JPH09263202A - エアバッグ - Google Patents

エアバッグ

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JPH09263202A
JPH09263202A JP8072141A JP7214196A JPH09263202A JP H09263202 A JPH09263202 A JP H09263202A JP 8072141 A JP8072141 A JP 8072141A JP 7214196 A JP7214196 A JP 7214196A JP H09263202 A JPH09263202 A JP H09263202A
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JP
Japan
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sewn
airbag
bag
sewing
center
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JP8072141A
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English (en)
Inventor
Yasunori Yuki
康式 結城
Tadao Shikanuma
忠雄 鹿沼
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアバッグが展張の際、段階的に拡大し得て
初期突出抑制機能に優れかつエアバッグ本体損傷の恐れ
がなく、その上低廉なエアバッグを提供すること。 【解決手段】 相対する二枚の円形状基布から形成され
る中空部と該基布が複数の個所で部分的に縫着されて成
り基布の中心に対し点対称な位置に配置された対をなす
縫着部とを有するエアバッグであって、該縫着部の形状
が基布の中心に向って凸状であり、縫着部間最短距離を
異にする対縫着部が少なくとも2以上存在することを特
徴とするエアバッグ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車が衝突した
際、乗員の身体を保護するためのエアバッグに関する。
より詳しくは、衝突と同時に展張したエアバッグが展張
初期の突出により乗員に損傷を与えることのないエアバ
ッグに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エアバッグには、衝突した際にバ
ッグ内圧の急増を防ぐため全面がゴム系膜材で被覆され
た袋状構造体のバッグに排気孔が設けられており、エア
バッグがガス発生装置(以下インフレーターと記す)か
ら噴出する熱ガスにより瞬時に展張するように設計され
ている。
【0003】しかし、乗員の座席位置や衝突状況などに
よっては、エアバッグが完全に展張する前に、乗員がエ
アバッグに接触する恐れがあった。即ち、インフレータ
ーから発生するガスにより、エアバッグが、その収納さ
れているケース、ふたなどを突き破って瞬間的に突出し
て乗員の身体にぶっかり、乗員が衝撃を受ける可能性が
あった。
【0004】このようなエアバッグ展張初期の乗員への
衝撃を避けるために、通常、エアバッグを構成する基布
同士を複数本の吊り紐型ストラップにより接合して、す
なわち、エアバッグ内に吊り紐型ストラップを設けるこ
とによってエアバッグ展張時の初期突出を抑制する方法
が採用されてきた。しかし、この方法によるときは、バ
ッグ展張時の衝撃を確実に負担できるように、吊り紐自
体を強力にし、かつ吊り紐のバッグ本体基布への固定
部、場合によってはその周辺部、などを強固な構造とす
る必要があった。それ故、この方法によるエアバッグ
は、エアバッグの製造工程中でも取り分け複雑とされる
吊り紐型ストラップ取付工程を余分に必要としエアバッ
グ製造コストが高くなるという問題があった。
【0005】このため、吊り紐型ストラップに替わる手
段として、バッグを構成する基布同士の一部を縫着など
により一時的に固定する方法、即ち、破断型ストラップ
が提案されるに至っている。この提案は、インフレータ
ーの点火によりエアバッグがその収納ケースから突出す
る際、インフレーターから噴出したガスによりバッグが
膨張するその過程で縫着されている部分の縫糸、接合材
などを破断、破壊することによりバッグの突出エネルギ
ーを吸収し、乗員がバッグに当接した時の衝撃をより軽
微なものとする方法である。
【0006】前記破断型ストラップ法は、例えば、特開
平6−305387号公報に開示されており、同号公報
ではバッグ本体の垂直方向に平行する2本の縫い線を設
けたエアバッグが提案されている。しかしながら、本発
明者らによるとこの提案による縫い付け形状のエアバッ
グは、インフレーターの出力によっては突出エネルギー
を十分に吸収することが困難である。
【0007】また、GB−2257952A号公報に
は、円形バッグ本体の放射方向に、ジグザグに垂直に折
れ曲がった形状(いわゆるキャスッル型)に縫い付ける
提案がなされている。この提案による場合は、縫い付け
部を破断するために比較的大きなエネルギーを必要とす
るため、バッグの突出をある程度抑えることはできる。
しかしながら、その反面、縫付部の弱くない組織の故に
エアバッグ本体を構成する基布に損傷を及ぼす恐れを生
じ、その上縫い付け形状が複雑であるため、製造工程に
形状管理のための工程付加を必要とする可能性があり、
さらに、縫い付け形状がバッグ本体の中心から外周に向
かって同じ形状であるため、縫い付けられた上下の基布
の解離距離が小さくなる外周部での破断が起こり難くな
ることが懸念される。
【0008】さらに、特開平7−125587号公報に
は、強力を異にする上糸、下糸を用いてくさび型に縫い
付ける仕様のエアバッグが提案されている。この提案に
よるエアバックの場合、くさびの先端部から破断し易
く、縫付部の形状としては目的にあった合理的な仕様と
考えられるが、この提案による方法では、前記上糸がよ
く滑るように工夫されているために、縫い付け位置によ
っては、縫い付け部が完全に破断しないかあるいはバッ
グが展張した後も縫い付け部の基布同士が縫着したまま
となることが懸念され、従って期待するバッグの突出抑
制効果が得られないか、あるいは展張時のバッグ容量を
減少させる可能性を有するのである。
【0009】以上、詳述したように、従来種々のエアバ
ッグが提案されているにもかかわらず充分満足し得るエ
アバックは提案されるに至っていなかったのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、展張
の際、エアバッグが段階的に拡大し得て、初期突出抑制
機能に優れかつエアバッグ本体損傷の恐れが無く、その
上低廉なエアバッグを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記本発
明課題を達成するために、エアバッグの初期突出抑制機
能とそのバッグ損傷に与える影響、前記突出抑制機能と
バッグ展張時の乗員の衝突エネルギーの受容能との関係
などの観点から鋭意研究した結果、意外にも縫着部の形
状に加え縫着部間に特定の関係を成立させたときに前記
本発明課題を達成し得るエアバッグが得られることを見
出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】即ち、本発明は、 1.相対する二枚の円形状基布から形成される中空部と
該基布が複数の個所で部分的に縫着されて成り基布の中
心に対し点対称な位置に配置された対をなす縫着部とを
有するエアバッグであって、該縫着部の形状が基布の中
心に向って凸状であり、縫着部間最短距離を異にする対
縫着部が少なくとも2以上存在することを特徴とするエ
アバッグ、 2.対縫着部間最短距離(A)を小さいものから順にA
1 ,A2 ──,An とするとき、An+1 がAn の1.2
倍〜1.8倍であることを特徴とする前項1記載のエア
バッグ、 3.対縫着部を構成する縫い糸の強力を縫着部間最短距
離の小さいものから順にT1 ,T2 ,──,Tn とする
とき、Tn がTn+1 より小さくないことを特徴とする前
項1又は2記載のエアバッグ、である。以下において本
発明をさらに詳細に説明する。
【0013】本発明によるエアバッグは、相対する2枚
の円形状基布から形成される中空部を有する。また、前
記2枚の基布を部分的に縫着させた縫着部を有する。本
発明ではこの縫着部を基布の複数の個所で形成させる。
本発明によるエアバッグの前記縫着部は実質的に、基布
の中心に対し点対称な位置に配置され、対をなしている
縫着部である必要がある。また、本発明における縫着部
の形状は、基布の中心に向かって凸形状であることが必
要である。縫着部が基布の中心に対して直線状または凹
形状に形成される場合は、縫着部の離反、即ち、縫製部
の破断、接合部の破壊を円滑に行なうことが難しく、凸
形状になすことで前記初期突出抑制機能の発揮に有効な
エネルギー吸収性能を得ることができるのである。
【0014】本発明によるエアバッグにおける縫着部の
形状としては、基布の中心に対して凸形状であり、具体
的に好ましい形状としては、円孤、半円、双曲線、先端
部円形の棒状(U字型)または先端部矩形の棒状、先端
部鋭角のくさび、杭、矢印、矢尻の群から選ばれる形状
を挙げることができるが、必要があればこれらに限定さ
れない凸形状であっても差支えない。
【0015】また、本発明における縫着部はエアバッグ
を構成する基布の複数の個所において、相対する位置に
設けられるが、その個数は4個所以上であることが好ま
しく4〜12個の中から選定することがより好ましく、
各縫着部の形状は同じであってもよく、また位置によっ
て形状を変えても良い。本発明においては、形成させる
縫着部の基布上における位置が本発明の目的を達成する
ために、極めて重要である。本発明では、複数の縫着部
が基布の中心を挟んで相対する位置に形成され、対をな
すように形成され、縫着部間の最短距離が異なる複数の
対縫着部の群を設けることが、バッグの初期突出を段階
的に抑制、制御する上で極めて重要である。この点にお
いて従来の縫着方法によるエアバッグ、即ち、全ての縫
着部が基布の中心に対し点対称に同じ位置に形成されて
いるエアバッグの場合は、バッグの展張に応じて縫着部
がほぼ同時に破断するため、バッグの突出エネルギー吸
収効果は認められるものの、インフレーター出力や展張
環境(例えば低温の場合)によっては、縫着部の破断が
円滑に進行しない可能性を潜在的に有するのである。
【0016】これに対し、本発明によるエアバッグの場
合は、中心からの位置が異なった複数の縫着部群が、バ
ッグの展張に応じて、即ち、バッグの内圧上昇に応じ
て、中心からの最短距離が小さい縫着部から順に大きい
縫着部へと段階的に破断させることができるのである。
その結果、バッグの突出も段階的に行なわれ、縫着部の
破断エネルギーがバッグの突出抑制に極めて有効に使わ
れることとなり、バッグの展張速度も遅くなって乗員へ
の衝撃を緩和させ得るのである。また、本発明によるエ
アバッグは縫着部の破断時に発生する基布の破損も非常
に少なく、かつバッグの展張が確実に行なわれるという
極めて優れた特徴をも有する。
【0017】本発明においては、基布の中心を挟んで相
対する位置にある複数の縫着部群のうち、前記対縫着部
間の最短距離(A)を小さいものから順にA1 、A2
──、An 、とするとき、An+1 がAn の1.2倍〜
1.8倍、より好ましくは1.3倍〜1.7倍の範囲と
することが望まし。An+1 がAn の1.2倍より小さく
ても、1.8倍より大きくても、いずれの場合も、段階
的な突出抑制が難しくなる恐れがあるからである。
【0018】さらに、本発明においては上記複数の縫着
部群の縫着部を構成する縫い糸の強力を縫着部間の最短
距離の小さいものから順にT1 、T2 、──、Tn とす
るとき、Tn がTn+1 より小さくないようにすることも
本発明の効果をより高め得る点で特に好ましいことであ
る。本発明におていは、前記対縫着部間最短距離が大き
いもの程、縫着部の縫い糸の強力を低くすることによ
り、バッグの外周に位置する縫着部ほど破断強力を小さ
くし、より弱い力で縫着部が破断するようになせるので
2枚の基布の解離を容易におこなえるのである。
【0019】本発明によるエアバッグの縫着部は、上述
した特定の関係を満足するように形成されるのである
が、さらに、前記対縫着部間最短距離Aの最小値Amin.
が円形状基布の半径をRとしたとき、0.3R〜0.5R
となるように形成させることがより好ましい。本発明者
らはAmin.を有する対縫着部を、このように形成させる
ことで、初期突出抑制機能をより高め得ることを確認し
得たのである。
【0020】さらにまた、本発明によるエアバッグにお
いては、全縫着部群の中の、最も外周に近い縫着部、即
ち、縫い付け端部の位置を外周から0.1R〜0.4R
とすることがより好ましく、このようにすることでエア
バッグ展張に際して縫着部を残すことなく完全に破断さ
せることができる。ここで外周とは、2枚の相対する基
布が接合され袋状体を形成する接合線をいう。
【0021】本発明になるエアバッグにおける部分的な
縫着部の形成は、通常、2枚の円形基布の外周を接合し
て得られたエアバッグを平面に拡げた状態で、縫製、接
着、またはこれらの併用などにより実施すれば良い。場
合によっては、部分的に折り畳むか、重ねてから縫着し
ても良い。縫着部の形成を縫製による場合は、150d
〜3000dの太さの縫い糸により、本縫い、二重環縫
い、などにより縫い付ければ良く、例えば、本縫いで
は、上糸または下糸のどちらか一方を他方より細い糸と
することがより好ましく、このようにすることで、縫着
部の破断をより円滑に、連続的に行なうことができる。
また、基布強力を考慮して、縫い糸が破断する様に、イ
ンフレーター出力、バッグ形状などから縫い糸の太さを
選定して差支えない。縫い糸のピッチも、縫い糸の太
さ、縫仕様に応じて、1〜5mm/ピッチから選べば良
い。
【0022】接着による場合も、用いる接着剤を抑制す
べき突出エネルギーに見合う剥離接着力が得られる接着
剤の中から適宜選定して良く、例えば、シリコーン樹脂
またはシリコーンゴム、ポリウレタン樹脂またはポリウ
レタンゴム、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
イソシアネート化合物、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
ハロゲン化樹脂またはハロゲン化ゴムなどの、熱硬化
型、湿気硬化型、紫外線硬化型、ホットメルト型、反応
性ホットメルト型接着剤などから選んでもよい。しかし
ながら本発明では、特にこれらに限定するものではな
い。
【0023】本発明のエアバッグ本体の製造方法は、2
枚の円形状に裁断された基布を縫製、接着、加熱圧着、
加硫、などの方法、またはこれらの併用、あるいは製
織、製編によりバッグ構造を作成する方法などいずれの
方法によっても良い。本発明のエアバッグを構成する2
枚の基布の形態は、真円もしくはこれに近い円形であっ
てよいが、真円でない場合、例えば、長円、楕円、変形
円(例えば、織物の糸軸長さとバイアス軸長さが等しく
無い場合の変形円)などをも含むものとする。これらの
真円でない場合は、該円が真円とした時の中心点をもと
に縫着部間の距離や本体基布内の相対的な位置を決めれ
ば良い。
【0024】従って、本発明では、エアバッグの形状
を、特に限定するものではなく、円形、球形、楕円形で
あってもよく、その他用途に応じて適宜選定すれば良
い。本発明によるエアバッグは運転席用、助手席用、後
部座席用、サイド用、などいずれの用途のエアバッグに
用いても、既述の優れた性能の発揮を期待し得る。本発
明によるエアバッグは、前記各用途のエアバッグのうち
運転席用円形エアバッグとして特に好ましく用い得る。
【0025】本発明のエアバッグを構成する基布の糸条
は、インフレーターから噴出する高温ガスや飛散物の衝
撃に耐え得るものであれば良く、特に限定するものでは
ないが、例えば、ナイロン6、66、46などのポリア
ミド繊維、パラフェニレンテレフタルアミドおよび芳香
族エーテルとの共重合体などに代表されるアラミド繊
維、全芳香族ポリエステル繊維、ビニロン繊維、超高分
子量ポリエチレンなどのポリオレフィン繊維、ポリオキ
シメチレン繊維、パラフェニレンサルフォンあるいはポ
リエーテルサルフォンなどのサルフォン系繊維、ポリエ
ーテルエーテルケトン繊維、ポリイミド繊維、ポリエー
テルイミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、セラミックス
繊維、金属繊維などの無機繊維、綿、レーヨンなどのセ
ルロース繊維、絹、羊毛などの蛋白質系繊維などを、単
独または混合併用して得られる長繊維、短繊維または混
合繊維から作成される織物、編組成、不織布、メッシュ
状布帛、紙、シートなどの一種または二種、更にはこれ
らの複合積層材などいずれでも良い。また、力学的等方
性を付与するため、多軸(三軸、四軸)の布帛を単独ま
たは他の布帛と併用しても差支えない。
【0026】本発明によるエアバッグの縫着部の縫い糸
も、エアバッグに使用する上記各種繊維材料から必要に
応じて選定すれば良い。本発明のエアバッグおよび縫着
部の縫い糸に使用する繊維糸状には、紡糸性や加工性、
材質の耐久性を改良するために通常使用されている各種
の添加剤である、例えば耐熱安定性付与剤、酸化防止
剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、撥水剤、撥油
剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、防
炎剤、可塑剤、などの一種または二種以上を使用しても
良い。また、場合によっては、加撚、嵩高加工、捲縮加
工、捲回加工などの加工を施してある糸条でも良い。更
に、糸条は長繊維フィラメント糸、短繊維の紡績糸、こ
れらの複合糸であっても良い。
【0027】また、本発明によるエアバッグの排気方式
も、排気孔排気、全面基布排気、部分基布排気およびこ
れらの併用などいずれでも良い。さらにまた、必要に応
じて、エアバッグに不通気加工を施す場合は、通常エア
バッグに使用されているクロロプレンゴムなどをコーテ
ィング、浸漬、プリント、スプレーあるいはラミネート
などにより付与すれば良いが、処理剤としては、クロロ
プレンゴム以外にも、例えばシリコーン系、ウレタン
系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリアクリル系、
ポリオレフィン系、含ハロゲンポリオレフィン系、フッ
素系、クロロスルフォン化ポリオレフィン系、エチレン
/プロピレン共重合系などのエラストマー類から適宜選
んで使用して良い。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を実施例によりさ
らに具体的に説明する。なお以下の実施例においては破
断型ストラップの機能を次の方法で評価した。すなわ
ち、モートン社製インフレーター(TYPE−8)、固
定金具、樹脂製ケースを使用し、エアバッグをモジュー
ルに組み込み、室温で展張試験を行ない、高速度カメラ
にて撮影した画像によりバッグの最大突出高さを求め、
それを解析することで評価した。また、展張後のバッグ
本体布の状態も観察により評価した。
【0029】
【実施例1】ナイロン66繊維420dからなる、経
糸、緯糸いずれの織密度も53本/吋のノンコート平織
物から、外径φ740mmの円形の基布を2枚溶融裁断
し、ステアリングホイール側の基布の中央に、別途用意
した耐熱コーティングされたφ200mmの円形補強布
を複数枚縫着し、インフレーター用取付口としてφ10
0mmの開口を設けた。また、所定の位置にやはり耐熱
コーティングされたベントホール用補強布を縫着し、φ
40mmのベントホールを2ケ設け。2枚の円形の基布
の外周をミシン糸で縫製して内径φ700mmのエアバ
ックを作成した。
【0030】バッグを表返しした後、乗員側の基布を下
側にしてバッグをミシン台にセットし、バッグ中心点に
対称に2対、計4ケ所のU字型の縫着部を形成した。第
1対目の縫着部は相対する縫着部の最短距離A1が28
0mm、縫着部の長さB1が120mm、縫着部の幅C
1が50mmの寸法で、ミシン糸はナイロン66繊維か
らなる糸で、上糸1260d、下糸840d、縫目間ピ
ッチ5mm、縫目は本縫いとした。第2対目の縫着部は
同様にA2=420mm、B2=70mm、C2=50
mm、上糸=1260d、下糸=420d、縫目間ピッ
チ5mmの本縫いとし、バッグ中心点に対して第1対目
の縫着部と90度の角度をなす位置に形成した。本実施
例によるエアバッグの縫着部の縫着位置を平面図で図1
に示した。
【0031】得られたエアバッグを前記方法により評価
した結果、バッグの最大高さは後記吊紐型ストラップ付
のバッグ(比較例3)と同等に低く抑えられ、理想的な
展開形状を得ることができた。また、本実施例によるバ
ッグ本体の基布にもダメージは全く認められなかった。
【0032】
【実施例2】バッグ中心点に対称に4対、計8ケ所のU
字型の縫着部を作成した。第1対目の縫着部はA1=3
00mm、B1=120mm、C1=50mm、上糸=
1260d、下糸=420d、縫目間ピッチ=5mmの
本縫とし、バッグ中心点に対して各々90度の角度をな
す位置に4ケ所形成した。第2対目の縫着部はA2=4
80mm、B2=50mm、C2=50mm、上糸=1
260d、下糸=210d、縫目間ピッチ=5mmの本
縫とし、バッグ中心点に対して第1対目の縫着部と各々
45度の角度をなす位置に4ケ所形成した。その他は実
施例1と同様にバッグを試作し、評価を行った。
【0033】実施例1と比較すると、縫着部の数が多く
なった分、バッグの展開がより段階的に行われ、バッグ
の最大高さはより低く抑えられ、理想的な展開形状を得
ることができた。また、バッグ本体の基布にもダメージ
は全く見られなかった。本実施例によるエアバッグの縫
着部の縫着位置を平面図で図2に示した。
【0034】
【実施例3】バッグ中心点に対称に4対、計8ケ所のU
字型の縫着部を作成した。第1対目の縫着部はA1=2
60mm、B1=140mm、C1=50mm、上糸=
1260d、下糸=420d、縫目間ピッチ=5mmの
本縫とし、2ケ所形成した。第2対目の縫着部はA2=
340mm、B2=140mm、C2=50mm、上糸
=1260d、下糸=420d、縫目間ピッチ=5mm
の本縫とし、バッグ中心点に対して第1対目の縫着部と
90度の角度をなす位置に2ケ所形成した。第3対目の
縫着部はA3=440mm、B3=50mm、C2=5
0mm、上糸=1260d、下糸210d、縫目間ピッ
チ=5mmの本縫とし、バッグ中心点に対して第1対
目、及び第2対目の縫着部と各々45度の角度をなす位
置に4ケ所形成した。その他は実施例1と同様にバッグ
を試作し、評価を行った。
【0035】実施例1、及び実施例2と比較すると、縫
着部の数が多くなり、位置も3段階にずらして形成した
ため、バッグの展開が更に段階的に行われ、バッグの最
大高さは更に低く抑えられ、理想的な展開形状を得るこ
とができた。また、バッグ本体の基布にもダメージは全
く見られなかった。本実施例によるエアバッグの縫着部
の縫着位置を平面図で図3に示した。
【0036】
【比較例1】バッグ中心点に対して各々90度の角度を
なす位置に、4ケ所のU字型の縫着部をバッグ中心から
等距離の位置に作成した。相対する縫着部の最短距離A
1=280mm、B1=120mm、C1=50mm、
上糸=1260d、下糸=840d、縫着間ピッチ=5
mmの本縫とした。その他は実施例1と同様にバッグを
試作し、評価を行った。
【0037】4カ所の縫着部の位置がバッグ中心から等
距離にあり、且つミシン糸も太いため、縫着部が切れ始
める瞬間のバッグ内圧が高くなり、バッグ本体の基布に
ダメージが見られた。また、バッグ内圧が高くなってか
ら縫着部の破断が急激に起こるため、かえってバッグの
飛び出し速度は高くなり、バッグの最大高さも高くなっ
た。
【0038】
【比較例2】バッグ中心点に対称に4対、計8ケ所のU
字型の縫着部を作成した。第1対目の縫着部はA1=2
60mm、B1=120mm、C1=50mm、上糸=
1260d、下糸=420d、縫目間ピッチ=5mmの
本縫とし、バッグ中心点に対して各々90度の角度をな
す位置に4ケ所形成した。第2対目の縫着部はA2=5
00mm、B2=50mm、C2=50mm、上糸=1
260d、下糸=210d、縫目間ピッチ=5mmの本
縫とし、バッグ中心点に対して第1対目の縫着部と各々
45度の角度をなす位置に4ケ所形成した。その他は実
施例1と同様にバッグを試作し、評価を行った。
【0039】実施例2と比較すると、縫着部の切れ始め
の展張挙動はほぼ同等であるが、第2対目の位置が第1
対目から離れすぎているため、バッグの展開エネルギー
を十分に吸収できず、バッグの最大高さは高くなった。
【0040】
【比較例3】縫着部は設けずに、従来の吊紐型ストラッ
プ(420d、46本/吋、シリコンコート布、幅70
mm、1本の長さ260mm)を取付口補強布とバッグ
の乗員側基布とを繋ぐように2本縫着し、その他は実施
例1と同様にバッグを試作し、評価を行った。
【0041】バッグの最大高さは低く抑えられ、理想的
な展開形状である。
【0042】
【比較例4】実施例1において、ストラップを設けずに
バッグを試作し、評価を行った。バッグが展開時に大き
く突出し、乗員の座席位置や衝突状況によっては、バッ
グが乗員に衝撃を与える可能性がある。
【0043】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例のエアバッグの縫着位置を
示す平面図。
【図2】本発明による他の実施例のエアバッグの縫着位
置を示す平面図。
【図3】本発明による他の実施例のエアバッグの縫着位
置を示す平面図。
【符号の説明】
1 エアバッグ 2 インフレーター取付口 3 インフレーター取付口補強布 4 縫着部の縫目部 5 エアバッグ基布の中心点 A1 基布の中心を挟んで相対する位置にある一対の縫
着部間の最短距離の内、最も短いもの A2 基布の中心を挟んで相対する位置にある一対の縫
着部間の最短距離の内、2番目に短いもの A3 基布の中心を挟んで相対する位置にある一対の縫
着部間の最短距離の内、3番目に短いもの
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】また、GB−2257952A号公報に
は、円形バッグ本体の放射方向に、ジグザグに垂直に折
れ曲がった形状(いわゆるキャッスル型)に縫い付ける
提案がなされている。この提案による場合は、縫い付け
部を破断するために比較的大きなエネルギーを必要とす
るため、バッグの突出をある程度抑えることはできる。
しかしながら、その反面、縫付部の弱くない組織の故に
エアバッグ本体を構成する基布に損傷を及ぼす恐れを生
じ、その上縫い付け形状が複雑であるため、製造工程に
形状管理のための工程付加を必要とする可能性があり、
さらに、縫い付け形状がバッグ本体の中心から外周に向
かって同じ形状であるため、縫い付けられた上下の基布
の解離距離が小さくなる外周部での破断が起こり難くな
ることが懸念される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】本発明のエアバッグを構成する基布の糸条
は、インフレーターから噴出する高温ガスや飛散物の衝
撃に耐え得るものであれば良く、特に限定するものでは
ないが、例えば、ナイロン6、66、46などのポリア
ミド繊維、ポリエチレンテレクタレート、ポリブチレン
テレクタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリ
エステル繊維、パラフェニレンテレフタルアミドおよび
芳香族エーテルとの共重合体などに代表されるアラミド
繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ビニロン繊維、超高
分子量ポリエチレンなどのポリオレフィン繊維、ポリオ
キシメチレン繊維、パラフェニレンサルフォンあるいは
ポリエーテルサルフォンなどのサルフォン系繊維、ポリ
エーテルエーテルケトン繊維、ポリイミド繊維、ポリエ
ーテルイミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック
ス繊維、金属繊維などの無機繊維、綿、レーヨンなどの
セルロース繊維、絹、羊毛などの蛋白質系繊維などを、
単独または混合併用して得られる長繊維、短繊維または
混合繊維から作成される織物、編組成、不織布、メッシ
ュ状布帛、紙、シートなどの一種または二種、更にはこ
れらの複合積層材などいずれでも良い。また、力学的等
方性を付与するため、多軸(三軸、四軸)の布帛を単独
または他の布帛と併用しても差支えない。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対する二枚の円形状基布から形成され
    る中空部と該基布が複数の個所で部分的に縫着されて成
    り基布の中心に対し点対称な位置に配置された対をなす
    縫着部とを有するエアバッグであって、該縫着部の形状
    が基布の中心に向って凸状であり、縫着部間最短距離を
    異にする対縫着部が少なくとも2以上存在することを特
    徴とするエアバッグ。
  2. 【請求項2】 対縫着部間最短距離(A)を小さいもの
    から順にA1 ,A2──,An とするとき、An+1 がA
    n の1.2倍〜1.8倍であることを特徴とする請求項
    1記載のエアバッグ。
  3. 【請求項3】 対縫着部を構成する縫い糸の強力を縫着
    部間最短距離の小さいものから順にT1 ,T2 ,──,
    n とするとき、Tn がTn+1 より小さくないことを特
    徴とする請求項1又は2記載のエアバッグ。
JP8072141A 1996-03-27 1996-03-27 エアバッグ Pending JPH09263202A (ja)

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