JP2967134B2 - エアバッグ - Google Patents

エアバッグ

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JP2967134B2
JP2967134B2 JP7519981A JP51998196A JP2967134B2 JP 2967134 B2 JP2967134 B2 JP 2967134B2 JP 7519981 A JP7519981 A JP 7519981A JP 51998196 A JP51998196 A JP 51998196A JP 2967134 B2 JP2967134 B2 JP 2967134B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、乗物衝突時の乗員保護装置であるエアバッ
グに関し、軽く、柔軟で、コンパクトにエアバッグケー
スに収納できる袋織ピースからなるエアバッグに関す
る。
背景技術 一枚の基布から特定形状に裁断した複数の布地を縫合
して作られている従来の縫製バッグに対し、人手による
縫製精度からくる製品の信頼性の問題、より広範な車種
に装着させるための価格の低減、などから、少なくとも
外周部の縫製工程を省略できる袋織エアバッグが提案さ
れている。
特開平1-254446号公報、米国特許第5,336,538号明細
書には、袋体の中空部がほぼ円形で、外周部が接結組織
で形成された、コーティングされた袋織のエアバッグが
記載されている。
しかし、エアバッグを、より軽く、小さく折り畳める
ようにするため、ゴム等の高分子膜でコーティングしな
い、いわゆるノンコートの織物で形成されたエアバッグ
の開発も行われてきている。
特表平4-504988号公報、WO90/09295号公報には、中空
部がほぼ円形のノンコート袋織エアバッグが記載されて
いる。
しかし、これまでのノンコートエアバッグは、織物自
体の通気性を活かしてフィルターとして作用させるバッ
グ内のガスを排気させる部分の織物は、ある程度織密度
を下げるか、織組織を、斜子織(バスケット織)、綾
織、朱子織、などの平織より粗な組織にする、などして
高通気性にしている。
そのため、バッグに要求される排気特性は確保できる
ものの、バッグに当接する乗員が、織布を通過してきた
熱ガスで火傷したり、残渣などの飛散物が目に入ったり
するおそれがある。また、粗な組織では基布自体の組織
ずれが生じ易い織物設計となるため、外周接合部やガス
発生器取付口周辺の補強部が、展開時の衝撃力で破損す
る場合もでてくる。
このようなことを避けるため、例えば特開平3-128743
号公報、米国特許第5,114,180号明細書には、乗員が当
たる部分、基布の外周接合部およびガス発生器取付口周
辺にコーティングすることも記載されている。
しかしながら、この方法も部分的にコーティングする
ための加工工程が必要となり、真の意味で、軽く、柔軟
なエアバッグは得られない。
特開平2-158442号公報には、袋織エアバッグの乗員に
面する織物および乗員と反対の方向に面する織物それぞ
れの通気度qAおよびqBの範囲が記載されている。しか
し、これらの通気度の相対比qB/qAは、2.5以上で極めて
大きく、結果としてバッグ通気量が過多となり、乗員の
衝突エネルギーを吸収できないおそれがある。
更に、袋織エアバッグの外周接合郡は、2枚の織物が
接結織組織により一体化されており、接結組織部の織密
度は2枚の織物の織糸数の和になる。従って接合部は極
めて緻密で粗硬な組織となり、高速展開時に乗員の体の
一部を擦過することも考えられるため、バッグ全体を反
転して外周接結部をエアバッグの内側に位置せしめる
「表返し」の工程を経て、製品として使用されていた。
この「表返し」の作業もエアバッグの製造価格を高くす
る要因の一つであった。
発明の開示 本発明の第一の目的は、二重組織織物による袋織エア
バッグであって、袋体の中空部を構成する織物の織組
織、密度を選択することにより、膨張用熱ガス、残渣の
漏洩が防止若しくは軽減された軽量、柔軟でコンパクト
な袋織物を基布とするノンコートエアバッグを提供する
ことにある。本発明の第二の目的は更に易膨張展開性で
あって、展開時の衝撃に対して堅牢で改良された安全性
を奏する構造のノンコート袋織エアバッグを提供するこ
とである。
本発明の第三の目的は、製織した二重組織織物から概
ね裁断するだけで表返し工程なしに前記性能を有する改
良された構造のワンピースノンコートエアバッグを提供
することである。
本発明は、袋体の中空部の輪郭を縁取る接結一重組織
帯部により結合された2枚の織物からなる二重組織織物
からなり、前記2枚の織物の一方が前記中空部の乗員側
面を区画する織物(以下、織物Aという場合がある)で
あり、前記2枚の織物の他方を前記中空部の裏面側を区
画する織物(以下、織物Bという場合がある)としてな
り、前記中空部を区画する2枚の織物が下記〔1〕及び
〔2〕関係を満足する織物で構成され、かつ前記の接結
一重組織帯がその外周部に下記〔3〕の式で表される硬
さ係数が28以下の織組織を有してなることを特徴とする
ノンコート袋織エアバッグである。
〔1〕乗員側面を区画する織物の組織が平織組織であっ
て下記式で示されるカバーファクターKが2000≦K≦23
00であること 但し、K=Kt+Kw 〔2〕乗員側を区画する織物と裏面側を区画する織物そ
れぞれの19.6Kpa加圧時の通気度qA、qBがqA≦qBである
こと、但しqBは裏面側を区画する織物面内に設けられた
ベントホール部を除外した織物部分の通気度をいう 〔3〕S=N/(L×U) 但し、N:織物組織の420デニール換算時の経糸密度と
緯糸密度の総和(本/in) L:織物組織の織物の層数 U:織物組織の単位組織中の経糸本数と緯糸本数
の和。
本発明のエアバッグにおいて、乗員が接触するエアバ
ッグの織物Aは、乗員への熱ガスや飛散物の影響を抑止
するため、ガスや微粒子を極力透過することのない緻密
な構造とする。本発明の第一の目的を達成するために
は、織組織を平織りとして、カバーファクターKが、20
00≦K≦2300、好ましくは、2100≦K≦2300の範囲であ
ることが肝要である。一般に、低通気度の基布は織密度
を高くすることによって得られる。しかし、最も緻密な
織組織である平織りとすることが必要である。織物のカ
バーファクターKが本発明の範囲にあっても、平織り以
外、例えば、斜子織(バスケット織)、綾織、朱子織、
格子織などの緻密でない織組織では、熱ガスやインフレ
ーターから飛散する微粒子を阻止することはできない。
織物A及びBの通気度について言及する。織物Bの通
気度(qB)と織物Aの通気度(qA)とが、qA≦の関係qB
であることも、エアバッグの実用的な排気特性を確保す
るために必要である。qA>qBの場合には、乗員が当接す
る織物A側の通気度は高くなり、乗員への熱ガスの影響
が懸念される。qBとqAとの比qB/qAが、1≦qB/qA≦2.2
であることがさらに好ましい。qB/qAが2.2を越える場合
には、織物B側の通気度が過大となり、バッグ通気量も
過大となって、乗員の衝突エネルギーを吸収できないお
それもある。
織物Aの通気度(qA)は、100cc/cm2/sec以下(19.6k
Pa加圧時)であることが求められる。100cc/cm2/secを
越える場合には、エアバッグの展開時に織物Aからガス
が抜け、エアバッグ側から噴出する熱ガスで乗員が火傷
するおそれもある。
本発明によるノンコートエアバッグの通気量Qは、1
≦Q≦15m3/min、好ましくは2≦Q≦12m3/min、である
ことが実用上必要である。Qが1m3/minより小さい場合
は、乗員がエアバッグに突あたった際の排気量が少な
く、乗員が逆方向に反動的にはね返される(リバウント
する)おそれがある。また、Qが15m3/minより大きい場
合は、エアバッグが展開したときのバッグ内圧が十分高
まり難く、乗員の衝突エネルギーを受容することができ
ず、乗員の体がエアバッグを取り付けているハンドルや
パネル、エアバッグを収納してあるモジュール等にぶつ
かるおそれがある。なお、ここでいうエアバッグの通気
量とは、ベントホールを含めた袋体構造全体の通気量の
ことである。
本発明のノンコート袋織エアバッグは、その平面形状
が円形、長円形、楕円形、矩形、多角形などこれが適用
される目的に応じて任意に選ばれる。
本発明のノンコート袋織エアバッグは、後述するよう
に織機上で成繊された前記二重組織織物をその接結一重
組織帯の外周縁部に沿って裁断し、ガス発生器よりのガ
ス通路孔を一方の織物(乗員側織物の裏側の織物)に開
けることによって形成される。
本発明のノンコート袋織エアバッグでは、袋体の中空
部を横成する2重組織織物を以上の如く設計することに
より、熱ガスや燃焼残渣の漏洩の防止し乃至軽減と、膨
張展開性と収納性が同時的に改善されている。
本発明の第二及び第三の目的は、前記した本発明の二
重組織織物による袋体は、織物A,B及び一重接結組織帯
の織組織について以下の変形を加えることにより達成す
ることができる。
その一つは、二重組織織物の中空部を形成する組織A
と織物Bの構成糸の一部として袋体の展開を制御する糸
を織物Aと織物Bに織り込むことにより、織物Aと織物
Bとを連結した構造の二重組織織物によりノンコートエ
アバッグを形成することである。
この袋体の展開を制御する連結糸は、従来エアバッグ
の袋体内部に取付けられたストラップに等しい機能を発
揮する。織物Aと織物Bとをエアバッグの展開時の衝撃
により破断もしくは、伸長する糸を織り込むで接合する
か若しくは縫製により縫い込むかした構造としバッグの
展開形状を制御する二重組織織物袋体とすることもでき
る。他の方法として、エアバッグの展開時に破断しない
強度を持った糸を、袋体の中空部の中で所望する長さを
持つように織込んだ構造として、ストラップとすること
もできる。いずれにしても、これらの本発明の変形態様
は、軽くかさばりのないノンコート袋織エアバッグであ
る。
本発明のエアバッグの他の変形態様は、織物Bの一部
を粗い織組織に織って形成したベントフィルター部を有
する二重組織織物の袋体によるノンコート袋織エアバッ
グである。粗い組織によるベントフィルター部はガスの
積極的な排気のためのもので平織よりも粗い織組織で、
その個数、面積、形状は、個々のエアバッグの排気性能
に応じて決定される。この変形態様は、エアバッグの製
作において、裁断、縫製工程を徹底して省くのに役立
つ。
本発明の更にもう一つの変形態様は、袋体の中空部の
輪郭を縁どる接結一重組織織帯の外周縁部を下記式によ
り求められる硬さ係数スティフネス値(S)が28以下の
粗く柔らかな織組織帯に織ることである。
S=N/(L×U) 但し、Nは外周縁部織組織帯の420デニール換算の経
糸密度と緯糸密度の総和(本/吋)、Lは外周縁部の組
織帯の層数、及びUは、外周縁部組織帯の単位組織中の
経糸本数と緯糸本数の和を表わす。
Nは、例えば織物A,Bの部分の織物が、420d,経緯の織
密度がそれぞれ53本/吋の場合は、その接結一重組織は
織密度が106本/吋となり、N=212本/吋、織物A,Bの
部分の織物が、210d、経,緯の織密度がそれぞれ72本/
吋の織物の場合は同様にN=144本/吋となり、Nが大
きいほど織密度が高くなって織物は硬くなり、またSは
大きくなる。
Lは織物の層数であり、Nが同じ場合、Lが大きく、
即ち層数が多くなるほど1層あたりの織密度は小さくな
るので織物は柔らかくなり、Sは小さくなる。
Uは織物を構成する最小単位の織組織の中に含まれる
縫糸本数と緯糸本数の和であり、例えば平織の場合はU
=4本、2/2の斜子織の場合はU=8本となる。Uが大
きいほど、即ち最小単位の織組織が大きいほど織組織は
粗な組織となるため、織物は柔らかくなる、Sは小さく
なる。
従って、Sが大きいほど織物は硬くなり、逆にSが小
さいほど織物は柔らかくなる。
最外周縁部の織組織のSが28よりも大きい場合は、裁
断端部が硬く、乗員がバッグに当接した際に裁断端部が
乗員の腕や顔面等に当たって擦過傷を引き起こすおそれ
がある。擦過傷を防止するためにはSを28以下とするこ
とが有効である。このように、接結一重織帯の少くとも
外周縁部の組織を柔らかく粗な構造の織物とすることに
より、外周部の裁断端部を柔らかくすることができる。
かくして、本発明のノンコートエアバッグは、バッグを
表返ししないで二重組織織物生地を接結一重組織帯部の
外周縁で裁断した形状のままの袋体をノンコートエアバ
ッグとすることができる。したがって、エアバッグの製
造工程を極めて簡素なものとなすことができ、経済的で
ある。
二重組織織物の製織法は、比較的織密度の高い織物を
製織できる打ち込み力の大きな織機を用いると良い。例
えば、レピア織機、プロジェクタイル織機、シャトル織
機、エアージェット織機などから適宜選択し、袋織構造
とするためのジャカード装置を用いることができる。ジ
ャカード装置も、機械式電子式、いづれでも良い。織機
の経糸供給を複数のビーム方式とし、織物A若しくはB
に、バッグの展開形状制御用の糸を経糸の一部として織
込む場合、別個に整経したビームを用いて織機に供給し
ても良い。
本発明の織物AおよびBを構成する糸は、エアバッグ
に要求される特性に応じて選定すれば良い。織物Aは低
通気度を保持するため平織からなる高カバーファクタ
ー、即ち高密度織物を用いる。高密度化することにより
生じる欠点、即ち、基布の目付け増大、柔軟性の低下、
引裂強力の低減などを回避するために、原糸デニールが
750d以下、好ましくは600d以下、また、単糸デニールは
1〜6d、好ましくは2〜4dの糸を用いると有効である。
一方、適度な排気性を求められる織物Bは、織物Aと
同じ糸条、組織、織密度で構成しても良いが、接結一重
組織帯の機械物性を損なわない範囲で細デニールの糸条
を使ってカバーファクターを小さくしたり、織組織を平
織以外、例えば斜子織、格子織などの粗な織組織にする
こともできる。もちろん、エアバッグの排気特性を調整
するために、部分的により粗い織組織に織られるベント
フィルターの面積を変更することは極めて有効な方法で
ある。
また、織物AおよびBを構成する糸条は通常用いられ
るものの中から特定すれば良く、例えば、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、などの単独、
またはこれらの共重合、混合により得られるポリアミド
繊維;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリナフタレンテレフタレートなどの単
独、またはこれらの共重合、混合により得られるポリエ
ステル繊維;バラフェニレンテレフタルアミド、および
これと芳香族エーテルとの共重合体などに代表されるア
ラミド繊維;全芳香族ポリエステル繊維;ビニロン繊
維;超高分子量ポリエチレンなどを含むポリオレフィン
繊維;塩化ビニル系および塩化ビニリデン系繊維;ポリ
テトラフルオロエチレン系を含むフッ素系繊維;ポリサ
ルフォン(PS)繊維;ポリフェニレンサルファイド系繊
維(PPS);ポリエーテルエーテルケトン系(PEEK)繊
維;ポリイミド繊維;ポリエーテルイミド繊維;高強力
レーヨンを含むセルロース系繊維;アクリル系繊維;炭
素繊維;ガラス繊維;シリコーンカーバイド(SiC)繊
維;アルミナ繊維;などから適宜選定すれば良いが、場
合によっては、スチールに代表される金属繊維などの無
機繊維を含んでも良い。
これらの繊維糸条には紡糸性や加工性、材質の耐久性
を改良するために通常使用されている各種の添加剤、例
えば耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止
剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、溌水剤、溌油剤、酸化チタ
ンなどの隠ペい剤、光沢付与剤、難撚剤、可塑剤、など
の一種または二種以上を使用しても良い。
また、場合によっては、加撚、嵩高加工、捲縮加工、
捲回加工、などの加工を施しても良い。
更に、糸条は、長繊維のフィラメント、短繊維の紡績
糸、これらの複合糸など、特に限定しない。
図面の簡単な説明 第1図(A)から第1図(B)は本発明による袋織り
エアバッグの基布として用いる2重組織織物地の1例を
示し、第1図(A)はこの織物地の織物A側から見た平
面図、第1図(B)は、この織地の織物B側から見た平
面図を示す。
第2図(A)から第2図(B)は本発明によるノンコ
ート袋織りエアバッグを示し、第2(A)は乗員側に配
置される面とは反対面の織物B側から見た平面図、第2
図(B)は第2(A)のXX′線で切った断面図である。
第3図(A)、第3図(B)、第3図(C)、第3図
(D)及び第3図(E)は、本発明による袋織りエアバ
ッグのベントフィルターの形状の変形例を示し、第3
(A)はリング状、第3図(B)は1/2リング状、第3
図(C)は1/4リング状、第3図(D)は扇型、第3
(E)は矩形のベントフィルターをそれぞれ示す平面図
である。
第4図は本発明による袋織りエアバッグの織物Bに、
付加的糸条を織込むことにより十字型に補強帯組織を形
成した例を示す。
第5図は、本発明による袋織りエアバッグを示し、織
物Bに、付加的糸条を織込むことにより十字型に補強し
該補強部分にベントフィルター部を設けた例である。
第6図は、本発明による袋織りエアバッグの、織物A
と織物Bの織組織の一部を連結するように、連結用糸を
織り込んだ略示断面図。
第7図は本発明による袋織りエアバッグの、織物Aと
織物Bの一部を密着接合するように、接合用糸を縫い込
んだ設けた例で織物B側与り見た平面図で示す。
第8図は、本発明による袋織りエアバッグの、織物B
に、付加的に補強用糸を織込むことにより十字形の補強
帯を設けて、この補強部分に矩形のベントフィルター部
を設け、該ベントフィルター部の両側に織物Aと織物B
の一部を密着接合する接合用糸を縫いつけた例を示す織
物Bの平面図である。
第9図(A)から第9図(B)は本発明による助手席
用袋織りエアバッグを示し、第9図(A)は、織物Aか
ら見たエアバッグの平面図を示し、第9図(B)は、織
物Bの表面を見た平面図である。
第10図(A)は、織物Aの織組織図、第10図(B)お
よび第10図(C)は接結一重組織帯部の織組織図の例で
ある。第10図(D)はベントフィルターの織組織図の一
例を示す。
第11図は、本発明の二重組織織物の、中空部と接結一
重組織帯、さらにその外周に外周帯を設けた構造を説明
する部分斜視図である。
第12図はバッグ通気量測定用試験装置の説明図であ
る。
第13図は基布通気度測定用試験装置の説明図である。
第14図(A)、第14図(B)及び第14図(C)は展開
試験装置の説明図である。第14図(A)は、展開試験装
置を上面から見た図、第14図(B)は同装置をX方向か
ら見た図、第14図(C)は同装置をY方向から見た図で
ある。
発明を実施するための最良の形態 本発明によるノンコート袋織エアバッグについて主と
してドライバー用エアバッグについて、第1図A〜第11
図を参照して説明する。
第2図(A)及び第2図(B)は、本発明のノンコー
ト袋織エアバッグをドライバー用エアバッグに適用した
典形例を示している。第2図(A)は、本例のエアバッ
グの裏面、すなわち乗員側とは反対の面を視た平面外観
であり、第2図(B)は本例のエアバッグの袋体を形成
する中空部をやや誇張的に膨らませた状態での断面を示
している。本例において、ノンコート袋織エアバッグ
は、平面視で円形の袋体中空部(H)の外輪郭を縁どる
接結一重織組織帯(3)により結合された乗員側面
(2)を区画する織物(A)と中空部(H)の裏側面
(2′)を区画する織物(B)の2枚の織物から構成さ
れる接結二重織物により形成されている。織物(A)
は、カバーファクターが2,000〜2,300の平織物で、通気
度(qA)が100cc/cm3/sec以下の概ね非通気性の平織物
であり、代表的には420d/140fのナイロン66若しくはポ
リエステル繊維のマルチフィラメント糸で製織されたも
のである。織物(B)は、前記したように中空部の裏面
側、つまり本例のドライバー席用エアバッグでは、ステ
アリングホイール側を区画する織物であって、通気度が
前記織物(A)よりも大きい織構造に織物(A)と同一
素材の糸で製織された織物であって、その織物面内には
裁断により開けられたガス発生器の取付開口(6)の両
側に2つの粗な織組織で織られたベントフィルター部を
有している。織物(B)のガス発生器の取付開口(ガス
導入口でもある)の外側周縁には、補強布片(5)が接
着剤により貼着けられ、ここにガス発生器(図示なし)
が取付けられている。
第2図(A)及び第2図(B)のノンコート袋織エア
バッグは、第1図(A)及び第1図(B)で模式的に示
される複数の二重組織織パターンを長手方向に並べ製織
した織物地(1)から、それぞれの二重組織パターンの
接結一重織帯(3)の外周縁でレーザー裁断、熱融解裁
断法により各一体の袋体ピースとして分離され、前記し
たガス発生器の取付口(6)をレーザー法等により切抜
き製作される。第1図(A)は、織物地(1)の織物
(A)の面、第1図(B)は織物地(1)の反対側の
面、即ち織物(B)の面を含む織物地の面である。
第3図(A)、第3図(B)、第3図(C)、第3図
(D)及び第3図(E)は、織物Bの一部に、織組織が
粗なベントフィルター部(フィルター機能を有する排気
孔)の変形例である。ベントフィルター部(4)を設け
ることは実用上有効である。ベントフィルター部(4)
は、エアバッグが展開し、乗員がエアバッグに衝突した
直後の数十〜数百msec前後の極めて短時間に迅速に排気
させる機能が必要であり、そのため織物Bの組織よりも
粗な織構造とすることが有効で好ましい態様である。ベ
ントフィルター部の通気度は、織物Bの通気度の少くと
も3倍以上とすることが好ましい。ベントフィルター部
4の織組織としては、斜子織、綾織、朱子織、格子織、
模紗織、経畝織、緯畝織などの、平織よりも粗な織組織
とし、その形状面積、個数は、要求されるエアバッグの
排気性能に応じて任意に設定することができる。
本発明のノンコートエアバッグは、ストラップとし
て、〔1〕袋織バッグの製織時に、第6図の如く織物A,
Bの構成糸に加えて、エアバッグの展開制御用の連結用
糸(8)を織物Aの織物Bの領域(2′)とをゆるく連
結するように織り込むか、〔2〕第7図の如く、織物A
と織物Bとをバッグの展開制御用の接合用糸(9)によ
り部分的に接合して、エアバッグの展開時に糸(9)が
破断もしくは伸長してバッグの突出エネルギーを吸収
し、その展開形状の制御を行うことができる設計とする
のが好ましい。〔2〕の方法の場合、織物AとBは、縫
製、若しくは織り込みにより接合糸(9)で接合するこ
とができる。
連結用糸(8)、接合用糸(9)の材質、太さ、強度
等は、エアバッグの突出抑止効果を満足することのでき
るものであれば良く、織物A,Bの経糸方向及び/又は緯
糸方向に所望の展開制御効果を得るのに必要な本数を織
り込み、または縫い込むことで行なえる。(1)法での
織り込みに用いる連結用糸(8)は、例えばアラミド糸
等の高強力かつ耐熱性繊維を用い、展開時のエアバッグ
の高さが、ストラップがないエアバッグに比べて20%以
上低くなるように、袋体の中空部の中での長さを調整し
て織込む。具体的な織込み方については特表平4-504988
号(WO90-09295)に開示してある公知の方法によっても
よい。
また連結用糸(8)は、高伸長性の発現できる糸を用
いてもよい。高伸長性糸を用いると、エアバッグの展開
時にストラップに働く衝撃力を緩和し得るのでストラッ
プが破断せず、また伸長する際にエアバッグの展開エネ
ルギーをある程度吸収することができて、エアバッグの
突出を抑制することができる。
高伸長性の発現できる糸は、例えば破断伸度が200%
以上、好ましくは300%以上の嵩高加工糸、巻縮加工糸
でも良い。さらには未延伸糸、例えばポリアミド系繊維
未延伸糸で、破断伸度が200%以上、好ましくは300%以
上、太さが2000〜8000dの糸を用いることができる。
〔2〕法での接合に用いる接合用糸(9)は、例えば
特公平4-504988号公報(WO90-09295号)に開示されてい
るように、エアバッグが展開するときに接合用糸(9)
の破断エネルギーを利用してエアバッグの突出を抑制す
る。接合用糸(9)は、エアバッグの展開時に確実に破
断する必要があり、そのためには比較的低強度の糸を用
い、ガス導入口からエアバッグの外周端に向かって放射
状に織物AとBを接合するのが好ましい。具体的には使
用するガス発生器の出力に合わせて、所望する接合用糸
(9)の強度や接合する長さ、接合点の数等を選んでエ
アバッグの突出抑止効果を持たせることが必要である。
第11図は、本発明のノンコートエアバッグの袋体の中
空部(H)の外周縁を区画する接結一重組織帯(3)が
更にその外周縁でステイフネス係数28以下の最外周接合
帯(11)により囲まれていることを示す。前記した第2
図(A)〜第2図(B)のノンコートエアバッグは、図
示されてはいないが、この柔軟な最外周接合帯(11)を
設ける設計が好ましい。
袋体の中空部形状を規定する接結一重組織帯(3)の
構造は、乗員がバッグに当接してバッグ内圧が上がった
とき、織物AおよびBと外周接合部3との境界領域が組
織ずれを生じないように設計される。そのためには、接
結一重組織帯(3)の織組織は、できるだけ緻密な組織
の方がよい。この接結一重組織帯は、ある程度以上の幅
を有することが必要である。また織物AおよびBの緻密
度が大きいほど、またこの組織帯(3)の幅が外周接合
部の製織性、品位などに与える影響が大きくなり、問題
を生じやすくなる。
そこで、例えば接結一重組織帯(3)を幅方向に2つ
の領域(3a),(3b)に分割し、中空部に接する帯域
(3a)は平織、畝織組織等のできるだけ緻密な織組織
で、幅を狭くし、前記帯域の外側の帯域(3b)は斜子
織、綾織等の比較的粗な織組織で幅を広くすることによ
り、中空部外周縁の組織ずれを防ぐと同時に製織性、品
位を向上させることができる。通常、(3a)の幅は1〜
5mm、(3b)の幅は6〜25mmの範囲にあれば良い。
また、袋織エアバッグを「表返し」せずに使用するた
めには、外周接合部は柔軟な構造にする必要がある。接
結一重組織(3)または(3b)の織組織を粗な組織とし
て柔軟にする方法も考えられるが、前述したごとく、中
空部外周縁の組織ずれの問題があるため、あまり粗な組
織にすることはできない。そこで本発明の、より好まし
い実施態様として、接結一重組織(3)は強固な構造と
したままで、更にその外側に柔軟な構造を持つ外周帯
(11)を設けても良い。こうすれば、中空部外縁の組織
ずれを防げると同時に外周裁断端部による乗員の擦過傷
も防止することが可能となる。
接結一重組織帯(3)は必ず一重でなければならない
が、外周帯(11)は必ずしも一重である必要がないの
で、二重あるいは三重等の多重織物構造として織物の一
重あたりの織密度を下げることによって、より柔軟な構
造とすることができる。もちろん、合わせて外周帯の織
組織を粗な組織することも効果が大きい。
第4図、第5図、第8図、第9図(B)は、ガス導入
口(6)の周りに補強織組織(7)を形成した織物Bの
諸変形例を示している。補強織組織はガス発生器の取付
開口部(6)を取囲むのに必要な幅で、織物Bを構成す
る糸とは別の、経糸、緯糸を織込み、該経糸と緯糸が交
差する領域が補強織組織となる。通常、ガス発生器の取
付用開口部(6)が直径100mmの円形の場合、補強のた
めの経糸および緯糸の織込み幅は150〜300mmで良い。
補強織組織の構造は、織物Bと一体の織物として織込
だ糸の本数分だけ織密度を増した構造としても良いし、
また、織物Bとは別の織物として織込だ糸だけで織物を
構成し、ガス発生器の取付用開口部(6)の周囲におい
て間欠的に織物Bに接結させた構造としても良い。織込
む糸の本数や織組織、補強構造は、必要な強度と製織性
とのバランスを考慮して最適な設計にすれば良い。補強
織組織は、織物Bを構成している糸と同じものでも良い
が、強度の高い糸、例えば強度10g/d以上の糸を使用す
ることにより補強効果が高まる。製織上のトラブルを防
ぐために、加撚糸や集束糸を用いても良い。
更に、第4図、第9図(B)の変形例では、補強織組
織(7)に加えて、補強布片(5)を接着固定した例で
ある。
また、比較的高出力、あるいは高温度のガスを噴出す
るガス発生器と組み合わせる場合には、ベントフィルタ
ー部(4)が高温の熱ガスによって、損傷、場合によっ
ては溶融破断することも有り得るため、第5図の例で示
すように、補強織組織領域7の部分にベントフィルター
部(4)を設けることがより効果的である。こうするこ
とで、ベントフィルター部の単位面積当たりの経糸及び
緯糸のデニールの総和(TD)が大きくなるのでベントフ
ィルター部の熱容量が大きくなり、熱ガスによる損傷を
防止することができる。この効果を確実に発揮させるた
めには、前記TDと、織物Bの他の部分の経糸、緯糸のデ
ニールの総和(TD′)との比TD/TD′が、1.5≦TD/TD′
≦4、好ましくは1.8≦TD/TD′≦3.5の範囲とすること
が肝要である。TD/TD′が1.5未満の場合には、熱容量が
少なくて溶融するおそれがある。TD/TD′が4を越える
場合には、ベントフィルター部の織組織をできる限り粗
な組織にしたとしても、通気量が少なすぎ、ベントフィ
ルターとしての機能が低下する。
耐熱ガス性を向上させる必要がある場合には、ベント
フィルター部の位置を特定することにより実現できる。
第5図に示す如く、織物Bの幾何学的中心を原点、緯糸
方向をX紬、経糸方向をY軸、織物Bの緯糸方向の幅を
2a、経糸方向の幅を2bとしたとき、−a≦x≦a,−b≦
y≦bを満足する座標(x,y)の位置にベントフィルタ
ー部4を設ける。この範囲以外の位置への配置は、織物
Bの伸びが大きいため、バッグが展開したときにベント
フィルター部の変形が大きくなり、局部的に通気度の大
きい部分ができて熱ガスが集中して排気される。そのた
め、極めて高温度のガスを噴出するガス発生器と組み合
わせた場合には、ベントフィルター部が溶融するおそれ
がある。
ガス発生器の取付口としてのガス発生器の取付用開口
部(6)周辺は、エアバッグがモジュールから突出する
展開初期に著しく大きな衝撃力が加わるため、第2図
(A)ないし第4図に示すように、別途準備した補強布
片(5)を固定する。従来は、エアバッグの織物Aまた
はBから裁断した複数枚の、例えば円形布帛を裁断し、
縫製などにより縫い合わせ固着していた。本発明のノン
コート袋織エアバッグの製作では、縫製工程を極力省略
するために、別途準備した補強布を接着剤で固定するこ
とが有効である。補強布片(5)の設計、使用枚数は、
使用するガス発生器の出力(ガス圧力、ガス温度)、バ
ッグの形状などにより特定すれば良い。接着工程を簡易
にするため補強布の枚数は1枚が好ましく、その布帛設
計も、織物AまたはBを構成する基布の破断強力の1〜
3倍の強力を発現できるような織物、編物、これらの積
層体を使用すれば良い。
接着のための接着剤は、補強布片(5)と織物Bとの
十分な初期接着力および長期耐久性に優れるものであれ
ば良い。接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリ
ウレタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリアミ
ド化合物、ポリアクリル化合物、シリコーン化合物、フ
ェノール系化合物、ポリイミド化合物などの熱硬化性化
合物;湿気硬化型ホットメルト化合物(シリコーン系、
ポリウレタン系など);紫外線硬化性化合物(シリコー
ン系など);電子硬化性化合物;ゴム糊系化合物;など
の一種または二種以上を単独または混合使用することが
できる。特に、シリコーン系接着剤は、初期接着力に加
え、乾熱、湿熱などの長期エージング後も極めて高い接
着力を保持するため、本発明には有効である。
接着剤には、耐熱牲、経時安定性、耐酸化性、耐老化
性、硬化反応促進または遅延などの特性を改良するため
の添加剤を含んでも良い。
接着剤の塗布量は、必要な接着力、使用する接着剤、
接着面の状態に応じて選定すれば良いが、100〜300g/
m2、好ましくは150〜250g/m2の範囲から特定すれば良
い。また、塗布方法は、コーティング法、プリント法、
転写法、押し出し法などの通常の加工法によれば良く、
フィルム状またはシート状のものを用いても良い。
接着のための処理は、前記各硬化法に加え、加熱プレ
ス、スチームプレス、高周波加熱等を用いることができ
る。熱硬化型シリコーン系接着剤の場合は、加熱プレス
を用いて、温度140℃〜190℃、接着面圧力0.1kgf/cm2
0.6kgf/cm2、時間0.25分〜2.0分の間の条件を、補強
布、領域2′、接着剤等の状態に応じて適宜、選定すれ
ば良い。
以下、本発明によるノンコート袋織エアバッグの各種
実施例を比較例と共に説明する。
実施例及び比較例の説明に先立ちエアバッグの性能評
価に用いた測定方法について説明する。
(1)織物の通気度(q)の測定方法 第13図に示す装置を用いて、19.6kPaに加圧時の通気
度を測定した。中空の測定筒(29)の中に試料となる織
物(27)を固定し、高圧空気(32)を減圧弁を通して下
方より送入し織物(27)を通過させて流量計31より排気
する。基布27の、空気が通過する面積は10.46cm2(直径
3.65cm)であった。
圧力計28の値が19.6kPaで定常的に流れている状態で
の空気流量を流量計31で読取り、基布27の単位面積当た
りの通気量を基布通気度q(cc/cm2/sec)とする。
(2)バッグの通気量の測定 エアバッグ全体からの排気量(=バッグ通気量Q)
は、第12図に示す測定する装置を用いて測定した。装置
の下から上方向に向けて送風機で空気(26)を送り込
み、上方にセットしたバッグ(21)から排気させる。圧
力計(22)の値が1.96kPaで定常的に流れている状態で
の空気流量を流量計(23)で読取り、バッグ通気量Q
(m3/min.)とする。
(3)バッグ最大内圧pの測定 モートン社製ガス発生器(運転席用バッグの場合はTy
pe-IV、助手席用バッグの場合はType-D)、固定金具、
樹脂製ケースを使用し、バッグをモジュールに組み込
み、85℃で4時間予熱後、高温展開試験(A)を行い、
その時のバッグ最大内圧pを測定する。
(4)バッグの損傷状態の評価 前記(3)の高温展開試験後のバッグの損傷状態を観
察する。
よりきびしい条件の試験として、100℃で4時間予熱
後の高温展開試験(B)を一部行った。
(5)バッグ外周裁断端部の硬さ評価 前記(3)の高温展開試験時に、第14図(A)、第14
図(B)及び第14図(C)に示す装置を用い、シリコー
ンゴム膜の損傷状況を観察し、評価した。第14図
(A)、第14図(B)及び第14図(C)はいずれも、エ
アバッグの展開試験時に、バッグが最大限膨張した瞬間
の状態を模式的に描いている。
展開用の架台33の上に、乗員の皮膚を模擬したシリコ
ーンゴム膜(厚さ0.5mm、引張破断荷重3.6MPa、最大伸
び86%、幅500mm、高さ300mm)の両端を強固な支柱に固
定したものを2枚、垂直に設置しておく、設置する位置
は、バッグが展開したときにバッグの外周裁断端部が確
実にシリコーンゴム膜に接するような位置とし、例え
ば、膨張時のバッグの水平方向の直径が600mmの場合、
2枚のシリコーンゴム膜の間隔は500〜550mmとする。
架台33上の2枚のシリコーンゴム膜の中間位置に、あ
らかじめ所定の温度に加熱されたエアバッグモジュール
を取付け、1分以内にガス発生器に点火してバッグを展
開させる。
展開試験後のシリコーンゴム膜の損傷状態を観察し、
長さ1mm以上の断裂が見られる場合は、バッグの外周裁
断部が硬すぎて乗員の擦過傷が起きる可能性が高いと判
断し、その他の場合は問題なしと評価した。
(6)バッグの折り畳み高さ バッグをモジュールに組み込むときと同様に折り畳
み、2枚のガラス板で折り畳んだバッグを挟み、上のガ
ラス板に2kgの荷重を積載し、5分後の2枚のガラス板
間の間隔を測定する。評価は運転席用バッグまたは助手
席用バッグのそれぞれのシリコーンゴム50g/m2で塗布し
たコーティングバッグを100としたときの相対比で表
す。
実施例1 ナイロン66繊維420d/140fを用いて、ジャカード付き
レピア織機にて、経糸、緯糸いずれの織密度も51本/吋
の運転席用の円形の袋織エアバッグを製織した。袋体の
中空部の乗員側面(2)を構成する織物Aの織組織は平
織、袋体の中空部の裏面側(2)を形成する織物Bの織
組織は、平織りに経、緯いずれも1/2吋間隔で格子状に
2本引き揃えた格子織りとした。接結一重組織帯(3)
は、第10図(B)の組織図で示す斜子織の織組織とした
(外周帯11は設けていない)。この織物を精練・熱セッ
トして、ノンコート袋織基布を得た。
この基布から、接結一重組織帯(3)の外側に沿って
ホットナイフにより溶融裁断して円形のバッグを採取し
た。バッグの内径はφ710mm、外周接合部幅9mm、領域2,
2′の部分の織密度は経、緯とも53本/吋であった。
次いで織物Bの中央に、別途用意したφ200mmの円形
リング状補強布片(5)を接着し、ガス発生器用取付口
としてφ100mmの開口6を設け、表返しをせずにエアバ
ッグとした。補強布片は、ナイロン66繊維1260d/210fを
用いて製織、精練・熱セットした平織物(織密度は経、
緯いずれも29本/吋)を裁断して使用した。また、接着
は熱硬化性シリコーン接着剤を用いて、塗布量200g/
m2、温度160℃、の条件にて加熱プレス機にて1分間熱
処理した。
得られたバッグを前記評価法(1)〜(6)にしたが
って評価した結果を表.1に示す。
バッグは軽く、折り畳み時の厚みも少なく、高温展開
での問題もない。また、展開試験(A)時にバッグの外
周端部と接触したシリコーンゴム膜の表面には、何の異
常も認められなかった。バッグは乗員の保護装置として
十分な特性を備えている。
実施例2 実施例1において、ナイロン66繊維420d/140fに代え
て210d/105fを用いて、ジャカード付きレピア織機に
て、経糸、緯糸いずれの織密度も68本/吋、織物Aの織
組織は平織、織物Bの織組織は、平織りに経、緯いずれ
も1/2吋間隔で格子状に2本引き揃えた格子織り、の運
転席用の円形袋織りエアバッグを製織した。この織物を
精練・熱セットして、織密度72本/吋のノンコート袋織
基布を得た。
その他は全て実施例1に準じてエアバッグを作成し
た。得られたバッグの特性を表.1に示す。バッグは軽
く、折り畳み時の厚みも少なく、高温展開(A)での問
題もない。乗員の保護装置として十分な特性を備えてい
る。
実施例3 ナイロン66繊維420d/140fを用いて、ジャカード付き
レピア織機にて、経糸、緯糸いずれの織密度も51本/吋
の運転席用の円形袋織りエアバッグを製織した。織物A
及び織物Bの織組織は、いずれも平織とした。
さらに、第3図(D)に示すごとく織物Bの一部に扇
型のベントフィルター部(4)を設けた。ベントフィル
ター部の織組織は第10図(D)に示す変形経畝組織と
し、ベントフィルター部の総面積は830cm2とした。
接結一重組織帯(3)、バッグ内径は実施例1と同じ
とし、この織物を精練・熱セットして、経、緯とも53本
/吋のノンコート袋織基布を得た。ベントフィルター部
の基布部の通気度は、163cc/cm2/sec(19.8kPa加圧時)
であった。
次いで、実施例1と同様に接結一重組織帯(3)の外
側に沿って溶融裁断し、織物Bの中央に円形リング状補
強布片(5)を接着し、ガス発生器用取付口としてφ10
0mmの開口6を設け、表返しをせずにエアバッグとし
た。
得られたバッグの評価結果を表.1に示す。バッグは軽
く、折り畳み時の厚みも少なく、高温展開(A)での問
題もない。
実施例4 実施例3において、織物Bの中央に設けるガス発生器
取付用開口部(6)の補強として、経および緯、それぞ
れ20cm幅に相当する部分に、補強用糸として織物Bと同
じ糸を同じ織密度で織り込み、補強領域(7)を形成し
た。
さらに、織物構成糸の一部として接合用糸を経糸・緯
糸方糸にそれぞれ第7図に示す如く、織物A,Bを密着し
て接合するように織り込み、長さ100mm×4本の接合部
を計4カ所形成した。
その他は実施例3と同じとし、この織物を精練・熱セ
ットして、ノンコートの袋織基布を得た。
次いで、実施例1と同様に接結一重組織帯(3)の外
側に沿って溶融裁断し、織物Bの中央にガス発生器用取
付口としてφ100mmのガス発生器取付用開口部(6)を
設け、表返しをせずにエアバッグとした。
得られたバッグの評価結果を表.1に示す。バッグは軽
く、折り畳み時の厚みも少なく、高温展開(A)での問
題もない。バッグ展開初期には、織物A,Bを接合した糸
が破断することにより、バッグの突出エネルギーが吸収
され、バッグの突出が緩和され、乗員の保護装置として
十分な特性を備えている。
但し、より厳しい条件の評価試験として、同じガス発
生器を組み込んだモジュールを100℃で4時間予熱後、
高温展開試験(B)を行った結果、ベントフィルター部
に若干の溶融が確認された。
実施例5 実施例3において、織物Bの中央に設けるガス発生器
取付用開口部(6)の補強として、経および緯、それぞ
れ20cm幅に相当する部分に、補強糸としてナイロン66繊
維糸(210d/35f)を織物Bと同じ密度で織り込み、補強
領域7を形成した。さらに、接着用補強布(5)とし
て、別途ナイロン66繊維の840d/140fの糸を用いて製
織、精練・熱セットした平織物(織密度は経、緯いずれ
も28本/吋)を用意し、あとは実施例3に準じてエアバ
ッグを作成した。
得られたバッグの評価結果を表.1に示す。バッグは軽
く、折り畳み時の厚みも少なく、高温展開(A)での問
題もない。
実施例6 実施例4において、ベントフィルター部は、第8図に
示す如く、一辺が145mmの矩形のベントフィルター部を
織補強領域(7)の部分に4ケ所設け、また、織物A、
織物Bを密着して接合する糸は、第8図に示す如くベン
トフィルター部を挟むような位置に、長さ100mm×2本
の接合部(9)を計8ケ所形成した。
また、接結一重組織帯(3)は、内側(3a)が幅3mm
の第10図(B)で示す織組織、斜子織外側(3b)が幅12
mmの第10図(C)の2/3飾り斜子織の織組織とし、さら
にその外側に、2層に分かれた織密度53本/吋、幅12mm
の斜子織の最外周帯(11)を設けて、該外周帯(11)の
外側に沿ってレーザー裁断した。これら以外は、全て、
実施例4に準じてエアバッグを作成した。
得られたバッグの評価結果を表.1に示す。バッグは軽
く、折り畳み時の厚みも少なく、高温展開(A)でのバ
ッグの突出も緩和されて、全く問題ない。また、より厳
しい条件の評価試験として、同じガス発生器を組み込ん
だモジュールを100℃で4時間予熱後、高温展開試験
(B)を行った結果、ベントフィルター部の溶融等、バ
ッグの損傷は全く見られなかった。
実施例7 実施例6において、織物A,Bを密着して接合する糸条
は設けず、その他は全て実施例6に準じて製織、精練・
熱セットし、ノンコート袋織地を得た。該織物の外周帯
(11)の外側に沿ってレーザー裁断した後、第7図に示
す如く、ミシン糸上糸420d、下糸1260dを用いて織物A
と織物Bとを密着して接合するように縫合し、長さ100m
m×4本の接合部を計4カ所形成した。その他は全て実
施例6に準じてエアバッグを作成した。
得られたバッグの評価結果を表.1に示す。実施例6の
場合と同様な性能を示した。
実施例8 実施例6において、織物A,Bを密着して接合する糸条
の代わりに、ナイロン66繊維の未延伸糸4000d/140f、40
本を連結用糸として用いて、第6図に示す如く織物A,B
の間に入る長さが200mmになるように織り込み、ストラ
ップとした。その他は全て実施例6に準じてエアバッグ
を作成した。
得られたバッグの評価結果を表.1に示す。バッグは軽
く、折り畳み時の厚みも少ない。高温展開(A)には、
未延伸糸のストラップが伸長されてバッグの突出エネル
ギーが吸収され、バッグの初期突出を抑止することが出
来た。
実施例9 実施例8において、未延伸糸のストラップを織り込み
で形成する代わりに、縫製で同様なストラップを形成し
た。その他は全て実施例8に準じてエアバッグを作成し
た。
得られたバッグの評価結果を表.1に示す。実施例8の
場合と同様な性能を示した。
実施例10 実施例1において、織物AおよびBを構成する糸条と
して、ポリエステル繊維500d/240fを用いて製織し、精
練・熱セット後の織物A,Bの織密度を経、緯とも51本/
吋とし、接結一重組織帯(3)を実施例6と同様の構造
とした以外は、全て実施例1に準じて袋織エアバッグを
作成した。
得られたバッグの評価結果を表.1に示す。実施例1の
場合と同様な性能を示した。
実施例11 実施例6において、第9図に示す如く長円形の助手席
用袋織バッグを作成した。精練・熱セット後の寸法は、
長径が960mm、短径が720mmで、織物Bの中央に設けるガ
ス発生器取付開口部(6)の補強として、補強用糸を経
糸幅300mm、緯糸幅120mmの範囲に、織物Bと同じ糸を同
じ織密度で織り込み、補強組織領域(7)を形成した。
織物Bの織補強領域(7)の部分には80mm×260mmの矩
形のベントフィルター部(4)を2ケ所と、200mm×260
mmの矩形のベントフィルター部を2ケ所設けた。さら
に、糸の中央には縦80mm×横260mmの矩形のガス発生器
用取付口としての開口部を設けた。また、織物A及びB
を密着して接合する接合部は設けなかった。その他は全
て実施例6に準じてエアバッグを作成した。
得られたバッグの評価結果を表.1に示す。バッグは軽
く、折り畳み時の厚みも少なく、高温展開(A)での問
題もない。
比較例1 実施例3において、精練・熱セット後の織物Aおよび
Bの織密度が経、緯いずれも48本/吋になるように設計
した以外は、全て実施例3に準じて袋織エアバッグを作
成した。
得られたバッグの特性を、表.1に示す。軽く、折り畳
み後の厚みも小さいが、織物Aのカバーファクターが小
さいため、織物Aの通気度qAが大きすぎ、バッグ内圧も
低く、乗員の衝突エネルギーを受容できず、乗員がハン
ドルで胸部を打つおそれがある。
比較例2 実施例3において、精練・熱セット後の織物Aおよび
Bの織密度が、経58本/吋、緯55.5本/吋、ベントフィ
ルター面積が200cm2になるように設計した以外は、全て
実施例3に準じて袋織エアバッグを作成した。
得られたバッグの特性を、表.1に示す。重く、折り畳
み後の厚みも大きくなり、収納時のコンパクト性に欠け
る。また、織物Aのカバーファクターが大きく、バッグ
通気量Qが小さすぎるため、バッグ内圧が高くなりす
ぎ、乗員の衝突時に乗員が後ろへはね返されるおそれが
ある。さらに、展開試験時(A)にバッグの外周端部が
接触したシリコーンゴム膜は、接触した部分に長さ30mm
の断膜が確認された。
比較例3 実施例11において、精練・熱セット後の織物Aおよび
Bの織密度が経、緯いずれも49本/吋になるように設計
した以外は、全て実施例11に準じて助手席用袋織エアバ
ッグを作成した。
得られたバッグの特性を、表.1に示す。織物Aのカバ
ーファクターが適正であっても、バッグ通気量Qが大き
すぎる場合には、やはり乗員の衝突エネルギーを受容で
きず、乗員がダッシュボードで胸部や頭部を打つおそれ
がある。
比較例4 実施例3において、精練・熱セット後の織物Aおよび
Bの織密度を経、緯いずれも46本/吋とし、ベントフィ
ルターのない袋織エアバッグ基布を得た。次いで、該基
布の織物A側の表面に、シリコーンゴムを50g/m2塗布
し、乾燥後、織物B側の表面にも同様に塗布、乾燥した
後、180℃×5分間熱処理した。
得られたコーティング基布から、実施例3に準じてバ
ッグを裁断し、ガス発生器用取付用の開口(6)を開
け、さらに、ガス発生器取付用開口部(6)の中心から
バイアス45°軸線上に180mm離れた位置に直径φ35mmの
ベントホールを2ヶ所設けた。また、実施例1と同様
に、取付口用として外径φ200mm、内径φ100mmの環状補
強布、ベントホール用として、外径φ70mm、内径φ35mm
の環状補強布を接着固定した。
得られたバッグの特性を表.1に示す。バッグの通気
量、バッグ内圧等、乗員の衝突エネルギーの受容性能は
十分満足できるものであるが、本発明の目的である、軽
く、柔軟で、コンパクトに収納できるエアバッグは得ら
れない。
比較例5 実施例11において、精練・熱セット後の織物Aおよび
Bの織密度を経、緯いずれも46本/吋とし、ガス発生器
取付用開口部(6)の補強としての糸、およびベントフ
ィルターのない袋織エアバッグ織物を得た。次いで比較
例4に準じてコーティング基布を作成し、実施例11と同
様のガス発生器取付開口部(6)、および比較例4と同
様の位置に直径φ70mmのベントホールを設けた。外寸18
0mm×360mm、内寸80mm×260mm取付口補強布と、外径φ1
50mm、内径φ70mmのベントホール用補強布を接着により
固定した。
得られたバッグの特性を表.1に示す。バッグの通気
量、バッグ内圧等、乗員の衝突エネルギーの受容性能は
十分満足できるものであるが、比較例4と同様に、本発
明の目的である、軽く、柔軟で、コンパクトに収納でき
るエアバッグは得られない。
産業上の利用可能性 本発明によるエアバッグは、ノンコート袋織りである
ため、軽く、柔軟で、コンパクトに収納できる。また、
人手の掛かる縫製工程をほとんど採用していないので、
製品の信頼性が高まると共に、簡素な生産工程により製
作できるので製品コストが低減できる。そのため、より
広範な車種への登載が可能となり、エアバッグシステム
の普及を加速できる。
本発明のエアバッグは、乗り物衝突時の乗員保護装置
に適用される。特に自動車の運転席用エアバッグ、助手
席用エアバッグなどに適し、さらに、後部座席用エアバ
ッグや側面衝突防護用エアバッグにも適する。二輪車、
電車・列車、船、飛行機など、他の乗り物の保護装置に
使用しても良い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−16849(JP,A) 特開 平3−287832(JP,A) 特開 平3−27146(JP,A) 特開 平6−87394(JP,A) 特開 平4−146233(JP,A) 特開 平5−93340(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60R 21/16 - 21/32 D03D 1/02

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】袋体の中空部の輪郭を縁取る接結一重組織
    帯により結合された2枚の織物からなる二重組織織物か
    らなり、前記2枚の織物の一方が前記中空部の乗員側面
    を区画する織物であり、前記2枚の織物の他方を前記中
    空部の裏面側を区画する織物としてなり、前記中空部を
    区画する2枚の織物が下記〔1〕及び〔2〕に示される
    関係を満足する織物で構成され、かつ前記の接結一重組
    織帯がその外周部に下記〔3〕の式で表される硬さ係数
    が28以下の織組織を有してなることを特徴とするノンコ
    ート袋織エアバッグ。 〔1〕乗員側面を区画する織物の組織が平織組織であっ
    て下記式で示されるカバーファクターKが2000≦K≦23
    00であること 但し、K=Kt+Kw 〔2〕乗員側を区画する織物と裏面側を区画する織物そ
    れぞれの19.6Kpa加圧時の通気度qA、qBがqA≦qBである
    こと、但しqBは裏面側を区画する織物面内に設けられた
    ベントホール部を除外した織物部分の通気度をいう 〔3〕S=N/(L×U) 但し、N:織物組織の420デニール換算時の経糸密度と緯
    糸密度の総和(本/in) L:織物組織の織物の層数 U:織物組織の単位組織中の経糸本数と緯糸本数の和
  2. 【請求項2】接結一重組織帯の中空部に接する織組織を
    平織組織又は畝組織とし、該接結一重組織帯の外側帯域
    を平織組織よりも粗な織組織で構成してなる請求の範囲
    1記載のノンコート袋織エアバッグ。
  3. 【請求項3】中空部の乗員側面を区画する織物と中空部
    の裏面側を区画する織物とが、中空部を区画している面
    でそれぞれの組織に織り込まれるかもしくは縫い込まれ
    るかした膨張制限糸により連結もしくは結合され、且
    つ、結節一重組織帯がその外周部に下記式で表される硬
    さ係数が28以下の織組織を有してなることを特徴とする
    請求の範囲1記載のノンコー卜袋織エアバッグ。 S=N/(L×U) 但し、N:織物組織の420デニール換算時の経糸密度と緯
    糸密度の総和(本/in) L:織物組織の織物の層数 U:織物組織の単位組織中の縫糸本数と緯糸本数の和
  4. 【請求項4】中空部の乗員側面を区画する織物と中空部
    の裏面側を区画する織物が下記(1)〜(3)を満足す
    る請求の範囲1記載のノンコート袋織エアバッグ。 (1)乗員側織物の19.6Kpa加圧時の通気度qAが100cc/c
    m2/sec以下であること (2)他側の織物が19.6Kpa加圧時の通気度qBとqAとの
    比(qB/qA)が1≦qB/qA≦2.2であること (3)1.96Kpa加圧時の通気量Qが1≦Q≦15m3/minで
    あること
  5. 【請求項5】中空部の裏面側を区画する織物が織物平面
    内の一部において他の部分よりも粗い織組織で織られ、
    ベントフィルター部を形成している請求の範囲1記載の
    ノンコート袋織エアバッグ。
  6. 【請求項6】中空部の裏面側を区画する織物にガス発生
    器の取付け開口部が開けられている請求の範囲1記載の
    ノンコート袋織エアバッグ。
  7. 【請求項7】中空部の乗員側面を区画する織物と中空部
    の裏面側を区画する織物とが、中空部を区画している面
    でそれぞれの組織に織り込まれるかもしくは縫い込まれ
    るかした膨張制限糸により連結もしくは結合され,且
    つ、結節一重組織帯がその外周部に下記式で表される硬
    さ係数が28以下の織組織を有してなることを特徴とする
    請求の範囲1記載のノンコート袋織エアバッグ。 S=N/(L×U) 但し、N:織物組織の420デニール換算時の経糸密度と緯
    糸密度の総和(本/in) L:織物組織の織物の層数 U:織物組織の単位組織中の経糸本数と緯糸本数の和
  8. 【請求項8】中空部の裏面側を区画する織物がそのガス
    発生器の取付け開口部の周辺部に補強糸を織り込んだ補
    強織組織を有してなる請求の範囲6又は7に記戟のノン
    コート袋織エアバッグ。
  9. 【請求項9】接結一重組織帯の最外周部を多重織物構造
    帯又は織密度の粗な織物構造帯で形成した請求の範囲
    1、3、4、5、6、7及び8のいずれかに記載のノン
    コート袋織エアバッグ。
  10. 【請求項10】二重組織織物を構成する糸がナイロン66
    繊維若しくはポリエチレンテレフタレート繊維である請
    求の範囲1、2、3、4、5、6、7、8又は9のいず
    れかに記載のノンコート袋織エアバッグ。
  11. 【請求項11】中空部の裏面側を区画する織物がそのガ
    ス発生器の取付け開口部の周辺部に補強織組織が設けら
    れており、前記補強織組織がその単位面積あたりの経糸
    及び緯糸のデニールの総和(TD)と前記補強糸が織り込
    まれていない部分の単位面積当たりの経糸及び緯糸のデ
    ニールの総和(TD′)の比が1.5≦TD/TD′≦4で織成さ
    れており、かつ該補強織組織が占める平面領域内の一部
    に前記の補強用糸が織り込まれていない部分よりも通気
    度が大きい粗な織組織のベントフィルター部を形成して
    なる請求の範囲8記載のノンコート袋織エアバッグ。
  12. 【請求項12】中空部の裏面側を区画する織物がその幾
    何学的中心を原点とし、該原点を通る緯糸方向に沿う軸
    をX軸、前記原点を通る経糸方向に沿う軸をY軸、前記
    織物のX軸に沿う全長さを2a及び前記織物のY軸に沿う
    全長さを2bとしたとき、前記織物の占める平面領域内に
    織組織の粗なベントフィルター部が前記X−Y軸座標
    (x,y)上−a≦x≦a及び−b≦y≦bを満足する位
    置に形成されている請求の範囲8記載のノンコート袋織
    エアバッグ。
  13. 【請求項13】中空部の乗員側を区画する織物に開けら
    れたガス発生器の取付け開口周辺に補強布片が接着によ
    り固定されている請求の範囲6記載のノンコート袋織エ
    アバッグ。
  14. 【請求項14】中空部の乗員側を区画する織物および中
    空部の裏面側を区画する織物が、バッグの突出エネルギ
    ーを吸収し、展開形状を制御することができるように中
    空部の裏面側の織物に開けられた取付け開口部を中心と
    して放射状に、バッグの展開時に破断する糸で縫い合わ
    せ縫合により接合されている請求の範囲1、3、4、
    5、6及び7のいずれかに記載のノンコート袋織エアバ
    ッグ。
  15. 【請求項15】中空部の輪郭を縁取る接結一重組織帯に
    より結合された2枚の織物からなる二重組織織パターン
    を含む織地であり、前記2枚の織物の一方を19.6Kpa加
    圧時に100cc/cm2/sec以下の通気度を有する下記〔1〕
    で定義されるカバーファクターが2000≦K≦2300の平絨
    組織織物とし、他方を19.6Kpa加圧時の通気度が100cc/c
    m2/secを超える織物としてなるエアバック袋体用の基布
    織物。
  16. 【請求項16】結節一重組織帯がその最外周部に下記式
    で表される硬さ係数が28以下の織組織を有してなること
    を特徴とする請求の範囲15記載のエアバッグ袋体用の基
    布織物。 S=N/(L×U) 但し、N:織物組織の420デニール換算時の経糸密度と緯
    糸密度の総和(本/in) L:織物組織の織物の層数 U:織物組織の単位組織中の経糸本数と緯糸本数の和
  17. 【請求項17】織物を構成する糸がナイロン66繊維若し
    くはポリエチレンテレフタレート繊維である請求の範囲
    15又は16記載のエアバッグ袋体用基布織物。
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KR20190108356A (ko) * 2018-03-14 2019-09-24 현대모비스 주식회사 차량용 에어백 장치

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KR20190108356A (ko) * 2018-03-14 2019-09-24 현대모비스 주식회사 차량용 에어백 장치
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