JP2011201108A - 樹脂成型品の流動解析方法、流動解析装置及び流動解析プログラム - Google Patents

樹脂成型品の流動解析方法、流動解析装置及び流動解析プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂成形品表面から微小量突出する2次ウエルドラインの突出高さを予測でき、高い精度の品質評価を可能にできる樹脂成形品の流動解析方法、流動解析装置及び流動解析プログラム等を提供する。
【解決手段】メッシュモデルを用いて成形型のキャビティ内の溶融樹脂を流動解析して成形品表面から微小量突出する2次ウエルドラインの発生を予測する樹脂成型品の流動解析方法であって、成形工程初期に発生する1次ウエルドラインの発生位置を演算する1次ウエルドライン作成工程と、前記演算された1次ウエルドライン発生位置に基づいて、前記樹脂成型品の板厚方向の平均繊維配向度と、前記溶融樹脂の体積収縮率とを用いて2次ウエルドラインの突出高さを演算する2次ウエルド指数差演算工程と、を備えている。
【選択図】図11

Description

本発明は、樹脂成型品の流動解析技術に関し、特に樹脂成型品の板厚方向の平均繊維配向度と樹脂の体積収縮率とを用いた樹脂成型品の流動解析方法、流動解析装置及び流動解析プログラムに関する。
従来、樹脂の射出成形は、成形型のキャビティ内へ溶融樹脂を射出して1工程で複雑な形状の樹脂成型品を成形できるため、幅広い分野において樹脂成型品の製造に用いられている。自動車分野では、バンパ等の強度が要求される部品にも補強用の充填材(ガラスファイバ、タルク等)を含有した樹脂成型品が多く採用されている。この射出成形により成形された樹脂成型品には、ウエルドラインと呼ばれるノッチ状の線状痕や微小量突出した線状痕が成形品表面に発生することがあり、特に充填材として扁平状のタルク等を混合した場合にはウエルドラインが発生し易く外観上の不具合となっていた。そこで、射出成形プロセスの流動シミュレーションを行い、ウエルドラインの発生位置とその量とをコンピュータ上で予測し、その予測値に基づき射出ゲートの位置、射出タイミング、射出圧力等を調節してウエルドライン発生位置を変更する等の対策が行われている。
特許文献1に記載された樹脂成型品の流動解析方法は、少なくとも1つの射出ゲートから金型内部へ樹脂を射出する解析モデルを用いて、各ゲートから射出され対向方向から流動してきた流動樹脂が相互に接触(会合)するとき、接触部に生じる1次ウエルドライン上に複数の仮想粒子を生成し、これら仮想粒子の移動経路を求めてその移動距離を算出し流動樹脂の一方が他方の流動樹脂内へ侵入した潜り込み距離を求め、潜り込み距離から樹脂成型品の表面に生じる表面凹凸部(2次ウエルドライン)の発生位置と表面凹凸量(高さ・深さ)を予測している。この流動解析方法では、潜り込み距離と表面凹凸量との相関式を樹脂の種類毎に予め試作試験等により求めておき、この相関式と仮想粒子の予測潜り込み距離とにより表面凹凸量を予測する。
特許文献2に記載された樹脂成型品の品質予測方法は、メッシュモデルを用いて溶融樹脂の流動解析を行い、流動解析結果に基づき、2次ウエルドラインの発生位置を抽出し、ウエルドライン周辺での樹脂の流れ方向に沿った移動量の経時的変化を推定し、2次ウエルドライン周辺での樹脂の流動層厚み方向の経時的変化を推定し、流れ方向経時変化と厚み方向経時変化とに基づき樹脂会合部であるウエルド界面形状を推定して成型品表面を評価している。この品質予測方法では、ウエルド界面が途中で折り返さない場合に比べてウエルド界面が途中で折り返す場合に小さくなる値、また、ウエルド界面の厚さ方向中央部での曲率が大きい程小さくなる値となる評価関数を予め試作試験等により求めておき、この評価関数とウエルド界面形状とにより成型品表面の品質を予測する。
特開2000−343575号公報 特開2008−207440号公報
成形時に成形型のキャビティ内において2つ以上の溶融樹脂の流動層が会合する樹脂会合部の表面に、ノッチ状の1次ウエルドラインと、この1次ウエルドラインから所定距離離隔した位置に微小量突出する2次ウエルドラインとが夫々発生する。そこで、本発明者は、1次ウエルドラインと2次ウエルドラインとの発生メカニズムを検討した結果、以下の点に着眼した。
図15に示すように、会合前段階では、溶融樹脂内にタルク等の扁平状の充填材を含有する場合、充填材は剪断応力の発生方向に応じて配向する特性を有している。それ故、剪断応力の大きな溶融樹脂と金型との境界部分の充填材は流動方向(横方向)に配向し、剪断応力の小さな中央部分の充填材はキャビティの板厚方向(縦方向)に配向する。
溶融樹脂の流動層が会合する会合段階では、夫々の流動層の進行方向先端部が衝突してキャビティの板厚方向に樹脂会合部を形成する。この樹脂会合部周辺の充填材は縦配向し、流動層と金型との境界部分の充填材は樹脂会合部(流動層の進行方向)側程キャビティの板厚方向内側へ傾斜状になるよう傾斜配向している。それ故、樹脂会合部の表面にはVノッチ状に凹入した1次ウエルド部が形成され、この1次ウエルド部が線状に連続して1次ウエルドラインが形成されている。
会合段階後の内部流動段階では、未硬化の板厚方向内側の内部流動層が高圧力側から低圧力側へ移動する。樹脂会合部の移動に伴い、縦配向した充填材もその数を略維持しながら低圧力側へ移動する。夫々の内部流動層は溶融樹脂の硬化が進むにつれて流動量が減少し、流動層の溶融樹脂はキャビティの板厚方向外側から固化層を形成している。
夫々の内部流動層の圧力が均衡する圧力均衡段階では、内部流動層及びウエルド界面の移動が終了する。圧力均衡段階における樹脂会合部周辺には高い密度で縦配向した充填材が存在し、また、金型との境界部分の充填材は樹脂会合部側程キャビティの板厚方向外側へ傾斜状になるよう傾斜配向している。それ故、樹脂会合部周辺の樹脂の容量は少なく、樹脂会合部以外の部分(一般部分)の樹脂の容量は大きいため、換言すれば、圧力均衡段階における樹脂会合部は縦配向した充填材により一般部分に比べて樹脂が収縮し難いため、型開き後、溶融樹脂の硬化時における樹脂会合部周辺の収縮量は小さく、樹脂会合部以外の部分の収縮量は大きくなる。即ち、樹脂表面には一般部分に比べて微小量突出した2次ウエルド部が形成され、この2次ウエルド部が線状に連続して2次ウエルドラインが形成されている。以上により、1次ウエルドラインよりも2次ウエルドラインが製品品質に与える影響が大きく、ウエルドラインは樹脂会合部における充填材の板厚方向に対する配向傾向(配向度)によってその突出量が異なることに着目した。
特許文献1の流動解析方法では、潜り込み距離から樹脂成型品の表面に生じる表面凹凸部の発生位置と表面凹凸量を相関式に基づき予測している。しかし、潜り込み距離と表面凹凸量との相関式は、予め試作試験等により求められた相関式であり、樹脂の種類、樹脂溶融温度、充填材の含有率等の射出条件毎に数多くの相関式を準備する必要がある。しかも、樹脂に含有されるタルクの配向は、潜り込み距離から直接的に演算するものではなく、相関式の準備に多大な労力を費やすにも拘わらず、実際の樹脂成形品に即した高い精度の表面凹凸量を得ることができない虞がある。
特許文献2の品質予測方法では、樹脂会合部近傍とそれ以外の一般部分で板厚方向のタルク配向が相違することに着目し、成形時における樹脂会合部形状を推定して評価関数に基づき成型品表面を評価している。しかし、この評価関数は、特許文献1の流動解析方法と同様に、予め試作試験等により求められた評価関数であり、樹脂の種類、樹脂溶融温度、充填材の含有率等の射出条件毎に数多くの評価関数を準備する必要がある。しかも、ウエルド界面形状を推定するに留まり、樹脂に含有されるタルクの配向度に基づく表面凹凸量を演算するものではないため、高精度の表面凹凸量や表面凹凸量に基づく品質予測を得ることは難しい。
本発明の目的は、樹脂成型品の2次ウエルドラインの突出高さを予測でき、高い精度の品質評価を可能にできる樹脂成型品の流動解析方法、流動解析装置及び流動解析プログラム等を提供することである。
請求項1の樹脂成型品の流動解析方法は、メッシュモデルを用いて成形型のキャビティ内の溶融樹脂を流動解析して成形品表面から微小量突出する2次ウエルドラインの発生を予測する樹脂成型品の流動解析方法であって、成形工程初期に発生する1次ウエルドラインの発生位置を演算する第1のステップと、前記演算された1次ウエルドライン発生位置に基づいて、前記樹脂成型品の板厚方向の平均繊維配向度と、前記溶融樹脂の体積収縮率とを用いて2次ウエルドラインの突出高さを演算する第2のステップと、を備えたことを特徴としている。
この流動解析方法においては、演算された1次ウエルドライン発生位置に基づき2次ウエルドラインを予測するため、実際に発生する2次ウエルドラインに対して高精度の2次ウエルドラインの発生予測ができる。しかも、ガラスファイバ等強化繊維の水平方向の並び状態を示す指標である平均繊維配向をタルク等の扁平状の充填材の配向に代用できるため、充填材の配向を演算により容易に得ることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第1のステップと第2のステップとの間において、前記溶融樹脂の流動方向の平均繊維配向度と前記溶融樹脂の平均移動速度とに基づいて2次ウエルドラインの発生位置を演算する第3のステップを備えたことを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記第3のステップと第2のステップとの間において、前記2次ウエルドライン発生位置の少なくとも一部の周辺の解析メッシュ単位を小さい解析メッシュ単位に変更する第4のステップを備えたことを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1つの発明において、前記溶融樹脂は充填材を含有し、2次ウエルドラインの発生位置におけるキャビティの板厚方向の幅をT1mold、一般部位置におけるキャビティの板厚方向の幅をT2mold、2次ウエルドラインの発生位置における体積収縮率をV1、一般部位置における体積収縮率をV2、2次ウエルドラインの発生位置における充填材の板厚方向に対する平均繊維配向度をf1、一般部位置における充填材の板厚方向に対する平均繊維配向度をf2、2次ウエルドラインの突出高さをhとしたとき、hを、
h=(1−V1)・T1mold・f1−(1−V2)・T2mold・f2
の関係式に基づき演算することを特徴としている。
請求項5の樹脂成型品の流動解析装置は、メッシュモデルにより成形型内の溶融樹脂を流動解析して成形品表面から突出する2次ウエルドラインの発生を予測する樹脂成型品の流動解析装置であって、成形工程初期に発生する1次ウエルドラインの発生位置を演算する1次ウエルドライン作成部と、前記演算された1次ウエルドライン発生位置に基づき前記溶融樹脂の体積収縮率と、前記樹脂成型品の板厚方向の平均繊維配向度とを用いて2次ウエルドラインの高さを演算する2次ウエルドライン作成部と、を備えたことを特徴としている。
請求項6の流動解析プログラムは、メッシュモデルにより成形型内の溶融樹脂を流動解析して成形品表面から突出する2次ウエルドラインの発生を予測する樹脂成型品の流動解析装置のコンピュータを、成形工程初期に発生する1次ウエルドラインの発生位置を演算する1次ウエルドライン作成手段と、前記演算された1次ウエルドライン発生位置に基づき前記溶融樹脂の体積収縮率と、前記樹脂成型品の板厚方向の平均繊維配向度とを用いて2次ウエルドラインの高さを演算する2次ウエルドライン作成手段として機能させることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、扁平状の充填材の配向と相関の高い平均繊維配向により充填材の板厚方向の配向度を演算するため、2次ウエルドラインの発生位置における充填材の板厚方向の配向度を精度よく演算できる。充填材の板厚方向の配向度と溶融樹脂の体積収縮率とを用いて、2次ウエルドラインの発生位置と一般部位置との溶融樹脂の収縮量を演算でき、樹脂成型品の一般部に対する2次ウエルドラインの突出高さを精度よく予測できる。しかも、一般部から突出した2次ウエルドラインの突出高さを充填材の板厚方向の配向度に基づき直接的に予測するため、品質評価の精度を高くできる。
請求項2の発明によれば、溶融樹脂の流動方向の平均繊維配向度と溶融樹脂の平均移動速度とに基づいて樹脂会合面の発生位置を演算するため、1次ウエルドライン発生位置から内部流動層のウエルド境界面の移動を演算でき、実際に発生する2次ウエルドラインに対して解析結果としての2次ウエルドラインの発生位置を高い精度で予測できる。しかも、2次ウエルドラインの発生位置の演算精度が増加するため、突出高さ演算の精度を増すことができる。
請求項3の発明によれば、2次ウエルドライン発生位置の少なくとも一部の周辺の解析メッシュ単位を小さい解析メッシュ単位に変更するため、流動解析速度の低下を抑制しつつ、一般部から突出した2次ウエルドラインの突出高さを精度よく演算できる。
請求項4の発明によれば、樹脂成型品の2次ウエルドラインの突出高さを充填材の板厚方向の平均繊維配向度と溶融樹脂の体積収縮率とを用いて精度よく演算することができる。
請求項5の発明によれば、樹脂成型品の流動解析装置において請求項1と略同様の効果を奏する。
請求項6の発明によれば、樹脂成型品の流動解析装置のコンピュータに流動解析プログラムを実行させることにより、請求項1と略同様の効果を奏する。
本発明の実施例1の樹脂成形品に係るバンパの斜視図である。 本発明の実施例1に係る流動解析装置のブロック図である。 メッシュモデルを示す図である。 1次ウエルドライン作成工程の説明図である。 2次ウエルドライン作成工程前半の説明図である。 2次ウエルドライン作成工程後半の説明図である。 リメッシュ工程の説明図である。 平均繊維配向画面を示す図である。 体積収縮率画面を示す図である。 2次ウエルドライン突出高さとタルクとの関係を示す図である。 流動解析処理の処理手順を示すフローチャートである。 2次ウエルド外観評価点と2次ウエルドライン突出高さとの相関関係を示すグラフである。 2次ウエルド指数差と2次ウエルドライン突出高さとの相関関係を示すグラフである。 溶融樹脂に係る温度と比容積との相関関係を示す図である。 1次ウエルドラインと2次ウエルドラインとの説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
以下、本発明の実施例について図1〜図14に基づいて説明する。
本実施例では、図1に示すように、一方向に長く延びた平板状の部材、例えば自動車前部のバンパWを扁平状のタルク(滑石)を含有した合成樹脂材料を用いて射出成形法により製造する場合の流動解析方法について説明する。成形型MのキャビティC(図10参照)には、複数のゲートG1〜G7等が設けられ、溶融樹脂が各ゲートからキャビティCに射出される。尚、ゲート数は限定されるものではなく、樹脂成型品の形状や寸法等に応じて適宜設定することができる。
図2に示すように、流動解析装置1は、例えばコンピュータシステムによって構成され、入力装置2と、出力装置3と、コンピュータ本体4等を備えている。流動解析装置1は、CD−ROM、ICカード等の記録媒体に情報を記録若しくは再生する記録再生装置や、他のコンピュータシステム等とLAN等の通信装置を介してプログラムやデータを送受信することも可能である。
入力装置2は、キーボードやマウス等を備え、情報を入力可能に構成されている。出力装置3は、ディスプレイやCRT等の表示装置、プリンタ等の印刷装置等を備え、各種情報を出力可能に構成されている。コンピュータ本体4は、CPU5と、ROM6と、RAM7と、入力インターフェース8と、出力インターフェース9等を有し、これらは通信バスにより送受信可能に接続されている。
ROM6は、半導体メモリ及び大容量のハードディスク装置等によって構成され、CPU5を駆動制御するメイン制御プログラム、出力装置3に各種情報を表示させる表示制御プログラムを格納している。更に、ROM6は、流動解析用プログラム、1次ウエルドライン作成用プログラム、2次ウエルドライン作成用プログラムを格納している。
RAM7には、流動解析結果、流動解析に必要な各種パラメータ、射出圧力等の成形条件、流動解析実行中の変数や各種グラフ等を一時的に記憶している。
CPU5は、ROM6に格納された各種プログラムを実行し、入力装置2、出力装置3、入出力インターフェース8,9、記録再生装置及び通信装置等を制御している。CPU5には、流動解析部10と、1次ウエルドライン作成部11(1次ウエルドライン作成手段)と、2次ウエルドライン作成部12(2次ウエルドライン作成手段)等が設けられている。
流動解析部10は、図3に示すように、形状データを任意の大きさの微小要素(メッシュ)に分割して、溶融樹脂の流動解析を行うためのメッシュモデル20を設定し、解析条件に基づき時間経過毎の速度情報や充填時間情報等の解析結果を演算可能に構成されている。メッシュモデル20は、所定の大きさの第1解析メッシュ単位である三角形状のメッシュで構成される。
形状データは、CADシステム(図示略)により作成され、入力装置2から入力される。解析条件は、ゲートから射出する溶融樹脂の射出圧力、射出速度、成形型の締付け力、成形型やゲートの温度、ゲート位置等の成形条件等であり、これら解析条件は入力装置2から入力され、RAM7に記憶される。解析結果は、ゲートから射出された溶融樹脂が各メッシュの計算点を通過するときの流速情報や溶融樹脂が各メッシュに到達するまでの到達時間情報等である。速度情報は、各メッシュの重心位置における平均移動速度と溶融樹脂の流動方向を備えた速度ベクトルvで表される。平均移動速度は、形状データのメッシュを板厚方向に複数層の解析要素に分割し、各解析要素における移動速度の平均値である。流動解析部10で演算された解析結果は、RAM7に記憶され、出力装置3に画面表示される。
流動解析部10は、リメッシュ部13と、平均繊維配向情報作成部14と、体積収縮率情報作成部15とを備えている。リメッシュ部13は、メッシュモデル20の特定領域における解析メッシュ単位を第1解析メッシュ単位よりも小さな第2解析メッシュ単位の三角形状のメッシュにリメッシュし、特定領域(リメッシュ領域21)の流動解析を行う(図7参照)。これにより、多大な解析時間をかけることなく、特定領域(リメッシュ領域21)の詳細な流動解析を行うことができる。
平均繊維配向情報作成部14は、後述する平均繊維配向に基づきメッシュモデル20の指定部位におけるタルクの板厚方向の配向度(配向度X3)を表示するための画面表示用情報を作成可能に構成されている。体積収縮率情報作成部15は、溶融樹脂の比容積(cm/g)に基づきメッシュモデル20の指定部位における体積収縮率を表示するための画面表示用情報を作成可能に構成されている。図14に示すように、樹脂材料は、溶融樹脂に作用する圧力に応じて温度と比容積との相関関係が一義的に設定されるため、溶融樹脂の温度とその圧力を設定することで樹脂密度を演算することができる。それ故、樹脂の種類毎に樹脂温度と比容積との相関関係グラフをRAM7に格納している。平均繊維配向情報作成部14と体積収縮率情報作成部15とにより作成された画面表示用情報は、RAM7に記憶され、出力装置3によりタルクの板厚方向の配向度と体積収縮率が画面表示される。
1次ウエルドライン作成部11は、成形工程初期に発生する1次ウエルドラインの発生位置を演算可能に構成されている。図4に示すように、1次ウエルドライン作成部11は、流動解析部10により演算された速度情報に基づき、対向方向から流動してきた異なる2つ以上の溶融樹脂流動層の速度ベクトルvが最初に会合(衝突)した樹脂会合位置(1次ウエルド発生起点)、及び前記樹脂会合部に連続して各溶融樹脂流動層の速度ベクトルvが会合した後続位置を、最初に会合した時点からの経過時間に応じて演算し、後続の会合位置の座標を算出している。更に、1次ウエルドライン作成部11は、1次ウエルド発生起点LS1と演算された後続の会合位置を結び1次ウエルドラインL1を設定し、1次ウエルドライン発生位置の座標をRAM7に記憶させる。1次ウエルドライン作成部11により演算された1次ウエルドライン発生位置は、出力装置3により形状データ上に画面表示される。
2次ウエルドライン作成部12は、樹脂成型品の流動方向の平均繊維配向と溶融樹脂の平均移動速度とに基づいて2次ウエルドラインL2の発生位置を演算可能に構成されている。2次ウエルドライン作成部12は、平均繊維配向演算部16と、2次ウエルド指数差演算部17とを備えている。尚、平均繊維配向は、形状データのメッシュを板厚方向に複数層の解析要素に分割し、各解析要素における平均繊維配向率の平均値である。
異なる2つ以上の溶融樹脂流動層が会合した場合、樹脂会合部は初期に会合した1次ウエルドライン発生位置から内部流動層の圧力差に応じて流動層の圧力が均衡する位置(2次ウエルドライン発生位置)に移動する。各内部流動層の圧力が均衡した場合、溶融樹脂流動層の速度ベクトルvは合流して進路を大きく変更する。それ故、図5に示すように、2次ウエルドライン作成部12では、1次ウエルド発生起点LS1の速度ベクトルvの会合部を追跡し、夫々の溶融樹脂流動層の速度ベクトルvが合流して進行方向が安定した位置を2次ウエルド発生起点LS2として抽出し、2次ウエルド発生起点LS2の座標を演算している。
平均繊維配向演算部16は、溶融樹脂に含有されたタルクの板厚方向に対する配向度(板厚方向に対する配向傾向)を演算可能に構成されている。本実施例では、タルクの配向傾向とガラス繊維等の配向傾向とが近似できることに着目し、ガラス繊維等の流動方向の平均繊維配向度をタルクの流動方向の配向度、ガラス繊維等の板厚方向の平均繊維配向度をタルクの板厚方向の配向度に代用している。
次式(1)で表すことができる公知の三次元メッシュの繊維配向式、例えばFolgar-Tucker繊維配向式等により平均繊維配向を演算し、この平均繊維配向の演算結果に基づき、タルクの各配向度を予測している。
[f]は固有値と固有ベクトルで表される繊維配向式、X1は最大主配向方向の平均繊維配向度(0<X1<1)、X2は最大主配向方向に対して垂直方向の平均繊維配向度(0<X2<1)、X3は板厚方向の平均繊維配向度(0<X3<1)、x,y,zはタルク重心の絶対座標である。
2次ウエルドライン作成部12は、流動方向の配向度X1に基づき2次ウエルドライン発生位置を演算可能に構成されている。つまり、図6に示すように、メッシュモデル20上に演算された配向度X1を表示し、2次ウエルド発生起点LS2から配向度X1を追跡して2次ウエルドライン発生位置を抽出し、その座標をRAM7に記憶させる。2次ウエルドライン作成部12により演算された2次ウエルドライン発生位置は、出力装置3により形状データ上に画面表示される。
2次ウエルド指数差演算部17は、溶融樹脂の体積収縮率と配向度X3とを用いて一般部(2次ウエルドライン以外の領域)に対する2次ウエルドラインの突出高さ(2次ウエルド指数差)を演算可能に構成されている。成形工程初期に樹脂会合部において板厚方向に配向したタルクは、後続の内部流動層の移動に伴い1次ウエルドライン発生位置から2次ウエルドライン発生位置へ移動する。このとき、溶融樹脂の収縮後の樹脂成型品の板厚Tは、次式(2)により表すことができる。
尚、Tmoldは成形型MのキャビティCの板厚方向の幅、Vrは溶融樹脂の板厚方向の樹脂収縮率、aはタルク配向度に対する収縮係数、Fは板厚方向のタルク配向度である。
図10に示すように、2次ウエルドラインの発生位置における板厚をT1、一般部位置における板厚をT2、2次ウエルドラインの発生位置における板厚方向の樹脂収縮率をVr1、一般部位置における板厚方向の樹脂収縮率をVr2、2次ウエルドラインの発生位置における板厚方向のタルク配向度をF1、一般部位置における板厚方向のタルク配向度をF2、2次ウエルドラインの発生位置におけるキャビティの板厚方向の幅をT1mold、一般部位置におけるキャビティの板厚方向の幅をT2mold、2次ウエルド指数差をhとしたとき、次式(3)により表すことができる。
ここで、板厚方向の樹脂収縮率Vrは樹脂が三次元的に収縮することから算出が難しく、また、タルク配向度Fは現時点適した計算式が存在しないため、次式(4)に示すように、樹脂収縮率Vrに代えて体積収縮率V、タルク配向度Fに代えて平均繊維配向の板厚方向の平均繊維配向度fを夫々代用している。
式(4)の係数を省略した近似式による演算結果と試作試験等による実測値とを相関分析した結果、高い相関関係が判明したため、2次ウエルド指数差演算部17では、次式(5)を用いて2次ウエルド指数差を演算している。この式(5)や三次元メッシュの繊維配向式(1)等はRAM7に予め記憶されている。
図11のフローチャートに基づき、本流動解析方法の処理手順を説明する。尚、Si(i=1,2,…)は各処理ステップを示す。
条件取得工程では、CPU5が記憶装置5から溶融樹脂の射出圧力や射出速度等の解析条件、繊維配向式(1)、ウエルド指数差式(5)等本流動解析に必要な情報を取得する(S1)。
メッシュモデル設定行程では、バンパWの形状データに基づき作成されたメッシュモデル20を設定する(S2)。メッシュモデル20は、第1メッシュ単位の三角形状のメッシュで分割されている(図3参照)。CPU5では、S1で取得された解析条件を用いて、経過時間に応じた溶融樹脂流動の挙動を解析し、各流動層の流速情報や到達時間情報等の解析結果の履歴を取得する。
1次ウエルドライン作成工程では、S2で取得された解析結果の履歴に基づき、バンパWに発生が予測される1次ウエルドラインL1を作成する(S3)。各流動層の速度ベクトルvの挙動に基づき1次ウエルド発生起点LS1と1次ウエルドラインL1を設定し、1次ウエルドライン発生位置の座標を取得する(図4参照)。
平均繊維配向演算工程では、溶融樹脂に含有されたタルクについて平均繊維配向を式(1)を用いて演算し、配向度X1、配向度X2、配向度X3を算出する(S4)。
2次ウエルドライン作成工程では、1次ウエルド発生起点LS1における速度ベクトルvに基づき樹脂会合部の移動を追跡して2次ウエルド発生起点LS2を抽出する(S5)(図5参照)。メッシュモデル20上に配向度X1を表示し、2次ウエルド発生起点LS2から配向度X1を追跡して2次ウエルドラインL2を抽出し、2次ウエルドライン発生位置の座標を取得する(図6参照)。
次に、2次ウエルドライン発生位置の少なくとも一部の周辺領域についてリメッシュ領域21を作成済みか否か判定し、リメッシュ領域21を作成していない場合、リメッシュ工程(S6)を行う。S6では、図7に示すように、S5で取得された2次ウエルドライン発生位置の座標に基づき、メッシュモデル20において2次ウエルドラインL2の周辺領域を第2メッシュ単位の三角形状のメッシュで分割したリメッシュ領域21を設定し、リメッシュ領域21を用いて平均繊維配向について再度解析を行う。リメッシュ後の解析結果は速度ベクトルの表示が小さく確認が困難であるため、本実施例では、2次ウエルドライン発生位置の座標はリメッシュ工程前の解析結果を用いている。尚、2次ウエルドライン発生位置の座標について、再度解析を行うことも可能である。
2次ウエルド指数差演算工程では、一般部位置に対する2次ウエルドラインの突出高さに相当する2次ウエルド指数差を演算する(S7)。
まず、2次ウエルドラインL2と2次ウエルドラインL2から所定距離離隔した一般部の位置について、夫々の板厚方向の平均繊維配向度と体積収縮率とを設定する。
図8に示すように、タルクの配向度X3に基づく平均繊維配向画面を表示し、2次ウエルドラインL2上の点P1における配向度X3と点P1から流動方向に対して垂直方向に所定距離離隔した一般部位置の点P2,P3における配向度X3を取得する。同様に、図9に示すように、体積収縮率に基づく体積収縮率画面を表示し、2次ウエルドラインL2上の点P1における体積収縮率と点P1から流動方向に対して垂直方向に所定距離離隔した一般部位置の点P2,P3における体積収縮率を取得する。尚、平均繊維配向画面や体積収縮率画面を表示する際、2次ウエルドラインL2を同じ画面上に表示することも可能である。
次に、取得された各位置の配向度X3及び体積収縮率を式(5)に代入して一般部位置に対する2次ウエルドラインL2の突出高さに相当する2次ウエルド指数差を演算する。この演算結果に基づき、2次ウエルド指数差が所定値よりも大きな場合、樹脂成型品の外観への影響が大きいと判定している。
図12,図13に基づき、実際の2次ウエルドラインの突出高さと2次ウエルド指数差との相関関係を説明する。試作試験によりタルクを含有する樹脂成形品のサンプルを複数製作し、これらサンプルについて、2次ウエルドラインの突出高さの実測値、2次ウエルド外観評価点数及び2次ウエルド指数差を求めた。
図12に示すように、各サンプルについて、横軸を2次ウエルド外観評価点、縦軸を2次ウエルドラインの突出高さの実測値としたグラフを作成した。2次ウエルド外観評価点と2次ウエルドラインの突出高さとは一次関数の関係式で表すことができる。また、2次ウエルド外観評価点がα以上のとき、つまり、2次ウエルドラインの突出高さがβ以下のとき、樹脂成型品の外観は良好であった。
次に、図13に示すように、各サンプルについて、横軸を2次ウエルド指数差、縦軸を2次ウエルドラインの突出高さの実測値としたグラフを作成した。2次ウエルド指数差と2次ウエルドラインの突出高さとは一次関数の関係式で表すことができる。以上により、2次ウエルド指数差と2次ウエルド外観評価点とは相関することが分かる。それ故、2次ウエルドラインの突出高さがβ以下のとき、つまり、2次ウエルド指数差がγ以下のとき、樹脂成型品の外観は良好と判定することができる。
次に、本流動解析方法、流動解析装置1及び流動解析プログラムの作用、効果について説明する。
この本流動解析方法は、メッシュモデル20を用いて成形型のキャビティ内の溶融樹脂を流動解析して成形品表面から微小量突出する2次ウエルドラインL2の発生を予測する樹脂成型品の流動解析方法であって、成形工程初期に発生する1次ウエルドラインL1の発生位置を演算する1次ウエルドライン作成工程と、前記演算された1次ウエルドライン発生位置に基づいて、前記樹脂成型品Wの板厚方向の平均繊維配向度X3と、前記溶融樹脂の体積収縮率Vとを用いて2次ウエルドラインL2の突出高さhを演算する2次ウエルド指数差演算工程と、を備えている。
この本流動解析方法によれば、扁平状のタルク配向と相関の高い平均繊維配向によりタルクの板厚方向の配向度X3を演算するため、2次ウエルドラインL2の発生位置におけるタルクの板厚方向の配向度を精度よく演算できる。配向度X3と溶融樹脂の体積収縮率Vとを用いて、2次ウエルドラインL2の発生位置と一般部位置との溶融樹脂の収縮量を演算でき、樹脂成型品の一般部位置に対する2次ウエルドラインの突出高さhを精度よく予測できる。しかも、一般部から突出した2次ウエルドラインL2の突出高さをタルクの板厚方向の配向度に基づき直接的に予測するため、品質評価の精度を高くできる。
前記1次ウエルドライン作成工程と2次ウエルド指数差演算工程との間において、平均繊維配向から求めた流動方向の配向度X1と前記溶融樹脂の平均移動速度とに基づいて2次ウエルドラインの発生位置を演算する2次ウエルドライン作成工程を備えるため、1次ウエルドライン発生位置から内部流動層の樹脂会合部の移動を演算でき、実際に発生する2次ウエルドラインL2に対して2次ウエルドラインL2の発生位置を高い精度で予測できる。しかも、2次ウエルドラインL2の発生位置の演算精度が増加するため、突出高さhの演算精度を増すことができる。
2次ウエルドライン作成工程と2次ウエルド指数差演算工程との間において、前記2次ウエルドライン発生位置の少なくとも一部の周辺の解析メッシュ単位を小さい解析メッシュ単位に変更するリメッシュ領域設定工程を備えたため、流動解析速度の低下を抑制しつつ、一般部から突出した2次ウエルドラインL2の突出高さhを精度よく演算できる。
前記溶融樹脂はタルクを含有し、2次ウエルドラインL2の発生位置の点P1におけるキャビティの板厚方向の幅をT1mold、一般部位置の点P2(又はP3)におけるキャビティの板厚方向の幅をT2mold、2次ウエルドラインの発生位置の点P1における体積収縮率をV1、一般部位置の点P2(又はP3)における体積収縮率をV2、2次ウエルドラインの発生位置の点P1におけるタルクの板厚方向に対する平均繊維配向度をf1、一般部位置の点P2(又はP3)におけるタルクの板厚方向に対する平均繊維配向度をf2、2次ウエルドラインの突出高さをhとしたとき、hを、
h=(1−V1)・T1mold・f1−(1−V2)・T2mold・f2
の関係式に基づき演算するため、樹脂成型品Wの2次ウエルドラインL2の突出高さhをタルクの板厚方向の平均繊維配向度と溶融樹脂の体積収縮率とを用いて精度よく演算することができる。
この本流動解析装置1は、メッシュモデル20により成形型内の溶融樹脂を流動解析して成形品表面から突出する2次ウエルドラインL2の発生を予測する樹脂成型品の流動解析装置であって、成形工程初期に発生する1次ウエルドラインL1の発生位置を演算する1次ウエルドライン作成部11と、前記演算された1次ウエルドライン発生位置に基づき前記溶融樹脂の体積収縮率Vと、前記樹脂成型品の板厚方向の平均繊維配向度X3とを用いて2次ウエルドラインの高さhを演算する2次ウエルドライン作成部12と、を備えているため、前述と略同様の効果を奏することができる。
記憶装置5に記憶された制御プログラムは、メッシュモデル20により成形型内の溶融樹脂を流動解析して成形品表面から突出する2次ウエルドラインL2の発生を予測する樹脂成型品の流動解析装置1のコンピュータ本体4を、成形工程初期に発生する1次ウエルドラインL1の発生位置を演算する1次ウエルドライン作成部11と、前記演算された1次ウエルドライン発生位置に基づき前記溶融樹脂の体積収縮率Vと、前記樹脂成型品の板厚方向の平均繊維配向度X3とを用いて2次ウエルドラインL2の高さhを演算する2次ウエルドライン作成部12として機能させるため、前述と略同様の効果を奏することができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、樹脂に含有した充填材にタルクを用いた例を説明したが、少なくとも、溶融樹脂の流動に伴い配向する傾向を有する楕円状や扁平状の充填材を含有する樹脂であれば何れの樹脂成形品の流動解析にも適用可能である。また、樹脂成形品は自動車のバンパに限ることなく、板状の成形品であれば何れの樹脂成形品の流動解析にも適用可能である。
2〕前記実施例においては、2次ウエルド指数差演算工程の前にリメッシュ工程を行い再度解析する例を説明したが、初期のメッシュモデルのメッシュ単位が解析精度に適合している場合は、リメッシュ工程を省略することも可能である。このとき、最初に演算した板厚方向の平均繊維配向度等の演算結果を2次ウエルド指数差演算工程で使用する。
3〕前記実施例においては、一般部に対する2次ウエルドラインの突出高さである2次ウエルド指数差を予測する例を説明したが、単に2次ウエルドラインの突出高さである2次ウエルド指数を予測することも可能であり、2次ウエルド指数により品質評価を行うことも可能である。
4〕前記実施例においては、流動解析装置が1次ウエルド発生起点における速度ベクトルに基づき樹脂会合部の移動を追跡して2次ウエルド発生起点LS2を抽出する例を説明したが、画面上の速度ベクトルに基づき人手により2次ウエルド発生起点LS2を抽出することも可能である。
5〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
本発明は、樹脂成型品の流動解析において、樹脂成型品の板厚方向の平均繊維配向度と樹脂の体積収縮率とを用いて2次ウエルドラインの突出高さを演算することにより、扁平状の充填材を含有した樹脂でも、高い精度の品質評価を可能にできる。
1 流動解析装置
4 コンピュータ
10 流動解析部
11 1次ウエルドライン作成部
12 2次ウエルドライン作成部
13 リメッシュ部
16 平均繊維配向演算部
17 2次ウエルド指数演算部
20 メッシュモデル
L1 1次ウエルドライン
L2 2次ウエルドライン
X1 (最大主配向方向)平均繊維配向度
X3 (板厚方向)平均繊維配向度

Claims (6)

  1. メッシュモデルを用いて成形型のキャビティ内の溶融樹脂を流動解析して成形品表面から微小量突出する2次ウエルドラインの発生を予測する樹脂成型品の流動解析方法であって、
    成形工程初期に発生する1次ウエルドラインの発生位置を演算する第1のステップと、
    前記演算された1次ウエルドライン発生位置に基づいて、前記樹脂成型品の板厚方向の平均繊維配向と、前記溶融樹脂の体積収縮率とを用いて2次ウエルドラインの突出高さを演算する第2のステップと、
    を備えたことを特徴とする樹脂成型品の流動解析方法。
  2. 前記第1のステップと第2のステップとの間において、前記溶融樹脂の流動方向の平均繊維配向度と前記溶融樹脂の平均移動速度とに基づいて2次ウエルドラインの発生位置を演算する第3のステップを備えたことを特徴とする請求項1に記載の樹脂成型品の流動解析方法。
  3. 前記第3のステップと第2のステップとの間において、前記2次ウエルドライン発生位置の少なくとも一部の周辺の解析メッシュ単位を小さい解析メッシュ単位に変更する第4のステップを備えたことを特徴とする請求項2に記載の樹脂成型品の流動解析方法。
  4. 前記溶融樹脂は充填材を含有し、2次ウエルドラインの発生位置におけるキャビティの板厚方向の幅をT1mold、一般部位置におけるキャビティの板厚方向の幅をT2mold、2次ウエルドラインの発生位置における体積収縮率をV1、一般部位置における体積収縮率をV2、2次ウエルドラインの発生位置における充填材の板厚方向に対する平均繊維配向度をf1、一般部位置における充填材の板厚方向に対する平均繊維配向度をf2、2次ウエルドラインの突出高さをhとしたとき、hを、
    h=(1−V1)・T1mold・f1−(1−V2)・T2mold・f2
    の関係式に基づき演算することを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の樹脂成型品の流動解析方法。
  5. メッシュモデルにより成形型内の溶融樹脂を流動解析して成形品表面から突出する2次ウエルドラインの発生を予測する樹脂成型品の流動解析装置であって、
    成形工程初期に発生する1次ウエルドラインの発生位置を演算する1次ウエルドライン作成部と、
    前記演算された1次ウエルドライン発生位置に基づき前記溶融樹脂の体積収縮率と、前記樹脂成型品の板厚方向の平均繊維配向とを用いて2次ウエルドラインの高さを演算する2次ウエルドライン作成部と、
    を備えたことを特徴とする樹脂成型品の流動解析装置。
  6. メッシュモデルにより成形型内の溶融樹脂を流動解析して成形品表面から突出する2次ウエルドラインの発生を予測する樹脂成型品の流動解析装置のコンピュータを、
    成形工程初期に発生する1次ウエルドラインの発生位置を演算する1次ウエルドライン作成手段と、
    前記演算された1次ウエルドライン発生位置に基づき前記溶融樹脂の体積収縮率と、前記樹脂成型品の板厚方向の平均繊維配向とを用いて2次ウエルドラインの高さを演算する2次ウエルドライン作成手段と、
    して機能させるための流動解析プログラム。
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