JPH09263489A - シリコン鋳造用鋳型および鋳造法 - Google Patents
シリコン鋳造用鋳型および鋳造法Info
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Abstract
破壊や組立・分解が不要なシリコン鋳造用鋳型を提供す
る。鋳型の側壁部の熱移動が小さい鋳型を用いることに
よって、鋳型の側壁部分の加熱を不要若しくは著しく低
減できるシリコンの鋳造方法を提供する。 【解決手段】 炭素繊維強化炭素材料でシリコン鋳造用
鋳型を形成する。また、炭素繊維強化炭素材料で形成し
た鋳型側壁部の外側を断熱してこの鋳型内にシリコン融
液を注湯し、この鋳型の上方のみから前記シリコン融液
を加熱して凝固させる。
Description
および鋳造方法に関し、特に多結晶シリコンを鋳造する
際に好適に用いることができるシリコン鋳造用鋳型およ
び鋳造法に関する。
と組立型のものがある。一体型の鋳型は図5に示すよう
に、鋳型1の側壁1aと底1bが一体になった箱状の鋳
型である。この一体型の鋳型1は、石英や黒鉛などで形
成される。なお図5(a)は平面図、同図(b)は断面
図である。
壁1aと底1bを別体に形成し、これら側壁1aと底1
bをボルト12で固定して組み立てたものである(例え
ば特開昭62−108515号公報参照)。この組立型
の鋳型1は黒鉛などで形成される。
化珪素粉末などのシリコン酸化物、窒化珪素粉末などの
シリコン窒化物、炭化珪素粉末などのシリコン炭化物あ
るいはそれらの混合物などから成る離型剤を塗布して使
用する(例えば特開平6−144824号公報参照)。
製造する場合、シリコン融液は鋳型1の底1b部分から
上向きに一方向性凝固することが好ましい。これを実現
する方法として、シリコン融液や凝固したシリコンの水
平方向の温度分布を一定にし、垂直方向には底1b部分
から上へ向かって温度を高くする方法がある。例えば鋳
型1の底面1bを水冷チルプレートで冷却し、鋳型1の
周囲には複数個の発熱体を配置して鋳型1の側壁部1a
と上方の温度を高く保つことも提案されている(例えば
特公平4−68276号公報参照)。
料として石英を用いる場合、鋳型1の変形や石英の失透
のために数回しか使用できないという問題がある。
コン融液を凝固させて鋳塊を取り出す場合、鋳型1を破
壊しなければならない。鋳型1の内面に鋳塊取出用のテ
ーパーを付けると鋳型を破壊することなく鋳塊を取り出
すことができるが、鋳塊の利用可能部分の歩留りが低く
なるという問題を誘発する。
一回毎に、組立作業と分解作業が必要である。
合、鋳型1の肉厚が大きく、且つ、黒鉛自体の熱伝導率
が大きいため、鋳型1の底部を冷却すると鋳型1の側壁
部も冷却されてしまう。そのため、鋳型1の底部を冷却
しながら、鋳型1の側壁部を高温に保ためには、鋳型1
の側壁部に多量の熱を加え続ける必要があり、不経済で
ある。また、鋳型1の側壁部に多量の熱を加えながら、
鋳型1の底部を冷却すると、鋳型1の側壁部から鋳型1
の底部へ流入する熱を多量に奪わなければならず、シリ
コン融液および凝固したシリコンの冷却速度が遅くなる
という問題がある。
ような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、
鋳型の変形や失透を防止すると共に、鋳型の破壊や組立
・分解が不要なシリコン鋳造用鋳型を提供することを目
的とする。
は、鋳型の側壁部と底部の熱移動が小さい鋳型を用いる
ことによって、鋳型の側壁部分の加熱を不要若しくは著
しく低減できるシリコンの鋳造方法を提供することを目
的とする。
に、本発明に係るシリコン鋳造用鋳型は、鋳型を炭素繊
維強化炭素材料で形成する。
は、前記鋳型側壁部の外側を断熱してこの鋳型内にシリ
コン融液を注湯し、この鋳型の上方のみから前記シリコ
ン融液を加熱して凝固させる。
ンのそれに比べて1/10以下もしくは1/10程度で
ある。そのため、融点温度に近い凝固直後のシリコン鋳
塊の外径は、鋳型内径とほぼ一致しているが、鋳型とシ
リコン鋳塊の温度が下がるにつれて、鋳型とシリコン鋳
塊の間に徐々に隙間ができ、常温になると鋳型を破壊す
ることなく鋳塊を取り出すことができるようになる。そ
のため、鋳型に鋳塊取出用テーパーを付ける必要はな
く、また組立型の鋳型を用いる必要もない。
とから、鋳型の側壁を薄くすることができ、熱伝導率も
小さいことから、鋳型の側壁部を流れる熱が減少し、鋳
型の上方のみからシリコン融液を加熱するだけで、シリ
コン融液を一方向性凝固させることができるようにな
る。
面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明に係るシリ
コン鋳造用鋳型の一実施形態を示す図であり、1aは側
壁部、1bは底、1は全体として鋳型を示す。鋳型1は
炭素繊維強化炭素材料からなる。また、鋳型1の側壁部
1aの外側には、グラファイト質成形体などから成る断
熱材2が設けられている。なお、図1(a)は平面図、
同図(b)は断面図である。
張係数(10-6/K)、熱伝導率(W/m・K)、引張
強さ(MPa)の一例を示す。図2から明らかなよう
に、炭素繊維強化炭素材料は、従来鋳型材料に用いられ
ていた黒鉛に比べて衝撃に強く、且つ引張強さも黒鉛の
10倍以上もしくは10倍程度大きい。そのため、鋳型
1の側壁部1aの肉厚は1mm以上あれば十分である。
なお、強度的には1mm未満の厚みのものでもよいが、
1mm未満の炭素繊維強化炭素材料は製作が困難で、耐
用回数も少なく不経済である。鋳型1の側壁部1aの肉
厚を薄くすることで、鋳型1の側壁部1aから鋳型1の
底部1bに流れる熱量は少なくなる。
あるのに対して炭素繊維強化炭素材料の熱伝導率は面方
向が27W/mK、厚み方向が4W/mKであり、炭素
繊維強化炭素材料の方が遙に小さい。そのため、鋳型1
の側壁部1aに薄い炭素繊維強化炭素材料を使うこと
で、鋳型1の側壁部1aから鋳型1の底面1bへ流れる
熱量は、厚い黒鉛板を用いた場合に比べて、極端に少な
くなる。これにより、シリコン融液を鋳型1の底部1b
から上向きに一方向性凝固させる場合、鋳型1の側壁部
1aに加える熱量は少なくなる。また鋳型1の側壁部1
aの熱の流れが小さいため、鋳型1の側壁部1aの外側
を50mm程度の厚みを有するグラファイトフェルトで
断熱すれば、上方のみからの熱で結晶成長は概ね上向き
になる。この場合は大幅に熱量が節約できる。
鋳型1の底部1bへ流入する熱量が小さくなり、鋳型1
の底部1bからは主にシリコンそのものを冷却すること
になる。このため、シリコンの冷却速度を大きくして鋳
塊の単位時間当たりの生産重量を大きくすることが容易
になる。
厚は1mm以上あれば十分であるが、鋳型1の側壁部1
aの肉厚が大きくなると上述の効果が小さくなると共
に、鋳型1のコストが上昇するため、肉厚は6mmまで
がよい。したがって、鋳型1の側壁部1aの肉厚は1〜
6mmの範囲内が望ましい。
面には、二酸化珪素粉末と窒化珪素粉末の混合物を溶剤
として水や有機性溶剤を使用して塗布する。二酸化珪素
粉末と窒化珪素粉末の混合比率は、重量比で2:1から
0.5:1の間にする。二酸化珪素粉末の重量比がこの
比率よりも多くても少なくても鋳塊の離型性が低下す
る。塗布する層の厚みは0.3〜2mmとする。0.3
mm未満では離型性が低下し、2mmより厚いとコスト
高となり、実用的でない。なお、二酸化珪素粉末や窒化
珪素粉末に限らず、窒化ホウ素粉末、炭化珪素粉末、石
英などシリコンの融点よりも高い融点を有する各種材料
を用いることができる。
部材1aと、厚み5mmの底部材1bを組み合わせて図
1に示す円筒状の鋳型1を形成し、鋳型1の内面に重量
比で1.3:1の二酸化珪素粉末と窒化珪素粉末をポリ
ビニルアルコールの水溶液で溶かしたペーストをはけ塗
りして乾燥焼成した。この鋳型1の側壁部1aの外側に
グラファイトフェルトを巻いて断熱した円筒状鋳型をシ
リコン鋳造装置に設置して、4Kgのシリコン融液を注
湯し、鋳型1の上方に設置した発熱体で鋳型1とシリコ
ン融液を1450℃程度に加熱し、鋳型1の底部1bを
冷却して、シリコン融液を凝固させて冷却した。すなわ
ち、底部には断熱材がないので、放射冷却される。鋳型
1とシリコン鋳塊との間には、0.5mm程度の隙間が
でき、鋳型1を逆さにして底部材1bを外して鋳塊を軽
くたたくだけで、シリコン鋳塊を鋳型1bから容易に取
り出すことができた。またシリコン鋳塊を切断したとこ
ろ、結晶は鋳型の底部から概ね上向きに成長していた。
上述のシリコン融液の注湯、凝固、鋳塊の取り出しを5
回繰り返したが、鋳型に損傷は認められなかった。
組み合わせて、内寸230mm×230mm、深さ20
0mmとした図3に示す鋳型1を形成し、鋳型1の内面
に重量比で1.3:1の二酸化珪素粉末と窒化珪素粉末
をポリビニルアルコールの水溶液で溶かしたペーストを
はけ塗りして乾燥焼成した。なお、図3に示す鋳型は、
側壁1aと底1bを別体に形成し、側壁1aを支持部材
1C にボルト1dで固定すると共に、側壁1aと底1b
を受台1e上で組み立てたものである。このように支持
材1cを側壁1aの外側に設けて、ボルト1dで固定す
ると、側壁1aが極めて薄い場合でも、組立型鋳型を形
成できる。
イトフェルトを巻いて断熱した角形鋳型をシリコン鋳造
装置に設置して21Kgのシリコン融液を注湯し、鋳型
1の上方に設置した発熱体で鋳型1とシリコン融液を加
熱し、鋳型の底部1bを冷却してシリコン融液を凝固さ
せて冷却した。この場合も上記実施例と同様の効果が得
られた。
組み合わせて、内寸230mm×230mm、深さ20
0mmとした図4に示す鋳型1を形成し、鋳型1の内面
に重量比で1.3:1の二酸化珪素粉末と窒化珪素粉末
をポリビニルアルコールの水溶液で溶かしたペーストを
はけ塗りして乾燥焼成した。なお、図4に示す鋳型は、
側壁1aと底1bを別体に形成し、底1bの溝1f部分
に側壁1aを立てて、くさび1gで固定したものであ
る。
イトフェルトを50mm程度の厚さで巻き付けて側壁部
1aを充分に断熱した角形鋳型をシリコン鋳造装置に設
置して21Kgのシリコン融液を注湯し、鋳型1の上方
に設置した発熱体で鋳型1とシリコン融液を加熱し、鋳
型1の底部1bを冷却してシリコン融液を一方向性凝固
させて冷却した。冷却後、容易に離型することができ
た。この鋳型1を20回繰り返して使用した結果、側壁
部1aが消耗して少し薄くなったが、離型性には全く問
題なかった。
造用鋳型によれば、鋳型の材料として炭素繊維強化炭素
材料を使用することから、テーパーの無い一体型の鋳型
が使用できる。また組立型の鋳型としても、毎回の組立
作業や分解作業は必要なく、一度組み立てた後は、分解
することなく鋳塊を取り出すことができる。
上からの加熱のみで結晶の成長方向が概ね上向きとな
り、従来の方法に比べ大幅に熱量が節約できる。また従
来のように、鋳型の側面を加熱する場合でも鋳型の側面
に加える熱量は従来法に比べて少なくなり、熱量が節約
できる。さらに鋳塊の単位時間当たりの生産重量を容易
に大きくできる。
を、二酸化珪素と窒化珪素を2:1〜0.5:1の割合
で混合したもので被覆すると、鋳塊を鋳型から容易に離
型できる。
を示す図である。
示す図である。
態を示す図である。
施形態を示す図である。
・・・断熱材
Claims (3)
- 【請求項1】 炭素繊維強化炭素材料から成るシリコン
鋳造用鋳型。 - 【請求項2】 前記鋳型側壁部の肉厚が1〜6mmであ
ることを特徴とする請求項1に記載のシリコン鋳造用鋳
型。 - 【請求項3】 前記鋳型側壁部の外側を断熱してこの鋳
型内にシリコン融液を注湯し、この鋳型の上方のみから
前記シリコン融液を加熱して凝固させることを特徴とす
るシリコンの鋳造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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-
1996
- 1996-03-28 JP JP07475496A patent/JP3752297B2/ja not_active Expired - Lifetime
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