JP2009227017A - エアバッグおよびその製造方法 - Google Patents

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忠雄 鹿沼
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Abstract

【課題】展開初期に部分的に高内圧となる場合でも、縫合部の縫い目開きを少なくし、堅牢で軽量なエアバッグおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】基布を裁断して得られる裁断片の外周を縫製してなるエアバッグであって、該裁断片が、その外周縫製部近傍において内部に樹脂を有しており、かつ、外周縫製糸が該裁断片表面に露出しているエアバッグである。前記外周縫製部が、ASTM D6479で規定された滑脱抵抗力700N以上を有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車衝突時の乗員保護装置として実用されているエアバッグおよびその製造方法に関し、更に詳しくは、縫合部の目開きが少なく、堅牢で耐圧性に優れ、しかも軽量で柔軟であるエアバッグおよびその製造方法を提供するものである。
近年、自動車の乗員安全保護装置としてエアバッグの装着が急速に進み、自動車の前部衝突時の運転者保護用、助手席者保護用、側部衝突時の座席シートに内蔵された胸部および大腿部保護用、または側部窓に沿って展開するよう窓上部の天井内に装着された頭部保護用など、その装着数も増えてきている。
一方、エアバッグ搭載車の衝突事故が増えてくると、ハンドルや前面パネルに近く着座する傾向にある小柄の女性や乳幼児などが、エアバッグが展開したことにより負傷したりする事例も出てきた。そのため、北米においては、乗員がエアバッグに近接した位置に着座している場合であってもエアバッグ展開時に乗員に衝撃を与えず、且つ乗員の衝突エネルギーを緩和することのできるエアバッグ装置の装着を義務付けている。
このようなエアバッグ装置には、近接して着座している乗員とハンドルや前面パネルとの狭い隙間に、乗員に衝撃を与えずに素早くエアバッグを展開し、同時に衝撃吸収体としての袋体容量、内圧を確保することが求められる。つまり、エアバッグには、従来の衝撃吸収性能に加え、優れた早期展開性および耐圧性といった性能が求められる。
しかし、エアバッグは複数の裁断片を縫合して形成されているため、急激なエアバッグ内圧の上昇により、縫合部、とくに外周縫合部の縫い目が広がって、インフレーターからのガスが抜け易いばかりか、乗員がエアバッグに当接した際にもエアバッグ内圧がさらに上昇するため、縫い目がさらに拡大し、縫い目から抜けるガス量がますます増加する。さらに抜けたガスは熱せられているため、縫い目周辺の基布の温度が上昇し、場合によっては複数の縫い目が連続して溶融し、縫製部が破断する恐れもあった。
そこで、エアバッグ本体を構成する基布に耐熱性の被覆材を施したり、基布の糸ほつれや目ずれを低減させる手段が採られてきた。
例えば、特許文献1には、合成繊維布帛からなるエアバッグにおいて、該布帛をポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、などの合成樹脂の中から選定した少なくとも一種の合成樹脂を含む樹脂希釈液で含浸処理することにより、裁断時のほつれが少ないエアバッグ用基布を提供する方法が提案されている。裁断時のほつれが改良されれば、縫合部の縫い目開きも改善されるものと推定される。しかし、裁断時にほつれが発生するのは裁断部付近のみであるため、裁断片の中心部にこれらの樹脂加工は必須ではなく、不経済である。さらに、含浸する樹脂の種類によっては基布が硬くなり、縫合作業に支障が出易いなどの副次的な欠点が起こり易い。また、エアバッグによっては、その形状、大きさに応じて要求される滑脱抵抗力が異なることもあるが、この方法では、基布全体に均一に樹脂が付与されるため、この要求を満たせない場合がある。
また、特許文献2には、ゴムをコーティングまたはラミネートしてエアバッグ用基布を作製する場合のゴムのロスを減らし、且つ縫製部縫い目の目止め工程を省略する為、基布を所定形状に裁断し縫製した後に、ゴムを含有する液体に含浸させて、ゴムを繊維と繊維の空隙および縫製の縫い目に充填させ、気密性の高いエアバッグを省材料、低コストで製造する方法が開示されている。この方法によれば、予めゴムを表面に施した基布を使用する場合に比較して、エアバッグに用いる基布のみにゴムが適用されるため経済的であり、また、縫製部縫い目の目止めもゴム液への含浸工程により同時に行われるため、製造工程が簡略化される。しかし、縫製して作製されたエアバッグは、形状が定まりにくく変形するため、エアバッグ全体に均等にゴム液を含浸することは難しく、浸透程度の調整は困難である。そのため、気密性や縫い目の目止め効果においてバラツキが生じ易く、安定した性能が確保されにくい。
一方、特許文献3には、複数の生地から縫製される空気袋において、生地の縫合面間に縫合部の縫い目およびその周囲に密着する弾性部材を介在させて縫合部の気密性を高める提案もされている。この場合、縫合は弾性部材が生地の縫合面の間に介在するように行う必要があり、工程が煩雑になるだけでなく、弾性部材の材料によっては縫合部が厚く嵩張り、エアバッグなどのように小さく折り畳む必要のある製品に対しては不都合が起こる可能性がある。
特開平7−186859号公報 特開平5−185889号公報 特開平11−342217号公報
本発明は、展開初期に部分的に高内圧となる場合でも、縫合部の縫い目開きを少なくし、堅牢で軽量なエアバッグおよびその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、基布を裁断して得られる裁断片の外周を縫製してなるエアバッグであって、該裁断片が、その外周縫製部近傍において内部に樹脂を有しており、かつ、外周縫製糸が該裁断片表面に露出しているエアバッグに関する。
前記外周縫製部が、ASTM D6479で規定された滑脱抵抗力700N以上を有することが好ましい。
前記外周縫製部近傍が、裁断片の外周縁から50mm以内の部分であることが好ましい。
前記樹脂の付着量が0.05〜2g/mであることが好ましい。
前記樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリアクリル系樹脂から選ばれた1種または2種以上であることが好ましい。
また、本発明は、基布を裁断して得られる裁断片の外周を縫製してなるエアバッグの製造方法であって、基布から複数の裁断片を裁断する工程、該複数の裁断片の外周縫製予定部近傍に、内部に浸透するように樹脂を付与する工程、および、該複数の裁断片を重ね合わせ、縫製する工程を含むエアバッグの製造方法に関する。
さらに、本発明は、基布を裁断して得られる裁断片の外周を縫製してなるエアバッグの製造方法であって、基布の外周縫製予定部近傍に、内部に浸透するように樹脂を付与する工程、該裁断予定部で裁断し、複数の裁断片を得る工程、および、該複数の裁断片を重ね合わせ、縫製する工程を含むエアバッグの製造方法に関する。
本発明によれば、縫合部の縫い目開きが少なく、堅牢で耐圧性に優れ、しかも軽量で柔軟なエアバッグおよびその製造方法を提供することができる。
本発明のエアバッグは、基布を裁断して得られる複数の裁断片を重ね合わせて縫合されるものであって、該裁断片(以下、パネルと称する場合がある)が、その外周縫製部近傍において内部に樹脂を有しており、かつ、外周縫製糸が該裁断片表面に露出している。
本発明では、縫い目ずれが大きく発生する可能性のある部位、すなわち、外周縫製部近傍にのみ、パネル内部にまで樹脂を付与することにより、必要最小限の付与量で、効果的に縫い目ずれを低減することができるため、得られるエアバッグは、気密性に優れ、軽量で柔軟性に富む。
また、エアバッグは折り畳んだ状態で所定の場所に収納されるが、エアバッグを構成するパネルの柔軟性は、折り畳み容積にかかわる重要な要因となる。本発明では、外周縫製部近傍以外の部分には、樹脂が内部にまでは浸透していないため、基布本来に近い柔軟性が保持されており、エアバッグの収納性に優れる。特にカーテンエアバッグなどの大型エアバッグでは効果が大きい。
また、近年、エアバッグに要求されている軽量化や収納性の向上、コストダウンを考慮すると、エアバッグに付与される樹脂の使用量を減らすことは、これらの要求を満たすことのできる良法である。本発明のエアバッグによれば、樹脂の使用量を減らすことによる気密性の低下という弊害を防止しながら、前記軽量性、収納性、コストダウンを満足させることができる。
ここで、縫製部の縫い目ずれは、エアバッグの初期展開時、膨張時および乗員がエアバッグに当接した時など複数の時点で発生し、展開時の衝撃を受け易い部位、エアバッグ内圧応力が集中し易い部位などに起こり易い。なかでも、エアバッグを構成する基本的な部位であるパネルの外周縫製部における縫い目ずれが発生し易く、この部位の縫い目ずれを低減することは、堅牢で高い耐圧性を確保する上で重要である。
本発明のエアバッグが有する外周縫製糸は、それを構成するパネル表面上に露出して存在している。つまり、外周縫製糸が、パネルに対する様々な加工で付与される樹脂によって、被覆されていないことを特徴としている。さらに言い換えれば、外周縫製工程は、様々な樹脂加工工程の後に行われる。
外周縫製部近傍における内部への樹脂の浸透によって、パネルを構成する繊維同士が接着されるなどして、繊維間の摩擦係数が増大する。一方、外周縫製糸は、見かけ上パネルと一体であるが、実際にはこれらパネルを構成する繊維とは(樹脂によって)一体化しておらず、該繊維とは挙動を共にしない。エアバッグが膨張する際、前記外周縫製部には内圧応力が加わり縫い目を拡大しようとするが、パネルから独立している外周縫製糸は、ある程度自由に移動することができるため、パネルの目ずれを均等化して緩和する。その結果、外周縫製部の破損が起きにくい。一般的に織物の場合、その糸目によって内圧応力が縫い目に対して不均一に加わる。その際、外周縫製糸とパネルとが一体化していると、縫い目の移動がないため、応力が強く加えられた箇所の縫製部で破損が生じ易い。この破損は、複雑な外周をもつエアバッグの場合に、より顕著にみられる。
本発明のエアバッグは、前記外周縫製部におけるASTM D6479で規定された滑脱抵抗力が700N以上であることが好ましく、750N以上であることがより好ましい。外周縫製部における滑脱抵抗力が700N以上であれば、外周縫合部の縫い目ずれを低減する効果が大きい。また、前記滑脱抵抗力は、1200N以下であることが好ましい。滑脱抵抗力を大きくすることにより、縫い目開きの低減効果も高くなるが、1200Nをこえると、例えば、基布の織密度が高い、樹脂付着量が多いなど、基布の柔軟性が損なわれる場合が多く、エアバッグの折畳み性を損なう可能性がある。
本発明において、パネル内部への樹脂付与は、パネルの外周縁から50mm以内の範囲に行うことが好ましく、10〜40mmの範囲であることがより好ましい。樹脂加工を施す範囲が、50mmの範囲をこえると、縫い目開きの低減効果は十分に得られるが、外周縫合部周囲の柔軟性が損なわれ、エアバッグの折畳み性が低下する傾向にある。また、10mmより少ないと、裁断片の重量が軽くなり、柔軟性も保持し易いものの、縫い目開きの低減効果が少なくなる傾向にある。
なお、外周縫製は、パネルの外周縁から、10〜30mmの範囲に施される。外周縫製が10mmより外側にあると、外周縫製糸が抜け易くなる傾向にあり、30mmより内側にあると、縫い代が大きくなり、折り畳んだときに嵩高くなる傾向にある。
外周縫製部に存在する樹脂の付着量は、使用する樹脂の種類、それによる縫い目開きの低減効果、求められる縫い目開きの低減の程度などにより選定すればよい。なかでも、付着量0.05〜2g/mであることが好ましく、0.1〜1.5g/mであることがより好ましく、0.15〜1g/mであることがさらに好ましい。付着量が2g/mをこえると、パネルの柔軟性が損なわれ、縫製作業に支障が生じる傾向にあり、0.05g/mより少ないと、縫い目開き低減の効果が十分でない傾向にある。
本発明で使用される前記樹脂は、縫い目開きの低減効果が大きい材料を用いれば良く、パネルの糸種、組織および表面形態、縫合部形状、負荷されるエアバッグ内圧などに応じて選定すればよい。なかでも、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂およびポリアクリル樹脂から選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。とくに、ポリアミド樹脂およびポリウレタン樹脂が好ましく、織物との密着性、縫い目開きの低減効果が大きい。
なお、求められる縫い目開きの低減の程度が部分的に異なる場合は、使用する樹脂の組成や付着量などを、その部分によって変化させることによって対応することができる。
前記ポリアミド樹脂としては、低融点の共重合ポリアミド溶液(例えば、住友精化社製のセポルジョンPA溶液、エムスケミー・ジャパン社製のGriltex Aシリーズ溶液など)、共重合ポリアミドフィルム(例えば、ダイセル・ヒュルス社のダイアミドフィルムおよびダイアミドスパン、日本マタイ社製のエルファンNTシリーズなど)、脂肪族系低分子ポリアミドまたはεカプロラクタム変性化合物などから得られる水溶性ポリアミドあるいはそれらの共重合体(例えば、東レ社製のAQナイロン、鉛市社製のFineResin FRシリーズ、住友精化社製のスミレーズレジンなど)、N−メトキシメチル化ポリアミド(例えば、ナガセケムテックス社製のトレジンなど)などの各種ポリアミド樹脂、およびこれらの混合物などがあげられる。
また、ポリウレタン樹脂としては、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系およびポリカプロラクトン系の樹脂があげられる。具体的には、大日精化社製のレザミンDおよびWシリーズ、大日本インキ化学工業社製のハイドランCPシリーズ、日華化学社製のカセゾールおよびエバファノール、第一工業製薬社製のエラストロンなどのポリウレタン系樹脂溶液があり、これらにイソシアネート系化合物またはカルボジイミド系化合物などの架橋剤を併用しても良い。また、日立化成ポリマー社製のハイボン、日本エヌエスシー社製のボンドマスター170シリーズ、大日本インキ化学工業社製のタイフォースHシリーズ、日本マタイ社製のエルファンUHシリーズなどのホットメルト型ポリウレタン樹脂を用いてもよい。
これらのなかでも、融点あるいはガラス転移点が常温以下であるものが、加工後の柔軟性が確保できる点で好ましいが、とくに限定されるものではない。
前記樹脂の形態および性状としては、1)溶剤系、水分散系または水懸濁系水溶液などの溶液、2)粉末、粒状またはブロック状などの固形物、3)フィルム状、シート状またはネット状などのシート物、あるいはこれらの複合材などがあげられ、とくに限定されるものではない。なかでも、作業性や形状の自由度の点で、溶液が好ましい。
本発明においては、前記樹脂をパネルの外周縫製部近傍の内部に付与するが、その付与方法は、樹脂がパネル(基布)内部、つまり、これを構成する繊維間に浸透するような方法であればとくに限定されず、材料の状態および性状に応じて適宜選定すればよい。例えば、1)溶液の場合、塗工、噴霧、印捺、含浸など、2)固形物の場合は、散布、噴霧、噴射など、3)シート状の場合は、貼付、接着、融着などの方法によって付与することができる。なかでも、作業性や形状の自由度の点で、溶液の塗工や噴霧が好ましい。
さらに、樹脂を付与した後、縫合工程での縫製作業に支障のないように、必要に応じて、樹脂を固化し、縫製部近傍内部に密着させるが、これも適宜、材料形態および性状に応じて選定すればよい。例えば、a)熱風、熱板などによる非接触加熱、b)熱板などによる接触加圧加熱、c)赤外線、紫外線、高周波、電子線などの高エネルギー線による硬化、あるいはこれらの方法を併用して行うことができる。なかでも、乾燥、硬化の時間の短さの点で、赤外線等の高エネルギー線による硬化が好ましい。
本発明で使用される基布は、織物、編物、組物、不織布、シート状物、ネット状物、あるいはこれらの複合物、積層物など、要求性能を満たす材料であればいずれでもよい。
織物の場合、その織構造の緻密さを示す指数であるカバーファクターが、750以上であることが好ましく、800以上であることが好ましい。なお、経糸および緯糸にそれぞれ繊度の異なる糸が用いる場合は、経糸および緯糸それぞれの繊度毎にカバーファクターを算出し、合計することで織物全体のカバーファクターが求められる。
ここでいうカバーファクター(CF)とは、織物の経糸および緯糸のそれぞれの織密度N(本/cm)と太さD(dtex)との積で求められ、下式にて表される。
CF=Nw×√Dw+Nf×√Df
ここで、Nw,Nfは、経糸および緯糸の織密度(本/cm)
Dw,Dfは、経糸および緯糸の太さ(dtex)
前記織物は、平織、斜子織(バスケット織)、格子織(リップストップ織)、綾織、畝織、絡み織、模紗織、あるいはこれらの複合組織など、とくに限定されない。なかでも、織物構造の緻密さ、物理特性や性能の均等性が確保できる点で、平織が好ましい。また、必要に応じて、経糸、緯糸の二軸以外に、斜め60度を含む多軸設計としても良く、その場合の糸の配列は、経糸または緯糸と同じ配列に準じればよい。
前記織物の製造は、通常の工業用織物を製織するのに用いられる各種織機から適宜選定すればよく、例えばシャトル織機、ウォータージェット織機、エアージェット織機、レピア織機、プロジェクタイル織機などから選定すればよい。
前記基布が編物の場合は、シングルトリコット編、シングルコード編、シングルアトラス編などのたて編や、平編、ゴム編、パール編などのよこ編、などの編組織を単独またはそれらを組み合わせた二重組織などからなるものが挙げられる。また、前記基布が不織布の場合は、ケミカルボンド、サーマルボンド、ニードルパンチ、スパンレース、ステッチボンド、スパンボンド、メルトブロー、湿式などにより製造されるものがあげられる。
本発明で使用される基布を構成する繊維糸条の繊度は、適宜選定すればよい。なかでも、200〜1000dtexであることが好ましく、250〜700dtexであることがより好ましい。200dtex未満ではエアバッグに求められる強度が得られにくい傾向にあり、1000dtexより大きくなると、重量が大きくなりすぎると同時に、基布の厚みが増大しバッグの収納性が悪くなるおそれがある。
また、単糸繊度は、0.5〜6dtexであることが好ましく、0.5〜4dtexであることがより好ましい。単糸繊度を細くすることにより、織物の通気性が小さくなり、柔軟性も向上しエアバッグの折畳み性が改良される。さらに単糸の断面形状は、円形、楕円、扁平、多角形、中空、その他の異型など、織物の製造、得られた織物の物性に支障のない範囲で適宜選定すればよい。また、単糸の強度は、5.4cN/dtex以上であることが好ましく、8cN/dtex以上であることがより好ましく、9cN/detx以上であることがさらに好ましい。
前記基布は、目付けが190g/m以下、引張強力が650N/cm以上であることが好ましい。目付けと引張強力がこの範囲であれば、軽くて物理特性に優れているといえる。なお、ここでいう目付けは、後述する不通気処理剤を塗布する前の未加工の状態の基布重量をいう。
前記基布を構成する繊維糸条は、天然繊維、化学繊維、無機繊維など、とくに限定されるものではない。なかでも、汎用性があり、織物の製造工程、織物物性に優れる点で、合成繊維フィラメントが好ましい。例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612などの単独またはこれらの共重合、混合により得られる脂肪族ポリアミド繊維、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9Tに代表される脂肪族アミンと芳香族カルボン酸の共重合ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの単独またはこれらの共重合、混合によって得られるポリエステル繊維、超高分子量ポリオレフィン系繊維、ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどの含塩素系繊維、ポリテトラフルオロエチレンを含む含フッ素系繊維、ポリアセタール系繊維、ポリサルフォン系繊維、ポリフェニレンサルファイド系繊維(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン系繊維(PEEK)、全芳香族ポリアミド系繊維、全芳香族ポリエステル系繊維、ポリイミド系繊維、ポリエーテルイミド系繊維、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール系繊維(PBO)、ビニロン系繊維、アクリル系繊維、綿、麻、ケナフ繊維などのセルロース系繊維、ポリ乳酸、琥珀酸に代表される生分解性繊維、炭化珪素系繊維、アルミナ系繊維、ガラス系繊維、カーボン系繊維、スチール系繊維などから、1種または2種以上を選定することができる。なかでも、物理特性、耐久性、耐熱性などの点で、ナイロン66繊維が好ましく、リサイクルの観点からは、ポリエステル系繊維およびナイロン6繊維が好ましい。
前記繊維糸条には、紡糸性や、加工性、耐久性などを改善するために通常使用されている各種の添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤などの1種または2種以上を使用してもよい。
また、エアバッグに高い気密性が要求される場合には、基布の少なくとも片面に、不通気材料を付与することが好ましい。不通気材料とは、例えば以下に示すように、実質的に空気を通さないようにする材料のことであり、不通気とは、JIS L1096「一般織物試験方法」における8.27.1 A法(フラジール形法)において、測定値0.0のことをいう。この材料を、後述する方法により、織物の片面あるいは両面から付与する。この不通気材料は、織物の表面、基布を構成する糸束の交差部、または、繊維単糸の間隙部など、いずれに介在していてもよい。
付与量としては、片面10g/m以上であることが好ましい。また、層状となる場合は、その厚さは10μm以上であることが好ましい。付与量が片面10g/mより少ない、または、層の厚さが10μmより薄いと、必要な気密性を得ることが難しい傾向にある。また、上限は、気密性が確保できる範囲で、少ない量とすることが好ましく、たとえば、80g/mまたは厚さ80μmとすればよい。
前記不通気材料の付与と縫い目開き低減のための樹脂付与とを行う場合は、いずれの付与を先に行ってもよい。なかでも、樹脂が内部に浸透し易く、縫い目開き低減の効果を発現させ易い点で、縫い目開き低減のための樹脂付与を行った後に、不通気材料の付与加工を行うことが好ましい。
前記材料としては、通常、エアバッグ用基布に使用されている材料であれば良く、耐熱性、耐摩耗性、基布との密着性、難燃性、不粘着性などを満足するものであれば良い。たとえば、シリコーン系樹脂またはゴム、ポリウレタン系樹脂またはゴム(シリコーン変性、フッ素変性も含む)、フッ素系樹脂またはゴム、塩素系樹脂またはゴム、ポリエステル系樹脂またはゴム、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系樹脂、尿素系樹脂、フェノール系樹脂などの1種または2種以上を用いれば良い。なかでも、耐熱性および難燃性の点で、シリコーン系樹脂が好ましい。
付与方法は、1)コーティング法(ナイフ、キス、リバース、コンマ、スロットダイおよびリップなど)、2)浸漬法、3)印捺法(スクリーン、ロール、ロータリーおよびグラビアなど)、4)転写法(トランスファー)、および、5)ラミネート法、6)噴霧・噴射法などがあげられる。なかでも、設定できる付与量の幅が大きい点で、コーティング法が好ましい。
また、前記材料には、主たる材料の他、加工性、接着性、表面特性あるいは耐久性などを改良するために通常使用される各種の添加剤、例えば、架橋剤、接着付与剤、反応促進剤、反応遅延剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、粘着防止剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤などの1種または2種以上を選択、混合しても良い。
前記材料の液体としての性状は、塗布量、塗布法、材料の加工性や安定性、要求される特性などに応じて、無溶媒型、溶媒型、水分散型、水乳化型、水溶性型などから適宜選定すればよい。
また、前記材料には基布との密着性を向上させるための各種前処理剤、接着向上剤などを添加しても良いし、予め基布表面にプライマー処理などの前処理を施しても良い。さらに、前記材料の物理特性を向上させたり、耐熱性、老化防止性、耐酸化性などを付与するため、前記材料を織物に付与した後、乾燥、架橋、加硫などを熱風処理、加圧熱処理、高エネルギー処理(高周波、電子線、紫外線など)などにより行ってもよい。
本発明のエアバッグは、1枚または複数のパネルの外周を縫製して得られるものである。外周縫製は、本縫い、二重環縫い、片伏せ縫い、かがり縫い、安全縫い、千鳥縫い、扁平縫いなどの通常のエアバッグに適用されている縫い目により行うことができる。縫製糸の太さは、700dtex(20番手相当)〜2800dtex(0番手相当)であることが好ましく、運針数は2〜10針/cmであることが好ましい。複数列の縫い目線が必要な場合は、縫い目線間の距離は2.2mm〜8mm程度として、多針型ミシンを用いればよく、縫製部距離が長くない場合には、1本針ミシンで複数回縫合してもよい。
前記外周縫製糸は、一般に化合繊縫い糸と呼ばれるものや工業用縫い糸として使用されているものの中から適宜選定すればよい。例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ポリエステル、高分子ポリオレフィン、含フッ素、ビニロン、アラミド、カーボン、ガラス、スチールなどがあげられ、それらの紡績糸、フィラメント合撚糸、フィラメント樹脂加工糸のいずれであってもよい。
本発明のエアバッグの製造方法について説明する。
前記したように、本発明のエアバッグが有する外周縫製糸は、パネルに対する様々な加工で付与される樹脂によって被覆されていないことを特徴としている。つまり、外周縫製が、樹脂加工の後に行われることが必要であり、他の工程はとくに限定されるものではない。
具体的には、基布からパネルを切り出した後、その外周縫製予定部近傍に樹脂を付与する方法と、基布の裁断予定部近傍(すなわち、外周縫製予定部近傍)に樹脂を付与した後、パネルを切り出す方法とがある。
詳細には、基布から複数の裁断片を裁断する工程、該複数の裁断片の外周縫製予定部近傍に、内部に浸透するように樹脂を付与する工程、および、該複数の裁断片を重ね合わせ、縫製する工程を含む製造方法、および、基布の裁断予定部近傍に、内部に浸透するように樹脂を付与する工程、該裁断予定部で裁断し、複数の裁断片を得る工程、および、該複数の裁断片を重ね合わせ、縫製する工程を含む製造方法である。なお、不通気材料による被覆加工などの樹脂加工を行う場合は、縫製工程の前に行う。
本発明のエアバッグについて、使用するインフレーターの特性によっては、必要に応じてインフレーター噴出口周囲に熱ガスから保護するための耐熱保護布や力学的な補強布を設けても良い。これらの保護布や補強布は、布自体が耐熱性の材料、例えば、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、PBO繊維、ポリイミド繊維、含フッ素系繊維などの耐熱性繊維材料を用いても良いし、エアバッグ本体と同じか本体用基布より太い糸を用いて別途作製した織物を用いても良いし、該織物に耐熱性被覆材を施したものを用いても良い。
本発明のエアバッグの仕様、形状および容量は、配置される部位、用途、収納スペース、乗員衝撃の吸収性能またはインフレーターの出力などに応じて選定すればよい。
また、エアバッグに乗員が当接した際のエネルギー吸収のため、一個または複数の排気穴、例えば直径10mm〜80mmの円形またはそれに相当する面積に穴、またはこれらの排気性能に相当するスリット、膜、弁などを設けてもよい。前記排気部の周囲には、補強布を接合または積層してもよい。さらに、乗員側へのエアバッグの突出を抑制したり、膨張時の厚みを制御するために、エアバッグ内側に吊り紐、ガス流調整布、あるいはエアバッグ外側にフラップと呼ぶ帯状布または抑え布などを設けてもよい。
エアバッグを収納する際の折畳み法も、運転席用バッグのような中心から左右、上下対称の屏風折り、あるいは中心に向かって多方位から押し縮める折り、助手席バッグのようなロール折り、蛇腹折り、屏風状のつづら折り、あるいはこれらの併用や、シート内蔵型サイドバッグのようなアリゲーター折りなどにより折畳めばよい。
本発明のエアバッグは、各種の乗員保護用バッグ、例えば、運転席および助手席の前面衝突保護用、側面衝突保護用のサイドバッグ、後部座席保護用、追突保護用のヘッドレストバッグ、脚部・足部保護用のニーバッグおよびフットバッグ、乳幼児保護用(チャイルドシート)のミニバッグ、エアーベルト用袋体、歩行者保護用などの乗用車、商業車、バス、二輪車などの各用途の他、機能的に満足するものであれば、船舶、列車・電車、飛行機、遊園地設備など多用途に適用することができる。
実施例
以下、実施例に基づき本願発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例の中で行ったエアバッグ用織物、裁断片の縫合部およびエアバッグ特性の性能評価の方法を以下に示す。
(1)縫合部の滑脱抵抗力
実施例および比較例に示されたものと同じ織物を裁断し、実施例および比較例に示されたものと同じ樹脂の種類、付与方法および付与量で樹脂を付与して得られた試料(裁断片)を用いて、ASTM D6479に規定された方法により、基布からの糸の滑脱抵抗を経方向、緯方向それぞれN=3測定し、これらの総平均値を滑脱抵抗力(N)として算出した。
(2)エアバッグの折畳み性
机上に、エアバッグの排気孔が上部、取付け口が裏面となるように置き、取付け口に対して水平方向の左右の半円部を、それぞれ外周から中心に向けて3回ロール状に巻き、次いで、上下に残された半円部を同様に外周から中心に向けそれぞれ3回ロール状に巻いて、中心部で合わせた。その上に厚さ1mm、20×20cmの四角形のアクリル板を置き、板上に重さ1kgの錘を載せ、30秒後にエアバッグの折畳み厚さを測定した。実施例1における厚さを100として、各相対値を求めた。
(3)エアバッグの重量
得られたエアバッグを折り畳み、重量を測定し、実施例1における重量を100として、各相対値を求めた。
(4)バッグの展開試験
ダイセル社製インフレーター(型式ZA、2ステージ型、出力160kpa/220kpa)、固定金具および樹脂製ケースを用いてモジュールを組み立て実施した。モジュールは25℃で展開試験を行い、展開時の最大バッグ内圧を測定すると共に、膨張状態ならびに展開後のエアバッグ外周縫製部の状態を観察した。
評価に使用した運転席用エアバッグの作製法を以下に示す。
(5)運転席用エアバッグの作製法
エアバッグ用基布として準備した織物から、外径がφ690mmである円形の本体パネルを2枚裁断し、一方の本体パネル中央部にφ67mmのインフレーター取付け口、ならびに該取付け口の中心から斜め上45度の線上120mmの位置に排気孔φ30mmを2箇所(左右一対)に開口した。また、補強布として、ナイロン66繊維の470dtexを用いて作製した織密度21本/cmであるノンコート基布と,織密度18本/cmの基布にシリコーン樹脂を35g/mを塗布して得られたコート基布とを準備した。インフレーター取付け口の補強布として外径210mm、内径67mmの環状布Aをノンコート基布から3枚、コート基布から1枚裁断した。さらに、排気孔補強布として前記コート基布から外径90mm、内径30mmの環状布Bを2枚裁断した。
3枚のノンコート環状布Aをインフレーター取付け口に重ね合わせ、内側からφ126mm、φ188mmの位置で円形に縫製し、その上から同一形状のコート環状布A1枚を重ね合わせ、φ75mmの位置で4枚の環状補強布を本体基布に円形に縫い合わせた。また、それぞれの排気孔には、環状布Bを1枚重ね合わせて本体パネルに縫い付けた。環状布A、環状布Bの各補強布は、それぞれを縫い合わせる本体パネルの糸軸と45度ずれるように重ね合わせた。インフレーター取付け口の周囲には、本体パネルの糸軸と平行となる位置に、穴間距離68mmにてφ5.5mmのボルト穴を4ヶ所に設けた。環状補強布A、Bの本体パネルへの縫い付けには、上糸(ナイロン66)を5番手糸(1400dtex相当)、下糸(ナイロン66)を8番手糸(940dtex相当)として、3.5針/cmの運針数で本縫いにより行った。また、2枚の本体パネルは、環状補強布を縫い付けた面同士をパネルの糸軸を45度ずらして重ね合わせ、その外周部を、縫い目線間2.4mm、縫い代を20mmとして二重環縫い2列にて縫合し、内径φ650mmの円形エアバッグを作製した。外周部縫製の縫い糸は、上記本縫いと同じ縫い糸の組み合わせを用いた。
実施例1
経糸、緯糸にいずれもナイロン66繊維の470dtex/136f(糸強度8.5cN/dtex、単糸繊度3.5dtex)を用いて平織物を作製し、精練、セットを行って、不通気材料を有していないノンコート織物を得た。この時の織密度は、経および緯いずれも20本/cmであった。得られた織物から、前記した運転席用エアバッグの作製法に準じてエアバッグ用の各パーツを裁断した。ついで、円形本体パネルの外周部に沿って塗工幅35mmにて、水溶性ポリアミド樹脂(住友精化社製、エポキシ変性水溶性ポリアミド樹脂、固型分30%)の希釈水溶液を噴霧加工し、赤外線ヒーターにより乾燥、150℃にて10秒間熱処理を行った。樹脂の付着量は0.15g/mであった。次いで、各パーツと重ね合わせて縫合しエアバッグを作製した。得られたエアバッグの展開試験を行い、展開後の外周部の状況を観察した。
裁断片の特性、エアバッグの展開後の状況を表1に示す。別途作製した裁断片の滑脱抵抗力は非常に高く、得られたエアバッグは軽量で、展開後のエアバッグの外周には問題はなかった。
実施例2
樹脂材料として水溶性ポリアミド樹脂に替りポリウレタン樹脂(日華化学社製、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂水分散溶液、固型分30%)の6%希釈溶液を用い、付着量を0.25g/mとした以外は、実施例1と同様にして本発明のエアバッグを得た。別途作製した裁断片は高い滑脱抵抗力を持ち、得られたエアバッグは軽量で、展開時の衝撃にも耐え、展開後の外周縫合部の異常はなかった。
実施例3
樹脂の付着量を2.3g/mとした以外は、実施例2に準じて裁断片およびエアバッグを作製した。裁断片の外周縫合部の滑脱抵抗力は、極めて高く、展開試験後の外周縫合部にも問題は無かった。樹脂付着量がやや多いため、実施例2と比較して、エアバッグ重量および折畳み厚さが若干大きかった。
比較例1
外周縫製部近傍に樹脂を付与しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてエアバッグを作製した。表1に示すように、別途作製した裁断片の外周縫合部の滑脱抵抗力は低かった。また、得られたエアバッグは軽量ではあるが、展開試験により外周縫合部の目開きが大きく、3ヶ所で破断した。
比較例2
仕上りの織密度を経、緯いずれも21.7本/cmとしたこと、および、外周縫製部近傍に樹脂を付与しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてエアバッグを作製した。表1に示すように、展開試験後のエアバッグ外周縫合部の縫い目開きは若干あるものの問題はなかった。しかし、エアバッグ重量が重く、折畳み厚さも大きく、本発明の目的を達成することはできなかった。
Figure 2009227017

Claims (7)

  1. 基布を裁断して得られる裁断片の外周を縫製してなるエアバッグであって、該裁断片が、その外周縫製部近傍において内部に樹脂を有しており、かつ、外周縫製糸が該裁断片表面に露出しているエアバッグ。
  2. 前記外周縫製部が、ASTM D6479で規定された滑脱抵抗力700N以上を有する請求項1記載のエアバッグ。
  3. 前記外周縫製部近傍が、裁断片の外周縁から50mm以内の部分である請求項1または2記載のエアバッグ。
  4. 前記樹脂の付着量が0.05〜2g/mである請求項1、2または3記載のエアバッグ。
  5. 前記樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリアクリル系樹脂から選ばれた1種または2種以上である請求項1、2、3または4記載のエアバッグ。
  6. 基布を裁断して得られる裁断片の外周を縫製してなるエアバッグの製造方法であって、基布から複数の裁断片を裁断する工程、該複数の裁断片の外周縫製予定部近傍に、内部に浸透するように樹脂を付与する工程、および、該複数の裁断片を重ね合わせ、縫製する工程を含むエアバッグの製造方法。
  7. 基布を裁断して得られる裁断片の外周を縫製してなるエアバッグの製造方法であって、基布の外周縫製予定部近傍に、内部に浸透するように樹脂を付与する工程、該裁断予定部で裁断し、複数の裁断片を得る工程、および、該複数の裁断片を重ね合わせ、縫製する工程を含むエアバッグの製造方法。
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