JPH09255606A - ビスフェノールfの製造方法 - Google Patents

ビスフェノールfの製造方法

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JPH09255606A
JPH09255606A JP8072144A JP7214496A JPH09255606A JP H09255606 A JPH09255606 A JP H09255606A JP 8072144 A JP8072144 A JP 8072144A JP 7214496 A JP7214496 A JP 7214496A JP H09255606 A JPH09255606 A JP H09255606A
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bisphenol
distillation
phosphoric acid
reaction
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Mariko Okihama
真理子 沖浜
Yuji Kunitake
憂璽 国武
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 純度、品質の優れたビスフェノールFを製造
するにあたり、フェノールとホルムアルデヒドの反応終
了後、より簡便な工程で後処理を行うことのできる、ビ
スフェノールFの製造方法を提供するものである。 【解決手段】 触媒として蓚酸又はリン酸を用いたビス
フェノールFの製造方法において、フェノールとホルム
アルデヒドとを反応させた後、該酸性触媒の失活処理工
程を全く、あるいは一部行わない酸性触媒の存在下にお
いて、フェノール蒸留回収および微量フェノール除去の
ための精製蒸留工程の温度を120〜160℃の範囲で
行うことで、ビスフェノールFの分解が起こらないため
ビスフェノールFの純度低下を引き起こすことがなく、
酸性触媒の失活処理工程を簡略化、あるいは省略して、
より簡便な後処理工程で、純度、品質の優れたビスフェ
ノールFを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェノールとホル
ムアルデヒドとの反応終了後、純度、品質を落とさず
に、より簡便な工程で後処理を行うことのできる、ビス
フェノールFの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】低核体数ノボラックであるビスフェノー
ルFは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂等の原料として広く使用されている。
【0003】従来、ビスフェノールFは、酸性触媒、例
えば蓚酸、リン酸を触媒としてフェノールとホルムアル
デヒドとを反応させて製造されている。生成したビスフ
ェノールFは、更にホルムアルデヒドが付加し、引き続
きフェノールと反応し、高核体数ノボラックが形成され
てくる。この高核体数ノボラックが多くなると、それを
原料として得られる樹脂は高粘度となり、ビスフェノー
ルF樹脂の持つ低粘度性が損なわれてしまう。そのた
め、ビスフェノールFの製造では高核体数ノボラックの
生成を抑制する必要がある。
【0004】現在一般に用いられているビスフェノール
Fは、ビスフェノールF純度90重量%以上で高核体ノ
ボラックは10重量%より低く抑えられている。この9
0重量%以上の純度を確保するために、通常、蓚酸を
触媒として使用し、ホルムアルデヒドに対するフェノー
ルのモル比を理論モル比2の15倍以上に相当する、3
0以上の高モル比で用い、フェノール/ホルムアルデヒ
ド/蓚酸/水からなる均一反応により製造している。反
応終了後、この過剰フェノールは、蒸留回収して再使用
される。更に、製品ビスフェノールF中に残存する微量
フェノールを除去するため、165〜180℃において
水蒸気蒸留が行われている。
【0005】また、特公平3−72049号公報に
は、触媒としてリン酸を用い、フェノールを主体とする
有機相と、リン酸水溶液を主体とする水相との、攪拌下
の液−液不均一反応系で、フェノールをホルムアルデヒ
ドに対して少なくとも3モル以上の範囲で用いて、フェ
ノールとホルムアルデヒドとの反応を行い、反応終了後
に水相を除去して得られる有機相中に、固体状炭酸水素
ナトリウムを、失活後の反応液のpHがアルカリサイド
にならにように添加して、残留するリン酸触媒の失活処
理を行い、その後、過剰のフェノールを165〜180
℃において蒸留回収してビスフェノールFを得る方法が
開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】およびの方法にお
いて反応終了後、フェノール蒸留回収および微量の残留
フェノール除去のための精製蒸留を165〜180℃の
範囲で行うと、熱履歴によりビスフェノールFの分解が
起こり、ビスフェノールFの純度低下を招き、また製品
中の残留フェノール量の増加を起こすという問題があ
る。
【0007】またの方法では、触媒として蓚酸を用い
て反応を行った後、反応で生じた縮合水を除去するため
120〜150℃に加熱するが、この間に蓚酸が熱分解
され、分解生成物として微量のギ酸が生じ、その強い酸
性のため、フェノールの蒸留回収および微量の残留フェ
ノール除去のための精製蒸留における、ビスフェノール
Fの分解が促進されてしまい、ビスフェノールFの純度
が更に低下するという欠点がある。
【0008】更にまた、精製蒸留では、ビスフェノール
Fが分解して生成するフェノールを除去するため、長い
時間をかけて精製蒸留を行わなければならない。一方、
の方法のように、酸性触媒の失活処理に中和反応を用
いる場合には、中和反応に用いる塩基性成分の量がわず
かでも多いと製品ビスフェノールFが着色してしまうの
で、厳密な中和処理が必要なため、この中和反応による
触媒機能の失活処理工程が長時間かかってしまう。また
系中に多量に存在するフェノールは弱酸性物質であるた
め、フェノールと中和反応に用いる塩基性物質の反応が
起こらないように、触媒残査である酸成分だけを中和処
理するのは大変困難なことである。
【0009】本発明の課題は、フェノールとホルムアル
デヒドの反応終了後、より簡便な工程で後処理を行うこ
とのできる、純度、品質の優れたビスフェノールFの製
造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するビスフェノールFの製造方法について鋭意検
討した結果、フェノールとホルムアルデヒドとを蓚酸又
はリン酸を酸性触媒として用いて反応させた後、該酸性
触媒の失活処理工程を全く、あるいは一部行わない酸性
触媒の存在下においても、フェノール蒸留回収および微
量フェノール除去のための精製蒸留工程の温度を特定の
範囲で行うと、ビスフェノールFの分解が起こらず、ビ
スフェノールFの純度低下を引き起こすことがないた
め、酸性触媒の失活処理工程を簡略化、あるいは省略し
て、より簡便な後処理工程で、純度、品質の優れたビス
フェノールFが得られることを見いだし、本発明に達し
た。
【0011】すなわち本発明は、 1.フェノールとホルムアルデヒドとを、酸性触媒とし
て蓚酸又はリン酸系触媒を用いて反応させた後、蓚酸及
び又はギ酸、あるいはリン酸系触媒の存在下で120〜
160℃で蒸留することを特徴とするビスフェノールF
の製造方法、 2.130〜150℃で蒸留する上記1記載の製造方
法、
【0012】3.酸性触媒としてリン酸系触媒を用いる
上記1又は2記載の製造方法、 4.リン酸系触媒が、リン酸である上記3記載の製造方
法、 5.リン酸1モルに対して3〜10モルの水が存在して
いる反応系内で、フェノールとホルムアルデヒドとを反
応させる上記4記載の製造方法、を提供するものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、ビスフェノール
Fの原料として用いるフェノールは、純正品でなくても
良く、市販されている工業用フェノールを用いても構わ
なく、更に本発明において、反応後蒸留回収したフェノ
ールもリサイクルして用いることができる。
【0014】また、本発明に用いるホルムアルデヒドと
しては、パラホルムアルデヒド、また任意の濃度のホル
ムアルデヒド水溶液も使用することができるが、工業的
には30〜45重量%のホルムアルデヒド水溶液を用い
ることが好ましい。
【0015】また、本発明におけるホルムアルデヒドに
対するフェノールのモル比は、特に制限されるものでは
ないが、通常は6〜50の範囲で目的に応じて適正な比
率を選択する。
【0016】本発明では酸性触媒として、蓚酸又はリン
酸系触媒を用いる。酸性触媒として蓚酸を用いる場合、
通常、濃度が高すぎて蓚酸が析出してくることのない範
囲として、1〜20重量%の蓚酸水溶液で用いるのが好
ましい。
【0017】一方、酸性触媒としてリン酸系触媒を用い
る場合には、溶解してリン酸水溶液となるリン酸系化合
物を用いることができ、特に限定されるものではない
が、例えば、リン酸、リン酸エステル類、ホスフィン
酸、ホスホン酸、トリポリリン酸等が挙げられ、該化合
物を水に溶解させて使用する。
【0018】また、酸性触媒の中でも特に、リン酸系触
媒が好ましい。なかでも、リン酸が濃度調節が簡便であ
る等、使用しやすいため好ましい。本発明において用い
るリン酸水溶液を構成するリン酸濃度は、特に限定され
ないが、50〜80重量%の範囲とした場合、触媒とし
ての活性が良好で、反応が円滑に行われるため好まし
い。
【0019】本発明においては、リン酸に対する水の使
用割合は、特に限定されるものではないが、リン酸1モ
ルに対して3〜10モルとなる範囲が好ましい。本発明
で言う水の量とは、フェノールとホルムアルデヒドとの
反応時の水の全使用量のことであり、リン酸水溶液、ホ
ルムアルデヒド水溶液、フェノール中の水の総量を示
し、縮合反応により生成する水は含まない。水の使用割
合をリン酸1モルに対して3モル以上の範囲で用いる
と、反応溶液中で均一な反応が円滑に行えるため好まし
く、また、10モル以下で用いると、高純度のビスフェ
ノールFが生成できる反応が行えるリン酸濃度が得られ
るため好ましい。また、更にその中でも特に、触媒機能
が高く、反応が円滑に行われるため、リン酸1モルに対
して水が3.5〜6モルとなる範囲が好ましい。
【0020】以下に、詳細に本発明の反応について説明
する。本発明において、フェノールとホルムアルデヒド
とを反応させる方法としては、特に限定されるものでは
なく、均一反応系でも、液−液不均一反応系でも良い。
【0021】例えば、蓚酸水溶液を加えたフェノールか
らなる有機相の均一反応系において、フェノールとホル
ムアルデヒドを反応させたり、フェノールを主成分とす
る有機相とリン酸水溶液からなる水相との液−液不均一
反応系において、フェノールとホルムアルデヒドとの反
応を行うことができる。
【0022】反応後の後処理工程においては、均一反応
系を用いた場合には、フェノール/ビスフェノールF/
少量の水/酸性触媒、を含む該反応溶液をそのまま用い
る。不均一反応系を用いた場合には、反応終了後、通常
静置分液等により、フェノール/ビスフェノールF/少
量の水/少量の酸性触媒、を含む上層の有機相と、水/
酸性触媒/少量のフェノール、を含む下層の水相に分離
させ、分液して上層の有機相からなる反応溶液を用い
る。
【0023】酸性触媒を含んだ該反応溶液を、この酸性
触媒の失活工程を全く経ずに、または、一部だけ行った
後、蒸留を行う。本発明でいう蒸留とは、フェノール蒸
留回収、およびその後の微量の残留フェノール除去のた
めの精製蒸留との一連の工程を指す。
【0024】本発明における蒸留は、120〜160℃
で行う。フェノール蒸留回収を120℃以上で行うと、
フェノールの回収が充分に行われて残存フェノール量が
少なくなり、精製蒸留を短時間で行うことができる。ま
た、精製蒸留を120℃以上で行えば、ビスフェノール
Fの一部が結晶として析出してくるのを防止することが
できる。
【0025】また、フェノール蒸留回収および精製の温
度範囲を165℃以下で行うと、熱履歴によりビスフェ
ノールFの分解が起こらないため、ビスフェノールFの
純度低下を防ぐことができ、また製品中の残留フェノー
ル量の増加を起こすことも防止できる。更に本発明にお
いて、酸性触媒として蓚酸を用いて反応を行った後の蒸
留においては、蓚酸や、蒸留時の熱分解による微量のギ
酸が存在している場合もあり、また酸性触媒としてリン
酸系触媒を用いた時には、そのリン酸系触媒が残存して
いる場合もあるが、フェノール蒸留回収および精製の温
度範囲を165℃以下で行うと、リン酸系触媒、蓚酸、
ギ酸が残存する酸性雰囲気下においてもなお、熱履歴に
よりビスフェノールFの分解が起こらない。
【0026】そのなかでも、130〜150℃の温度範
囲で蒸留を行うことが特に好ましい。また、蒸留のう
ち、フェノールの蒸留回収においては、通常10〜40
0mmHgの減圧下で、更に好ましくは10〜150m
mHgの減圧下で、フェノール留出がなくなるまで蒸留
を行うのが好ましい。
【0027】フェノールの蒸留回収の後、微量の残留フ
ェノールを回収するための精製蒸留においては、通常1
0〜100mmHgの減圧下で、0.1〜5kg/cm
2の水蒸気を吹き込み、水と共沸させるのが好ましい。
【0028】酸性触媒として蓚酸を用いた場合には、通
常は、フェノールの蒸留回収の前に、120〜140℃
に加熱し、脱水処理を行うが、この間に蓚酸が熱分解さ
れ、分解生成物として微量のギ酸が生じる。本発明によ
れば、蒸留中、蓚酸、または分解したギ酸が残存してい
ても、ビスフェノールFの分解に関して影響を及ぼすこ
ともなく、また、蒸留前に加熱処理を行わなくても、該
蓚酸は、フェノールの蒸留回収、その後の微量の残留フ
ェノールを回収するための精製蒸留における熱履歴によ
りギ酸に分解され製品中には残留しないため、蒸留前に
加熱処理をする必要はない。しかし蒸留回収するフェノ
ールを再利用する場合には、反応で生じた縮合水を除去
するため、蒸留の前に、120〜150℃において1〜
3時間加熱して、脱水処理するのが好ましい。
【0029】また、酸性触媒としてリン酸系触媒を用い
た場合には、該リン酸系触媒が多量に製品ビスフェノー
ルF中に残留するのを防ぐため、フェノールの蒸留回収
の前に該リン酸系触媒の一部を除去するのが好ましい
が、本発明においては該リン酸系触媒が全て、あるいは
一部残留した状態で蒸留を行っても、ビスフェノールF
の分解への影響はないため、蒸留前に触媒機能を完全に
失活させるために厳密な工程を行う必要はなく、蒸留前
の該リン酸系触媒の一部除去を、簡単に行うことができ
る。
【0030】該リン酸系触媒は、反応終了後の中和処理
の後、該中和塩を除去することにより除去することがで
きるが、該中和処理においては、反応溶液のpHが4.
5〜6.0になるように行うと、過剰中和にはならず、
過剰中和が起因する製品ビスフェノールFの着色を防ぐ
ことができ、また多量のリン酸系触媒が製品中に残留す
ることもないため好ましい。
【0031】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳述する
が、本発明は実施例によりなんら制限されるものではな
い。
【0032】実施例、及び比較例中の%は重量%を表
す。
【0033】実施例1 コンデンサー、攪拌器、温度計を備えた4つ口フラスコ
にフェノール200g、及び20%蓚酸水溶液0.42
gを加え、100℃に昇温した。41.5%ホルムアル
デヒド溶液15.2gを3時間で添加した。添加終了
後、100℃で3時間攪拌を続けた。この時、系中の反
応生成物中のビスフェノールF純度は91.2%であっ
た。
【0034】この反応液を140℃で2時間加熱し、脱
水処理を行った。その後140℃、60mmHgで過剰
フェノールの蒸留回収を開始した。一時間後にフェノー
ルの留出が認められなくなってから、さらに140℃、
60mmHgで2時間水蒸気蒸留を行った。蒸留後のビ
スフェノールF純度は91.2%、残留フェノールは4
8ppmであった。
【0035】実施例2 反応終了後、脱水処理を行わずフェノールの蒸留回収、
水蒸気蒸留を行った以外は実施例1と同様に行った。ビ
スフェノールF純度は91.0%で残留フェノールは5
2ppmであった。
【0036】実施例3 コンデンサー、攪拌器、温度計を備えた4つ口フラスコ
にフェノール260g、及び65%リン酸水溶液130
gを加え、65℃に調節した。41.5%ホルムアルデ
ヒド溶液20.3gを3時間で添加した。添加終了後更
に30分攪拌を続けた後、静置して有機相と水相とに分
液した。有機相の反応生成物中のビスフェノールF純度
は94.3%であった。
【0037】分液後の有機相量は265gで、中に残留
するリン酸量は1.56gであった。系内にリン酸が残
ったまま140℃で系内の水を除去した後、150℃、
60mmHgで過剰フェノールの蒸留回収を開始した。
1.0時間後にフェノールの留出が認められなくなった
後、更に150℃、60mmHgで2時間水蒸気蒸留を
行った。蒸留後のビスフェノールF純度は94.1%、
残留フェノールは50ppmであった。得られたビスフ
ェノールFに着色は認められなかった。
【0038】実施例4 有機相量が265gで、中に含まれるリン酸量が1.5
6gである分液を、10%水酸化ナトリウム水溶液を用
いてpH6にまで中和を行った以外は実施例3と同様に
行った。ビスフェノールF純度は94.2%、残留フェ
ノールは47ppmであった。得られたビスフェノール
Fに着色は認められなかった。
【0039】比較例1 コンデンサー、攪拌器、温度計を備えた4つ口フラスコ
にフェノール200g、及び20%蓚酸水溶液0.42
gを加え、100℃に昇温した。41.5%ホルムアル
デヒド溶液15.2gを3時間で添加した。添加終了後
100℃で3時間攪拌を続けた。この時、系中の反応生
成物中のビスフェノールF純度は91.2%であった。
【0040】この反応液を140℃で2時間加熱し、脱
水処理を行った。その後、140℃、60mmHgで過
剰のフェノールを蒸留回収し、1時間後にフェノールの
留出が認められなくなって後、更に170℃、60mm
Hgで2時間水蒸気蒸留を行った。蒸留後のビスフェノ
ールF純度は89.8%、残留フェノールは510pp
mであった。
【0041】比較例2 コンデンサー、攪拌器、温度計を備えた4つ口フラスコ
にフェノール260g、及び65%リン酸水溶液130
gを加え、65℃に調節した。41.5%ホルムアルデ
ヒド溶液20.3gを3時間かけて添加した。添加終了
後更に30分攪拌を続けた後、静置して有機相と水相と
に分液した。有機相の反応生成物中のビスフェノールF
純度は94.3%であった。
【0042】分液後の有機相量は265gで、中に含ま
れるリン酸量は1.56gであった。10%水酸化ナト
リウム水溶液を用いてpH6にまで中和を行い、140
℃で系内の水を除去した後60℃まで冷却し、No.5
Bの濾紙を用いて中和塩を除去した。その後、150
℃、60mmHgで過剰のフェノールを蒸留回収し、
0.5時間後に、フェノールの留出が認められなくなっ
てから、更に170℃、60mmHgで2時間水蒸気蒸
留を行った。蒸留後のビスフェノールF純度は90.1
%で、ビスフェノールF中の残留フェノールは80pp
mであった。
【0043】比較例3 比較例2と同様にして得られた、有機相量が265g
で、中に含まれるリン酸量が1.54gである分液を、
炭酸水素ナトリウムを用いてpH6にまで中和を行い、
140℃で系内の水を除去した後60℃まで冷却し、N
o.5Bの濾紙を用いて中和塩を除去した。その後、1
70℃、60mmHgで過剰のフェノールを蒸留回収
し、0.5時間後に、フェノールの留出が認められなく
なってから、更に170℃、60mmHgで2時間水蒸
気蒸留を行った。蒸留後のビスフェノールF純度は9
0.8%で、ビスフェノールF中の残留フェノールは7
8ppmであった。
【0044】比較例4 反応終了分液後、有機相中リン酸の中和を行わず、17
0℃でフェノール蒸留回収、水蒸気蒸留を行った以外は
実施例3と同様に行った。ビスフェノールF純度は29
%で、残留フェノールは78ppmであった。
【0045】
【発明の効果】本発明により、反応終了後の酸性触媒の
残留如何にかかわらず、ビスフェノールFの純度低下を
引き起こすことなく蒸留を行うことが可能であり、より
簡便な工程で、純度、品質の優れたエポキシ樹脂原料を
供給することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノールとホルムアルデヒドとを、酸
    性触媒として蓚酸又はリン酸系触媒を用いて反応させた
    後、蓚酸及び又はギ酸、あるいはリン酸系触媒の存在下
    で120〜160℃で蒸留することを特徴とするビスフ
    ェノールFの製造方法。
  2. 【請求項2】 130〜150℃で蒸留する請求項1記
    載の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸性触媒としてリン酸系触媒を用いる請
    求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 リン酸系触媒が、リン酸である請求項3
    記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 リン酸1モルに対して3〜10モルの水
    が存在している反応系内で、フェノールとホルムアルデ
    ヒドとを反応させる請求項4記載の製造方法。
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