JP3697916B2 - 自動車のスライドドア取付部の構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に用いられるスライドドアの取付部の構造、特にスライドドアのロアローラを支承するレールメンバの取付構造に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来の自動車のスライドドア取付部の構造としては、図5に示すように、レールメンバ4の前端にアウトリガーを一体に成形し、これらを平面視略L字型に形成して、その前部内側端のフランジ4d,4dをサイドメンバ1の側面に付き当てて接合し、固定したものが知られている。
【0003】
しかし、このようなレールメンバは車両下部に配設される一方、その上部空間は車室内に連接しているために、雨天時や走行時の車室内への水の侵入を防止するためにシール剤によって接合部分をシーリングされるのが普通とされており、この構造によれば、レールメンバ4の前端部を平面視して略L字型に形成し、その前部内側端4f,4fをサイドメンバ1の側面に付き当てて接合するようにしているため、これらサイドメンバ1とレールメンバ4との隅部4eが狭く、該隅部4eにおけるシーリング作業が困難であるという問題点があった。
【0004】
また、従来の異なる構造としては図6に示すように、レールメンバ4を、フランジ4cを図外のフロアパネル8に接合して固定するようにしたものも知られている。
【0005】
この構造によれば、サイドメンバ1とレールメンバ4とを離間配置できて、シーリング作業性を向上することができるが、該レールメンバ4の車両前後方向における位置合わせが困難で、別途位置決定手段を講じなければならないことに加え、レールメンバ4が図外のフロアパネル8を介してサイドメンバ1に固定されているため、スライドドアのロアローラを支承するレールメンバの支持剛性を確保するために別途補強構造が必要となってしまい、重量の増加やコストの上昇が発生してしまうという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明はレールメンバの支持剛性の向上と、シーリング作業性の向上とを両立することのできる自動車のスライドドア取付部の構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1にあっては、車両前後方向に延び、スライドドアのロアローラを支承し、内側端がサイドメンバから離間する平面視略L字型のレールメンバと、該レールメンバの前端部に接合され、前記レールメンバの前端部を閉塞するパネルブラケットとを備えると共に、該パネルブラケットの前面を前記サイドメンバとサイドシルとに跨設したアウトリガーに接合して、前記レールメンバを固定するようにしたことを特徴としている。
【0008】
請求項2にあっては、請求項1に記載のレールメンバの後部側面と前記サイドメンバとに亘って、第2アウトリガーを接合したことを特徴としている。
【0009】
【発明の効果】
請求項1によれば、車両前後方向に延び、スライドドアのロアローラを支承し、内側端がサイドメンバから離間する平面視略L字型のレールメンバと、該レールメンバの前端部に接合され、前記レールメンバの前端部を閉塞するパネルブラケットとを備えると共に、該パネルブラケットの前面を前記サイドメンバとサイドシルとに跨設したアウトリガーに接合して、前記レールメンバを固定するようにしてあるため、別途補強構造を設けずとも、スライドドアのロアローラを支承するレールメンバの支持剛性を向上することができると共に、このようにレールメンバとサイドメンバとを離間配置してあるので、レールメンバの接合部のシーリング作業性を向上することができる。
【0010】
請求項2によれば、請求項1の効果に加えて、前記レールメンバの後部側面と前記サイドメンバとに亘って、第2アウトリガーを接合してあるため、レールメンバの後部に係るスライドドアからの荷重を車両骨格部材であるサイドメンバに伝達支持できるので、レールメンバの後部における支持剛性を向上することができると共に、該第2アウトリガーをレールメンバの後部側面に接合するので、該レールメンバの取り付け時における車両前後方向への位置調節が可能で、レールメンバの組み付け作業性を格段に向上することが出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に、前記従来の構成と同一部分に同一符号を付して詳述する。
【0012】
図1,2は本発明の斜視図、及び分解斜視図、図3は図1のA−A線における断面説明図を示している。
【0013】
図1〜4において、1は前後方向骨格部材である断面略ハット型のサイドメンバで、該サイドメンバ1はその上端のフランジ1a,1aをフロアパネル8の下面に接合している。
【0014】
2は該サイドメンバ1と、車両側部の骨格部材であるサイドシルのシルインナ10に跨設したアウトリガーで、該アウトリガー2はフランジ2aを前記サイドメンバ1の側面に接合すると共に、フランジ2bをシルインナ10の側面に接合し、さらに上部のフランジ2cをフロアパネル8の下面に接合して閉断面を形成している。
【0015】
4は車両前後方向に延び、スライドドア9のロアローラ13を支承し、その内側端がサイドメンバ1から離間した平面視略L字型のレールメンバを示している。
【0016】
特にこの実施形態では、該レールメンバ4はその底面部を多段成形して、一般面とレールを支承するレール支承面とを分離すると共に、レール支承時の剛性向上を図っている。
【0017】
3は前記レールメンバ4の前端部を閉塞するパネルブラケットを示している。
【0018】
また、本実施形態ではパネルブラケット3の角部にはビード13を設けて、隅部の剛性向上を図っている。
【0019】
5は該レールメンバ4のフランジ4cに接合され、該レールメンバ4の上部を覆うフロアステップを示し、フロアステップ5の下面にはスライドドア9の車幅方向の移動軌跡を規制するローラ14のレールガイド7が設けてある。
【0020】
6はサイドメンバ1とレールメンバ4の後部側面4dとの間に跨設した第2アウトリガーで、フランジ6cをサイドメンバ1の側面及び下面に接合すると共に、フランジ6bをレールメンバ4の後部側面4dに付き当てて接合し、さらに上部のフランジ6a,6aをフロアパネル8の下面に接合して閉断面を形成している。
【0021】
具体的な組付けとしては、レールメンバ4のフランジ4cをフロアステップ5の下面に接合すると共に、これらレールメンバ4とフロアステップ5の前端のフランジ部4a,5aにパネルブラケット3を接合してレールメンバユニットをサブアッセンブリし、シーリングを施しておく。
【0022】
そして、このレールメンバユニットの前端部であるパネルブラケット3の前面をアウトリガー2に付き当てて位置決めをしながら接合すると共に、該レールメンバユニットの後部のレールメンバ4の後部側面4dに第2アウトリガーのフランジ6bを付き当てて接合する。
【0023】
この時、第2アウトリガーはレールメンバ4の後部側面4dにただ付き当てて接合するようにしているため、組み付け時における車両前後方向への位置調節が可能である。
【0024】
さらに、レールメンバ4のフランジ4bは前述のサイドシルのシルアウタ11と接合している。
【0025】
図3中、12は車室内への浸水防止およびドア開閉時の衝撃緩衝剤として設定されたシール部材を示す。
【0026】
以上の実施形態の構造によれば、車両前後方向に延び、スライドドア9のロアローラ13を支承し、その内側端がサイドメンバ1から離間した平面視略L字型のレールメンバ4と、該レールメンバ4の前端部に接合され、前記レールメンバ4の前端部を閉塞するパネルブラケット3とを備えると共に、該パネルブラケット3の前面をサイドメンバ1とサイドシルのシルインナ10とに跨設したアウトリガー2に接合して、前記レールメンバ4を固定するようにしてあるため、別途補強構造を設けずとも、スライドドア9のロアローラ13を支承するレールメンバ4の支持剛性を向上することができると共に、レールメンバ4とサイドメンバ1とを離間配置してあるので、レールメンバ4の接合部のシーリング作業性を向上することができる。
【0027】
さらに、前述のように、レールメンバ4とフロアステップ5,パネルブラケット3とをサブアッセンブリする際にシーリングが施せるために、より確実なシーリングを容易に施すことができる。
【0028】
また、本実施形態においては、前記レールメンバ4の後部側面4dとサイドメンバ1の側面および下面とに亘って、第2アウトリガー6を接合してあるため、レールメンバ4の後部に係るスライドドア9からの荷重を車両骨格部材であるサイドメンバ1に伝達支持できるので、レールメンバ4の後部における支持剛性を向上することができると共に、該第2アウトリガー6をレールメンバ4の後部側面4dに付き当てて接合するので、該レールメンバ4の取り付け時における車両前後方向への位置調節が可能で、レールメンバ4の組み付け作業性を格段に向上することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
【図2】図1の分解斜視図。
【図3】図1のA−A線における断面説明図。
【図4】図1の矢視B方向における立面図。
【図5】従来の構造を示す斜視図。
【図6】従来のことなる構造を示す斜視図。
【符号の説明】
1 サイドメンバ
2 アウトリガー
3 パネルブラケット
4 レールメンバ
4d 後部側面
6 第2アウトリガー
9 スライドドア
10 シルインナ(サイドシル)
13 ロアローラ

Claims (2)

  1. 車両前後方向に延び、スライドドアのロアローラを支承し、内側端がサイドメンバから離間する平面視略L字型のレールメンバと、該レールメンバの前端部に接合され、前記レールメンバの前端部を閉塞するパネルブラケットとを備えると共に、該パネルブラケットの前面を前記サイドメンバとサイドシルとに跨設したアウトリガーに接合して、前記レールメンバを固定するようにしたことを特徴とする自動車のスライドドア取付部の構造。
  2. 前記レールメンバの後部側面と前記サイドメンバとに亘って、第2アウトリガーを接合したことを特徴とする請求項1に記載の自動車のスライドドア取付部の構造。
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