JPH09277007A - 真空ダイカスト装置における粉体離型剤の 塗布方法とその真空ダイカスト装置 - Google Patents

真空ダイカスト装置における粉体離型剤の 塗布方法とその真空ダイカスト装置

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JPH09277007A
JPH09277007A JP8115561A JP11556196A JPH09277007A JP H09277007 A JPH09277007 A JP H09277007A JP 8115561 A JP8115561 A JP 8115561A JP 11556196 A JP11556196 A JP 11556196A JP H09277007 A JPH09277007 A JP H09277007A
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sleeve
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勝男 長嶋
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    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D17/00Pressure die casting or injection die casting, i.e. casting in which the metal is forced into a mould under high pressure
    • B22D17/20Accessories: Details
    • B22D17/2007Methods or apparatus for cleaning or lubricating moulds

Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉体離型剤を経済的にキャビテーへ塗布する
ことができるとともにキャビテー内を真空引きすること
ができ、鋳造製品の品質を向上でき、鋳造のサイクルタ
イムを短縮化することのできる真空ダイカスト装置にお
ける離型剤の塗布方法とその真空ダイカスト装置を得
る。 【構成】 離型剤の塗布工程において、粉体吸引通路2
2とキャビテーCとを連通してキャビテーC内を減圧
し、粉体貯溜源内の粉体離型剤を粉体吐出路20、切換
流路13、給湯道11を介してキャビテーC内へ供給す
る。真空引き工程において、粉体吸引通路22を遮断
し、真空源Pを真空引き通路21、切換流路13、給湯
道11を介してキャビテーCと連通し、キャビテーC内
を真空状態に保持する。射出工程において、給湯道11
と切換流路13とを遮断するとともに給湯道11とスリ
ーブ8とを連通し、スリーブ8内の溶湯を真空状態にあ
るキャビテーC内に向けて射出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可動型入子と固定型入
子とによって形成されるキャビテー内を真空状態にして
射出成形を行なう真空ダイカスト装置において、キャビ
テーの金型面に粉体離型剤を塗布するための粉体離型剤
の塗布方法と、それを実施するに好適な真空ダイカスト
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の粉体離型剤の塗布方法は、特公平
7−63830号公報に示される。これによると、ダイ
カスト鋳造金型を型締めし、型締め後に金型キャビテー
の一方に連通する排気口から排気して金型の内部を減圧
し、金型キャビテーの他方に連通する給湯道から金型キ
ャビテー内へ離型剤を塗布したもので、給湯道への離型
剤の供給は、プランジャーチップが摺動自在に配置され
るスリーブ内を介して行なわれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の粉体離型剤
の塗布方法によると、以下の問題を有する。 (1)粉体離型剤は、スリーブ内に開口する離型剤吹付
け口からスリーブ内へ流入した後に、給湯道を介してキ
ャビテー内へ流入する。これによると、特に粉体離型剤
を供給する通路のうちスリーブ内の室容積が拡大されて
大容積をなすこと、及び粉体離型剤がワックス、タル
ク、黒鉛、等の微粒子混合固体であって質量を有するこ
と、からスリーブ内の底面に落下して滞留する。従っ
て、離型剤吹付け口から供給される粉体離型剤を効果的
にキャビテー内へ供給することが困難であり、スリーブ
内への落下、滞留をみこして極めて多量の粉体離型剤を
供給する必要があって大きな経済的損失を招くものであ
る。
【0004】(2)粉体離型剤は、ワックス、タルク、
黒鉛等の微粒子混合固体で形成され、これら成分のうち
有機系粉体は約120度で液化する。一方、スリーブ
は、鋳造時において、約200度迄温度上昇する。以上
によると、離型剤吹付け口からスリーブ内へ供給される
粉体離型剤のうち、有機系粉体は、スリーブ内において
液化し、スリーブ内の底部に滞留する。そして、このス
リーブ内に滞留する液化された粉体離型剤が溶湯の射出
成形時において、給湯口を介してスリーブ内へ供給され
る溶湯と混合してキャビテー内へ射出される。以上によ
ると、製品の品質を悪化させて好ましくない。更には、
型開きと同時に多量の油煙が発生し、環境を悪化させて
好ましいものではない。
【0005】(3)排気口から排気して金型内部のキャ
ビテーを減圧する際、給湯口は閉塞されなければならな
い。従って、排気口からの減圧に際し、シリンダー内の
プランジャーチップを前進した後に停止させて、シリン
ダー内に開口する給湯口を閉塞保持する必要がある。そ
して、減圧状態にあるキャビテー内に離型剤吹付け口を
介して粉体離型剤が供給されてキャビテー内の金型面に
粉体離型剤が塗布された後に、キャビテー内への溶湯の
射出に備え、プランジャーチップを再び後退させて給湯
口を開放する後退動作を必要とする。以上によると、粉
体離型剤の塗布に際して、必ずプランジャーチップの前
進、停止、後退動作を必要とするものでサイクルタイム
にロスが生じ生産効率の向上が阻害される。
【0006】本発明は、上記不具合に鑑み成されたもの
で、少量供給される粉体離型剤を効果的にキャビテー内
の金型面に付着することができ、粉体離型剤が液化して
製品の品質を悪化させることがなく、且つサイクルタイ
ムにロスのない真空ダイカスト装置における粉体離型剤
の塗布方法を得るとともにそれに実施するに当たって好
適な真空ダイカスト装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明になる真空ダイカス
ト装置における粉体離型剤の塗布方法は、前記目的達成
の為に、可動母型と固定母型とを型締めし、可動型入子
と固定型入子とによりキャビテーを形成し、粉体吸引通
路を開放してキャビテーと連通し、粉体貯溜源に連なる
粉体吐出路を、切換流路、給湯道を介してキャビテーと
連通するとともにスリーブと給湯道とを遮断し、粉体吸
引通路を介してキャビテー内を減圧することによって粉
体貯溜源内の粉体離型剤を粉体吐出路から切換流路、給
湯道を介して直接的にキャビテー内に供給してキャビテ
ー内の金型面に粉体離型剤を塗布する粉体離型剤の塗布
工程と;粉体吸引通路を閉塞してキャビテーと遮断し、
粉体吐出路と給湯道とを遮断し、真空源に連なる真空引
き通路を切換通路、給湯道を介してキャビテーと連通す
るとともにスリーブと給湯道とを遮断し、真空引き通
路、切換通路、給湯道を介してキャビテー内を真空状態
に保持する真空引き工程と;スリーブ内を前進するプラ
ンジャーチップによりスリーブ内の溶湯がキャビテー内
に向けて高速射出される際、キャビテーに連なる給湯道
と真空引き通路とを遮断し、キャビテーに連なる給湯道
とスリーブとを連通し、スリーブ内の溶湯を給湯道を介
してキャビテー内へ射出する射出工程と;よりなること
を第1の特徴とする。
【0008】又、本発明は、前記第1の特徴に加え、切
換流路を粉体離型剤の液状化温度以下の温度に冷却した
ことを第2の特徴とする。
【0009】又、前記真空ダイカスト装置への粉体離型
剤の塗布方法を実施する為の真空ダイカスト装置とし
て、プランジャーチップが移動自在に配置されるスリー
ブに連設されるとともに外周に給湯道に連なる開口が穿
設された粉体制御弁ガイド孔と;粉体制御弁ガイド孔内
に移動自在に配置され、開口とスリーブとを遮断した状
態において、切換流路と開口とを連通し、一方、開口と
スリーブとの連通状態において、切換流路と開口とを遮
断する粉体制御弁と;粉体貯溜源に連なる粉体吐出路
と、真空源に連なる真空引き通路と、の何れか一方と切
換流路とを択一的に連通する切換弁と;キャビテー内を
減圧するようキャビテー内に開口し、該開口が開閉弁に
て開閉制御される粉体吸引通路と;を備えたことを第3
の特徴とする。
【0010】又、本発明は、前記第3の特徴に加え、粉
体制御弁は、粉体制御弁ガイド孔に密接して摺動自在に
配置され、開口とスリーブとを連通及び遮断するととも
に切換流路と開口とを連通及び遮断する円筒弁部を備え
たことを第4の特徴とする。
【0011】又、本発明は前記第3の特徴に加え、粉体
制御弁は、粉体制御弁ガイド孔に密接して摺動自在に配
置され、開口とスリーブとを連通及び遮断するとともに
切換流路と開口とを連通及び遮断する円筒弁部を備え、
一方粉体制御弁内には、内部に冷却液体が導入される密
閉状の冷却凹部を形成し、該冷却凹部内に切換通路を配
置したことを第5の特徴とする。
【0012】
【作用】第1の特徴によると、キャビテー内は粉体吸引
通路によって減圧され、減圧状態にあるキャビテー内に
向けて、粉体吐出路、切換流路、給湯道を介して直接的
に粉体離型剤が供給されてキャビテー内の金型面に粉体
離型剤が塗布される。一方、真空引き工程において、真
空引き通路は、切換流路、給湯道を介してキャビテー内
に連絡され、真空源に生起する真空圧が上記通路を介し
てキャビテー内へ導入され、キャビテー内を真空状態に
保持する。そして、真空状態にあるキャビテー内に向け
てスリーブ内の溶湯が射出される。
【0013】第2の特徴によると、キビテー内へ供給さ
れる粉体離型剤は、粉体離型剤の液状化温度以下に冷却
されるので、粉体離型剤を浮遊流動状態に保持すること
ができ、これによって粉体離型剤が液状化することなく
効果的にキャビテー内の金型面に塗布することができ
る。
【0014】第3の特徴によると、粉体制御弁ガイド孔
内に移動自在に配置される粉体制御弁によって、粉体制
御弁ガイド孔に開口する開口と、スリーブと、真空引き
通路又は粉体吐出路との何れか一方と連通される切換流
路と、の連通、遮断を制御したので、粉体離型剤のキャ
ビテー内への塗布及びキャビテー内の真空引きを実施す
るに好適であって且つサイクルタイムにロスのない真空
ダイカスト装置を提供できる。
【0015】第4の特徴によると、開口とスリーブとの
連通、遮断及び切換流路と開口との連通、遮断を粉体制
御弁に設けた円筒弁部によって行なうことができ、簡便
な構造をもってそれらの制御を行なうことができる。
【0016】第5の特徴によると、粉体離型剤が通過す
る粉体吐出路に連なる切換流路は、冷却液体が導入され
る粉体制御弁内の冷却凹部内に配置されたので、粉体離
型剤を、粉体離型剤の液状化温度以下に効果的に冷却す
ることができるとともに粉体離型剤を簡便な構造をもっ
て冷却できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明になる真空ダイカスト装置にお
ける粉体離型剤の塗布方法と真空ダイカスト装置の一実
施例を図1、図2により説明する。1は一側の製品面に
相当する金型面1Aが凹設された固定型入子であり、こ
の固固定入子1は鋳造機の固定盤2に固定された固定母
型3内に固定して配置される。4は、他側の製品面に相
当する金型面4Aが凹設された可動型入子であり、この
可動型入子4は、ダイベース5を介して可動盤6に固定
された可動母型7内に固定して配置される。
【0018】この固定型入子1と可動型入子4との対向
面が当接することにより、固定型入子1の金型面1Aと
可動型入子4の金型面4Aとによって、製品形状に相当
するキャビテーCが形成される。8は、固定盤2を通し
て固定母型3に固定されたスリーブであり、スリーブ8
内にはプランジャーチップ9が移動自在に配置されると
ともにスリーブ8の右端近傍には給湯孔8Aが穿設され
てスリーブ8内に開口する。
【0019】10は、固定母型3に固定配置されたスプ
ールブッシュであり、スプールブッシュ10の右端はス
リーブ8の左端に当接する。又、スプールブッシュ10
の左端は固定母型3の左端面上にあり、スプールプッシ
ュ10の左端から右端に向けて粉体制御弁ガイド孔G1
が貫通して穿設され、この粉体制御弁ガイド孔G1の右
端はスリーブ8内に臨んで連設される。更に、スプール
ブッシュ10の左端近傍には粉体制御弁ガイド孔G1内
に開口する開口10Aが貫通して穿設され、この開口1
0Aは、キャビテーCに連なる給湯道11に連絡され
る。
【0020】可動母型7には、その右端から左端に向け
てガイドブッシュ12が固定配置され、このガイドブッ
シュ12には、スプールブッシュ10の粉体制御弁ガイ
ド孔G1と同径で且つ同芯をなす粉体制御弁ガイド孔G
2が貫通して穿設される。又、ガイドブッシュ12の右
端近傍の粉体制御弁ガイド孔G2内には、切換流路13
が開口して穿設される。そして、可動母型7と固定母型
3とが型締めされて、その対向面が当接された状態で、
ガイドブッシュ12の右端と、スプールブッシュ10の
左端とが当接し、ガイドブッシュ12の粉体制御弁ガイ
ド孔G2と、スプールブッシュ10の粉体制御弁ガイド
孔G1によって単一の粉体制御弁ガイド孔Gが同芯に形
成される。
【0021】そして、スプールブッシュ10及びガイド
ブッシュ12内に形成される粉体制御弁ガイド孔G内に
は、粉体制御弁Vが移動自在に配置される。粉体制御弁
Vは、その右端に粉体制御弁ガイド孔Gに密接する円筒
弁部14が形成され、円筒弁部14から左方に向かって
縮少筒部15が形成され、更に縮少筒部15から左方に
向かってガイド筒部16が形成され、更にガイド筒部1
6から左方に向かって操作杆部17が形成される。
【0022】18は、粉体制御弁Vに対向して配置され
たエアーシリンダー、油圧シリンダー、スプリング等よ
りなる駆動装置であり、粉体制御弁Vの左右方向に対す
る位置制御を行なう。駆動装置18の出力杆18Aの右
端は粉体制御弁Vの操作杆部17の左端に当接する。
【0023】前記切換通路13は切換弁19を介して粉
体貯溜槽T内に連なる粉体吐出路20に連絡されるとと
もに切換通路13は切換弁19を介して真空源Pに連な
る真空引き通路21に連絡される。この切換弁19は、
切換流路13と粉体吐出路20とを連通したとき、切換
流路13と真空引き通路21とを遮断し、一方、切換流
路13と粉体吐出路20とを遮断したとき、切換流路1
3と真空引き通路21とを連通する。
【0024】22は、一端がキャビテーC内に開口し、
他端が図示せぬ減圧装置としての真空ポンプ等に連絡さ
れた粉体吸引通路であり、該粉体吸引通路は、駆動装置
23によって動作される開閉弁24によって開閉制御さ
れる。
【0025】そして、粉体制御弁Vが粉体制御弁ガイド
孔G内においてもっとも右方へ移動した状態において、
粉体制御弁Vの円筒弁部14は、スリーブ8と給湯道1
1に連なる開口10Aを遮断し、開口10Aと切換流路
13とを連通する。又、粉体制御弁Vが粉体制御弁ガイ
ド孔G内においてもっとも左方へ移動した状態におい
て、円筒弁部14は、スリーブ8と開口10Aを連通
し、開口10Aと切換流路13とを遮断する。
【0026】次にその作用について説明する。真空ダイ
カスト鋳造における鋳造の1サイクルは、離型剤塗布工
程、真空引き工程、注湯工程、射出工程、凝固工程、製
品取出し工程、とに大別される。(便宜上、離型剤塗布
工程を最初とした) 離型剤塗布工程は、キャビテー内の金型面に離型剤を塗
布する工程であり、真空引き工程は、キャビテー内を真
空引きして真空状態に保持する工程であり、注湯工程は
スリーブ内に注湯孔より溶湯を注ぐ工程であり、射出工
程はスリーブ内に注湯された溶湯を、プランジャーチッ
プを移動させることによって給湯道を介してキャビテー
内へ溶湯を射出する工程であり、凝固工程はキャビテー
内へ射出された溶湯をキャビテー内にて固化させる工程
であり、製品取出し工程はキャビテー内で固化した製品
をキャビテーより取出す工程である。
【0027】ここで各工程について詳述する。まず離型
剤の塗布工程について説明する。可動母型7を固定母型
3に当接して型締めし、固定型入子1と可動型入子4と
を当接してキャビテーCを形成する。このとき、プラン
ジャーチップ9はスリーブ8の右端にあって給湯孔8A
は開放されている。そして駆動装置18は、出力杆18
Aを右方に伸ばし、操作杆部17を右方へ押圧移動させ
ることにより、粉体制御弁Vを図1において右方へ進め
て保持する。この状態において、円筒弁部14の右端1
4Aは、スリーブ8内に臨んで配置されるとともに円筒
弁部14はスリーブ8に臨むスプールブッシュ10の粉
体制御弁ガイド孔G1に密接して配置され、これによっ
てスリーブ8と給湯道11に連なる開口10Aが遮断さ
れる。一方、円筒弁部14より左方にある縮少筒部15
の外周と、粉体制御弁ガイド孔Gとにより環状の間隙が
形成され、切換流路13と給湯道11に連なる開口10
Aとはこの間隙を介して連通される。
【0028】又、切換流路13と粉体貯溜槽Tに連なる
粉体吐出路20とは切換弁19を介して連通され、この
とき切換流路13と真空引き通路21とは遮断される。
更に又、駆動装置23を駆動することにより開閉弁24
を図において左動させ粉体吸引通路22を開放し、粉体
吸引通路22によってキャビテーCと図示せぬ減圧装置
とを連通する。
【0029】そしてかかる状態において、減圧装置を駆
動することにより、粉体吸引通路22を介して負圧をキ
ャビテーC内に導入し、キャビテーC内を減圧する。そ
して、このキャビテーC内において低下した圧力は、給
湯道11、開口10A、縮少筒部15の外周の間隙、切
換流路13、切換弁19を介して粉体吐出路20に作用
する。以上によると、粉体貯溜源T内において、エアに
より浮遊流動状態にある超微粒子固体よりなるワック
ス、タルク、黒鉛、等の粉体離型剤は、粉体吐出路2
0、切換弁19、切換流路13、間隙を介して開口10
A内へ吸出され、更に開口10Aより給湯道11を介し
てキャビテーC内へ吸出されてキャビテーC内が粉体離
型剤によって充満される。そしてキャビテーC内にある
粉体離型剤は、キャビテーCを形成する金型面1A,4
Aに衝突して金型面に塗布される。一方、キャビテーC
内に残存する粉体離型剤は、粉体吸引通路22を介して
減圧装置側に吸引されて排出される。
【0030】そして、減圧装置によってキャビテーC内
を減圧する時間、いいかえると、キャビテーC内に粉体
離型剤を供給し、金型面に粉体離型剤を塗布する時間
は、キャビテーCの金型面構造キャビテーCの容量、等
によって適宜最適な時間に設定されるもので、この定め
られた時間の経過後において、開閉弁24は駆動装置2
3によって再び粉体吸引通路22を閉塞して保持する。
この粉体吸引通路22が閉塞されると、キャビテーC内
の減圧状態が解除されるので粉体吐出路20からキャビ
テーC内への粉体離型剤の供給は自動的に停止される。
【0031】真空引き工程について説明する。粉体吸引
通路22は開閉弁24によって遮断されて保持される。
粉体制御弁Vは、前記塗布工程時と同様に右方位置にあ
り、スリーブ8と開口10Aとが遮断される。一方、切
換流路13と真空引き通路21とは切換弁19によって
連通され、切換流路13と粉体吐出路20とは切換弁1
9によって遮断される。従って、開口10Aは、縮少筒
部15の外周の間隙、切換流路13、切換弁19、真空
引き通路21を介して真空源Pと連通される。以上によ
ると、真空源P内に生起する真空圧は前記各通路を介し
て開口10Aに達し、給湯道11を介してキャビテーC
内へ導入される。従ってキャビテーC内は真空状態に保
持される。このキャビテーC内の真空引き状態は、粉体
制御弁Vが左方に移動し、円筒弁部14によって開口1
0Aと真空引き通路21とが遮断されるまで継続して行
なわれる。粉体離型剤を塗布することができ、且つ均一
に粉体離型剤を塗布することができたものである。
【0032】注湯工程について説明する。注湯工程にお
いて、粉体制御弁V及びプランジャーチップ9、開閉弁
24、切換弁19は真空引き工程と同一状態にある。す
なわち、粉体制御弁Vについてみると、粉体制御弁Vは
右方位置にあって、円筒弁部14がスプールブッシュ1
0の粉体制御弁ガイドG1に密接して配置され、スリー
ブ8と開口10Cとを遮断する。又、プランジャーチッ
プ9についてみると、プランジャーチップ9はスリーブ
8の右端にあって給湯孔8Aを開口する。そして、注湯
孔8Aからスリーブ8内にむけて溶湯を所望の量注入す
る。以上がスリーブ8内への溶湯の注湯工程であるが、
かかる注湯工程は前記離型剤の塗布工程あるいは真空引
き工程と同時に行なうことができる。これは、粉体制御
弁Vが右方位置にあり、円筒弁部14が、スリーブ8と
開口10Cを遮断しているからである。
【0033】次に射出工程について説明する。スリーブ
8の右端近傍にあるプランジャーチップ9は、給湯孔8
Aを閉塞しつつ左方へ移動し、スリーブ8内の容積を徐
々に減少させる。そしてプランジャーチップ9の移動初
期である低速移動から高速移動に入ると、スリーブ8内
の溶湯の圧力は上昇し、この溶湯圧力を粉体制御弁Vの
右端14Aが受けて、粉体制御弁Vは駆動装置18の右
方向押圧力に抗して左方へ移動する。この粉体制御弁V
の左方向移動によると、円筒弁部14は、開口10Aと
切換流路13とを遮断するとともに開口10Aとスリー
ブ8とを連通する。以上によると、スリーブ8内にある
昇圧された溶湯は、開口10A、給湯道11を介して真
空状態にあるキャビテーC内に向けて一気に射出され
る。この状態は、図2に示される。
【0034】この粉体制御弁Vの左方移動の開始時期
は、少なくともプランジャーチップ9が高速移動後にお
いて行なわれるのが好ましい。又、粉体制御弁Vを左方
へ移動する駆動力は、溶湯圧力を利用するものに代え、
プランジャーチップ9の位置を感知して電磁装置を動作
して移動させてもよい。
【0035】そして、この射出工程終了後、型締め状態
にて一定時間を経過することによってキャビテーC内に
射出された溶湯が冷却されて凝固するものでこれが凝固
工程である。
【0036】次に製品取出し工程であるが、これに先立
って可動母型7は固定母型3より離れて型開き状態とな
り、キャビテーCにて凝固して、成形された製品は例え
ば可動型入子4のキャビテーCの金型面4Aに取り付い
た状態にて可動型入子4とともに移動し、しかる後に図
示せぬ押し出しピンによって可動型入子4の金型面4A
より押し出され、製品が取り外されるものである。
【0037】以上述べた通り、本発明になる真空ダイカ
スト装置における粉体離型剤の塗布方法によると、次の
格別な効果を奏する。 (1)粉体離型剤は、粉体吐出路20、切換弁19、切
換流路13、粉体制御弁ガイド孔Gと縮少筒部15の外
周間隙、開口10A、給湯道11を介してキャビテーC
内へ供給される。以上によると、粉体離型剤は全て小容
積を有する通路内を通過するので粉体離型剤の流速を高
めることができ、それら通路内に落下して滞留すること
がない。従って、粒体吐出路20から供給される粉体離
型剤はそのほとんど全てをキャビテーC内へ供給される
ので、落下、滞留をみこした多量の粉体離型剤を必要と
するものでなく、経済的効果を高めることができたもの
である。
【0038】(2)前記、各通路内に粉体離型剤が落下
して滞留することがなくなったこととは、溶湯の射出時
において滞留する粉体離型剤が溶湯に巻き込まれること
がないので製品の鋳造品質を高めることができた。
【0039】(3)離型剤塗布工程において、離型剤塗
布の為にプランジャーチップ9の前進、停止、後退動作
を必要としない。これによると離型剤塗布工程から製品
取出し工程迄の鋳造のサイクルタイムを短縮することが
でき、生産効率を向上することができる。
【0040】(4)キャビテーC内の真空引きは、離型
剤塗布工程後において、粉体吸引路22を開閉弁24に
よって閉塞すること、及び切換弁19を操作し、真空引
き通路21を切換流路13に連通することによって行な
われる。以上によると、真空引きの為の操作は極めて簡
単で且つ容易に行なわれるもので、更にキャビテー内を
効果的に真空保持できる。
【0041】(5)離型剤塗布工程及び真空引き工程に
おいて、粉体制御弁Vはもっとも右方位置にあって、円
筒弁部14によってスリーブ8と開口10Aが遮断され
る。従って、離型剤塗布工程及び真空引き工程を行なっ
ている間にスリーブ8内への注湯工程を同時に行なうこ
とができる。従って鋳造のサイクルタイムを大きく短縮
できて生産効率の向上と、鋳造コストの低減を図ること
ができる。
【0042】(6)スリーブ8に連なる粉体制御弁ガイ
ド孔Gの外周に給湯道11に連なる開口10Aと切換流
路13とを穿設し、粉体制御弁ガイド孔G内に、開口1
0Aとスリーブ8と切換流路13とを連通、遮断する粉
体制御弁Vを移動自在に配置し、切換流路13を切換弁
19を介して粉体吐出路20に連通するとともに真空引
き通路21に連通し、更にキャビテーC内に連なる粉体
吸引通路22に開閉弁24を配置したことによると、そ
の構造を極めて簡単にまとめることができ、従来の母型
への実施を容易に行なうことができる。 (7)このうち、特にスリーブ8の長手軸芯線と粉体制
御弁ガイド孔Gの長手軸芯線とを同芯に配置し、粉体制
御弁Vを前記長手軸芯線に沿って配置し、粉体制御弁V
に開口10Aとスリーブ8とを連通、遮断するとともに
切換流路13と開口10Aとを連通、遮断する円筒弁部
14を設けたことは、粉体制御弁Vを含むダイカスト装
置全体を小型化するに一層好適なものである。
【0043】図3には本発明になる真空ダイカスト装置
の他の実施例が示される。第1の実施例と同一構造部分
は同一符号を使用し、異なる構成のみを説明する。30
は、固定母型3に固定配置されたスプールブッシュであ
り、スプールブッシュ30の右端はスリーブ8の左端に
当接し、その内部には右端から左方に向けて粉体制御弁
ガイド孔G1が穿設され、更にこの粉体制御弁ガイド孔
G1から係止段部30Aを介して左端に向けてガイドブ
ッシュを嵌合配置するガイドブッシュ嵌合孔30Bが穿
設される。そして、前記粉体制御弁ガイド孔G1は、ス
リーブ8内に開口し、ガイドブッシュ嵌合孔30Bは、
固定母型3の左端面に開口する。又、粉体制御弁ガイド
孔G1内には、開口30Cが開口して穿設されるもの
で、この開口30Cは、給湯道11を介してキャビテー
C内へ連絡される。
【0044】可動母型7には、その右端面より右方に向
かって突出するガイドブッシュ31が固定配置される。
可動母型7の右端面より突出するガイドブッシュ31の
ガイド突部31Aは、スプールブッシュ30のガイドブ
ッシュ嵌合孔30Bに嵌合配置される形状を有する。一
方、ガイドブッシュ31のガイド突部31Aの右端面か
ら左方に向かってスプールブッシュ30の粉体制御弁ガ
イド孔G1と同径をなす粉体制御弁ガイド孔G2が穿設
され、さらに粉体制御弁ガイド孔G2の左方に形成され
る係止段部31Bからガイドブッシュ31の左端に向か
って小径のガイド孔31Cが貫通して穿設される。又、
可動母型7の左端からガイドブッシュ31のガイド孔3
1Cに向けてガイド孔32が穿設される。ガイド孔32
とガイド孔31Cは同径で且つ同芯に形成された。
【0045】以上によると、固定母型3の左端近傍に
は、スプールブッシュ30が配置されるとともに固定母
型3の左端にスプールブッシュ30のガイドブッシュ嵌
合孔30Bが開口し、更に係止段部30Aと粉体制御弁
ガイド孔G1と、が固定金型3の左端に臨んで開口す
る。一方、固定母型3の右端近傍には、プランジャーチ
ップ9を備えたスリーブ8が固定配置され、スリーブ8
の左端がスプールブッシュ30の右端に当接し、更にス
リーブ8にスプールブッシュ30の粉体制御弁ガイド孔
G1が臨んで開口する。
【0046】又、可動母型7の右端近傍にはガイドブッ
シュ31が固定配置され、可動母型7の右端よりガイド
突部31Aが右方に向かって突出する。一方、ガイド筒
部31Aの右端から左方に向かって粉体制御弁ガイド孔
G2が穿設され、この粉体制御弁ガイド孔G2の左方に
形成された係止段部31Bよりガイドブッシュ31の左
端に向かってガイド孔31Cが穿設される。このガイド
ブッシュ31のガイド孔31Cには、可動母型7の左端
に開口して穿設されたガイド孔32が同芯に連設され
る。
【0047】そして、固定母型3の左端と可動母型7の
右端とが型締めされて当接されると、ガイドブッシュ3
1のガイド突部31Aは、スプールブッシュ30のガイ
ドブッシュ嵌合孔30B内に嵌合されるとともにガイド
突部31Aの右端がスプールブッシュ30の係止段部3
0Aに当接する。一方、スプールブッシュ30の粉体制
御弁ガイド孔G1と、ガイドブッシュ31の粉体制御弁
ガイド孔G2と、が同芯に連設されて粉体制御弁ガイド
孔Gを形成し、ガイドブッシュ31のガイド孔31C
と、可動母型7のガイド孔32とは同芯に配置される。
すなわち、粉体制御弁ガイド孔G1と、粉体制御弁ガイ
ド孔G2とが連設されることにより単一の粉体制御弁ガ
イド孔Gが形成され、ガイド孔31Cとガイド孔32と
が連設されることにより単一のガイド孔Bが形成され
る。又、スリーブ8は、スプールブッシュ30の粉体制
御弁ガイド孔G1と同芯に形成されるとともに粉体制御
弁ガイド孔G1内に連通される。又、可動母型7の左端
にガイド孔32が開口する。更に又、粉体制御弁ガイド
孔G1内に開口する開口30Cは、ガイドブッシュ嵌合
孔30Bの内周部分とガイド突部31Aの外周部分とに
よって形成される通路Eを介して給湯道11に連絡さ
れ、この給湯道11がキャビテーC内に開口する。
【0048】そして、スプールブッシュ及びガイドブッ
シュ内に形成される粉体制御弁ガイド孔G内及びガイド
ブッシュ及び可動母型7内に形成されるガイド孔B内に
は、移動自在に粉体制御弁Vが配置される。粉体制御弁
Vは、右端に円筒弁部33が形成され、円筒弁部33か
ら左方に向かって摺動筒部34が形成される。
【0049】円筒弁部33は、粉体制御弁ガイド孔Gに
密接して粉体制御弁ガイド孔G内を移動するもので、円
筒弁部33の左方の縮少段部33Aから、円筒弁部33
の直径より小径をなし、ガイド孔Bに移動自在に摺接さ
れる摺動筒部34が左方に向かって形成される。この円
筒弁部33の右端33Bはスリーブ8内に臨んで配置さ
れ、円筒弁部33の縮少段部33Aがガイドブッシュ3
1の係止段部31Bに当接する間の距離Xに相当して粉
体制御弁Vは移動する。
【0050】35は、粉体制御弁Vの左端35A(摺動
筒部34の左端である)から円筒弁部33の右端33B
近傍に向けて凹設された冷却凹部であり、この冷却凹部
35の左端35Aへの開口は、閉塞プラグ36によって
閉塞される。従って冷却凹部35は密閉室をなす。そし
て、この冷却凹部35内には、冷却水導入路36Aと冷
却水排出路36Bとが開口し、冷却液体が冷却水導入路
36Aから冷却凹部35内へ供給され、冷却凹部35内
を冷却液体が循環した後に冷却水排出路36Bより排出
され、もって冷却凹部35内を定められた一定温度状態
に保持する。
【0051】37は、冷却凹部35内に配置された切換
流路であって、その吐出開口37Aは、円筒弁部33の
近傍の摺動筒部34の外周に開口し、流入開口37Bは
切換弁19に連絡される。
【0052】そして、前記駆動装置18の出力杆18A
がもっとも右方へ伸びた状態において、粉体制御弁Vは
図においてもっても右方位置にあり、円筒弁部33は、
スリーブ8と開口30Cとを遮断し、切換流路37の吐
出開口37Aと、開口30Cとを連通する。一方、出力
杆18Aが左方へ縮んだ状態において、粉体制御弁V
は、図において左方位置にあって、円筒弁部33の縮少
段部33Aが粉体制御弁ガイド孔G2の係止段部31B
に当接する。この状態は後述する図4に示される。かか
る状態において、スリーブ8と開口30Cとは連通さ
れ、切換流路37の吐出開口37Aはガイド孔31C、
円筒弁部33の外周によって閉塞されて吐出開口37A
と開口30Cとは遮断される。
【0053】次にその作用について説明する。真空ダイ
カスト鋳造は、前記第1の実施例と同様に行なわれるも
のである。離型剤の塗布工程について説明する。可動母
型7を固定母型3に当接して型締めし、固定型入子1と
可動型入子4とを当接してキャビテーCを形成する。こ
のとき、プランジャーチップ9はスリーブ8の右端にあ
って給湯孔8Aは開放されている。駆動装置18を駆動
し、出力杆18Aを伸ばすことによって粉体制御弁Vを
図1において右方へ前進して保持する。この状態におい
て、円筒弁部33の右端33Bは、スリーブ8内に臨ん
で配置されるとともに円筒弁部33がスリーブ8に臨む
粉体制御弁ガイド孔G1に密接し、円筒弁部33は、ス
リーブ8と給湯道11に連なる開口30Cとを遮断す
る。一方、切換流路37の吐出開口37Aは、摺動筒部
34の外周から粉体制御弁ガイド孔G内に開口し、粉体
制御弁ガイド孔G内に開口する開口30Cと連通され、
この開口30Cは通路E、給湯道11を介してキャビテ
ーC内へ連絡される。又、切換弁19を操作し、粉体吐
出路20と切換流路37とが連通され、さらに駆動装置
23を駆動することにより開閉弁24を図において左動
させ、粉体吸引通路22を開放し、粉体吸引通路22に
よってキャソビテーCと図示せぬ減圧装置とを連通す
る。さらにまた、冷却水導入路36Aより冷却凹部35
内に向けて冷却液体が導入され、この冷却液体は冷却凹
部35内を循環した後に冷却水排出路36Bより再び排
出され、この冷却凹部35内の液体温度を粉体離型剤に
含まれる有機系粉体の液状化温度以下の温度、例えば1
20℃以下の温度に保持する。この冷却凹部35内への
冷却液体の供給は、少なくともかかる離型剤の塗布工程
において行なわれなければならない。そしてかかる状態
において、減圧装置を駆動することにより、粉体吸引通
路22を介して負圧をキャビテーC内に導入し、キャビ
テーC内を減圧する。そして、このキャビテーC内にお
いて低下した圧力は、給湯道11、通路E、開口30
C、粉体制御弁ガイド孔Gを介して、切換流路37の吐
出開口37A、流入開口37B、切換弁19、粉体吐出
路20に作用する。以上によると、粉体貯溜源T内にお
いて、エアにより浮遊流動状態にある超微粒子固体より
なるワックス、タルク、黒鉛、等の粉体離型剤は、粉体
吐出路20、切換弁19、切換流路37、を通過して吐
出開口37Aより、粉体制御弁ガイド孔Gをへて開口3
0C内へ吸出され、更に開口30Cより通路E、給湯道
11を介してキャビテーC内へ吸出されてキャビテーC
内が粉体離型剤によって充満される。そしてキャビテー
C内にある粉体離型剤は、キャビテーCを形成する金型
面1A,4Aに衝突して金型面に塗布される。一方、キ
ャビテーC内に残存する粉体離型剤は、粉体吸引通路2
2,19を介して減圧装置側に吸引されて排出される。
【0054】そして、前記粉体離型剤の塗布工程におい
て、切換流路37内を通過する粉体離型剤は、冷却凹部
35内の冷却液体により一定温度以下の温度状態に冷却
される。すなわち、粉体離型剤としてワックス、タル
ク、黒鉛等の微粒子混合固体を用いた場合、これら成分
のうちの有機系粉体は約120度で液化するものであ
る。従って冷却凹部35内の冷却液体により切換流路3
7を冷却し、切換流路37内を通過する粉体離型剤の温
度が120度以下になる様冷却し、もって粉体離型剤の
液状化を防止する。以上によると、切換流路37内にお
いて粉体離型剤が液状化することがなく、浮遊流動状態
にある粉体離型剤を切換流路37の吐出開口37Aより
開口30C、通路E、給湯道11を介してキャビテーC
内へ供給できる。従って、粉体貯溜源Tから供給される
粉体離型剤が、途中の供給配管内に滞留することがな
く、全てキャビテーC内へ供給されるので経済的効果を
大きく向上できるものである。又、粉体離型剤の液状化
が抑止されたことは、微粒状態にある粉体離型剤をキャ
ビテーC内へ供給することができたものであり、これに
よるとキャビテーCの金型面1A,4Aのすみずみ迄粉
体離型剤を塗布することができ、且つ均一に粉体離型剤
を塗布することができたものである。
【0055】真空引き工程は、以下によって行なわれ
る。前記、粉体離型剤の塗布工程の状態に対し、開閉弁
24によって粉体吸引通路22を閉塞し、一方切換弁1
9を操作して真空引き通路21と切換流路37とを連通
し、かかる状態において真空源Pに生起する真空圧を、
真空引き通路21、切換弁19、切換流路37、吐出開
口37A、粉体制御弁ガイド孔G、開口30C、通路
E、給湯道11を介してキャビテーC内へ加え、これに
よってキャビテーC内を真空状態に保持しうる。
【0056】注湯工程について説明すると、注湯工程
は、離型剤塗布工程あるいは真空引き工程時に同時に行
なうことができるもので、プランジャーチップ9はスリ
ーブ8の右端にあって給湯孔8Aを開口し、この給湯孔
8Aから溶湯が所望の量スリーブ8内へ注入される。
【0057】射出工程は、前記第1の実施例と同様に行
なわれるもので、開閉弁24は粉体吸引通路22を閉塞
して保持し、プランジャーチップ9の高速移動後におい
て粉体制御弁Vの円筒弁部33は距離X左方へ移動し、
縮少段部33Aがガイドブッシュ31の係止段部31B
に当接して、その左方向移動が停止する。従って、スリ
ーブ8内において昇圧された溶湯は、開口30C、通路
E、給湯道11を介して真空状態にあるキャビテーC内
へ射出される。一方、切換流路37の吐出開口37A
は、ガイドブッシュ31のガイド孔31C及び円筒弁部
33の外周によって閉塞される。この状態が図4に示さ
れる。
【0058】次いで凝固工程と、製品取出し工程とは第
1の実施例と同様に行なわれる。
【0059】以上の如く、本発明の第2の実施例による
と、 (1)切換流路37内を流れる粉体離型剤は、冷却凹部
35内の冷却液体により一定温度以下に冷却されて吐出
開口37Aより吸出される。以上によると、粉体離型剤
を構成する有機系粉体の液状化温度以下の温度状態に粉
体離型剤を保持できるので吐出開口37Aからキャビテ
ーC内へ至る通路内において粉体離型剤が液状化するこ
とがない。従って、キャビテーC内へ射出される溶湯内
に液状化した粉体離型剤が巻き込まれて射出されること
がなく、鋳造製品の品質の向上と安定を達成できる。
【0060】(2)粉体離型剤の液状化が抑止されたこ
とは、成型後における型開き時において、液状化された
粉体離型剤による油煙の発生が無くなり作業環境を大き
く改善することができたものである。特に従来用いられ
る如き大型化された排煙設備を必要としない。
【0061】(3)粉体離型剤を一定温度以下の温度状
態に保持する為に、粉体制御弁G内に冷却液体を貯溜す
る冷却凹部35を形成し、該冷却凹部内に切換流路37
を配置したことによると、粉体離型剤を効果的に一定温
度以下の温度状態に保持することができ、且つ冷却の為
の装置を極めて簡単にして且つ小型化でき、従来の母型
への実施が容易なるものである。
【0062】
【発明の効果】以上の如く、本発明になる真空ダイカス
ト装置における粉体離型剤の塗布方法によると、キャビ
テー内を良好に真空状態に保持できるとともに少量の粉
体離型剤を効果的にキャビテー内に供給し、キャビテー
内の金型面に粉体離型剤を塗布できるもので経済的効果
を高めることができる。又、各通路内において粉体離型
剤が落下して滞留することがなく、且つ通路内において
粉体離型剤が液状化することがないので、それらが真空
引き通路内に吸引されることがなく、且つ鋳造時におい
て巻き込まれることがなく、鋳造品の品質を安定、向上
できる。又、粉体離型剤の液状化が抑止されたことによ
ると、鋳造後における型開き時において油煙の発生を抑
止できて作業環境を大きく改善できた。又、粉体離型剤
の塗布工程において、塗布の為にプランジャーチップを
前進、停止、後退させる必要がなく、更には塗布工程時
あるいは真空引き工程時において同時に注湯工程を行な
うことができるので、鋳造のサイクルタイムを短縮でき
て、生産効率の向上と、鋳造コストの低減を達成でき
る。又、粉体制御弁ガイド孔内に粉体制御弁を移動自在
に配置し、この粉体制御弁によって、スリーブと給湯道
に連なる開口と切換流路と連通、遮断したことによる
と、装置を小型化できるとともに簡単な構造とすること
ができ、従来の母型への採用を容易にすることができ
る。又、粉体制御弁内に冷却凹部を設け、冷却凹部内へ
切換流路を配置したことによると、粉体離型剤を冷却す
る為の装置を極めて簡単にして且つ小型化でき、従来の
母型への採用を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる真空ダイカスト装置の第1実施例
を示す要部断面図であり、粉体制御弁によってスリーブ
と開口が遮断された状態を示す。
【図2】図1において、粉体制御弁によってスリーブと
開口が連通された状態を示す。
【図3】本発明になる真空ダイカスト装置の第2実施例
を示す要部断面図であり、粉体制御弁によってスリーブ
と開口が遮断された状態を示す。
【図4】図3において粉体制御弁によってスリーブと開
口が連通された状態を示す。
【符号の説明】
1 固定型入子 4 可動型入子 8 スリーブ 9 プランジャーチップ 10 スプールブッシュ 10A 開口 11 給湯道 12 ガイドブッシュ 13 切換通路 14 円筒弁部 19 切換弁 20 粉体吐出路 21 真空引き通路 22 粉体吸引通路 24 開閉弁 C キャビテー T 粉体貯溜源 P 真空源

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動母型と固定母型とを型締めし、可動
    型入子と固定型入子とによりキャビテーを形成し、粉体
    吸引通路を開放してキャビテーと連通し、粉体貯溜源に
    連なる粉体吐出路を、切換流路、給湯道を介してキャビ
    テーと連通するとともにスリーブと給湯道とを遮断し、
    粉体吸引通路を介してキャビテー内を減圧することによ
    って粉体貯溜源内の粉体離型剤を粉体吐出路から切換流
    路、給湯道を介して直接的にキャビテー内に供給してキ
    ャビテー内の金型面に粉体離型剤を塗布する粉体離型剤
    の塗布工程と;粉体吸引通路を閉塞してキャビテーと遮
    断し、粉体吐出路と給湯道とを遮断し、真空源に連なる
    真空引き通路を切換通路、給湯道を介してキャビテーと
    連通するとともにスリーブと給湯道とを遮断し、真空引
    き通路、切換通路、給湯道を介してキャビテー内を真空
    状態に保持する真空引き工程と;スリーブ内を前進する
    プランジャーチップによりスリーブ内の溶湯がキャビテ
    ー内に向けて高速射出される際、キャビテーに連なる給
    湯道と真空引き通路とを遮断し、キャビテーに連なる給
    湯道とスリーブとを連通し、スリーブ内の溶湯を給湯道
    を介してキャビテー内へ射出する射出工程と;よりなる
    真空ダイカスト装置における粉体離型剤の塗布方法。
  2. 【請求項2】 前記、切換流路を粉体離型剤の液状化温
    度以下の温度に冷却したことを特徴とする請求項1記載
    の真空ダイカスト装置における粉体離型剤の塗布方法。
  3. 【請求項3】 プランジャーチップが移動自在に配置さ
    れるスリーブに連設されるとともに外周に給湯道に連な
    る開口が穿設された粉体制御弁ガイド孔と;粉体制御弁
    ガイド孔内に移動自在に配置され、開口とスリーブとを
    遮断した状態において、切換流路と開口とを連通し、一
    方、開口とスリーブとの連通状態において、切換流路と
    開口とを遮断する粉体制御弁と;粉体貯溜源に連なる粉
    体吐出路と、真空源に連なる真空引き通路と、の何れか
    一方と切換流路とを択一的に連通する切換弁と;キャビ
    テーC内を減圧するようキャビテーC内に開口し、該開
    口が開閉弁21にて開閉制御される粉体吸引通路19
    と;を備えてなる真空ダイカスト装置。
  4. 【請求項4】 前記、粉体制御弁は、粉体制御弁ガイド
    孔に密接して摺動自在に配置され、開口とスリーブとを
    連通及び遮断するとともに切換流路と開口とを連通及び
    遮断する円筒弁部を備えてなる請求項3記載の真空ダイ
    カスト装置。
  5. 【請求項5】 前記、粉体制御弁は、粉体制御弁ガイド
    孔に密接して摺動自在に配置され、開口とスリーブとを
    連通及び遮断するとともに切換流路と開口とを連通及び
    遮断する円筒弁部を備え、一方粉体制御弁内には、内部
    に冷却液体が導入される密閉状の冷却凹部を形成し、該
    冷却凹部内に切換通路を配置してなる請求項3記載の真
    空ダイカスト装置。
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