JP2897593B2 - ホイールカバー - Google Patents

ホイールカバー

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JP2897593B2
JP2897593B2 JP5125510A JP12551093A JP2897593B2 JP 2897593 B2 JP2897593 B2 JP 2897593B2 JP 5125510 A JP5125510 A JP 5125510A JP 12551093 A JP12551093 A JP 12551093A JP 2897593 B2 JP2897593 B2 JP 2897593B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,外観品質及び機械物性
に優れたホイールカバー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】自動車のホイールには,ホイールカバーが
装着されている。このホイールカバーは,ホイールにお
ける締付ボルトの保護,ホイール及び自動車の意匠性向
上等を目的として用いられている。ところで,このホイ
ールカバーの材料としては,近年ガラス繊維強化ポリプ
ロピレン樹脂組成物(以下,強化PPGともいう)を用
いることが検討されている(実開平1−62333号,
特開平3−137150号公報)。何故なら,強化PP
Gは,一般に機械的強度,剛性,耐熱性に優れ,かつ低
コストであるためである。しかし,強化PPGを用いた
場合の最大の問題点は,ガラス繊維を含有しているた
め,ホイールカバー表面の外観品質が劣ることである。
【0003】そして,強化PPGにおける表面外観性を
向上させるために,硫酸バリウム,炭酸カルシウム,タ
ルク等の無機物を添加する方法(特公平1−32856
号公報),ガラス繊維の直径及びガラス繊維表面処理剤
の最適化(特公平4−12297号公報),繊維状ケイ
酸カルシウムの添加(特公昭63−67498号公
報),エチレン−α−オレフィンゴムの添加(特公昭6
3−67499号公報),ガラス繊維の直径,ガラス繊
維集束剤,及び顔料成分の最適化(特公昭64−665
8号,同64−7618号,同64−9340号公報)
等が提案されている。これら従来の方法は,いずれもホ
イールカバー表面へのガラス繊維の浮き防止,表面光沢
向上,シルバーストリーク(ガラス繊維による銀状の
線)防止等によるもので,表面外観性向上にはそれなり
の効果を有する。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,従来の強化ポ
リプロピレン樹脂組成物を用いた場合においても,ホイ
ールカバーのウェルド部における盛上りについて,問題
がある。即ち,上記ホイールカバーは,一般的に,射出
成形により製造されることが多い。その際,成形型のキ
ャビティー内の樹脂の流れが複数となり,図4に示すご
とく,ホイールカバー9には,最終的に樹脂流れ90が
出会った部分にウェルド部93が発生する。
【0005】ここで重要なことは,このウェルド部93
が,図5に示すごとく,盛上がり8を形成することであ
る。なお,図4において,符号91は成形時のゲート位
置,96はホイールカバーの風穴(放熱穴)を示す。ま
た,図5の符号82は,ガラス繊維を示す。上記盛上り
8は,ガラス繊維を入れた強化ポリプロピレン樹脂組成
物を用いる場合に,特に高く形成され,その高さ故に,
ホイールカバー9の表面外観性を損なう。上記盛上り高
さLは従来の強化PPGを用いた場合,40〜100μ
mに達している。
【0006】特に,ホイールカバーは,近年の意匠向上
性の観点より,上記風穴の位置,形状を複雑化したり,
大穴とするなど種々の形状が要求され,ウェルド部にお
ける表面外観性も非常に注目されている。そして,表面
外観性の点からすると,盛上り高さは35μm以下に押
さえることが必要である。また,好ましくは30μm以
下である。
【0007】なお,上記盛上り高さを低くするために
は,強化PPGの材料製造工程において,混練度合を強
くしてガラス繊維長を極力短くする方法(一般的に平均
長が300μm以下)や,ガラス繊維の添加量を減量す
る方法が知られている。しかし,これらの手法ではウェ
ルドの盛上がり高さの減少に伴い,衝撃強度,曲げ弾性
率等の機械物性も同時に低下してしまうという問題点が
ある。本発明はかかる従来の問題点に鑑み,ウェルド部
の盛上り高さが低く,外観品質,機械物性にも優れた,
ホイールカバー及びその製造方法を提供しようとするも
のである。
【0008】
【課題の解決手段】本発明は,自動車のホイールに装着
するホイールカバーであって,該ホイールカバーは, (A)ポリプロピレン樹脂65%(重量比,以下同じ)
以上と, (B)ポリプロピレン樹脂によりガラス繊維を被覆して
なるとともにその中のポリプロピレン樹脂が20%以上
である樹脂被覆ガラス繊維と, (C)ガラス繊維とからなる混合組成物からなり,該混
合組成物100%中におけるポリプロピレン樹脂成分の
合計量が65〜95%であり,また,上記混合組成物1
00%中におけるガラス繊維の合計量Gが5〜35%で
あって,上記(B)成分に含まれているガラス繊維の含
有量は,上記混合組成物100%を基準として,2.8
%以上であり,かつ上記(C)成分であるガラス繊維の
含有量は,上記混合組成物100%を基準として,2.
2%以上であり,かつ上記(A)成分のポリプロピレン
樹脂のメルトフローレートM(g/10分)と上記ガラ
ス繊維合計量G(重量%)とは,M<1000/Gの関
係を満足する,ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂組成
物により成形されていることを特徴とするホイールカバ
ーにある。
【0009】本発明において,ポリプロピレン樹脂とし
ては,結晶性ポリプロピレン樹脂,結晶性エチレン−プ
ロピレンブロック共重合体,或いはアクリル酸,マレイ
ン酸,イタコン酸,無水マレイン酸等の不飽和有機酸ま
たはその誘導体で変性された結晶性プロピレン重合体,
及びこれらの混合物が挙げられる。この中でも,特に好
ましいものは,結晶性エチレン・プロピレンブロック共
重合体と変性ポリプロピレン重合体の組合せである。結
晶性エチレン・プロピレンブロック共重合体には,衝撃
性,剛性,強度のバランス上からエチレン成分が3〜1
2wt%含有されていることが好ましい。
【0010】変性ポリプロピレン重合体は,無水マレイ
ン酸が0.1〜2wt%付加されたものが特に好まし
く,その添加量は強化PPG全量中に2〜20wt%含
有されていることが好ましい。これにより,衝撃性,剛
性,強度の改良効果が一層向上する。また,ポリプロピ
レン樹脂のメルトフローレートは20〜67(g/10
分)であることが好ましい。20(g/10分)未満で
は流動性が悪く,ガラス繊維が表面に浮き出るため表面
光沢が低下する。一方67(g/10分)を越えるとウ
エルドの盛り上がりが高くなるため好ましくない。上記
メルトフローレートの測定は,JIS K7210に基
づく。
【0011】次に上記樹脂被覆ガラス繊維は,ガラス繊
維が予めポリプロピレン樹脂でコーティングされたもの
で,いわばガラス繊維強化樹脂に相当する。この樹脂被
覆ガラス繊維は,通常,円柱状のペレットに予め成形さ
れている。この樹脂被覆ガラス繊維は,通常,押出機等
でロービング状のガラス繊維をポリプロピレン樹脂によ
り含浸被覆し,ストランド状に押出し冷却後ペレットに
切断したものである。そのため,ガラス繊維は,ペレッ
トと同じ長さを有している。具体的にはセルストラン
(ポリプラスチックス(株)製),バートン(ICI社
製)等の商品名で市販されている。
【0012】樹脂被覆ガラス繊維は,長さ1mmないし
20mmが好ましい。20mmを越えると,ウェルド部
の盛上り高さが増大するおそれがある。1mm未満で
は,衝撃強度,曲げ弾性が低下するおそれがある。樹脂
被覆ガラス繊維におけるガラス繊維の直径は10〜25
μmとすることが好ましい。
【0013】また,上記樹脂被覆ガラス繊維を構成する
ポリプロピレン樹脂は,上記A成分のポリプロピレンと
の相溶性が良い。また,ポリプロピレン樹脂としては,
上記A成分のポリプロピレン樹脂と同様のものを用いる
ことができる。また,両ポリプロピレン樹脂は,その相
溶性の点より,同系統の組成,流動性を有するものを用
いることが最も好ましい。
【0014】また,樹脂被覆ガラス繊維中のポリプロピ
レン樹脂は20%以上である。20%未満ではガラス繊
維の集束性が悪く,ハンドリングに問題がある。なお,
上限は経済性の点より70%とすることが好ましい。
【0015】一方,C成分であるガラス繊維は,樹脂被
覆ガラス繊維と異なり,単独のチョップドストランド状
のガラス繊維である。また,このものは,アミノシラ
ン,エポキシシラン,ビニルシラン等で表面処理されて
いるものが好ましい。ガラス繊維としては,直径3〜2
0μmのものを用いることが好ましい。また,ガラス繊
維の長さは,1〜10mmとすることが好ましい。1m
m未満ではホイールカバーの衝撃強度及び曲げ弾性が小
さく,一方10mmを越えると樹脂中への分散が悪くな
る。
【0016】また,A,B及びC成分からなる混合組成
100%中におけるラス繊維の合計量Gは,5〜3
5%とする必要がある。5%未満ではガラス繊維による
補強効果が不十分であり,特に衝撃性が低く実用的でな
い。一方,35%を越えるとポリプロピレン樹脂を最適
化しても外観品質(特にウェルド盛上がり)は改良され
ない。また,更に好ましくは,15〜35%であり,こ
の場合には機械物性と外観品質とが共に極めて良好とな
る。
【0017】更に,外観品質の観点から,B成分中のガ
ラス繊維量は,C成分のガラス繊維量より少なくするこ
とが特に好ましい。また,A,B及びC成分からなる混
合組成物100%中におけるリプロピレン樹脂の合計
量は,65〜95%である。また,更に,A成分のポリ
プロピレン樹脂のメルトフローレートM(g/10分)
と上記ガラス繊維合計量Gとの間には,M<1000/
Gの関係を有する必要がある。この関係を外れると,ウ
ェルド部の盛上り高さが大きくなる。
【0018】本発明に関する組成物を混合するに当たっ
ては各種の方法が可能であり,ヘンシェルミキサー,リ
ボンブレンダー等で上記成分を予備混合して,単軸押出
機,二軸押出機,ニーダー等の混練機に供給して溶融混
練,造粒する方法や,ガラス繊維のみを押出機のベント
口から途中供給することも可能である。また,本発明に
関する上記組成物には,必要に応じて,熱安定剤,光安
定剤,紫外線吸収剤,帯電防止剤,滑剤,難燃剤,着色
剤等の各種添加剤を含有させても良い。
【0019】また,物性,コスト等の微調整のため,エ
チレン−プロピレン共重合体ゴム,エチレン・プロピレ
ン−ジエン共重合体ゴム,エチレン−ブテン・1共重合
ゴム等のエチレン系ゴム,スチレン−ブタジエン・スチ
レン共重合体ゴム,スチレン−エチレン・ブチレン−ス
チレン共重合体等のスチレン系ゴム等のエラストマー,
タルク,炭酸カルシウム,マイカ,硫酸バリウム,ウィ
スカー,クレー等の各種フィラーの添加も可能である。
また,上記ホイールカバーを製造する方法としては,自
動車のホイールに装着するホイールカバーを製造する方
法であって, (A)ポリプロピレン樹脂65%(重量比,以下同じ)
以上と, (B)ポリプロピレン樹脂によりガラス繊維を被覆して
なるとともにその中のポリプロピレン樹脂が20%以上
である樹脂被覆ガラス繊維と, (C)ガラス繊維とを準備し,上記(A),(B),
(C)成分を溶融混練することにより混合して強化ポリ
プロピレン樹脂組成物となし,これを成形型のキャビテ
ィ内に射出成形してホイールカバーを製造する方法であ
って,該強化ポリプロピレン樹脂組成物100%中にお
けるポリプロピレン樹脂成分の合計量が65〜95%で
あり,また,上記強化ポリプロピレン樹脂組成物100
%中におけるガラス繊維の合計量Gが5〜35%であ
り,かつ上記強化ポリプロピレン樹脂組成物は,上記
(A)成分のポリプロピレン樹脂のメルトフローレート
M(g/10分)と上記ガラス繊維合計量G(重量%)
とは,M<1000/Gの関係を満足することを特徴と
するホイールカバーの製造方法がある。
【0020】
【作用及び効果】本発明においては,上記A,B及びC
成分を用い,ポリプロピレン樹脂成分の合計量を65〜
95%,ガラス繊維の合計量Gを5〜35%とし,かつ
A成分のポリプロピレン樹脂のメルトフローレートMと
ガラス繊維合計量Gとの関係がM<1000/Gを満た
す場合に,成形されたホイールカバーにおけるウエルド
部の盛上がり高さが小さくなることを見いだした点を最
大の特徴とする。
【0021】さらに,B成分を併用したことにより,同
一のガラス繊維量で,従来技術により得られる材料と本
発明により得られる材料の物性を比較した場合,ウェル
ド部の盛上がり高さが同等で(即ち外観品質同等で),
アイゾット衝撃強度,曲げ弾性率,熱変形温度が向上す
るという相乗効果が得られる。換言すれば,物性同等の
条件下ではガラス繊維の添加量を減らすことができ,ホ
イールカバーの外観品質は向上する。
【0022】即ち,本発明の配合成分A,B,Cを,押
出混練機等を用いて溶融混練した際,C成分は原料段階
での繊維長に拘らず,押出混練機等によりかなり破損し
て,平均繊維長が400〜500μmになる。これに対
して,B成分中のガラス繊維長は,ポリプロピレン樹脂
により被覆されているため,C成分のガラス繊維よりも
破損され難い。そのため,上記混練後も平均繊維長が例
えば700〜800μmと長い。
【0023】そのため,得られたホイールカバー中にお
いては,結果的に短いガラス繊維と長いガラス繊維の混
合状態となって,短いガラス繊維が外観品質を,長いガ
ラス繊維が機械物性を担っていると予想される。それ
故,ホイールカバーは衝撃強度,曲げ弾性率等の機械物
性に優れているのである。したがって,本発明よれば,
ウェルド部の盛上り高さが低く,外観品質及び機械物性
に優れたホイールカバー及びその製造方法を提供するこ
とができる。
【0024】
【実施例】
実施例1〜7 前記A〜C成分を種々の割合(重量比)で混合し,30
mm2軸押出機を用いて溶融混練,造粒し,次いでこれ
を用いてテスト用の成形品(後述の図2)を射出成形し
た(実施例1〜7)。そして,該成形品における,曲げ
弾性率(kg/cm2 ),熱変形温度(℃),23℃の
アイゾット衝撃強度(kg・cm/cm),ウェルド部
の盛上り高さ(μm),光沢度(%)を測定した。
【0025】上記各成分の割合,及び測定結果を表1及
び表2に示した。また,同表には,比較のため,メルト
フローレート(MI)とガラス繊維合計量(G)との関
係が前記M<1000/Gを満足しないもの(比較例
1,2)及び樹脂被覆ガラス繊維を用いないもの(比較
例3,4)についても併示した。同表に示した各成分
は,次のものを用いた。本発明のA成分のポリプロピレ
ン樹脂としては,ポリプロピレンと変性ポリプロピレン
重合体とを用いた。
【0026】前者のポリプロピレンとしては,エチレン
を7重量%含有する結晶性エチレン・プロピレン・ブロ
ック共重合体を用いた。また,これらは,メルトフロー
レート(MI)が15,30,45又は80(g/10
分)のものを用いた。また,上記変性ポリプロピレン重
合体としては,無水マレイン酸変性の結晶性ポリプロピ
レン(ホモ)を用いた。また,実施例5においては,エ
チレン・プロピレン共重合体ゴム〔プロピレン含量21
重量%,ムーニー粘度15(ML1+4 100℃)〕を3
重量%用いた(表2の注2)。
【0027】次に,樹脂被覆ガラス繊維に関しては,ガ
ラス繊維として直径15〜20μm,長さ6〜7mmを
用い,該ガラス繊維の束を熱可塑性樹脂としてのポリプ
ロピレン樹脂で含浸被覆したものを用いた。このポリプ
ロピレン樹脂は,上記A成分に示したメルトフローレー
ト45(g/10分)の結晶性エチレン・プロピレン・
ブロック共重合体を用いた。また,この樹脂被覆ガラス
繊維は,円柱状のペレットで,長さ6〜7mm(ガラス
繊維長さと同じ),ペレット直径2×3mm(楕円形)
であった。更に,樹脂被覆ガラス繊維中におけるガラス
繊維の量は,50重量%である。
【0028】但し,実施例4の樹脂被覆ガラス繊維中に
おけるガラス繊維の量は70重量%とした(表2の注
1)。次に,C成分のガラス繊維は,直径約13μm,
長さ3mmのチョップドストランドを用いた。なお,比
較例C4においては,上記直径,長さのチョップドスト
ランド15%と,直径約13μm,長さ6mmのチョッ
プドストランド5%とを用いた。
【0029】また,表1,表2において,樹脂被覆ガラ
ス繊維の欄は,それを構成するガラス繊維とポリプロピ
レン樹脂との合計量で示されており,ガラス繊維は上記
のごとくその中50%を占めている。そのため,同表中
のガラス繊維合計量Gの欄には,上記B成分の樹脂被覆
ガラス繊維中の50%のガラス繊維量と,C成分のガラ
ス繊維量の合計量(重量%)が示されている。
【0030】次に,同表に示す曲げ弾性率はASTM−
D790,熱変形温度はASTM−D648(18.6
kg/cm2 荷重),アイゾット衝撃強度はASTM−
D256(ノッチ付き)により測定した。また,ウェル
ド部の盛上り高さは,図2に示すごとく,ダブルゲート
71,72により箱形樹脂成形品を成形し,図3に示す
ごとくそのウェルド部93における盛上り高さLを測定
した。この測定に当たっては,表面粗さ計〔サーフトン
550AD,東京精密(株)〕を用いた。また,光沢度
は,JISK6758により測定した。
【0031】次に,上記測定結果につき説明する。表1
及び表2より知られるごとく,本発明にかかる実施例1
〜7においては,ウェルド部の盛上がり高さは16〜3
3μmであり,また衝撃高さ,曲げ弾性率も高いことが
分かる。特に,エチレン・プロピレン共重合体ゴムを添
加した実施例5は,盛り上がり高さが小さく,かつ衝撃
強度も高い。これに比して,比較例C1,C2は盛上が
り高さが大きく,また比較例C3,C4は盛上がり高さ
は大きくないが衝撃強度が低い。即ち,本発明によれ
ば,盛上がり高さを低く抑え,かつ衝撃強度,曲げ弾性
率を高くし,光沢度もよくすることができる。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】実施例11〜19 樹脂被覆ガラス繊維(GF50wt%)10%を用い,
前記実施例1と同様にして,樹脂成形品を射出成形
し,その際のガラス繊維合計量Gと,ポリプロピレン樹
脂(PP)のメルトフローレートM(g/10分)との
関係を図1にプロットした。そして,各実施例におけ
る,ウェルド部の盛上り高さ(μm)を,実施例11〜
19については丸(○)により囲んだ数値で,比較例C
11〜C16については四角(□)により囲んだ数値で
示した。
【0035】同図より知られるごとく,本発明にかかる
実施例11〜19は盛上り高さが33μm以下であり,
一方比較例C11〜C13,C15,C16は盛上り高
さが37以上である。そして,この両者の境界部分に
は,同図に示すごとく,M=1000/Gの関係線を引
くことができる。また,比較例C14は,ガラス繊維合
計量Gが40%であり,盛上り高さが39μmである。
上記より,M<1000/G,ガラス繊維合計量35%
以下の場合には,盛り上がり高さが35μm以下となる
ことが分かる。
【0036】試験例 実施例1〜7,比較例C1〜C4に示した,強化PPG
を用いて,ホイールカバー(図4参照)を射出成形し,
製品テストを行った。その結果を,各実施例及び比較例
に相当する組成物を用いたホイールカバーの製品No.
につき,表3,表4に示した。なお,上記ホイールカバ
ーは,前記図4に示した形状を有し,直径39cm,平
均肉厚2.5mmで,合計6個の扇形風穴を有してい
た。また,風穴1つの大きさは,約6cm×3.5cm
×4cmであった。
【0037】各表の「項目」に示した各試験及び製品外
観,総合評価は,下記により行った。 (1)脱着繰り返し試験;ホイールディスクへのホイー
ルカバーの脱着を繰り返し,割れなどの不具合の発生を
調査。 ○;30回の脱着繰り返しでも割れ等の不具合なし
【0038】(2)耐熱試験 120℃の恒温槽中にホイールカバーを入れ24時間後
の寸法変化,変形等を測定。 ○;著しい熱変形なし ×;実用上有害な熱変形
あり(3)落球試験 23℃でホイールカバーの意匠面に500gの綱球を自
然落下。 ○;50cmで割れなし ×;40cm以下で割
れ発生
【0039】(4)製品外観 ホイールカバーの意匠面における,ウェルド部の盛上が
り状態,光沢を目視で評価 1;ウェルド部の盛上がりは殆どなく美麗。 2;美麗,ウェルド部の盛上がりは少々あるが実用上問
題ないレベル。 3;光沢が低く,かつウェルド部の盛上がりが目立つ。
実用不可。
【0040】両表より明らかなごとく,本発明にかかる
ホイールカバー(製品No,実施例1〜7)は,製品外
観が極めて優れている。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における,ガラス繊維合計量とポリプロ
ピレン樹脂のメルトフローレートとの関係における,ウ
ェルド部の盛上り高さを示す説明図。
【図2】実施例におけるウェルド部の説明図。
【図3】図3のY−Y線矢視に沿った,ウェルド部の盛
上り高さの説明図。
【図4】従来例で示した,ホイールカバーにおけるウェ
ルド部の説明図。
【図5】従来例で示した,ウェルド部の盛上りの説明
図。
【符号の説明】
8...盛上り, 82...ガラス繊維, 9...ホイールカバー, 93...ウェルド部,

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のホイールに装着するホイールカ
    バーであって,該ホイールカバーは, (A)ポリプロピレン樹脂65%(重量比,以下同じ)
    以上と, (B)ポリプロピレン樹脂によりガラス繊維を被覆して
    なるとともにその中のポリプロピレン樹脂が20%以上
    である樹脂被覆ガラス繊維と, (C)ガラス繊維とからなる混合組成物からなり, 該混合組成物100%中におけるポリプロピレン樹脂成
    分の合計量が65〜95%であり, また,上記混合組成物100%中におけるガラス繊維の
    合計量Gが5〜35%であって, 上記(B)成分に含まれているガラス繊維の含有量は,
    上記混合組成物100%を基準として,2.8%以上で
    あり, かつ上記(C)成分であるガラス繊維の含有量は,上記
    混合組成物100%を基準として,2.2%以上であ
    り, かつ上記(A)成分のポリプロピレン樹脂のメルトフロ
    ーレートM(g/10分)と上記ガラス繊維合計量G
    (重量%)とは,M<1000/Gの関係を満足する, ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物により成形さ
    れていることを特徴とするホイールカバー。
  2. 【請求項2】 自動車のホイールに装着するホイールカ
    バーを製造する方法であって, (A)ポリプロピレン樹脂65%(重量比,以下同じ)
    以上と, (B)ポリプロピレン樹脂によりガラス繊維を被覆して
    なるとともにその中のポリプロピレン樹脂が20%以上
    である樹脂被覆ガラス繊維と, (C)ガラス繊維とを準備し, 上記(A),(B),(C)成分を溶融混練することに
    より混合して強化ポリプロピレン樹脂組成物となし,こ
    れを成形型のキャビティ内に射出成形してホイールカバ
    ーを製造する方法であって, 該強化ポリプロピレン樹脂組成物100%中におけるポ
    リプロピレン樹脂成分の合計量が65〜95%であり, また,上記強化ポリプロピレン樹脂組成物100%中に
    おけるガラス繊維の合計量Gが5〜35%であり, かつ上記強化ポリプロピレン樹脂組成物は,上記(A)
    成分のポリプロピレン樹脂のメルトフローレートM(g
    /10分)と上記ガラス繊維合計量G(重量%)とは,
    M<1000/Gの関係を満足することを特徴とするホ
    イールカバーの製造方法。
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