合には、前バ
イス装置47を搬送方向へ往動させた後に一対の本体バ
イスジョー31,33によりワークWをクランプして、
一対の前バイスジョー53,57をアンクランプ状態に
する。次に、搬送シリンダ67の作動により前バイス装
置47を搬送方向の反対方向へ復動させて切断位置に接
近せしめ、一対の前バイスジョー53,57により再度
ワークWをクランプする。そして、一対の本体バイスジ
ョー31,33をアンクランプ状態にせしめ、搬送シリ
ンダ67の作動により前バイス装置47を搬送方向へ往
動させて切断位置から離反せしめ、ワークWの被切断部
を切断位置に位置せしめる。なお、ワークWの搬送長さ
が更に長い場合は、上述の作用を繰り返す。
【0052】ワークWにおける適宜の被切断部を切断位
置に搬送位置決めした後に、一対の前バイスジョー5
3,57によりワークWをクランプした状態の下で、一
対の本体バイスジョー31,33によりワークWにおけ
る切断位置よりも後側部分をクランプする。そして、カ
ッティングヘッド15を所望の目標旋回角θまで旋回せ
しめ、帯鋸刃を走行させた状態の下で、カッティングヘ
ッド15を下降させることにより、帯鋸刃によりワーク
Wの被切断部に対して切断加工を行なう。なお、切断加
工を行なう前に、一対の前バイスジョー53,57をア
ンクランプして、前バイス装置47を搬送方向の反対方
向へ復動させて切断位置に接近せしめて、再度一対の前
バイスジョー53,57によりクランプしてもよい。
【0053】上述の作用の下で、ワークWの後端付近の
被切断部が切断位置に位置するように、前バイス装置4
7を搬送方向へ往動させてワークWを搬送している途中
において、ワーク後端検出装置73におけるエンコーダ
85によりワークWの後端が一対の本体バイスジョー3
1,33ではクランプ不可能な位置に位置することが検
出され、つまり前記一対の本体バイスジョー31,33
によりクランプ可能な最終クランプ位置から外れた位置
に位置することが検出されると共に、ワーク先端検出装
置61における検出器により、または自機切断履歴より
計算された残材先端位置より求めたワークWの先端が前
バイス装置47の「たわみ発生領域」内に位置したこと
が検知されると、以下の作用がなされる。
【0054】すなわち、制御装置27には、当該制御装
置27に内蔵しているNC回路に、固定バイスジョー5
3の片持ち梁部63のたわみ角iを求める演算式が予め
記憶されている。すなわち、たわみ角iを求める演算式
は、 i=F×〔L−(C/2)〕2 /2EI である。ただし、上記の演算式で、Fは前バイス装置4
7によるワークのクランプ力、Lは固定バイスジョー5
3の片持ち梁部63の長さ、Cは固定バイスジョー53
と可動バイスジョー57によるワークのクランプ長、E
はヤング率、Iは固定バイスジョー53の片持ち梁部6
3の断面2次モーメントを示すものである。
【0055】上記の演算式のうちクランプ力Fは一定値
(パラメータ)で、しかもクランプ長C以外は片持ち梁
部63の材質や形状により得られた定数であるので、ク
ランプ長Cのデータを入力することにより、たわみ角i
が算出される。
【0056】したがって、前述したように、制御装置2
7内のNC回路で前バイス装置47の固定バイスジョー
53と可動バイスジョー57でクランプされたワークW
のクランプ長Cを算出し、このクランプ長Cと、一定値
であるワークWのクランプ力Fとが、上記のたわみ角i
を求める演算式に入力されてたわみ角iが算出される。
【0057】そして、このたわみ角iを入力上の目標旋
回角度θ1 に加算することにより、修正された実際の位
置決め旋回角度すなわち修正旋回角度θ2 が算出され
る。制御装置27は、演算された修正旋回角度θ2 に基
づいて、旋回用シリンダ11を作動させて帯鋸刃の切断
位置を修正旋回角度θ2 まで旋回させるように、カッテ
ィングヘッド15を旋回させる。より詳しくは、旋回角
検出装置19におけるエンコーダ23により検出された
カッティングヘッド15の旋回角のデータをもとにカッ
ティングヘッド15の旋回角度が制御される。そして、
帯鋸刃を走行させた状態の下で、カッティングヘッド1
5を下降させて帯鋸刃によりワークWの被切断部に対し
て切断加工を行なうと、実際のワークWの切断角度は所
望の目標旋回角度θ1 と同じになり、前バイス装置47
の固定バイスジョー53にたわみが生じない通常の正常
な切断加工と同様に、ワークは所望の正確な位置で切断
されることになる。
【0058】なお、上述した、たわみ角iを求める演算
式;i=F×〔L−(C/2)〕2/2EIは、クラン
プ長Cの中心への集中荷重として計算する演算式である
が、この演算式に限定されず、例えば、前記クランプ長
Cへの等分布荷重として計算する演算式にすることもで
きる。
【0059】さらに、本発明は前バイス装置47の可動
バイスジョー57にたわみが生じたときにも適用され
る。すなわち、可動バイスジョー57にたわみが生じた
ときは、図3の状態とは異なり、カッティングヘッド1
5の旋回方向とは反対方向へたわむことになるので、た
わみ角iを目標旋回角度θ1 から減じることにより修正
旋回角度θ2 を演算する。前記たわみ角iを目標旋回角
度θ1 に加算するか、あるいは減算するかは、前バイス
装置47の固定バイスジョー53又は可動バイスジョー
57のたわみ状況により、予め設定しておけばよい。
【0060】
【発明の効果】以上のように実施の形態の例から理解さ
れるように、請求項1の発明によれば、短くなったワー
クが本体バイス装置でクランプできないために前バイス
装置でクランプする際、この前バイス装置によるクラン
プ長が小さい場合は前バイス装置のバイスジョーにたわ
みが生じるので、このたわみの分だけワークが所定の位
置から斜めにずれてクランプされるが、バイスジョーに
たわみを生じさせる要因のデータを自動的に制御装置に
入力し、このデータで前バイス装置のバイスジョーのた
わみ角を演算し、このたわみ角を目標旋回角度に加減し
て修正旋回角度を算出したので、ワークはこの修正旋回
角度で切断加工されるため、所望の正確な角度で切断で
きる。しかも、この角度を修正した切断加工が行われる
のは、ワークを本体バイス装置でクランプできず、且つ
ワークの先端が前バイス装置のバイスジョーに有するた
わみ発生領域内でクランプされていること、すなわちワ
ークの先端部が前バイス装置のバイスジョーで充分にク
ランプされていないことが条件であり、正確な精度で切
断加工される通常の切断加工ではこの角度修正切断加工
は行われないように制御されるものであり、前バイス装
置のバイスジョーにたわみが生じない通常の切断加工に
対しても安定した高品質の製品を得ることができる。
【0061】請求項2の発明によれば、バイスジョーに
たわみを生じさせる要因のデータとしてクランプ長を制
御装置へ入力することにより、クランプ長の中心への集
中荷重としてたわみ角を演算する演算式やクランプ長へ
の等分布荷重としてたわみ角を演算する演算式等により
前バイス装置のバイスジョーのたわみ角が算出されるこ
とになるので、入力するデータが少なくても正確なたわ
み角を算出できる。
【0062】請求項3の発明によれば、前バイスジョー
のたわみ方向が切断工具による切断位置の旋回方向と同
方向であるときは、制御装置で演算したたわみ角を目標
旋回角度に加算して修正旋回角度を算出し、一方、前記
バイスジョーのたわみ方向が切断工具の切断位置の旋回
方向と反対方向であるときは、前記たわみ角を目標旋回
角度に減算して修正旋回角度を算出すればよいので、前
バイス装置の一対のバイスジョーのうち、どちらのバイ
スジョーにたわみが生じたとしても角度修正可能であ
り、またバイスジョーのたわみ方向と切断工具の切断位
置の旋回方向とが必ずしも同じでなくても角度修正可能
である。
【0063】請求項4の発明によれば、短くなったワー
クが本体バイス装置でクランプできないことはワーク後
端検出装置で検出し、前バイス装置によるクランプ長が
小さいために前バイス装置のバイスジョーにたわみが生
じることをワーク先端検出装置で検出したり、または自
機切断履歴より計算された残材先端位置より求めて、バ
イス装置のバイスジョーにたわみが生じたことを制御装
置に入力してはじめて角度修正処理が行われるので、通
常の正常な切断加工ではこの角度修正切断加工は行われ
ないものであり、請求項1の発明による効果と同様、前
バイス装置のバイスジョーにたわみが生じない通常の切
断加工に対しても安定した高品質の製品を得る切断機が
提供される。
【0064】請求項5の発明によれば、切断工具の旋回
中心の位置がワーク幅方向の位置決め基準線上に位置し
ているので、前バイス装置のバイスジョーのたわみ角の
分だけ切断工具による切断位置を旋回させても切断位置
は角度だけを変化できる。もし、切断工具の旋回中心の
位置がワーク幅方向の位置決め基準から大きく離れた位
置にあると、前記切断位置は角度の変化だけではなく、
ワークの長さ方向にも変化することになる。
【0065】請求項6の発明によれば、旋回角検出装置
により切断工具の旋回角が検出されるので、旋回作動装
置で切断工具の旋回角が容易に且つ正確に修正される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の例に係わる切断機の一例として
例示した帯鋸盤の平面図であり、本体バイス装置と前バ
イス装置との関係を概念的に示す平面説明図である。
【図2】本実施の形態の例に係わる切断機の一例として
例示した帯鋸盤の側面図である。
【図3】前バイス装置の一対のバイスジョーでワークを
クランプしたときの平面説明図である。
【図4】本実施の形態の例の制御ブロック図である。
【符号の説明】
1 帯鋸盤 7 中心軸 11 旋回用シリンダ 15 カッティングヘッド 19 旋回角検出装置 23 エンコーダ 27 制御装置 29 本体バイス装置 31 固定バイスジョー 33 可動バイスジョー 39 第1クランプシリンダ 41 コンベア装置 47 前バイス装置 53 固定バイスジョー 55 第2クランプシリンダ 57 可動バイスジョー 61 ワーク先端検出装置 63 片持ち梁部 67 搬送シリンダ 73 ワーク後端検出装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切断機におけるワークの切断方法にし
    て、搬送装置により搬送されたワークが搬送方向へ搬送
    位置決めされ、このワークの後端が切断機に備えた本体
    バイス装置によってクランプ不可能な位置に位置してい
    ることをワーク後端検出装置により検出し、且つ前記ワ
    ークの先端が切断機に備えた前バイス装置のバイスジョ
    ーに有するたわみ発生領域内に位置していることをワー
    ク先端検出装置により検出したり、または自機切断履歴
    より計算された残材先端位置から求めた後、前記前バイ
    ス装置のバイスジョーにたわみを発生せしめる要因のデ
    ータを制御装置に入力し、このデータにより前記制御装
    置内に予め記憶させた演算式に基づいて前バイス装置の
    バイスジョーのたわみ角を演算し、このたわみ角を目標
    旋回角度に加減して得た修正旋回角度に基づき、切断機
    に備えた旋回作動装置により切断工具による切断位置を
    前記修正旋回角度の位置まで旋回するように制御してワ
    ークに切断加工を行うことを特徴とする切断機における
    ワークの切断方法。
  2. 【請求項2】 前記前バイス装置のバイスジョーにたわ
    みを発生せしめる要因のデータは、前バイス装置のバイ
    スジョーでクランプされたワーク先端部のクランプ長と
    前バイス装置によるワークに対するクランプ力並びに前
    バイス装置のクランプ部断面2次モーメントでなること
    を特徴とする請求項1記載の切断機におけるワークの切
    断方法。
  3. 【請求項3】 前記前バイス装置のバイスジョーのたわ
    み方向が前記旋回作動装置による切断工具の切断位置の
    旋回方向と同方向であるときは、前記制御装置で演算し
    たたわみ角を目標旋回角度に加算して修正旋回角度を算
    出し、一方、前記バイスジョーのたわみ方向が切断工具
    の切断位置の旋回方向と反対方向であるときは、前記た
    わみ角を目標旋回角度に減算して修正旋回角度を算出し
    てなることを特徴とする請求項1又は2記載の切断機に
    おけるワークの切断方法。
  4. 【請求項4】 ワークの被切断部を切断位置に位置する
    ようにワークを搬送方向への搬送位置決めをした後に、
    切断工具によりワークの被切断部に対して切断加工を行
    う切断機において、 前記切断工具は、当該切断工具によるワークの切断位置
    が上記搬送方向に対して直交する切断位置から搬送方向
    後方へ旋回自在に設け、この切断工具を旋回作動装置の
    作動により旋回方向へ往復可能に構成し、 上記搬送方向からみて切断位置の後側に、ワークをクラ
    ンプするための可動バイスジョー及び固定バイスジョー
    を備えた本体バイス装置を設け、 上記搬送方向からみて切断位置の前側に、前バイスクラ
    ンプ作動装置によりワークをクランプするための可動バ
    イスジョー及び固定バイスジョーを備えた前バイス装置
    を設けると共に、ワークのクランプ力を一定にする前バ
    イスクランプ作動装置を設け、 ワークの搬送によりワークの後端が本体バイス装置によ
    りクランプ不可能な位置に位置することを検出するワー
    ク後端検出装置を設け、 ワークの先端が前バイス装置のバイスジョーに有するた
    わみ発生領域内に位置したことを検出するワーク先端検
    出装置または予め計算された残材先端位置から求める自
    機切断履歴を設け、 前記ワーク後端検出装置によりワークの後端が本体バイ
    ス装置によりクランプ不可能な位置に位置することが検
    出され、且つ前記ワーク先端検出装置または自機切断履
    歴から計算された残材先端位置から求めたワークの先端
    が前バイス装置のたわみ発生領域内に位置したことが検
    出されると、たわみ発生領域内にクランプされたワーク
    先端部のクランプ長と前記前バイスクランプ作動装置に
    より一定にされたクランプ力とから、予め記憶させた演
    算式に基づいて前バイス装置のバイスジョーのたわみ角
    を演算し、この演算値のたわみ角を目標旋回角度に加減
    して修正旋回角度を算出し、この修正旋回角度に基づい
    て切断工具による切断位置を旋回するよう前記旋回作動
    装置を制御せしめる制御装置を設けてなることを特徴と
    する切断機。
  5. 【請求項5】 前記切断工具は、当該切断工具によるワ
    ークの切断位置が上記搬送方向に対して直交する切断位
    置におけるワーク幅方向の位置決め基準を中心にして搬
    送方向後方へ旋回自在に設けてなることを特徴とする請
    求項4記載の切断機。
  6. 【請求項6】 前記旋回作動装置による切断工具の旋回
    角を検出する旋回角検出装置を設け、切断工具による切
    断位置を前記修正旋回角度に旋回するよう旋回作動装置
    と旋回角検出装置とを制御可能に構成してなることを特
    徴とする請求項4又は5記載の切断機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5841216B1 (ja) * 2014-10-28 2016-01-13 宮川工機株式会社 火打ち加工装置
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