JPH09262824A - ワイヤソー装置 - Google Patents

ワイヤソー装置

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JPH09262824A
JPH09262824A JP7292396A JP7292396A JPH09262824A JP H09262824 A JPH09262824 A JP H09262824A JP 7292396 A JP7292396 A JP 7292396A JP 7292396 A JP7292396 A JP 7292396A JP H09262824 A JPH09262824 A JP H09262824A
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Masaru Mizuochi
優 水落
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、従来のワイヤ線の巻付部と異なる
長さの被加工物を複数スライス切削加工する場合、切削
加工している間にワイヤ線に張力差を生じにくい構成と
して、切削加工精度の低下を防止できるようにしたワイ
ヤソー装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、被加工物1を保持するテーブ
ル2と支持ローラ6と制御盤5と案内ローラと、ワイヤ
線Sの供給機構と巻取機構とを具備して構成されるワイ
ヤソー装置であって、前記複数の支持ローラ6の周面に
渡るようにワイヤ線Sを所定のピッチで複数の支持ロー
ラに掛け渡した巻付部が、支持ローラ6の長さ方向に複
数、相互の間に間隔をあけて形成され、支持ローラ6の
近傍に支持ローラ上の1つの巻付部から他の巻付部に移
行する間のワイヤ線の一部を掛け渡すアイドルローラ1
15、117が設けられてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックまたはフ
ェライト等のブロックをスライス切削加工する場合に用
いて好適なワイヤソー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミックまたはフェライトのブ
ロック、あるいは、水晶、シリコン、ガラス等の脆性材
料ブロックの精密スライス切削加工を行う装置として、
線刃を構成するワイヤと砥液により切削を行う構成のワ
イヤソー装置が用いられている。図22はこの種のワイ
ヤソー装置の一従来例を示すもので、この例のワイヤソ
ー装置Aは、被加工物1’を設置する上下移動自在のテ
ーブル2を備え、このテーブル2の背面側に立設された
制御盤5と、この制御盤5の前面側に各々水平に設けら
れた3本の支持ローラ6、6、6と、これらの支持ロー
ラ6の背後側の制御盤前面に設けられた複数の案内ロー
ラ7、8、9、10、11、12、13、14、15、
16と、これらの案内ローラにワイヤ線Sを供給するた
めの送出リール17および供給ローラ18と、これらの
案内ローラから使用済みのワイヤ線Sを回収するための
巻取ローラ19および巻取リール20を主体として構成
されている。また、制御盤5の前面上部中央には中心軸
21を軸心として上下に揺動するシーソー軸22が設け
られ、このシーソー軸22の端部に取り付けられた案内
ローラ11と8を交互に上下に揺動できるように構成さ
れている。なお、前記複数の案内ローラのうち、制御盤
前面の右側に上から順に案内ローラ7、8、9が配置さ
れ、制御盤前面の左側に下から順に案内ローラ10、1
1、12が配置され、案内ローラ7、12の間の部分の
制御盤前面に左右に隣接して案内ローラ13、15が配
置され、案内ローラ13の下方に案内ローラ14が、案
内ローラ15の下方に案内ローラ16がそれぞれ配置さ
れている。
【0003】更に、前記のワイヤソー装置Aにあって
は、送出リール17から送り出されたワイヤ線Sを供給
ローラ18、案内ローラ15、16を介して案内ローラ
7に送り、更に案内ローラ8、9を介して支持ローラ
6、6、6に送り込むようになっている。また、支持ロ
ーラ6、6、6のうち2本は下側で離間して水平に支持
され、残りの1本は他の2本の間の上方に水平に支持さ
れ、3本の支持ローラ6が図22に示すように三角位置
に配置され、3本の支持ローラ6にかけてワイヤ線Sが
適当な幅にわたるように繰り返し巻き付けられている。
次に、前記支持ローラ6、6、6から引き出されたワイ
ヤ線Sは、案内ローラ10、11、12を経て案内ロー
ラ13、14に巻き付けられ、更に巻取ローラ19を介
して巻取リール20に巻き取られるようになっている。
従って、送出リール17と供給ローラ18が供給機構を
構成し、巻取ローラ19と巻取リール20が巻取機構を
構成する。なお、前記各案内ローラ7、8、9、10、
11、12、13、14、15、16と各支持ローラ6
の周面には、各々ワイヤ線Sを安定支持するための溝加
工が施されている。なおまた、前記ワイヤソー装置Aに
おいてテーブル2の下部側はカバー部材3により覆わ
れ、スライス切削加工時の砥液の飛散を防止できるよう
になっているが、このカバー部材3は省略されても差し
支えない。なお、このカバー部材3の内側には、被加工
物1’に図示略の砥液供給装置から供給される砥液を回
収するための回収機構Kが設けられている。
【0004】前記構成のワイヤソー装置Aは、供給ロー
ル17から順次送りだしたワイヤ線Sを巻取ロール20
で巻き取るようにしてワイヤ線Sを順次移動し、被加工
物1を支持したテーブル2を順次上昇させることにより
下側の支持ローラ6、6の間に幾重にも懸架したワイヤ
線Sを被加工物1’に図23に示すように押し付け、同
時に図示略の砥液供給装置から被加工物1’に砥液を供
給することで被加工物1を精密スライス切削加工できる
ようになっている。
【0005】前記構成のワイヤソー装置Aにあっては、
支持ローラ6、6、6に巻き付けるワイヤ線Sの張力を
調整するために、前段側の案内ローラ15と後段側の案
内ローラ13の間に例えば、1.1〜1.2:1程度の回
転差を生じさせ、回転差によってワイヤ線Sに張力を与
え、この張力を利用して支持ローラ6、6、6に巻き付
けたワイヤ線Sを強力に引っ張ることで被加工物1’の
スライス切削加工を可能としている。ここで、従来、こ
のワイヤ線Sの張力発生機構は、被加工物1’のスライ
ス切削精度に大きな影響を及ぼす重要な機構であるがた
めに、図24に示すような特殊な構成のギア機構を用い
て張力調整を行っている。
【0006】図24に示すギア機構Bは、図22に示す
制御盤5の裏面側に配置されたもので、案内ローラ13
を支持するための回転軸25と案内ローラ15を支持す
るための回転軸26とが相互に平行に離間してギヤボッ
クス27に取り付けられ、ギアボックス27における回
転軸25、26の間にこれらと平行に調整軸28が軸支
され、この調整軸28の回転数を調整する粉末クラッチ
装置30がギアボックス27の外部に取り付けられて構
成されている。前記回転軸25、26と調整軸28はそ
れぞれギアボックスに設けられたベアリング29…を介
して回転自在に支持され、ギアボックス27内の回転軸
25には歯車31が、回転軸26には歯車32がそれぞ
れ取り付けられ、歯車31、32が調整軸28に取り付
けられた歯車33あるいは歯車34に噛み合わされてい
る。前記調整軸28はワンウエイクラッチを備えた2重
構造のもので、粉末クラッチ装置30側が内部軸35と
外部軸36の2重構造とされ、内部軸35が粉末クラッ
チ装置30側に延出されて粉末クラッチ装置30内の係
止板37に接続され、外部軸36が粉末クラッチ装置3
0側に延出されて粉末クラッチ装置30内の回転部材3
8に接続され、ギアボックス27内の外部軸36の外周
に前記歯車33が取り付けられている。なお、図24に
おいて外部軸36を粉末クラッチ装置30側に延出した
部分の構造は簡略化して記載されている。
【0007】粉末クラッチ装置30は、周方向回転自在
に設けられた電磁石製の円盤状のクラッチ板37と、そ
のクラッチ板37を囲む中空円盤状電磁石からなる回転
部材38とを具備し、クラッチ板37と回転部材38と
の間に磁性粉が充填されて構成され、クラッチ板37と
回転部材38との接続状況をこれらの電磁力の強さで調
整できるように構成されている。即ち、電磁力を強めて
磁性粉によるクラッチ板37と回転部材38の結合状態
を強めることによりクラッチ板37の回転力を回転部材
38に十分に効率よく伝達するか、電磁力を弱めて磁性
粉によるクラッチ板37と回転部材3の結合状態を弱め
ることによりクラッチ板37の回転力の一部のみを回転
部材38に伝達するかを切り換えることができるように
構成されている。従って前記の粉末クラッチ装置30に
よれば、クラッチ板37と回転部材38の回転数差を調
整することができ、これにより回転軸25の回転数に対
して回転軸26の回転数差を調整できるので、案内ロー
ラ13、15間の回転数差を生み出すことができ、この
回転数差を利用して前述の如くワイヤ線Sに張力を付加
することができる。
【0008】一方、張力をかけて支持ローラ6、6、6
に巻き付けたワイヤ線Sで被加工物1’をスライス切削
加工している状態を図25(A)、(B)に示す。これ
らの図に示すようにワイヤ線Sは切削溝1aを形成しな
がら被加工物1を切削してゆき、切削溝1aが被加工物
1の底部まで到達すると加工は終了となる。また、切削
加工中において通常は、図25(A)の矢印に示す如く
上方から切削油と砥粒を混合したものを流し込み、切削
加工を円滑に行えるようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図23に示
す如く支持ローラ6、6、6の全長に近い領域にワイヤ
線Sを巻き付け、このワイヤ線Sでもって図23に示す
大きさの被加工物1’をスライス切削加工する場合は問
題ないのであるが、この被加工物1’よりも小さい被加
工物をスライス切削加工する場合がある。例えば、図2
3に示す被加工物1’の幅の半分程の被加工物をスライ
ス切削加工する必要を生じた場合、従来は、固定治具等
に小さな被加工物を図23に示す被加工物1’と同じ幅
になるように並べてテーブル2上に固定し、それらを一
度にワイヤ線Sでスライス切削加工するようにしている
が、このような小さな被加工物をワイヤ線Sでスライス
切削加工すると、支持ローラ6、6、6に巻き付けられ
たワイヤ線Sにおいてスライス切削加工中に被加工物に
接触するものとしないものが生じ、接触するワイヤ線S
と接触しないワイヤ線Sとの間に張力差を生じるため
に、支持ローラ6、6、6に巻かれたワイヤ線Sにゆる
みや締まり過ぎの部分が生じてしまい、これが原因とな
って被加工物のスライス切削精度を低下させてしまう問
題があった。
【0010】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、従来のワイヤ線の巻付部と異なる長さの被加工物
を複数スライス切削加工する場合において、切削加工し
ている間にワイヤ線に張力差を生じにくい構成として、
切削加工精度の低下を防止できるようにしたワイヤソー
装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は前
記課題を解決するために、被加工物を保持するテーブル
と、テーブルの上方に前記被加工物に対向して設けられ
た複数の支持ローラと、前記テーブルの一側に立設され
た制御盤と、前記制御盤に設けられた複数の案内ローラ
と、前記制御盤の案内ローラにワイヤ線を供給するため
の供給機構と、前記制御盤の案内ローラを介して前記複
数の支持ローラに巻回されたワイヤ線を前記制御盤の他
の案内ローラを介して巻き取るための巻取機構とを具備
して構成され、前記被加工物と複数の支持ローラを接近
離間自在に構成して複数の支持ローラ間に懸架されたワ
イヤ線を被加工物に押し付けて被加工物をスライス切削
加工するワイヤソー装置であって、前記複数の支持ロー
ラの周面に渡るようにワイヤ線を所定のピッチで複数の
支持ローラに掛け渡した巻付部が、支持ローラの長さ方
向に複数、相互の間に間隔をあけて形成され、支持ロー
ラの近傍に支持ローラ上の1つの巻付部から他の巻付部
に移行する間のワイヤ線の一部を掛け渡すアイドルロー
ラが設けられてなるものである。次に請求項2記載の発
明においては、前記アイドルローラが支持ローラの近傍
に少なくとも一対設けられ、対になる一方のアイドルロ
ーラが下向きに他方のアイドルローラが上向きにそれぞ
れ傾斜され、支持ローラ上の1つの巻付部から他の巻付
部に移行する間のワイヤ線の一部が対になるアイドルロ
ーラの双方に掛け渡されてなるものである。請求項3記
載の発明においては、対になるアイドルローラが支持ロ
ーラの長さ方向に移動自在に支持され、傾斜された一方
のアイドルローラの周面の一部が支持ローラ上の1つの
巻付部の端部に、他方のアイドルローラの周面の一部が
支持ローラ上の他の巻付部の端部にそれぞれ近接されて
なるものである。請求項4記載の発明では、テーブル上
に支持ローラの長さ方向に沿って複数の被加工物が設置
され、支持ローラ上の1つの巻付部の幅がテーブル上の
1つの被加工物の長さとほぼ同じにされてなるものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は本発明に係るワイヤ
ソー装置の一例を示すもので、この例のワイヤソー装置
Cの基本構成は先に図22を基に説明した従来のワイヤ
ソー装置と同等であるので、同一の部分は同一の符号を
付して詳細な説明を省略する。この例のワイヤソー装置
Cにおいて先の例のワイヤソー装置Aと異なっているの
は、ワイヤ線Sに張力を付加する機構を図2と図3に示
す構成の張力発生機構Dに変更し、ワイヤ線Sの上下位
置調節のための間欠上下機構Eを設け、更に、支持ロー
ラ6、6、6に特別な状態でワイヤ線Sを巻回するため
のアイドラー機構Fを付加した点である。
【0013】この例の張力発生機構Dには、図1に示す
制御盤5の中央上部側の案内ローラ13に接続される図
2に示す第1の回転軸51と、制御盤5の中央上部側の
案内ローラ15に接続される第2の回転軸52とが板状
の支持部材53にそれぞれ離間して平行に、かつ、各々
回転自在に軸支されている。前記第1の回転軸51と第
2の回転軸52は、それぞれベアリング54ところ部材
55を介して支持部材53に回転自在に軸支されてい
る。次に、前記第2の回転軸52の一端部側に磁気トル
ククラッチ機構Gが設けられている。この磁気トルクク
ラッチ機構Gは、図3に示すように円筒状のケース57
の中心部に設けられた円盤状の強磁性体からなるクラッ
チ板58とこれを厚さ方向両側から挟むドーナツ盤状の
永久磁石部材59、60を具備して構成され、クラッチ
板58の中心部に前記第2の回転軸52の一端部が挿通
されて固定され、この回転軸52の一端部がベアリング
61、62により回転自在に軸支されてクラッチ板58
がケース57の内部で回転自在に支持されている。ま
た、ケース57は中央ケース57aと端部ケース57b
の2重構造とされていて、一方のケースに永久磁石部材
59が他方のケースに永久磁石部材60がそれぞれ取り
付けられ、一方のケースを他方のケースに対してそれら
の中心軸まわりに所定角度回動させることで永久磁石部
材59、60を平行に対向したままの状態でそれらの対
面位置を変更できるように構成されている。
【0014】前記永久磁石部材59は、図4に示すよう
に4つの扇形の永久磁石盤59a、59b、59c、5
9dを接合して構成され、永久磁石部材60は4つの扇
形の永久磁石盤60a、60b、60c、60dを接合
して構成され、永久磁石部材59、60の各々において
それらの周方向に隣接する永久磁石盤59a…、60a
…の極性が異なるようにされている。従って永久磁石部
材59、60の対面位置を変更することにより、図5あ
るいは図6に示すようにクラッチ板58に印加する永久
磁石盤59a…、60a…の磁力線数を変更することが
でき、これによりクラッチ板58の回転時の回転抵抗を
調整できるように構成されている。
【0015】次に、ケース57の支持板53側には、ケ
ース57に一体化されたタイミングプーリ65が取り付
けられ、このタイミングプーリ65にタイミングベルト
(回転伝達部材)66が巻き付けられるとともに、この
タイミングベルト66は第1の回転軸51の一端部に取
り付けられたタイミングプーリ67に巻き付けられ、第
1の回転軸51の回転力をタイミングプーリ65に伝達
してケース57を回転駆動できるように構成されてい
る。従って、以上の構成から、中央ケース57aと端部
ケース57bの回動角度を調整することでクラッチ板5
8に作用させる磁力線の数を変更し、クラッチ板58の
回転時の抵抗を増減することができ、これにより第1の
回転軸51の回転数と第2の回転軸52の回転数の間に
回転数差を生じさせることができるようになっている。
【0016】次に図7は、この例のワイヤソー装置Cに
設けられた間欠上下移動機構Eの全体構成を示すもの
で、この例の間欠上下移動機構Eは、被加工物を保持す
るテーブル2の下部に設けられた支持台70と、この支
持台70の背面側から支持台70の側方側に延出された
操作ロッド71と、この操作ロッド71の先端部側上方
に設けられた押下装置72と、前記テーブル2を常に上
方に牽引するための引上装置73を主体として構成され
ている。前記テーブル2は、詳細には図8に示すように
上面に支持治具75を備え、この支持治具75によって
被加工物1を把持できるように構成されるとともに、テ
ーブル2の下部側の支持台70は操作盤5の下部側に設
けられた接続ブロック76を介して操作盤5の裏面側に
延出され、この接続ブロック76の背面側に前記操作ロ
ッド71が接続され、接続ブロック76は操作盤5の裏
面側に設けられた図示略の案内レールに沿って上下移動
自在に支持されている。また、前記支持治具75は、テ
ーブル2上に固定された基板78の両端部に支持片7
9、79を備えた倒コ字状のもので、一方の支持片79
に形成されたネジ孔に螺合されたねじ軸80により支持
片79、79間に被加工物1を把持できるように構成さ
れている。
【0017】前記引上装置73は、前記接続ブロック7
6の背面側に接続された牽引ワイヤ81と、接続ブロッ
ク76の背面側上方に設けられて牽引ワイヤ81が巻き
掛けられた支持ローラ82と、この支持ローラ82の側
方に設けられて牽引ワイヤ81が巻き掛けられた支持ロ
ーラ83と、この支持ローラ83の下方に設けられて牽
引ワイヤ81を引くための重鎮部材85を主体として構
成され、前記テーブル2には常に上方に引き上げられる
ように力が作用されている。
【0018】前記押下装置72は、前記操作ロッド71
の先端側上方に設置された押下ブロック90と、この押
下ブロック90の基端部上方に設けられた位置調整装置
91と、押下ブロック90の先端部に取り付けられたエ
アーシリンダ等の押下器具92を主体として構成されて
いる。
【0019】前記押下ブロック90は、ブロック状の基
台部95と、その上部側面側に基台部95と一体に延設
された上部支持片96と、基台部95の下部に水平に貫
通された回動ピン97を介して上下に旋回自在に設けら
れた下部支持片98を主体として構成されている。な
お、更に詳しくは、基台部95の底部に凹部が設けられ
この凹部にロッド状の下部支持片98の基端部が挿入さ
れ、基台部95と下部支持片98の基端部を貫通する回
動ピン97が設けられて回動ピン97を中心として下部
支持片98が旋回自在に支持されている。また、前記支
持片96の先端部にはピストンロッド99を下に向けて
エアーシリンダ等の押下器具92が取り付けられ、この
押下器具92のピストンロッド99を伸張させることで
回動ピン97を支点として下部支持片98を下方に旋回
させることができるようになっている。更に、下部支持
片98の先端部と前記回動ピン97の取付部の間には棒
状の押下部材100が設けられていて、下部支持片98
が下方に旋回された際にこの押下部材100で操作ロッ
ド71を押し下げてテーブル2を所定の距離だけ下降で
きるように構成されている。
【0020】次に、前記基台部95の上方には、支持盤
101に支持されてモータ102が設けられ、このモー
タ102の回転軸にはねじ軸103が接続されるととも
に、このねじ軸103は下向きに向けられて支持盤10
1を貫通し、基台部95に上下方向に形成されたねじ孔
に螺合されていて、このねじ軸103の回転により基台
部95が上下に移動できるように構成されている。な
お、図7に符号105で示すものは、操作ロッド71の
先端部下方側に設けられた操作ロッド上下位置出し用の
マイクロメータであり、このマイクロメータ105の中
心軸106を上下させることで操作ロッド71の上下位
置を精密に計測できるようになっている。
【0021】以上のような間欠引上機構Eの構成によれ
ば、引上装置73でテーブル2を常に上方に向けて牽引
しておくことができ、テーブル2の上昇を押下部材10
0で抑止しておくとともに、この状態から下部支持片9
8を下方に旋回させて押下部材100で操作ロッド71
を下降させることにより、テーブル2を微小距離だけ下
降できるようになっている。
【0022】次に、図1に示す制御盤5の前面中央部に
は、支持ローラ6、6、6に巻き付けるためのワイヤ線
Sを特別な巻付状態に制御するためのアイドラー機構F
が設けられている。このアイドラー機構Fは、図9に示
すように制御盤5の前面中央部に前進あるいは後退自在
に設けられた位置調整ブロック110と、この位置調整
ブロック110の前面左右側に設けられた角度調整ブロ
ック111、112と、角度調整ブロック111の前面
に突設された支持軸113に取り付けられたアイドルロ
ーラ115と、角度調整ブロック112の前面に突設さ
れた支持軸116に取り付けられたアイドルローラ11
7とを具備して構成されている。前記角度調整ブロック
111の前面は若干下側に向いて傾斜されるとともに角
度調整ブロック112の前面は若干上側に向いて傾斜さ
れていて、アイドルローラ115は若干下向きに傾斜さ
れ、アイドルローラ117は若干上向きに傾斜されてい
る。そして、前記アイドルローラ115、117の周面
中央部にはワイヤ線Sを巻き付けるための周溝115
a、117aが形成されている。
【0023】次に、制御盤5の案内ローラ9に巻き付け
て引き出されたワイヤ線Sは最初に支持ローラ6、6、
6の後端部6b側(制御盤5側)の周溝6a…に沿って
3本の支持ローラ6を囲むように巻き始められ、支持ロ
ーラ6、6、6に半分ほど巻かれた後で上方の支持ロー
ラ6から引き出されてアイドルローラ115の周溝11
5a、アイドルローラ117の周溝117aの順に巻き
付けられ、次いで、支持ローラ6、6、6の中央部側か
ら先端部側に向けて支持ローラ6、6、6に巻き付けら
れている。即ち、支持ローラ6、6、6に対してワイヤ
線Sは互いに離間した前後2つの巻付部6A、6Bを有
するように巻き付けられている。なお、これらの巻付部
6A、6Bの幅はほぼ等しくされ、かつ、後述する被加
工物1の長さとほぼ等しくされている。また、前記の如
く傾斜されたアイドルローラ115は、その周面の支持
ローラ6側を支持ローラ6の巻付部6Aの終端部に向け
るように、また、アイドルローラ117は、その周面の
支持ローラ6側を支持ローラ6の巻付部6Bの始端部に
向けるように位置調節されて傾斜されている。なお、こ
れらのアイドルローラ115、117の前後位置調節
は、制御盤5に対する位置調整ブロック110の前後位
置調節により行い、アイドルローラの傾斜角度調節は、
傾斜角度の異なる角度調整ブロック111、112を複
数用意しておいて角度の異なる角度調整ブロックの交換
により行う。なお、傾斜したアイドルローラ115、1
17は2つの巻付部6A、6Bの間隔が大きい際に必要
であるので、巻付部6A、6Bの間隔が小さい場合は傾
斜していないアイドルローラを用いても良い。更に、支
持ローラ6に設ける巻付部の数は3つ以上の複数でも良
いので、その場合は、巻付部の数に合わせた数のアイド
ルローラを別途に設けることで対応することができる。
【0024】次に、この例のワイヤソー装置Aによりス
ライス切削加工する被加工物1について以下に詳細に説
明する。図10は、被加工物1の全体構造を示すもの
で、この例の被加工物1は図12に示す構造の磁気ヘッ
ドHを製造するためのブロックである。図12に示す構
造の磁気ヘッドHは、フェライトあるいはセラミックな
どからなる板状の磁気コア半体120、121の突部1
20a、121a間にガラス等の溶着層122、122
に両側を挟まれた状態の磁気ギャップGが設けられたも
のである。なお、この例の磁気ヘッドHの厚さは例えば
0.1〜0.2mm程度のものである。この構成の磁気ヘ
ッドHを製造するには、通常、セラミック製あるいはフ
ェライト製の2本のブロックバーに溝加工を施し、溝加
工部分に必要に応じて磁性膜やギャップ膜を成膜し、ギ
ャップ膜を介して両ブロックバーをガラス等の溶着材で
接合して製造している。ここで図10に示す被加工物1
は、前記溶着材で一体化された2つのブロックバー12
6、127からなり、2つのブロックバー126、12
7に形成された複数の溝部を突き合わせて形成された接
合孔128にガラス溶着層129が設けられて2つのブ
ロックバー126、127が接合され、各ブロックバー
126、127の長さ方向に規則的に形成された多数の
突部126a、127aの間に磁気ギャップGが形成さ
れている。従ってこの例の被加工物1の長手方向に直交
する図11に示す切断線130…で被加工物1をスライ
ス切削加工することにより、図12に示す磁気ヘッドH
を同時に多数得ることができる。
【0025】前記構造のワイヤソー装置Aは、図10に
示す被加工物1から、一度に多数の図12に示す磁気ヘ
ッドHをスライス切削加工により切り出して製造するた
めに使用する。また、前記構造の被加工物1を前記ワイ
ヤソー装置Aでスライス切削加工するには、板状の図1
3に示す固定治具135を用い、この固定治具135に
複数の被加工物1を整列状態で接着剤等により固定し、
この固定治具135を図8に示す支持治具75に固定
し、この固定状態の被加工物1…に前記ワイヤ線Sを押
し付けるとともに砥液を供給してスライス切削加工す
る。なお、図13に示す板状の治具135の上面には、
図13では略されているが図11の2点鎖線に示すよう
な複数の突部136、137が形成されていて、これら
の突部136、137に被加工物1を沿わせて設置し、
被加工物1を接着剤により突部136、137に固定す
ることでスライス切削加工に供することができる。
【0026】被加工物1のスライス切削加工を行うに
は、まず、多数の被加工物1を固定した図13に示す治
具135を図8に示す支持治具75の基板78上に設置
し、ねじ軸80を回転させて治具135を支持治具75
の基板78に押し付けて固定する。この状態で各被加工
物1の向きと支持ローラ6、6、6に巻き付けられたワ
イヤ線Sの向きは図13に示すように直交し、更に、治
具135上に並ぶ2列の被加工物1、1と支持ローラ6
とワイヤ線Sの位置関係は図9に示すような関係とな
る。次に、ワイヤ線Sを図1に示すように供給ロール1
7から送り出し、案内ローラ18、15、16、7、
8、9の順にそれぞれ所定の幅になるように複数回巻き
掛け、その後に案内ローラ9から支持ローラ6、6、6
の半分程に必要回数図9に示すように巻き掛け、次い
で、アイドルローラ115、117を経て再び支持ロー
ラ6、6、6の残り半分程に図9に示すように必要回数
巻き掛け、更に案内ローラ10、11、12、13、1
4の順に必要回数巻き掛け、案内ローラ19を経て巻取
ロール20で巻き取るようにしてワイヤ線Sを連続的に
所定の速度で移動させる。
【0027】このワイヤ線Sの連続移動の際に、前述の
張力発生機構Dを作動させてワイヤ線Sに張力を付加す
る。ワイヤ線Sの張力発生機構Dにおいては、図3に示
すケース57の中央ケース57aと端部ケース57bの
回動角度を適宜の値に調整しておくことにより、クラッ
チ板58に作用する磁力線の数を図5または図6に示す
ように変更できるので、第1の回転軸51と第2の回転
軸52との間に回転数差を生じさせることができる。こ
の回転数差において、(第1の回転軸51の回転数):
(第2の回転軸52の回転数)=1:1.1〜1.2の範
囲に設定することで、支持ローラ6、6、6に供給する
ワイヤ線Sの速度よりも支持ローラ6、6、6から巻き
取るワイヤ線Sの速度を必要かつ十分に早くできるの
で、結果的にワイヤ線Sに張力を発生させることができ
る。
【0028】また、永久磁石部材59、60の対面位置
の変更によりクラッチ板58を横切る磁力線数を調整す
ることでクラッチ板58の回転を磁力線で抑制し、一方
の回転軸51と他方の回転軸52との間に回転数差を生
じさせるようにするならば、永久磁石部材59、60の
対面位置の微小調節によりクラッチ板58の回転数微調
整を正確に行えるので、発生させる張力を所望の値に正
確に微調整することが可能であり、被加工物1から数分
の1mm程度の厚さの微細な磁気ヘッドを正確にスライ
ス切削加工する場合に被加工物1に対するうねりの発生
を抑制しつつ正確にスライス切削加工することができ
る。なお、ワイヤ線Sの移動中にシーソー軸22を適宜
揺動させてワイヤ線Sの移動をできる限り円滑すること
が好ましい。
【0029】前記張力を付加した状態のワイヤ線Sは支
持ローラ6、6、6に複数回巻き掛けられているので、
前記テーブル2を徐々に一定速度で上昇させることでこ
の巻き掛けたワイヤ線Sを被加工物1…に押し付けるこ
とができる。ここでワイヤ線Sを移動させるのと同時に
ワイヤ線Sと被加工物1に図示略の砥液供給装置から砥
液を供給する。前記テーブル2を上昇させるには、図7
に示す間欠上下機構Eのねじ軸103を回転させて押下
ブロック90を徐々に上昇させることで操作ロッド71
を押さえていた押下部材100を徐々に上昇させること
ができるので、重鎮部材85の牽引ワイヤ81を介する
牽引力を利用してテーブル2を徐々に一定速度で上昇さ
せることができる。テーブル2が上昇して治具135上
の多数の被加工物1が支持ローラ6、6、6間に巻かれ
たワイヤ線Sに接触すると、ワイヤ線Sは多数の被加工
物1を同時に所定の間隔でスライス切削加工してゆく。
【0030】この際に、支持ローラ6、6、6に巻き掛
けたワイヤ線Sは、図9に示すように被加工物1の長さ
と同程度の2つの巻付部6A、6Bに掛けて巻き掛けら
れているので、支持ローラ6、6、6に巻き付けたワイ
ヤ線Sのほぼ全てをスライス切削加工用に使用すること
ができる。即ち、支持ローラ6、6、6に巻き掛けたワ
イヤ線Sにおいて被加工物1に接触しないワイヤ線Sを
できるだけ無くすることができる。このように支持ロー
ラ6、6、6に巻き付けたワイヤ線Sのほぼ全てに均等
に被加工物1…を押し付けつつスライス切削加工するこ
とができることで、ワイヤ線Sによる被加工物1の切断
精度を向上させることができる。この理由は、仮に支持
ローラ6、6、6の全長にわたりワイヤ線Sを巻き付け
る構成にすると、被加工物1に接触するワイヤ線Sと被
加工物1に接触しないワイヤ線Sが支持ローラ6、6、
6上に存在することなり、ワイヤ線Sに対する負荷バラ
ンスが崩れ、張力が上がったワイヤ線Sと張力が下がっ
たワイヤ線Sが支持ローラ6、6、6上に存在すること
になるので切削精度が低下することなる。
【0031】また、支持ローラ6、6、6に巻き掛ける
ワイヤ線Sの本数をできる限り少なくすることで支持ロ
ーラ6、6、6の支持部分に対する負荷を少なくするこ
とができ、スライス切削加工精度の向上に寄与する。即
ち、130回巻きの可能な長さの支持ローラ6、6、6
にワイヤ線Sを全長にわたり巻き付けると、130回の
巻付回数になり、1回の巻き付けに当たり2kgの巻付
力とすると、支持ローラ6、6、6には260kgの力
が作用することになる。これに対して図9に示すように
被加工物1の形状に合わせて被加工物1の長さに対応し
た部分にのみワイヤ線Sを巻き付けるようにすると、1
00回程度の巻付回数で良くなり、その際に支持ローラ
6、6、6に負荷される力は200kgになる。これに
より、ローラ6、6、6の支持軸に対する圧力負荷は少
なくなり、支持軸の撓みやそりが少なくなり、その分、
支持ローラ6、6、6に巻き掛けられたワイヤ線Sの間
隔差が少なくなるのでスライス切削加工の加工精度が向
上する。
【0032】次に、ワイヤ線Sに張力を負荷している張
力発生機構Dは、支持部材53に2本の回転軸51、5
2がそれぞれ1箇所のベアリング部分で軸支されている
のみであり、図24に示す従来のギア機構Bで必要とさ
れていた3本よりも少ないので、正確な位置出しを行う
必要のある回転軸数と軸支部分が少なくなり、その分回
転軸の位置出し作業が容易になり、位置出し精度も向上
させることができる。また、基本的に支持部材53にそ
れぞれ1箇所ずつ軸支された回転軸が2本軸支される構
成のために、各回転軸51、52の取り外し作業も従来
構造よりも容易に行うことができ、分解作業を伴うメン
テナンス作業も従来よりも容易に行うことができる。以
上のことから、第1の回転軸51と第2の回転軸52の
回転時の位置ずれ精度、偏芯精度を向上させることがで
き、これによりワイヤ線Sに付加する張力の値も安定化
できるので、被加工物1のスライス切削加工時の加工精
度も向上させることができる。すなわち、従来装置より
もうねりの少ない状態で被加工物1をスライス切削加工
できる。
【0033】これに対し、前述の構成のギア機構Bにあ
っては、回転軸25、26と調整軸28を設け、それぞ
れの軸を最低2箇所のベアリングで支持する必要があ
り、回転軸25、26の回転数差を調整するために3本
の軸と6個のベアリングが必要であるために、各軸を連
動させて偏差無く高い精度で回転させるためには、各軸
の位置決め精度が極めて高いレベルで要求される問題が
ある。また、ギアボックス内部の機構が複雑で分解が難
しいために、メンテナンスの必要が生じた場合に作業が
極めて煩雑になる問題がある。即ち、ギア機構Bのメン
テナンスを行う必要が生じた場合に各回転軸やギアの取
り外し、あるいは、部品の交換が極めて煩雑な問題があ
る。また、粉末クラッチ装置30を用いた構成である
と、磁性粉によってクラッチ板37と回転部材38の回
転を連結する際に、磁性粉のクラッチ操作に対する追従
性に限界があるために、回転抵抗にムラを生じやすい問
題があり、ワイヤ線Sに張力ムラを生じ易い問題があっ
た。なお、ワイヤ線Sの張力ムラを生じるようである
と、被加工物1が小さくなった場合に被加工物1の切断
部分がうねりを生じやすくなる問題がある。
【0034】次に、切削加工を続行している場合に、被
加工物1とワイヤ線Sの接触部分に砥液が十分に供給さ
れない状態が生じる場合がある。図14は、ワイヤ線S
が被加工物1を切削している状態を示すが、この状態に
おいてワイヤ線Sには張力が与えられてはいるが、被加
工物1に押し付けられてもいるので、ワイヤ線Sは若干
上向きに湾曲しながら被加工物1と接触し、この状態で
加工が進行される。ここで被加工物1の周囲から砥液が
供給されると、砥液は被加工物1の切削溝1aの入口側
までは容易に浸入するが、切削溝1aの底部1b側には
容易に浸入できなくなり、場合によっては切削溝1aの
底部1bに砥液が供給されないままで切削が進行し、場
合によってはワイヤ線Sの断線を引き起こすおそれも生
じる。
【0035】このような問題を解消するために、スライ
ス切削加工の進行に伴い、所定時間毎にワイヤ線Sを被
加工物1の切削溝1aの底部1bから引き離す操作を行
う。この操作を行うために図7に示す前述の間欠上下機
構Eを作動させる。間欠上下機構Eの押下器具90のピ
ストンロッド99を伸張させて下部支持片98を下降さ
せ、押下部材100でテーブル2を微小距離だけ下降さ
せると、図14に示すワイヤ線Sを図15に示すように
切削溝1aから外にはみ出ないように切削溝1aの底部
1bから上昇させて離れさせことができるので、この離
れた部分に生じた隙間140から砥液を切削溝1aの底
部1bに供給することができる。このような底部1bに
対する砥液の供給は一瞬のうちに行えるので、間欠上下
機構Eを作動させてテーブル2を下降させる操作は所定
の間隔毎に短時間行えばよい。このように操作すること
で砥液の供給不能に伴うワイヤ線Sの断線発生を防止で
きる。なお、切削の進行に伴い、被加工物1の切削溝1
aにおいてワイヤ線Sの上には加工屑や加工スラッジ等
が生成し、これが堆積しようとするが、前記の間欠上下
機構Eによるワイヤ線Sの引上操作を行ない、これらを
ワイヤ線Sで上方に持ち上げると、被加工物1に吹きか
けられて被加工物1の表面を流れている砥液がこれらを
洗い流すので加工屑や加工スラッジを切削溝1aから容
易に除去することができる。
【0036】次に、下部支持片98の下方旋回移動量は
押下機器92のピストンロッド99の上下移動量の微調
整により容易に調整することができ、これに合わせてテ
ーブル2の下降距離を微調整できるので、ワイヤ線Sを
切削溝1aから出さないように必要な分だけ容易に上昇
させることができる。これにより、ワイヤ線Sを切削溝
1aから外に出すことなくワイヤ線Sを切削溝1aの底
部1bから確実に引き離すことができるので、切削溝1
aの周縁部を傷めることなくワイヤ線Sの上下移動がで
きる効果がある。また、前記の構成に代えて、支持ロー
ラ6、6、6の支持部分を首振り自在に構成し、被加工
物1に対して支持ローラ6、6、6を若干の角度首振り
移動するようにしてワイヤ線Sを被加工物1から離間自
在に構成することもできるが、このように構成すると、
微細な切削溝1aから外に出たワイヤ線Sが再び切削溝
1aに入る際に切削溝1aの開口部周縁に衝突するおそ
れがあり、この衝突を生じると切削溝1aの開口部周縁
を欠けさせてしまうおそれがある。従って前記の構造の
ように上下間欠移動機構Eを設けてワイヤ線Sを切削溝
1aの内部で若干上昇させるようにすることが重要であ
る。
【0037】以上のようなスライス切削加工を続行し、
被加工物1をワイヤ線Sで切削してゆき、ワイヤ線Sが
被加工物1を支持する固定治具135に到達した時点で
スライス切削加工を終了する。加工終了後に固定治具1
35を支持治具75から取り外し、固定治具135と被
加工物1を接着剤溶解用の溶液に浸漬して接着剤を溶解
することで固定治具135から多数の図12に示す磁気
ヘッドHを同時に得ることができる。
【0038】ところで、前記の例においては、図9に示
すように支持ローラ6に2つの巻付部6A、6Bを設
け、巻付部6A、6Bとほぼ同じ長さの被加工物1をス
ライス切削加工する場合について説明したが、被加工物
の長さが図9に示す被加工物1よりも更に小さいものの
場合は、支持ローラ6に図9よりも更に小さな巻付部を
必要数設けて目的の被加工物と同じ程度の長さの巻付部
を設け、その巻付部を用いて切削加工することが好まし
い。その場合、形成する巻付部によっては、アイドルロ
ーラ115、117の前後位置と傾斜角度を変更する必
要がある。その場合は、位置調整ブロック110の制御
盤5に対する前後位置調整と、角度調整ブロック11
1、112の交換を行うことで対応することができる。
角度調整ブロック111、112は、それらの前面の傾
斜角度の異なるものを予め複数用意しておき、支持ロー
ラ6上に形成する巻付部6A、6Bの位置や長さに対応
して交換する。交換に際し、アイドルローラ115の周
溝115aの支持ローラ6側の部分が必要な巻付部の端
部に向くように、また、アイドルローラ117の周溝1
17aの支持ローラ6側の部分が他の必要な巻付部の端
部に向くようにすれば良い。このようにすることで、被
加工物の長さが異なった場合のスライス切削加工に対応
することができ、また、同じ長さの被加工物であって
も、固定治具135に取り付ける位置が異なる場合に容
易に対応することができ、いずれの場合においても支持
ローラ6上におけるワイヤ線Sの円滑な移動状態を確保
できる。
【0039】
【実施例】
「実施例1」図1に示す構成のワイヤソー装置を用いて
フェライト製の棒状の被加工物をスライス切削加工した
場合のうねり量の発生状況について試験した。支持ロー
ラは、超高分子ポリエチレン製の外径60mm、長さ5
0mm、周面溝数130個のものを用いた。ワイヤ線は
直径0.134mmのピアノ線を用い、このワイヤ線を
支持ローラに50ターンずつ長さ15mmにわたる2つ
の巻付部に巻き付けた。用いた砥液は、#6000の砥
粒を油の中に分散させたものであり、これに切削油を追
加して被加工物上方から供給した。この装置において、
図24に示す従来のギア装置Bを用いてワイヤ線に張力
を負荷して40個の被加工物を切削加工した場合と、図
2に示す張力発生機構Dを用いてワイヤ線に張力を負荷
して40個の被加工物を切削加工した場合の張力変動値
を求めた結果を図16に示す。なお、ワイヤ線に張力を
発生させるために図24に示すギア装置Bの回転軸2
5、26間の回転数差は1.2:1に設定し、図2に示
す回転軸51、52の回転数差は1.2:1に設定し
た。
【0040】張力変動値は、ギア装置Bの回転軸25を
固定し、回転軸26を回転させるときの抵抗値をテンシ
ョンメータを用いて測定し、更に図2に示す回転軸51
を固定し回転軸52を回転させる抵抗値をテンションメ
ータにて測定した。図16に示すように従来のギア装置
を用いた場合は、加工前と加工後において大きな張力変
動(800g程度)を生じたのに対し、張力発生機構D
を用いた場合は加工前と加工後において大きな張力変動
を生じていない(100g程度の変動)ことが判明し
た。即ち、従来のギア機構を用いた装置では加工進行と
ともに張力が低下するので、加工の最初から最後まで安
定した張力を負荷できないのに対し、本発明に係る張力
発生機構Dを用いることで加工の最初から最後までほぼ
一定の張力を印加しつつスライス切削加工できることが
明らかである。
【0041】「実施例2」次に、図17に示す形状の磁
気ヘッドHを前記棒状の被加工物1からスライス切削加
工により得る場合において、うねりとワイヤ線の張力と
の関係、うねりと砥粒サイズとの関係、うねりと砥粒粘
度の関係、うねりと荷重(ワイヤ線による押し付け荷
重)の関係、うねりとワイヤ線の送る速度の関係、うね
りとワイヤーの往復の回数の関係を測定し、それらの結
果を図18(A)〜(F)に示した。図18(A)〜
(F)に示す結果から、うねりに及ぼす影響が大きいの
はワイヤ線の張力と砥粒サイズの大きさであることが判
明した。しかしながら、砥粒サイズは磁気ヘッドを製造
する場合に自由に選定できないパラメータであり、切削
するべき磁気ヘッドの素材に応じてほぼ決まったサイズ
の砥粒を用いなくてはならない制限がある。従って、前
記実施例1において用いた張力発生機構Dを用いてスラ
イス切削加工することが、うねりの少ない寸法精度の高
い磁気ヘッドを製造するために極めて重要であることが
明らかになった。
【0042】「実施例3」次に被加工物1をスライス切
削加工する場合の間欠上下移動機構Eの効果について検
証する実験を行った。被加工物として単結晶フェライト
バーからなるものを用い、固定治具として多結晶フェラ
イトブロックからなるものを用い、両者を高硬度の瞬間
接着剤により接着して一体化し、これに対して単結晶フ
ェライトバーから固定治具の表面部分までスライス切削
加工する場合に、1分間のインターバルで0.2mmだ
け被加工物を一瞬下げてから戻す操作(0.2ATF)
の条件で間欠上下移動機構Eを作動させた場合と、1分
間のインターバルで0.4mmだけ被加工物を一瞬下げ
てから戻す操作(0.4ATF)の条件で間欠上下移動
機構Eを作動させた場合と、間欠上下移動機構Eを用い
ない場合において、切り込み位置と加工時間との関係を
求めた結果を図19に示す。
【0043】間欠上下移動機構Eを0.2ATFあるい
は0.4ATFの条件で作動させてスライス切削加工し
た場合と、作動させない状態のままでスライス切削加工
した場合において、単結晶フェライト製の被加工物自体
を切削完了するまでの間(図19のP〜Qの部分)では
ほとんど差がないが、スライス切削加工が接着剤部分
(図19のR部分)を超えて被加工物と固定治具の両方
をスライス切削する部分(図19のT部分)まで及ぶよ
うになるとそれらの間に差が生じ、間欠上下移動機構E
を作動させた場合の方がより多く切削できていることが
明らかになった。従って間欠上下移動機構Eを作動させ
た方がスライス切削加工をより速い切削速度で行うこと
ができることが明らかになった。
【0044】「実施例4」本発明に係るアイドラー機構
を設けて支持ローラに離間した2つのワイヤ線巻付部を
形成し、結果的に支持ローラに対するワイヤ線の巻付数
を少なくしたことによる効果について試験した。前記実
施例1で用いたものと同じ支持ローラに対して全長にわ
たり130回巻きしたものと、幅15mmの巻付部に5
0回ずつ、合計100回巻きしたものを用意し、それぞ
れの巻き数の支持ローラを用いた場合のシャフト偏芯量
W(図20参照)とローラ伸縮量Zおよび加工時の発熱
状態を測定した。その結果を以下の表1に記載する。
【0045】
【表1】
【0046】表1に記載する結果から明らかなように1
30回巻きの支持ローラを用いる場合よりも100回巻
きの支持ローラを用いる方がローラシャフト偏芯量を1
/3程度に低減することができ、ローラ伸縮量を1/6
〜1/7程度に低減することができ、加工発熱も大幅に
低減できることが判明した。このように大幅に特性向上
できる原因は、ワイヤ線の支持ローラに対する巻付数を
削減して支持ローラに負荷される巻き圧力を減少させた
ことと、被加工物をスライス切削加工する場合に切削に
寄与していないワイヤ線を無くすることできることの相
乗効果であると思われる。また、巻き数が増加して支持
ローラのシャフトが撓むようであると回転抵抗が増加
し、それによる発熱が生じて結果的に加工発熱が上昇す
ることも予想されるので、この面においても巻き数を少
なくすることが有効であると思われる。
【0047】「実施例5」前記実施例4で100回巻き
の支持ローラを用いることでスライス切削加工して被加
工物から得られた磁気ヘッドの切断面粗さと、前記実施
例4で比較用に用いられた130回巻きの支持ローラを
用いることで得られた磁気ヘッドの切断面粗さをそれぞ
れ測定し、ロット単位で表面粗さのばらつきを求めた結
果を図21に示す。図21の棒グラフにおいて1つの棒
は試料10本のばらつきを示す。図21に示す結果から
明らかなように、巻線数の少ない支持ローラを用いた構
成を採用することにより、切削面の表面粗さのばらつき
を従来の5〜13μmの範囲から1〜5μmの範囲に少
なくできることが明らかになった。これは、支持ローラ
に巻き付けたワイヤ線において、被加工物に接触するも
のと被加工物に接触しないものが存在すると、被加工物
に接触したワイヤ線と接触しないワイヤ線との間に緩み
が生じ、被加工物に対するワイヤ線の接触状態が部分的
に異なるようになり、これが原因となって切断面の凹凸
が大きくなることに起因していると思われる。なお、表
面粗さのばらつきが5〜13μmの範囲では磁気ヘッド
に要求される表面精度において不足であるので、更にラ
ップ加工を施して切断面の仕上げ加工を施してから次工
程に送る必要があるが、ばらつきが1〜5μmの精度で
あればこのようなラップ加工を施さなくとも次工程に送
ることができるので、ラップ加工を省略することもでき
る効果がある。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数の支持ローラにワイヤ線の巻付部を複数設け、複数の
巻付部間に巻付部から引き出したワイヤ線を掛け渡すア
イドルローラを設けたので、複数の巻付部に渡るワイヤ
線をそれぞれ円滑に移動できるとともに、円滑にワイヤ
線の移動を行う複数の巻付部をそれぞれ被加工物に押し
付けて被加工物をスライス切削加工することができる。
次に、ワイヤ線を巻き付けるアイドルローラを一対、個
々に下向きあるいは上向きに傾斜させて巻付部の間の部
分に設け、1つの巻付部から引き出したワイヤ線を2つ
のアイドルローラに掛け渡した後で他の巻付部に移動で
きるので、2つの巻付部が多少離れていてもワイヤ線に
無理な負荷をかけることなくワイヤ線を支持ローラ上の
1つの巻付部から他の巻付部に移行させることができ、
ワイヤ線の移動を円滑にできる。これにより、被加工物
の大きさに合わせて複数の巻付部を構成し、巻付部どう
しが多少離れていた場合であっても、1つの巻付部から
他の巻付部に円滑にワイヤ線を移行させることができ
る。
【0049】また、前記の構成において対になる一方の
アイドルローラの周面の一部を1つの巻付部に近接さ
せ、他方のアイドルローラの周面の一部を他の巻付部に
近接させることでワイヤ線に無理な負荷をほとんどかけ
ることなくワイヤ線を1つの巻付部から他の巻付部に移
行させることができる効果がある。従って、被加工物の
大きさに合わせて複数の巻付部を構成し、巻付部どうし
が多少離れていた場合であっても、1つの巻付部から他
の巻付部に円滑にワイヤ線を移行させることができ、ス
ライス切削加工中にワイヤ線に対して無用な負荷をかけ
るおそれを少なくすることができる。次に、前記の構成
において被加工物の長さと巻付部の幅をほぼ同じにする
ことにより、被加工物のスライス切削加工中に被加工物
にワイヤ線のほとんど全てを接触させ、接触しないワイ
ヤ線を無くすることができ、スライス切削加工中のワイ
ヤ線のたるみや締まりすぎを無くすることができるため
に、被加工物をスライス切削加工する場合の切削加工精
度低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワイヤソー装置の一例を示す構成
図である。
【図2】図1に示すワイヤソー装置に設けられる張力発
生機構を示す断面図である。
【図3】図2に示す張力発生機構に組み込まれる磁気ト
ルククラッチ機構の一例を示す断面図である。
【図4】図3に示す磁気トルククラッチ機構に設けられ
る永久磁石部材の斜視図である。
【図5】図4に示す永久磁石部材から発生された磁力線
の向きの一例を示す説明図である。
【図6】図4に示す永久磁石部材から発生された磁力線
の向きの一例を示す説明図である。
【図7】図1に示すワイヤソー装置に設けられる間欠上
下移動機構の一例を示す構成図である。
【図8】図1に設けられるワイヤソー装置に設けられる
テーブル部分の斜視図である。
【図9】図1に設けられるワイヤソー装置に設けられる
支持ローラとアイドラー機構を示す側面図である。
【図10】図1に示すワイヤソー装置でスライス切削加
工される被加工物の一例を示す斜視図である。
【図11】図10に示す被加工物を固定治具に固定した
状態を示す斜視図である。
【図12】図10に示す被加工物から得られる磁気ヘッ
ドの一例を示す平面図である。
【図13】被加工物と固定治具とワイヤ線の相対位置関
係を示す説明図である。
【図14】被加工物をワイヤ線がスライス切削加工して
いる状態を示す斜視図である。
【図15】被加工物をスライス切削加工している状態に
おいてワイヤ線を上昇させた状態を示す斜視図である。
【図16】従来装置と本発明装置において加工前と加工
後の張力変動状態を測定した結果を示す図である。
【図17】図17(A)は被加工物からスライス切削さ
れた磁気ヘッドの側面図、図17(B)は磁気ヘッドの
うねり量を示す図である。
【図18】図18(A)はうねり量とワイヤ線張力の関
係を示す図、図18(B)はうねり量と砥液の砥粒サイ
ズの関係を示す図、図18(C)はうねり量と砥液の砥
粒粘度の関係を示す図、図18(D)はうねり量と荷重
(被加工物に対するワイヤ線の押し付け荷重)の関係を
示す図、図18(E)はうねり量とワイヤ線送り速度の
関係を示す図、図18(F)はうねり量とドライブの回
転数の関係を示す図である。
【図19】本発明に係る装置と従来装置を用いて被加工
物をスライス切削加工した場合の切り込み位置と下降時
間の関係を示す図である。
【図20】支持ローラの撓み量と伸縮量を説明するため
の図である。
【図21】支持ローラの全長にわたりワイヤ線を巻回し
た装置と支持ローラに2つの巻付部を形成して巻き付け
数を少なくした装置を用いて被加工物をスライス切削加
工した場合に得られた磁気ヘッドの切削面の表面粗さの
分布を示す図である。
【図22】従来のワイヤソー装置の一例を示す構成図で
ある。
【図23】従来のワイヤソー装置で被加工物をスライス
切削加工している状態を示す図である。
【図24】従来のワイヤソー装置に用いられているギア
装置を示す断面図である。
【図25】図25(A)はワイヤ線で被加工物を切削し
ている状態を示す拡大斜視図、図25(B)は切削溝内
のワイヤ線と砥粒の関係を示す図である。
【符号の説明】
C ワイヤソー装置、 D 張力発生機構、 E 間欠上下移動機構、 F アイドラー機構、 G 磁気トルククラッチ機構、 S ワイヤ線、 1 被加工物、 1a 切削溝、 1b 底部、 2 テーブル、 5 制御板、 6 支持ローラ、 6A、6B 巻付部、 6a 周溝、 7、8、9 案内ローラ、 10、11、12 案内ローラ、 13、14、15、16 案内ローラ、 17 供給ロール、 20 巻取ロール、 71 操作ロッド、 72 押下装置、 73 引上装置、 81 牽引ワイヤ、 85 重鎮部材、 90 押下ブロック、 92 押下器具、 95 基台部、 97 回動ピン、 98 下部支持片、 100 押下部材、 105 マイクロメータ、 110 位置調整ブロック、 111、112 角度調整ブロック、 115、117 アイドルローラ、 115a、117a 周溝、 113、116 支持軸。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物を保持するテーブルと、テーブ
    ルの上方に前記被加工物に対向して設けられた複数の支
    持ローラと、前記テーブルの一側に立設された制御盤
    と、前記制御盤に設けられた複数の案内ローラと、前記
    制御盤の案内ローラにワイヤ線を供給するための供給機
    構と、前記制御盤の案内ローラを介して前記複数の支持
    ローラに巻回されたワイヤ線を前記制御盤の他の案内ロ
    ーラを介して巻き取るための巻取機構とを具備して構成
    され、前記被加工物と複数の支持ローラを接近離間自在
    に構成して複数の支持ローラ間に懸架されたワイヤ線を
    被加工物に押し付けて被加工物をスライス切削加工する
    ワイヤソー装置であって、 前記複数の支持ローラの周面に渡るようにワイヤ線を所
    定のピッチで複数の支持ローラに掛け渡した巻付部が、
    支持ローラの長さ方向に複数、相互の間に間隔をあけて
    形成され、支持ローラの近傍に支持ローラ上の1つの巻
    付部から他の巻付部に移行する間のワイヤ線の一部を掛
    け渡すアイドルローラが設けられてなることを特徴とす
    るワイヤソー装置。
  2. 【請求項2】 前記アイドルローラが支持ローラの近傍
    に少なくとも一対設けられ、対になる一方のアイドルロ
    ーラが下向きに他方のアイドルローラが上向きにそれぞ
    れ傾斜され、支持ローラ上の1つの巻付部から他の巻付
    部に移行する間のワイヤ線の一部が対になるアイドルロ
    ーラの双方に掛け渡されてなることを特徴とする請求項
    1記載のワイヤソー装置。
  3. 【請求項3】 対になるアイドルローラが支持ローラの
    長さ方向に移動自在に支持され、傾斜された一方のアイ
    ドルローラの周面の一部が支持ローラ上の1つの巻付部
    の端部に、他方のアイドルローラの周面の一部が支持ロ
    ーラ上の他の巻付部の端部にそれぞれ近接されてなるこ
    とを特徴とする請求項2記載のワイヤソー装置。
  4. 【請求項4】 テーブル上に支持ローラの長さ方向に沿
    って複数の被加工物が設置され、支持ローラ上の1つの
    巻付部の幅がテーブル上の1つの被加工物の長さとほぼ
    同じにされてなることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のワイヤソー装置。
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