JPH09271366A - 防湿性を有する加工乾海苔及びその製造方法 - Google Patents

防湿性を有する加工乾海苔及びその製造方法

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JPH09271366A
JPH09271366A JP8104817A JP10481796A JPH09271366A JP H09271366 A JPH09271366 A JP H09271366A JP 8104817 A JP8104817 A JP 8104817A JP 10481796 A JP10481796 A JP 10481796A JP H09271366 A JPH09271366 A JP H09271366A
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JP
Japan
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moisture
fatty acid
melting point
acid ester
dry seaweed
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JP8104817A
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Junko Cho
淳子 長
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Maruha Corp
Original Assignee
Maruha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分を含む食品に載せたり巻き付けたり又は
水分を多量に含む具材が表面に露出している食品の具材
を含む部分に接したりしても、食品からの水分に起因す
る湿りを効率良く防止できる加工乾海苔を提供する。 【解決手段】 乾海苔2の片面又は両面の所定の範囲
に、グリセリン脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エス
テル成分を30重量%以上含有し融点が45℃以上100℃以
下に調製されている融点調製混合物又はこれらに調味料
等が添加混合されているものを、グリセリン脂肪酸エス
テル成分が片面では0.375mg/cm2以上両面で7.5mg/cm2
以下の塗布量となるように塗布した後に、グリセリン脂
肪酸エステル又は融点調製混合物の融点以上100℃以下
の雰囲気中に短時間通してグリセリン脂肪酸エステル又
は融点調製混合物を融解させ、次いで乾海苔の品質を維
持させながら冷却し、乾海苔2に防湿膜3を形成して加
工乾海苔1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、御飯や餅等の水分
を含む食品に載せたり巻き付けたりした状態や、水分を
多量に含む具材が表面に露出している食品における露出
している具材を含む部分に接した状態で食される加工乾
海苔であって、食品からの水分に起因する湿りを効率良
く防止することのできる加工乾海苔及びその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】紅藻等の海藻をシート状にして干した板
海苔は、主に御飯や餅に載せたり巻いたりして食されて
いる。この板海苔としては、一般に単に海藻をシート状
にして干したり更に火入れ工程を行ったりして水分約5
%に調製された乾海苔や、この乾海苔を200℃前後の高
温で短時間加熱処理して成分を変性させると共に水分約
2%に調製された焼海苔が広く利用されている。このよ
うな板海苔は、一般的に、乾海苔の場合には食する直前
に焙られて焼海苔にして、また焼海苔の場合はそのまま
で、それぞれ香ばしさと磯の香りとを有する状態で食さ
れるので、食すると最初は乾いたパリパリとした軽い食
感を味わうことができると共に、次第に口の中にとろけ
る柔らかい食感を呈する特長を有しているのであるが、
乾海苔でも焼海苔と同様に食する最初は乾いたパリパリ
とした軽い食感を味わうことができ、焼海苔より強い磯
の香りを有すると共に湿っても成分が加熱変性されてい
ないのでその香り等の変化も少なく、且つ加熱変性によ
る組織の劣化が生じていないので強度が焼海苔に比べて
強いため、乾海苔のままで使用されている場合も多い。
【0003】また、板海苔を巻き付けたり載せたりして
食される食品としては、“おにぎり”や“巻き寿司”が
代表される。前者の“おにぎり”は、従来は好みの具材
を米飯で包み込むように握った後に板海苔を巻いて製造
するのが一般的であったが、近年握った米飯上に具材を
載せたり、押し込んだり、又は握った米飯表面の中央部
等に具材装入用の穴を設けておいてこの穴に具材を装入
して具材が米飯の表面に露出した形態のものとし、これ
を焼海苔がその間に挿入されたプラスチックフィルムで
巻いた状態で販売され、食するときにプラスチックフィ
ルム間から取り出した焼海苔で巻いて海苔の持つパリパ
リとした食感と香ばしい風味とを合わせて味わうことの
できる“おにぎり”が多く普及するようになってきた。
また後者の“巻き寿司”は、焼海苔の表面に酢飯を載せ
更にこの酢飯上に具材を載せてから具材を包み込むよう
に巻いて製造されるものが一般的であった。
【0004】しかしながら、焼海苔は前記した如く“お
にぎり”を構成する米飯や“巻き寿司”を構成する酢飯
等の水分を含んだ食品に接した状態で食されるので、そ
の水分や湯気等により比較的短時間で湿気を帯びて柔ら
かくなり、パリパリとした軽い食感が損なわれるばかり
か、時間の経過と共にその香ばしい風味も損なわれると
いう欠点があった。
【0005】また、前記した市販の“おにぎり”は、食
する直前までは湿気を帯び難いように焼海苔がプラスチ
ックフィルム間に挿入されていて、食する直前にプラス
チックフィルム間から取り出した焼海苔で巻くので、米
飯の水分はあまり多くないため食べ終えるまでの短時間
では焼海苔の米飯と接している部分でも湿気を帯び難く
パリパリとした食感と香ばしい風味とが通常維持される
のであるが、具材が米飯の表面に露出した形態のもので
あってその具材の水分が特に多い場合には焼海苔の具材
と接している部分だけが他の部分と比較して非常に短時
間で湿って伸びを生じ歯切れが悪くなったり、海苔片が
剥がれて具材が剥き出しになる等、焼海苔本来の食感や
風味が著しく損なわれたり板海苔の形態を維持できなく
なるという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消し、御飯や餅等の水分を含む食品に載せ
たり巻き付けたりした状態で比較的長時間維持された
り、水分を多量に含む具材が表面に露出している食品に
おける露出している具材を含む部分に接した状態で食さ
れる板海苔として、湿ってもその香りが変化し難いばか
りかその強度の低下も少ない乾海苔を使用して、食品に
接した部分での食品からの多量の水分に起因する湿りを
効率良く防止することのできる防湿性を有する加工乾海
苔及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決すべく鋭意検討した結果、乾海苔の片面又は両面
の所定の範囲にグリセリン脂肪酸エステル又はこの成分
を30重量%以上含有し融点が45℃以上100℃以下に調製
されている融点調製混合物(以下、単に融点調製混合物
と言うことがある)より成る防湿膜が、グリセリン脂肪
酸エステル成分として単位面積当り片面では0.375mg/c
m2以上で両面で7.5mg/cm2以下の塗布量で形成されてい
れば、水分を含む食品に載せたり巻き付けたりしてもそ
の部分が湿気を帯び難くすることができ、更に水分を多
く含む具材が表面に露出している食品では最も湿気を帯
び易い具材と接する部分だけが早く湿ることを効率良く
防止することができ、また防湿膜に前記効果に加えて防
湿膜中のグリセリン脂肪酸エステル成分が30重量%以上
であるように海苔の使用目的に応じた所望の調味料等が
添加混合することによってその食品の味を引き立てる隠
し味を付与することができることを究明して、本発明に
係る防湿性を有する加工乾海苔を完成した。
【0008】更に、前記した如き構成の防湿性を有する
加工乾海苔を製造するには、乾海苔の片面又は両面の所
定の範囲に、グリセリン脂肪酸エステル又はグリセリン
脂肪酸エステル成分を30重量%以上含有し融点が45℃以
上100℃以下に調製されている融点調製混合物をグリセ
リン脂肪酸エステル成分が単位面積当り片面では0.375m
g/cm2以上で両面で7.5mg/cm2以下の塗布量となるよう
に塗布した後に、グリセリン脂肪酸エステル又は融点調
製混合物の融点以上100℃以下の雰囲気中に短時間通し
てグリセリン脂肪酸エステル又は融点調製混合物を融解
させ、次いで乾海苔の品質を維持させながら冷却して防
湿膜を形成することによって防湿性を有する加工乾海苔
を容易に製造することができることを究明して、本発明
に係る防湿性を有する加工乾海苔の製造方法を完成した
のである。
【0009】そして、前記防湿膜に、製造すべき加工乾
海苔の使用目的に応じて所望の調味料等を添加混合され
ており、グリセリン脂肪酸エステル成分が30重量%以上
であるものを使用すれば、更にその食品の味を引き立て
る隠し味を付与する効果を奏して好ましいことも究明し
たのである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明に係る防
湿性を有する加工乾海苔及びその製造方法について詳細
に説明する。図1〜図8はそれぞれ本発明に係る防湿性
を有する加工乾海苔の防湿膜の形成されている範囲の例
を示す平面説明図、図9〜図13はそれぞれ本発明に係
る防湿性を有する加工乾海苔の防湿膜の配置状態を示す
実施例の断面説明図である。
【0011】図面中、1は本発明に係る防湿性を有する
加工乾海苔であって、乾海苔2の片面又は両面の所定の
範囲に、グリセリン脂肪酸エステルの成分が単位面積当
り片面では0.375mg/cm2以上で両面で7.5mg/cm2以下の
塗布量で防湿膜3が形成されている。
【0012】防湿膜3は、グリセリン脂肪酸エステル,
このグリセリン脂肪酸エステル成分を30重量%以上含有
する融点調製混合物,グリセリン脂肪酸エステル又は融
点調製混合物に調味料等を添加混合せしめられているも
のより形成されており、融点調製混合物の融点は45℃〜
100℃である。グリセリン脂肪酸エステルとしては、防
湿性を付与すべく親水・親油性の調節度合いを表すHL
B(Hydrophile Lipophile Balance)値が8以下と低く
一般に乳化剤として使用されるものが使用され、好まし
くはHLB値が1〜4のものが使用される。またこのう
ち、脂肪酸を構成する炭素鎖が長いものを好ましく使用
される。グリセリン脂肪酸エステルが乳化剤として使用
されるものであると、風味付けの目的で調味料等として
例えば醤油とゴマ油とを添加混合した場合に醤油とゴマ
油とが分離して風味にバラツキが生じるような現象が少
なくなるという効果を奏するので好ましい。
【0013】このように防湿膜3が融点調製混合物又は
融点調製混合物に所望の調味料等が添加混合せしめられ
ているものにより形成されている場合に、融点調製混合
物のグリセリン脂肪酸エステルの成分を30重量%以上と
規定している理由は、グリセリン脂肪酸エステルの成分
が30重量%未満であると所望の防湿効果が得られないか
らであり、グリセリン脂肪酸エステルと混合されて融点
調製混合物を形成する物質としては、食品添加物として
認められていてグリセリン脂肪酸エステルに対して相溶
性のある物質、例えば植物性油脂,動物性油脂,合成油
脂などを使用することができ、このような食品添加物を
含有させることによって食感を滑らかにすることができ
ると共に、融点調製混合物の融点を45℃以上100℃以下
になるように調製できるのである。また、融点調製混合
物の融点を45℃以上とした理由は、一般的に日本国内に
おいて気温は45℃より低いからであり、更に温度管理の
行き届かない保管,流通時に防湿膜が融解しないように
融点が50℃以上であることが好ましい。
【0014】防湿膜3が所望の調味料等が添加混合せし
められている場合に、添加混合せしめられる調味料等と
しては、その使用目的に応じて、水,塩,砂糖,酒,化
学調味料,一味,七味,胡麻,タラコ,しらす,小海
老,海老粉末等を使用すればその食品の味を引き立てる
隠し味を付与することができて好ましく、その例として
は、寿司に使用する場合に海苔の風味を損なうことのな
い量の寿司酢粉末や主として合わせ酢より成る調味液を
グリセリン脂肪酸エステル又は融点調製混合物に混合添
加して使用することができる。
【0015】防湿膜3は、グリセリン脂肪酸エステルの
成分が片面又は両面の所定の範囲に単位面積当り片面で
は0.375mg/cm2以上で両面で7.5mg/cm2以下の塗布量で
形成される。これは、防湿膜3のグリセリン脂肪酸エス
テルの成分が単位面積当り片面で0.375mg/cm2未満であ
るとグリセリン脂肪酸エステル成分がムラの多い状態に
塗布されて湿気を帯び易くなって防湿効果が低下し、ま
た単位面積当り両面で7.5mg/cm2を超えると防湿膜が厚
くなり乾海苔2から剥がれ易くなったり、海苔の風味が
損なわれたり、御飯や餅を巻くときに防湿膜3が折れ易
くなるからであり、実用的には片面の場合には0.75〜2.
0mg/cm2、両面の場合には1.5〜3.75mg/cm2が好まし
い。
【0016】防湿膜3は、乾海苔2の片面又は両面の所
定の範囲に形成されるのであり、この所定の範囲とは、
少なくとも食品の水分が乾海苔2へ移行し易い部分であ
り、例えば水分を多く含んでいる食品の水分が乾海苔2
へ移行して乾海苔2が湿気を帯びる原因となる食品に直
接接する部分である。この例としては、食品自体の水分
は比較的乾海苔2へ移行し難く表面に露出している具材
が水分を多量に含む食品である例えば具材がマヨネーズ
で和えた“たらこ”のような“おにぎり”の場合には、
具材の位置及び大きさに対応してその具材に直接接する
部分であり、1枚の海苔を所定の大きさに切って比較的
温かい酢飯のような食品に巻き付けて使用する場合に食
品に接しない切線の近傍を除いた部分である。そして、
乾海苔2が食品に接するか否かの境界近傍部分には食品
に直接接する部分であっても、短時間では乾海苔2全体
の風味や食感が損なわれない場合にはこの部分に必ずし
も防湿膜3が形成されていなくても良い。
【0017】具体的な態様としては、19cm×21cmの全型
の大きさの加工乾海苔であって、例えば小型の手巻き寿
司用の四つ切り型の加工乾海苔1を得るためには、図1
に示す如く少なくとも手巻寿司を巻いた際にその終端に
位置する部分に防湿膜3を形成しない部分を設けておい
てこの部分を接着代とできるようにした態様や、三角お
にぎり用の半切り型の加工乾海苔1を得るためには、図
2に示す如く一辺が10cm程度の三角おにぎりに押し付け
た際にその押し付けられる部分に防湿膜3が形成されて
いる態様や、図3及び図4に示す如く三角おにぎりの三
角形状を成す両面全面又は片面に防湿膜3が形成されて
いる態様や、具材が表面に露出している三角おにぎり用
の半切り型の加工乾海苔1を得るためには、図5〜図8
に示す如く具材と接する部位のみに部分的に片面又は両
面に防湿膜3が形成されている態様や、図3及び図4に
示す如く具材が表面に露出している側のほぼ全面に防湿
膜3が形成されている態様を示すことができる。
【0018】次に、上記した如き本発明に係る防湿性を
有する加工乾海苔を製造するための本発明方法について
説明する。本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔1を
製造するには、先ず加工すべき乾海苔2を準備する。そ
して、この乾海苔2の前記した如き片面又は両面の所定
の範囲に、グリセリン脂肪酸エステル,融点調製混合
物,グリセリン脂肪酸エステル又は融点調製混合物に所
望の調味料等を添加混合せしめたものを塗布する。この
塗布物の塗布は、アルコール等の溶媒によりこの塗布物
中のグリセリン脂肪酸エステル又は融点調製混合物を溶
解するか又は加熱により融解した状態で、噴霧する方法
又はスポンジローラを介して塗る方法や、粉末状の塗布
物を篩により撒布する方法や、更には乾海苔の両面全面
に防湿膜3を形成する場合には塗布物のグリセリン脂肪
酸エステル又は融点調製混合物が溶解又は融解したもの
の中に浸漬する方法等、種々の方法が採用できる。
【0019】このとき、グリセリン脂肪酸エステル又は
融点調製混合物をグリセリン脂肪酸エステルの成分とし
て、乾海苔2の重量に対して単位面積当り片面では0.37
5mg/cm2以上で両面で7.5mg/cm2以下の塗布量で塗布す
る。
【0020】このようにグリセリン脂肪酸エステル,融
点調製混合物,グリセリン脂肪酸エステル又は融点調製
混合物に所望の調味料等を添加混合せしめたものを塗布
された加工すべき乾海苔は、その乾海苔成分が加熱変性
されることなく且つグリセリン脂肪酸エステル又は融点
調製混合物が融解し得る温度に設定された融解用の雰囲
気であるグリセリン脂肪酸エステル又は融点調製混合物
の融点以上100℃以下の融解用の雰囲気に通して加熱処
理を行う。
【0021】前記雰囲気に通して加熱する時間は、加工
すべき乾海苔に塗布するグリセリン脂肪酸エステル又は
融点調製混合物の融点,その塗布量,雰囲気温度等に対
応して決定され、加工すべき乾海苔が加熱変性されるこ
となく且つグリセリン脂肪酸エステル又は融点調製混合
物を融解させることができ乾海苔の片面又は両面の所定
の範囲に均一に付着させることのできる短時間であるこ
とが必要である。
【0022】このように融解用の雰囲気に通して熱処理
された乾海苔を、次いでその乾海苔の品質を維持させな
がら冷却する。例えば、グリセリン脂肪酸エステル,融
点調製混合物,グリセリン脂肪酸エステル又は融点調製
混合物に所望の調味料等を添加混合せしめたものを塗布
した後、前記熱処理を施した乾海苔を急冷すると、乾海
苔に空気中の水分が凝結し乾海苔の品質が損なわれる恐
れがあるので、自然冷却するか又は温度と湿度とを管理
しながら徐冷することによってグリセリン脂肪酸エステ
ル又は融点調製混合物を凝固させて、乾海苔2に防湿膜
3を形成するのである。
【0023】
【実施例】
実施例1 加工すべき乾海苔として19cm×21cmの大きさでその重量
が約3gの乾海苔を使用し、グリセリン脂肪酸エステル
であるステアリン酸エステル(SYグリスターPS-310,阪
本薬品会社製)を両面全面に単位面積当り片面で1.5mg
/cm2の塗布量で塗布し、90℃の融解用の雰囲気に25秒
間通して加熱処理した後、自然冷却して乾海苔の両面に
防湿膜を形成せしめた防湿性を有する加工乾海苔を製造
した。上記した如き加工乾海苔を、室温にまで冷ました
御飯の上に載せて放置したときの湿気具合及び色の状態
を経時的に目視により観察した。
【0024】実施例2 ステアリン酸エステルを塗布する面を片面全面のみとし
た以外は実施例1と同様にして防湿性を有する加工乾海
苔を製造し、この加工乾海苔を防湿膜を形成された面を
下にして室温にまで冷ました御飯の上に載せて放置した
ときの湿気具合及び色の状態を経時的に目視により観察
した。
【0025】上記実施例1及び2の結果と、乾海苔を室
温にまで冷ました御飯の上に載せて放置したときの湿気
具合及び色の状態を経時的に目視により観察した結果を
表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】実施例3 ステアリン酸エステルを塗布する範囲を図5に示す所定
の範囲の両面とした以外は実施例1と同様にして防湿性
を有する加工乾海苔を製造した。上記した如き加工乾海
苔を、具材であるマヨネーズで和えた“たらこ”が表面
に露出している常温のおにぎりに、防湿膜が具材に接す
るように巻いた状態でおにぎりを食するのに充分な時間
である10分間放置した際の加工乾海苔における防湿膜が
形成されている部分(具材当接部分)と形成されていな
い部分(非具材当接部分)とについて湿気具合と食感と
を観察した。
【0028】実施例4 ステアリン酸エステルを塗布する範囲を図5に示す所定
の範囲の片面とした以外は実施例3と同様にして防湿性
を有する加工乾海苔を製造し、具材であるマヨネーズで
和えた“たらこ”が表面に露出している常温のおにぎり
に、防湿膜が具材に接するように巻いた状態でおにぎり
を食するのに充分な時間である10分間放置した際の加工
乾海苔における防湿膜が形成されている部分(具材当接
部分)と形成されていない部分(非具材当接部分)とに
ついて湿気具合と食感とを観察した。上記実施例3及び
4の結果と、乾海苔を具材であるマヨネーズで和えた
“たらこ”が表面に露出している常温のおにぎりに巻い
た状態でおにぎりを食するのに充分な時間である10分間
まで放置した際の具材に接している部分(具材当接部
分)と具材に接していない部分(非具材当接部分)とに
ついて湿気具合と食感とを観察した結果とを表2に示し
た。
【0029】
【表2】
【0030】実施例1において、ステアリン酸エステル
に代えて、ステアリン酸エステルと食用トウモロコシ油
とから成りステアリン酸エステル成分をそれぞれ10,3
0,50,60重量%含有する融点調製混合物を使用して製
造した加工乾海苔を、室温にまで冷ました御飯の上に載
せて1時間放置したときの湿気具合及び色の状態を目視
により観察した結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】実施例3において、ステアリン酸エステル
に代えて、ステアリン酸エステルと食用トウモロコシ油
とから成りステアリン酸エステル成分をそれぞれ10,3
0,50,60重量%含有する融点調製混合物を使用して製
造した加工乾海苔を、具材であるマヨネーズで和えた
“たらこ”が表面に露出している常温のおにぎりに、防
湿膜が具材に接するように巻いた状態でおにぎりを食す
るのに充分な時間である10分間まで放置した際の加工乾
海苔における防湿膜が形成されている部分(具材当接部
分)と形成されていない部分(非具材当接部分)とにつ
いて湿気具合と食感とを観察した結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】更に、実施例1において、乾海苔の両面全
面に、ステアリン酸エステルの塗布量を単位面積当り片
面で0.19,0.38,0.75,1.13,1.88,2.63,3.76,4.5
1,5.50,7.50mg/cm2(両面で0.38,0.75,1.50,2.2
6,3.76,5.26,7.52,9.02,11.0,15.0mg/cm2)とし
た以外は実施例1と同様にして乾海苔及び加工乾海苔を
製造し、この乾海苔及び加工乾海苔を室温にまで冷まし
た御飯の上に載せて1時間放置したときの湿気具合を目
視により観察すると共に食した食感を観察した結果を表
5に示す。
【0035】
【表5】
【0036】また、実施例3において、乾海苔の両面全
面に、ステアリン酸エステルの塗布量を単位面積当り片
面で0.19,0.38,0.75,1.13,1.88,2.63,3.76,4.5
1,5.50,7.50mg/cm2(両面で0.38,0.75,1.50,2.2
6,3.76,5.26,7.52,9.02,11.0,15.0mg/cm2)で塗
布した以外は実施例3と同様にして乾海苔及び加工乾海
苔を製造し、この乾海苔及び加工乾海苔を具材であるマ
ヨネーズで和えた“たらこ”が表面に露出している常温
のおにぎりに防湿膜が具材に接するように巻いた状態で
おにぎりを食するのに充分な時間である10分間放置した
際の加工乾海苔における防湿膜が形成されている部分
(具材当接部分)と形成されていない部分(非具材当接
部分)とについて湿気具合と食感とを観察した結果を表
6に示す。
【0037】
【表6】
【0038】また、実施例1において、ステアリン酸エ
ステルに代えて、ステアリン酸エステルと寿司酢粉末と
を混合しステアリン酸エステル成分を10,30,50,60重
量%含有する調味料等を混合添加されたものを使用した
以外は実施例1と同様にして加工乾海苔を製造し、この
加工乾海苔を室温にまで冷ました御飯の上に載せて1時
間放置したときの湿気具合及び色の状態を目視により観
察した結果を表7に示す。
【0039】
【表7】
【0040】また、実施例3において、ステアリン酸エ
ステルに代えて、ステアリン酸エステルと食用トウモロ
コシ油とを混合した融点調製混合物に調味料等としてそ
れぞれエビ粉末を5重量%混合したもので、ステアリン
酸エステル成分をそれぞれ10,30,50,60重量%含有す
る使用して製造した加工乾海苔を、具材であるマヨネー
ズで和えた“たらこ”が表面に露出している常温のおに
ぎりに、防湿膜が具材に接するように巻いた状態でおに
ぎりを食するのに充分な時間である10分間放置した際の
加工乾海苔における防湿膜が形成されている部分(具材
当接部分)と形成されていない不部分(非具材当接部
分)とについて湿気具合と食感とを観察した結果を表8
に示す。
【0041】
【表8】
【0042】
【発明の効果】以上に詳述した如き本発明方法により製
造される本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔は、乾
海苔の片面又は両面の所定の範囲、即ち主として水分を
多く含む食品と接する部分例えば食品の表面に露出して
いる水分を多く含む具材と接する部分に、グリセリン脂
肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル成分を含有す
る融点調製混合物,グリセリン脂肪酸エステル又は融点
調製混合物に調味料等が添加混合されているものから成
る防湿膜がそのグリセリン脂肪酸エステルの成分として
単位面積当り片面では0.375mg/cm2以上両面で7.5mg/c
m2の塗布量で形成されているので、御飯や餅等の水分を
含む食品に載せたり巻き付けたりしたときに湿気を帯び
難く防湿効果を奏する。従って、店頭販売される海苔が
既に巻かれた食品,例えばのり巻,おにぎり等の食品製
造から販売又は消費に至るまでに時間が掛かる場合にも
防湿膜が形成されている部分では湿気難いので、商品価
値の高い食品を提供することができる。
【0043】そして、特に水分を多く含む具材が表面に
露出している食品に使用する場合には、水分が乾海苔に
移行し易い具材に接する部分を含んだ部分より僅かに広
い範囲のみに防湿膜が形成されていれば、具材に接する
部分が他の部分に比べ歯切れが悪くなったり、海苔が破
れて具材が露出したりする等の商品価値を低下させる現
象の発生もなく、また冷めた御飯のような比較的水分が
少なくなっている部分に防湿膜が形成されていない部分
がかなりの時間接触して湿っても焼海苔のように加熱変
性されていないので乾海苔本来の風味が損なわれること
がない。
【0044】また、一般的に日本国内において気温は45
℃より低く、防湿膜の融点は45℃以上であるので、防湿
膜が融解し難く、防湿膜に起因するべとつきや重ねられ
て包装されている乾海苔同士の接着が防止される。
【0045】更に、防湿膜を形成するために、加工乾海
苔の使用目的に応じた調味料等を融点調製混合物に混合
添加したものを使用することによって、食品のうま味を
より一層引き立てることができる。
【0046】このように種々の効果を奏する本発明は、
乾海苔の使用範囲を大幅に拡大できて、食品分野に貢献
する価値の非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔の防湿
膜の形成されている範囲の1例を示す平面説明図であ
る。
【図2】本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔の防湿
膜の形成されている範囲の1例を示す平面説明図であ
る。
【図3】本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔の防湿
膜の形成されている範囲の1例を示す平面説明図であ
る。
【図4】本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔の防湿
膜の形成されている範囲の1例を示す平面説明図であ
る。
【図5】本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔の防湿
膜の形成されている範囲の1例を示す平面説明図であ
る。
【図6】本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔の防湿
膜の形成されている範囲の1例を示す平面説明図であ
る。
【図7】本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔の防湿
膜の形成されている範囲の1例を示す平面説明図であ
る。
【図8】本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔の防湿
膜の形成されている範囲の1例を示す平面説明図であ
る。
【図9】本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔の防湿
膜の配置状態の1実施例を示す平面説明図である。
【図10】本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔の防
湿膜の配置状態の他の実施例を示す平面説明図である。
【図11】本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔の防
湿膜の配置状態の他の実施例を示す平面説明図である。
【図12】本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔の防
湿膜の配置状態の他の実施例を示す平面説明図である。
【図13】本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔の防
湿膜の配置状態の他の実施例を示す平面説明図である。
【符号の説明】
1 本発明に係る防湿性を有する加工乾海苔 2 乾海苔 3 防湿膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾海苔(2)の片面又は両面の所定の範囲
    にグリセリン脂肪酸エステルより成る防湿膜(3)が、単
    位面積当り片面では0.375mg/cm2以上で両面で7.5mg/c
    m2以下の塗布量で形成されていることを特徴とする防湿
    性を有する加工乾海苔(1)。
  2. 【請求項2】 防湿膜(3)が、グリセリン脂肪酸エステ
    ルに代えてグリセリン脂肪酸エステル成分を30重量%以
    上含有し、融点を45℃以上100℃以下に調製されている
    融点調製混合物より成り、グリセリン脂肪酸エステル成
    分が単位面積当り片面では0.375mg/cm2以上で両面で7.
    5mg/cm2以下の塗布量で形成されている請求項1に記載
    の防湿性を有する加工乾海苔(1)。
  3. 【請求項3】 防湿膜(3)が、グリセリン脂肪酸エステ
    ル又は融点調製混合物に製造すべき加工乾海苔の使用目
    的に応じた所望の調味料等が添加混合されているもので
    あり、該防湿膜(3)中のグリセリン脂肪酸エステル成分
    が30重量%以上である請求項1又は2に記載の防湿性を
    有する加工乾海苔(1)。
  4. 【請求項4】 乾海苔(2)の片面又は両面の所定の範囲
    に、グリセリン脂肪酸エステルを単位面積当り片面では
    0.375mg/cm2以上で両面で7.5mg/cm2以下の塗布量とな
    るように塗布した後に、該グリセリン脂肪酸エステルの
    融点以上100℃以下の雰囲気中に短時間通してグリセリ
    ン脂肪酸エステルを融解させ、次いで乾海苔の品質を維
    持させながら冷却して防湿膜(3)を形成することを特徴
    とする防湿性を有する加工乾海苔の製造方法。
  5. 【請求項5】 乾海苔(2)の片面又は両面の所定の範囲
    に、グリセリン脂肪酸エステル成分を30重量%以上含有
    し融点が45℃以上100℃以下に調製されている融点調製
    混合物をグリセリン脂肪酸エステル成分が単位面積当り
    片面では0.375mg/cm2以上で両面で7.5mg/cm2以下の塗
    布量となるように塗布した後に、該融点調製混合物の融
    点以上100℃以下の雰囲気中に短時間通して該融点調製
    混合物を融解させ、次いで乾海苔の品質を維持させなが
    ら冷却して防湿膜(3)を形成することを特徴とする防湿
    性を有する加工乾海苔の製造方法。
  6. 【請求項6】 製造すべき加工乾海苔の使用目的に応じ
    て防湿膜(3)に所望の調味料等を添加混合されており、
    グリセリン脂肪酸エステル成分が30重量%以上であるも
    のを使用する請求項4又は5に記載の防湿性を有する加
    工乾海苔の製造方法。
JP8104817A 1996-04-03 1996-04-03 防湿性を有する加工乾海苔及びその製造方法 Pending JPH09271366A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022027054A (ja) * 2020-07-31 2022-02-10 ハラダ製茶株式会社 味付け海苔の製造方法

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