JPH09263664A - ホイールカバー - Google Patents
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- JPH09263664A JPH09263664A JP8103607A JP10360796A JPH09263664A JP H09263664 A JPH09263664 A JP H09263664A JP 8103607 A JP8103607 A JP 8103607A JP 10360796 A JP10360796 A JP 10360796A JP H09263664 A JPH09263664 A JP H09263664A
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Abstract
械物性にも優れた,ホイールカバーを提供する。 【解決手段】 自動車のホイールに装着するホイールカ
バーは,ポリプロピレン樹脂20〜67重量%と,熱可
塑性エラストマー3〜30重量%と,針状ケイ酸カルシ
ウム30〜50重量%とからなる組成物を成形してな
る。針状ケイ酸カルシウムは,フィラー配向指数が10
00未満であること,平均粒径が1〜100μmである
ことが好ましい。ポリプロピレン樹脂は,エチレン成分
を3〜12重量%含有してなり,加熱変形温度(455
kPa)が125℃以上の高結晶性を有するブロックポ
リプロピレン樹脂であり,そのメルトフローインデック
スは30g/10分以上であることが好ましい。
Description
し,特にウエルド外観と機械物性に優れたホイールカバ
ーに関する。
装着されている。このホイールカバーは,ホイールにお
ける締付ボルトの保護,ホイール及び自動車の意匠性向
上などを目的として用いられている。ところで,このホ
イールカバーの材料としては,ポリプロピレン樹脂に種
々のフィラーを添加したフィラー強化ポリプロピレン樹
脂組成物(以下,強化PPという。)を用いることが検
討されている。
填剤をポリオレフィン樹脂に添加した組成物(特開昭6
0─47043号公報),シラン化合物で処理した無機
質フィラーをプロピレン─エチレンブロック共重合体に
添加した組成物(特開昭61─197650号公報),
表面処理剤と共に粉砕処理した無機フィラーを結晶性エ
チレン─プロピレン共重合体に添加した組成物(特開昭
62─235350号公報),エチレン・プロピレン・
ブテン─1共重合ゴム(特開平2─296856号公
報),無機フィラー及びエラストマーをエチレン─プロ
ピレン共重合体に添加した組成物(特開平5─9812
2号公報)等が提案されている。また,発明者らは,先
に,ポリプロピレン樹脂にガラス繊維を添加した組成物
により成形したホイールカバーを提案した(特開平6─
80839号公報)。これら従来の組成物は,フィラー
等の強化剤の添加により,主に耐熱性,耐衝撃性の改善
を図っている。
ロピレン樹脂組成物を用いた場合においても,ホイール
カバーのウェルド部における隆起について,問題があ
る。即ち,図4Aに示すごとく,樹脂製の上記ホイール
カバーは,一般的に,射出成形により製造される。その
際,樹脂95は,成形型71のキャビティ72の中に導
入される。キャビティ72は,ホイールカバー(図5)
を成形するために,複雑な形状を有している。そのた
め,キャビティ72内の樹脂95の流れ90も複雑とな
る。それ故,図4A,B,図5に示すごとく,ホイール
カバー9には,最終的に樹脂流れ90が出会った部分に
ウェルド部91の隆起93が発生する。なお,図5にお
いて,符号94は,ホイールカバー成形時におけるゲー
トの位置を示す。
とく,ガラス繊維82がホイールカバー9の厚さ方向に
配向しているウェルド部91と,樹脂流れ方向に配向し
ている一般部92との収縮差により発生すると考えられ
る。この隆起93は,ガラス繊維82を入れたガラス繊
維強化PPを用いる場合に,特に高く形成され,その高
さ故に,ホイールカバーの表面外観性を損なう。上記隆
起高さ△Hは従来のポリプロピレン樹脂組成物を用いた
場合,20〜60μmに達している。
の観点より,図5に示すごとく,風穴96の位置,形状
を複雑化したり,大穴とするなど種々の形状が要求さ
れ,ウェルド部における表面外観性も非常に注目されて
いる。そこで,異方性のないフィラーの使用が考えられ
るが,この場合には隆起の高さは低下するが,その反
面,機械物性が低下してしまう。
ルド部の隆起高さが低く,外観品質,機械物性にも優れ
た,ホイールカバーを提供しようとするものである。
ホイールに装着するホイールカバーであって,該ホイー
ルカバーは,ポリプロピレン樹脂20〜67重量%と,
熱可塑性エラストマー3〜30重量%と,針状ケイ酸カ
ルシウム30〜50重量%とからなる組成物を成形して
なることを特徴とするホイールカバーである。
を用いているため,ウェルド部の隆起高さを低く抑制で
きる。また,ポリプロピレン樹脂と熱可塑性エラストマ
ーと針状ケイ酸カルシウムとを上記の配合比により混合
することにより,ウェルド部の隆起高さが低くなるだけ
でなく,外観品質,機械物性が向上する。また,安価な
ポリプロピレン樹脂をベースとしているため,安価にホ
イールカバーを製造することができる。
ケイ酸カルシウムは,フィラー配向指数が1000未満
であることが好ましい。ここに,フィラー配向指数と
は,針状ケイ酸カルシウムのアスペクト比に針状ケイ酸
カルシウムの添加量(重量比)を乗した値をいう。アス
ペクト比とは,針状ケイ酸カルシウムの平均幅に対する
平均長さの比をいう。このフィラー配向指数が1000
未満である場合には,ウェルド部の隆起を一層低く抑制
できる。1000以上の場合には,ウェルド部の隆起を
効果的に抑制することが困難となる。
ケイ酸カルシウムは,平均粒径が1〜100μmである
ことが好ましい。ここに,平均粒径(d50)とは,マ
イクロトラック法,レーザー法,セリグラフ法等によ
り,粒度を重量分布として表示した時の積算重量が50
%の値をいう。
未満の場合には,ホイールカバーのウェルド部の隆起高
さが大きくなるおそれがある。一方,100μmを越え
る場合には,衝撃強度,曲げ弾性が低下するおそれがあ
る。更に好ましい針状ケイ酸カルシウムの平均粒径は,
請求項4に記載のように,5〜60μmである。これに
より,ウェルド部の隆起高さをより低く抑制でき,かつ
衝撃強度及び曲げ弾性がより向上する。
ン成分を3〜12重量%含有してなり,加熱変形温度
(455kPa)が125℃以上の高結晶性を有するブ
ロック重合ポリプロピレン樹脂であることが好ましい。
これにより,ホイールカバーの耐熱性,剛性,耐衝撃性
が高くなる。一方,エチレン成分が3重量%未満の場合
には,ホイールカバーの耐衝撃性が低下するおそれがあ
る。一方,12重量%を越える場合には,耐熱性及び剛
性が低下するおそれがある。
脂は,加熱変形温度(455kPa)が125℃以上の
高結晶性を有するブロック重合ポリプロピレン樹脂であ
る。加熱変形温度(455kPa)が125℃以上と
は,ホイールカバーの上記組成物を455kPaで加圧
した状態で組成物が0.25mmたわむときの温度が1
25℃以上であることを意味する。
は,ポリプロピレン分子の立体規則性を高度に高めるこ
とにより,結晶性を向上させたものをいう。ポリプロピ
レン樹脂が高結晶であることにより,剛性,耐熱性が向
上するという効果を得ることができる。
フローインデックスが30g/10分以上であることが
好ましい。これにより,ウェルド部の隆起が更に小さく
なり,ホイールカバーの外観品質が向上する。また,ポ
リプロピレン樹脂のメルトフローインデックスの上限
は,100g/10分であることが好ましい。これを越
える場合には,機械的物性のバランスが崩れるおそれが
ある。
リプロピレン樹脂を2〜20重量%含有していることが
好ましい。これにより,ホイールカバーの衝撃性,剛
性,強度が,バランス良く向上する。上記変性ポリプロ
ピレン樹脂としては,アクリル酸,マレイン酸,イタコ
ン酸,無水マレイン酸等の不飽和有機酸又はその誘導体
で変成された結晶性プロピレン重合体,及びこれらの混
合物等がある。
り,上記熱可塑性エラストマーは,エチレン─α─オレ
フィンゴムのグループから選ばれる1種又は2種以上で
あることが好ましい。上記エチレン─α─オレフィンゴ
ムとしては,例えば,エチレン─プロピレン共重合体
(EPM),エチレン─ブテン共重合体(EBM),エ
チレン−ヘプテン共重合体(EHM),エチレン─オク
テン共重合体(EOM)等がある。
プロピレン樹脂との相溶性よりスチレン系熱可塑性エラ
ストマー及びその水素添加物のグループから選ばれる1
種又は2種以上であることが好ましい。ポリプロピレン
樹脂との相溶性が良好なため,機械的物性がバランスよ
く向上する。
ては,例えば,ポリスチレン─ポリブタジエン─ポリス
チレン(SBS)熱可塑性エラストマー,ポリスチレン
─ポリイソプレン─ポリスチレン(SIS)熱可塑性エ
ラストマー等がある。また,スチレン系熱可塑性エラス
トマーの水素添加物としては,ポリスチレン─ポリ(エ
チレン─ブチレン)─ポリスチレン(SEBS),ポリ
スチレン─ポリ(エチレン─プロピレン)─ポリスチレ
ン(SEPS)等がある。
する。本例は,自動車のホイールに装着するホイールカ
バーのテスト用の成形品である。この成形品は,ポリプ
ロピレン樹脂20〜67重量%と,熱可塑性エラストマ
ー3〜30重量%と,針状ケイ酸カルシウム30〜50
重量%とからなる組成物を,射出成形したものである
(試料E1〜E8)。
有量(C2 )及びメルトフローインデックス(MI)が
異なる3種類のもの(A成分)を用いた。熱可塑性エラ
ストマーとしては,エチレン─プロピレン共重合体(E
PM)及びポリスチレン─ポリ(エチレン─ブチレン)
─ポリスチレン(SEBS)を用いた。針状ケイ酸カル
シウムとしては,平均粒径(L)及びアスペクト比(A
R)が異なる4種類のものを用いた。
図1の顕微鏡写真に示した。写真に示された長方形状の
半透明な固体は,平均粒径が10μm,アスペクト比が
2の針状ケイ酸カルシウムである。
ムの代わりにガラス繊維,タルク,炭酸カルシウムウィ
スカーを用いたもの(試料C1〜C3),針状ケイ酸カ
ルシウムを上記試料よりも多く添加したもの(試料C
4),熱可塑性エラストマー無添加のもの(試料C5)
を成形した。
フィラー配向指数を算出した。フィラー配向指数は,針
状ケイ酸カルシウム,ガラス繊維,タルク,炭酸カルシ
ウムウィスカー(B成分)のアスペクト比にこれらの添
加量(重量比)を乗した値である。そして,上記の成形
品について,ウェルド外観の良否,ウェルド部の隆起高
さ(μm),曲げ弾性率(MPa),加熱変形温度
(℃),アイゾット衝撃強度(J/m)を,以下のよう
にして測定した。
0μm以上5μm未満の場合を優良(◎),5μm以上
10μm未満の場合を良好(○),10μm以上20μ
m未満の場合を目立つ(×),20μm以上の場合を見
苦しい(××)と判定した。
く,成形品1の一般部12におけるA地点からウェルド
部11の隆起13を隔てて他方の一般部12におけるB
地点まで,表面粗さ計を走査させ,成形品1の高さ方向
の変位を測定した。そして,図3に示すごとく,A地点
からB地点までの成形品の高さ方向の変位をウェルド部
の隆起高さ△Hとした。表面粗さ計としては,サーフコ
ム550,東京精密(株)を用いた。
測定した。 (加熱変形温度)ASTM─D648(455kPa荷
重)により測定した。 (アイゾット衝撃強度)ASTM─D256(23℃,
ノッチ付き)により測定した。
果を表1に示した。この表1には,自動車用ホイールカ
バーにおいて必要とされる基準値を判定基準として示
し,またこの判定基準を基準として各条件の合格
(○),不合格(×)の判定結果を示した。
表より知られるように,針状ケイ酸カルシウムを30〜
45重量%添加した本発明の試料E1〜E8は,いずれ
もウェルド部の隆起高さが低かった。また,曲げ弾性
率,加熱変形温度,及びアイゾット衝撃強度は,バラン
スよく高い値を示した。
いていない試料C1〜C3は,ウェルド部の隆起高さが
高かった。逆に,針状ケイ酸カルシウムを60重量%と
多く添加した場合には,隆起高さが高かった。試料C5
は,アイゾット衝撃強度が低かった。また,試料C1〜
C5は,曲げ弾性率,加熱変形温度,アイゾット衝撃強
度のバランスが悪く,市場でのホイールカバー使用時
に,ホイールカバーが,変形脱落,または破損するとい
う問題が生じるおそれがある。
E4,C1,C3と同様の組成物を成形型に射出成形し
て,ホイールカバーを製造した。次に,これらのホイー
ルカバーについて,ウェルド外観,脱着性,耐熱変形
性,落下衝撃性を,以下のように評価した。
より評価した。 (脱着性)自動車用ホイールへのホイールカバーの脱着
を繰り返し,ホイールカバーの割れ,亀裂等を目視によ
り観察した。割れ,亀裂がなく,ホイールカバーに異常
がない場合を,良好(○)と判断し,逆に割れ,亀裂が
あり,異常がある場合を不良(×)と判定した。
に組付けた状態で,150℃×1時間加熱して,ホイー
ルカバーを熱老化させた。この際の,ホイールカバーの
変形を目視により観察した。著しい変形がない場合を良
好(○),著しく変形した場合を不良(×)と判定し
た。
30℃雰囲気中でコンクリート面に落下させ,ホイール
カバーの破損の有無を評価した。破損のない場合を良好
(○),破損した場合を不良(×)と判断した。
知られるように,本発明の試料E1,E4は,すべての
測定項目について良好な結果が得られた。これに比し
て,比較例である試料C1はウェルド外観が悪く,試料
C3は脱着性及び落下衝撃性が悪かった。
は,ウェルド部の隆起高さが低く,外観品質が良い。ま
た,衝撃強度,曲げ弾性率,及び加熱変形温度からなる
機械物性がバランス良く高い。
が低く,外観品質,機械物性にも優れた,ホイールカバ
ーを提供することができる。
粒子構造を顕微鏡写真により示した図(倍率500
倍)。
成形品の斜視図。
示す説明図。
原因を示す説明図。
Claims (4)
- 【請求項1】 自動車のホイールに装着するホイールカ
バーであって,該ホイールカバーは,ポリプロピレン樹
脂20〜67重量%と,熱可塑性エラストマー3〜30
重量%と,針状ケイ酸カルシウム30〜50重量%とか
らなる組成物を成形してなることを特徴とするホイール
カバー。 - 【請求項2】 請求項1において,上記針状ケイ酸カル
シウムは,フィラー配向指数が1000未満であること
を特徴とするホイールカバー。 - 【請求項3】 請求項1又は2において,上記針状ケイ
酸カルシウムは,平均粒径が1〜100μmであること
を特徴とするホイールカバー。 - 【請求項4】 請求項1又は2において,上記針状ケイ
酸カルシウムは,平均粒径が5〜60μmであることを
特徴とするホイールカバー。
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- 1996-03-28 JP JP10360796A patent/JP3327320B2/ja not_active Expired - Fee Related
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1997
- 1997-03-28 US US08/825,171 patent/US6017990A/en not_active Expired - Fee Related
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