JP2004352088A - エアバッグの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着後に反転が可能で、位置決めが容易なエアバッグの製造方法を提供する。
【解決手段】エアバッグの製造方法として、ガス導入口21と排気口22とが形成されてなる第1の基布部11と、第2の基布部12とが周縁部14で袋状をなした後に第1、第2の基布部11,12の周縁部14がエアバッグ1の内側になるように折り返されてなり、ガス導入口21から離間された部位には遮蔽結合部33を形成してなり、遮蔽結合部33は、第1、第2の基布部11,12を離反方向に重ねる第1工程と、第1,2の基布部11,12の一方に中間接着体30を付与する第2工程と、第1、第2の基布部11,12の内面側を対向させる第3工程と、第1、第2の基布部11,12の中間接着体30を付与された側を他側に接着する第4工程と、により形成されてなる。
【選択図】 図1
【解決手段】エアバッグの製造方法として、ガス導入口21と排気口22とが形成されてなる第1の基布部11と、第2の基布部12とが周縁部14で袋状をなした後に第1、第2の基布部11,12の周縁部14がエアバッグ1の内側になるように折り返されてなり、ガス導入口21から離間された部位には遮蔽結合部33を形成してなり、遮蔽結合部33は、第1、第2の基布部11,12を離反方向に重ねる第1工程と、第1,2の基布部11,12の一方に中間接着体30を付与する第2工程と、第1、第2の基布部11,12の内面側を対向させる第3工程と、第1、第2の基布部11,12の中間接着体30を付与された側を他側に接着する第4工程と、により形成されてなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車の衝突時、乗員を保護するためのエアバッグに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、乗員保護用安全装置としてエアバッグシステムが普及してきており、運転席用から助手席用、側突保護用、後部座席用と装着部位も増えてきている。そして、搭載されるエアバッグの部位、数量が増えるにつれエアバッグ装置の軽量化、小型化が求められ、それに応じた設計がなされてきている。例えば、エアバッグ装置を構成する部品の中で最も重量の大きいインフレーター(ガス発生器)も軽量化、小型化の検討がなされ、従来より少ない薬剤量、ガス量を充填した製品も開発されている。しかし、薬剤やガス充填量を少なくすると、発生するガス量も減少する。通常、エアバッグには、ガスを排気する円孔状の排気口(ベントホール)が設けられており、展開初期にもこの排気口からガスが抜け出ることは避けられない。そこで、インフレーターが供給するガスを、エアバッグの膨張に有効に使うことが望まれ、一時的に排気口を閉塞し、エアバッグの内圧が上昇した時に開口するような構成が知られている(例えば、特許文献1、2,3参照。)。エアバッグは、エアバッグの乗員側への突出高さを調整し、所望の展開特性を実現するため、エアバッグの内部に展開形状を調整するためのテザーあるいはストラップなどと呼ばれる吊り紐を設けること構成が知られている。また、このような吊り紐に代わる構成として、例えば、運転席用のエアバッグのリヤパネルとフロントパネルとをインフレーターのガス熱で接着が解除する接着剤で結合する構成やインフレーター側布と乗員側布とを、エアバッグの展開圧力により破断する制御用縫製により縫合する構成が示されている(例えば、特許文献4,5参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−268214号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平7−205738号公報
【0005】
【特許文献3】
特開2002−59803号公報
【0006】
【特許文献4】
特開平6−298025号公報
【0007】
【特許文献5】
特開平8−156730号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、接着すること自体は、縫製より自動化に適する上、縫いによる基布部のダメージ、縫い目への応力集中といった問題を解決できるので、意義があるものの、エアバッグの内部を接着により結合することは接着剤の塗布がしにくく、エアバッグを反転させて外周のいわゆる耳部を露出させて接着後再び反転させて耳部を内側に入れることはなかなか困難であり、耳部を露出させたままにすることは見栄えが悪く、危険感を与えるおそれもある。
【0009】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、接着後に反転が可能で、位置決めが容易なエアバッグの製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、エアバッグの製造方法として、ガス導入口を有すると共に周縁部及び前記ガス導入口の間に排気口が形成されてなる第1の基布部と、該第1の基布部に対向して配される第2の基布部とが周縁部で接合されて袋状をなした後に第1及び第2の基布部の周縁部の端末がエアバッグの内側に収容されるように折り返されてなり、前記ガス導入口から離間された部位には、少なくとも前記排気口の縁部のガス導入口に面する部分を遮って第1及び第2の基布部が接着結合されてなる遮蔽結合部を形成してなり、該遮蔽結合部は、第1の基布部及び第2の基布部のエアバッグ内面側を離反方向に重ねる第1工程と、第1の基布部の排気口周縁部と第2の基布部の排気口周縁対向部の少なくとも一方に中間接着体を付与する第2工程と、第1の基布部及び第2の基布部の外周縁部を接合して第1の基布部及び第2の基布部の内面側を対向させる第3工程と、第1の基布部及び第2の基布部の中間接着体を付与された側を他側に接着する第4工程と、により形成されてなり、第1の基布部の排気口周縁部と第2の基布部の排気口周縁対向部との少なくとも一方に中間接着体を付与する工程における、付与された中間接着体は、付与時に接着力の一部を活性化させてなることを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、第2工程において、一の中間接着体は第1の基布部か第2の基布部の一方のみにしか接着されていないので、第1の基布部と第2の基布部との接着の後に反転が可能で、周縁部がエアバッグの内側に位置させることができるので、見栄えが向上するばかりか、位置決めが容易となる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記第1の基布部の排気口周縁部と第2の基布部の排気口周縁対向部の少なくとも一方に中間接着体を付与する工程において、第1の基布部又は第2の基布部と、非接着性樹脂との間に中間接着体を挟んで接着させることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、中間接着体は非接着性樹脂により一方のみにしか接着されていないので、エアバッグの反転時に第1の基布部または第2の基布部の何れか他方に接着せず、スムーズな反転が可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1の実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
【0015】
この第1の実施形態のエアバッグ装置2は、図示しない自動車のステアリングホイール本体のボス部に装着され、被保護物である乗員を衝突の衝撃から保護するようになっていて、支持部材を構成するベースプレート3と、このベースプレート3に取り付けられる前記エアバッグ1、ガスを噴射するインフレーター4、図示しないリテナー及びカバー体などとから構成される。なお、ステアリングホイール本体は、通常傾斜したステアリングシャフトに取り付けられ、傾斜した状態で用いられるものであるが、以下、エアバッグ装置2が取り付けられた側を上側、乗員側、あるいは正面側とし、乗員側の反対側を下側、あるいは背面として説明する。
【0016】
前記エアバッグ1は、ノンコートで目付200g/m2のポリアミド6・6の織布からなる2枚の第1の基布部11と第2の基布部12とを円形に裁断して形成されている。第1の基布部11の中心には、インフレーター取付口であるガス導入口21が形成され、該ガス導入口21に離間した位置には2個の排気口22,22が形成されている。ガス導入口21の周縁には、1枚あるいは複数枚の円環状の補強布25が重ねられて取付け接合部27により設けられている。
【0017】
前記エアバッグ1の製造方法について、次に説明する。
【0018】
350dtexのナイロン66繊維からなる平織物を精練、セットし、織密度が経、緯いずれも24.4本/cmである基布部から、円形基布部を2枚(第1基布部11、第2基布部12)裁断すると共に第1基布部11には、ガス導入口21、排気口22,22を形成し、ガス導入口21には別途準備した補強布25を取付け接合部27により設けている。前記第1の基布部11面に設けた排気口22と補強接合部35とには、リング状に裁断した中間接着体である接着性シート30を貼り付ける。接着性シート30として、片面に剥離紙(図示していない)を設けてなる厚さ約0.35mmのSOTEFA70(東レダウコーニングシリコーン社製の接着性シリコーン樹脂シート)を用いている。
【0019】
図5(1)では、第1基布部11面に接着性シート30を貼った後、表面にフッ素樹脂などによる易剥離加工を施した加熱プレス板61,62の間に置き、150度で2分間、約490kpaの圧力で熱処理をし、第1の基布部11と接着シート30とを接着する(第1プレス)。
【0020】
次いで、図5(2)に示すように、接着シート30を貼り付けた第1の基布部11を第2の基布部12の上に重ね、外周を二重環縫い(2列)にて縫製する。この2枚の接合体を、ガス導入口21から第2の基布部を引っ張り出すようにして反転させることで、図5(3)に示す袋体を得る。
【0021】
この時、接着シート30および第1の基布部11と第2の基布部12との外縁接合部15は、袋体の反転とともに、袋体の内側すなわち気室16内に移動する。次いで、接着シート30の上面に残っている剥離紙を剥がし、再び、第1の基布部11と第2の基布部12とを重ね合せて、加熱プレス61,62の間に置き、接着シート30によりそれぞれの第1の基布部11と第2の基布部12とを接着させる(第2プレス)。
【0022】
次に、図5(4)に示すように、第1の基布部11と第2の基布部12とは、遮蔽結合部33と補強結合部35とにより接合されている。このように、遮蔽結合部33と補強結合部35とが接着可能な接着性シート30を用いることにより、第1の基布部11と第2の基布部12とは、周縁部14同士の周縁接合部15が気室16内に位置し、かつ遮蔽結合部33と補強結合部35とを併せもったエアバッグ1が容易に、且つ簡便な工程により得ることができる。
【0023】
本発明で用いる接着性シート30は、両面に接着性もしくは粘着性を有するものであるが、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などで表面処理した剥離性、離型性に優れる保護材を用い、加圧、加熱、照射などにより接着、粘着性が発現する材料を用いる、などにより、エアバッグ1の反転前、反転後の二回の接着工程でも接着性、粘着性を保持し得る材料を適用することが必要である。
【0024】
接着性シート30として、たとえば、粘着テープ、感圧型接着シート材、感熱型接着シート材、ホットメルト樹脂(反応形型も含む)、光(UV、IR)反応型樹脂などがあり、接着剤成分としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂(変性シリコーン、湿気硬化型も含む)、ポリウレタン樹脂(湿気硬化型も含む)、ポリアミド樹脂(共重合型も含む)、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂(共重合型も含む)、ポリオレフィン系樹脂などの樹脂系接着剤、SBRゴム、NBRゴム、ブチルゴム、ポリウレタンゴム、クロロプレンゴム、ハイパロンゴム、クロルヒドリンゴム、ポリオレフィン系ゴムなどのゴム系接着剤があるが、これらの混合、あるいは各種変性物を使用してもよく、これらに限定するものではない。接着性シート30は、これらの接着性材料自体から形成されたシート材を用いてもよいし、樹脂、紙、布帛、不織布、などのフィルム、箔、テープ、ネット、メッシュあるいはこれら複数の積層体を基材とし、この両面にこれらの接着性材料を塗布、貼合せ、積層などにより一体形成した両面接着シートを用いてもよい。該接着性シート30の両面に施す接着性材料は、同じ物でもよいし異なった物でもよい。また、接着性シート30の少なくとも片面には、接着性シート30の表面への接触を防ぎ、除去することにより接着性シート30の表面の接着性を発現させる剥離紙、離型シートなどの保護材を用いることは好ましい。さらに、反転前の接着性を向上させるため、接着層の上に粘着層を設けてもく、作業性の点から、反転前は粘着により第1の基布部11に固定し、反転後に加熱、加圧などにより完全接着させるようにしてもよい。接着性シート30の接着材層の厚さは、要求される遮蔽性、接着性、などに応じて選定すれば良いが、両面層を併せて0.02〜0.5mmの範囲とすれば良い。
【0025】
上記の実施の形態では、遮蔽結合部33は、排気口22を密閉するように、排気口22と相似の円環状に形成したが、この構成に限られず、遮蔽結合部33の形状を含む接着力の設定は、被接着材となる第1の基布部11と第2の基布部12との仕様、表面状態、接着性シート30の貼布形状、あるいはバッグ仕様、容量、およびインフレーター4の性能、などにより選定する。例えば、排気口22と相似形状の他、四角形、多角形、楕円形状、長円形状、あるいはこれらの複合型など排気口22を密閉する他の形状の環状としても良い。なお、通常の排気口22については、例えば、接着性シート30を排気口22の直径の1.2〜3倍のドーナツ状に裁断して用いれば良い。
【0026】
また、ガス導入口21を囲み、エアバッグ1を支持部材に固定する取付部24が形成されている。そして、この取付部24には、補強布25が重ねられ、縫い糸などの取付接合部27で接合されているとともに、ガス導入口21を囲み、複数の取付孔28が形成されている。さらに、図示しないが、各排気口22についても、円環状の補強布が重ねられ、縫い糸などの取付接合で接合されている。なお、図1に示すAは、第1基布部11の織目の方向を示すものである。
【0027】
そして、このエアバッグ装置2は、エアバッグ1内に配置したリテナーとベースプレート3との間に、エアバッグ1の取付部24とインフレーター4のフランジ部およびベースプレート3に形成した取付孔に挿通し、ナットで締め付けることにより、エアバッグ1がベースプレート3に取り付けられる。そして、エアバッグ1を折畳んだ状態で、カバー体を被せ、このカバー体をベースプレート3に固定することにより、エアバッグ装置2が構成される。
【0028】
そして、このエアバッグ装置2を備えた自動車に衝撃が加わると、制御ユニットによりインフレーター4が起動し、ガス導入口21からエアバッグ1内にカスが供給される。すると、展開初期においては、図3に示すように、接合部31すなわち遮蔽結合部33および補助結合部35が第1基布部11と第2基布部12とを接合しているため、エアバッグ1の正面側すなわち乗員側への突出寸法が制御され、さらに、遮蔽結合部33により第2基布部12が各排気口22を閉塞しているため、ガスは漏出することなくエアバッグ1の膨張に利用され、周縁部14まで迅速に供給され、小さな容量のエアバッグ1が迅速に扁平に膨張展開する。
【0029】
次いで、ガスが供給され、エアバッグ1の気室16の内圧が所定の値以上になると、接合部31すなわち遮蔽結合部33および補助結合部35が破断すなわち剥離して、気室16の容量が増大し、乗員が当接するバッグ表面が拡大し、図4に示すように、エアバッグ1の気室16の最大容量まで展開する。さらに、遮蔽結合部33が破断した状態で、各排気口22が気室16に直接に連通する全開状態となり、乗員が当接した際などに、気室16内のガスの迅速な排気が容易になる。
【0030】
このように、本実施の形態によれば、インフレータ4が供給するガスをエアバッグ1の膨張に有効に活用できるとともに、展開初期のエアバッグ1の突出寸法を抑制して展開特性を調整できるエアバッグ1を、容易にすなわち安価に提供できる。また、第1基布部11と第2基布部12の周縁部14同士の周縁接合部15が気室16内に位置しているため、エアバッグ1が展開し、乗員がエアバッグ1に当接する際、乗員の顔や腕などが擦過により加害される懸念がない。すなわち、展開形状を調整するための吊り紐などの複雑な構造を用いることなく、接着性シート30を貼った遮蔽結合部33により、ガスの有効利用と展開特性の調整との二つの効果を単一の構成で実現でき、構成および製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。また、エアバッグ1の展開特性を調整する補助結合部35についても、接着性シート30により遮蔽結合部33と同時に形成でき、製造コストを低減できる。
【0031】
また、インフレータ4から噴出されるガスを有効に利用できるようにするため、容量の小さい小型のインフレータ4を用いることも可能であり、エアバッグ装置2を小型化できる。
【0032】
本発明に用いる接着性シート30は、第1の基布部11と第2の基布部12とを離反可能に接着する遮蔽結合部33に適用されるものであり、接着性シート30の両面に接着性を有することが肝要であり、該接着性シート30を用いることにより、接着型エアバッグでありながら、外周の周縁接合部15を気室16内に配置させることができる。すなわち、通常の接着剤を適用する場合は、第1の基布部11と第2の基布部12の間に接着剤を施し、二枚の基布部11,12を密着し、加圧、加熱などにより接着するとエアバッグ1の基布部11,12同士が接着し、エアバッグ1を反転させることができない。本発明では、両面テープの様に、両面に接着性を有する接着性シート30を用いることにより、接着型バッグでありながら、反転をさせることが可能で、反転により基布部11,12同士の周縁接合部15を気室16内に位置させることができる。すなわち、予め、第1の基布部11面もしくは第2の基布部12面に接着性シート30を接着固定もしくは粘着固定し、エアバッグ1の反転後に、接着性シート30を固定した第1の基布部11に対向する第2の基布部12に重ね合わせる時、接着性シート30の少なくとも片面は、第2の基布部12と接触、擦過しても接着あるいは粘着しないように隔離材を積層するか、室温の無加圧状態では粘着性、接着性を発現しない材料を用いることが肝要である。
【0033】
さらに、遮蔽結合部33は、形状を変化させ、あるいは接着力を各部で変化させて、ガス導入口21に向かう側すなわちガスの上流側の接着強度を高め、反対側すなわちガスの下流側の接着強度を相対的に弱め、離反導入部を形成することもできる。そして、この構成では、ガスの最初の吹き当りに効して接着を維持できるるとともに、例えば外周側に配置した離反導入部から剥離を生じさせ、第1基布部11から第2基布部12を円滑に開放することができ、ガスを効率的に利用できるとともに、扁平な展開形状から最大容量での展開形状への移行を円滑に達成できる。
【0034】
また、遮蔽結合部33は、ガス導入口21に向かう角部を設けるとともに、この角部から拡開するように案内部を形成し、いわばガス導入口21に向かって尖った尖塔状に形成することもできる。
【0035】
例えば、図6に示すように、ガス導入口21を中心とした円周に沿ってゆがませた略楕円形状(繭形)の遮蔽結合部33を2箇所に設けることができる。また、この構成では、遮蔽結合部33と同形状の補助結合部35が2箇所に形成され、遮蔽結合部33と補助結合部35とがガス導入口21を中心として周方向に等間隔で配置されている。
【0036】
また、例えば、図7に示すように、接合部31すなわち遮蔽結合部33および補助結合部35は、正方形状など四角形状とし、それぞれ1個の角部41をガス導入口21側すなわちインフレータ4が供給するガス流Gの上流に向けて配置することができる。そして、この構成では、接合部31の2辺が案内部42となり、接着強度を必要以上に高めることなく、ガスの最初の吹き当りに抗して接着を維持できる。
【0037】
あるいは、遮蔽結合部33は、実質的に排気口22が閉じた状態であれば、ガス導入口21に向かう側に形成し、排気口22の一部、例えばガス導入口21から導入されるガスの下流側に位置する部分は接着せず気室16に連通させておくこともできる。例えば、図8に示すように、遮蔽結合部33は、少なくとも排気口22の縁部のガス導入口21に面する半分を遮るように円弧状に形成し、ガス導入口21に対向する対向結合部51と、この対向結合部51の両側から周縁部14に向けて延在される一対の側部結合部52とを備え、これら側部結合部52の周縁部14に向かう端末部をそれぞれ離反導入部54とすることができる。
【0038】
また、図9に示すように、遮蔽結合部33は、ガス導入口21側すなわちインフレーター4が供給するガス流Gの上流側に向かう角部41を設けるとともに、この角部41か拡開するように案内部42を形成し、いわばガス導入口21に向かって尖った尖塔状に形成することもできる。
【0039】
そして、これら図8および図9に示す構成では、少なくとも排気口22の縁部のガス導入口21に面する半分を遮るように配置することにより、図10に示すように、ガスは、一旦エアバッグ1の気室16の周縁部14付近まで供給され、迅速に扁平に展開させることができる。さらに、これらの構成では、周縁部14に向かう端末部が離反導入部54となり、遮蔽結合部33を円滑に破断させることができる。
【0040】
また、上記の各実施の形態において、接合部31すなわち遮蔽結合部33および補助結合部35の他の接合部分も縫合などに代えて、接合部31と同じ接着性シートあるいは接着剤を用いて形成し、構造を簡略化して製造コストを低減することもできる。
【0041】
例えば、図11に示すように、取付部24の補強布25の取付接合部27を接着剤シートあるいは接着剤で構成し、また、各排気口22の補強布の取付接合部56についても、接着性シートあるいは接着剤で構成することもできる。
【0042】
また、単数あるいは複数形成された遮蔽結合部33に対して、反対側に補助結合部35を配置することにより、エアバッグ1を容易にバランス良く展開させることができる。例えば、図1などに示すように、2個所に遮蔽結合部33、33を配置した場合には、ガス導入口21を中心として、これら遮蔽結合部33、33同士の中心となる位置の反対側の1箇所に補助結合部35を設けることができる。また、図6に示すように、2箇所の遮蔽結合部33,33に対して、ガス導入口21を中心とする回転対称位置に、補助結合部35を設けることができる。さらに、例えば、図12に示すように、1箇所の遮蔽結合部33に対して、ガス導入口21を中心とする回転対称位置に、補助結合部35を設けることもできる。そして、このように、第1基布部11と第2基布部12とを仮接着する遮蔽結合部33および補助結合部35を、ガス導入口21を中心として互いに回転対称位置に配置することにより、ステアリングホイールの回転位置に係わらず、エアバッグ1を安定して展開させることができる。すなわち、本体基布部を構成する第1基布部11と第2基布部12とを、排気口22の周囲と同時にガス導入口21を中心として排気口22と反対側、とりわけ略対称の位置で仮接着することは、展開、膨張を均一に行うために好ましい。この場合の接着性シートの使用条件は、すなわちシート面積、接着剤層の厚さなどは、排気口22周囲と同じにしてもよく、異なった仕様にしてもよい。排気口22以外の個所で第1基布部11と第2基布部12とを仮接着する部位は、一箇所、または複数箇所いずれでもよい。
【0043】
また、排気口22を囲む補強布25を第1基布部11に接合して用いる場合には、遮蔽結合部33は、排気口22の補強布25の外域に形成し、本体基布部である第1基布部11と第2基布部12とを直接に仮接着することが好ましい。すなわち、第1基布部11と第2基布部12とが細い糸を用いた薄手の基布部で構成される場合、排気口22に補強布25を配設することにより、剥離する際の衝撃で排気口22の周縁部に加わる力による本体基布部への損傷を低減できる。従って、排気口22の補強部分には接着性シート30の剥離作用が及ばないようにすることが好ましく、接着性シート30の使用は、例えば、補強布25の外径の1.2〜2倍程度の区域にすればよい。なお、排気口22への補強布25の接合は、縫製、接着、溶着あるいはこれらの併用など、いずれの方法によってもよい。
【0044】
また、本発明のエアバッグ1を構成する本体基布部(基布部11、12)は、500デシテックス(450デニール)、好ましくは350デシテックス(315デニール)以下の細い糸を用いた、目付けが250g/m2以下、好ましくは200g/m2以下の織物を用いることが望ましい。350デシテックス以下の細い糸を用いることにより、軽く、小さく折畳むことができるエアバッグ1を提供できる。また、200g/m2以下の目付けである織物を用いることにより、軽いエアバッグ1を得ることができる。さらに、織物を構成する糸の太さ(デシテックス)と織物の打込み密度[本/cm]から求められるカバーファクター(CF)が800以上ある織物を使用することが好ましい。このカバーファクターが800未満の場合には、織物組織が粗い構造になるため、エアバッグ1が衝撃的に展開する際に、特に排気口22の周囲の基布部が織物の組織ずれを起こし易く、一方、カバーファクターが1040を超える場合には、織物が極めて粗硬となり易く、折畳み容積を小さくすることが難しくなる。
【0045】
ここで、織物のカバーファクター(CF)は織物構造の緻密さを示す指数で、織物に用いられている経糸および緯糸のデシテックス(DwおよびDf)と織物の経密度および緯密度(NwおよびNf)[本/cm]から求められる。
【0046】
CF=√Dw×Nw+√Df×Df
また、これら本体基布部は、被覆材の施されていないノンコート基布部を用いることもでき、また、気密性、耐熱性などを付与するために、少なくとも基布部の片側に通常のエアバッグに用いられている被覆材を施した基布部を用いることもできる。そして、ノンコート基布部の場合、基布部の通気度は、例えばフラジール法(JIS L−1096 8.27.1A法)で0.5cc/cm2/sec.以下の基布部を用いることにより、ガス透過量を少なくすることができる。また、被覆材としては、エアバッグ1に使用できる耐熱性、耐久性に優れる材料、例えば、シリコーン系樹脂またはゴム、フッ素系樹脂またはゴム、塩素系樹脂またはゴム、ポリウレタン系樹脂またはゴム(フッ素変性、シリコーン変性を含む)、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂またはゴム、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂またはゴム、クロルスルフォン系樹脂またはゴム、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、などの一種または二種以上の混合物、あるいは共重合物などの中から適宜選定すれば良い。これらの被覆材は、溶剤型、無溶剤型、水分散型、水溶性などいずれでもよく、場合によっては固体の被覆材を適用してもよい。これらの被覆材の基布部への付与量は、要求される気密性、耐熱性などに応じて選定すればよいが、例えば、重量では10〜100g/m2(固型分換算)とすれば良い。
【0047】
さらに、これら本体基布部を構成する織物へ被覆材を付与する方法は、織物との接着、被覆層の気密性が確保できるものであればよく、コーティング法(ナイフ、キス、リバース、コンマ)、印捺法(スクリーン、ロール、ロータリー)、浸漬法、スプレー法、ラミネート法などいずれの加工法をもちいることもできる。また、織物と被覆材との接着性を向上させるために、予め織物表面または本体基布部表面にプライマー処理、プラズマ加工などの化学的、物理的な前処理を施してもよい。さらに、被覆材の物理特性、織物と被覆材との接着性を向上させるため、被覆材を織物に付与した後、乾燥、固化する工程で接触または非接触による熱処理、高エネルギー処理(高周波、電子線、紫外線)などを行ってもよい。また、本発明に用いる被覆材には、加工性、接着性、表面特性あるいは耐久性などを改良するために通常使用される各種の添加剤、例えば、架橋剤、カップリング剤、反応促進剤、反応遅延剤、接着付与剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、粘着防止剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤、などの一種または二種以上を選択、混合したものを使用してもよい。
【0048】
また、織物を構成する繊維糸条は特に限定するものではなく、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612などの単独またはこれらの共重合、混合により得られる脂肪族ポリアミド繊維、ナイロン6T、ナイロン9Tに代表される脂肪族アミンと芳香族カルボン酸の共重合ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの単独またはこれらの共重合、混合により得られるポリエステル繊維、パラフェニレンテレフタルアミド、およびこれと芳香族エーテルとの共重合物などに代表されるアラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ビニロン繊維、超高分子量ポリエチレン系繊維、ポリテトラフルオロエチレンを含むフッ素系繊維、ポリサルフォン繊維、ポリフェニレンサルファイド系繊維(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン系(PEEK)繊維、ポリイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、高強力レーヨンを含むセルロース系繊維、アクリル系繊維、炭素繊維、ガラス繊維、シリコーンカーバイド(SiC)繊維やアルミナ繊維に代表されるセラミック系繊維、などから適宜選定すればよく、場合によっては、スチールに代表される金属繊維などの無機繊維を含んでもよい。
【0049】
また、これらの繊維糸条には紡糸性や加工性、材質の耐久性を改善するために通常使用されている各種の添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤などの一種または二種以上を使用してもよい。また、場合によっては、加撚、嵩高加工、捲縮加工、捲回加工などの加工を施してもよい。さらに糸条の形態は、長繊維のフィラメント、短繊維の紡績糸、これらの複合糸など、特に限定するものでない。
【0050】
さらに、織物を製造する織機は通常の工業用織物を製織するのに用いられる各種織機から適宜選定すればよく、例えば、シャトル織機、ウォータージェット織機(WJL)、エアージェット織機(AJL)、レピア織機、プロジェクタイル織機などから選べばよい。織物の組織も、平織、斜子織(バスケット織)、綾織、格子織(リップ・ストップ織)、あるいはこれらの複合組織など、いずれでもよい。
【0051】
また、接着性シート30を適用する部位以外、すなわちエアバッグ1の周縁部14の周縁接合部15、およびガス導入口21の取付接合部27などの接合には、通常のエアバッグ製造に用いられている接合法(縫合、接着、溶着など)を用いればよいが、縫合の場合、縫製仕様は従来適用されている縫製条件、例えば、縫い糸番手は、0番手〜20番手の比較的太い糸を用い、運針数は3〜6針/cmの範囲から適宜選定すれば良い。縫い目仕様は、本縫い、二重環縫い、扁平縫い、安全縫い、縁かがり縫い、などから適宜選定すればよい。縫い目列も1〜3列から選び、縫い目線間は2〜6mmとすれば良い。また、場合によっては当該縫合部、特に外周部の縫い目の拡張などを抑制するために、シリコーン樹脂、ゴム糊などのシール剤を施しても良い。すなわち、縫合する材料の間にこれらのシール剤を挟んだ後に縫合したり、縫合後に縫合部縫い目の上部にシール剤を塗布したりしても良い。
【0052】
また、これら周縁接合部15や取付接合部27などの接合に使用する縫糸は、一般に化合繊縫糸と呼ばれるものや工業用縫糸として使用されているものの中から適宜選定すればよく、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ポリエステル、ビニロン、アラミド、カーボン、ガラスなどがあり、紡績糸、フィラメント合撚糸、フィラメント樹脂加工糸のいずれでもよい。
【0053】
また、エアバッグ1の補強に用いられる補強布25、55は、袋体に用いられたものと同じ織物でもよいが、別途、準備した補強用織物、例えば、ナイロン66の470〜940デシテックスなどを用いて作成された、本発明のエアバッグ用織物より厚手織物の単独または複数枚を用いてもよい。
【0054】
また、接着により複数の補強布を接合する場合、予め複数の補強布を縫合した縫合積層体、補強布間を接着した接着積層体、複数の基布部を重ねて溶着裁断した溶着積層体、さらに該溶着積層体の各部を振動法などにより仮溶着した積層体などを接着しても良い。ここでいう補強布は、インフレータ4から噴出する熱ガスを遮蔽するための防炎布、インフレータ4直上部のカバー布などを含むものとし、補強布に耐熱性を付与するために、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの耐熱性樹脂、耐熱性ゴムなどを塗布してもよいし、塗布量も本発明のエアバッグ1の本体基布部より多いものとしてもよい。また、アラミド繊維などの耐熱性繊維を用いた織物を使用してもよい。
【0055】
さらに、本体基布部と補強布とを接着する場合においても、本体基布部と補強布体との一体化を強め、エアバッグ1としての耐圧性、堅牢性を高めるため、インフレーター取付け口であるガス導入口21の内縁部において、本体基布部と補強布体とを縫合することは好ましい。本発明では、この部分の縫合は、外周部を縫合した後の最終工程で行う必要があるが、インフレーター取付け口からミシン頭部を挿入し、内縁部を縫合すればよく、例えば、シリンダー型ミシン(本縫い、扁平縫い)、ポスト型ミシン(本縫い、二重環縫い)、腕型ミシン(本縫い、二重環縫い)などを用いればよい。
【0056】
また、エアバッグ1の本体基布部は、必ずしも2枚の基布部で構成するものに限られず、第1および第2の基布部11,12を一体に連続して形成してもよく、また、各基布部11,12を複数枚の基布部をつないで形成することもできる。
【0057】
また、エアバッグ1は、車輌の乗員を保護するためのエアバッグで、運転席用のステアリングホイールに取り付けられる円盤状のエアバッグ1の他、図13および図14に示す助手席用のエアバッグ1、側突保護用のエアバッグ(サイドバッグ、カーテンバッグ)に適用することができる。さらに、場合によっては、ニーバッグ、フットバッグ、後席用、追突保護用のヘッドレスト用バッグ、幼児保護用ミニバッグ、歩行者保護用バッグ、シートベルト用バッグ(エアーベルト)など機能的に適応し得る部位であれば本発明を適用することもでき、形状、容量などは要望される要件を満足するようにすればよい。さらに、二輪車や自動車以外の乗り物(列車、飛行機、船舶)、あるいは歩行者保護、などの用途に適用してもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、 請求項1に記載の発明によれば、第2工程において、一の中間接着体は第1の基布部か第2の基布部の一方のみにしか接着されていないので、第1の基布部と第2の基布部との接着の後に反転が可能で、周縁部がエアバッグの内側に位置させることができるので、見栄えが向上するばかりか、位置決めが容易となる。
【0059】
請求項2に記載の発明によれば、中間接着体は非接着性樹脂により一方のみにしか接着されていないので、エアバッグの反転時に第1の基布部または第2の基布部の何れか他方に接着せず、スムーズな反転が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグの一実施例を示す第1の基布部側の一部を切り欠いた平面図。
【図2】図1のエアバッグのI−O−O−I相当位置の断面の説明図。
【図3】図1のエアバッグの展開過程を示す説明図。
【図4】図3のエアバッグの展開過程を示す説明図。
【図5】(1)〜(4)本発明の製造課程を示す説明図。
【図6】本発明のエアバッグの他の実施例を示す第1の基布部側の平面図。
【図7】本発明のエアバッグのさらに他の実施例を示す第1の基布部側の平面図。
【図8】本発明のエアバッグのさらに他の実施例を示す第1の基布部側の一部の平面図。
【図9】本発明のエアバッグのさらに他の実施例を示す第1の基布部側の一部の平面図。
【図10】同上エアバッグの展開過程を示す説明図。
【図11】本発明のエアバッグのさらに他の実施例を示す説明図。
【図12】本発明のエアバッグのさらに他の実施例を示す第1の基布部側の平面図。
【図13】本発明のエアバッグのさらに他の実施例を示す底面図。
【図14】図13のII−O−O−O−II相当位置の断面の説明図。
【符号の説明】
1 エアバッグ
2 エアバッグ装置
11 エアバッグの第1基布部
12 エアバッグの第2基布部
14 エアバッグの周縁部
15 エアバッグの周縁接合部
16 エアバッグの気室
21 エアバッグのガス導入口
22 エアバッグの排気口
25 エアバッグの補強布
30 接着性シート(中間接着体)
31 接合部
33 遮蔽結合部
35 結合部を構成する補助結合部
41 角部
42 案内部
54 離反導入部
61,62 加熱プレス板
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車の衝突時、乗員を保護するためのエアバッグに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、乗員保護用安全装置としてエアバッグシステムが普及してきており、運転席用から助手席用、側突保護用、後部座席用と装着部位も増えてきている。そして、搭載されるエアバッグの部位、数量が増えるにつれエアバッグ装置の軽量化、小型化が求められ、それに応じた設計がなされてきている。例えば、エアバッグ装置を構成する部品の中で最も重量の大きいインフレーター(ガス発生器)も軽量化、小型化の検討がなされ、従来より少ない薬剤量、ガス量を充填した製品も開発されている。しかし、薬剤やガス充填量を少なくすると、発生するガス量も減少する。通常、エアバッグには、ガスを排気する円孔状の排気口(ベントホール)が設けられており、展開初期にもこの排気口からガスが抜け出ることは避けられない。そこで、インフレーターが供給するガスを、エアバッグの膨張に有効に使うことが望まれ、一時的に排気口を閉塞し、エアバッグの内圧が上昇した時に開口するような構成が知られている(例えば、特許文献1、2,3参照。)。エアバッグは、エアバッグの乗員側への突出高さを調整し、所望の展開特性を実現するため、エアバッグの内部に展開形状を調整するためのテザーあるいはストラップなどと呼ばれる吊り紐を設けること構成が知られている。また、このような吊り紐に代わる構成として、例えば、運転席用のエアバッグのリヤパネルとフロントパネルとをインフレーターのガス熱で接着が解除する接着剤で結合する構成やインフレーター側布と乗員側布とを、エアバッグの展開圧力により破断する制御用縫製により縫合する構成が示されている(例えば、特許文献4,5参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−268214号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平7−205738号公報
【0005】
【特許文献3】
特開2002−59803号公報
【0006】
【特許文献4】
特開平6−298025号公報
【0007】
【特許文献5】
特開平8−156730号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、接着すること自体は、縫製より自動化に適する上、縫いによる基布部のダメージ、縫い目への応力集中といった問題を解決できるので、意義があるものの、エアバッグの内部を接着により結合することは接着剤の塗布がしにくく、エアバッグを反転させて外周のいわゆる耳部を露出させて接着後再び反転させて耳部を内側に入れることはなかなか困難であり、耳部を露出させたままにすることは見栄えが悪く、危険感を与えるおそれもある。
【0009】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、接着後に反転が可能で、位置決めが容易なエアバッグの製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、エアバッグの製造方法として、ガス導入口を有すると共に周縁部及び前記ガス導入口の間に排気口が形成されてなる第1の基布部と、該第1の基布部に対向して配される第2の基布部とが周縁部で接合されて袋状をなした後に第1及び第2の基布部の周縁部の端末がエアバッグの内側に収容されるように折り返されてなり、前記ガス導入口から離間された部位には、少なくとも前記排気口の縁部のガス導入口に面する部分を遮って第1及び第2の基布部が接着結合されてなる遮蔽結合部を形成してなり、該遮蔽結合部は、第1の基布部及び第2の基布部のエアバッグ内面側を離反方向に重ねる第1工程と、第1の基布部の排気口周縁部と第2の基布部の排気口周縁対向部の少なくとも一方に中間接着体を付与する第2工程と、第1の基布部及び第2の基布部の外周縁部を接合して第1の基布部及び第2の基布部の内面側を対向させる第3工程と、第1の基布部及び第2の基布部の中間接着体を付与された側を他側に接着する第4工程と、により形成されてなり、第1の基布部の排気口周縁部と第2の基布部の排気口周縁対向部との少なくとも一方に中間接着体を付与する工程における、付与された中間接着体は、付与時に接着力の一部を活性化させてなることを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、第2工程において、一の中間接着体は第1の基布部か第2の基布部の一方のみにしか接着されていないので、第1の基布部と第2の基布部との接着の後に反転が可能で、周縁部がエアバッグの内側に位置させることができるので、見栄えが向上するばかりか、位置決めが容易となる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記第1の基布部の排気口周縁部と第2の基布部の排気口周縁対向部の少なくとも一方に中間接着体を付与する工程において、第1の基布部又は第2の基布部と、非接着性樹脂との間に中間接着体を挟んで接着させることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、中間接着体は非接着性樹脂により一方のみにしか接着されていないので、エアバッグの反転時に第1の基布部または第2の基布部の何れか他方に接着せず、スムーズな反転が可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1の実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
【0015】
この第1の実施形態のエアバッグ装置2は、図示しない自動車のステアリングホイール本体のボス部に装着され、被保護物である乗員を衝突の衝撃から保護するようになっていて、支持部材を構成するベースプレート3と、このベースプレート3に取り付けられる前記エアバッグ1、ガスを噴射するインフレーター4、図示しないリテナー及びカバー体などとから構成される。なお、ステアリングホイール本体は、通常傾斜したステアリングシャフトに取り付けられ、傾斜した状態で用いられるものであるが、以下、エアバッグ装置2が取り付けられた側を上側、乗員側、あるいは正面側とし、乗員側の反対側を下側、あるいは背面として説明する。
【0016】
前記エアバッグ1は、ノンコートで目付200g/m2のポリアミド6・6の織布からなる2枚の第1の基布部11と第2の基布部12とを円形に裁断して形成されている。第1の基布部11の中心には、インフレーター取付口であるガス導入口21が形成され、該ガス導入口21に離間した位置には2個の排気口22,22が形成されている。ガス導入口21の周縁には、1枚あるいは複数枚の円環状の補強布25が重ねられて取付け接合部27により設けられている。
【0017】
前記エアバッグ1の製造方法について、次に説明する。
【0018】
350dtexのナイロン66繊維からなる平織物を精練、セットし、織密度が経、緯いずれも24.4本/cmである基布部から、円形基布部を2枚(第1基布部11、第2基布部12)裁断すると共に第1基布部11には、ガス導入口21、排気口22,22を形成し、ガス導入口21には別途準備した補強布25を取付け接合部27により設けている。前記第1の基布部11面に設けた排気口22と補強接合部35とには、リング状に裁断した中間接着体である接着性シート30を貼り付ける。接着性シート30として、片面に剥離紙(図示していない)を設けてなる厚さ約0.35mmのSOTEFA70(東レダウコーニングシリコーン社製の接着性シリコーン樹脂シート)を用いている。
【0019】
図5(1)では、第1基布部11面に接着性シート30を貼った後、表面にフッ素樹脂などによる易剥離加工を施した加熱プレス板61,62の間に置き、150度で2分間、約490kpaの圧力で熱処理をし、第1の基布部11と接着シート30とを接着する(第1プレス)。
【0020】
次いで、図5(2)に示すように、接着シート30を貼り付けた第1の基布部11を第2の基布部12の上に重ね、外周を二重環縫い(2列)にて縫製する。この2枚の接合体を、ガス導入口21から第2の基布部を引っ張り出すようにして反転させることで、図5(3)に示す袋体を得る。
【0021】
この時、接着シート30および第1の基布部11と第2の基布部12との外縁接合部15は、袋体の反転とともに、袋体の内側すなわち気室16内に移動する。次いで、接着シート30の上面に残っている剥離紙を剥がし、再び、第1の基布部11と第2の基布部12とを重ね合せて、加熱プレス61,62の間に置き、接着シート30によりそれぞれの第1の基布部11と第2の基布部12とを接着させる(第2プレス)。
【0022】
次に、図5(4)に示すように、第1の基布部11と第2の基布部12とは、遮蔽結合部33と補強結合部35とにより接合されている。このように、遮蔽結合部33と補強結合部35とが接着可能な接着性シート30を用いることにより、第1の基布部11と第2の基布部12とは、周縁部14同士の周縁接合部15が気室16内に位置し、かつ遮蔽結合部33と補強結合部35とを併せもったエアバッグ1が容易に、且つ簡便な工程により得ることができる。
【0023】
本発明で用いる接着性シート30は、両面に接着性もしくは粘着性を有するものであるが、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などで表面処理した剥離性、離型性に優れる保護材を用い、加圧、加熱、照射などにより接着、粘着性が発現する材料を用いる、などにより、エアバッグ1の反転前、反転後の二回の接着工程でも接着性、粘着性を保持し得る材料を適用することが必要である。
【0024】
接着性シート30として、たとえば、粘着テープ、感圧型接着シート材、感熱型接着シート材、ホットメルト樹脂(反応形型も含む)、光(UV、IR)反応型樹脂などがあり、接着剤成分としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂(変性シリコーン、湿気硬化型も含む)、ポリウレタン樹脂(湿気硬化型も含む)、ポリアミド樹脂(共重合型も含む)、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂(共重合型も含む)、ポリオレフィン系樹脂などの樹脂系接着剤、SBRゴム、NBRゴム、ブチルゴム、ポリウレタンゴム、クロロプレンゴム、ハイパロンゴム、クロルヒドリンゴム、ポリオレフィン系ゴムなどのゴム系接着剤があるが、これらの混合、あるいは各種変性物を使用してもよく、これらに限定するものではない。接着性シート30は、これらの接着性材料自体から形成されたシート材を用いてもよいし、樹脂、紙、布帛、不織布、などのフィルム、箔、テープ、ネット、メッシュあるいはこれら複数の積層体を基材とし、この両面にこれらの接着性材料を塗布、貼合せ、積層などにより一体形成した両面接着シートを用いてもよい。該接着性シート30の両面に施す接着性材料は、同じ物でもよいし異なった物でもよい。また、接着性シート30の少なくとも片面には、接着性シート30の表面への接触を防ぎ、除去することにより接着性シート30の表面の接着性を発現させる剥離紙、離型シートなどの保護材を用いることは好ましい。さらに、反転前の接着性を向上させるため、接着層の上に粘着層を設けてもく、作業性の点から、反転前は粘着により第1の基布部11に固定し、反転後に加熱、加圧などにより完全接着させるようにしてもよい。接着性シート30の接着材層の厚さは、要求される遮蔽性、接着性、などに応じて選定すれば良いが、両面層を併せて0.02〜0.5mmの範囲とすれば良い。
【0025】
上記の実施の形態では、遮蔽結合部33は、排気口22を密閉するように、排気口22と相似の円環状に形成したが、この構成に限られず、遮蔽結合部33の形状を含む接着力の設定は、被接着材となる第1の基布部11と第2の基布部12との仕様、表面状態、接着性シート30の貼布形状、あるいはバッグ仕様、容量、およびインフレーター4の性能、などにより選定する。例えば、排気口22と相似形状の他、四角形、多角形、楕円形状、長円形状、あるいはこれらの複合型など排気口22を密閉する他の形状の環状としても良い。なお、通常の排気口22については、例えば、接着性シート30を排気口22の直径の1.2〜3倍のドーナツ状に裁断して用いれば良い。
【0026】
また、ガス導入口21を囲み、エアバッグ1を支持部材に固定する取付部24が形成されている。そして、この取付部24には、補強布25が重ねられ、縫い糸などの取付接合部27で接合されているとともに、ガス導入口21を囲み、複数の取付孔28が形成されている。さらに、図示しないが、各排気口22についても、円環状の補強布が重ねられ、縫い糸などの取付接合で接合されている。なお、図1に示すAは、第1基布部11の織目の方向を示すものである。
【0027】
そして、このエアバッグ装置2は、エアバッグ1内に配置したリテナーとベースプレート3との間に、エアバッグ1の取付部24とインフレーター4のフランジ部およびベースプレート3に形成した取付孔に挿通し、ナットで締め付けることにより、エアバッグ1がベースプレート3に取り付けられる。そして、エアバッグ1を折畳んだ状態で、カバー体を被せ、このカバー体をベースプレート3に固定することにより、エアバッグ装置2が構成される。
【0028】
そして、このエアバッグ装置2を備えた自動車に衝撃が加わると、制御ユニットによりインフレーター4が起動し、ガス導入口21からエアバッグ1内にカスが供給される。すると、展開初期においては、図3に示すように、接合部31すなわち遮蔽結合部33および補助結合部35が第1基布部11と第2基布部12とを接合しているため、エアバッグ1の正面側すなわち乗員側への突出寸法が制御され、さらに、遮蔽結合部33により第2基布部12が各排気口22を閉塞しているため、ガスは漏出することなくエアバッグ1の膨張に利用され、周縁部14まで迅速に供給され、小さな容量のエアバッグ1が迅速に扁平に膨張展開する。
【0029】
次いで、ガスが供給され、エアバッグ1の気室16の内圧が所定の値以上になると、接合部31すなわち遮蔽結合部33および補助結合部35が破断すなわち剥離して、気室16の容量が増大し、乗員が当接するバッグ表面が拡大し、図4に示すように、エアバッグ1の気室16の最大容量まで展開する。さらに、遮蔽結合部33が破断した状態で、各排気口22が気室16に直接に連通する全開状態となり、乗員が当接した際などに、気室16内のガスの迅速な排気が容易になる。
【0030】
このように、本実施の形態によれば、インフレータ4が供給するガスをエアバッグ1の膨張に有効に活用できるとともに、展開初期のエアバッグ1の突出寸法を抑制して展開特性を調整できるエアバッグ1を、容易にすなわち安価に提供できる。また、第1基布部11と第2基布部12の周縁部14同士の周縁接合部15が気室16内に位置しているため、エアバッグ1が展開し、乗員がエアバッグ1に当接する際、乗員の顔や腕などが擦過により加害される懸念がない。すなわち、展開形状を調整するための吊り紐などの複雑な構造を用いることなく、接着性シート30を貼った遮蔽結合部33により、ガスの有効利用と展開特性の調整との二つの効果を単一の構成で実現でき、構成および製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。また、エアバッグ1の展開特性を調整する補助結合部35についても、接着性シート30により遮蔽結合部33と同時に形成でき、製造コストを低減できる。
【0031】
また、インフレータ4から噴出されるガスを有効に利用できるようにするため、容量の小さい小型のインフレータ4を用いることも可能であり、エアバッグ装置2を小型化できる。
【0032】
本発明に用いる接着性シート30は、第1の基布部11と第2の基布部12とを離反可能に接着する遮蔽結合部33に適用されるものであり、接着性シート30の両面に接着性を有することが肝要であり、該接着性シート30を用いることにより、接着型エアバッグでありながら、外周の周縁接合部15を気室16内に配置させることができる。すなわち、通常の接着剤を適用する場合は、第1の基布部11と第2の基布部12の間に接着剤を施し、二枚の基布部11,12を密着し、加圧、加熱などにより接着するとエアバッグ1の基布部11,12同士が接着し、エアバッグ1を反転させることができない。本発明では、両面テープの様に、両面に接着性を有する接着性シート30を用いることにより、接着型バッグでありながら、反転をさせることが可能で、反転により基布部11,12同士の周縁接合部15を気室16内に位置させることができる。すなわち、予め、第1の基布部11面もしくは第2の基布部12面に接着性シート30を接着固定もしくは粘着固定し、エアバッグ1の反転後に、接着性シート30を固定した第1の基布部11に対向する第2の基布部12に重ね合わせる時、接着性シート30の少なくとも片面は、第2の基布部12と接触、擦過しても接着あるいは粘着しないように隔離材を積層するか、室温の無加圧状態では粘着性、接着性を発現しない材料を用いることが肝要である。
【0033】
さらに、遮蔽結合部33は、形状を変化させ、あるいは接着力を各部で変化させて、ガス導入口21に向かう側すなわちガスの上流側の接着強度を高め、反対側すなわちガスの下流側の接着強度を相対的に弱め、離反導入部を形成することもできる。そして、この構成では、ガスの最初の吹き当りに効して接着を維持できるるとともに、例えば外周側に配置した離反導入部から剥離を生じさせ、第1基布部11から第2基布部12を円滑に開放することができ、ガスを効率的に利用できるとともに、扁平な展開形状から最大容量での展開形状への移行を円滑に達成できる。
【0034】
また、遮蔽結合部33は、ガス導入口21に向かう角部を設けるとともに、この角部から拡開するように案内部を形成し、いわばガス導入口21に向かって尖った尖塔状に形成することもできる。
【0035】
例えば、図6に示すように、ガス導入口21を中心とした円周に沿ってゆがませた略楕円形状(繭形)の遮蔽結合部33を2箇所に設けることができる。また、この構成では、遮蔽結合部33と同形状の補助結合部35が2箇所に形成され、遮蔽結合部33と補助結合部35とがガス導入口21を中心として周方向に等間隔で配置されている。
【0036】
また、例えば、図7に示すように、接合部31すなわち遮蔽結合部33および補助結合部35は、正方形状など四角形状とし、それぞれ1個の角部41をガス導入口21側すなわちインフレータ4が供給するガス流Gの上流に向けて配置することができる。そして、この構成では、接合部31の2辺が案内部42となり、接着強度を必要以上に高めることなく、ガスの最初の吹き当りに抗して接着を維持できる。
【0037】
あるいは、遮蔽結合部33は、実質的に排気口22が閉じた状態であれば、ガス導入口21に向かう側に形成し、排気口22の一部、例えばガス導入口21から導入されるガスの下流側に位置する部分は接着せず気室16に連通させておくこともできる。例えば、図8に示すように、遮蔽結合部33は、少なくとも排気口22の縁部のガス導入口21に面する半分を遮るように円弧状に形成し、ガス導入口21に対向する対向結合部51と、この対向結合部51の両側から周縁部14に向けて延在される一対の側部結合部52とを備え、これら側部結合部52の周縁部14に向かう端末部をそれぞれ離反導入部54とすることができる。
【0038】
また、図9に示すように、遮蔽結合部33は、ガス導入口21側すなわちインフレーター4が供給するガス流Gの上流側に向かう角部41を設けるとともに、この角部41か拡開するように案内部42を形成し、いわばガス導入口21に向かって尖った尖塔状に形成することもできる。
【0039】
そして、これら図8および図9に示す構成では、少なくとも排気口22の縁部のガス導入口21に面する半分を遮るように配置することにより、図10に示すように、ガスは、一旦エアバッグ1の気室16の周縁部14付近まで供給され、迅速に扁平に展開させることができる。さらに、これらの構成では、周縁部14に向かう端末部が離反導入部54となり、遮蔽結合部33を円滑に破断させることができる。
【0040】
また、上記の各実施の形態において、接合部31すなわち遮蔽結合部33および補助結合部35の他の接合部分も縫合などに代えて、接合部31と同じ接着性シートあるいは接着剤を用いて形成し、構造を簡略化して製造コストを低減することもできる。
【0041】
例えば、図11に示すように、取付部24の補強布25の取付接合部27を接着剤シートあるいは接着剤で構成し、また、各排気口22の補強布の取付接合部56についても、接着性シートあるいは接着剤で構成することもできる。
【0042】
また、単数あるいは複数形成された遮蔽結合部33に対して、反対側に補助結合部35を配置することにより、エアバッグ1を容易にバランス良く展開させることができる。例えば、図1などに示すように、2個所に遮蔽結合部33、33を配置した場合には、ガス導入口21を中心として、これら遮蔽結合部33、33同士の中心となる位置の反対側の1箇所に補助結合部35を設けることができる。また、図6に示すように、2箇所の遮蔽結合部33,33に対して、ガス導入口21を中心とする回転対称位置に、補助結合部35を設けることができる。さらに、例えば、図12に示すように、1箇所の遮蔽結合部33に対して、ガス導入口21を中心とする回転対称位置に、補助結合部35を設けることもできる。そして、このように、第1基布部11と第2基布部12とを仮接着する遮蔽結合部33および補助結合部35を、ガス導入口21を中心として互いに回転対称位置に配置することにより、ステアリングホイールの回転位置に係わらず、エアバッグ1を安定して展開させることができる。すなわち、本体基布部を構成する第1基布部11と第2基布部12とを、排気口22の周囲と同時にガス導入口21を中心として排気口22と反対側、とりわけ略対称の位置で仮接着することは、展開、膨張を均一に行うために好ましい。この場合の接着性シートの使用条件は、すなわちシート面積、接着剤層の厚さなどは、排気口22周囲と同じにしてもよく、異なった仕様にしてもよい。排気口22以外の個所で第1基布部11と第2基布部12とを仮接着する部位は、一箇所、または複数箇所いずれでもよい。
【0043】
また、排気口22を囲む補強布25を第1基布部11に接合して用いる場合には、遮蔽結合部33は、排気口22の補強布25の外域に形成し、本体基布部である第1基布部11と第2基布部12とを直接に仮接着することが好ましい。すなわち、第1基布部11と第2基布部12とが細い糸を用いた薄手の基布部で構成される場合、排気口22に補強布25を配設することにより、剥離する際の衝撃で排気口22の周縁部に加わる力による本体基布部への損傷を低減できる。従って、排気口22の補強部分には接着性シート30の剥離作用が及ばないようにすることが好ましく、接着性シート30の使用は、例えば、補強布25の外径の1.2〜2倍程度の区域にすればよい。なお、排気口22への補強布25の接合は、縫製、接着、溶着あるいはこれらの併用など、いずれの方法によってもよい。
【0044】
また、本発明のエアバッグ1を構成する本体基布部(基布部11、12)は、500デシテックス(450デニール)、好ましくは350デシテックス(315デニール)以下の細い糸を用いた、目付けが250g/m2以下、好ましくは200g/m2以下の織物を用いることが望ましい。350デシテックス以下の細い糸を用いることにより、軽く、小さく折畳むことができるエアバッグ1を提供できる。また、200g/m2以下の目付けである織物を用いることにより、軽いエアバッグ1を得ることができる。さらに、織物を構成する糸の太さ(デシテックス)と織物の打込み密度[本/cm]から求められるカバーファクター(CF)が800以上ある織物を使用することが好ましい。このカバーファクターが800未満の場合には、織物組織が粗い構造になるため、エアバッグ1が衝撃的に展開する際に、特に排気口22の周囲の基布部が織物の組織ずれを起こし易く、一方、カバーファクターが1040を超える場合には、織物が極めて粗硬となり易く、折畳み容積を小さくすることが難しくなる。
【0045】
ここで、織物のカバーファクター(CF)は織物構造の緻密さを示す指数で、織物に用いられている経糸および緯糸のデシテックス(DwおよびDf)と織物の経密度および緯密度(NwおよびNf)[本/cm]から求められる。
【0046】
CF=√Dw×Nw+√Df×Df
また、これら本体基布部は、被覆材の施されていないノンコート基布部を用いることもでき、また、気密性、耐熱性などを付与するために、少なくとも基布部の片側に通常のエアバッグに用いられている被覆材を施した基布部を用いることもできる。そして、ノンコート基布部の場合、基布部の通気度は、例えばフラジール法(JIS L−1096 8.27.1A法)で0.5cc/cm2/sec.以下の基布部を用いることにより、ガス透過量を少なくすることができる。また、被覆材としては、エアバッグ1に使用できる耐熱性、耐久性に優れる材料、例えば、シリコーン系樹脂またはゴム、フッ素系樹脂またはゴム、塩素系樹脂またはゴム、ポリウレタン系樹脂またはゴム(フッ素変性、シリコーン変性を含む)、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂またはゴム、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂またはゴム、クロルスルフォン系樹脂またはゴム、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、などの一種または二種以上の混合物、あるいは共重合物などの中から適宜選定すれば良い。これらの被覆材は、溶剤型、無溶剤型、水分散型、水溶性などいずれでもよく、場合によっては固体の被覆材を適用してもよい。これらの被覆材の基布部への付与量は、要求される気密性、耐熱性などに応じて選定すればよいが、例えば、重量では10〜100g/m2(固型分換算)とすれば良い。
【0047】
さらに、これら本体基布部を構成する織物へ被覆材を付与する方法は、織物との接着、被覆層の気密性が確保できるものであればよく、コーティング法(ナイフ、キス、リバース、コンマ)、印捺法(スクリーン、ロール、ロータリー)、浸漬法、スプレー法、ラミネート法などいずれの加工法をもちいることもできる。また、織物と被覆材との接着性を向上させるために、予め織物表面または本体基布部表面にプライマー処理、プラズマ加工などの化学的、物理的な前処理を施してもよい。さらに、被覆材の物理特性、織物と被覆材との接着性を向上させるため、被覆材を織物に付与した後、乾燥、固化する工程で接触または非接触による熱処理、高エネルギー処理(高周波、電子線、紫外線)などを行ってもよい。また、本発明に用いる被覆材には、加工性、接着性、表面特性あるいは耐久性などを改良するために通常使用される各種の添加剤、例えば、架橋剤、カップリング剤、反応促進剤、反応遅延剤、接着付与剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、粘着防止剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤、などの一種または二種以上を選択、混合したものを使用してもよい。
【0048】
また、織物を構成する繊維糸条は特に限定するものではなく、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612などの単独またはこれらの共重合、混合により得られる脂肪族ポリアミド繊維、ナイロン6T、ナイロン9Tに代表される脂肪族アミンと芳香族カルボン酸の共重合ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの単独またはこれらの共重合、混合により得られるポリエステル繊維、パラフェニレンテレフタルアミド、およびこれと芳香族エーテルとの共重合物などに代表されるアラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ビニロン繊維、超高分子量ポリエチレン系繊維、ポリテトラフルオロエチレンを含むフッ素系繊維、ポリサルフォン繊維、ポリフェニレンサルファイド系繊維(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン系(PEEK)繊維、ポリイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、高強力レーヨンを含むセルロース系繊維、アクリル系繊維、炭素繊維、ガラス繊維、シリコーンカーバイド(SiC)繊維やアルミナ繊維に代表されるセラミック系繊維、などから適宜選定すればよく、場合によっては、スチールに代表される金属繊維などの無機繊維を含んでもよい。
【0049】
また、これらの繊維糸条には紡糸性や加工性、材質の耐久性を改善するために通常使用されている各種の添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤などの一種または二種以上を使用してもよい。また、場合によっては、加撚、嵩高加工、捲縮加工、捲回加工などの加工を施してもよい。さらに糸条の形態は、長繊維のフィラメント、短繊維の紡績糸、これらの複合糸など、特に限定するものでない。
【0050】
さらに、織物を製造する織機は通常の工業用織物を製織するのに用いられる各種織機から適宜選定すればよく、例えば、シャトル織機、ウォータージェット織機(WJL)、エアージェット織機(AJL)、レピア織機、プロジェクタイル織機などから選べばよい。織物の組織も、平織、斜子織(バスケット織)、綾織、格子織(リップ・ストップ織)、あるいはこれらの複合組織など、いずれでもよい。
【0051】
また、接着性シート30を適用する部位以外、すなわちエアバッグ1の周縁部14の周縁接合部15、およびガス導入口21の取付接合部27などの接合には、通常のエアバッグ製造に用いられている接合法(縫合、接着、溶着など)を用いればよいが、縫合の場合、縫製仕様は従来適用されている縫製条件、例えば、縫い糸番手は、0番手〜20番手の比較的太い糸を用い、運針数は3〜6針/cmの範囲から適宜選定すれば良い。縫い目仕様は、本縫い、二重環縫い、扁平縫い、安全縫い、縁かがり縫い、などから適宜選定すればよい。縫い目列も1〜3列から選び、縫い目線間は2〜6mmとすれば良い。また、場合によっては当該縫合部、特に外周部の縫い目の拡張などを抑制するために、シリコーン樹脂、ゴム糊などのシール剤を施しても良い。すなわち、縫合する材料の間にこれらのシール剤を挟んだ後に縫合したり、縫合後に縫合部縫い目の上部にシール剤を塗布したりしても良い。
【0052】
また、これら周縁接合部15や取付接合部27などの接合に使用する縫糸は、一般に化合繊縫糸と呼ばれるものや工業用縫糸として使用されているものの中から適宜選定すればよく、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ポリエステル、ビニロン、アラミド、カーボン、ガラスなどがあり、紡績糸、フィラメント合撚糸、フィラメント樹脂加工糸のいずれでもよい。
【0053】
また、エアバッグ1の補強に用いられる補強布25、55は、袋体に用いられたものと同じ織物でもよいが、別途、準備した補強用織物、例えば、ナイロン66の470〜940デシテックスなどを用いて作成された、本発明のエアバッグ用織物より厚手織物の単独または複数枚を用いてもよい。
【0054】
また、接着により複数の補強布を接合する場合、予め複数の補強布を縫合した縫合積層体、補強布間を接着した接着積層体、複数の基布部を重ねて溶着裁断した溶着積層体、さらに該溶着積層体の各部を振動法などにより仮溶着した積層体などを接着しても良い。ここでいう補強布は、インフレータ4から噴出する熱ガスを遮蔽するための防炎布、インフレータ4直上部のカバー布などを含むものとし、補強布に耐熱性を付与するために、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの耐熱性樹脂、耐熱性ゴムなどを塗布してもよいし、塗布量も本発明のエアバッグ1の本体基布部より多いものとしてもよい。また、アラミド繊維などの耐熱性繊維を用いた織物を使用してもよい。
【0055】
さらに、本体基布部と補強布とを接着する場合においても、本体基布部と補強布体との一体化を強め、エアバッグ1としての耐圧性、堅牢性を高めるため、インフレーター取付け口であるガス導入口21の内縁部において、本体基布部と補強布体とを縫合することは好ましい。本発明では、この部分の縫合は、外周部を縫合した後の最終工程で行う必要があるが、インフレーター取付け口からミシン頭部を挿入し、内縁部を縫合すればよく、例えば、シリンダー型ミシン(本縫い、扁平縫い)、ポスト型ミシン(本縫い、二重環縫い)、腕型ミシン(本縫い、二重環縫い)などを用いればよい。
【0056】
また、エアバッグ1の本体基布部は、必ずしも2枚の基布部で構成するものに限られず、第1および第2の基布部11,12を一体に連続して形成してもよく、また、各基布部11,12を複数枚の基布部をつないで形成することもできる。
【0057】
また、エアバッグ1は、車輌の乗員を保護するためのエアバッグで、運転席用のステアリングホイールに取り付けられる円盤状のエアバッグ1の他、図13および図14に示す助手席用のエアバッグ1、側突保護用のエアバッグ(サイドバッグ、カーテンバッグ)に適用することができる。さらに、場合によっては、ニーバッグ、フットバッグ、後席用、追突保護用のヘッドレスト用バッグ、幼児保護用ミニバッグ、歩行者保護用バッグ、シートベルト用バッグ(エアーベルト)など機能的に適応し得る部位であれば本発明を適用することもでき、形状、容量などは要望される要件を満足するようにすればよい。さらに、二輪車や自動車以外の乗り物(列車、飛行機、船舶)、あるいは歩行者保護、などの用途に適用してもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、 請求項1に記載の発明によれば、第2工程において、一の中間接着体は第1の基布部か第2の基布部の一方のみにしか接着されていないので、第1の基布部と第2の基布部との接着の後に反転が可能で、周縁部がエアバッグの内側に位置させることができるので、見栄えが向上するばかりか、位置決めが容易となる。
【0059】
請求項2に記載の発明によれば、中間接着体は非接着性樹脂により一方のみにしか接着されていないので、エアバッグの反転時に第1の基布部または第2の基布部の何れか他方に接着せず、スムーズな反転が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグの一実施例を示す第1の基布部側の一部を切り欠いた平面図。
【図2】図1のエアバッグのI−O−O−I相当位置の断面の説明図。
【図3】図1のエアバッグの展開過程を示す説明図。
【図4】図3のエアバッグの展開過程を示す説明図。
【図5】(1)〜(4)本発明の製造課程を示す説明図。
【図6】本発明のエアバッグの他の実施例を示す第1の基布部側の平面図。
【図7】本発明のエアバッグのさらに他の実施例を示す第1の基布部側の平面図。
【図8】本発明のエアバッグのさらに他の実施例を示す第1の基布部側の一部の平面図。
【図9】本発明のエアバッグのさらに他の実施例を示す第1の基布部側の一部の平面図。
【図10】同上エアバッグの展開過程を示す説明図。
【図11】本発明のエアバッグのさらに他の実施例を示す説明図。
【図12】本発明のエアバッグのさらに他の実施例を示す第1の基布部側の平面図。
【図13】本発明のエアバッグのさらに他の実施例を示す底面図。
【図14】図13のII−O−O−O−II相当位置の断面の説明図。
【符号の説明】
1 エアバッグ
2 エアバッグ装置
11 エアバッグの第1基布部
12 エアバッグの第2基布部
14 エアバッグの周縁部
15 エアバッグの周縁接合部
16 エアバッグの気室
21 エアバッグのガス導入口
22 エアバッグの排気口
25 エアバッグの補強布
30 接着性シート(中間接着体)
31 接合部
33 遮蔽結合部
35 結合部を構成する補助結合部
41 角部
42 案内部
54 離反導入部
61,62 加熱プレス板
Claims (2)
- ガス導入口を有すると共に周縁部及び前記ガス導入口の間に排気口が形成されてなる第1の基布部と、該第1の基布部に対向して配される第2の基布部とが周縁部で接合されて袋状をなした後に第1及び第2の基布部の周縁部の端末がエアバッグの内側に収容されるように折り返されてなり、
前記ガス導入口から離間された部位には、少なくとも前記排気口の縁部のガス導入口に面する部分を遮って第1及び第2の基布部が接着結合されてなる遮蔽結合部を形成してなり、
該遮蔽結合部は、第1の基布部及び第2の基布部のエアバッグ内面側を離反方向に重ねる第1工程と、第1の基布部の排気口周縁部と第2の基布部の排気口周縁対向部の少なくとも一方に中間接着体を付与する第2工程と、第1の基布部及び第2の基布部の外周縁部を接合して第1の基布部及び第2の基布部の内面側を対向させる第3工程と、第1の基布部及び第2の基布部の中間接着体を付与された側を他側に接着する第4工程と、により形成されてなり、
第1の基布部の排気口周縁部と第2の基布部の排気口周縁対向部との少なくとも一方に中間接着体を付与する工程における、付与された中間接着体は、付与時に接着力の一部を活性化させてなることを特徴とするエアバッグの製造方法。 - 請求項1に記載されてなるエアバッグの製造方法であって、
前記第1の基布部の排気口周縁部と第2の基布部の排気口周縁対向部の少なくとも一方に中間接着体を付与する工程において、
第1の基布部又は第2の基布部と、非接着性樹脂との間に中間接着体を挟んで接着させることを特徴とするエアバッグの製造方法。
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