JPH09270479A - セラミック配線基板 - Google Patents
セラミック配線基板Info
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- JPH09270479A JPH09270479A JP10410696A JP10410696A JPH09270479A JP H09270479 A JPH09270479 A JP H09270479A JP 10410696 A JP10410696 A JP 10410696A JP 10410696 A JP10410696 A JP 10410696A JP H09270479 A JPH09270479 A JP H09270479A
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- H01L2924/00—Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
- H01L2924/0001—Technical content checked by a classifier
- H01L2924/0002—Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00
Abstract
(57)【要約】
【課題】Ag系、Ag−Pd系、Au系、Cu系などの
低融点の導体材料からなる表面メタライズ部に、I/O
ピン、ヒ−トシンク等の金属部材を接合する際の、導体
材料とろう材との反応による不具合等の問題を解消する
こと。 【解決手段】Ag系、Ag−Pd系、Au系、Cu系か
ら選ばれる少なくとも1種の表面メタライズ部4を有す
るセラミック配線基板1において、該表面メタライズ部
4に金属部材2、5がAl合金系のろう材3を用いて接
合されていること。Al合金系のろう材がAlとSi、
Cu、Ge、Sn、Zn、Biから選ばれる少なくとも
1つの金属とからなる合金であること。
低融点の導体材料からなる表面メタライズ部に、I/O
ピン、ヒ−トシンク等の金属部材を接合する際の、導体
材料とろう材との反応による不具合等の問題を解消する
こと。 【解決手段】Ag系、Ag−Pd系、Au系、Cu系か
ら選ばれる少なくとも1種の表面メタライズ部4を有す
るセラミック配線基板1において、該表面メタライズ部
4に金属部材2、5がAl合金系のろう材3を用いて接
合されていること。Al合金系のろう材がAlとSi、
Cu、Ge、Sn、Zn、Biから選ばれる少なくとも
1つの金属とからなる合金であること。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Ag系、Ag−P
d系、Au系、Cu系などの低融点の導体材料からなる
表面メタライズ部を有するセラミック配線基板におい
て、表面メタライズ部にI/Oピン、リ−ド、シ−ルリ
ング、ヒ−トシンク等の金属部材が接合されたセラミッ
ク配線基板に関する。
d系、Au系、Cu系などの低融点の導体材料からなる
表面メタライズ部を有するセラミック配線基板におい
て、表面メタライズ部にI/Oピン、リ−ド、シ−ルリ
ング、ヒ−トシンク等の金属部材が接合されたセラミッ
ク配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、LSIなどの半導体素子を実装す
る基板として、アルミナ系セラミックを絶縁材料とする
配線基板が使用されてきた。しかし、アルミナ系セラミ
ック材料の焼成温度が高く、同時焼成が可能な導体材料
としては高融点金属であるW、Mo等が使われるため、
導通抵抗が10〜20mΩ/□(mΩ/mm2)と高く
なる問題を有していた。そこで、Au系、Ag系、Ag
−Pd系、Cu系などの低融点で低抵抗な導体材料と、
それらと同時焼成可能な低温焼成絶縁材料としてガラス
あるいはガラスセラミックとを用いる配線基板が使用さ
れるようになってきた。ただし、Au系は導体材料とし
ては高価であり、またCu系は酸化を防止するために還
元性雰囲気で焼成を行う必要があることなどから、Ag
系、Ag−Pd系の導体材料が特に注目されている。
る基板として、アルミナ系セラミックを絶縁材料とする
配線基板が使用されてきた。しかし、アルミナ系セラミ
ック材料の焼成温度が高く、同時焼成が可能な導体材料
としては高融点金属であるW、Mo等が使われるため、
導通抵抗が10〜20mΩ/□(mΩ/mm2)と高く
なる問題を有していた。そこで、Au系、Ag系、Ag
−Pd系、Cu系などの低融点で低抵抗な導体材料と、
それらと同時焼成可能な低温焼成絶縁材料としてガラス
あるいはガラスセラミックとを用いる配線基板が使用さ
れるようになってきた。ただし、Au系は導体材料とし
ては高価であり、またCu系は酸化を防止するために還
元性雰囲気で焼成を行う必要があることなどから、Ag
系、Ag−Pd系の導体材料が特に注目されている。
【0003】またこのような低温焼成の配線基板に、I
/Oピン、リ−ド、シ−ルリング、ヒ−トシンク等の金
属部材を接合する場合、ろう付けによる方法が広く行わ
れている。具体的には、基板本体上の金属部材をろう付
けすべき箇所に、ろう材が濡れやすい金属で、ろう付け
用下地を形成し、その下地にAg−Cu系のろう材を用
いて金属部材をろう付けする。下地としては、基板本体
と同時焼成する導体材料や、2次メタライズ用の導体材
料が使用可能である。
/Oピン、リ−ド、シ−ルリング、ヒ−トシンク等の金
属部材を接合する場合、ろう付けによる方法が広く行わ
れている。具体的には、基板本体上の金属部材をろう付
けすべき箇所に、ろう材が濡れやすい金属で、ろう付け
用下地を形成し、その下地にAg−Cu系のろう材を用
いて金属部材をろう付けする。下地としては、基板本体
と同時焼成する導体材料や、2次メタライズ用の導体材
料が使用可能である。
【0004】しかし、Au系、Ag系、Ag−Pd系、
Cu系などの低融点の金属材料によって形成されたメタ
ライズ部に、Ag−Cu系などの高融点のろう材を用い
て接合を行うと、焼成温度(約800〜1100℃)と
ろう付け温度(約800〜900℃)が近い温度域であ
るため、金属材料とろう材が反応したり(いわゆる、ろ
う食われ現象)や、絶縁材料であるガラス等の軟化点が
700〜800℃程度であることより、基板自体に変形
が発生する恐れがある。そこで低温焼成の配線基板に関
しては、比較的低融点のろう材を用いて接合を行う方法
がいくつか提案されている。例えば特開平4−9796
5号公報では、融点が610〜760℃のAg系のろう
材を用いる方法が開示され、また特開平6−33410
2号公報では融点が600℃以下のAu−Sn系、Au
−Si系、Au−In系のろう材を用いる方法が開示さ
れている。
Cu系などの低融点の金属材料によって形成されたメタ
ライズ部に、Ag−Cu系などの高融点のろう材を用い
て接合を行うと、焼成温度(約800〜1100℃)と
ろう付け温度(約800〜900℃)が近い温度域であ
るため、金属材料とろう材が反応したり(いわゆる、ろ
う食われ現象)や、絶縁材料であるガラス等の軟化点が
700〜800℃程度であることより、基板自体に変形
が発生する恐れがある。そこで低温焼成の配線基板に関
しては、比較的低融点のろう材を用いて接合を行う方法
がいくつか提案されている。例えば特開平4−9796
5号公報では、融点が610〜760℃のAg系のろう
材を用いる方法が開示され、また特開平6−33410
2号公報では融点が600℃以下のAu−Sn系、Au
−Si系、Au−In系のろう材を用いる方法が開示さ
れている。
【0005】ところが、Au系、Ag系、Ag−Pd
系、Cu系のメタライズ部へAg系のろう材で接合を行
うと、両者が反応したり、ろう材がメタライズ部とセラ
ミック基板との接合部にまで侵入して体積膨張を生じた
りして、メタライズ部とセラミック基板との密着強度の
低下を引き起こす恐れがある。また、Au−Sn系、A
u−Si系、Au−In系のろう材で接合を行うと、こ
れらのろう材の融点が400℃前後と低温であるため、
ろう付け以後の熱加工の温度範囲が制限される。またA
u系のろう材は高価であるため、コスト高となる。
系、Cu系のメタライズ部へAg系のろう材で接合を行
うと、両者が反応したり、ろう材がメタライズ部とセラ
ミック基板との接合部にまで侵入して体積膨張を生じた
りして、メタライズ部とセラミック基板との密着強度の
低下を引き起こす恐れがある。また、Au−Sn系、A
u−Si系、Au−In系のろう材で接合を行うと、こ
れらのろう材の融点が400℃前後と低温であるため、
ろう付け以後の熱加工の温度範囲が制限される。またA
u系のろう材は高価であるため、コスト高となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Ag系、A
g−Pd系、Au系、Cu系などの低融点の導体材料か
らなる表面メタライズ部を有するセラミック配線基板に
おいて、表面メタライズ部にI/Oピン、リ−ド、シ−
ルリング、ヒ−トシンク等の金属部材を接合する場合に
発生する上記問題点、すなわちAg系のろう材における
導体材料とろう材との反応による不具合、あるいはAu
系ろう材におけるその後の熱処理温度の制限、コストの
問題を解消することを課題とする。
g−Pd系、Au系、Cu系などの低融点の導体材料か
らなる表面メタライズ部を有するセラミック配線基板に
おいて、表面メタライズ部にI/Oピン、リ−ド、シ−
ルリング、ヒ−トシンク等の金属部材を接合する場合に
発生する上記問題点、すなわちAg系のろう材における
導体材料とろう材との反応による不具合、あるいはAu
系ろう材におけるその後の熱処理温度の制限、コストの
問題を解消することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1の発明は、Ag系、Ag−Pd系、Au系、
Cu系から選ばれる少なくとも1種の表面メタライズ部
に金属部材がAl合金系のろう材を用いて接合されてい
ることを特徴とするセラミック配線基板を要旨とする。
の請求項1の発明は、Ag系、Ag−Pd系、Au系、
Cu系から選ばれる少なくとも1種の表面メタライズ部
に金属部材がAl合金系のろう材を用いて接合されてい
ることを特徴とするセラミック配線基板を要旨とする。
【0008】請求項2の発明は、ろう材がAlとSi、
Cu、Ge、Sn、Zn、Biから選ばれる少なくとも
1つの金属とからなることを特徴とする請求項1に記載
のセラミック配線基板を要旨とする。
Cu、Ge、Sn、Zn、Biから選ばれる少なくとも
1つの金属とからなることを特徴とする請求項1に記載
のセラミック配線基板を要旨とする。
【0009】請求項3の発明は、ろう材がAlを50重
量%以上含有することを特徴とする請求項1、2のいず
れか1つに記載のセラミック配線基板を要旨とする。
量%以上含有することを特徴とする請求項1、2のいず
れか1つに記載のセラミック配線基板を要旨とする。
【0010】請求項4の発明は、絶縁材料としてガラス
セラミックが用いられることを特徴とする請求項1〜3
のいずれか1つに記載のセラミック配線基板を要旨とす
る。
セラミックが用いられることを特徴とする請求項1〜3
のいずれか1つに記載のセラミック配線基板を要旨とす
る。
【0011】請求項5の発明は、上記表面メタライズ部
の表面に形成されたNi層を介して金属部材が接合され
ていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに
記載のセラミック配線基板を要旨とする。
の表面に形成されたNi層を介して金属部材が接合され
ていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに
記載のセラミック配線基板を要旨とする。
【0012】請求項6の発明は、上記Ni層がメッキ法
により形成されたものであることを特徴とする請求項5
に記載のセラミック配線基板を要旨とする。
により形成されたものであることを特徴とする請求項5
に記載のセラミック配線基板を要旨とする。
【0013】ここで言うAl合金系のろう材とは、Al
とSi、Cu、Ge、Sn、Zn、Biから選ばれる少
なくとも1つの金属とからなるものであり、さらにAl
を50重量%以上含有するものが好ましく使用できる。
具体的には、Al−Si系のろう材(融点580〜62
0℃)、Al−Zn系のろう材(融点410〜650
℃)、Al−Cu−Si系のろう材(融点510〜63
0℃)、Al−Cu−Si−Zn系のろう材(融点41
0〜600℃)、Al−Ge系のろう材(融点424〜
600℃)などが使用できる。これらろう材の詳細な組
成として、Al88−Si12(融点580℃)、Al50−
Zn50(融点570℃)、Al68.4−Cu27.1−Si
4.5(融点514℃)、Al50−Ge50(融点425
℃)、Al23.9−Cu9.5−Si1.6−Zn65があげら
れ、好ましく使用できる。
とSi、Cu、Ge、Sn、Zn、Biから選ばれる少
なくとも1つの金属とからなるものであり、さらにAl
を50重量%以上含有するものが好ましく使用できる。
具体的には、Al−Si系のろう材(融点580〜62
0℃)、Al−Zn系のろう材(融点410〜650
℃)、Al−Cu−Si系のろう材(融点510〜63
0℃)、Al−Cu−Si−Zn系のろう材(融点41
0〜600℃)、Al−Ge系のろう材(融点424〜
600℃)などが使用できる。これらろう材の詳細な組
成として、Al88−Si12(融点580℃)、Al50−
Zn50(融点570℃)、Al68.4−Cu27.1−Si
4.5(融点514℃)、Al50−Ge50(融点425
℃)、Al23.9−Cu9.5−Si1.6−Zn65があげら
れ、好ましく使用できる。
【0014】Ag系、Ag−Pd系、Au系、Cu系の
メタライズとは、それらの金属材料を主成分とする低抵
抗の導体材料であり、それら金属あるいは合金材料のみ
からなるものの他に、Cr2O3などの金属酸化物成分を
添加したものでもよい。また焼成時にセラミックとの収
縮率を整合させ、さらにセラミックとの密着性を高める
ため、ガラスまたはガラスセラミックからなる成分、あ
るいはそれに類似する組成系のガラス成分を含んでもよ
い。
メタライズとは、それらの金属材料を主成分とする低抵
抗の導体材料であり、それら金属あるいは合金材料のみ
からなるものの他に、Cr2O3などの金属酸化物成分を
添加したものでもよい。また焼成時にセラミックとの収
縮率を整合させ、さらにセラミックとの密着性を高める
ため、ガラスまたはガラスセラミックからなる成分、あ
るいはそれに類似する組成系のガラス成分を含んでもよ
い。
【0015】金属部材とは、I/Oピン、リ−ド、シ−
ルリング、ヒ−トシンク等のセラミック配線基板表面の
メタライズ部にろう付けされ接合されるものを言う。I
/Oピン、リ−ド、シ−ルリング等の材質としてはコバ
−ル(Fe−Ni−Co)、42アロイ(Fe−Ni)
などのセラミック材料の熱膨張係数に比較的近い熱膨張
係数を有する金属材料を用いることができる。またヒ−
トシンクとしては、Cu−W、Mo、Alなどの高熱伝
導性の材料を用いることができる。この場合には、Cu
等の弾性係数が大きい材料を緩衝材として用いることが
好ましい。
ルリング、ヒ−トシンク等のセラミック配線基板表面の
メタライズ部にろう付けされ接合されるものを言う。I
/Oピン、リ−ド、シ−ルリング等の材質としてはコバ
−ル(Fe−Ni−Co)、42アロイ(Fe−Ni)
などのセラミック材料の熱膨張係数に比較的近い熱膨張
係数を有する金属材料を用いることができる。またヒ−
トシンクとしては、Cu−W、Mo、Alなどの高熱伝
導性の材料を用いることができる。この場合には、Cu
等の弾性係数が大きい材料を緩衝材として用いることが
好ましい。
【0016】基板本体を構成する絶縁材料は、Ag系等
の上記の導体材料と同時焼成可能な、すなわち800〜
1100℃で焼成可能なガラスセラミック材料が好まし
く使用できる。例えばホウケイ酸ガラスや、更に数種類
の酸化物成分(MgO、CaO、SrO、BaO、Al
2O3、K2O、Na2O、Li2O、ZnO、ZrO2、T
iO2)を含むガラスに骨材としてアルミナ、石英、ム
ライト、コ−ジエライトなどのセラミック粒子を混合し
たガラスセラミック材料を使うことができる。
の上記の導体材料と同時焼成可能な、すなわち800〜
1100℃で焼成可能なガラスセラミック材料が好まし
く使用できる。例えばホウケイ酸ガラスや、更に数種類
の酸化物成分(MgO、CaO、SrO、BaO、Al
2O3、K2O、Na2O、Li2O、ZnO、ZrO2、T
iO2)を含むガラスに骨材としてアルミナ、石英、ム
ライト、コ−ジエライトなどのセラミック粒子を混合し
たガラスセラミック材料を使うことができる。
【0017】絶縁材料としては、上記の同時焼成可能な
ものに限定されず、アルミナ配線基板のような高温で焼
成される基板の表面に、Ag系、Ag−Pd系、Au
系、Cu系のメタライズ部を2次焼成で形成可能なもの
でもよい。また、ガラスセラミック配線基板において
も、Ag系、Ag−Pd系、Au系、Cu系のメタライ
ズ部を2次焼成で形成する場合でも適用できる。
ものに限定されず、アルミナ配線基板のような高温で焼
成される基板の表面に、Ag系、Ag−Pd系、Au
系、Cu系のメタライズ部を2次焼成で形成可能なもの
でもよい。また、ガラスセラミック配線基板において
も、Ag系、Ag−Pd系、Au系、Cu系のメタライ
ズ部を2次焼成で形成する場合でも適用できる。
【0018】Ni層を介して金属部材が接合されている
のが特に好ましい。これは、Ag系、Ag−Pd系、A
u系、Cu系の表面メタライズ部の表面にNi層を形成
することにより、Al系合金からなるろう材が濡れやす
くなるためである。このNi層の厚さは0.3μm〜
5.0μmが好ましい。これは0.3μm未満であるとN
i層を形成する効果が発揮されないためである。また、
5.0μmを越えると、Ni層自体が低強度のため、接
合強度が低下するため好ましくない。なお、Ni層は電
解メッキ法、無電解メッキ法などの方法により容易に形
成することができる。
のが特に好ましい。これは、Ag系、Ag−Pd系、A
u系、Cu系の表面メタライズ部の表面にNi層を形成
することにより、Al系合金からなるろう材が濡れやす
くなるためである。このNi層の厚さは0.3μm〜
5.0μmが好ましい。これは0.3μm未満であるとN
i層を形成する効果が発揮されないためである。また、
5.0μmを越えると、Ni層自体が低強度のため、接
合強度が低下するため好ましくない。なお、Ni層は電
解メッキ法、無電解メッキ法などの方法により容易に形
成することができる。
【0019】
【作用】Al合金系のろう材の融点は、例えばAl−S
i系のろう材では約580〜620℃、Al−Cu−S
i系のろう材では510〜630℃であり、Ag系、A
g−Pd系、Au系、Cu系等の表面メタライズ部を有
する配線基板の焼成温度より低温でろう付け加工を行う
ことができる。また、Ag系のろう材のように、上記の
導体材料と反応することなしに直接メタライズ部にろう
付け加工を行うことができる。また、Au系のろう材ほ
ど低融点でないため、その後の熱処理の温度範囲を制限
されることがない。
i系のろう材では約580〜620℃、Al−Cu−S
i系のろう材では510〜630℃であり、Ag系、A
g−Pd系、Au系、Cu系等の表面メタライズ部を有
する配線基板の焼成温度より低温でろう付け加工を行う
ことができる。また、Ag系のろう材のように、上記の
導体材料と反応することなしに直接メタライズ部にろう
付け加工を行うことができる。また、Au系のろう材ほ
ど低融点でないため、その後の熱処理の温度範囲を制限
されることがない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を実
施例として記載するとともに、本発明の範囲外のものに
ついても比較例として記載する。
施例として記載するとともに、本発明の範囲外のものに
ついても比較例として記載する。
【0021】
実施例1 ホウケイ酸ガラスであるCaO−MgO−Al2O3−S
iO2−B2O3系のガラス粉末とアルミナ粉末から製作
されたセラミックグリ−ンシ−トに、内部配線としては
Ag系の導体ぺ−ストを、表面配線としてはAg−Pd
系(Ag80−Pd20)の導体ぺ−ストを使用して配線パ
タ−ンを印刷した後、複数枚積層し熱圧着した。層間の
導体の接続は、グリ−ンシ−トにパンチングにより形成
したスル−ホ−ル中にAg系導体ぺ−ストを充填して行
った。積層体を大気中250℃の熱処理で脱バインダを
行い、次いで大気中950℃、3時間の熱処理で焼成を
行い、セラミック配線基板本体(1)を得た。
iO2−B2O3系のガラス粉末とアルミナ粉末から製作
されたセラミックグリ−ンシ−トに、内部配線としては
Ag系の導体ぺ−ストを、表面配線としてはAg−Pd
系(Ag80−Pd20)の導体ぺ−ストを使用して配線パ
タ−ンを印刷した後、複数枚積層し熱圧着した。層間の
導体の接続は、グリ−ンシ−トにパンチングにより形成
したスル−ホ−ル中にAg系導体ぺ−ストを充填して行
った。積層体を大気中250℃の熱処理で脱バインダを
行い、次いで大気中950℃、3時間の熱処理で焼成を
行い、セラミック配線基板本体(1)を得た。
【0022】Al−Cu−Si系のろう材(Al68.2−
Cu27.1−Si4.7)を、ろう付けする鍔状部(21)
に溶融付着したリ−ドピン(2)を金属部材として用意
する(図示せず)。リ−ドピン(2)はコバ−ル製で、
軸径0.45mm、鍔状部(21)は0.7mmφのも
のを用意した。リ−ドピン(2)と基板本体(1)を、
炭素製のろう付け治具(図示せず)にセットし、窒素雰
囲気中、600℃の熱処理でろう付けを行った(図
1)。
Cu27.1−Si4.7)を、ろう付けする鍔状部(21)
に溶融付着したリ−ドピン(2)を金属部材として用意
する(図示せず)。リ−ドピン(2)はコバ−ル製で、
軸径0.45mm、鍔状部(21)は0.7mmφのも
のを用意した。リ−ドピン(2)と基板本体(1)を、
炭素製のろう付け治具(図示せず)にセットし、窒素雰
囲気中、600℃の熱処理でろう付けを行った(図
1)。
【0023】ろう付け強度を、リ−ドピン(2)をろう
付け面に対し45゜上方へ引っ張って試験した。いずれ
のリ−ドピン(2)も軸部(22)で切断され、基板本
体(1)とリ−ドピン(2)は十分な強度でろう付けさ
れていた。
付け面に対し45゜上方へ引っ張って試験した。いずれ
のリ−ドピン(2)も軸部(22)で切断され、基板本
体(1)とリ−ドピン(2)は十分な強度でろう付けさ
れていた。
【0024】実施例2 実施例2は、ろう材をAl−Ge系(Al90−Ge10)
のものとし、ろう付け温度を500℃とする以外は実施
例1と同様にろう付け加工、および評価を行った例であ
る。リ−ドピンはいずれも軸部で切断され、基板本体と
リ−ドピンは十分な強度でろう付けされていた。
のものとし、ろう付け温度を500℃とする以外は実施
例1と同様にろう付け加工、および評価を行った例であ
る。リ−ドピンはいずれも軸部で切断され、基板本体と
リ−ドピンは十分な強度でろう付けされていた。
【0025】実施例3 実施例3は、Ag−Pd系の表面メタライズ部上にNi
層を形成した他は、実施例1と同様にろう付け加工、お
よび評価を行った例である。リ−ドピンはいずれも軸部
で切断され、基板本体とリ−ドピンは十分な強度でろう
付けされていた。なおNi層は電解めっき法で厚さ1.
0μmに形成し、還元雰囲気中700℃のアニ−ル処理
を経て形成した。
層を形成した他は、実施例1と同様にろう付け加工、お
よび評価を行った例である。リ−ドピンはいずれも軸部
で切断され、基板本体とリ−ドピンは十分な強度でろう
付けされていた。なおNi層は電解めっき法で厚さ1.
0μmに形成し、還元雰囲気中700℃のアニ−ル処理
を経て形成した。
【0026】実施例4 実施例4は、実施例1のろう付け加工の際に、同時にM
o製のヒ−トシンク(5)をろう付けした例である。ヒ
−トシンク(5)のろう付けに用いたろう材は、リ−ド
ピン(2)と同様のAl−Cu−Si系のろう材を用い
てろう付けを行った(図2)。ヒ−トシンク(5)のろ
う付けの評価は、Heリ−クディテクタ−を用いて気密
性評価を行ったところ、十分な気密性が得られていた。
次いで、サ−マルショックテスト(MIL−STD−8
83 cond.C):T/S1000サイクル経過後
においても、リ−ドピンの引っ張り試験、ヒ−トシンク
の気密性試験を行ったが、いずれも良好な結果が得られ
た。
o製のヒ−トシンク(5)をろう付けした例である。ヒ
−トシンク(5)のろう付けに用いたろう材は、リ−ド
ピン(2)と同様のAl−Cu−Si系のろう材を用い
てろう付けを行った(図2)。ヒ−トシンク(5)のろ
う付けの評価は、Heリ−クディテクタ−を用いて気密
性評価を行ったところ、十分な気密性が得られていた。
次いで、サ−マルショックテスト(MIL−STD−8
83 cond.C):T/S1000サイクル経過後
においても、リ−ドピンの引っ張り試験、ヒ−トシンク
の気密性試験を行ったが、いずれも良好な結果が得られ
た。
【0027】比較例1 比較例1は、ろう材をAg72−Cu28とし、ろう付け温
度を850℃とする以外は実施例1と同様にろう付け加
工、および評価を行った例である。しかし、Ag−Pd
系の表面メタライズ部と基板のセラミックとの間にて剥
離が発生し、良好な接合状態は得られなかった。
度を850℃とする以外は実施例1と同様にろう付け加
工、および評価を行った例である。しかし、Ag−Pd
系の表面メタライズ部と基板のセラミックとの間にて剥
離が発生し、良好な接合状態は得られなかった。
【0028】
【発明の効果】以上のように、Ag系、Ag−Pd系、
Au系、Cu系から選ばれる少なくとも1種の表面メタ
ライズ部を有するセラミック配線基板において、該表面
メタライズ部にI/Oピン、リ−ド、シ−ルリング、ヒ
−トシンク等の金属部材をAl合金系のろう材を用いて
接合することにより、導体材料とろう材との反応による
不具合を解消し強固に接合が達成できる。さらに、本本
法によりAu系ろう材によるろう付け後の熱処理温度の
制限、あるいはコストの問題を解消することも達成でき
る。
Au系、Cu系から選ばれる少なくとも1種の表面メタ
ライズ部を有するセラミック配線基板において、該表面
メタライズ部にI/Oピン、リ−ド、シ−ルリング、ヒ
−トシンク等の金属部材をAl合金系のろう材を用いて
接合することにより、導体材料とろう材との反応による
不具合を解消し強固に接合が達成できる。さらに、本本
法によりAu系ろう材によるろう付け後の熱処理温度の
制限、あるいはコストの問題を解消することも達成でき
る。
【図1】 本発明のセラミック配線基板の構成を示す部
分拡大断面図。
分拡大断面図。
【図2】 本発明のセラミック配線基板の構成を示す断
面図。
面図。
1:基板本体 2:リ−ドピン 21:リ−ドピンの鍔状部 22:リ−ドピンの軸部 3:Al系ろう材 4:メタライズ部 5:ヒ−トシンク
Claims (6)
- 【請求項1】 Ag系、Ag−Pd系、Au系、Cu系
から選ばれる少なくとも1種の表面メタライズ部に金属
部材がAl合金系のろう材を用いて接合されていること
を特徴とするセラミック配線基板。 - 【請求項2】 上記ろう材がAlとSi、Cu、Ge、
Sn、Zn、Biから選ばれる少なくとも1つの金属と
からなることを特徴とする請求項1に記載のセラミック
配線基板。 - 【請求項3】 上記ろう材がAlを50重量%以上含有
することを特徴とする請求項1、2のいずれか1つに記
載のセラミック配線基板。 - 【請求項4】 絶縁材料としてガラスセラミックが用い
られることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに
記載のセラミック配線基板。 - 【請求項5】 上記表面メタライズ部の表面に形成され
たNi層を介して金属部材が接合されていることを特徴
とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のセラミック
配線基板。 - 【請求項6】 上記Ni層がメッキ法により形成された
ものであることを特徴とする請求項5に記載のセラミッ
ク配線基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10410696A JPH09270479A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | セラミック配線基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10410696A JPH09270479A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | セラミック配線基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09270479A true JPH09270479A (ja) | 1997-10-14 |
Family
ID=14371881
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10410696A Pending JPH09270479A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | セラミック配線基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09270479A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7153559B2 (en) | 2000-09-08 | 2006-12-26 | Nippon Steel Corporation | Ceramic-metal composite body, composite structure for transporting oxide ion, and composite body having sealing property |
JP2016184602A (ja) * | 2015-03-25 | 2016-10-20 | 京セラ株式会社 | 回路基板 |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP10410696A patent/JPH09270479A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7153559B2 (en) | 2000-09-08 | 2006-12-26 | Nippon Steel Corporation | Ceramic-metal composite body, composite structure for transporting oxide ion, and composite body having sealing property |
JP2016184602A (ja) * | 2015-03-25 | 2016-10-20 | 京セラ株式会社 | 回路基板 |
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