JP2016183915A - 樹脂成形品における二次ウェルドの外観品質評価方法 - Google Patents

樹脂成形品における二次ウェルドの外観品質評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂成形品の表面形状によらず、当該表面に現れる二次ウェルドを定量的に評価して、これにより二次ウェルドの外観品質を的確に評価する。【解決手段】本発明に係る二次ウェルドの外観品質評価方法は、二次ウェルド7の斜面7aの傾きθを取得する工程S2と、予め、相関取得用二次ウェルドの外観品質点を官能評価により取得すると共に、対応する相関取得用二次ウェルドの斜面の傾きを取得して、相関取得用二次ウェルドの外観品質点と斜面の傾きとの相関を取得する工程S3と、上記相関と、二次ウェルド7の斜面7aの傾きθとに基づき、二次ウェルド7の外観品質点を算出する工程S4とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂成形品における二次ウェルドの外観品質評価方法に関する。
樹脂製品を成形するため一般的に用いられる方法に射出成形がある。射出成形においては、溶融樹脂の射出態様やキャビティと呼ばれる溶融樹脂の充填空間の形状により、ウェルドが発生することが知られている。
ここで、ウェルドは、その発生要因に基づき大きく二種類に分類することができる。一つは、主に充填時に生じるもので(図9及び図10を参照)、ゲート1から充填された溶融樹脂2がキャビティ3内で一旦分流した後、再び合流することで樹脂成形品4に形成される溝状のウェルド5(本明細書においては、以後、この溝状のウェルド5を一次ウェルドと称する。)である。もう一つは、主に成形収縮時に生じるもので(図9及び図11を参照)、溶融樹脂2に配合されるタルクなどのフィラー6がキャビティ3内でその配向を例えば流れ方向から厚み方向に変化させて、厚み方向の成形収縮が抑制されることで樹脂成形品4に形成される畝状のウェルド7(本明細書においては、以後、この畝状のウェルド7を二次ウェルドと称する。)である。
二次ウェルドは、一次ウェルドと同様、樹脂成形品の美観を損なうとして問題視されることがある。そのため、この二次ウェルドを定量的に評価し、樹脂成形品の美観(外観品質)に与える影響を的確に評価することが望まれている。
ここで、例えば特許文献1には、光沢計を用いて、ウェルドラインの外観評価を定量的に行う方法が提案されている。
特開2012−254614号公報
しかしながら、光沢度の測定に際しては、一般的に、その入射角と受光角の設定が重要となる。そのため、ウェルドが例えば樹脂成形品の凸状の曲面上に現れる場合には、特許文献1の方法でウェルドの外観評価及び定量化を正確に行うことは難しい。特に、二次ウェルドの如く盛り上がった形状をなすウェルドの場合には、凸状の曲面に二次ウェルドの盛り上がりが埋もれ易い。よって、この点においても、光沢計を用いた定量化手法は適切とはいえない。
また、一次ウェルドの如く溝状をなすウェルドであれば、ウェルドを横断する向きの表面形状の変化が大きい(溝部で急激に窪む)ため、周囲に比べて光沢度の差が比較的出やすい。これに対して、二次ウェルドの如く畝状をなし、ウェルドを横断する向きの表面形状の変化が小さい(なだらかな傾斜で盛り上がっている)ウェルドの場合、周囲との間で光沢度の差が出にくい。よって、この点においても、二次ウェルドを適切に検出し、定量的に評価することは難しい。
以上の理由より、二次ウェルドの外観品質については、人が目視でその目立ちにくさ等を官能評価により評価するより他ないのが現状である。
以上の事情に鑑み、本発明により解決すべき課題は、樹脂成形品の表面形状によらず、当該表面に現れる二次ウェルドを定量的に評価して、これにより二次ウェルドの外観品質を的確に評価するための方法を提供することにある。
前記課題の解決は、本発明に係る二次ウェルドの外観品質評価方法によって達成される。すなわち、この評価方法は、樹脂成形品の表面に現れる二次ウェルドの外観品質を評価するための方法であって、二次ウェルドの斜面の傾きを取得する工程と、予め、相関取得用二次ウェルドの外観品質点を官能評価により取得すると共に、対応する相関取得用二次ウェルドの斜面の傾きを取得して、相関取得用二次ウェルドの外観品質点と斜面の傾きとの相関を取得する工程と、上記相関と、二次ウェルドの斜面の傾きとに基づき、二次ウェルドの外観品質点を算出する工程とを備えた点をもって特徴付けられる。
本発明者らが、今まで測定等されることのなかった二次ウェルドの寸法パラメータ及び形状パラメータに着目し、これら寸法パラメータ及び形状パラメータと、当該二次ウェルドを実際に目視した際に得られる外観品質(例えば二次ウェルドの目立ちにくさ、あるいは二次ウェルドを含む樹脂成形品の見栄えなど)を点数付けしたものとの関係について検証したところ、二次ウェルドの斜面の傾きと、その外観品質点との間に一定の強い相関がみられることを見出した。
本発明は上記知見に基づきなされたもので、二次ウェルドの斜面の傾きを取得(測定)すると共に、この斜面の傾きと、予め複数のデータから取得しておいた二次ウェルドの斜面の傾きとその外観品質点との相関とに基づき、二次ウェルドの外観品質点を算出するようにしたことを特徴とする。この方法によれば、これまで定量的に評価することができなかった二次ウェルドの外観品質を、二次ウェルドの断面における斜面の傾きを求めることで、定量的に評価することができる。このように二次ウェルドの外観品質を、数値としての二次ウェルドの斜面の傾きに基づき定量的に評価できるのであれば、評価する者によって外観品質の評価がばらつくこともないので、客観的かつ信頼性の高い評価が可能となる。また、上記方法によれば、実際に外観品質を評価した二次ウェルドの斜面の傾きに関するデータを、相関取得用二次ウェルドの斜面の傾きに関するデータとして蓄積することができるので、この評価手法を用いれば用いるほど、相関の信頼性、ひいては評価方法の信頼性を高めることが可能となる。
また、本発明に係る外観品質評価方法は、二次ウェルドの斜面の傾きを、二次ウェルドの断面形状に基づき取得するものとし、かつこの場合に、二次ウェルドの断面形状を、二次ウェルドを含む樹脂成形品の断面形状をレーザー顕微鏡で測定した後、この測定で得た樹脂成形品の断面形状データに対して、樹脂成形品の表面の曲率及び傾きの少なくとも一方を補正すると共に、断面形状データに対して、樹脂成形品を成形する金型成形面以外の要素として樹脂成形品の表面に反映される凹凸を除去することにより取得するものであってもよい。
このように、二次ウェルドを含む樹脂成形品の断面形状をレーザー顕微鏡で測定すると共に、測定して得た断面形状データに対して、樹脂成形品の表面の曲率又は傾きを補正するようにすれば、樹脂成形品の二次ウェルドを含む部位の表面が曲面であったり、あるいはレーザー顕微鏡による測定方向(レーザーの走査方向)に対して被測定面が傾いた姿勢で置かれている場合であっても、これを平坦又は水平な状態に補正して、一次ウェルドに比べてサイズの小さい二次ウェルドを検出可能な状態にすることができる。また、測定した得た断面形状データに対して、金型成形面以外の要素として樹脂成形品の表面に反映される凹凸を除去するようにすれば、例えば金型成形面に生じた傷や、離型時に樹脂成形品の表面に生じた傷、あるいは金型成形面に付着していた異物により表面に形成された凹凸を、二次ウェルドの断面形状に本質的に関係のない凹凸として的確に排除することができる。また、これら二次ウェルドの断面形状に本質的に関係のない凹凸はある程度その特徴からその周期又はサイズを推定できるため、例えばレーザー顕微鏡で測定して得た断面形状データに対する既存の処理ソフトが有するノイズキャンセル機能を活用して簡易に上記凹凸の除去が可能となる。従って、上記方法によれば、二次ウェルドを含む樹脂成形品から簡易かつ正確に二次ウェルドの断面形状を抽出することが可能となる。
以上のように、本発明に係る二次ウェルドの外観品質評価方法によれば、樹脂成形品の表面形状によらず、当該表面に現れる二次ウェルドを定量的に評価して、これにより二次ウェルドの外観品質を的確に評価することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る二次ウェルドの外観品質評価方法の流れを示すフローチャートである。 二次ウェルドの断面形状を取得する流れを示すフローチャートである。 二次ウェルドを含む樹脂成形品の断面形状の測定態様を概念的に説明するための要部平面図である。 レーザー顕微鏡で測定して得た樹脂成形品の断面形状データを示すグラフである。 図4に示す断面形状データに対して曲率及び傾き補正処理を施した後の断面形状データを示すグラフである。 図5に示す断面形状データに対して金型成形面以外の要素を反映した凹凸を除去した後の断面形状データを示すグラフである。 図6に示す断面形状データから二次ウェルドの斜面の傾きを取得する方法の一例を概念的に説明するための要部拡大図である。 二次ウェルドの斜面の傾きと、対応する二次ウェルドの外観品質点との関係を示すグラフである。 樹脂成形品の射出成形態様とその際に生じる一次ウェルド及び二次ウェルドとの位置関係を概念的に示すキャビティの断面図である。 一次ウェルドの発生態様及び形態を概念的に説明するための要部拡大断面図である。 二次ウェルドの発生態様及び形態を概念的に説明するための要部拡大断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る二次ウェルドの外観品質評価方法の内容を図面に基づき説明する。
本発明の一実施形態に係る二次ウェルドの外観品質方法は、図1に示すように、樹脂成形品の表面に現れる二次ウェルドの断面形状を取得する工程S1と、取得した断面形状から二次ウェルドの斜面の傾きを取得する工程S2と、相関取得用二次ウェルドの外観品質点と斜面の傾きとの相関を取得する工程S3と、上記相関と二次ウェルドの斜面の傾きとに基づき、二次ウェルドの外観品質点を算出する工程S4と、工程S4で取得した外観品質点に基づき二次ウェルドの外観品質の良否を判定する工程S5とを備える。以下、各工程S1〜S5の詳細を説明する。
(S1)断面形状取得工程
まず、評価対象とする二次ウェルドの断面形状を取得する。本実施形態では、図2に示すように、二次ウェルドを含む樹脂成形品の断面形状をレーザー顕微鏡で測定する(ステップS11)。そして、測定により得た断面形状データに対して樹脂成形品表面の曲率及び傾きを補正すると共に(ステップS12)、補正後の断面形状データに対して金型成形面以外の要素として樹脂成形品の表面に反映される凹凸を除去する(ステップS13)ことにより、評価に必要な二次ウェルドの断面形状を抽出可能な状態とする。
(S11)レーザー顕微鏡測定ステップ
レーザー顕微鏡を用いた樹脂成形品の断面形状の測定は、例えば以下のようにして行われる。例えば図3に示すように、評価対象となる樹脂成形品4が開口部8を有する場合、射出時のゲートの位置等にもよるが、この開口部8から放射状に伸びるようにして二次ウェルド7が形成されることが多い。この場合、図3に示すように、レーザー顕微鏡における位置測定用レーザーの走査領域9を、二次ウェルド7の長手方向に直交する向きに設定して、二次ウェルド7を横断するようレーザーを走査する。これにより、樹脂成形品4の表面4aのうち二次ウェルド7を横断するレーザーの走査領域9の位置(正確には、レーザーの照射方向位置)を測定し、走査領域9における表面4aの断面形状データを取得する(図4)。なお、レーザーの走査動作は、レーザー照射装置側が移動して行われるものであってもよく、樹脂成形品4側が移動することで行われるものであってもよい。
(S12)樹脂成形品表面の曲率及び傾き補正ステップ
このように、樹脂成形品4の表面4aのうち二次ウェルド7を横断する所定領域の断面形状データを取得した後、この断面形状データ(例えば図4に示す断面形状データ)に対して、表面4aの曲率を補正するための処理を施す。これにより、樹脂成形品4の表面4aが例えば所定の曲率を有する曲面(特に凸曲面)である場合、表面4aが有する曲率をキャンセルして、表面4aを平坦化する。同様に、表面4aの断面形状データに対してその傾きを補正するための処理を施すことにより、例えば樹脂成形品4(あるいは二次ウェルド7を含む一部分)の表面4aがレーザー顕微鏡(のレーザーの照射方向)に対して傾いて設置されている場合、この傾きを補正して水平化(樹脂成形品4の姿勢として水平状態に)する。双方の補正処理を施した後の断面形状データの一例を図5に示す。なお、上記実施形態では、表面4aが所定の曲率を有する部分球面であるとの前提において、当該曲率をキャンセルする補正を施したが、もちろんこれ以外の曲面形状又は複数の平面の組み合わせに係る三次元形状を成す場合であれば、当該形状をキャンセルして表面4aを平坦化可能なように補正処理を施すようにすればよい。
(S13)樹脂成形品表面の凹凸除去ステップ
また、本実施形態では、曲率及び傾き補正後の断面形状データ(図5)に対して、所定の凹凸を除去する。ここで、除去すべき凹凸は、樹脂成形品4の金型成形面以外の要素として表面4aに反映される凹凸となる。これらは、通常、金型成形面に生じた傷や、離型時に樹脂成形品4の表面4aに形成された傷、あるいは、金型成形面に付着していた異物により表面4aに形成された凹み等を反映したものである。これら凹凸は、発明者らの検証によれば、通常、二次ウェルド7よりも大きなオーダーの凹凸であり、また表面4が準不可避的に有するうねり等の凹凸よりも小さい周期の凹凸であるから、これらを例えば断面形状データに対する既存の処理ソフトが有するノイズキャンセル機能を利用し、ノイズとして除去する。これら不要な凹凸を除去した後の断面形状データの一例を図6に示す。図6に示す断面形状データを見ると、表面4aが成形過程で準不可避的に有することになるうねり等の凹凸とは異なるサイズ及び周期の凸部が見られる。これを二次ウェルド7として抽出することで、その断面形状データが取得可能となる。
(S2)斜面の傾き取得工程
このようにして二次ウェルド7の断面形状データを取得した後、この断面形状データに基づき二次ウェルド7の斜面の傾きを求める。斜面の傾きの求め方について特に制限はなく、例えば以下の手順及び基準で求めることが可能である。まず図7に示すように、断面形状をなす曲線において、二次ウェルド7の斜面7aの下端と見込まれる領域における極小点を下端点とする。そしてこの下端点から斜面7aの上端と見込まれる領域における極大点を上端点とし、両端点間の距離を二次ウェルド7の高さ寸法hとする。このとき、斜面7aの下端点から上端点までのレーザー走査方向距離wに対する高さ寸法hの比を、斜面7aの傾きθとして取得する。もちろん、上記方法は一例であり、例えば斜面7aの全領域における接線の平均値、中央値等をもって斜面7aの傾きθとする等、他の方法及び基準で斜面7aの傾きを取得してもかまわない。
(S3)相関取得工程
このステップでは、予め相関取得用二次ウェルドの斜面の傾きに関する複数のデータと、対応する相関取得用二次ウェルドの外観品質点に関するデータを取得しておき、これらの間に認められる相関を求める。ここで、相関取得用二次ウェルドの斜面の傾きは、上述したステップS1,S2と同じ方法で取得することができる。また、相関取得用二次ウェルドの外観品質点は、例えば評価者の目視による官能評価により点数付け(一例として10点満点の点数付け)されることで取得することができる。そして、このようにして取得した複数の相関取得用二次ウェルドの斜面の傾きデータと外観評価点データとを、例えば図8に示すように同一グラフ上にプロットした上で、これらの相関、具体的には、近似式(図示例では近似直線式)を算出する。
(S4)外観品質点算出工程
このようにして斜面の傾きと外観品質点との相関を取得した後、工程S2で取得した二次ウェルド7の斜面7aの傾きθの値に基づき、その外観品質点を算出する。具体的には、例えば評価すべき二次ウェルドの斜面7aの傾きがθ1であった場合、図8に示す近似直線式に基づき、傾きがθ1のときの外観評価点P1を算出する。これにより官能評価を経ることなく実製品における二次ウェルド7の外観評価点を取得し得る。
(S5)外観品質の良否判定工程
最後に、工程S4で取得した外観品質点に基づき二次ウェルド7の外観品質の良否を判定する。ここでは、例えば図8に示すように、外観品質点のしきい値Thに基づき、二次ウェルド7の外観品質の良否を判定する。すなわち、二次ウェルド7の外観品質点P1がしきい値Th以上であれば、当該二次ウェルド7の外観品質は良好(問題ない)と判定し、外観品質点P1がしきい値Th未満であれば、当該二次ウェルド7の外観品質は不良(問題あり)と判定する。
以上のように、本発明に係る外観品質評価方法によれば、二次ウェルド7の外観品質を、二次ウェルド7の斜面7aの傾きθに基づき定量的に評価できるので、評価する者によって外観品質の評価がばらつくことのない、客観的かつ信頼性の高い評価が可能となる。すなわち、官能評価の経験の浅い作業者であっても、熟練者と変わらないレベルで評価を行うことができる。また、上記方法によれば、実際に外観品質を評価した二次ウェルド7の断面形状、特に斜面7aの傾きθに関するデータを、相関取得用の二次ウェルドの斜面の傾きに関するデータとして蓄積することができるので、例えば対応する二次ウェルド7の画像を併せて保存、蓄積しておき、熟練者による官能評価で外観品質点を取得することで、図8に示すプロットの数を増やすことができる。プロットの数が増えるにつれて近似式の正確性が増すことになるため、結果として、この評価手法を用いて実製品の二次ウェルド7の外観品質を評価すればするほど、相関の信頼性、ひいては評価方法の信頼性を高めることが可能となる。また、二次ウェルド7はCAEを用いた流動解析での事前予測技術が未だ確立されておらず、今後予測技術が進歩するものと思われるが、その際に必要とされるCAE予測結果と実製品の外観品質との関係を確認する際に、本発明に係る評価技術が役立つものと期待される。
また、本実施形態では、二次ウェルド7の断面形状を、二次ウェルド7を含む樹脂成形品4の断面形状をレーザー顕微鏡で測定した後(ステップS11)、この測定で得た樹脂成形品4の断面形状データに対して、樹脂成形品4の表面4aの曲率及び傾きを補正すると共に(ステップS12)、断面形状データに対して、樹脂成形品4を成形する金型成形面以外の要素として樹脂成形品4の表面4aに反映される凹凸を除去する(ステップS13)ことにより取得するようにした。よって、樹脂成形品4の二次ウェルド7を含む部位の表面4aが曲面であったり、あるいはレーザー顕微鏡による測定方向(レーザーの走査方向)に対して被測定面となる表面4aが傾いた姿勢で置かれている場合であっても、これを平坦かつ水平な状態にして、一次ウェルドに比べてサイズの小さい二次ウェルドを検出可能な状態にすることができる。また、測定した得た断面形状データに対して、金型成形面以外の要素として樹脂成形品4の表面4aに反映される凹凸を除去することで、例えば金型成形面に生じた傷や、離型時に樹脂成形品の表面に生じた傷、あるいは金型成形面に付着していた異物により表面に形成された凹凸を、二次ウェルドの断面形状に本質的に関係のない凹凸として的確に排除することができる。また、これら二次ウェルドの断面形状に本質的に関係のない凹凸は、表面4aが不可避的に有するうねり等の大きな凹凸に比べてその周期が短く、かつ二次ウェルド7に比べてそのサイズが大きいことに鑑みて、断面形状データに対する既存の処理ソフトが有するノイズキャンセル機能を活用して簡易かつ確実に上記凹凸の除去が可能となる。従って、上記方法によれば、二次ウェルド7を含む樹脂成形品4から簡易かつ正確に二次ウェルド7の断面形状を抽出することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明に係る外観品質評価方法は、その趣旨を逸脱しない範囲において任意の構成を採ることが可能である。
すなわち、上記実施形態では、レーザー顕微鏡の測定により得た樹脂成形品4の断面形状データに対して、曲率及び傾き補正を施すようにしたが、そもそも測定箇所における表面4aの形状が平坦であれば曲率補正は必要ない。同様に、測定箇所において表面4aがレーザー走査方向に対して傾いて置かれていないのであれば、傾き補正も必要ない。このことは、断面形状データの凹凸を除去する場合においても同様であり、例えば金型成形面の傷が反映された凹凸が明らかに二次ウェルド7と区別可能な周期又はサイズである場合、あえてこれらの凹凸を除去せずともよい。
また、以上の説明では、二次ウェルド7の斜面7aの傾きθを、レーザー顕微鏡による測定で得た樹脂成形品4の断面形状データに基づき取得しているが、これ以外の方法で取得できるのであれば、必ずしもレーザー顕微鏡を用いらずともよい。すなわち、樹脂成形品4の形状や二次ウェルド7のサイズ等によっては、接触式の表面形状計測装置を用いて二次ウェルド7の断面形状を測定し、測定して得た二次ウェルド7の断面形状から斜面7aの傾きθ(高さ寸法h、幅寸法)を取得するようにしてもかまわない。さらにいえば、斜面7aの傾きθを直接的に測定し得るのであれば、必ずしも二次ウェルド7の断面形状を取得する必要もない。要は、二次ウェルドの斜面7aの傾きθに関するデータを取得し得る限りにおいて、任意の手段を採用することが可能である。
1 ゲート
2 溶融樹脂
3 キャビティ
4 樹脂成形品
4a 表面
5 ウェルド
6 フィラー
7 二次ウェルド
7a 斜面
8 開口部
9 走査領域

Claims (1)

  1. 樹脂成形品の表面に現れる二次ウェルドの外観品質を評価するための方法であって、
    前記二次ウェルドの斜面の傾きを取得する工程と、
    予め、相関取得用二次ウェルドの外観品質点を官能評価により取得すると共に、対応する前記相関取得用二次ウェルドの前記斜面の傾きを取得して、前記相関取得用二次ウェルドの前記外観品質点と前記斜面の傾きとの相関を取得する工程と、
    前記相関と、前記二次ウェルドの前記斜面の傾きとに基づき、前記二次ウェルドの外観品質点を算出する工程とを備えた、樹脂成形品における二次ウェルドの外観品質評価方法。
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