JPH09267638A - 窓枠着脱式ドア構造 - Google Patents

窓枠着脱式ドア構造

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JPH09267638A
JPH09267638A JP8123396A JP8123396A JPH09267638A JP H09267638 A JPH09267638 A JP H09267638A JP 8123396 A JP8123396 A JP 8123396A JP 8123396 A JP8123396 A JP 8123396A JP H09267638 A JPH09267638 A JP H09267638A
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Fumihiko Sugihara
文彦 杉原
Hiroyuki Kyo
裕之 京
Satoshi Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドアパネル単体での剛性強化を図れると共
に、ドアパネル及び窓枠全体での剛性強化を十分に図れ
る窓枠着脱式ドア構造を提供する。 【解決手段】 車両の縦壁にヒンジ結合されるドアパネ
ル1と、ドアパネルの上向きパネル面fに連続して突き
合わされる下部サッシュ33が形成された額縁状の窓枠
本体27と、この窓枠本体に組付けられた窓ガラス2
8,29と、窓枠本体の前後及び中間部よりそれぞれ下
方に延出する複数の連結部材13,20,21と、これ
ら複数の連結部材と対向するドアパネル側の部位に形成
されボルト14により着脱可能に結合される前後及び中
間部の窓枠結合部6,7,8とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両に用いられる窓
枠着脱式ドア構造に関し、特に、窓の開閉部材である窓
ガラス等を支持する窓枠をドアパネルに対して着脱可能
に結合した窓枠着脱式ドア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】車室上部を適時に開放させることのでき
るオープンカーが知られている。この種のオープンカー
の多くは、非開放時において、車室上部を着脱可能の幌
やスライド式のルーフ部材で覆うようにし、ドア側の窓
をその開閉部材である窓ガラス等により閉鎖するように
している。更に、開放時、即ち、フルオープン化時にお
いては、幌やルーフ部材を収納位置に収納して、ドア側
の開閉部材である窓ガラス等をドアパネルのベルトライ
ンより下方側に降下させて収容するようにしている。こ
のようなオープンカーに多用されるドア構造としては、
例えば、特公平2−8924号公報に開示されるよう
に、ドアパネルの上部前端に上方に突き出た固定フレー
ムを設け、固定フレームにガイドされる窓ガラスにより
窓の開閉を行い、固定フレームの外周に設けたウエザス
トリップによりドア開口との間のシール性を確保してい
る。
【0003】一方、実公平2−2667号公報には窓枠
着脱式ドア構造が開示される。ここでは、ドアパネルの
上部側に逆U字状のウインドウフレームを当接させ同ウ
インドウフレームの前後下端部を着脱可能にボルト止め
する。しかも、ウインドウフレームの外周面にウエザス
トリップを貼着し、凹状に形成された内周面側に逆U字
状の枠状心材にシート材を張って成る窓開閉部材をねじ
止めする。そして、車室上部の開放時においては、ウイ
ンドウフレームより窓開閉部材を外してドアパネル内に
収容し、ウインドウフレームをドアパネルより離脱させ
るようにしている。
【0004】この場合、比較的剛性の低い窓開閉部材を
ウインドウフレームに連結し、そのウインドウフレーム
上のウエザストリップがドア開口に当接するので、車室
上部の非開放時におけるドア開口との間のシール性を十
分に確保出来、フルオープン化時にはドアパネルのベル
トライン上部より窓開閉部材及びウインドウフレームを
排除できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特公平2−
8924号公報に開示されるドアの窓ガラスも、実公平
2−2667号公報に開示されるような枠状心材にシー
ト材を張って成る窓開閉部材も、車両がフルオープン化
されて使用される場合、窓ガラス等の窓開閉部材を完全
にドア内に格納する必要がある。このため、これらのド
ア構造ではドアパネルの上向きパネル面に窓ガラス等の
窓開閉部材を収納するための差し込み開口を形成するこ
ととなり、この開口がドアパネル自体の剛性確保に問題
を生じやすい。しかも、これら窓開閉部材をドアパネル
の内部に収容する必要があることよりこのドアパネル内
部のスペースを有効利用出来ず、例えば剛性強化部材の
組付け等に問題を生じやすく問題となっている。更に、
脱着される逆U字状の窓枠も、窓枠単体での剛性が低
く、問題となっている。
【0006】本発明の目的は、ドアパネル単体での剛性
強化を図れると共に、ドアパネル及び窓枠全体での剛性
強化を十分に図れる窓枠着脱式ドア構造を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、車両の縦壁にヒンジ結合され
るドアパネルと、上記ドアパネルのベルトライン近傍の
上向きパネル面に連続して当接される底枠部が形成され
た額縁状の窓枠本体と、上記窓枠本体に組付けられた窓
ガラスと、上記窓枠本体の前後及び中間部よりそれぞれ
下方に延出する複数の連結部材と、上記複数の連結部材
と対向する上記ドアパネル側の部位に形成され締結手段
により着脱可能に結合される前後及び中間部の窓枠結合
部とを備えたことを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は、請求項1に記載の窓枠
着脱式ドア構造において、上記前部の連結部材と上記前
部の窓枠結合部とは互いが車室内より外に向けてボルト
締めされ、上記窓枠本体の後部連結部材と上記後部窓枠
結合部とは互いがドア後端より前端に向けてボルト締め
され、上記中間部の連結部材と上記中間部の窓枠結合部
とは互いが車室内より外に向けてボルト締めされること
を特徴とする。
【0009】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載の窓枠着脱式ドア構造において、上記ドアパネル
の上向きパネル面と上記底枠部との間にウエザストリッ
プが介装されたことを特徴とする。
【0010】
【実施の形態】図1には本発明の適用された窓枠着脱式
ドア構造を示した。この窓枠着脱式ドア構造は、ドアパ
ネル1とその上部に着脱可能に取り付けられた窓枠2と
を備え、図示しない車両のドア開口を開閉する。ドアパ
ネル1はその前部(図1中左側)が図示しない車体基部
である前部ピラーの縦壁にヒンジ結合され、図示しない
ロック装置の解除時に後部(図1中右端)が回動端とし
て回動できる。
【0011】このドアパネル1は、互いに一体結合され
るインナ及びアウタパネル3,4(図4参照)と、両パ
ネル3,4間の内部空間に配備される強度部材5と、ド
アパネルの長手方向である前後方向Xに向かって前後及
び中間部に配置される前部窓枠結合部6、後部窓枠結合
部7及び中間部窓枠結合部8とを備える。互いに一体結
合されるインナ及びアウタパネル3,4はそれぞれプレ
ス成形され、両者の前後縦縁部、両者の下端縁部がそれ
ぞれヘミング加工によって一体化され、両者の上縁部は
互いに屈曲され、図2に示すように、車室R側で重ね合
わされ、スポット溶接される。この内、インナパネル3
は図5に示すように、中央の開口301と、その回りを
覆う環状主部302とその環状主部302より屈曲して
延出する前後縦壁303,304及び低壁305と、周
縁部306とを形成される。
【0012】ここで、図15に示すように、前縦壁30
3には、同前縦壁の内面に対しヒンジリンフォース9が
上下に長く連続して一体接合されている。しかも、ヒン
ジリンフォース9上の上部側に2枚の折曲補強板10,
11が溶接され、これによって縦方向に長い前差し込み
穴12を備えた前部窓枠結合部6が形成される。このよ
うな前部窓枠結合部6は後述の前部連結部材13を前差
し込み穴12に嵌挿した上で、車室側重合壁部601に
前部連結部材13の車室側壁131を当接させ互いをボ
ルト14で締付可能に形成される。なお、車室側壁13
1の内部にはボルト14の螺合するウエルドナット(図
示せず)が溶着される。
【0013】図7、図8に示すように、インナパネル3
の後縦壁304の上部には、同後縦壁の内面に対し2枚
の折曲補強板15,16が溶接され、これによって縦方
向に長い後差し込み穴17を備えた後部窓枠結合部7が
形成される。後部窓枠結合部7は後述の後部連結部材2
0を後差し込み穴17に嵌挿した上で、後端重合壁部7
01に後部連結部材20の後側壁201を当接させ互い
を図示しないボルトで締付可能に形成される。なお後側
壁201の内部には図示しないボルトの螺合するウエル
ドナット(図示せず)が溶着される。更に、図7、図8
に2点鎖線で示す符号43はウエザストリップを示し、
インナパネル3の後縦壁304に離脱不可に接合され
る。
【0014】なお、図7、図8、図12中の符号18は
リアピラーを示し、符号19はリアピラーにより形成さ
れるドア開口の縁部に装着されるウエルトを示す。図2
に示すように、インナパネル3の環状主部302上であ
って、前後方向Xにおける中間位置の上部には、車室対
向面Fが形成され、その裏側にはウエルドナット22と
が溶着され、これにより中間部窓枠結合部8が形成され
る。中間部窓枠結合部8は後述の中間部連結部材21を
車室対向面Fに面接触した上で、互いをボルト14で締
付可能に形成される。
【0015】アウタパネル4は図3、図4に示すよう
に、主部401と同主部より屈曲して延出する左右及び
上の各周縁部402と、主部401の上部より屈曲して
ドア厚に近い幅だけ延出する上向きパネル面fを形成し
た上縁部403と、同上縁部より更に下方に折り返され
て延出する重合部404とを形成される。図2に示すよ
うに、上向きパネル面fを形成する上縁部403の外側
縁には、後述する底枠部としての下部サッシュ33の表
下端縁331を収容する凹状段部24が形成される。こ
の凹状段部24は表下端縁331を収容し、表下端縁3
31が主部401より車外側に突き出すことを回避さ
せ、見栄えの向上を図り、風切り音の発生を抑えるよう
にしている。
【0016】図1に示すように、アウタパネル4はその
主部401の裏側中央部に前後方向Xに長いパイプ状の
強度部材5を装着する。この場合、強度部材5は図4に
示すように、主部401の裏側面に加硫接着可能なゴム
材26で接着され、前後端は図示しないブラケットを介
し前後縦壁303,304側に支持される。これによ
り、アウタパネル4の主部401が外力を受けた際に、
その外力をドアパネル1の縦壁303,304側を介し
前後ピラー部材側に分散支持させるように作用する。ド
アパネル1の上部に着脱可能に取り付けられる窓枠2
は、図1、図5に示すように、正面視において額縁状の
窓枠本体27と、窓枠本体27の底部側から下方に延出
する前後連結部材13,20及び中間部連結部材21
と、窓枠本体27によって形成された窓Wを開閉する引
戸式の一対の窓ガラス28,29とを備える。
【0017】窓枠本体27は前後サッシュ30,31
と、上サッシュ32と、底枠部を成す下部サッシュ33
とで形成される。これら各サッシュの外周縁は図示しな
い車体側のドア開口形成壁に所定すきまを保って対向す
るように形成され、両者のすきまはドア開口形成壁側の
図示しないウエザストリップにより閉鎖される。ここ
で、下部サッシュ33は上縁部403の上向きパネル面
fに所定隙間を保って対向するように形成され、両者の
隙間は断面矩形状のウエザストリップ23(図2、図5
参照)により閉鎖される。しかも、下部サッシュ33の
外側縁は上縁部403の上向きパネル面fに形成された
凹状段部24に嵌合するような表下端縁331を延出形
成される。この表下端縁331によって凹状段部24の
奥のウエザストリップ23等を覆うことが出来、しか
も、凹状段部24が表下端縁331を収容するので、表
下端縁331が主部401より車外側に突きだすことを
回避でき、見栄えの向上を図れ、風切り音の発生を抑え
るようにできる。
【0018】一方、窓枠本体27の内側面には、図2、
図9、図17に示すように、内外一対の凹部が並列状に
連続形成され、その内外一対の凹部には内外ランチャン
ネル34,35が嵌着される。この内外ランチャンネル
34,35によって一対の窓ガラス28,29が前後方
向Xに摺動可能に支持され、しかも、一対の窓ガラス2
8,29の周縁部と窓枠本体27側との間のがたを排除
し、気密性を確保している。なお、ここでの内外ランチ
ャンネル34,35は図2に示すように互いの突合せ部
が結合され、図5に示すように一体化されている。更
に、図17中に示す符号42は内ランチャンネル34の
一部に組み込まれたストッパを示し、内窓ガラス28の
前方への移動を規制する。
【0019】この一対の窓ガラス28,29の互いの中
央側重合部には、図16に示すように、センタサッシュ
36が配備される。ここで、センタサッシュ36の内外
対向面には複数の水きりチャンネル37が装着され、こ
れら複数の水きりチャンネル37が一対の窓ガラス2
8,29間のシール性を確保している。なお、センタサ
ッシュ36はその上端部を、図14に示すように、ブラ
ケット38を介し上サッシュ32にビス39によって締
付固定される。これと同様にセンタサッシュ36の下端
部もビス止めされる。図1に示すように、内外窓ガラス
28,29の各前端側には内外ロック装置41,42が
装着される。
【0020】図9、図11に示すように、外窓ガラス2
9の前端近傍に外ロック装置42が設けられる。この外
ロック装置42は前サッシュ30の内側面に一体結合さ
れる係合穴421の形成されたキャッチ部材422と、
外窓ガラス29の内側面に一体結合されるフック受け4
23及び同フック受けをヒンジピン424を介しヒンジ
結合するフック部材425とを備える。この内、フック
部材425は係合穴421に係合可能に形成される。し
かも、フック部材425は図示しないバネにより係合方
向に弾性付勢されており、フック部材425と一体の把
持部426をフック受け423の突端427側に引き操
作することによりフック部材425をキャッチ部材42
2より離脱可能に形成される。
【0021】一方、内窓ガラス28の前端近傍位置(図
1参照)に内ロック装置41が装着される。内ロック装
置41は外ロック装置42と同様の構成を取り重複説明
を略す。ここで相違する点は、係合穴(図示せず)が形
成され、下部サッシュ33側より上向きに突出する片状
のキャッチ部材412(図1参照)に対し、その前後方
向Xにおける前側に図示しないフック受け、ヒンジピ
ン、フック部材等を配した点が相違するのみである。窓
枠本体27はその底部から前後部連結部材13,20及
び中間部連結部材21をそれぞれ下方に延出する。
【0022】前部連結部材13は、図1、図10、図1
5に示すように、窓枠本体27の前部より下方に延出す
る棒状ブラケットである。この前部連結部材13はドア
パネル側の前後方向Xにおける前端側の部位に形成され
た前部窓枠結合部6の前差し込み穴12に嵌挿され、そ
の上で車室側重合壁部601に当接され、互いが車室内
より外に向けてボルト14で締め付けできるように形成
される。後部連結部材20は、図7、図8、図13に示
すように、窓枠本体27の後部より下方に延出する棒状
ブラケットであり、ドアパネル側の前後方向Xにおける
後端側の部位に形成された後部窓枠結合部7の後差し込
み穴17に嵌挿され、その上で後端重合壁部701に当
接され、互いがドア後端より前端に向けてボルト14で
締め付けできるように形成される。中間部連結部材21
は図1、図2に示すように、窓枠本体27の中間部より
下方に延出する折曲片状ブラケットであり、ドアパネル
側の重合部404の中間部に形成される車室対向面Fに
面接触可能に形成され、互いが車室R内より外に向けて
ボルト14で締め付けできるように形成される。
【0023】ここで、上述の窓枠着脱式ドア構造におけ
るドアパネル1に対する窓枠本体27の取付け手順を説
明する。この場合、先ず、ドアパネル1の前端側を図示
しないフロントピラーの縦壁面にヒンジ結合し、その上
でドアパネル1の上部に対し一対の窓ガラス28,29
の組み込まれた窓枠本体27を組付けるものとする。こ
の際、ドア開口を成す縁部(図4には縁部の一部である
サイドシルS示した)とドアパネル1及び窓枠本体27
との当たり具合が調整されつつドアパネル1と図示しな
いフロントピラーの縦壁面との間がヒンジ結合される。
これに先立ち、窓枠本体27の組付けを完了させてお
く。
【0024】ここでは、先ず、額縁状の窓枠本体27の
上サッシュ32と下部サッシュ33とを上下に引き離
し、弾性変形させて両者の間隔を拡大させ、各窓ガラス
28,29を順次組み込む。次いで、上サッシュ32と
下部サッシュ33との各中間部の間にセンタサッシュ3
6が介装され、その上下端が上サッシュ32と下部サッ
シュ33との各中間部にビス39(図14参照)によっ
てそれぞれ締付固定される。次いで、内窓ガラス29の
前端近傍に内ロック装置41が装着され、外窓ガラス2
9の前端近傍に外ロック装置42が設けられ、窓枠本体
27が組立てられる。この後、窓枠本体27はそのドア
パネル1の上向きパネル面fに上方より当接され、一体
化される。この際、前部窓枠結合部6の前差し込み穴1
2に前部連結部材13が、後部窓枠結合部7の後差し込
み穴17に後部連結部材20が嵌挿され、しかも、中間
部窓枠結合部8の車室対向面Fに中間部連結部材21が
面接触される。
【0025】そして、前部窓枠結合部6に前部連結部材
13がボルト14により車室内より外に向けて締め付け
固定され、中間部窓枠結合部8に中間部連結部材21が
ボルト14により車室内より外に向けて締め付け固定さ
れ、更に、後部窓枠結合部7に後部連結部材20が上下
2本のボルト14でドア後端より前端に向けて締め付け
固定される。この際、ドア開口を成す縁部とドアパネル
1及び窓枠本体27との当たり具合が同時に調整され
る。この場合、ドアパネル1と図示しないボディー側の
ドア開口を成す当たり面との間の基本的な位置調整はヒ
ンジ結合時の微調整により成されている。更に、窓枠本
体27の前部とフロントピラー側のドア開口を成す壁面
との間の基本的な位置調整はヒンジ結合時のドアパネル
1側の当たり面調整によって成され、特に、この部分は
ヒンジ中心の近傍に位置することより、微調整の必要性
も少ない。
【0026】一方、窓枠本体27の後部と図示しないリ
アピラー18側(図12参照)のドア開口を成す当たり
面との間の位置調整は、後部窓枠結合部7に後部連結部
材20を締め付けている上下2本のボルト14の締付時
に微調整される。この時、2本のボルト14(図1に2
点鎖線で示した)はドア後端より前端に向けて締め付け
られ、その締付方向と直行する方向(窓枠の車室内外方
向への倒れ角調整方向)に窓枠本体27の後部を微調整
することは容易であり、窓枠本体27の後部とドア開口
側の当たり面との間の当たり具合の調整作業性が容易化
される。このように、窓枠本体27と一体化されたドア
パネル1はそのアウタパネル4の上向きパネル面fの要
部に従来のような窓開閉部材用の開口が形成されること
が無く、しかも、窓枠本体27の下部サッシュ33が重
ねて配備されるので、上部剛性の強化を十分に図れ、特
に、下部サッシュ33とドアパネル1とを中間部窓枠結
合部8の位置でも結合するため、この点でもドアパネル
1の剛性がより強化される。
【0027】更に、ドアパネル1の内部空間に窓開閉部
材やその昇降機構等を収容する必要が無いので、この空
間を有効利用出来る。即ち、ここではドアパネルの中に
前後方向Xに向かって伸びるパイプ状の強度部材5を配
備したので、強度部材5、ドアパネル1及び窓枠本体2
7が有効に働きドアパネル全体の剛性強化を十分に図る
ことができる。次に、車両のフルオープン化時にドアパ
ネル1より窓枠本体27側を外す手順を説明する。
【0028】この場合、ドアパネル1上の前部窓枠結合
部6と後部窓枠結合部7と中間部窓枠結合部8の各ボル
ト14を緩めて外し、これら各部位より前部連結部材1
3、後部連結部材20、中間部連結部材21を窓枠本体
27と共に上方に引上げ、離脱させる。ドアパネル1よ
り外された窓枠本体27は一対の窓ガラス28,29を
組み込んだまま、所定の収納位置に保管されることとな
る。この場合、一対の窓ガラス28,29を窓枠本体2
7と分離させる必要も無く、この窓ガラスを別途収容す
る必要も無く、ドアパネル1の内部空間に収容する必要
も無い。このように、窓枠本体27と分離されたドアパ
ネル1は、そのアウタパネル4の上向きパネル面fに開
口が無く、上部剛性の強化を図れ、しかも、ドアパネル
の中に前後方向Xに向かって伸びるパイプ状の強度部材
5を配備したので、車両のフルオープン化時にあっても
ドアパネル1全体の剛性強化を図ることができる。
【0029】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、ドア
パネルのベルトライン近傍の上向きパネル面に連続して
当接される底枠部が形成され、窓ガラスを収容した額縁
状の窓枠本体を備え、この窓枠本体の前後及び中間部よ
りそれぞれ下方に延出する複数の連結部材をドアパネル
側の部位に形成された前後及び中間部の窓枠結合部に当
接させ、締結手段により着脱可能に結合するようにし
た。このため、額縁状の窓枠本体がドアパネルの剛性を
強化でき、ドアパネルの上向きパネル面より開口を排除
したのでこの点で特にドアパネルの剛性を強化でき、し
かも、ドアパネルの内部空間の有効利用が可能となる。
更に、車両のフルオープン化時にあってもドアパネルの
上向きパネル面より開口を排除したのでこの部分がドア
パネルの剛性を強化できる。更に、窓ガラスを窓枠本体
に収容したままドアパネルと着脱出来、窓ガラスを単独
で収納する必要も無く、着脱作業が容易化される。
【0030】請求項2の発明は、特に、前部連結部材と
前部の窓枠結合部との結合時に車室内より外に向けてボ
ルト締めでき、後部連結部材と後窓枠結合部との結合時
にドア後端より前端に向けてボルト締めでき、中間部連
結部材と中間部窓枠結合部との結合時に車室内より外に
向けてボルト締めできる。このため、窓枠本体の着脱が
容易化され、特に、窓枠本体とドア開口部材との当たり
面の調整が容易化される。
【0031】請求項3の発明は、特に、ドアパネルの上
向きパネル面と底枠部との間にウエザストリップが介装
されたので、窓枠本体側とドアパネルとの間のシール性
を十分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用された窓枠着脱式ドア構造の概略
側面図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】図1の窓枠着脱式ドア構造におけるドアパネル
の回動端側の側面図である。
【図4】図1の窓枠着脱式ドア構造におけるドアパネル
の概略縦断面図である。
【図5】図1の窓枠着脱式ドア構造のインナパネル、一
対の窓ガラス等の分解斜視図である。
【図6】図1の窓枠着脱式ドア構造のインナパネルの回
動端側の要部切欠斜視図である。
【図7】図3のB−B線拡大断面図である。
【図8】図3のC−C線拡大断面図である。
【図9】図1の窓枠着脱式ドア構造で用いるの外ロック
装置の平断面図である。
【図10】図1の窓枠着脱式ドア構造の前部連結部材の
拡大側面図である。
【図11】図1の窓枠着脱式ドア構造で用いるの外ロッ
ク装置の側面図である。
【図12】図3のD−D線拡大断面図である。
【図13】図1の窓枠着脱式ドア構造の後部連結部材の
拡大側面図である。
【図14】図1のE−E線拡大断面図である。
【図15】図1のF−F線拡大断面図である。
【図16】図1のG−G線拡大断面図である。
【図17】図1のH−H線拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ドアパネル 2 窓枠 3 インナパネル 4 アウタパネル 5 強度部材 6 前部窓枠結合部 7 後部窓枠結合部 8 中間部窓枠結合部 13 前部連結部材 14 ボルト 20 後部連結部材 21 中間部連結部材 27 窓枠本体 28 内窓ガラス 29 外窓ガラス 33 下部サッシュ f 上向きパネル面 F 車室対向面 W 窓 X 前後方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 聡 東京都太田区下丸子四丁目21番1号・三菱 自動車エンジニアリング株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の縦壁にヒンジ結合されるドアパネル
    と、上記ドアパネルのベルトライン近傍の上向きパネル
    面に連続して当接される底枠部が形成された額縁状の窓
    枠本体と、上記窓枠本体に組付けられた窓ガラスと、上
    記窓枠本体の前後及び中間部よりそれぞれ下方に延出す
    る複数の連結部材と、上記複数の連結部材と対向する上
    記ドアパネル側の部位に形成され締結手段により着脱可
    能に結合される前後及び中間部の窓枠結合部とを備えた
    ことを特徴とする窓枠着脱式ドア構造。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の窓枠着脱式ドア構造にお
    いて、 上記前部の連結部材と上記前部の窓枠結合部とは互いが
    車室内より外に向けてボルト締めされ、上記窓枠本体の
    後部連結部材と上記後部窓枠結合部とは互いがドア後端
    より前端に向けてボルト締めされ、上記中間部の連結部
    材と上記中間部の窓枠結合部とは互いが車室内より外に
    向けてボルト締めされることを特徴とする窓枠着脱式ド
    ア構造。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の窓枠着脱式
    ドア構造において、 上記ドアパネルの上向きパネル面と上記底枠部との間に
    ウエザストリップが介装されたことを特徴とする窓枠着
    脱式ドア構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004017886A (ja) * 2002-06-19 2004-01-22 Shiroki Corp 車両用ドアおよびドアサッシュ組付方法
AU2002326165B2 (en) * 2001-09-04 2007-12-20 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Sash door for automobile and method of manufacturing the same
JP2015065888A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 株式会社クボタ 作業車

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