JPH09269305A - 蛍光x線分析方法および装置 - Google Patents

蛍光x線分析方法および装置

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JPH09269305A
JPH09269305A JP1233697A JP1233697A JPH09269305A JP H09269305 A JPH09269305 A JP H09269305A JP 1233697 A JP1233697 A JP 1233697A JP 1233697 A JP1233697 A JP 1233697A JP H09269305 A JPH09269305 A JP H09269305A
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ray
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Naoki Kawahara
直樹 河原
Yoshiyuki Kataoka
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Rigaku Industrial Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超軽元素を含む試料についても、元素の含有
率を正確に求められる蛍光X線分析方法および装置を提
供する。 【解決手段】 ファンダメンタルパラメータ法におい
て、試料13中の各元素から発生する蛍光X線6の理論
強度に、1次励起時に発生した光電子による2次励起X
線の理論強度を含めて計算し、試料13における元素の
含有率を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光X線について
計算される理論強度を利用して、分析対象試料に含まれ
る各元素の含有率を求める蛍光X線分析方法および装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の分析方法のひとつと
して、試料に1次X線を照射して発生した各含有元素の
蛍光X線の測定強度に基づく強度と、試料における元素
の含有率を仮定して計算した各含有元素の蛍光X線の理
論強度とを用い、両強度が一致するように、前記仮定し
た元素の含有率を逐次近似的に修正計算して、試料にお
ける元素の含有率を算出する蛍光X線分析方法、いわゆ
るファンダメンタルパラメータ法(以下、FP法とい
う)がある。ここで、試料から発生する各含有元素の蛍
光X線の測定強度に基づく強度とは、実際には、例え
ば、以下のようにして求める。
【0003】まず、あらかじめ使用する蛍光X線分析装
置において、組成が既知の標準試料について、1次X線
を照射して発生した蛍光X線の強度Im を測定する。一
方、前記既知の組成における含有率での理論強度It
算出する。そして、各元素ごとに、その理論強度It
前記測定強度Im で除したものIt /Im を、装置感度
t /Im として記憶しておく。そして、組成が未知の
分析対象の試料に、1次X線を照射して発生した蛍光X
線の強度im を測定し、その蛍光X線を発生させた元素
ごとに、測定強度im と前記装置感度との積it を次式
のように算出する。 it =im ×(It /Im )=im ×It /Im この積it は、試料から発生した蛍光X線の測定強度i
m をいわば理論強度スケールに換算した換算測定強度i
t であり、前述の測定強度im に基づく強度itとして
用いられる。
【0004】一方、前記試料における元素の含有率を仮
定して計算した各含有元素の蛍光X線の理論強度につい
ては、試料に入射する1次X線による1次励起X線の理
論強度と、1次励起X線による2次励起X線の理論強度
との合計として計算している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
技術では、ベリリウム、ホウ素、炭素、窒素等のいわゆ
る超軽元素を含む試料の分析において、それら元素の蛍
光X線については換算測定強度と理論強度とが大きく異
なるため、試料における元素の含有率を正確に算出でき
ない。超軽元素の蛍光X線について、換算測定強度と理
論強度とが大きく異なるのは、以下の理由による。
【0006】実際に試料に1次X線を照射して発生する
蛍光X線には、1次X線による1次励起X線および1次
励起X線による2次励起X線の他に、1次励起時に発生
した光電子による2次励起X線もある。超軽元素以外の
元素においては、蛍光X線全体においてこの光電子によ
る2次励起X線の占める割合は低いが、超軽元素におい
ては、無視できないものとなる。にもかかわらず、従来
の技術では、これをないものとして理論強度を計算する
ため、換算測定強度と大きく異なるものとなってしま
い、試料における元素の含有率を正確に算出できない。
【0007】また、蛍光X線について計算される理論強
度を利用して、分析対象試料に含まれる各元素の含有率
を求める第2の従来技術として、組成を仮定した複数の
試料から発生すべき蛍光X線の理論強度を計算し、その
理論強度に基づいて蛍光X線の吸収および励起に関する
補正係数を計算し、その補正係数を用いて補正した検量
線を、試料中の各元素から発生する蛍光X線の測定強度
に適用して、試料における元素の含有率を求める蛍光X
線分析方法、いわゆるセミファンダメンタルパラメータ
法(以下、SFP法という)がある。この従来のSFP
法においても、蛍光X線について計算される理論強度を
利用するものであるから、前記FP法と同様に、超軽元
素を含む試料の分析において、それら元素の蛍光X線に
ついては実際に測定されるはずの強度と理論強度とが大
きく異なるため、試料における元素の含有率を正確に求
められない。
【0008】本発明は前記従来の問題に鑑みてなされた
もので、超軽元素を含む試料についても、元素の含有率
を正確に求められる蛍光X線分析方法および装置を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の蛍光X線分析装置は、まず、試料が固定
される試料台と、試料に1次X線を照射するX線源と、
試料から発生する蛍光X線の強度を測定する検出手段と
を備えている。そして、仮定した元素の含有率に基づい
て、試料中の各元素から発生する蛍光X線の理論強度を
計算し、その理論強度と前記検出手段で測定された強度
に基づく強度とが一致するように、前記仮定した元素の
含有率を逐次近似的に修正計算して、試料における元素
の含有率を算出する算出手段を備え、前記理論強度に、
1次励起時に発生した光電子による2次励起X線の理論
強度が含まれている。
【0010】請求項1の装置によれば、FP法に用いる
装置において、いわゆる超軽元素において無視できな
い、1次励起時に発生する光電子による2次励起X線の
理論強度も含めて、蛍光X線の理論強度を計算するの
で、超軽元素を含む試料についても、元素の含有率を正
確に算出できる。
【0011】請求項2の蛍光X線分析装置は、まず、試
料が固定される試料台と、試料に1次X線を照射するX
線源と、試料から発生する蛍光X線の強度を測定する検
出手段とを備えている。そして、組成を仮定した複数の
試料から発生すべき蛍光X線の理論強度に基づいて計算
された、蛍光X線の吸収および励起に関する補正係数を
記憶する補正係数記憶手段と、組成が既知で相異なる複
数の標準試料中の各元素から発生して測定された蛍光X
線の強度と、標準試料における元素の含有率との相関関
係として、各元素ごとに、前記補正係数を用いて補正し
てあらかじめ求められた検量線を記憶する検量線記憶手
段と、試料中の各元素から発生して前記検出手段で測定
された蛍光X線の強度に前記検量線を適用して、試料に
おける元素の含有率を求める検量線適用手段とを備え、
前記理論強度に、1次励起時に発生した光電子による2
次励起X線の理論強度が含まれている。
【0012】請求項2の装置によれば、SFP法に用い
る装置において、いわゆる超軽元素において無視できな
い、1次励起時に発生する光電子による2次励起X線の
理論強度も含めて、蛍光X線の理論強度を計算するの
で、超軽元素を含む試料についても、元素の含有率を正
確に求められる。
【0013】請求項3の蛍光X線分析装置では、請求項
1または2の装置において、光電子による2次励起X線
の理論強度の計算にあたり、光電子の試料中での移動を
考慮する。請求項3の装置によれば、光電子による2次
励起X線の理論強度の計算にあたり、光電子の試料中で
の移動を考慮するので、理論強度の計算がより現実に即
したものとなり、超軽元素を含む試料について、元素の
含有率をいっそう正確に求められる。
【0014】請求項4の蛍光X線分析装置では、請求項
3の装置において、光電子による2次励起X線の理論強
度の計算にあたり、モンテカルロ法を用いて、光電子に
よる内殻電子励起確率の位置分布を求める。請求項4の
装置によれば、光電子による2次励起X線の理論強度の
計算にあたり、光電子の蛇行移動を考慮してモンテカル
ロ法を用い、光電子による内殻電子励起確率の位置分布
を求めるので、理論強度の計算がさらに現実に即したも
のとなり、超軽元素を含む試料について、元素の含有率
をよりいっそう正確に求められる。
【0015】請求項5の蛍光X線分析装置では、請求項
4の装置において、光電子による2次励起X線の理論強
度の計算にあたり、モンテカルロ法を用いた計算結果
を、あらかじめ、物質によらない形に規格化した関数ま
たは表として求めておく。請求項5の装置によれば、光
電子による2次励起X線の理論強度の計算にあたり、光
電子の蛇行移動を考慮してモンテカルロ法を用いた計算
結果を、あらかじめ、物質によらない形に規格化した関
数または表として求めておくので、理論強度の計算がさ
らに現実に即したものとなり、かつ全体の演算時間が大
幅に短縮され、超軽元素を含む試料について、元素の含
有率をよりいっそう正確に、かつ短時間に求められる。
【0016】請求項6の蛍光X線分析方法では、FP法
において、蛍光X線の理論強度に、1次励起時に発生し
た光電子による2次励起X線の理論強度が含めて計算
し、試料における元素の含有率を算出する。請求項6の
方法によっても、請求項1の装置と同様の作用効果があ
る。
【0017】請求項7の蛍光X線分析方法では、SFP
法において、蛍光X線の理論強度に、1次励起時に発生
した光電子による2次励起X線の理論強度が含めて計算
し、試料における元素の含有率を求める。請求項7の方
法によっても、請求項2の装置と同様の作用効果があ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態の方
法を図面にしたがって説明する。この方法はFP法に属
するものであるが、まず、この方法に用いる装置につい
て説明する。図1に示すように、この装置は、試料13
が固定される試料台8と、試料13に1次X線2を照射
するX線源1と、試料13から発生する蛍光X線6の強
度を測定する検出手段9とを備えている。検出手段9
は、試料13から発生する2次X線4を分光する分光器
5と、分光された蛍光X線6ごとにその強度を測定する
検出器7で構成される。なお、分光器5を用いずに、エ
ネルギー分解能の高い検出器を検出手段としてもよい。
【0019】そして、仮定した元素の含有率に基づい
て、試料13中の各元素から発生する蛍光X線6の理論
強度を計算し、その理論強度と検出手段9で測定された
強度に基づく強度とが一致するように、仮定した元素の
含有率を逐次近似的に修正計算して、試料13における
元素の含有率を算出する算出手段10を備え、前記理論
強度には、1次励起時に発生した光電子による2次励起
X線の理論強度が含まれている。
【0020】この装置を用いて、第1実施形態の方法で
は、以下のように分析を行う。試料13を、図1の試料
台8に取り付けて、X線源1から発生させた1次X線2
を照射して、発生した2次X線4を分光器5に入射さ
せ、分光された蛍光X線6ごとにその強度を、検出器7
で測定する。次に、算出手段10において、これらの測
定強度を、従来の技術で前述したように、あらかじめ求
めておいた装置感度を用いて理論強度スケールに換算し
て、換算測定強度を算出する。また、やはり従来と同様
に、これらの換算測定強度に基づいて、試料13におけ
る元素の含有率の初期値を仮定する。
【0021】次に、算出手段10において、この仮定し
た元素の含有率に基づいて、試料13中の各元素から発
生する蛍光X線6の理論強度を計算する。ここで、ある
元素iの蛍光X線6の理論強度Ii Tot は、次式(1)
で表される。
【0022】
【数1】
【0023】式(1)の右辺のうち、1次X線2による
1次励起X線の理論強度Ii F1および1次励起X線によ
る2次励起X線の理論強度Ii F2は、従来よりFP法に
おいて計算していたものであり、同様に計算する。1次
励起時に発生した光電子による2次励起X線の理論強度
i P の計算について、以下に説明する。
【0024】エネルギーEp の1次X線2が、試料13
中の元素jのq殻の電子を励起すると、Eo =Ep −E
jqのエネルギーを持つ光電子が発生する。ここで、Ejq
は元素jのq殻の束縛エネルギーである。このエネルギ
ーEo の光電子が、試料13中の元素iのp殻の電子を
励起する確率nip(Eo )は、電子による原子の内殻励
起断面積Qip(E)と物質の電子減速能dE/dSを用
い、次式(2)で計算できる。
【0025】
【数2】
【0026】この確率nipを用いて、次式(3)によ
り、1次励起時に発生した光電子による2次励起X線の
理論強度Ii P が求められる。
【0027】
【数3】
【0028】ここで、zは、光電子が発生し、かつ2次
励起X線を生じさせた位置において、試料13表面から
垂直に測った深さである。これを用いて、算出手段10
において、式(1)の蛍光X線6の理論強度Ii Tot
計算され、以降従来のFP法と同様に、この理論強度I
i Tot と前記換算測定強度とが一致するように、前記仮
定した元素の含有率を逐次近似的に修正計算して、試料
13における元素の含有率を算出する。
【0029】第1実施形態の方法によれば、いわゆる超
軽元素において無視できない、1次励起時に発生する光
電子による2次励起X線の理論強度も含めて、試料13
中の各元素から発生する蛍光X線6の理論強度Ii Tot
を計算するので、超軽元素を含む試料13についても、
元素の含有率を正確に算出できる。
【0030】次に本発明の第2実施形態の方法について
説明する。第2実施形態の方法もFP法に属するもので
あるが、この方法に用いる装置については、算出手段1
0における、光電子による2次励起X線の理論強度の計
算にあたり、光電子の試料13中での移動を考慮し、モ
ンテカルロ法を用いて、光電子による内殻電子励起確率
の位置分布を求め、モンテカルロ法を用いた計算結果
を、あらかじめ、物質によらない形に規格化した関数ま
たは表として求めておく点のみが、第1実施形態の方法
に用いる装置と異なっており、その他の点は同様である
ので説明を省略する。
【0031】この装置を用いた第2実施形態の方法につ
いても、以下に述べるように、1次励起時に発生した光
電子による2次励起X線の理論強度Ii P の計算法のみ
が第1実施形態の方法と異なっており、その他の点は同
様であるので説明を省略する。
【0032】第1実施形態の方法では、1次励起時に発
生する光電子は移動しないものとして、光電子による2
次励起X線の理論強度Ii P を計算している。ところ
が、実際には、光電子は、試料13中で散乱を受けなが
ら、すなわち、エネルギー減衰を伴って方向を変化させ
つつ移動する。そこで、第2実施形態の方法では、光電
子の散乱過程としてラザフォード散乱に基づく、次式
(4)で表される微分散乱断面積を用いて、モンテカル
ロ法により、試料13中で発生した光電子の、エネルギ
ーを十分失うまでの過程での、エネルギーEm 、移動し
た道のりsm および飛距離rm の推移を計算する。ここ
で、光電子の移動した道のりsm とは、光電子の発生位
置から移動した位置までの蛇行を考慮した道のりをい
い、光電子の飛距離rm とは、光電子の発生位置から移
動した位置までの直線距離をいう。
【0033】
【数4】
【0034】これらのモンテカルロ法により得られる計
算結果および前記電子による原子の内殻励起断面積Qip
(E)を用いると、光電子による内殻電子励起確率の位
置分布を計算できる。すなわち、試料13表面から深さ
1 の位置で発生した初期エネルギーEo の光電子が、
深さz2 で試料13中の元素iのp殻の電子を励起する
確率dnip(Eo ,|z2 −z1 |)は、次式(5)の
ように計算できる。
【0035】
【数5】
【0036】この確率dnip(Eo ,|z2 −z1 |)
を用いて、1次励起時に発生した光電子による2次励起
X線の理論強度Ii P は、次式(6)のように計算でき
る。
【0037】
【数6】
【0038】ところで、前記モンテカルロ法による計算
は長時間を要するので、第2実施形態の方法では、分析
時に逐一これを行うのではなく、以下のように、モンテ
カルロ法による計算結果を、あらかじめ、物質によらな
い形に規格化した関数または表として求めておく。これ
を用いれば、分析対象試料13に対して、モンテカルロ
法による計算を逐一実行することなく、その結果を、光
電子の初期エネルギーEo と試料13に関する物理定数
とから再現でき、分析に要する時間を大幅に、例えば数
百分の一に短縮できる。
【0039】まず、光電子の初期エネルギーEo と、最
大到達距離、すなわち光電子のエネルギーがそれを最後
にもはや2次励起を起こせない値Emfに減衰する最終位
置までの飛距離rmax との関係についての、モンテカル
ロ法による計算結果を、あらかじめ、図2のように求め
ておく。ここで、試料13を単一元素からなると仮定し
て、その元素の密度をρ、原子番号をZ、原子量をAと
して、縦軸をrmax ρZ/Aとして規格化すると、得ら
れる結果は図2のように、元素の種類によらない共通の
ものとなることを、発明者は見出した。
【0040】これを拡張すると、試料13が複数の元素
jからなるものであっても、縦軸をrmax ρΣ(wj
j /Aj )として規格化すれば、得られる結果はやはり
図2のように、試料13を構成する物質によらない共通
のものとなる。ここで、ρは試料13全体の密度、wj
は元素jの試料13における重量比である。なお、この
光電子の初期エネルギーEo と最大到達距離rmax との
関係は、縦軸をY、横軸をXとして、図2中に示した最
大到達距離関数として求めておいてもよいし、それに相
当する離散的な数値データの表として求めておいてもよ
い。
【0041】次に、光電子の減衰してゆくエネルギーE
m と、そのエネルギーEm をもつ位置までの発生位置か
らの飛距離rm との関係についての、モンテカルロ法に
よる計算結果を、あらかじめ図3のように求めておく。
ここで、光電子の初期エネルギーEo と前記最大到達距
離rmax とを用いて、縦軸をEm /Eo 、横軸をrm
max として規格化すると、得られる結果は図3のよう
に、やはり物質によらない共通のものとなることを、発
明者は見出した。なお、この光電子のエネルギーEm
飛距離rm との関係も、飛距離関数r=r(E)として
求めておいてもよいし、それに相当する離散的な数値デ
ータの表として求めておいてもよい。また、この関係に
ついては、わずかながら元素の軽重によって相違がみら
れるので、図3のような単一のものとせず、元素の軽重
に応じて3種類程度求めておいて適用すれば、より正確
な分析ができる。
【0042】以上の最大到達距離関数または表と、飛距
離関数または表とを用いて、次式(7)に示すステップ
により、前記式(5)に代入すべき光電子のエネルギー
m,道のりsm ,飛距離rm の組が求められる。な
お、式(7)のステップ1における電子の平均自由行程
λmfp は、前記ラザフォード散乱に基づく式(4)から
求められる。
【0043】
【数7】
【0044】第2実施形態の方法によれば、光電子によ
る2次励起X線の理論強度の計算にあたり、光電子の蛇
行移動を考慮してモンテカルロ法を用いた計算結果を、
あらかじめ、物質によらない形に規格化した関数または
表として求めておくので、理論強度の計算が現実に即し
たものとなり、かつ全体の演算時間が大幅に短縮され、
超軽元素を含む試料13について、元素の含有率をより
いっそう正確に、かつ短時間に算出できる。
【0045】BASの標準試料401ないし405にお
ける炭素の含有率(wt%)を、従来のFP法と、第2
実施形態の方法とで、分析した結果を次の表1に示す。
表1から、第2実施形態の方法によれば、従来法に比
べ、超軽元素のひとつである炭素についての分析精度が
飛躍的に向上することが明らかである。
【0046】
【表1】
【0047】また、従来より、FP法によれば、薄膜試
料に対して、試料中の元素について単位面積当たりの含
有量を算出することにより、その薄膜の厚さを求めるこ
とができる。そこで、シリコンウエハ上に付着した炭素
膜試料aないしdの厚さ(nm)を、従来のFP法と、
第2実施形態の方法とで、分析した結果を次の表2に示
す。表2において標準値とした光学的測定値とは、光干
渉膜厚計による測定値である。表2からもやはり、第2
実施形態の方法によれば、従来法に比べ、超軽元素のひ
とつである炭素についての分析精度が向上することが明
らかである。
【0048】
【表2】
【0049】次に本発明の第3実施形態の方法について
図面にしたがって説明する。この方法はSFP法に属す
るものであるが、まず、この方法に用いる装置について
説明する。図4に示すように、この装置は、試料台8、
X線源1、検出手段9を備える点では、第1実施形態の
方法に用いる装置と同様であるので、説明を省略する。
第3実施形態の方法に用いる装置は、試料13中の各元
素から発生して検出手段9で測定された蛍光X線6の強
度に検量線を適用して、試料13における元素の含有率
を求める処理手段11を備えている点で、第1、第2実
施形態の方法に用いる装置と異なっている。この処理手
段11は、以下の補正係数記憶手段14、検量線記憶手
段15、検量線適用手段16を備えている。
【0050】補正係数記憶手段14は、組成を仮定した
複数の試料から発生すべき蛍光X線の理論強度に基づい
て計算された、蛍光X線の吸収および励起に関する補正
係数を記憶する。ここで、理論強度には、1次励起時に
発生した光電子による2次励起X線の理論強度が含まれ
ている。また、光電子による2次励起X線の理論強度の
計算にあたり、光電子の試料13中での移動を考慮し、
モンテカルロ法を用いて、光電子による内殻電子励起確
率の位置分布を求め、モンテカルロ法を用いた計算結果
を、あらかじめ、物質によらない形に規格化した関数ま
たは表として求めておく。
【0051】前記検量線記憶手段15は、組成が既知で
相異なる複数の標準試料3中の各元素から発生して測定
された蛍光X線6の強度と、標準試料における元素の含
有率との相関関係として、各元素ごとに、前記補正係数
を用いて補正してあらかじめ求められた検量線を記憶す
る。なお、検量線とは、式、グラフ、表等の形で表され
たものすべてを含む。前記検量線適用手段16は、試料
中の各元素から発生して前記検出手段9で測定された蛍
光X線の強度に前記検量線を適用して、試料における元
素の含有率を求める。
【0052】この装置を用いて、第3実施形態の方法で
は、以下のように分析を行う。まず、組成が既知で相異
なる複数の標準試料3を試料台8に固定し、X線源1か
ら1次X線2を照射して、標準試料3中の各元素から発
生する蛍光X線6の強度を検出手段9で測定し、それら
測定強度と標準試料3における元素の含有率との相関関
係を、各元素ごとに、検量線としてあらかじめ求め、検
量線記憶手段15に記憶させておく。ここで、検量線
は、蛍光X線の吸収および励起に関する補正係数で補正
された、例えば次式(8)のような形で表される。
【0053】
【数8】
【0054】この補正係数αijは、マトリックス補正定
数と呼ばれるものであり、一般には、多数の標準試料に
ついて測定し重回帰計算法を用いて実験的に求める方法
もあるが、適切な標準試料の入手が困難で信頼性の高い
補正係数が求めにくいことから、組成を仮定した複数の
試料から発生すべき蛍光X線の理論強度を計算し、その
理論強度に基づいて計算により求めることが多い。これ
がSFP法であるが、SFP法も、蛍光X線について計
算される理論強度を利用するものであるから、前記従来
のFP法と同様に、超軽元素を含む試料の分析におい
て、それら元素の蛍光X線については実際に測定される
はずの強度と理論強度とが大きく異なるため、試料にお
ける元素の含有率を正確に求められないという問題があ
った。そこで、この第3実施形態の方法においては、第
1、第2実施形態の方法と同様に、理論強度に、1次励
起時に発生した光電子による2次励起X線の理論強度を
含めたことを特徴とする。
【0055】すなわち、第3実施形態の方法では、以下
のように、補正係数αijを計算で求める。まず、分析対
象の元素iが1%で、残り99%が共存する加補正元素
jである試料と、分析対象の元素iが100%である試
料とを仮定する。そして、この組成を仮定した2つの試
料から発生すべき元素iの蛍光X線の理論強度を、第2
実施形態の方法と同様に、1次励起時に発生した光電子
による2次励起X線の理論強度を含めて計算する。ここ
で、式(8)の検量線を、次式(9)で仮定する。
【0056】
【数9】
【0057】つまり、式(9)は、式(8)で1次項の
みを用い、bi =100/Iipureとしたものである。
先に計算した2つの理論強度をIi ,Iipure として、
元素iを1%と仮定した試料について、式(9)を適用
すると、次式(10)が得られる。
【0058】
【数10】
【0059】この式(10)を変形すると、次式(1
1)で示すように、補正係数αijが得られる。
【0060】
【数11】
【0061】このようにして、すべての分析対象の元素
iと加補正元素jとの組合せにおいて、補正係数αij
計算し、補正係数記憶手段14に記憶させておく。
【0062】そして、実際の分析にあたっては、試料1
3を試料台8に固定し、X線源1から1次X線2を照射
して、試料13中の各元素から発生する蛍光X線6の強
度を検出手段9で測定し、検量線適用手段16により、
その強度に、前記検量線記憶手段15に記憶させた検量
線を適用して、試料13における元素の含有率を求め
る。この検量線適用手段16による計算は、逐次計算法
を用い、前回の計算結果たる含有率を、加補正元素の含
有率として代入し、収束するまで繰り返して計算する。
【0063】第3実施形態の方法によっても、第2実施
形態の方法と同様の作用効果がある。BASの標準試料
401ないし405における炭素の含有率(wt%)
を、従来のSFP法と、第3実施形態の方法とで、分析
した結果を次の表3に示す。表3から、第3実施形態の
方法によれば、従来法に比べ、超軽元素のひとつである
炭素についての分析精度が飛躍的に向上することが明ら
かである。
【0064】
【表3】
【0065】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、FP法もしくはSFP法またはそれらに用いる装
置において、いわゆる超軽元素において無視できない、
1次励起時に発生する光電子による2次励起X線の理論
強度も含めて、蛍光X線の理論強度を計算するので、超
軽元素を含む試料についても、元素の含有率を正確に求
められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1および第2実施形態の方法に用い
る蛍光X線分析装置を示す側面図である。
【図2】第2実施形態の方法においてあらかじめ求めて
おく、光電子の初期エネルギーEo と最大到達距離r
max との関係を示す図である。
【図3】第2実施形態方法においてあらかじめ求めてお
く、光電子のエネルギーEm と飛距離rm との関係を示
す図である。
【図4】本発明の第3実施形態の方法に用いる蛍光X線
分析装置を示す側面図である。
【符号の説明】
1…X線源、2…1次X線、3…標準試料、6…蛍光X
線、8…試料台、9…検出手段、10…算出手段、13
…試料、14…補正係数記憶手段、15…検量線記憶手
段、16…検量線適用手段。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料が固定される試料台と、 試料に1次X線を照射するX線源と、 試料から発生する蛍光X線の強度を測定する検出手段
    と、 仮定した元素の含有率に基づいて、試料中の各元素から
    発生する蛍光X線の理論強度を計算し、その理論強度と
    前記検出手段で測定された強度に基づく強度とが一致す
    るように、前記仮定した元素の含有率を逐次近似的に修
    正計算して、試料における元素の含有率を算出する算出
    手段とを備え、 前記理論強度に、1次励起時に発生した光電子による2
    次励起X線の理論強度が含まれている蛍光X線分析装
    置。
  2. 【請求項2】 試料が固定される試料台と、 試料に1次X線を照射するX線源と、 試料から発生する蛍光X線の強度を測定する検出手段
    と、 組成を仮定した複数の試料から発生すべき蛍光X線の理
    論強度に基づいて計算された、蛍光X線の吸収および励
    起に関する補正係数を記憶する補正係数記憶手段と、 組成が既知で相異なる複数の標準試料中の各元素から発
    生して測定された蛍光X線の強度と、標準試料における
    元素の含有率との相関関係として、各元素ごとに、前記
    補正係数を用いて補正してあらかじめ求められた検量線
    を記憶する検量線記憶手段と、 試料中の各元素から発生して前記検出手段で測定された
    蛍光X線の強度に前記検量線を適用して、試料における
    元素の含有率を求める検量線適用手段とを備え、 前記
    理論強度に、1次励起時に発生した光電子による2次励
    起X線の理論強度が含まれている蛍光X線分析装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記光電子
    による2次励起X線の理論強度の計算にあたり、光電子
    の試料中での移動を考慮した蛍光X線分析装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記光電子による2
    次励起X線の理論強度の計算にあたり、モンテカルロ法
    を用いて、光電子による内殻電子励起確率の位置分布を
    求める蛍光X線分析装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記光電子による2
    次励起X線の理論強度の計算にあたり、前記モンテカル
    ロ法を用いた計算結果を、あらかじめ、物質によらない
    形に規格化した関数または表として求めておく蛍光X線
    分析装置。
  6. 【請求項6】 試料に1次X線を照射して、試料中の各
    元素から発生する蛍光X線の強度を測定し、 試料における元素の含有率を仮定し、 その仮定した元素の含有率に基づいて、試料中の各元素
    から発生する蛍光X線の理論強度を計算し、 その理論強度と前記測定した強度に基づく強度とが一致
    するように、前記仮定した元素の含有率を逐次近似的に
    修正計算して、試料における元素の含有率を算出する蛍
    光X線分析方法において、 前記理論強度に、1次励起時に発生した光電子による2
    次励起X線の理論強度を含めたことを特徴とする蛍光X
    線分析方法。
  7. 【請求項7】 組成を仮定した複数の試料から発生すべ
    き蛍光X線の理論強度を計算し、その理論強度に基づい
    て蛍光X線の吸収および励起に関する補正係数を計算
    し、 組成が既知で相異なる複数の標準試料に1次X線を照射
    して、標準試料中の各元素から発生する蛍光X線の強度
    を測定し、 それら強度と標準試料における元素の含有率との相関関
    係を、各元素ごとに、前記補正係数を用いて補正した検
    量線としてあらかじめ求めておき、 試料に1次X線を照射して、試料中の各元素から発生す
    る蛍光X線の強度を測定し、 その強度に前記検量線を適用して、試料における元素の
    含有率を求める蛍光X線分析方法において、 前記理論強度に、1次励起時に発生した光電子による2
    次励起X線の理論強度を含めたことを特徴とする蛍光X
    線分析方法。
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