JPH09271505A

JPH09271505A - 介護用ベッド

Info

Publication number: JPH09271505A
Application number: JP8082565A
Authority: JP
Inventors: Taiji Isaka; 泰治伊坂
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1996-04-04
Filing date: 1996-04-04
Publication date: 1997-10-21
Anticipated expiration: 2016-04-04
Also published as: JP2926315B2

Abstract

(57)【要約】【課題】大きな専有面積を占めず、一人の看護人によ
り寝たきりの病人等を容易に入浴させることができる介
護用ベッドを提供すること。【解決手段】間隔を設けて配置された一対の横梁１０
を複数の脚部１１で支えて成るベッド架台１と、前記横
梁１０，１０相互間に直接又は他の部材を介して架設さ
れた板状の受け具２と、前記受け具２と床面との間の空
間部分に配置された浴槽３と、前記ベッド架台１に取り
付けられ且つ人間を吊った状態で上下動させるリフト４
とを具備させてあり、前記受け具２は横梁１０，１０相
互間の空域を露出させるべく容易に移動できるようにし
てある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、介護用ベッドに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】脊髄の損傷等により身体の自由がきかな
くなった病人や老人を看護することは重労働を伴うもの
であり、介護人が女性である場合にはその負担は非常に
大きい。

【０００３】特に、入浴させる作業に関しては、病人等
を、a.ベッドから車椅子に移す作業、b.車椅子で浴室ま
で移す作業、c.車椅子から浴槽内に移す作業、d.前記ａ
〜ｃの逆の作業が、必要となり、介護にとって非常に負
担が大である。

【０００４】したがって、入浴が病人等の身体にとって
非常に良いこととわかっているにもかかわらず、あまり
入浴させることができないという問題があった。

【０００５】なお、ベッドと浴槽とを接近して配置させ
ることにより上記作業による介護人の負担を軽減するこ
とが考えられるが、作業負担の軽減度合いが十分でない
と共にベッドと浴槽により大きな専有面積を占めること
になる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明で
は、大きな専有面積を占めず、一人の看護人により寝た
きりの病人等を容易に入浴させることができる介護用ベ
ッドを提供することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明の介護用ベッド
は、間隔を設けて配置された一対の横梁１０を複数の脚
部１１で支えて成るベッド架台１と、前記横梁１０，１
０相互間に直接又は他の部材を介して架設された板状の
受け具２と、前記受け具２と床面との間の空間部分に配
置された浴槽３と、前記ベッド架台１に取り付けられ且
つ人間を吊った状態で上下動させるリフト４とを具備さ
せてあり、前記受け具２は横梁１０，１０相互間の空域
を露出させるべく容易に移動できるようにしてある。

【０００８】この介護用ベッドにおいて入浴する場合の
一態様について以下に説明する。 a.ベッド上で横たわっている病人等をリフト４により吊
り上げる。 b.受け具２上に載置されている布団等を退け、横梁１
０，１０相互間の空域を露出させるべく受け具２を移動
させる。 c.リフト４を駆動状態にして病人等を降下させていき、
病人等を横梁１０，１０相互間を通過させて浴槽３内に
入れる。 d.入浴が終了すると、排水し浴槽３内を拭く。そして、
リフト４を駆動状態にして上昇させ、受け具２が配置さ
れる位置よりも高い位置まで病人等を吊り上げる。 e.受け具２が横梁１０，１０相互間に架設状態になるま
で移動させる。 f.受け具２上に布団等を敷く。 g.リフト４を駆動状態にして病人等を降下させ、ベッド
上に寝かせる。

【０００９】ここで、病人等の身体についている水分は
ｄ又はその他のときに拭き取るようにればよい。

【００１０】なお、上記介護用ベッドにおいて、浴槽３
が、ベッ架台１に上下動可能に取り付けられていること
が好ましい。この場合、病人等の昇降域は小さいものと
なり病人等の精神的負担を軽減することが可能となると
共に入浴時において受け具２を浴槽３の下方に収容させ
ておくことが可能になる。

【００１１】また、上記介護用ベッドにおいて、ベッド
架台１及びその上方、並びに浴槽３が配置された空間を
包囲することが可能なカーテン５を具備させてあること
が好ましい。これにより、入浴時における病人等のプラ
イバシーは確保される。

【００１２】このように、この発明の介護用ベッドを導
入した場合、一人の看護人により寝たきりの病人等を容
易に入浴させることができる。

【００１３】また、ベッド架台１と浴槽とは同一平面上
にあるから、大きな専有面積を占めることもない。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に従って説明する。

【００１５】この実施形態の介護用ベッドは、基本的に
は図１に示すように、人間の背丈よりも大きな間隔で配
置された一対の横梁１０を４本の脚部１１で支えて成る
ベッド架台１と、前記横梁１０，１０相互間に架設され
たマット２’（課題を解決するための手段の欄に記載し
た受け具２と対応）と、前記マット２’と床面との間の
空間部分に配置された浴槽３と、前記ベッド架台１に取
り付けられ且つ人間を吊った状態で上下動させるリフト
４と、ベッド架台１及びその上方、並びに浴槽３が配置
された空間を包囲することが可能なカーテン５とを具備
させてあり、前記マット２’は横梁１０，１０相互間の
空域を露出させるべく容易に移動できるようにしてあ
る。

【００１６】以下にこの介護用ベッドを構成する各部材
について説明する。〔ベッド架台１について〕ベッド架台１は、図１に示す
ように、所謂型材を組み合わせて成る直方体状の枠組構
造としてあり、前記枠組構造は、一対の並設された横梁
１０と、前記横梁１０を支える４本の脚部１１と、前記
横梁１０と脚部１１とを繋ぐ接続部材１２，１３とを有
するものとしてある。

【００１７】このベッド架台１には、上記した横梁１０
から脚部１１にかけて、図１や図６に示すように、マッ
ト２’を移動させるための板状のガイド６を設けてあ
る。

【００１８】ガイド６は、図６や図９に示すように、横
梁１０及び脚部１１に倣った略Ｌ字状の板材で構成され
ており、板材の形状に合わせて略Ｌ字状の案内用スリッ
ト６０が形成されていると共に当該板材の水平板部分の
下部域に複数のローラ７０が回転可能に取り付けられて
いる。

【００１９】スリット６０は、図６〜図８に示すよう
に、水平部６０ａと、垂直部６０ｂと、これら相互が直
交する部分に設けられた円径部６０ｃとから構成されて
おり、前記円径部６０ｃの直径寸法を水平部６０ａや垂
直部６０ｂの幅寸法の二倍程度に設定してある。〔マット２’について〕マット２’は、図５に示すよう
に、硬質材で構成された周枠部２０と、この周枠部２０
内に設けられたクッション部２１とから構成されてお
り、図７に示す如く前記周枠部２０の短辺側面には上記
したスリット６０に嵌入される軸部２２を突設してあ
る。

【００２０】上記した軸部２２は、図８に示すように、
断面が所謂タイコ型であり、Ｒ部の曲率半径は円径部６
０ｃの曲率半径よりも少し小さく、平行部の幅寸法は水
平部６０ａや垂直部６０ｂの幅寸法よりも少し小さく設
定してある。

【００２１】したがって、マット２’は図９に示すよう
に、ベッド架台１から水平部６０ａに倣って半幅だけ引
出した後９０°回転させて垂直状態にし、この状態で垂
直部６０ｂに倣って下方に移動させることができる。

【００２２】なお、この実施形態では、図９に示すよう
に、マット２’はローラ７０（周枠部２０と当接）上を
転がりながら水平移動するものとしてあると共に、垂直
移動する際にはショックアブソーバーＳＡにより衝撃的
な落下移動しないものとしてあり、これにより、マット
２’は小さな力で危険を伴うことなく移動できるように
してある。

【００２３】ここで、マット２’としては、食事等のこ
とを考慮すると、上半身と対応する部分を起こしたり、
足部と対応する部分を下げたりすることができるものと
することが好ましい。〔浴槽３について〕浴槽３は、図２に示すように、浴槽
主体３０と、浴槽主体３０からオーバーフローした湯を
受ける外槽３１とを有するもので、前記浴槽主体３０は
洗髪専用部３０ａと入浴専用部３０ｂとから構成してあ
る。

【００２４】なお、この浴槽３では、図２に示すよう
に、水と湯のカラン３２及び排水設備３３を具備させて
あり、また、図示していないが、浴槽３内の水分の拭き
取り作業を容易ならしめるべく、温風を浴槽主体３０の
構成壁に吹きつける乾燥装置を具備させてある。

【００２５】ここで、浴槽３としては、外槽３１のない
浴槽主体３０から成るものとすることもできる。〔リフト４について〕リフト４は、図１に示すように、
Ｌ字状の旋回アーム部４０と、前記Ｌ字状の旋回アーム
４０の先端部に設けられた昇降部４１と、前記昇降部４
１に着脱可能に取り付けられた吊り下げシート４２とか
らなり、電動手元スイッチ４３により前記旋回アーム部
４０及び昇降部４１を旋回・昇降状態にできるものとし
てある。

【００２６】したがって、吊り下げシート４２の昇降に
より、課題を解決するための手段の欄に記載した如く入
浴時における作業が容易になり、吊り下げシート４２の
昇降及び旋回アーム部４０の旋回により、介護用ベッド
の近傍に移動してきた車椅子上に病人等を容易に移動さ
せることができることになる。

【００２７】なお、この実施形態以外の形式のリフト４
を使用することもできる。即ち、リフト４として、例え
ば、図１に示すカーテン吊り部材５０及びパイプ５１を
強固な型材でベッド架台１と一体的に構成し、前記した
強固な型材にレールを取り付けると共にこのレールに昇
降部４１を水平移動可能に取り付けたものを採用するこ
ともできる。〔カーテン５について〕カーテン５は難燃性樹脂シート
により構成されており、図１〜図３に示すように、カー
テンレールを介してカーテン吊り部材５０に取り付けら
れている。なお、前記カーテン吊り部材５０は図１に示
すように、ベッド架台１の手すりＨに立設したパイプ５
１により旋回アーム部４０よりも高い位置で支持してあ
る。〔この介護用ベッドで入浴する場合の一形態について〕 a.ベッド上で横たわっている病人等に吊り下げシート４
２をセットする。 b.電動手元スイッチ４３を操作して、昇降部４１がベッ
ドのほぼ中央部となるまで旋回アーム部４０を旋回させ
る（図４参照）。 c.前記吊り下げシート４２を昇降部４１に取り付ける。 d.電動手元スイッチ４３を操作して昇降部４１を駆動状
態にし、図２や図３に示すように、病人等を吊り上げ
る。 e.マット２’上に載置されている布団等を退ける。 f.マット２’を、図９に示すように、ベッド架台１から
水平部６０ａに倣って半分だけ引出した後９０°回転さ
せて垂直状態にし、この状態で垂直部６０ｂに倣って下
方に移動させる。この状態では、横梁１０，１０相互間
の空域はマット２’により覆われていない。 g.カラン３２により適切な温度の湯を浴槽３の浴槽主体
３０にいれる。 h.電動手元スイッチ４３の操作により、昇降部４１を駆
動状態にして病人等を徐々に降下させ、浴槽３内に入れ
る。 i.入浴が終了すると、排水設備３３により排水する。 j.乾燥装置により温風を浴槽主体３０の構成壁に吹きつ
け、浴槽３を乾燥させる。 k.電動手元スイッチ４３の操作により昇降部４１を駆動
状態にして上昇させ、マット２’が配置される位置より
も高い位置まで病人等を吊り上げる。 l.マット２’が横梁１０，１０相互間に架設状態になる
まで移動させる。 m.マット２’上に布団等を敷く。 n.電動手元スイッチ４３の操作により昇降部４１を駆動
状態にして病人等を降下させ、ベッド上に寝かせる。 o.吊り下げシート４２を昇降部４１から取り外す。 p.旋回アーム部４０を旋回させて元の位置に戻す。

【００２８】この介護用ベッドを使用した場合、介護人
が女性であっても病人等の入浴を容易にさせることがで
きる。

【００２９】また、ベッド架台１と浴槽とは同一平面上
にあるから、大きな専有面積を占めることもない。〔他の実施形態の介護用ベッドについて〕この介護用ベ
ッドは、図１０や図１１に示すように、マット２’のほ
ぼ全体をベッド架台１から手前に引き出し、この状態で
マット２’の下面に設けた脚部２９を立てるようにして
簡易ベットＢが形成できるようにしたものである。

【００３０】ここで、この介護用ベッドでは、浴槽３が
ベッド架台１に対して図１１に示す位置まで上昇できる
ようにしてあり、図示しないが、具体的には、浴槽３の
側面にラックを取り付け、他方ベッド架台１側に前記ラ
ックと歯合するピニオンを回転可能に取り付け、前記ピ
ニオンをモータ等により回転駆動することにより浴槽３
を上下動させるものとしてある。

【００３１】なお、このものでは図１０に示すように、
簡易ベッドＢの回りもカーテン５で包囲できるようにし
てある。

【００３２】この介護用ベッドで入浴する場合について
簡単に説明する。なお、重要でない部分については手順
の記載を省く。 a.リフト４により病人等を吊り上げ、その後マット２’
をベッド架台１から引出し、簡易ベッドＢを形成する
（図１０及び図１１参照）。 b.図１０及び図１１に示す如く、リフト４により病人等
を簡易ベッドＢ上に移動せしめ、載せる。 c.簡易ベッドＢ上で病人等の衣服を脱がす。 d.リフト４により図１２に示すように、病人等を浴槽３
内に入れる。 e.簡易ベッドＢの脚部２９を折り畳み、マット２’を図
１２に示した状態にする。 f.介護人は図１２に示す位置で病人等の身体を洗う。 g.入浴後、簡易ベッドＢを再び形成させ、リフト４によ
り病人等を簡易ベッドＢのマット２’上に載せる（図１
０参照）。 h.浴槽３内の湯を排水し、乾燥装置により温風を浴槽３
の構成壁に吹きつけて乾燥させる。 i.ｈと同時進行で簡易ベッド２’上の病人等の身体を拭
き、衣服を着せる。 j.病人等をリフト４で吊り上げ、浴槽３の上方に移動さ
せる。 k.簡易ベットＢの脚部２９を折り畳み、マット２’をベ
ッド架台１内に押し込む。 l.リフト４により病人等をマット２’上に下ろす。

【００３３】このように、この実施形態の介護用ベッド
を使用すると、上記した別の実施形態のものよりもより
容易に病人等を入浴させることができる。また、ベッド
架台１と浴槽３とは同一平面上にあるから、大きな専有
面積を占めることもない。

【００３４】なお、この実施形態の介護用ベッドにおい
てマット２’をベッド架台１から引き出したのち倒す際
に、マット２’やベッド架台１に衝撃力が作用しないよ
うに、マット２’とベッド架台１との間にショックアブ
ソーバーを介在させることができる。

【００３５】また、この実施形態の介護用ベッドにおい
て、入浴中においてはマット２’をガイドやリンクによ
り浴槽３と床面との間の空間に導くようなものとするこ
ともできる。

【００３６】

【発明の効果】この発明は上記構成を有するものである
から以下の効果を奏する。

【００３７】課題を解決するための手段の欄に記載した
内容から明らかなように、一人の看護人により寝たきり
の病人等を容易に入浴させることができる介護用ベッド
を提供できた。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施形態の介護用ベッドの斜視図。

【図２】前記介護用ベッドの正面図。

【図３】前記介護用ベッドの右側面図。

【図４】前記介護用ベッドの平面図。

【図５】前記介護用ベッドに使用されているマットの斜
視図。

【図６】前記マットを移動させるための構成を示した斜
視図。

【図７】前記マットを移動させるための構成を示した斜
視図。

【図８】前記マットを移動させるための構成を示した要
部拡大図。

【図９】前記マットを移動させている状態を示す図。

【図１０】他の実施形態の介護用ベッドの全体斜視図。

【図１１】他の実施形態の介護用ベッドの側面図。

【図１２】他の実施形態の介護用ベッドにおいて、病人
等が入浴している状態を示す図。

【符号の説明】

１架台２受け具２’ マット３浴槽４リフト５カーテン１０横梁１１脚部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】間隔を設けて配置された一対の横梁（１
０）を複数の脚部（１１）で支えて成るベッド架台
（１）と、前記横梁（１０）（１０）相互間に直接又は
他の部材を介して架設された板状の受け具（２）と、前
記受け具（２）と床面との間の空間部分に配置された浴
槽（３）と、前記ベッド架台（１）に取り付けられ且つ
人間を吊った状態で上下動させるリフト（４）とを具備
させてあり、前記受け具（２）は横梁（１０）（１０）
相互間の空域を露出させるべく容易に移動できるように
してあることを特徴とする介護用ベッド。
【請求項２】浴槽（３）が、ベッド架台（１）に上下
動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項１
記載の介護用ベッド。
【請求項３】ベッド架台（１）及びその上方、並びに
浴槽（３）が配置された空間を包囲することが可能なカ
ーテン（５）を具備させてあることを特徴とする請求項
１又は２記載の介護用ベッド。