JPH04356248A - 車輌用エアバック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車輌の衝突時に車輌の
乗員を衝撃から保護する車輌用エアバックに関する。

【０００２】

【従来の技術】車輌衝突時に乗員を保護するための対策
の一つとして車輌用エアバックの使用が有効であるとさ
れ、一部ではすでに実用化され、さらにエアバックの取
付義務付けの気運が高まっている。

【０００３】車輌用エアバックは、ステアリングホィー
ルの中央に折畳んで組込まれ、衝突時の衝撃をセンサで
検知し、その検知信号をもって、インフレータと称する
ガス発生器を起動し、発生した高温，高圧ガスをエアバ
ック内に供給し、瞬時にエアバックを膨張拡開させ、乗
員の身体一部、特に顔面のクッションとして作用させる
ものである。

【０００４】エアバックは、円板状のシートの対を周縁
で縫着又は接着し、その一部にインフレータ挿込口及び
ベントホールを開口したものであり、両シートは、必要
により吊布で連結され、インフレータ挿込口及びベント
ホール開口縁は、補強布，当布で補強したものである。

【０００５】エアバックの設置に際しては、図５に示す
ように、ステアリングホィール１のハブ部１ａに、ベー
スプレート２を組み付け、該ベースプレート２上にエア
バック本体３のインフレータ挿込口４の口縁をあてがい
、インフレータ挿込口４の口縁をリングプレート６で圧
着し、ボルト５で一体的に締付け固定し、インフレータ
７は、ベースプレート２に取付け、そのガス噴出口７ａ
をベースプレート２の開口を通してエアバック本体３内
に臨ませるものである。なお、エアバック本体３は、ベ
ースプレート２上に折畳まれ、その上面は、エアバック
カバー８で覆われる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】エアバック本体３は、
インフレータ７内の起爆によって生ずる高温，高圧ガス
の圧入により急激に膨張拡開するものであり、その内圧
は、エアバック本体３の各部、特にエアバックの外周部
分に強力な内圧が作用する。エアバック本体３は、円板
状シート１０，１１の対を周縁部で接合したものである
。

【０００７】両シート１０，１１は、膨張時の内圧に耐
える強度に接合されていなければならない。両シート１
０，１１を縫着するときには比較的大きな接合強度が得
られ一般的には、図６の（ａ）ように、両シートの周縁
部を内側に折返し、その折返し縁を縫着されることが多
いが、シートの縫合は、基本的に縫目からのガス洩れが
さけられず、リーク量にバラツキがあると瞬間的な膨張
展開時にとるべき形態を一定に設計することがむずかし
く、リーク量が多いときには膨張拡開不能となる。また
、縫合によるときには、爆発により生じたガスが高温の
ため、縫糸が溶融，切断し、多量のガス洩れが生じて膨
張，展開が不能となった事例が報告されている。

【０００８】一方、接着によるときには、図６の（ｂ）
ように、シート１０，１１の外周縁を一定の幅で重ね合
せ、接着によりその重合部を封止されるが、膨張拡開時
に生ずる両シートの張力が接着面を引き裂く方向に作用
して破裂する慮れがある。その改良案として図６の（ｃ
）のようにシート１０，１１の外周縁を内側に折返し、
その折返縁を接着したうえ縫合し、さらにその外面をシ
リコン膜１２でコーティングしたものや、図６の（ｄ）
ように縫合部に接着テープ１３を貼着して縫糸が直接高
温ガスに触れないようにしたもの（実開昭６１−７５５
４９号参照）が知られているが、いずれもその加工が極
めて厄介であるという欠点を有している。

【０００９】本発明の目的は、接着処理を用いて封止部
の気密性並びに接合強度を増大させ、ひいては安全性を
高めた車輌用エアバックを提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
、本発明による車輌用エアバックにおいては、袋状をな
すエアバック本体を有し、ステアリングホィールに折畳
み状態で格納され、車輌衝突時に高圧ガスを圧入してエ
アバック本体を膨張拡開させる車輌用エアバックであっ
て、エアバック本体は、対をなす円板状シートを周縁部
において封止したものであり、インフレータ挿込口とベ
ントホールとを有し、インフレータ挿込口は、一方の円
板状シートに開口されたインフレータ挿込用の孔であり
、ベントホールは、インフレータ挿込口が開口された前
記円板状シートに開口された脱ガス用の孔であり、対を
なす円板状シートは、その一方の直径が他のシートより
大径であり、大径側の円板状シートの周縁部は、小径側
の円板状シート上に折返され、大径側の円板状シートの
折返縁は、小径側の円板状シートの外面に接着してエア
バック本体の封止部を形成するものである。

【００１１】

【作用】エアバックの膨張拡開時に両シートは、互いに
離反する方向の力を受け、シートの張力が封止部に剪断
力として作用する。したがって、封止部を形成する大径
側シートの折返縁に或る程度の幅を確保して小径側シー
トの表面に接着されていれば、気密性が保たれ、剪断力
に対しても十分な接着強度を保持して剥離せず、また、
封止部の接着面に高温，高圧ガスが直接触れることもな
い。

【００１２】

【実施例】以下に本発明の実施例を図によって説明する
。図１は、本発明によるエアバック本体の一例を示す。 図において、大小異径の円板状シート１０，１１の対を
向き合せ、大径側シート１０の周縁部を小径側シート１
１の端縁において折返し、その折返縁１２に接着剤を塗
布して小径側シート１１の表面に接着する。これによっ
て小径側シート１１の外周端縁は、大径側シート１０の
折返縁１２に封止されてエアバック本体３の封止部９が
形成される。

【００１３】なお、一方の円板状シート１０にはインフ
レータ挿込口４及びベントホール１３が開口され、該イ
ンフレータ挿込口４及びベントホール１３の口縁には補
強布１４が縫付けられ、また、両シート１０，１１には
、膨張拡開時の厚みを制限するための吊布１５が必要に
より縫付けられる。なお、インフレータ挿込口４及びベ
ントホール１３は、大径側及び小径側のいずれの側シー
トに設けられていてもよい。

【００１４】円板状シートは、基布に耐熱性コーティン
グを施したものであり、接着剤には、耐熱性コーティン
グ材料と同じものを用いている。具体的には次のとおり
である。 基布：ナイロン，テトロンなどの合成繊維，ポリアミド
炭素繊維などの耐熱性繊維からなる織物コーティング材
料：耐熱性樹脂，合成ゴム，シリコーンなど 接着剤：同上 シートは、いずれも高温，高圧ガスにさらされる内側の
面に耐熱コーティング面が面するように用いる。シート
１０とシート１１との接着に際しては、接着すべきシー
トの面を加熱，加圧し、接着剤中に含まれた気泡を排除
し、また接着剤付着量の不均一をなくして互いに緊密に
密着させて両シートの突き合せ縁を封止することが重要
である。

【００１５】図２は、小径側シート１１の外表面と、該
小径側シート１１に接着した大径側シート１０の折返縁
１２上とに跨ってさらに補強テープ１６を接着した例、
図３は、両シート１０，１１の接合部を覆って両シート
の内面側に跨って補強テープ１７を接着した例である。 さらに、図４のように、エアバックの内外面のシート接
合部間に跨って補強テープ１６，１７を接着すれば封止
部９の気密性，剥離強度は一層高まる。補強テープ１６
，１７にはシートと同一材料のものを用い、コーティン
グ材料と同じ材質の接着剤をもって接着する要領は両シ
ートを接着する要領と同じである。

【００１６】エアバックの膨張展開時におけるガス洩れ
量（リーク量）は次式で示される。 Ｑ＝（Ｃ１・Ｓ１＋Ｃ２・Ｓ２＋Ｃ３・Ｓ３）√２・Ｐ
／ρＱ：エアバック膨張展開時の全リーク量Ｃ１，Ｃ２
，Ｃ３：流量係数 Ｓ１：基材の開口相当面積 Ｓ２：インフレータ，取付部の縫い目の開口相当面積Ｓ
３：外縁部縫合面の開口相当面積 Ｐ：ガス圧 ρ：Ｎ２ガス密度 通常のエアバックにおいては、外縁部縫合面からのガス
のリーク量（Ｃ３・Ｓ３√２・Ｐ／ρ）が全体のリーク
量の約９７％を占める。たがって、外縁部を接着するこ
とにより、ガス洩れの微少なエアバックを形成すること
が可能となるため、乗員拘束時のバッグ内圧を左右する
ベントホールの最適サイズを容易に設定することができ
る。

【００１７】以下に実施例を示す。

【００１８】（実施例１）合成繊維織物を基材とし、基
材の片面にクロロプレンゴムをコーティングしたシート
より大小２枚の円板状シートを裁断した。大径側シート
は、小径側シートより直径を４ｃｍ大きく設定し、コー
ティング面を内側として両シートの中心を合せて向き合
わせ、大径側シートを小径側シートの外端縁で折返して
該シート上に重ねその折返縁をクロロプレンゴム接着剤
にて小径側シートに加圧して貼付け、その後クロロプレ
ンゴム接着剤を加硫して図１のエアバックを完成した。

【００１９】（比較例１）実施例１と同じ材質と同じ大
きさで同じサイズのシートの対を重ね、大径側シートの
周縁部を小径側シート上に折返し、その折返縁を小径側
シートに縫合して縫製型エアバックを作成した。

【００２０】（比較例２）実施例１と同じ材質で同じサ
イズの２枚のシートのゴムコーティング面の周縁部に接
着剤を添付し、約４ｃｍの範囲にわたって加熱，加圧し
て接着し、図６の（ｂ）に示す構造の接着型エアバック
を作成した。

【００２１】以上実施例１，比較例１，比較例２につい
てリーク量の性能比較を行った。リーク量はエアバック
の内圧０．０１ｋｇ／ｃｍ２において、実施例１は、０
ｌ／ｍｉｎであったのに対し、比較例１は、５０〜２５
０ｌ／ｍｉｎであり、バラツキが大きく、信頼性に欠け
るものであった。また、破裂強度については、実施例１
は、比較例１のエアバックと同等以上の信頼性の高い性
能が得られた。比較例２のものもリーク量は０ｌ／ｍｉ
ｎであったが、耐圧性能が実施例１の１／１０程度で、
極めて安全率の低いものであった。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明によるときには、気
密性，接着性，耐熱性に優れ、周縁部からのガス洩れが
ないために膨張拡開時の形態を安定に保ち、また、膨張
拡開後の脱気連度を制御するベントホールの口径は、周
縁部からのガス洩れを考慮することなく決定することが
でき、ひいては乗員の安全確保に大きく寄与することが
できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示す断面図である。

【図２】第２の実施例を示す要部断面図である。

【図３】第３の実施例を示す要部断面図である。

【図４】第４の実施例を示す要部断面図である。

【図５】エアバックを折畳んでステアリングホィールに
組付けた状態を示す図である。

【図６】エアバックの従来例を示す図である。

【符号の説明】

３　　エアバック本体 ９　　封止部 １０　　大径側円板状シート １１　　小径側円板状シート １２　　折返縁

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　袋状をなすエアバック本体を有し、ス
   テアリングホィールに折畳み状態で格納され、車輌衝突
   時に高圧ガスを圧入してエアバック本体を膨張拡開させ
   る車輌用エアバックであって、エアバック本体は、対を
   なす円板状シートを周縁部において封止したものであり
   、インフレータ挿込口とベントホールとを有し、インフ
   レータ挿込口は、一方の円板状シートに開口されたイン
   フレータ挿込用の孔であり、ベントホールは、インフレ
   ータ挿込口が開口された前記円板状シートに開口された
   脱ガス用の孔であり、対をなす円板状シートは、その一
   方の直径が他のシートより大径であり、大径側の円板状
   シートの周縁部は、小径側の円板状シート上に折返され
   、大径側の円板状シートの折返縁は、小径側の円板状シ
   ートの外面に接着してエアバック本体の封止部を形成す
   るものであることを特徴とする車輌用エアバック。