JPH09263562A - プロトカテキュアルデヒドの製造方法 - Google Patents
プロトカテキュアルデヒドの製造方法Info
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- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Abstract
トカテキュアルデヒドを製造する方法において、プロト
カテキュアルデヒドを高收率で製造することができ、し
かも副生するリン化合物の処理も簡単で、プロトカテキ
ュアルデヒドの精製が容易である、工業的に好適なプロ
トカテキュアルデヒドの製造方法を提供することを課題
とする。 【解決手段】 本発明の課題は、三塩化リン、五塩化リ
ン及び塩化スルフリルから選ばれる塩素化合物の存在下
にピペロニルジクロライドを分子状塩素と反応させ、生
成するジクロロピペロニリデンジクロライドを加水分解
することを特徴とするプロトカテキュアルデヒドの製造
方法によって達成される。
Description
ライドからプロトカテキュアルデヒドを製造する方法に
関する。プロトカテキュアルデヒドは医薬や農薬の合成
原料、更にはマイクロフォトレジスト等の電子材料の原
料として有用な化合物である。
法としては、ピペロナール(ヘリオトロピン)を塩素化
し、次いで塩素化物を加水分解してプロトカテキュアル
デヒドを製造する方法が知られている。このような方法
としては、例えば(1)ピペロナールを五塩化リンと反
応させ、生成するテトラクロル体を加水分解する方法
(J.Chem.Soc.,93,563−573(1
908);Org.Syn.,Vol.II,549−5
50)、(2)ピペロナールを三臭化アルミニウムと反
応させた後に加水分解を行う方法(J.Am.Che
m.Soc.,52,2988−2994(193
0))、(3)ピペロナールを塩化チオニル次いで分子
状塩素と反応させ、生成するジクロロピペロニルクロラ
イドを加水分解する方法(DE339945)が知られ
ている。
ナールに対して5倍モル量という多量の五塩化リンを使
用しなければならないため、工業生産では副生するリン
化合物の処理が大きな問題となり、(2)の方法では、
目的物の收率が低い上に、アルミニウムが目的物に配位
するために精製が困難になって品質のよい製品を得るこ
とが困難になるという問題がある。(3)の方法では、
ピペロナールのベンゼン環が塩素化された6−クロロピ
ペロナールが主生成物として得られ、目的物の收率が非
常に低いという問題がある。
の製造方法として、ピペロニルジクロライドからプロト
カテキュアルデヒドを收率よく製造する方法は知られて
いない。
ジクロライドからプロトカテキュアルデヒドを製造する
方法において、プロトカテキュアルデヒドを高收率で製
造することができ、しかも副生するリン化合物の処理も
簡単で、プロトカテキュアルデヒドの精製が容易であ
る、工業的に好適なプロトカテキュアルデヒドの製造方
法を提供することを課題とするものである。
リン、五塩化リン及び塩化スルフリルから選ばれる塩素
化合物の存在下にピペロニルジクロライドを分子状塩素
と反応させ、生成するジクロロピペロニリデンジクロラ
イドを加水分解することを特徴とするプロトカテキュア
ルデヒドの製造方法によって達成される。
構造式aによって示される化合物で、ヘリオトロピン
(ピペロナール)を塩素化する公知の方法によって得る
ことができる(J.Chem.Soc.,93,563
−573(1908)参照)。このとき、塩素化剤とし
ては、五塩化リンが化学量論量使用される。
塩化リン、五塩化リン及び塩化スルフリルから選ばれる
塩素化合物の存在下に分子状塩素と反応させ、生成する
ジクロロピペロニリデンジクロライド(下記の構造式b
により示す)を加水分解することによって、プロトカテ
キュアルデヒド(下記の構造式cにより示す)が製造さ
れる。
り塩素化する際に共存させる、三塩化リン、五塩化リン
又は塩化スルフリルの量は、ピペロニルジクロライド1
モルに対して0.05〜1.5モル、好ましくは0.1
〜1モルである。この量が少ないとベンゼン環の塩素化
による副生物が多く生成し、目的物の選択率を低下させ
ることになる。三塩化リン、五塩化リン、塩化スルフリ
ルの中では、安価でしかも取扱が容易な三塩化リンが工
業的に好ましい。
て、使用される分子状塩素の量は、ピペロニルジクロラ
イド1モルに対して1〜10モル、好ましくは1〜5モ
ルである。塩素の量が少ないと反応が遅くなり、余りに
多くなるとベンゼン環の塩素化による副生物が多く生成
し、目的物の選択率を低下させることになる。
ば、ピペロニルジクロライドと、三塩化リン、五塩化リ
ン又は塩化スルフリルと溶媒とを入れた反応器に、分子
状塩素として塩素ガスを25〜150℃、好ましくは2
5〜100℃で供給することによって行われる。反応圧
は特に制限されるものではなく、反応は、例えば、常圧
で行われる。なお、塩素ガスは窒素等の不活性ガスで希
釈されて供給されても差し支えない。
は、溶媒として、ピペロニルジクロライドを溶解し、そ
れ自体は塩素化されにくい溶媒を使用することが好まし
い。このような溶媒としては、(1)ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン等の芳
香族炭化水素、(2)四塩化炭素、クロロホルム、塩化
メチレン、1,2−ジクロロエタン等の脂肪族ハロゲン
化炭化水素、(3)n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−
オクタン、n−デカン、シクロヘキサン、シクロヘプタ
ン、シクロオクタン等の脂肪族非ハロゲン化炭化水素、
(4)ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル、及び
(5)酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステルから選ばれ
る少なくとも一つの溶媒が挙げられる。これら溶媒の中
では、芳香族炭化水素、脂肪族ハロゲン化炭化水素及び
エステルが好ましい。なお、溶媒はピペロニルジクロラ
イド1モルに対して0.1〜5L(リットル)、好まし
くは0.1〜3L(リットル)使用される。
なピペロニルジクロライドの塩素化によって得られた反
応液に水を添加して、反応液中に含まれるジクロロピペ
ロニリデンジクロライドを加水分解することによって得
ることができる。このとき、水の添加量は、例えば、塩
素化に使用されたピペロニルジクロライド1モルに対し
て0.1〜5L(リットル)、好ましくは0.1〜3L
(リットル)であり、反応温度は、例えば、0〜100
℃、好ましくは0〜80℃である。なお、反応圧は特に
制限されるものではなく、例えば、常圧で反応が行われ
る。以上のようにして得られたプロトカテキュアルデヒ
ドは抽出、晶析等により容易に分離精製される。
体的に説明する。なお、プロトカテキュアルデヒドの收
率(モル%)はピペロニルジクロライドに対して求め
た。
ラス製反応器に、アルゴン気流中、室温下で、溶媒(ト
ルエン)50mlとピペロニルジクロライド10g(4
8.7mmol)を入れ、更に三塩化リン1.34g
(9.74mmol)を攪拌下で滴下した。引き続き攪
拌を続けながら、温度を50℃に上げ、この温度で塩素
ガス(97.4mol)を2時間かけて吹き込んで塩素
化を完結させた。得られた反応液を室温まで冷却して水
20mlを加えた後、1時間攪拌を行って加水分解を終
了させた。なお、反応は全て常圧下で行った。反応後、
トルエン層を廃棄して、水層から生成物を酢酸エチルで
抽出した。得られた抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。析出し
た結晶を濾過して室温で減圧乾燥して、プロトカテキュ
アルデヒド5.65g(收率:84%)を得た。
mol)に変えたほかは、実施例1と同様に塩素化と加
水分解を行って生成物を分離した。その結果、プロトカ
テキュアルデヒド5.78g(收率:86%)を得た。
4mmol)に変えたほかは、実施例1と同様に塩素化
と加水分解を行って生成物を分離した。その結果、プロ
トカテキュアルデヒド5.38g(收率:80%)を得
た。
74mmol)に変え、溶媒を四塩化炭素50mlに変
えたほかは、実施例1と同様に塩素化と加水分解を行っ
て生成物を分離した。その結果、プロトカテキュアルデ
ヒド5.78g(收率:86%)を得た。
に変えたほかは、実施例1と同様に塩素化と加水分解を
行って生成物を分離した。その結果を表1に示す。な
お、溶媒はそれぞれ50ml使用した。
で、ピペロナール7.31g(48.7mmol)を入
れ、更に塩化チオニル5.85g(49.2mmol)
を攪拌下で加えた。引き続き攪拌を続けながら、温度を
50℃に上げ、この温度で塩素ガス(97.4mol)
を2時間かけて吹き込んで塩素化を完結させた。得られ
た反応液を室温まで冷却して水20mlを加えた後、1
時間攪拌を行って加水分解を終了させた。なお、反応は
全て常圧下で行った。反応後、実施例1と同様に生成物
を分離したが、6−クロロピペロナール6.29g(收
率:70%)を得たのみで、プロトカテキュアルデヒド
を得ることはできなかった。実施例及び比較例の結果を
まとめて表1に示す。
からプロトカテキュアルデヒドを高收率で製造すること
ができる。また、リン化合物の使用量を大幅に低減させ
ることができるため、副生するリン化合物の処理を非常
に簡単にすることができる。更に、三臭化アルミニウム
を使用する方法に比較して、プロトカテキュアルデヒド
の精製が非常に容易になって、高品質の製品を得ること
も可能になる。この結果、本発明により、工業的に好適
なプロトカテキュアルデヒドの製造方法を提供すること
ができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 三塩化リン、五塩化リン及び塩化スルフ
リルから選ばれる塩素化合物の存在下にピペロニルジク
ロライドを分子状塩素と反応させ、生成するジクロロピ
ペロニリデンジクロライドを加水分解することを特徴と
するプロトカテキュアルデヒドの製造方法。 - 【請求項2】 ピペロニルジクロライドを溶媒中で分子
状塩素と反応させることを特徴とする請求項1記載のプ
ロトカテキュアルデヒドの製造方法。
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---|---|---|---|
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JP8-9155 | 1996-01-23 | ||
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Publications (2)
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1997
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