JP3641882B2 - 流体流動過程の解析方法および射出成形品の製造方法 - Google Patents

流体流動過程の解析方法および射出成形品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は流体流動過程における流体の圧力もしくは圧力変化もしくは流動速度の分布を求め、これにより流体流動過程を解析する解析方法、かかる方法を射出成形過程に適用する解析装置、解析方法およびかかる射出成形過程の解析方法を用いて射出成形条件を決定して射出成形品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に射出成形過程をはじめとする流体流動過程をコンピュータ・シミュレーションにより再現する射出成形過程等の解析方法が広く実用化されている。以下流体流動過程の解析方法の具体例として、射出成形過程の解析方法を中心に説明する。
【0003】
これらの射出成形過程の解析方法は、射出成形品等の製品開発において高品質化、効率化、低コスト化に貢献している。その活用方法などについては、たとえば特開平3−224712号公報、特開平4−152120号公報、特開平4−305424号公報、特開平4−331125号公報などに開示されている。こうした射出成形過程の解析方法は、いずれも2次元的なモデルを用いて各部の圧力や温度、あるいはせん断応力などの変化を求めるものである。
【0004】
これら従来の射出成形過程等の解析方法においては、流体の流れ込むキャビティのモデル(射出成形品と同一形状を有する成形型のモデル)として2次元的なモデルを用いているため、キャビティ内部の各部を多数の三角形または四角形などの2次元的微小要素に分割し、コンピュータによる数値解析の手法を用いて、各微小要素における圧力や温度、あるいはせん断応力などの変化を求めている。
【0005】
従来の射出成形過程の解析方法では、キャビティの全体寸法に対してその厚さが薄い場合など、キャビティの形状が2次元図形の組み合わせなどによって近似できる場合には、精度の高い解析結果を得ることができる。
【0006】
しかし、肉厚が5mmを越える製品や全体寸法が小さいコネクタなどの小物成形品では、肉厚方向への流動など3次元的な流動の影響が強く現れるために従来の解析方法では精度良く解析することができなかった。また、薄肉の成形品であっても段差部分やコーナー部分などの局所的な流動状態を精密に解析するためには、平面的な要素を用いる従来方法ではほとんど有用な情報は得ることができなかった。
【0007】
そこで有限要素法などに代表される一般的な数値解析手法で用いられるように、3次元的な形状を有する微小要素を用いてキャビティ内部をモデル化する(3次元的モデル)ことにより高い精度を得ようとする試みもなされている。
【0008】
しかし、一般に3次元的なモデルを用いて精度よい解を得るためには、多数の微小要素を用いてキャビティ内部を細かく分割する必要がある。これは、一般に形状を微小要素分割して解析する数値解析手法によれば、各微小要素内部の圧力などの物理量の分布を線型近似など単純な関数近似で表現するためであり、物理量の変化が急峻な領域を単純な関数で近似するためには細かい微小要素分割が必要となることに起因する。特に金型表面に接する部分と厚さ中心部分とでは速度の差が大きいため、精度良く解析するためには厚さ方向について、できれば4層以上への微小要素分割を実施することが好ましい。
【0009】
こうした傾向は成形品が薄肉になるほど顕著になるが、リブや段差、曲面などの複雑な形状を有する薄肉成形品の肉厚方向を多層に分割する解析モデル作成は困難であり、多大な時間を要する。また、こうして作成したモデルは非常に多くの微小要素を含むものとなり、解析に膨大な時間を要することになり実用的でない。すなわち薄肉部と厚肉部の両方を有する複雑な形状の射出成形品では、全体を3次元的微小要素に分割して解析することは困難であった。
【0010】
そこで同一成形品内に薄肉部と厚肉部が混在する場合、薄肉部を2次元的モデルで分割し、厚肉部を3次元的モデルで分割する手法も考えられる。しかしながら、こうした混合型のモデルは2次元的な微小要素と3次元的な微小要素との接続部分で実際の形状とは大きく異なる接続状態となる。
【0011】
すなわち、薄肉部と厚肉部との接続部分は、本来薄肉部微小要素の肉厚断面全体が厚肉部と接続しているべきであるが、混合型モデルでは2次元的要素のエッジ、すなわち三角形または四角形の辺でのみ厚肉部分と接続していることとなる。このため、混合型では接続部分近傍で解析精度が低下する恐れがある。
【0012】
たとえば、図11に示すように薄肉部と厚肉部とが混在する成形品の場合、図16に示すように従来型の2次元的微小要素と3次元的微小要素との組合わせで表現した場合には、両者の接続部近傍での解析精度が低下することとなる。
【0013】
この様子を図17、図18および図19を用いて説明する。図18は薄肉部分201を含めて全体を3次元的な微小要素に分割してモデルを構築した場合に得られる材料流体の流動の様子を、図19は薄肉部分204を2次元的な微小要素に分割した場合を示す。実際の流体の流動の様子は、肉厚が0でないため、図18に示すように薄肉部分204から厚肉部分202に流れる流体203は、肉厚中心部分では薄肉部分201の面に沿う方向に流れる。したがって、図18のモデル化は正しい結果を与える蓋然性が高い。一方、図19のモデル化では、図17に示すように、薄肉部分の微小要素25と厚肉部分の微小要素24とは2次元的微小要素25のエッジ26のみで接しているので、流体は図19に示す206のように放射状に流れるという解析結果を生み出しやすい。これは事実と異なり、たとえば、厚肉の角部で流体の流動が成形型壁面に垂直に近い角度でぶつかることから射出成形品の表面外観が損なわれるとの結果を得ることとなり、本来正常に成形できる条件を成形に適さない条件と誤って判断する原因となりうる。
【0014】
また、混合型モデルで一定の解析精度を得るためには、どの部分を2次元的要素でモデル化するべきかなど、モデル作成に特殊な知識や技術を要することになる。
【0015】
さらに成形品全体が薄肉形状である場合でも、形状入力の手間を軽減するために製品設計で用いられたCAD(Computer Aided Design )データを解析に活用することが困難であった。すなわち、従来の2次元的解析手法では、3次元的なCADデータを直接モデル化の基礎データとすることができず、肉厚中立面(薄肉部分の各部の肉厚方向の中間点の集合からなる仮想的な面)を再定義して形状作成をやり直す必要があった。混合型モデルの場合にも2次元的要素部分に関しては従来の方法と同様に、肉厚中立面を再定義する必要があるため、解析モデル作成に多大な手間がかかり、解析期間が長期化したり、形状定義に熟練したオペレータを必要とする点も問題であった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、上記問題点に鑑みなされたもので、特に狭幅領域を含むキャビティを流動する流体流動過程の解析において、3次元的なモデルを用いて流体の流路の形状を忠実に再現し、なおかつ実用的な計算時間内に精密な解析を実現する流体流動過程の解析装置および解析方法を提供することにある。
【0017】
また、本発明の第2の目的は、特に薄肉部を含む射出成形品の射出成形過程の解析において、3次元的なモデルを用いて成形品の形状を忠実に再現し、なおかつ実用的な計算時間内に精密な解析を実現する射出成形過程の解析装置および解析方法を提供することにある。
【0018】
また、本発明の第3の目的は、かかる射出成形過程の解析装置を用いて、製品形状、成形型設計、材料選定などの射出成形条件を決定することにより高品質な射出成形品を効率良く製造する方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の流体の流動過程の解析方法は、流体の流動するキャビティの少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、該各微小要素における流体の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記キャビティの厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記流体の圧力を求め、得られた該圧力により前記流体の流動過程を解析することを特徴としている。
【0020】
本発明の流体の流動過程の解析方法の別の態様は、流体の流動するキャビティの少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、前記各微小要素における流体の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記キャビティの厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記流体の圧力変化を求め、得られた該圧力変化により前記流体の流動過程を解析することを特徴としている。
【0021】
本発明の流体の流動過程の解析方法の別の態様は、流体の流動するキャビティの少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、流体の前記各微小要素における流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記キャビティの厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記流体の流動速度を求め、得られた該流動速度により前記流体の流動過程を解析することを特徴としている。
【0022】
また、本発明の射出成形過程の解析装置は、射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築する3次元モデル構築手段と、該各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定する流動コンダクタンス決定手段と、該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の圧力を求める圧力算出手段とを備えてなることを特徴としている。
【0023】
また、本発明の射出成形過程の解析装置の別の態様は、射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築する3次元モデル構築手段と、該各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定する流動コンダクタンス決定手段と、該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の圧力変化を求める圧力変化算出手段とを備えてなることを特徴としている。
【0024】
また、本発明の射出成形過程の解析装置の別の態様は、射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築する3次元モデル構築手段と、該各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定する流動コンダクタンス決定手段と、該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の流動速度を求める流動速度算出手段とを備えてなることを特徴としている。
【0025】
本発明の射出成形過程の解析装置の好ましい態様は、前記3次元モデル構築手段は、射出成形品のCADデータまたはCAD表面データに基づき3次元モデルを構築するものであることを特徴としている。
【0026】
本発明の射出成形過程の解析方法は、射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、該各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の圧力を求め、得られた該圧力により前記射出成形品の射出成形過程を解析することを特徴としている。
【0027】
本発明の射出成形過程の解析方法の別の態様は、射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、前記各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の圧力変化を求め、得られた該圧力変化により前記射出成形品の射出成形過程を解析することを特徴としている。
【0028】
本発明の射出成形過程の解析方法の別の態様は、射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、射出成形材料の前記各微小要素における流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の流動速度を求め、得られた該流動速度により前記射出成形品の射出成形過程を解析することを特徴としている。
【0029】
また、本発明の射出成形品の製造方法は、射出成形品の射出成形条件を定め、該射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、前記各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを前記各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の圧力を求め、得られた該圧力の分布に基づいて射出成形条件を最終決定し、該最終決定された該射出成形条件に基づいて射出成形品を製造することを特徴としている。
【0030】
また、本発明の射出成形品の製造方法の別の態様は、射出成形品の射出成形条件を定め、該射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、前記各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを前記各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の圧力変化を求め、得られた該圧力変化の分布に基づいて射出成形条件を最終決定し、該最終決定された該射出成形条件に基づいて射出成形品を製造することを特徴としている。
【0031】
また、本発明の射出成形品の製造方法の別の態様は、射出成形品の射出成形条件を定め、該射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、前記各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを前記各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の流動速度分布を求め、得られた該流動速度の分布に基づいて射出成形条件を最終決定し、該最終決定された該射出成形条件に基づいて射出成形品を製造することを特徴としている。
【0032】
本発明の射出成形品の製造方法の好ましい態様は、前記射出成形条件は、前記射出成形品の形状、成形型形状、材料射出速度、材料温度、成形型温度および射出成形材料のうちのいずれかを含むものであることを特徴としている。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による流体流動過程の解析装置および解析方法の一例である、射出成形過程の解析装置、解析方法の好ましい態様の例を図面を参照しながら詳細に説明する。また、射出成形品の製造方法の好ましい態様の例を合わせて説明する。
【0034】
図1は、本発明の射出成形過程の解析装置のハードウェア構成例を示す図である。コンピュータ101に入力装置103、表示装置104および補助記憶装置102が接続されている。入力装置103により、たとえば解析する射出成形品の射出成形条件と3次元的なモデルのデータの入力が受け付けられ、こうしたデータは補助記憶装置102に格納される。オペレータの指示によりコンピュータ101がこのデータを内部のRAM(ランダムアクセス可能な揮発性メモリ)に読み込み、解析を行なう。得られた解析結果はたとえば表示装置104により表示される。必要に応じて、オペレータが射出成形条件を変更し再び解析を行なうことができる。また、解析結果の出力は別途用意したプリンタ装置に対して行なってもよく、補助記憶装置102に格納してもよい。この場合はたとえば別の解析装置の入力データとしてこの出力を利用することもできる。
【0035】
図2は本発明の射出成形過程の解析装置、解析方法およびかかる解析装置を利用した射出成形品の製造方法における手順の例を示したフローチャートである。
【0036】
射出成形過程の解析では、はじめに、射出成形品の射出成形条件(たとえば射出成形品の形状、成形型形状、材料射出速度、材料温度、成形型温度あるいは射出成形材料など)を入力する(ステップ1)。次に、形状をたとえば図6に示したように立体的な微小要素に分割して製品の3次元モデルを構築する(ステップ2)。
【0037】
次に3次元的な微小要素に分割された薄肉部分の製品肉厚を設定する(ステップ3)。 次に各微小要素における流動コンダクタンスκを決定する(ステップ4)。続いて、ステップ4で決定した各微小要素の流動コンダクタンスκを利用して、各微小要素における射出成形材料の圧力(以下「材料圧力」という。)を得る(ステップ5)。ここで各微小要素の圧力の変化を求めてもよい。あるいは求めた材料圧力分布から、あるいは直接に各微小要素における射出成形材料の流動速度を求めてもよい。こうして得られた解析結果をたとえばグラフィック処理して、等高線あるいはグラフなどの形式で表示する(ステップ6)。上述のようにプリンタ装置などに出力してもよい。
【0038】
さらに、こうした射出成形過程の解析結果を用いて射出成形品を製造する場合は、上記のように得られた圧力、圧力変化あるいは流動速度を評価する(ステップ7)。この評価はたとえば、異常な圧力、圧力変化あるいは流動速度を得た領域があれば、成形不良が発生する可能性が高いと判定することにより行なう。もし、得られた解析結果より成形不良が予測される場合は、射出成形条件を変更し(ステップ8)、再びステップ1に戻って解析を行なう。こうしたステップをくり返し、射出成形が良好に行なわれると予測される結果を得たならば、その射出成形条件により射出成形を行ない、射出成形品を製造する(ステップ9)。
【0039】
3次元的なモデルを構築する方法としては、形状データをオペレータが手入力してもよいが、射出成形品を設計するに際して用いたCADデータを用いるのが好ましい。この場合、CADの立体情報データを用いてもよく、表面データを用いてもよい。立体情報データはCADで設計する際の手順や、各種ポイント、カーブ、サーフェース(表面)、ボリューム等の詳細な情報よりなるデータであり、CAD装置ごとに定められたフォーマットを有するデータである。一方、表面データは、上記立体情報のうち、特に外表面の形状データのみを取り出したもので、多くのCAD装置は、これをサーフェースデータとして出力する機能を備えている。表面データの例としては、たとえば、光硬化性樹脂等を用いてCADなどの電子的な形状情報からその形状を有する模型を作製するための光造形手法で用いられるSTLフォーマットデータがある。このSTLフォーマットデータは、曲面などの立体表面形状を三角形の集合で近似し、各三角形の頂点座標を出力したデータである。通常のCADデータでは、特に立体情報についてはソフトウェア間のデータ互換性が低く、同一のソフトウェアであってもバージョンごとに異なる場合があるなど取り扱いが複雑なことが多い。この点、表面データは、一般に、比較的単純であり取り扱いが容易である。このCADデータや表面データ等を用いてキャビティの3次元形状を決定し、微小要素への分解は、有限要素法の計算をする装置のプリプロセッサ等により自動的に行うのが好ましい。
【0040】
つぎに、各微小要素における材料圧力、圧力変化および流動速度を求める方法を詳しく説明する。
【0041】
射出成形における材料圧力を求める方法は、一般に知られる連続の式(1) を用いる。式(1) は流体中の任意領域への流入流量と流出流量の総和が零であることを表す式であり、流体を非圧縮性と仮定することで成立する。流体が圧縮性を持つ場合には右辺が非零となるが、以下の議論は同様に成立する。
【0042】
【数
Figure 0003641882
【0043】
ここで、x 、y 、z は3次元の空間座標であり、U 、V 、W はそれぞれの座標軸方向射出成形材料の流動速度である。この式1はU 、V 、W を未知変数とする方程式であり、一般にはこの式および圧力P と流動速度から導かれるせん断応力とを未知変数とする運動方程式を解く必要があるとされ、3次元の流動を扱う場合は未知変数が4個となる。
【0044】
この式(1) を解くにあたって次に示す式(2) を使用することにより各方向の流動速度U 、V 、W を式(1) から消去し、未知変数の数を4個から圧力のみの1個に減らすことにより計算時間を大幅に減少することができる。この場合、3次元モデルを用いた場合の計算時間は1/16程度となると同時にコンピュータの所要RAM容量を1/4程度とすることができる。これによって初めて実用的な速度と精度を有する3次元の射出成形過程の解析を可能となった。
【0045】
【数
Figure 0003641882
【0046】
上記の式(2) においてκは流動コンダクタンスである。この式(2) はダルシー流れの式と呼ばれ、多孔質中の浸透流を表わす式である。すなわち3次元の座標軸x 、y 、z 方向の流動速度U 、V 、W はそれぞれの方向の圧力勾配などに比例するものと仮定したものである。
【0047】
式(2) を式(1) に代入することで次の式(3) が得られる。
【0048】
【数
Figure 0003641882
【0049】
式(3) は一般の熱伝導を表す方程式と同形である。熱伝導問題では任意の微小要素分割された領域について、領域境界の温度T あるいは温度勾配を境界条件として予め設定すれば、領域内部の温度分布を有限要素法、差分法、コントロールボリューム法などの数値解析手法により求めることができる。したがって任意の微小要素分割された領域について、領域境界の圧力P あるいは圧力勾配を境界条件として設定すれば、熱伝導問題のための解析手法や解析プログラムを用いることによって式(3) も同様に解くことが可能であり、材料の圧力分布を求めることができる。
【0050】
境界条件の設定方法については、たとえば、材料流入部分では射出圧力値あるいは射出流量より求められる圧力勾配値を設定し、成形型表面に接する領域境界では流入流出がないことから圧力勾配零を設定し、さらに自由表面である流動先端部分の圧力はたとえば大気圧と設定する。
【0051】
さらに射出成形では材料の充填部分が時間と共に増加することから、圧力分布も時間と共に変化する。このような圧力分布の時間的変化(圧力変化の分布)は、新たに充填された材料の総量に従って充填領域形状の変化を求め再び式(3) を解くことで得ることができる。充填領域形状の変化を求める方法としては従来の射出成形過程の解析方法で用いられているコントロールボリューム法やFAN 法(Flow Analysis Network Method)などが用いられる。
【0052】
また、流動速度は、たとえば、上述のように圧力分布P を求めこれを式(1) に代入することにより簡単に求めることができる。
【0053】
次に図2のステップ4の流動コンダクタンスκの決定方法について詳しく説明する。
【0054】
まず、薄肉部分の流動コンダクタンスκを求める方法について述べる。
【0055】
3次元的なモデル化を行う場合でも、厚肉部分に比べて厚さが非常の薄い薄肉部分では、当該部分を構成する微小要素が図12に示したように1層の層構造(微小要素が3角錐形状のものの場合、3角錐の1個の面とその面に含まれない頂点とが同時にキャビティに接している構造を指す。微小要素が6面体形状の場合は1個の微小要素の対向する面がそれぞれキャビティに接している構造を指す。
【0056】
2層の層構造とは、1個の微小要素とその頂点または面に接する別の微小要素の両方がいずれかの面または頂点でキャビティに接している構造を指す。以下同様。)をなすように分割する場合が多い。これは、当該部分を微小要素の多層(たとえば、4層以上)構造あるいは一般の厚肉部と同様の純3次元構造に分解するようにしようとすると、厚肉部分においては、この部位としては不必要なほど小さい微小要素に分解することとなり、結果的に非常に多数の微小要素からなるモデルとなり、実用的な計算時間では解析ができなくなるためである。
【0057】
特に、成形品を多数の3次元的な微小要素に自動的に分割し3次元的なモデルを作成するプリプロセッサを用いると、多くの場合、薄肉部分では1〜2層に分割されることが多い。このような場合、図2のステップ3にて、当該薄肉部分の肉厚を求め、ステップ4で次の式(4) によりこの領域の流動コンダクタンスκを求める。
【0058】
【数
Figure 0003641882
【0059】
ここでH は上記薄肉部分の肉厚、ηは材料粘度である。
【0060】
ステップ3での肉厚設定方法としては、たとえば、以下の方法が考えられる。
(1)薄肉部分の3次元CADデータの肉厚データを用いる方法。この方法では、3次元CADにてリブなどの肉厚設定された部分について特に有効で、正確な肉厚の設定ができる。
(2)薄肉部分の3次元的微小要素について、肉厚データを別途入力する方法。
この方法では入力の手間が生じるが、薄肉要素の選択を確実に行うことができる。
(3)薄肉部分の3次元的微小要素について、たとえば、1層構造の薄肉部分の場合、3次元的微小要素が3角錐形状のとき、表面に露出した(金型あるいはキャビティに接した)三角形面積Sと三角錐体積Vを算出し、肉厚H=3V/Sとして算出する方法。3次元的要素の2面以上が表面に露出しているときは各面についてH を求め、それらの最小値を採用する。この方法では、自動的に肉厚を求めることができる。3次元的微小要素が6面体形状の場合は表面に露出した面の面積Sと6面体体積Vを算出し、H=V/S で算出する。複数の面が表面に露出している場合は、各露出面について同様の計算を行なってその平均値を用いる。2層以上の層構造の場合は、各層毎に層の厚みを算出し、加算することで求める。
(4)薄肉部分の3次元的微小要素について、表面に露出した面の法線を想定し、この法線が当該薄肉部分のモデルを通過する距離(法線が上記露出した面と交わる点および上記表面に対向する薄肉部分のモデルの面との交点の間の距離)を肉厚とする方法。この場合、微小要素の表面に露出する面に基づいて求めるため、微小要素がつぶれた形状のものであっても、影響を受けない点で(3)の方法よりすぐれている。
(5)キャビティ形状を定義するのに用いたCADから出力される前述の表面データを用いて、(4)と同様に薄肉部分の表面の法線がモデル内部を通過する距離を肉厚とする方法。上述の通り、多くのCAD装置は、3次元的なキャビティの表面の3次元的形状を特にサーフェースデータとして出力する機能を備えており、上述の通り、表面データでは比較的単純であり、取り扱いが容易なことが多い。
【0061】
次に厚肉部分の流動コンダクタンスκを求める方法の例について述べる。
【0062】
本発明者の知見によると、射出成形材料の流動性は成形型表面から遠ざかるほど高く、近づくほど低くなる。したがって、一般に流動コンダクタンスを微小要素が成形型表面(すなわち、キャビティ壁面)に近い位置にある場合は小さい値となるように、遠い位置にある場合は大きい値となるように決定するのが好ましい。そこで、流動コンダクタンスκが、このような傾向を示す関数にしたがって変化するものと仮定することにより解析結果に良好な近似を得ることができる。
すなわち、このような場合の流動コンダクタンスκとして、次に示す式(5) を用いるのが好ましい。
【0063】
【数
Figure 0003641882
【0064】
ここでR は各微小要素重心から成形型表面への最短距離あるいは各微小要素頂点から成形型表面への最短距離であり、ηは材料粘度である。
【0065】
式(5) の関数F は成形型表面から遠いほど、すなわちR が大きいほど成形型と材料間の摩擦力の効果が低下するために流動コンダクタンスκが増加し、また材料粘度ηが大きいほど流動性が低いために流動コンダクタンスκが減少する関数であり、たとえば、κ=aR/η+bのようにR の増加に対しκは増加し、ηの増加に対してκは減少するような関数として定義する。この場合、a は正の比例係数であり、b はR=0 即ち成形型表面での流動コンダクタンスを示す係数である。これら定数a およびb は、たとえば、代表的な射出成形品の例などで実験することなどにより決定する。ここに例示したR/ηに関する一次式は関数F を明示する最も単純な態様として計算時間が短時間に終了する特徴を有する。また、射出成形品のタイプにより、解析結果と実際の成形の結果がよく一致する別な形の計算式を用いてもよい。
【0066】
また材料粘度ηは温度とせん断速度などに従って変化し、式(6) に示すような近似式で表すことができる。ここでA 、B 、C は材料に特有の係数であり粘度測定装置により実験的に求めることができる。式(6) による材料粘度の近似値を式(5) に代入することにより、せん断速度と温度の変化にともなう材料粘度の変化の影響も流動コンダクタンス計算に簡単に取り入れることができる。
【0067】
【数
Figure 0003641882
【0068】
また、流動コンダクタンスκは次のようにして求めてもよい。
【0069】
すなわち、本発明者は式(7) に示す微分方程式を解くことにより流動コンダクタンスκを求める方法を見いだした。ここでx 、y 、z は3次元空間座標軸、ηは材料粘度である。
【0070】
【数
Figure 0003641882
【0071】
本発明者は、この式(7) は粘性力が支配的となる流れの場における力の釣合を表す方程式である式(8) に式(2) の第1式を代入して流動速度U を消去し、さらに圧力P のx 、y 、z に関する2階微分項を省略することによって得られることを見出した。この2階微分項を省略することによって以下に述べる簡便な方法によりκを求めることが可能となった。
【0072】
【数
Figure 0003641882
【0073】
式(7) は一般の熱伝導を表す方程式と同形である。熱伝導問題では任意形状の領域について、領域境界の温度T あるいは温度勾配を境界条件として予め設定すれば、領域内部の温度分布を有限要素法、境界要素法、差分法、コントロールボリューム法などの数値解析手法により求め得ることが知られている。従って領域境界である成形型表面でのκを零とする境界条件を設定し、式(7) を解くことにより成形型表面に近いほど小さく、遠いほど大きいκの分布を熱伝導問題のための解析方法や解析プログラムを用いて得ることができる。なおκ=0の境界条件は式(1) から明らかなように、成形型表面での速度が0 であると仮定することに相当する。ここで成形型表面での材料の滑りを考慮する場合にはκ=0.01mm 2 /(Pa・sec)などの零でない小さい値を代入することで実現できる。
【0074】
また式(6) による材料粘度の近似値を式(7) に代入することにより、せん断速度と温度の変化にともなう材料粘度の変化の影響も流動コンダクタンス計算に簡単に取り入れることができる。
【0075】
この方法によれば上述の式(5) を用いて流動コンダクタンスκを決定する方法に比べ、熱伝導方程式を解く必要が生じるために計算時間はかかるが、任意の形状に対して精度良く流動コンダクタンスを求めることが可能となる。また、上述のように式(7) は粘性力が支配的となる流れの場における力の釣合を表す方程式である式(8)を基礎として導かれたものなので、式(5) を用いる方法よりも得られる値の物理的な妥当性が高い。したがって、射出成形品の形状や、微小要素への分割のモデルなどに影響されず、常に精度良い解析結果を与えることができる。
【0076】
たとえば図3および図4に示すような断面形状を有する微小要素を用いた場合、式(5) を用いる流動コンダクタンスの決定方法によれば、図3に示すように規則的に分割された微小要素形状では正確かつ高速に流動コンダクタンスが決定できるが、図4のように不規則な微小要素形状では隣合う要素重心位置が成形型表面に対して一定とならないため、得られる流動コンダクタンスも不正確となる場合がある。もっとも、式(5) のR として、壁面に最も近い頂点と壁面との距離およびもっとも遠い頂点との距離の平均値を用いることなどの平均化によりこの事情は緩和される。
【0077】
なお、上記の厚肉部分における流動コンダクタンスの決定方法は、3次元的モデルにおける微小要素が4 層以上の層構造または純3次元的構造となる場合に特に有効な決定方法である。一方、構築した3次元的モデルの当該部分に含まれる微小要素がたとえば3 層以下の層構造を形成するような部位では、既述の薄肉部分における流動コンダクタンスの決定方法を用いるのがよい。特に図12に示したような1層構造の場合では薄肉部分における方法を用いる。
【0078】
一般に、数値解析に使用するための微小要素分割はプリプロセッサーと呼ばれるソフトウェアにより自動的に実施することができ、特に突起部や穴部の多い複雑形状の製品に対しても容易に分割することができる。こうした自動的な分割を行った場合には一般的に微小要素形状は不規則となるが、式(7) を用いた方法によれば微小要素形状の影響を小さく抑えることができ、複雑な形状の射出成形品に適用しても精度の高い解析が可能となる。 上記のほかにも流動コンダクタンスを決定する方法には種々のものがあり、特に特定の形状の場合に高い計算精度と計算速度を実現する方法が考えられる。
【0079】
次に、上述のような方法によって射出成形過程を解析し、その結果に基づいて射出成形条件を決定して射出成形品を製造する方法について述べる。
【0080】
上述のようにして与えられた射出成形条件のもとで射出成形品を製造した場合の材料圧力、圧力変化あるいは射出成形材料の流動速度の分布を得ることができる。このとき、こうした結果は以下のようにして射出成形条件の変更・決定に活用することができる。
【0081】
一般に射出成形では低応力で歪の少ない成形品を得るために、材料圧力はできるだけ低いことが望ましく、圧力勾配も極端に急激な部分や極端に勾配の小さい部分がなくできるだけ均一な勾配であることが好ましい。また圧力の時間的変化についても急激な圧力上昇によるピーク圧力の発生は好ましくない。このような圧力の判定基準を適用することにより、成形状態の良否を判定することができる。また、上述のようにして得られた流動速度に基づく判定基準を適用することが好ましく行なわれる。
【0082】
成形状態の判定方法としては、ほかに流動速度勾配、せん断速度や応力、充填領域の進行パターンなどをもとにして判定することもできる。これらのデータは、上述の方法により得られる圧力分布、圧力変化あるいは流動速度の分布の情報を加工することにより、簡単に得ることができる。たとえば、微小要素間の速度勾配をせん断速度とし、せん断速度に材料粘度を乗じることでせん断応力を求めることができる。また、流動先端部分の速度より次に充填する部分を順次定めることで充填領域の進行パターンを解析することができる。
【0083】
上記の判定方法により不良が予想された場合には、以下に示す方法により成形型設計、製品設計、成形条件あるいは使用材料を修正することにより、不良のない射出成形品を製造することができる。
【0084】
修正方法の第1は、成形型形状を修正し材料流路などを変更する方法である。
【0085】
ここで成形型形状とは一般にスプルー、ランナーあるいはゲートと呼ばれる、材料の溶融射出ノズルから製品形状部分に至るまでの流路の形状を意味している。たとえばノズルから製品末端にいたるまでの流動長が長いために圧力損失が大き過ぎると判定された場合には、ランナーを分岐させて複数のゲートより製品形状部分に流入させることで流動長を低下させることができる。
【0086】
修正方法の第2は、射出成形品の形状を修正し、流路の形状を変更する方法である。たとえば製品形状部分での圧力勾配が大きく、大きな流動歪が発生することが予想される場合には、製品肉厚を増すことで圧力勾配を低下させることができる。
【0087】
修正方法の第3は、材料射出速度、材料温度あるいは成形型温度などの成形条件を変更する方法である。たとえばある時刻での材料注入口の圧力上昇が激しく、成形が困難であることが予想される場合には、この時刻での材料射出速度を低下したり、あるいは材料温度や成形型温度を上げることで圧力上昇を低下させることができる。
【0088】
修正方法の第4は、射出成形材料を変更を変更する方法である。たとえば材料圧力損失が激しく、成形が困難であることが予想される場合には、粘度の低い良流動性材料に変更することで圧力損失を低下させることができる。
【0089】
以上の修正方法はそれぞれ別個に実施しても、あるいはいくつかを組み合わせて実施してもよい。また、エキスパートシステムなどを利用して、上記のような修正を自動的に行なうのが好ましい。
【0090】
上述のように射出成形条件を再検討し、好ましい射出成形結果を得ると考えられる条件で再び上記の射出成形過程の解析装置により解析し、最適な結果を得る射出成形条件を見出すまでこれを繰り返す。最適な結果が得られる射出成形条件を見出したならば、その条件にて射出成形を実施し、射出成形品を製造する。
【0091】
本発明は、射出成形製品のあらゆる形状に対して原理的に適用可能であるが、3次元的な形状効果の現れ易い製品に対して特に効果的である。
【0092】
3次元的な形状効果の現れ易い製品とは、肉厚が5mmを越えるような厚肉成形品や、あるいは1〜2mm程度の薄肉であっても製品全体寸法が10mm程度の小物成形品で、相対的に肉厚方向への流動の影響が現れやすいものを指す。また、段差部分やコーナー状部分の流動など流れが厚さ方向に急変する部位の局所流動についても3次元的な解析が有効である。
【0093】
本発明において成形型としては、金属を放電加工などの精密な加工手段により加工した金型などが用いられる。
【0094】
本発明の流体の流動過程の解析装置および解析方法は、射出成形過程に限らず、一般の流体の流動過程の解析に好ましく用いることができる。たとえば、特に押出成形ダイ内の材料流動、押出機スクリュー溝内流動、混練機内流動などの3次元的な材料流動を伴う流動過程の解析に適している。
【0095】
すなわち、丸棒や平板の押出成形、あるいは異形押出成形の成形時のダイ内流動において、押出流動時の圧力分布、圧力変化の分布または材料の流動速度分布を求めることに適用できる。圧力勾配や流動速度が0 に近い部分では材料の滞留や熱劣化が生じるなど成形品の品質低下につながるため、滞留部の発生しないようダイ形状などの押出成形条件を決定する必要がある。本発明はこのような用途にも適している。
【0096】
また、射出成形機や押出成形機のスクリュー部分でも同様に、滞留部分の少ないスクリューデザインなどの条件決定に適用できる。また、押出機型混練機においてスクリュー溝内のせん断応力分布を算出し、せん断応力値を極大化するための設計に利用することもできる。
【0097】
【実施例】
以下に、本発明による流体の流動過程解析装置および解析方法の例である、射出成形過程の解析装置、解析方法および射出成形品の製造方法の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。
[実施例1]
ここでは図5に示すような、プラスティック製ケースへの実施例について示す。
【0098】
まず図2のステップ1において射出成形条件(使用材料:ABS樹脂、射出温度:250℃、金型温度:50℃、充填時間:2sec )を入力した。つづいてステップ2において射出成形品形状を図6に示すように複数の3次元的微小要素14に分割し、射出成形品の3次元モデルを構築した。本実施例では、成形品設計に用いた3次元CADのデータをもとに、有限要素法プリプロセッサの自動要素分割機能により3次元的微小要素を自動的に作成した。エンジニアリングワークステーションを用いて要素分割に要した時間は約3分であった。上述のように、CADの表面データを用いても同様の結果が得られる。
【0099】
続いて図2のステップ3において薄肉部分の肉厚H を算出した。肉厚H は、3次元要素の体積Vとキャビティに接する面の面積Sから式H=3V/Sにより自動的に求めた。本実施例の成形品は全体が薄肉構造を有しているので、すべての微小要素についてこの方法で肉厚H (2 〜3 mm)を求め、ステップ4においてこのH を用い式(4) により流動コンダクタンスκを求めた。なお、肉厚の計算は、CADデータもしくはCADの表面データから、表面の要素の法線がモデルを通過する距離によっても同様の計算値が得られる。
【0100】
続いて図2のステップ5において流動コンダクタンスκをもとに式(3) を熱伝導解析と同様の数値演算プログラムにより解くことで各微小要素における射出成形中の材料圧力分布を求めた。実際には、このステップ5の結果に基づいて再びステップ4の流動コンダクタンス決定を行ない、次の瞬間の値を求めることを繰り返す。ステップ6にてこの結果をグラフィック処理し、図7のような圧力分布を得た。ここでは各微小要素の圧力を等高線表示した。ステップ2以下の一連の計算はエンジニアリングワークステーションを用いて約40分程度で完了した。
【0101】
得られた圧力分布に基づいてさらに圧力変化分布(図8)と流動速度分布(図9)とを求めた。さらにせん断応力分布なども求めた。得られたこれらの解析結果によれば、圧力変化は最大30MPa 、流動速度は30〜200mm/sec 、せん断応力は10000Pa 以下であり射出成形に特に問題がないと判断されたので、この射出成形品を製造した。製造された射出成形品は最適な条件で製造されているため、強度などの特性が優れていた。
【0102】
もしも、ここでたとえば極端な圧力勾配部分が発生するなど成形不良が予想される場合には、成形品形状や成形条件あるいは材料などを変更してステップ1から繰り返すことにより、適正な製品設計や成形型設計、成形条件などを得る。
[比較例1]
実施例1と同一の射出成形品について、図10のような2次元的モデルを構築したほかは実施例と同様の解析を行なった。このモデル構築に際しては、3次元的形状を有する各部の肉厚方向中立面を再定義し、再定義した中立面を2次元的微小要素に分割し、分割された微小要素に肉厚を設定して作成した。2次元的微小要素の作成は自動要素分割により、自動的に実施したが、中立面定義は作業者がマニュアルで入力する必要があるため、結局モデル化の作業に3時間を要した。
[実施例2]
次に、図11に示すような薄肉部分と厚肉部分とをあわせもつプラスティック成形品の流動解析を行ない、その結果に基づいて射出成形品を製造した。モデル構築は図12に示すように、薄肉部分を含めてすべて3次元的な微小要素に分割することにより行なった。射出成形条件は、使用材料をナイロン樹脂、射出温度を280℃、金型温度を80℃、充填時間を1秒とした。
【0103】
図2のステップ2において、エンジニアリングワークステーションにより自動的に要素分割を行なった。これに要した時間は約1分であった。以下一連の解析時間はおよそ10分であった。
【0104】
流動コンダクタンスは、厚肉部分においては式(7) を用いて求め、微小要素が1層の層構造を構成する薄肉部分においては式(4) を用いて求めた。得られた圧力分布(最大圧力10MPa )を図13に、圧力変化の分布(最大圧力変化20MPa/sec )を図14に、材料の流動速度分布(20〜50mm/sec)を図15にそれぞれ示す。せん断応力は5000Pa以下であった。いずれも、この形状の成形品における材料の流動の様子を示すものとして妥当な結果となっている。
【0105】
その結果、射出成形の実施に差し支えがないと判断されたので、成形品を製造し、良好な成形品を得た。
[比較例2]
実施例2と同一の射出成形品について、図16に示すように、厚肉部分については3次元的な微小要素により、薄肉部分については2次元的な微小要素によりそれぞれ分割したモデルを構築したほかは実施例2と同様の方法により解析を行なった。
【0106】
比較例1の場合と同様に薄肉部分のモデル化には肉厚方向の中立面の定義を行ったためにモデル化に時間を要した。
【0107】
また、2次元的なモデル部分と3次元的なモデル部分の接続部分では、実際の材料の流動と異なる状況がモデル化されるため、得られた圧力分布等は実施例2とは異なるものとなった。すなわち、上記接続部分において異常に高い圧力が発生するとの結果を得た。この結果に基づくと、射出成形条件として問題があると判定されるおそれがある。
【0108】
【発明の効果】
また、本発明の流体の流動過程の解析方法によれば、各微小要素における流体の流動コンダクタンスκを微小要素の位置におけるキャビティの厚みに基づいて流動コンダクタンスκを決定するため、流動コンダクタンスκを容易に求めることができ、実用的な計算時間で精度良い解析結果を得ることができる。
【0109】
本発明の射出成形過程の解析装置および解析方法によれば、各微小要素における流体の流動コンダクタンスκを微小要素の位置におけるキャビティの厚みに基づいて流動コンダクタンスκを求め、これにより圧力分布などを求めるため、射出成形品の射出成形過程の解析において、3次元的なモデルを用いて成形品の形状を忠実に再現し、なおかつ実用的な計算時間内に精密な解析行なうことができる。
【0110】
また、本発明の射出成形品の製造方法によれば、上記のような射出成形過程の解析装置を用いて、製品形状、成形型設計、材料選定などの射出成形条件を決定することにより高品質な射出成形品を効率良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体流動過程(射出成形過程)の解析装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図2】本発明の射出成形過程の解析方法および射出成形品の製造方法の手順の例を示すフローチャートである。
【図3】本発明において用いる流動コンダクタンスの決定する方法の一例を示す概念図である。
【図4】本発明において用いる流動コンダクタンスの決定する方法の一例を示す概念図である。
【図5】本発明の一実施例における解析対象の射出成形品を示す図である。
【図6】本発明の一実施例における対象の微小要素の決定の様子を示す図である。
【図7】本発明の一実施例における射出成形品の材料圧力の分布状態の計算結果を示す図である。
【図8】本発明の一実施例における射出成形品の材料圧力の変化の分布状態の計算結果を示す図である。
【図9】本発明の一実施例における射出成形品の材料の流動速度の分布状態の計算結果を示す図である。
【図10】従来の方法により図5の射出成形品をモデル化した場合を示す図である。
【図11】本発明の一実施例における解析対象の射出成形品を示す図である。
【図12】本発明の一実施例における対象の微小要素の決定の様子を示す図である。
【図13】本発明の一実施例における射出成形品の材料圧力の分布状態の計算結果を示す図である。
【図14】本発明の一実施例における射出成形品の材料圧力の変化の分布状態の計算結果を示す図である。
【図15】本発明の一実施例における射出成形品の材料の流動速度の分布状態の計算結果を示す図である。
【図16】図11の射出成形品を、薄肉部分を2次元的な微小要素に、厚肉部分を3次元的な微小要素に分解してモデルを構築した様子を示す図である。
【図17】キャビティを、狭幅部分を2次元的な微小要素に、広幅部分を3次元的な微小要素に分解してモデルを構築した様子を説明する図である。
【図18】狭幅部分を含めてキャビティを3次元的な微小要素に分解してモデルを構築した場合に得られる流体の流動様子を説明する図である。
【図19】キャビティの狭幅部分を2次元的な微小要素に分解し、広幅部分を3次元的な微小要素に分解してモデルを構築した場合に得られる流体の流動様子を説明する図である。
【符号の説明】
3:微小要素重心
4:微小要素重心から成形型表面への最短距離
5:微小要素分割した製品と成形型表面との接触部分
6:微小要素断面
7:微小要素
8:微小要素重心
9:微小要素重心から成形型表面への最短距離
10:微小要素分割した製品と成形型表面との接触部分
11:微小要素断面
12:微小要素
13:微小要素
14:微小要素
15:圧力等高線
16:微小要素
17:厚肉部分
18:薄肉部分
19:3次元的微小要素
20:2次元的微小要素
21:接続部分
22:3次元的微小要素
23:3次元的微小要素
24:3次元的微小要素の断面
25:2次元的微小要素の断面
26:接続部分
27:成形品の実際の薄肉部上面
28:成形品の実際の薄肉部下面
101:コンピュータ
102:補助記憶装置
103:入力装置
104:表示装置
201:成形品の薄肉部分
202:成形品の厚肉部分
203:流動速度ベクトル
204:2次元的微小要素
205:3次元的微小要素
206:流動速度ベクトル

Claims (14)

  1. 流体の流動するキャビティの少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、該各微小要素における流体の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記キャビティの厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記流体の圧力を求め、得られた該圧力により前記流体の流動過程を解析することを特徴とする、流体の流動過程の解析方法。
  2. 流体の流動するキャビティの少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、各微小要素における流体の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記キャビティの厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記流体の圧力変化を求め、得られた該圧力変化により前記流体の流動過程を解析することを特徴とする、流体の流動過程の解析方法。
  3. 流体の流動するキャビティの少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、各微小要素における流体の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記キャビティの厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記流体の流動速度を求め、得られた該流動速度により前記流体の流動過程を解析することを特徴とする流体の流動過程の解析方法。
  4. 射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築する3次元モデル構築手段と、該各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定する流動コンダクタンス決定手段と、該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の圧力を求める圧力算出手段とを備えてなることを特徴とする射出成形過程の解析装置。
  5. 射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築する3次元モデル構築手段と、該各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定する流動コンダクタンス決定手段と、該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の圧力変化を求める圧力変化算出手段とを備えてなることを特徴とする射出成形過程の解析装置。
  6. 射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築する3次元モデル構築手段と、該各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定する流動コンダクタンス決定手段と、該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の流動速度を求める流動速度算出手段とを備えてなることを特徴とする射出成形過程の解析装置。
  7. 前記3次元モデル構築手段は、射出成形品のCADデータまたはCAD表面データに基づき3次元モデルを構築するものである請求項のいずれかに記載の射出成形過程の解析装置。
  8. 射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、該各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の圧力を求め、得られた該圧力により前記射出成形品の射出成形過程を解析することを特徴とする射出成形過程の解析方法。
  9. 射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の圧力変化を求め、得られた該圧力変化により前記射出成形品の射出成形過程を解析することを特徴とする射出成形過程の解析方法。
  10. 射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを該各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の流動速度を求め、得られた該流動速度により前記射出成形品の射出成形過程を解析することを特徴とする射出成形過程の解析方法。
  11. 射出成形品の射出成形条件を定め、該射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、前記各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを前記各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の圧力を求め、得られた該圧力の分布に基づいて射出成形条件を最終決定し、該最終決定された該射出成形条件に基づいて射出成形品を製造することを特徴とする射出成形品の製造方法。
  12. 射出成形品の射出成形条件を定め、該射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、前記各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを前記各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の圧力変化を求め、得られた該圧力変化の分布に基づいて射出成形条件を最終決定し、該最終決定された該射出成形条件に基づいて射出成形品を製造することを特徴とする射出成形品の製造方法。
  13. 射出成形品の射出成形条件を定め、該射出成形品の少なくとも一部を多数の微小要素に分割した3次元モデルを構築し、前記各微小要素における射出成形材料の流動コンダクタンスκを前記各微小要素の位置における前記射出成形品の厚みに基づいて決定し、得られた該流動コンダクタンスκに基づいて前記各微小要素における前記射出成形材料の流動速度分布を求め、得られた該流動速度の分布に基づいて射出成形条件を最終決定し、該最終決定された該射出成形条件に基づいて射出成形品を製造することを特徴とする射出成形品の製造方法。
  14. 前記射出成形条件は、前記射出成形品の形状、成形型形状、材料射出速度、材料温度、成形型温度および射出成形材料のうちのいずれかを含むものであることを特徴とする請求項1113のいずれかに記載の射出成形品の製造方法。
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