JPH0898861A - 介護用ベッド - Google Patents

介護用ベッド

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JPH0898861A
JPH0898861A JP26210994A JP26210994A JPH0898861A JP H0898861 A JPH0898861 A JP H0898861A JP 26210994 A JP26210994 A JP 26210994A JP 26210994 A JP26210994 A JP 26210994A JP H0898861 A JPH0898861 A JP H0898861A
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JP
Japan
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bed
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JP26210994A
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English (en)
Inventor
Yoshimitsu Minaki
由光 皆木
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MINAGI GIKEN KK
Original Assignee
MINAGI GIKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被介護者をネット部材のテンションを変えて
昇降させる機構に於いて、両側のネット支持杆を介護活
動に支障のないものにすること。 【構成】 移動台車6には、右ねじ部と左ねじ部とを有
するスクリュー部材を回転可能に配設し、電動モータで
同期回転させると、それらに螺合しているナット部材は
その間の間隔を拡縮させる。ナット部材にその基部を回
動自在に結合し、基部から90度屈曲した結合部にネッ
ト支持杆27の端部付近を結合したアーム部材14は、
ネット支持杆27間のネット部材28のテンションの緊
張にともない、結合部を内方上部に上げるように回動
し、最大緊張時にネット部材28とともにほぼ水平とな
り、緩んだ場合には、結合部が下向きになり、その支持
するネット支持杆27を最下部に下降させた状態とする
ようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、介護用ベッドに関し、
詳細には、ベッドと浴槽やトイレ等の生活上必要な設備
の間の移動を安全、かつ、容易に行えるようにする介護
用ベッドに関する。
【0002】
【従来の技術】老人等のベッドに寝たきりとなっている
被介護者を、介護者が、風呂に入れたり、トイレで排便
させたりする場合、介護者が、肩で被介護者を支えた
り、抱き上げて、浴槽やトイレに移動させるのは、相当
な労力を必要とする。そこで、従来、老人等の被介護者
をベッドから浴槽やトイレ等の設備に移動させるのに、
リフト装置を使用することが行われている。
【0003】ところが、このようなリフト装置を用いた
移動は、介護者が、被介護者をリフトに載せたり、リフ
トから降ろしたりする必要があり、なお、介護者に相当
な労力の負担を要求せざるを得ないだけでなく、被介護
者にリフトへの乗り降りやリフトでの移動の際に危険感
を抱かせるという問題があった。
【0004】そこで、従来、浴槽中に無端ベルト装置を
配設し、担架に載った被介護者をそのまま無端ベルト装
置に載せ、介護者がこの無端ベルトを移動させて、無端
ベルト上の被介護者を浴槽の中央付近まで移動させる入
浴装置が提案されている(特開平1−170456
号)。
【0005】この入浴装置は、ストレッチャー上に、無
端ベルト装置が配置されており、この無端ベルト上に被
介護者を載せた担架を載置し、無端ベルト装置を駆動し
て、担架ごと浴槽上に被介護者を移動させるものであ
る。
【0006】したがって、この入浴装置では、無端ベル
ト上の被介護者を浴槽上に移動させることは、容易に行
うことはできるが、無端ベルトは、水平方向にしか被介
護者を移動させることができないため、被介護者の担架
への移動及び担架の移動には、介護者が被介護者に肩を
かしたり、抱き上げて行う必要があり、なお相当な労力
が介護者に要求されるとともに、浴槽を昇降させるとい
うシール上若しくはメカニズム上困難な構成を必要とす
る。
【0007】そこで、本件出願人は、以上のような問題
点を解決すべく、老人等の身辺介護装置(特開平2−2
75761号(特公平4−66587号))を提案し、
更に未だ公知にはなっていないが、これを改良する装置
を提案した(特願平5−341359号)。
【0008】ところで前者(特公平4−66587号)
の老人等の身辺介護装置は、少なくともベッド及び浴槽
を並置させた装置本体に於いて、キャリア側が上記ベッ
ド及び浴槽の上方を通過し、かつリターン側がそれらの
下方を通過する無端コンベア部材を配設し、上記無端コ
ンベア部材のキャリア側の少なくとも一部を被介護者を
載せ得るネット部材で構成し、上記無端コンベア部材
に、そのテンションを調節するテンション調節機構であ
って、上記ネット部材が、上記ベッド又は上記浴槽の上
方その他所望の位置に位置する際に、そのテンションを
必要なだけ緩めてその上に乗っている老人等をベッド又
は浴槽等の所望の位置に降下させ得るように構成したテ
ンション調節機構を付設し、かつ上記無端コンベア部材
にそのネット部材を所望範囲で往復動させ得る駆動手段
を取り付けた老人等の身辺介護装置である。
【0009】以上の本件出願人が提案した前者の老人等
の身辺介護装置は、前記した従来技術の問題点をことご
とく解決したもので、被介護者の浴槽等への移動に際し
て、介護者の労力を軽減し、かつ、何等かの危険感その
他の不安を感じさせずに被介護者を移動させることがで
きるようになったものである。
【0010】しかしながら、この装置にあっては、その
主たる構成要素として、無端コンベア部材を用い、その
一部に被介護者を載せるネット部材を配し、被介護者の
移動を無端コンベア部材のテンションを高めて張った状
態で行ない、移動先の浴槽等では、テンションを緩めて
降下させるという動作をさせるようになっているため、
テンションの調節機構になかなか微妙な調節が必要であ
り、更に、種々な位置や状態でのテンションの保持に
は、特に安全性の確保も含めて、一般家庭で介護を行な
うのには、技術的に難しい問題があることも認めざるを
得ない。
【0011】そこで、本件出願人は、以上の問題点を解
決し、ネット部材のテンションの調節機構が簡明で安全
性の高い装置とすべく後者の老人等の身辺介護装置(特
願平5−341359号)を提案した。これは、前記し
たように、未だ公知になっていないものであるが、説明
の都合上、以下にその概要を説明する。
【0012】この老人等の身辺介護装置は、少なくとも
ベッド及び浴槽を並置した装置本体と、少なくとも上記
ベッドと浴槽との間を往復移動し得るシャフト支持用台
車であって、該往復移動方向に沿って平行に並びかつベ
ッド及び浴槽の両側付近にのみ位置する一対の台部を有
するシャフト支持用台車と、上記両シャフト支持用台車
の一対の台部に、各々、その往復方向に沿って、回転自
在に配したスクリュー部材であって、途中の一点を境に
右ネジ部と左ネジ部とが構成されたスクリュー部材と、
上記両スクリュー部材を同期して正逆回転駆動する回転
駆動手段と、上記両スクリュー部材の右ネジ部と左ネジ
部とにそれぞれ螺合したナット部材と、両スクリュー部
材の右ネジ部に螺合したナット部材間及び両スクリュー
部材の左ネジ部に螺合したナット部材間に、それぞれ両
端部を固設した一対の平行なシャフト部材と、上記両シ
ャフト部材間に位置するネット部材であって、両シャフ
ト部材に各々対応する側の端部を固設したネット部材
と、前記シャフト支持用台車を、少なくとも前記ベッド
と前記浴槽との間で往復移動させる往復移動手段と、で
構成したものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上の本件出願人の提
案した発明は、それ以前の従来技術の、問題点を解決す
るとともに、本件出願人の提案にかかる前者の老人等の
身辺介護装置の問題点を解決したものであるが、更に試
作研究を繰り返すうちに、テンションを緩められたネッ
ト部材がベッドのマットレス上に載るとともに、その上
に被介護者が横たわっている場合に、前記ネット部材の
両端を支持するシャフト部材が、ベッドの両側部でマッ
トレスより高い位置に位置することとなるため、介護者
が、被介護者に対して介護活動を行なう際に邪魔になる
ことがある、と云う問題点に気付くに至った。
【0014】本発明は、従来技術に於ける前記問題点の
解消を解決の課題の一つとするものであり、更に、未だ
公知とはなっていない本件出願人の後者の老人等の身辺
介護装置の問題点、即ち、被介護者がベッドのマットレ
ス上で横たわっている場合に、ネット部材を支持するシ
ャフト部材がベッド両側の側部の比較的高い位置に位置
して、介護者の介護活動に邪魔になることがある問題点
を解消することをもう一つの解決の課題とするものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】しかして本発明の構成の
要旨とするところは被介護者の横たわるマットレスが載
置されるベッドと、前記ベッドの長手方向の両側に、こ
れに平行に配したネット支持杆と、前記両ネット支持杆
の間に掛け渡したネット部材と、前記両ネット支持杆
を、その両端付近で、各々一端に結合してこれと直交方
向に延びる結合軸部を有するアーム部材であって、該結
合軸部に屈曲状態に連続する、前記ネット支持杆と平行
な基軸部を備えたアーム部材と、前記ベッドの長手方向
両端部に平行に位置し、各々対応する位置の一対のアー
ム部材の間隔を拡縮変動させる間隔拡縮機構であって、
各一対のアーム部材の基軸部を、各々その軸心を中心に
回転自在であるように結合する前記間隔拡縮機構と、で
構成した介護用ベッドであり、これによって前記課題を
解決することができる。
【0016】前記間隔拡縮機構は、前記一対のネット支
持杆の両側に配して、前記アーム部材を介して該一対の
ネット部材を支持するとともに、その間隔を安全かつ確
実に拡縮できる機構であれば、特定のそれに限定されな
い。例えば、前記ベッドの両端部に、それぞれ該ベッド
の幅方向に延在して回転可能に設け、その途中の一点を
境に右ねじ部と左ねじ部とを形成したスクリュー部材
と、前記両スクリュー部材を同期して正転及び逆転駆動
する回転駆動手段と、前記両スクリュー部材の右ねじ部
と左ねじ部とにそれぞれ螺合したナット部材であって、
各々前記アーム部材の基軸部をその軸心を中心として回
転自在に結合し得るナット部材と、で構成することがで
きる。
【0017】また前記間隔拡縮機構は、ベッドの長さ方
向両端に、固定的に配するものとしても良いが、前記一
対のネット支持杆を支持したままで、ベッド側方に移動
できるように、例えば、進退移動機構に設置する構成と
するのが好ましい。このように構成することにより、両
ネット支持杆の間に配されたネット部材のテンションを
高めて、その上に被介護者を載せた状態で、その移動範
囲内に移動させることができる。移動先のネット部材の
下方に、例えば、浴槽を配し、あるいは便器を配して、
ネット部材のテンションを緩めるとともに、対応する必
要処置を採ることにより、入浴や排便等を容易に行なわ
せることができることとなるものである。
【0018】このような進退移動機構は、その目的を達
成できる種々の構成を自由に採用することができるが、
例えば、次のように構成することができる。即ち、進退
移動機構は、前記ベッドの長手方向両端に、該ベッドの
幅方向に延在して配設した一対のレール部材と、前記一
対のレール部材に、各々これらに沿って前記ベッドの幅
方向に往復移動可能に支持され、相互が一部で結合され
ている一対の移動台車と、前記各移動台車の前記往復移
動方向の一方側端部に取り付けられ、前記ベッドの設置
される床上を移動しつつ、前記レール部材とともに前記
移動台車を前記床とほぼ平行に支持する支持脚部材と、
で構成することができ、このような進退移動機構である
場合には、前記間隔拡縮機構は、上記進退移動機構の両
移動台車に設置することができる。
【0019】また以上の進退移動機構に於いて、例え
ば、前記一対のレール部材は、前記ベッドの長手方向両
端部に、前記ベッドの幅方向に延在して配設された一対
の第1レール部材と、前記一対の第1レール部材にそれ
ぞれ前記ベッドの幅方向に往復移動可能に支持された一
対の第2レール部材とで構成し、前記移動台車を、各々
前記一対の第2レール部材に、前記ベッドの幅方向に往
復移動可能に支持させることができる
【0020】ところで、前記進退移動機構を構成する場
合は、その移動先下部に、前記したように、必要に応じ
て、浴槽や便器等、被介護者の生活上必要な種々の機器
類配置し、前記ネット部材のテンションを緩めて、その
上に載っている被介護者を降下させ、必要な補助をしつ
つ、浴槽等の利用をさせるものである。それ故、これら
の機器類は、移動して来た高テンション状態のネット部
材の下部に装入可能な高さのものである必要がある。ま
た前記一対のネット支持杆に両端が支持されるネット部
材は、前記ベッドの横幅より若干広い幅に定めるべきで
ある。また着脱自在であるのが都合が良い。更には、短
冊状の複数のネット部材を、その幅だけ相互に離間させ
て、着脱自在に、前記両ネット支持杆の間に配設するこ
ととするのが良い。
【0021】更に前記間隔拡縮機構を、前記したよう
に、スクリュー部材を用いる構成とした場合には、その
右ネジ部と左ネジ部との境界を、中央部にするのが適当
であるが、ある程度一方に偏っていても差し支えない。
これらのスクリュー部材の正・逆回転にともない、これ
らに螺合したナット部材及びこれらに回転自在に結合し
たアーム部材を介して平行に配された一対のネット支持
杆が、その間隔を拡縮させ、これによってその間に配し
た前記ネット部材のテンションが増して水平状態を保持
し、又はテンションが減少して垂れ下がるようになって
いる。
【0022】したがって、前記ネット部材上に被介護者
を載せている場合に、間隔拡縮機構を動作させることに
より、ネット部材のテンションを高め又は減少させて、
その上に載っている被介護者を引き上げ、又は降下させ
ることができる。間隔拡縮機構を前記スクリュー部材を
用いた構成にした場合には、該スクリュー部材を所定方
向に回転させることにより、ネット部材を緊張させてほ
ぼ水平に維持し得るとともに、必要に応じて、例えば、
上記ネット部材がベッドの上方又は浴槽の上方に位置す
る場合に、テンションを緩め、その上に載っている被介
護者をそのままベッド上に降下させ、または、浴槽中に
降下させることができる。また、また云うまでもなく、
前記回転駆動手段は、電動モータ等を適当に選択するこ
とができる。
【0023】なお前記アーム部材は、前記間隔拡縮機構
に、その基軸部を、軸心を中心に回転自在に結合してあ
るので、間隔拡縮機構が、例えば、間隔縮小状態にある
場合には、両ネット支持杆はアーム部材の結合軸部で、
それぞれ吊り下がり状態になっており、間隔拡張動作を
した場合には、ネット部材が高テンション状態に徐々に
移行し、これにともなって、両側のネット支持杆も中心
方向に引っ張られることとなり、側面からみて左側のア
ーム部材は、反時計廻りに、右側のそれは時計廻りに、
それぞれ回動し、最高度にテンションが上がった状態で
水平状態に近くなるものである。
【0024】
【作用】したがって本発明の介護用ベッドは、以上のよ
うに構成したので、ベッドのマットレスに被介護者が横
たわっている場合等、着替えその他、介護者が介護活動
を行なう際には、前記ネット支持杆は、アーム部材の結
合軸部でベッドの側部付近に吊り下がり状態に降下して
いるので、その活動に支障を生じさせることなく、他
方、間隔拡縮機構に間隔拡張動作させれば、アーム部材
を介して、ネット支持杆の間隔拡張も自由に不都合なく
行なえ、ネット部材の高テンション化にも何の不都合も
ない。
【0025】また、前記したように、進退移動機構を構
成すれば、必要に応じて、ネット部材を支持する移動台
車等の機構を引き出し得ることになり、次のように、介
護者の労力を軽減し、老人等の被介護者の不安をなくし
て種々の設備間の移動を可能とする等、介護用ベッドと
して有用に使用することができる。更に、構成上の安全
性を増したものでもある。
【0026】この介護用ベッドでは、被介護者を、一対
のネット支持杆の間に配したネット部材上に載せて使用
するものである。ベッド上に寝せる場合は、間隔拡縮機
構に間隔縮小動作をさせて、ネット部材のテンションを
緩めれば、水平状態にあった前記各一対のアーム部材の
結合軸部が徐々にその外端を下に向けて回動し、ネット
支持杆をこれらで吊り下げた状態になる。こうしてネッ
ト部材は降下し、ベッドのマットレス上に当接状態とな
る。このことにより、ネット部材に載っている被介護者
が、載った状態のままベッドに横たわることとなる。
【0027】前記したように、進退移動機構を構成した
場合には、その移動台車がマットレスの両側に位置する
場合は、そのまま、他の位置に移動していた場合は、マ
ットレスの両側に移動させるとともに、ここで停止さ
せ、その後、前記間隔拡縮機構を動作させて、前記両ネ
ット支持杆の間隔を狭め、ネット部材のテンションを緩
めれば、両側のアーム部材もネット支持杆の吊り下げ状
態になり、ネット部材はマットレス上に降下する。しか
して被介護者はマットレス上に寝る状態になる。
【0028】前記間隔拡縮機構を、前記一対のスクリュ
ー部材を用いた構成にした場合には、その回転駆動手段
を所定の方向に回転動作させ、前記一対のスクリュー部
材を所定の回転方向に回転させる。そうすると、これら
に螺合した各一対のナット部材の間隔が狭められ、それ
らに各一対のアーム部材を介して配したネット支持杆の
間隔が若干狭められる。しかしてネット支持杆の間に張
られたネット部材のテンションが緩められ、水平状態に
あった前記各一対のアーム部材の結合軸部が徐々にその
外端を下方に向けて回動し、ネット支持杆を吊り下げた
状態になる。こうしてネット部材は降下し、ベッドのマ
ットレス上に当接状態となる。このことにより、ネット
部材に載っている被介護者が、載った状態のままベッド
に横たわることとなる。
【0029】こうしてネット部材に載っている被介護者
は、載った状態のままベッドのマットレス上に横たわる
こととなる。そのため、ネット部材を感触の良いものに
構成しておけば、被介護者は、ネット部材上からどこに
移動することもなく、ベッドのマットレス上に横たわる
ことができる。枕を頭の下に入れ、毛布や掛布団等をネ
ット部材上の被介護者の上から掛ければ、そのまま寝る
ことができる。しかも前記したように、この状態で、両
ネット支持杆は、アーム部材の結合軸部で吊り下げら
れ、ベッドの側部付近に位置した状態なので、介護者
が、ベッドの側方から、被介護者のために、毛布をかけ
たり、枕を入れたりする際に全く邪魔になることがな
い。勿論その他の介護作業の際にも同様に邪魔になるこ
とはない。
【0030】なお、前記マットレスの中央部附近及びネ
ット部材の該当部分をそれぞれ開口可能に構成し、さら
に、その下方に便器を用意すれば、被介護者は、ベッド
から移動することなく排便その他をすることも可能であ
る。
【0031】前記進退移動機構及びスクリュー部材を要
素とした間隔拡縮機構を構成した場合には、被介護者を
入浴のために、ベッド上から容易に移動させ、安全に入
浴させることができる。例えば、予め、介護用ベッドの
側方に湯を入れた浴槽を配置し、その後、介護者が、寝
ている被介護者の上に被せてある毛布や掛布団、それに
枕等を取り除き、更に、前記回転駆動手段を前記と逆方
向に回転動作させて、両スクリュー部材にナット部材及
びアーム部材を介して配したネット支持杆の間隔を広
げ、両ネット支持杆の間に配したネット部材のテンショ
ンを高める。こうしてネット部材のテンションが上がる
につれ、両側のネット支持杆を支持するアーム部材の基
軸部が内回りで回動し、その結合軸部が支持するネット
支持杆を徐々に上昇させ、ついには、ネット部材ととも
に、ほぼ水平状態になる。
【0032】この状態で、前記移動台車を介護用ベッド
の横に配された浴槽の上方に移動させ、かつここで停止
させる。なお、マットレスの上又は途中のいずれかの場
所で、前記移動台車を停止させて被介護者に脱衣させて
おく。
【0033】この場合、移動台車は、そのように構成し
た場合には、第1レール部材と第2レール部材等のレー
ル部材及び支持脚部材により、容易にベッドの幅方向に
沿って移動され、また、レール部材と支持脚部材とによ
り水平に維持される。
【0034】この後、前記回転駆動手段を所定の方向に
回転動作させ、一対のネット支持杆の間隔を狭め、アー
ム部材の基軸部を、その結合軸部が下向きになるよう
に、回動させて、垂下状態とし、こうしてアーム部材に
よって最下部まで降下吊下状態となったネット支持杆
で、緩やかにネット部材を支持し、これを浴槽中に垂下
させる。
【0035】なお、前記したように、浴槽中には、ホー
ス等を利用して適当な給湯設備から、予め適温の湯を入
れておく。また、排水は、最も単純には、浴槽の最下部
にドレン用の排水口を用意しておき、ここに接続したホ
ースを通じて排水する。
【0036】前述のように、ネット部材を垂下させる
と、これに載っている被介護者は、そのまま湯に入るこ
とができる。充分にネット部材のテンションを緩めれ
ば、浴槽中で必要な動作を取ることができる。また、逆
に適切なテンションを保持することで、被介護者の姿勢
を適切に保持し得るので安全でもある。
【0037】こうして充分な入浴ができたら、前記回転
駆動手段を逆方向に回転駆動して、前記各一対のアーム
部材の基軸部の間隔を広げ、これを通じて徐々にネット
部材のテンションを上げ、前記アーム部材の基軸部に、
その結合軸部を内回り上昇させる回動動作を行なわせ、
こうして水平状態にさせ、一対のネット支持杆及びその
間のネット部材とともに、水平状態にまで上昇させる。
これによってネット部材に載っている被介護者を容易に
浴槽から出すことができる。
【0038】そこで、その場所、即ち、浴槽の上方で被
介護者の身体を拭き、または移動台車を若干マットレス
側に移動させ、ネット部材が浴槽と介護用ベッドの中間
付近に移動したときに停止させ、ここで、被介護者の身
体を拭くこととする。身体を拭く場所が限定されないの
は云うまでもない。以上の位置での作業が終了したなら
ば、前記移動台車をマットレス側に移動させ、ネット部
材がベッドのマットレス上に至ったときに停止させる。
【0039】この場合も、移動台車は、レール部材を、
前記したように、第1及び第2レール部材で構成した場
合には、第1レール部材と第2レール部材及び支持脚部
材により、容易にベッドの幅方向に移動でき、また、第
2レール部材を介して第1レール部材と支持脚部材によ
り水平に維持されることとなるのは云うまでもない。
【0040】その後、前記回転駆動手段を所定方向に回
転駆動して、ネット部材のテンションを緩め、各一対の
アーム部材を下方回動させ、前記ネット部材をベッドの
マットレス上に垂下当接させる。被介護者は、このまま
の状態でマットレス上に載り、次いで、枕を頭の下に入
れ、毛布や掛布団等を被せれば、マットレスでの就寝状
態が容易に得られる。
【0041】このように、本発明によれば、被介護者の
垂直方向の移動は、間隔拡縮機構と、これによってその
基軸部が拡縮される各一対のアーム部材と、それらに支
持される一対のネット支持杆と、これらのネット支持杆
の間に配したネット部材とにより、容易、かつ、確実に
行うことができる。
【0042】しかも、以上のように、ネット支持杆は、
アーム部材に両端付近で支持されているので、ネット部
材を降下させた状態では、同様に降下状態にあり、ベッ
ド上等で横たわっている被介護者に対する介護者の介護
活動に、それらが邪魔になることはない。
【0043】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。図は、一実施例の介護用ベッドの概略側面説明
図であり、図2は、一実施例の介護用ベッドに於いて、
外レール、内レール及び移動台車のコ字形及び逆コ字形
の部分の上部横板以上の部分を除いた状態の一部切欠概
略平面説明図である。介護用ベッド1は、図1に示すよ
うに、ベッド枠体2上にマットレス3が載置されてお
り、ベッド枠体2は、4本の脚部2a、2aを備えてい
る。この介護用ベッド1のマットレス3上に、被介護者
が、図1及び図2中左右方向(長手方向)を頭と足の方
向として横たわることとなる。
【0044】ベッド枠体2上の長手方向の両端部には、
図1に示すように、介護用ベッド1の幅方向に延在する
左右一対の外レール(第1レール部材)4、4が固設さ
れており、外レール4、4は、その縦断面がそれぞれ介
護用ベッド1の内側に開いたコ字形又は逆コ字形に形成
されている。上記外レール4、4の内部には、図1に示
すように、それぞれ内レール(第2レール部材)5、5
が外レール4、4の延在方向(介護用ベッド1の幅方
向)に沿って延在する状態で収納されており、内レール
5、5は、その縦断面が、全体として、ほぼコ字形又は
逆コ字形に形成されている。
【0045】上記内レール5、5の上面には断面ほぼU
字形の車輪取付部が、下面にはほぼ逆U字形の車輪取付
部が、それぞれ構成されており、各車輪取付部には、そ
れぞれ所定間隔でシャフトを介して車輪8、8又は車輪
9、9が取り付けられており、内レール5、5は、これ
らの車輪8、8及び車輪9、9により外レール4、4内
をこれに沿って往復移動可能となっている。
【0046】また内レール5、5の内側には、図2に示
すように、移動台車6、6が、各々内レール5、5の延
在方向(介護用ベッド1の幅方向)に沿って延在する状
態で収納されている。この移動台車6、6は、図2に中
上部側で、各々がパイプ材7により結合している。この
パイプ材7は、介護活動に邪魔にならないように、ベッ
ド枠体2とほぼ同じ高さを通過して移動台車6、6相互
を結合するように構成してある。
【0047】この移動台車6、6は、前記両内レール
5、5に対応する端部が、図1に示すように、縦断面で
見て、各々内側を向いたほぼコ字形又は逆コ字形に形成
されている。更にそれらの各上面及び下面には、それぞ
れほぼU字形又は逆U字形の車輪取付部が構成されてお
り、図1に示すように、それぞれそれらの車輪取付部に
は、所定間隔でシャフトを介して車輪11、11又は車
輪12、12が取り付けられている。こうして、移動台
車6、6は、これらの車輪11、11及び車輪12、1
2により内レール5、5に沿って、介護用ベッド1の幅
方向に往復移動可能となっている。
【0048】この移動台車6、6のコ字形又は逆コ字形
の内部には、図2に示すように、その下部横板の長さ方
向両端部付近に、それぞれ一対のブラケット15、15
が固設されている。両側の各一対のブラケット15、1
5間には、それぞれスクリュー部材19、19が配設さ
れており、各スクリュー部材19はそれらのブラケット
15、15間に、それぞれ回転可能に支持されている。
スクリュー部材19、19は、各々その端部には、電動
モータ21の出力軸(図示略)が連結されている。両電
動モータ21、21は、同期して回転するように制御さ
れる。したがってスクリュー部材19、19は、それぞ
れ電動モータ21、21により同期して回転駆動され
る。
【0049】また前記スクリュー部材19、19は、そ
れぞれその中央部を境に、右ねじ部19Rと左ねじ部1
9Lとが形成されており、各々左ねじ部19Lにはナッ
ト部材24が、各右ねじ部19Rには、ナット部材25
がが螺合してある。
【0050】スクリュー部材19、19のそれぞれの左
ねじ部19L、19Lに螺合したナット部材24、24
間、及び右ねじ部19R、19Rに螺合したナット部材
25、25間には、図1及び図2に示したように、それ
ぞれアーム部材13、13又はアーム部材14、14を
介してネット支持杆26、27を配する。アーム部材1
3、14は、それぞれ内方に向かって水平に延びる基軸
部と、基軸部から90度に屈曲して延びる結合軸部とか
らなっており、各々基軸部の外端で、その軸心を中心に
回転自在であるように、前記ナット部材24、25に、
結合し、結合軸部の外端で、各々ネット支持杆26、2
7の端部近傍の外周に固設しているものである。
【0051】これらのネット支持杆26、27間には、
その両端がネット支持杆26、27に固設されたネット
部材28が配設されており、該ネット部材28は、後述
するように、介護用ベッド1の横に必要に応じて配置さ
れる浴槽40(図3参照)や便器等の上に、移動した上
で、ナット部材24、25間を縮小させることにより、
図1のように、アーム部材13、14の結合軸部を下向
きにさせ、かつネット部材28のテンションを緩めるこ
とにより、その上に載っている被介護者を、それらの浴
槽中に入れ、または便器上に降ろすことができる適当な
幅を有するものとする。ベッドのマットレス3の幅を若
干越える程度の幅が都合が良い。このネット部材28
は、湯及び水を含浸し難く、かつ肌ざわりの良いものを
採用する。
【0052】なお、前記電動モータ21には、云うまで
もなく、正・逆の回転の切換え及びオン/オフの制御を
する制御スイッチが設けられている。
【0053】また、移動台車6、6に於ける介護用ベッ
ド1の長さ方向側部(即ち、図2中上側部)には、図3
〜図5に示すように、一対の脚部30、30が固設され
ており、脚部30、30は、移動台車6、6を介護用ベ
ッド1から引き出したときに、これを介護用ベッド1の
設置されている床と水平に維持させるためのものであ
る。脚部30、30の床側の先端には、キャスター30
a、30aが取り付けられている。
【0054】次に、この実施例の作用を説明する。この
実施例の介護用ベッド1は、そのマットレス3上に寝て
いる被介護者を、図3に示すように、必要に応じて該介
護用ベッド1の横に運び込んで配置する浴槽40や図示
しない便器等に、安全に、かつ、被介護者に不安感や危
険感を与えることなく、また、介護者の労力を削減しつ
つ、移動することができるものである。
【0055】即ち、この介護用ベッド1では、被介護者
を寝かせる場合には、まず、移動台車6、6がマットレ
ス3の両側に位置する状態で、ネット部材28をマット
レス3上に垂下させるために、前記対応する制御スイッ
チを操作して、電動モータ21、21を所定方向に回転
させ、これにより、スクリュー部材19、19を所定方
向に同期して回転させる。
【0056】これらのスクリュー部材19、19の回転
にともなって、スクリュー部材19、19の左ネジ部1
9L、19Lと右ネジ部19R、19Rとにそれぞれ螺
合したナット部材24、24及びナット部材25、25
は、相互に少しづつ近接し、これらナット部材24、2
4間及びナット部25、25間に、それぞれ一対のアー
ム部材13、13又はアーム部材14、14を介して配
設されたネット支持杆26とネット支持杆27も当然少
しづつ近接し、ネット部材28は、そのテンションが低
下する。こうしてアーム部材13、13、14、14も
また、その基軸部で結合軸部が下方に向くように回動
し、いずれ真下に向くようになる。そしてネット部材2
8は緩んで垂下状態となりマットレス3上に当接状態と
なる。
【0057】このネット部材28を垂下させる場合、ア
ーム部材13、13、14、14の結合軸部の下向き状
態をよく観察し、これが完全に下を向いた時点で直ちに
前記制御スイッチをオフとするのが良い。このようにし
てネット部材28をマットレス3上に緩やかに垂下させ
て、マットレス3に当接状態にさせることができる。被
介護者は、このように、ネット部材28が緩んで載って
いるマットレス3上に寝せることとする。なお、枕は、
ネット部材28の上方で被介護者の頭の下に入れれば良
いし、毛布や掛布団等もネット部材28上の被介護者の
上から被覆すれば良いことは、言うまでもない。このよ
うな介護作業の際、前記ネット支持杆26、27は、前
記アーム部材13、13、14、14によって、垂下状
態になっており、マットレス3の側部付近に位置してい
るので、その作業の際全く支障が生じない。
【0058】ところで、ネット部材28上に載って横た
わったまま被介護者を移動させる場合、高テンションの
ネット部材28に載って被介護者は浮いた状態にある訳
であるが、後述するようにその状態は確実に保持され安
全性は極めて高い。即ち、ネット部材28の移動方向前
後端は、ネット支持杆26、27で支持され、ネット支
持杆26、27の各両端付近は、アーム部材13、1
3、14、14、スクリュー部材19、19及びこれら
に螺合したナット部材24、24、25、25を介して
移動台車6、6に支持されているので、電動モータ2
1、21の停止中、特にブレーキをかけておかなくて
も、ネット部材28は、その高テンション状態が確実に
保持されることになり、載っている被介護者に危険を生
じるようなことはない。特に、ナット部材24、24及
びナット部25、25が、スクリュー部材19、19に
螺合状態であるため、これが外力によって容易に動くこ
とがないので安全である。
【0059】次に、被介護者を入浴させる場合について
説明する。被介護者を入浴させる場合には、まず介護者
が、寝ている被介護者の上の毛布や掛布団及び枕等を取
り除き、マットレス3上で衣類を脱がせ、その後、前記
対応する制御スイッチを操作して、電動モータ21、2
1を、前記の場合と逆方向に、即ち、スクリュー部材1
9、19に螺合しているナット部材24、24とナット
部25、25とをその間隔が拡大する方向に動かし、ネ
ット部材28のテンションを高める方向に回転駆動させ
る。
【0060】こうしてネット部材28のテンションが上
がって来ると、ナット部材24、24、25、25に結
合しているアーム部材13、13、14、14の基軸部
が結合軸部を内側方向に上昇させるべく回動し、ついに
はほぼ水平状態になる。こうして結合軸部の下端に結合
したネット支持杆26、27をアーム部材13、13、
14、14の基軸部とほぼ同一高さに引き上げ、かつそ
れらのネット支持杆26、27でネット部材28を引っ
張る状態になるので、全体として、上昇しかつ水平状態
になる。この動作は、図6に示してある。
【0061】そしてこのようにほぼ水平状態になったと
ころで、前記制御スイッチをオフとし、前記電動モータ
21、21の動作を停止させる。電動モータ21、21
には、ブレーキを採用してこのような場合に掛けておく
のが良いが、前述のように、なくてもナット部材24、
24及びナット部25、25が、ネット部材28に係る
負荷によって動くことは、殆どあり得ないので、安全で
ある。
【0062】次に、移動台車6、6を、介護者が手動に
より、図2中で見ると上方に、図3中で見ると右方向に
引き出し、ベッド側方上部にネット部材28を移動させ
る。この移動台車6、6のこの方向への引き出しは、介
護者が移動台車6、6自体、または、移動台車6、6の
脚部30、30部分を手で持って引っ張ることにより行
う。
【0063】この場合、移動台車6、6は、その脚部3
0、30の下端にキャスター30a、30aが取り付け
られており、また、前述のように、移動台車6、6が、
内レール5、5にその長さ方向に沿って車輪11、1
2、11、12を介して移動可能に収納され、更に、内
レール5、5が、外レール4、4にその長さ方向に沿っ
て車輪8、9、8、9を介して移動可能に収納されてい
るため、図4に示すように、外レール4、4、内レール
5、5及び移動台車6、6が重なり合った状態にある移
動台車6、6を、図4中右方向に引き出すと、図5に示
すように、移動台車6、6が内レール5、5に対して容
易に移動するとともに、内レール5、5が外レール4、
4に対して、たいした労力を要することなく、容易に移
動する。
【0064】そして、移動台車6、6を引き出すと、こ
れに配設されているネット部材28が、その引き出しと
ともにマットレス3上方からベッド枠体2の側方上に移
動することとなる。また、移動台車6、6は、その引き
出した側の先端部が脚部30、30により支えられ、ベ
ッド枠体2側が、内レール5、5を介してベッド枠体2
に固設された外レール4、4により支持されているた
め、移動台車6、6は、床面と水平に移動し、ネット部
材28上に横たわっている被介護者を安定して、かつ、
安全に側方上に移動させることができる。この場合、移
動台車6、6の位置を固定するストッパー機構を介護用
ベッド1の適当な位置、例えば、キャスター30a、3
0a部分に設けると、移動台車6、6を適切な位置で固
定することができる。
【0065】その後、引き出された介護用ベッド1の移
動台車6、6の下方に浴槽40を移動させて配置し、そ
の浴槽40中にホース等により適当な給湯設備から適当
な温度の湯を供給する。
【0066】更にその後、前記対応する制御スイッチを
操作して、電動モータ21、21を所定方向に回転動作
させて、スクリュー部材19、19を所定方向に回転さ
せ、スクリュー部材19、19に螺合されているナット
部材24、24とナット部25、25間の間隔を縮小さ
せる。こうしてネット部材28のテンションを低下させ
ると、アーム部材13、13、14、14の基軸部が、
おのずと、その結合軸部が下向きになるように回動し、
該ネット部材28はテンションを低下させた状態で垂下
状態となる。この場合、図3に示したように、ネット部
材28が浴槽40中に垂下して、浴槽40の下面に接触
する程度までテンションを低下させる。こうすると、浴
槽40内の湯は、ネット部材28を通過して相対的にネ
ット部材28上に上昇し、被介護者が、ネット部材28
上に載ったまま入浴することができる。この入浴の際、
ネット支持杆26、27が、アーム部材13、13、1
4、14に吊り下げられた状態で低い位置にあるので、
介護者の介護作業に支障を生じない利点がある。
【0067】以上のように、特に、被介護者が、浴槽4
0に移動するのにリフト等に載り換える必要もないの
で、被介護者も安全であり、載り換え又は移動の際の恐
怖感も生じず、介護者の労力も軽減される。そして、浴
槽40内でゆっくりと湯につかり、身体を洗浄した後
は、前記対応する制御スイッチを操作して、電動モータ
21、21を逆方向に回転駆動させ、スクリュー部材1
9、19に螺合したナット部材24、24とナット部2
5、25をその間隔が拡大する方向に移動させ、ネット
部材28のテンションを上げ、これによってアーム部材
13、13、14、14の基軸部をその結合軸部が内方
に向かって上昇するように回動させ、これに結合されて
いるネット支持杆26、27、を上昇させるとともに、
ネット部材28のテンションを更に上げ、これを浴槽4
0上に上昇させる。
【0068】その後、上がり湯としてシャワーを被介護
者に掛けて、身体の洗浄を行ない、身体の拭き取り等が
完了した後、浴槽40を引き出し、これが邪魔にならな
い位置にまで移動させ、この後、移動台車6、6を手動
で押して、ベッド枠体2上に移動させる。
【0069】身体の拭き取りや乾燥等を行い、ネット部
材28をマットレス3上に移動させた後、前記対応する
制御スイッチを操作して電動モータ21、21を回転駆
動して、スクリュー部材19、19を回転駆動させ、こ
うしてアーム部材13、13、14、14を、前記のよ
うな下方回動させ、ネット支持杆26、27をこれらで
垂下するとともに、その間のネット部材28のテンショ
ンを低下させ、該ネット部材28をマットレス3上に垂
下当接させる。こうして被介護者を、最初のマットレス
3上に横たわった状態とし、対応する制御スイッチをオ
フとする。次いで、枕を被介護者の頭の下に入れ、毛布
や掛布団等を被介護者に掛ければ就寝状態となる。云う
までもなく、ネット支持杆26、27がマットレス3の
側部付近の低い位置にあるので、介護者の以上のような
作業に何の支障も生じない。
【0070】なお、介護用ベッド1のマットレス3は、
交換可能であるが、このような作業は、被介護者が他所
に移動している際に行なうのが適当である。即ち、被介
護者を入浴させる際等にマットレス3の交換を行うだけ
でなく、マットレス3の交換やマットレスカバー等の交
換を行う際に、ネット部材28上の被介護者を、移動台
車6、6をマットレス3の側部から横方向に移動させる
ことで移動させて行うこともできる。
【0071】ところで、浴槽40中の湯は、入浴後、浴
槽40の底部に設けられた排水口からホース等を通じて
排水する。
【0072】
【発明の効果】本発明の介護用ベッドによれば、被介護
者の垂直方向の移動は、間隔拡縮機構と、これによって
その基軸部が拡縮される各一対のアーム部材と、アーム
部材の結合軸部に結合支持される一対のネット支持杆
と、これらのネット支持杆の間に配したネット部材とに
より、容易、かつ、確実に行うことができる。
【0073】しかも、以上のように、ネット支持杆は、
アーム部材の結合軸部の外端に両端付近で支持されてい
るので、ネット部材を降下させた状態では、同様にベッ
ド側部等に降下状態にあり、ベッド上等で横たわってい
る被介護者に対する介護者の介護活動に、それらが邪魔
になることはない。これは、浴槽等に被介護者を降下入
浴させている場合も同様である。
【0074】またネット支持杆にセットしたネット部材
は着脱自在にしたので、前記進退移動機構を構成した場
合には、ベッド側方に移動した上で、ネット部材を外
し、両側のネット支持杆につかまって往復を繰り返せ
ば、適切なリハビリを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の介護用ベッドの概略側面説明図。
【図2】一実施例の介護用ベッドに於いて、外レール、
内レール及び移動台車のコ字形及び逆コ字形の部分の上
部横板以上の部分を除いた状態の一部切欠概略平面説明
図。
【図3】一実施例の介護用ベッドの移動台車を引き出し
た状態の概略側面説明図。
【図4】一実施例の介護用ベッドの移動台車を内レール
に、内レールを外レールに、それぞれ収納した状態の作
用説明図。
【図5】一実施例の介護用ベッドの移動台車を引き出し
た状態の作用説明図。
【図6】一対のアーム部材の基軸部相互間が拡縮した場
合のアーム部材の回動動作、ネット支持杆の位置及びネ
ット部材のテンションの状態を示した説明図。
【符号の説明】
1 介護用ベッド 2 ベッド枠体 2a 脚部 3 マットレス 4 外レール 5 内レール 6 移動台車 7 パイプ材 8、9、11、12 車輪 13、14 アーム部材 15 ブラケット 19 スクリュー部材 19R 右ねじ部 19L 左ねじ部 21 電動モータ 24、25 ナット部材 26、27 ネット支持杆 28 ネット部材 30 脚部 30a キャスター 40 浴槽

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被介護者の横たわるマットレスが載置さ
    れるベッドと、 前記ベッドの長手方向の両側に、これに平行に配したネ
    ット支持杆と、 前記両ネット支持杆の間に掛け渡したネット部材と、 前記両ネット支持杆を、その両端付近で、各々一端に結
    合してこれと直交方向に延びる結合軸部を有するアーム
    部材であって、該結合軸部に屈曲状態に連続する、前記
    ネット支持杆と平行な基軸部を備えたアーム部材と、 前記ベッドの長手方向両端部に平行に位置し、各々対応
    する位置の一対のアーム部材の間隔を拡縮変動させる間
    隔拡縮機構であって、各一対のアーム部材の基軸部を、
    各々その軸心を中心に回転自在であるように結合する前
    記間隔拡縮機構と、 で構成した介護用ベッド。
  2. 【請求項2】 前記間隔拡縮機構を、 前記ベッドの両端部に、それぞれ該ベッドの幅方向に延
    在して回転可能に設け、その途中の一点を境に右ねじ部
    と左ねじ部とを形成したスクリュー部材と、 前記両スクリュー部材を同期して正転及び逆転駆動する
    回転駆動手段と、 前記両スクリュー部材の右ねじ部と左ねじ部とにそれぞ
    れ螺合したナット部材であって、各々前記アーム部材の
    基軸部をその軸心を中心として回転自在に結合し得るナ
    ット部材と、 で構成した請求項1の介護用ベッド。
  3. 【請求項3】 前記ベッドの長手方向両端に、該ベッド
    の幅方向に延在して配設した一対のレール部材と、 前記一対のレール部材に、各々これらに沿って前記ベッ
    ドの幅方向に往復移動可能に支持され、相互が一部で結
    合されている一対の移動台車と、 前記各移動台車の前記往復移動方向の一方側端部に取り
    付けられ、前記ベッドの設置される床上を移動しつつ、
    前記レール部材とともに前記移動台車を前記床とほぼ平
    行に支持する支持脚部材と、 で進退移動機構を構成し、 前記間隔拡縮機構を、上記進退移動機構の両移動台車に
    設置することとした請求項1又は2の介護用ベッド。
  4. 【請求項4】 前記一対のレール部材を、前記ベッドの
    長手方向両端部に、前記ベッドの幅方向に延在して配設
    された一対の第1レール部材と、前記一対の第1レール
    部材にそれぞれ前記ベッドの幅方向に往復移動可能に支
    持された一対の第2レール部材とで構成し、 前記移動台車を、各々前記一対の第2レール部材に、前
    記ベッドの幅方向に往復移動可能に支持させた請求項3
    の介護用ベッド。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110916433A (zh) * 2019-12-23 2020-03-27 西南交通大学 一种具有消毒灭菌功能的床体结构
JP7317423B1 (ja) * 2023-04-29 2023-07-31 株式会社Taiji 介護用ベッド

Cited By (3)

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