JP2005212058A - 管状体の内径加工装置および方法 - Google Patents

管状体の内径加工装置および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005212058A
JP2005212058A JP2004022865A JP2004022865A JP2005212058A JP 2005212058 A JP2005212058 A JP 2005212058A JP 2004022865 A JP2004022865 A JP 2004022865A JP 2004022865 A JP2004022865 A JP 2004022865A JP 2005212058 A JP2005212058 A JP 2005212058A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wrapping wire
tubular body
inner diameter
processing
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004022865A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichiro Nishi
健一朗 西
Mitsuo Takaku
光男 高久
Keisuke Tsukada
桂介 塚田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Foundation for the Promotion of Industrial Science
Original Assignee
Foundation for the Promotion of Industrial Science
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Foundation for the Promotion of Industrial Science filed Critical Foundation for the Promotion of Industrial Science
Priority to JP2004022865A priority Critical patent/JP2005212058A/ja
Publication of JP2005212058A publication Critical patent/JP2005212058A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

【課題】 ラッピングワイヤの磨耗に対してもフェルールの内径を高精度に加工できる内径加工装置および方法を提供すること。
【解決手段】 互いに離間した2点間に張架されたラッピングワイヤ14と、このラッピングワイヤ14が挿通されるフェルール24を保持し前記ラッピングワイヤ14の周りに回転させる手段21と、この回転手段21を前記ラッピングワイヤ14に沿って相対的に移動する手段15と、この手段15による相対的な移動とともに、前記フェルール24を前記ラッピングワイヤ14に沿って相対的に微小振幅で振動させる手段18と、前記回転手段21を前記ラッピングワイヤ14に交差する方向に偏移する手段25とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ラッピングワイヤを用いて微小な管状体の内径を高精度に加工する装置に関し、特に光ファイバーを接続するために用いられるフェルールの内径加工装置および加工方法に関する。
光ファイバー接続用のフェルールは、たとえば外径が2.5mm、内径が0.125mm、長さが10.5mmのセラミックス製の管状体部品である。このフェルールは、特にシングルモード光ファイバーの接続においては接続される光ファイバーの端面を高い精度で合致させる必要があるため、その中心孔の加工においては孔径およびその真円度に高い精度が要求される。
従来このようなフェルールの内径の加工装置として、ラッピングワイヤを用いた加工装置が知られている(特許文献1参照)。このワイヤ式内径加工装置は、円筒状のホルダー内に複数個のフェルールを半田等により固定収納し、これらのフェルールの中心孔を長さが約20mのテーパー状のラッピングワイヤを通過させる。そして円筒状のホルダーをラッピングワイヤの周りに回転させ、ダイヤモンド砥粒がその表面に供給されるラッピングワイヤをフェルールの中心孔を通して移動させることにより、内径が研磨加工される(特許文献1参照)。ダイヤモンド砥粒は通常潤滑油に混ぜてスラリーとして供給される遊離砥粒が用いられるが、最近では、ラッピングワイヤにニッケルコーティングを施したダイヤモンド砥粒をメッキにより固定した固定砥粒も開発されている。
特開平5−113523号公報
しかしながら、上記、従来のフェルールの内径加工装置においては、ラッピングワイヤをセラミックス製のフェルールの中心孔を通して移動させることにより、内径が研磨加工されるが、同じラッピングワイヤを用いて複数個のフェルールを研磨加工する間に、ラッピングワイヤが磨耗して、所定の内径のフェルールが得られなくなるという問題があった。例えば、セラミックス製のフェルールを1ロット当たり20個として研磨加工を行うと、1ロットのフェルールの加工中に、ラッピングワイヤの表面に固定された砥粒が磨耗し、この結果ラッピングワイヤの径が砥粒の径に相当する5μm程度減少する。この結果、磨耗したラッピングワイヤ加工されるフェルールの内径も減少し、高精度の加工が出来なくなる。このような問題は、ラッピングワイヤの交換により解決できることはいうまでもないが、ラッピングワイヤの頻繁な交換は、作業効率を低下させるばかりでなく、フェルールの加工費の高騰を招くという新たな問題を生ずる。
したがって、本発明は上記のような従来の遊離砥粒あるいは固定砥粒を用いた内径加工装置の問題点を解決し、ラッピングワイヤの磨耗に対してもフェルールの内径を高精度に加工できる内径加工装置および方法を提供することを目的とするものである。
本発明の管状体の内径加工装置は、互いに離間した2点間に張架されたラッピングワイヤと、このラッピングワイヤが挿通される管状体を保持し前記ラッピングワイヤの周りに回転させる手段と、この回転手段を前記ラッピングワイヤに沿って相対的に移動する手段と、この手段による相対的な移動とともに、前記管状体を前記ラッピングワイヤに沿って相対的に微小振幅で振動させる手段と、前記回転手段を前記ラッピングワイヤに交差する方向に偏移する手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の管状体の内径加工装置は、互いに離間配置されたテンション装置間に張架されたラッピングワイヤと、このラッピングワイヤが挿通される管状体を保持し前記ラッピングワイヤの周りに回転させる回転チャックと、この回転チャックが固定された振動テーブルと、この振動テーブルを前記ラッピングワイヤに沿って微小振動させる加振機と、この加振機とともに前記回転チャックを載置し、前記ラッピングワイヤに沿って移動する加工テーブルと、この加工テーブル上に設けられ、前記振動テーブルを前記ラッピングワイヤに交差する方向に偏移する振動テーブル偏移手段と、を備えることを特徴とするものである。
また、上記本発明の管状体の内径加工装置においては、前記ラッピングワイヤは、固定砥粒型のワイヤであることを特徴とするものである。
さらに、上記本発明の管状体の内径加工装置においては、前記ラッピングワイヤは、一端から他端に向かってテーパー状に形成されていることを特徴とするものである。
さらに、上記本発明の管状体の内径加工装置においては、前記振動テーブル偏移手段は、前記ラッピングワイヤが挿通される管状体を前記ラッピングワイヤに直交する方向にほぼ5μm以下の範囲で偏移することを特徴とするものである。
また、本発明の管状体の内径加工装置においては、前記振動テーブル偏移手段は、前記振動テーブルが載置されるとともに、送りナットが固定された偏移テーブルと、この偏移テーブルに固定された前記送りナットに螺合し、前記加工テーブル上に前記ラッピングワイヤに交差する方向に延長設置された送りネジと、この送りネジを回転駆動する回転駆動手段と、により構成されることを特徴とするものである。
また、上記本発明の管状体の内径加工装置においては、前記振動テーブル偏移手段は、前記加工テーブルの面上に、その板面が前記加工テーブルの面に交差するとともに、前記ラッピングワイヤに沿うように固定された弾性板と、この弾性板の端面上に、前記加工テーブルに対してほぼ水平に支持され、前記振動テーブルが載置される偏移テーブルと、この偏移テーブルを前記弾性板の面に交差する方向に変位させる加圧手段と、により構成されることを特徴とするものである。
さらに、上記本発明の管状体の内径加工装置においては、前記加圧手段は、加工テーブル上に、前記偏移テーブルの端部を支持可能に固定配置された摺動台と、この摺動台の摺動面上に固定されたガイド壁と、このガイド壁と前記偏移テーブルの端面との間に摺動可能に挿入された楔状移動体と、この楔状移動体を駆動する駆動機構と、により構成されることを特徴とするものである。
さらに、上記本発明の管状体の内径加工装置においては、前記楔状移動体を駆動する駆動機構は、楔状移動体駆動用サーボモータと、このサーボモータにより回転駆動される送りネジと、この送りネジに螺合するように前記楔状移動体に固定された送りナットにより構成され、前記楔状移動体を前記ガイド壁と偏移テーブルの端面との間に挿抜可能に挿入することにより、前記弾性板の端面上に支持された偏移テーブルを偏移することを特徴とするものである。
さらに、上記本発明の管状体の内径加工方法は、ラッピングワイヤが挿通される管状体を前記ラッピングワイヤの周りに回転させるとともに、この管状体を前記ラッピングワイヤに対して相対的に一方向に移動する手段と、この相対的な移動の際に、前記管状体を前記ラッピングワイヤに沿って相対的に微小振動する手段と、前記管状体を前記ラッピングワイヤに交差する方向に移動する手段と、を備えることを特徴とするものである。
また、上記本発明の管状体の内径加工方法においては、前記ラッピングワイヤは、固定砥粒型のワイヤであることを特徴とするものである。
さらに、上記本発明の管状体の内径加工方法においては、前記ラッピングワイヤは、一端から他端に向かってテーパー状に形成されていることを特徴とするものである。
以上説明したように、本発明の内径加工装置および加工方法によれば、ラッピングワイヤが加工中にラッピングワイヤが磨耗しても、ラッピングワイヤを直ちに交換することなく、管状体の内径を高精度に加工できる。
また、本発明の内径加工装置および加工方法によれば、ラッピングワイヤの使用寿命を長く出来る結果、管状体の加工における費用効率を向上することが出来る。
以下、本発明の管状体の内径加工装置の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の管状体の内径加工装置の側面図、図2はその正面図である。
図1に示すように、基台11上の離間した位置に一対のテンション装置12、13が対向配置されており、その間にラッピングワイヤ14が所定のテンションを以って緊張懸架されている。基台11上にはまた、この基台11上でラッピングワイヤ14に沿って移動可能に設けられた加工テーブル15が設けられている。この加工テーブル15は、基台11上に設置された加工テーブル送りネジ16とこれに螺合し加工テーブル15の下面に固定された加工テーブル送りナット17により移動される。
次に、加工テーブル15上には、断面がL字型の振動テーブル18が設置されている。この振動テーブル18は、同じく加工テーブル15上に固定されたテーブル支持台19上に、ラッピングワイヤ14に沿って振動可能に支持されている。この振動テーブル18は、同じく加工テーブル15上に固定された電磁加振機20により、微小振動される。この場合の振動の振幅は0.1〜5mmの範囲の任意の値に選定され、振動の周波数は40〜200Hzの範囲の任意の値に選定される。
振動テーブル18上には、円筒状の回転チャック21がラッピングワイヤ14の周囲で回転可能に設置されている。この回転チャック21は、同じく加工テーブル15上に固定された回転チャック駆動モータ22により、ベルト23を介して回転される。この回転速度は例えば、毎分100,000回転である。
円筒状の回転チャック21はその中空部内には、被加工物であるフェルール24が挿入されている。このフェルール24は、図3に示されるように、たとえば、外径が2.5mm、内径が0.125mm、長さが10.5mmのセラミックス製の管状体部品である。
このフェルール24は、円筒状の回転チャック21の中空部内に挿入され、回転チャック21の回転とともに回転するように固定される。ラッピングワイヤ14は回転チャック21の中空部内に挿入されたフェルール24の中空部を通過し、さらに、断面がL字型の振動テーブル18の垂直な壁面に形成された孔(図示せず)を通過してテンション装置13にその一端が固定されている。
振動テーブル18とテーブル支持台19との間には、偏移テーブル25が設けられている。振動テーブル18は偏移テーブル25の上面において、第1のスライド機構26によりラッピングワイヤ14に沿った方向に微小振動可能に設置されている。この第1のスライド機構26は、振動テーブル18下面に固定されたガイド溝26−1と偏移テーブル25上面に固定され、ガイド溝26−1に嵌合するガイドレール26−2から構成されている。振動テーブル18は電磁加振機20により、ガイド溝26−1に沿って微小振動される。
また、偏移テーブル25はテーブル支持台19の上面において、第2のスライド機構27によりラッピングワイヤ14に直交する方向に偏移可能に設置されている。この第2のスライド機構27は、偏移テーブル25の下面に固定されたガイド溝27−1とテーブル支持台19の上面に固定され、ガイド溝27−1に嵌合するガイドレール27−2から構成されている。偏移テーブル25は、偏移テーブル25の下面に形成された送りナット28−1と、この送りナット28−1に螺合し、前記加工テーブル15上に、前記ラッピングワイヤ14に直交する方向に延長設置された送りネジ28−2と、この送りネジを回転駆動するサーボモータ28−3からなる偏移テーブル駆動機構28によりガイドレール27−2に沿って進退移動される。
図4はラッピングワイヤ14の形状を示す一部切欠側面図である。ラッピングワイヤ14は全長が例えば100〜1000mmで、始端14−1から終端14−2に向かってその直径が徐々に太くなる、いわゆるテーパー状になっている。図1に示される一対のテンション装置12側の終端14−2から始端14−1の方向に向かって約20mmの長さの範囲においてはその直径は一定であり、加工すべきフェルール24の内径に等しく、例えば、125μmである。また、テンション装置13側の始端14−2の直径は例えば90μmである。さらに、このラッピングワイヤ14の表面には図示しないが、ニッケルコーティングされたダイヤモンド砥粒がメッキにより固着されている。
このように構成された内径加工装置の動作について説明する。フェルール24が挿入固定された回転チャック21は回転チャック駆動モータ22により回転され、同時に、振動テーブル18は電磁加振機20により振動される。この状態において、加工テーブル15が図1に示されるテンション装置13側の位置からテンション装置12側に向かって、加工テーブル送りネジ16の回転により移動される。これによって、フェルール24が挿入固定された回転チャック21は、ラッピングワイヤ14に沿って移動し、フェルール24の内径はラッピングワイヤ14の表面に固着された砥粒により研磨される。加工テーブル15がテンション装置13側に移動するとともに、ラッピングワイヤ14の直径が大きくなり、ラッピングワイヤ14はフェルール24の中空穴内に圧入される。このとき、振動テーブル18により回転チャック21がラッピングワイヤ14に沿って高速に振動するため、ラッピングワイヤ14はフェルール24の中空穴内に食い込むことなく、円滑に通過することができる。このように上記のような構造の加工装置を用いることにより、固定砥粒型のラッピングワイヤを用いても、ワイヤの断線を生ずることなく、フェルール24の内径加工が可能である。また、固定砥粒型のラッピングワイヤを用いたセラミックフェルールの内径加工においては、フェルールの内径にスラリー等が付着しないため、光学系を汚染することがなく、高精度の内径の測定ができる。
また、回転チャック21をラッピングワイヤ14に沿って高速に振動することにより、ラッピングワイヤ14の長さを短くしてテーパーの傾きを大きくしてもラッピングワイヤ14がフェルール24の回転とともに回転してねじれることがなく円滑に通過できる。したがって、ラッピングワイヤ14の長さを短くでき、装置を小型化できるとともに、装置の自動化が容易になる。
ところでこのような装置により、フェルール24の内径加工を繰り返すうちに、フェルール24の材質がセラミックのような硬い材料で構成されているため、ラッピングワイヤ14が磨耗し、その線径が減少して細くなる。この結果、加工される、フェルール24の内径も所望の内径より僅かに細い内径となる。例えば、セラミックス製のフェルールを1ロット当たり20個として研磨加工を行うと、1ロットのフェルールの加工中に、ラッピングワイヤの表面に固定された砥粒が磨耗し、この結果ラッピングワイヤの径が砥粒の径に相当する数μm程度減少する。このような問題に対して、加工されたフェルール24の内径の測定により、内径の減少が観測された場合、偏移テーブル駆動機構28を構成するサーボモータ28−3を駆動して送りネジ28−2を所定の回転数だけ回転し、偏移テーブル25をガイドレール27−2に沿ってラッピングワイヤ14に直交する方向に前記測定されたフェルールの内径の減少分に相当する長さだけ移動して停止する。この状態において、再び、前述したような動作により、フェルール24の内径加工を繰り返す。この加工工程においては、偏移テーブル25上に載置された振動テーブル18も、最初の加工時の位置に対して、偏移テーブル25の移動量と同じだけ偏移しており、したがって、この振動テーブル18に固定された回転チャック21およびこの内部に挿入固定されたフェルール24も、ラッピングワイヤ14に直交する方向に、フェルールの内径の減少分に相当する長さだけ偏移している。したがって、この状態においては、ラッピングワイヤ14は、回転チャック21に挿入固定されたフェルール24の中心軸に対しては、フェルールの内径の減少分に相当する長さだけ偏心して配置されているため、回転チャック21の回転により加工されるフェルールの内径は、磨耗によるラッピングワイヤ14の線形の減少を補償され、所定の内径に加工することが出来る。
この状態で加工を継続すると、ラッピングワイヤ14の磨耗がさらに進行する。そして加工されたフェルール24の内径測定により、磨耗が確認された場合には、さらに同様な操作により、偏移テーブル25をガイドレール27−2に沿ってフェルールの内径の減少分に相当する長さだけ移動し、同様に加工を行う。
このような偏移テーブル25の偏移、加工を繰り返し、その偏移量が加工開始前の位置に対してほぼ5μmに達した場合、それ以上の加工は中止し、ラッピングワイヤ14を新品に交換する。偏移量がほぼ5μmに達した場合、ラッピングワイヤ14の表面に固定された砥粒がほとんど磨耗消失してしまうためである。
したがって、この偏移量は、砥粒の粒径に応じて決定され、必ずしも5μmに限定されるものではない。
図5は本発明の他の実施形態に係る管状体の内径加工装置の要部構成を示す正面図であり、図6はその上面図である。これらの図においては、図1および図2に示された部分と同一または対応する部分には、同一の符号を付して示し、それらの詳細な説明は省略し、以下では異なる部分を中心に説明する。
この実施形態においては、偏移テーブル25は加工テーブル15´の面上に、その板面が加工テーブル15´の面にほぼ直角に交差するとともに、前記ラッピングワイヤ14に沿うように互いに離間して固定された2枚の弾性板31−1、31−2により支持されている。すなわち、偏移テーブル25は弾性板31−1、31−2の加工テーブル15´側とは反対側の端面上に、加工テーブル15´に対してほぼ水平に支持されている。偏移テーブル25の端部には、この偏移テーブル25をその水平面内において、弾性板31−1、31−2の垂直な板面にほぼ直角に交差する方向に変位させる加圧手段が設けられている。
この加圧手段は、加工テーブル15´上に、偏移テーブル25の端部25−1を支持可能に固定配置された摺動台32と、この摺動台32の摺動面上に固定されたガイド壁33と、このガイド壁33と偏移テーブル25の端面25−2との間に摺動可能に挿入された楔状移動体34と、から構成されている。ここで、偏移テーブル25の端面25−2は、図6に示すように、ラッピングワイヤ14にほぼ平行な辺における端面であり、この端面はこの辺に沿って徐々に平行状態から離れるような傾斜端面が形成されている。楔状移動体34は細長い板状体により構成され、長手方向の一辺34−1はラッピングワイヤ14にほぼ平行に配置され、対向辺34−2はその端面が、偏移テーブル25の端面25−2に対応して傾斜している。楔状移動体34は楔状移動体駆動機構により駆動される。この楔状移動体駆動機構は、楔状移動体駆動用サーボモータ35により回転駆動される送りネジ35−1と、この送りネジ35−1に螺合するように楔状移動体34に固定された送りナット35−2により構成され、この楔状移動体駆動機構により楔状移動体34はガイド壁33と偏移テーブル25の端面25−2との間に挿抜可能に挿入される。
次にこの実施形態における、偏移テーブル25の偏移動作について説明する。
前述したように、フェルール24の内径加工を繰り返すうちに、フェルール24の材質がセラミックのような硬い材料で構成されているため、ラッピングワイヤ14が磨耗し、その線径が減少して細くなる。この結果、加工される、フェルール24の内径も所望の内径より僅かに細い内径となる。このような問題に対して、加工されたフェルール24の内径の測定により、内径の減少が観測された場合、偏移テーブル駆動機構28´を構成する楔状移動体駆動用サーボモータ35を駆動して送りネジ35−1を所定の回転数だけ回転し、送りナット35−2を介して楔状移動体34を摺動台32の摺動面上に固定されたガイド壁33と、このガイド壁33と偏移テーブル25の端面25−2との間に摺動挿入する。この結果、偏移テーブル25の端面25−2は楔状移動体34の対向辺34−2の傾斜端面に対して、ラッピングワイヤ14にほぼ直交する方向の偏移力を付与し、偏移テーブル25は、摺動台32の上面においてラッピングワイヤ14にほぼ直交する方向に所定の距離、すなわち、前記測定されたフェルール24の内径の減少分に相当する長さだけ摺動移動する。このとき、偏移テーブル25を支持する2枚の弾性板31−1、31−2は、それらの板面に垂直方向の力が加えられ、弾性変形する。この結果、偏移テーブル25上に載置された振動テーブル18もフェルール24の内径の減少分に相当する長さだけ、ラッピングワイヤ14にほぼ直交する方向に移動して停止する。
この状態において、再び、前述したような動作により、フェルール24の内径加工を繰り返す。この加工工程においては、偏移テーブル25上に載置された振動テーブル18も、最初の加工時の位置に対して、偏移テーブル25の移動量と同じだけ偏移しており、したがって、この振動テーブル18に固定された回転チャック21およびこの内部に挿入固定されたフェルール24も、ラッピングワイヤ14に直交する方向に、フェルールの内径の減少分に相当する長さだけ偏移している。したがって、この状態においては、ラッピングワイヤ14は、回転チャック21に挿入固定されたフェルール24の中心軸に対しては、フェルールの内径の減少分に相当する長さだけ偏心して配置されているため、回転チャック21の回転により加工されるフェルールの内径は、磨耗によるラッピングワイヤ14の線径の減少を補償され、所定の内径に加工することが出来る。
この状態で加工を継続すると、ラッピングワイヤ14の磨耗がさらに進行する。そして加工されたフェルール24の内径測定により、磨耗が確認された場合には、さらに同様な操作により、偏移テーブル25をラッピングワイヤ14に直交する方向にフェルールの内径の減少分に相当する長さだけ移動し、同様に加工を行う。
このような偏移テーブル25の偏移、加工を繰り返し、その偏移量が加工開始前の位置に対して所定距離に達した場合、それ以上の加工は中止し、ラッピングワイヤ14を新品に交換する。
本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態においては、偏移テーブル25を、ラッピングワイヤ14にほぼ直交する方向に移動したが、必ずしも直交する方向である必要はなく、ラッピングワイヤ14に交差する方向であればよい。
また、上記の実施形態においては、偏移テーブル25を2枚の弾性板31−1、31−2により、加工テーブル15´上に支持したが、2枚の弾性板に代えて、複数本の柱状弾性体等、その形状にかかわらず、任意の弾性体を用いることができる。
また、上記の実施形態においては、ラッピングワイヤ14の位置を固定して、フェルール24が挿入固定された回転チャック21を加工テーブル15により移動したが、加工テーブル15を固定してラッピングワイヤ14を移動させてもよい。また、ラッピングワイヤ14の位置を固定して、フェルール24が挿入固定された回転チャック21を振動テーブル18に載置しこれを電磁加振機20により振動させたが、同様に、フェルール24が挿入固定された回転チャック21を固定配置し、ラッピングワイヤ14を振動させてもよい。
また、上記実施形態では、ラッピングワイヤ14としてテーパーつきのワイヤを用いたが、必ずしもテーパー付でなくても用いることができる。さらに、上記実施形態では、ラッピングワイヤ14として固定砥粒型のワイヤを用いたが、従来から用いられている遊離砥粒型のワイヤを用いても円滑な加工が可能である。
本発明の実施形態に係る管状体の内径加工装置の構成を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る管状体の内径加工装置の構成を示す正面図である。 本発明の実施形態に使用されるセラミックフェルールの一例を示す側面図である。 本発明の実施形態に使用されるラッピングワイヤの一例を示す側面図である。 本発明の他の実施形態に係る管状体の内径加工装置の要部構成を示す正面図である。 図5に示す管状体の内径加工装置の要部構成を示す上面図である。
符号の説明
11……基台
12……第1のテンション装置
13……第2のテンション装置
14……ラッピングワイヤ
15……加工テーブル
15´……加工テーブル
16……加工テーブル送りネジ
17……加工テーブル送りナット
18……振動テーブル
19……テーブル支持台
20……電磁加振機
21……回転チャック
22……回転チャック駆動モータ
23……ベルト
24……フェルール
25……偏移テーブル
26……第1のスライド機構
26−1……ガイド溝
26−2……ガイドレール
27……第2のスライド機構
27−1……ガイド溝
27−2……ガイドレール
28−1……送りナット
28−2……送りネジ
28−3……サーボモータ
28……偏移テーブル駆動機構
31−1、31−2……弾性板
32……摺動台
33……ガイド壁
34……楔状移動体
35……楔状移動体駆動用サーボモータ
35−1……送りネジ
35−2……送りナット

Claims (12)

  1. 互いに離間した2点間に張架されたラッピングワイヤと、このラッピングワイヤが挿通される管状体を保持し前記ラッピングワイヤの周りに回転させる手段と、この回転手段を前記ラッピングワイヤに沿って相対的に移動する手段と、この手段による相対的な移動とともに、前記管状体を前記ラッピングワイヤに沿って相対的に微小振幅で振動させる手段と、前記回転手段を前記ラッピングワイヤに交差する方向に偏移する手段とを備えることを特徴とする管状体の内径加工装置。
  2. 互いに離間配置されたテンション装置間に張架されたラッピングワイヤと、このラッピングワイヤが挿通される管状体を保持し前記ラッピングワイヤの周りに回転させる回転チャックと、この回転チャックが固定された振動テーブルと、この振動テーブルを前記ラッピングワイヤに沿って微小振動させる加振機と、この加振機とともに前記回転チャックを載置し、前記ラッピングワイヤに沿って移動する加工テーブルと、この加工テーブル上に設けられ、前記振動テーブルを前記ラッピングワイヤに交差する方向に偏移する振動テーブル偏移手段と、を備えることを特徴とする管状体の内径加工装置。
  3. 前記ラッピングワイヤは、固定砥粒型のワイヤであることを特徴とする請求項2記載の管状体の内径加工装置。
  4. 前記ラッピングワイヤは、一端から他端に向かってテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の管状体の内径加工装置。
  5. 前記振動テーブル偏移手段は、前記ラッピングワイヤが挿通される管状体を前記ラッピングワイヤに直交する方向にほぼ5μm以下の範囲で偏移することを特徴とする請求項4記載の管状体の内径加工装置。
  6. 前記振動テーブル偏移手段は、前記振動テーブルが載置されるとともに、送りナットが固定された偏移テーブルと、この偏移テーブルに固定された前記送りナットに螺合し、前記加工テーブル上に前記ラッピングワイヤに交差する方向に延長設置された送りネジと、この送りネジを回転駆動する回転駆動手段と、により構成されることを特徴とする管状体の内径加工装置。
  7. 前記振動テーブル偏移手段は、前記加工テーブルの面上に、その板面が前記加工テーブルの面に交差するとともに、前記ラッピングワイヤに沿うように固定された弾性板と、この弾性板の端面上に、前記加工テーブルに対してほぼ水平に支持され、前記振動テーブルが載置される偏移テーブルと、この偏移テーブルを前記弾性板の面に交差する方向に変位させる加圧手段と、により構成されることを特徴とする請求項6記載の管状体の内径加工装置。
  8. 前記加圧手段は、加工テーブル上に、前記偏移テーブルの端部を支持可能に固定配置された摺動台と、この摺動台の摺動面上に固定されたガイド壁と、このガイド壁と前記偏移テーブルの端面との間に摺動可能に挿入された楔状移動体と、この楔状移動体を駆動する駆動機構と、により構成されることを特徴とする請求項7記載の管状体の内径加工装置。
  9. 前記楔状移動体を駆動する駆動機構は、楔状移動体駆動用サーボモータと、このサーボモータにより回転駆動される送りネジと、この送りネジに螺合するように前記楔状移動体に固定された送りナットにより構成され、前記楔状移動体を前記ガイド壁と偏移テーブルの端面との間に挿抜可能に挿入することにより、前記弾性板の端面上に支持された偏移テーブルを偏移することを特徴とする請求項8記載の管状体の内径加工装置。
  10. ラッピングワイヤが挿通される管状体を前記ラッピングワイヤの周りに回転させるとともに、この管状体を前記ラッピングワイヤに対して相対的に一方向に移動する手段と、この相対的な移動の際に、前記管状体を前記ラッピングワイヤに沿って相対的に微小振動する手段と、前記管状体を前記ラッピングワイヤに交差する方向に移動する手段と、を備えることを特徴とする管状体の内径加工方法。
  11. 前記ラッピングワイヤは、固定砥粒型のワイヤであることを特徴とする請求項10記載の管状体の内径加工方法。
  12. 前記ラッピングワイヤは、一端から他端に向かってテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項11記載の管状体の内径加工方法。
JP2004022865A 2004-01-30 2004-01-30 管状体の内径加工装置および方法 Pending JP2005212058A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004022865A JP2005212058A (ja) 2004-01-30 2004-01-30 管状体の内径加工装置および方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004022865A JP2005212058A (ja) 2004-01-30 2004-01-30 管状体の内径加工装置および方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005212058A true JP2005212058A (ja) 2005-08-11

Family

ID=34906073

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004022865A Pending JP2005212058A (ja) 2004-01-30 2004-01-30 管状体の内径加工装置および方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005212058A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103358198A (zh) * 2013-07-12 2013-10-23 上海赛慧机械有限公司 一种利用车床导轨结构的简易内孔磨削机构
CN103978423A (zh) * 2014-04-17 2014-08-13 宁波鱼化龙机电科技有限公司 一种陶瓷插芯加工用锡棒浇锡固定机
CN104690640A (zh) * 2015-04-07 2015-06-10 邓玉平 陶瓷插芯内孔研磨机
KR102372291B1 (ko) * 2021-10-08 2022-03-07 안수환 반도체장비용 핀부재 연마장치

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103358198A (zh) * 2013-07-12 2013-10-23 上海赛慧机械有限公司 一种利用车床导轨结构的简易内孔磨削机构
CN103978423A (zh) * 2014-04-17 2014-08-13 宁波鱼化龙机电科技有限公司 一种陶瓷插芯加工用锡棒浇锡固定机
CN104690640A (zh) * 2015-04-07 2015-06-10 邓玉平 陶瓷插芯内孔研磨机
KR102372291B1 (ko) * 2021-10-08 2022-03-07 안수환 반도체장비용 핀부재 연마장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2004009293A1 (ja) ブラシ状砥石の製造方法、ブラシ状砥石、および研磨機用ブラシ
CN101318359A (zh) 切削装置
JP2008068327A (ja) ウェーハエッジの研磨装置、及びウェーハエッジの研磨方法
KR19980080533A (ko) 정밀 연마 장치 및 방법
JP4468606B2 (ja) 凹球面の加工装置
JP2006346848A (ja) 超音波ワイヤソー装置
JP2005212058A (ja) 管状体の内径加工装置および方法
JP2009107055A (ja) 研磨工具、研磨装置
JP2007054909A (ja) ワイヤーソー加工方法
JP5672224B2 (ja) 溝付きローラー及びこれを用いたワイヤーソー
JP6733022B2 (ja) ワイヤソーによる溝加工装置とその方法
JP3242317B2 (ja) ワイヤソー装置
JP2004249395A (ja) 管状体の内径加工装置および方法
JP3242319B2 (ja) ワイヤソー装置
JP2009090377A (ja) 炭化珪素基板製造用ワイヤーソー装置
JP3501350B2 (ja) ワイヤソー用溝ローラのワイヤ溝の作製方法
JP3407691B2 (ja) ベルト駆動回転付与方式硬脆材円筒形状品の研削方法
JPH11333702A (ja) 球面創成加工装置及び球面創成加工方法
JP4263735B2 (ja) 円盤状基板の製造方法
JP3977800B2 (ja) 研磨装置及び研磨方法
JP2011194546A (ja) 超音波加工装置
JP2005246497A (ja) ラッピング装置及びラッピング方法
JP2002233939A (ja) 光学曲面の研磨方法
JP3457972B2 (ja) 表面研磨仕上装置
RU130538U1 (ru) Устройство для обработки сквозных отверстий малых диаметров

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080819

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080902

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081216